光ディスク装置
【課題】塵埃に対する防護性能が充分であり、また、ドライブ機構がユーザに対して剥き出しにならず高級感を備えた光ディスク装置の提供。
【解決手段】開口部を閉止し、光ディスク10の挿入前に開放され、挿入された後に閉止する第1扉7と、挿入された光ディスク10をスピンドルモータ12の軸方向と垂直に掴持する掴持手段9a,9bと、ハウジング6の掴持手段9a,9b及びスピンドルモータ12間を閉止し、掴持手段9a,9bが光ディスク10を掴持し第1扉7が閉止したときに開放される第2扉8a,8bと、第2扉8a,8bの開放状態で掴持手段9a,9bを第2扉8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送する手段15とを備え、搬送する手段15が掴持手段9a,9bをスピンドルモータ12側へ搬送後、第2扉8a,8bが閉止し、掴持手段9a,9bが放した光ディスク10を保持手段14が保持する構成である。
【解決手段】開口部を閉止し、光ディスク10の挿入前に開放され、挿入された後に閉止する第1扉7と、挿入された光ディスク10をスピンドルモータ12の軸方向と垂直に掴持する掴持手段9a,9bと、ハウジング6の掴持手段9a,9b及びスピンドルモータ12間を閉止し、掴持手段9a,9bが光ディスク10を掴持し第1扉7が閉止したときに開放される第2扉8a,8bと、第2扉8a,8bの開放状態で掴持手段9a,9bを第2扉8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送する手段15とを備え、搬送する手段15が掴持手段9a,9bをスピンドルモータ12側へ搬送後、第2扉8a,8bが閉止し、掴持手段9a,9bが放した光ディスク10を保持手段14が保持する構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク及びCD(Compact Disk)等の光ディスクを再生又は再生/記録する光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクは、DVD、ブルーレイディスク等、大容量化が進んでおり、その記録再生装置である光ディスク装置は、テレビジョン受像機に内蔵されることも多くなって来ている。
光ディスク装置では、従来、携帯型以外では、光ディスクをトレイに載置した状態で出し入れするのが一般的であるが、最近、トレイを使用せずに直接光ディスクを押込むスロットインドライブ方式も採用されるようになっている。
【0003】
特許文献1には、光学ヘッドを案内する光学ヘッド案内機構と光学ヘッドの一部とを覆うユニット機構カバーを設け、ユニット機構カバーがユニット機構とばね及び/又はゴムとで連結する光ディスク装置が開示されている。ばね及び/又はゴムと質点として機能するユニット機構カバーとから動吸振器を構成し、ばね及び/又はゴムの主振動軸をユニット機構カバーの振動方向と一致させる。これにより、スリム型の光ディスク装置に動吸振器を搭載するに際して、動吸振器を設置する為の特別の空間を設けることなく、光ディスク装置の低振動化と防塵化とを図る。
【0004】
特許文献2には、デッキ部の上下左右の側面をシート状の上側防塵カバー及び下側防塵カバーで覆い、デッキ部の開口部から埃や塵などがデッキ部の内部に侵入することを防ぎ、デッキ部の内部の光ピックアップ部に埃や塵などが付着することを防ぐ光ディスク装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−319005号公報
【特許文献2】特開2002−133843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、テレビジョン受像機に光ディスク装置を内蔵させるような場合、ディスプレイ下方の床近くに配置されることが多いが、その場合、周囲の塵埃が比較的多くなるのに対して、従来の方式では防護性能が不足するという問題がある。また、光ディスクの出し入れ時に、トレイ及びピックアップ等のドライブ機構がユーザに対して剥き出しになり、見た目が悪い(安っぽく見える)という問題がある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、塵埃に対する防護性能が充分であり、また、ドライブ機構がユーザに対して剥き出しにならず高級感を備えた光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光ディスク装置は、両端部に底を有する筒形状のハウジングの一方の底に設けられた開口部から挿入された光ディスクを保持する保持手段と、前記ハウジングの他方の底付近に設けられ、前記保持手段が保持する光ディスクを回転させるスピンドルモータとを備える光ディスク装置において、前記開口部を閉止し、光ディスクが挿入される前に開放され、光ディスクが挿入された後に閉止する第1扉と、挿入された光ディスクを前記スピンドルモータの軸方向と垂直に掴持する掴持手段と、前記ハウジングの該掴持手段及び前記スピンドルモータ間を閉止し、該掴持手段が光ディスクを掴持し前記第1扉が閉止したときに開放される第2扉と、該第2扉が開放された状態で、前記掴持手段を前記第2扉のスピンドルモータ側へ搬送する手段とを備え、該手段が前記掴持手段をスピンドルモータ側へ搬送した後、前記第2扉が閉止し、前記掴持手段が放した光ディスクを前記保持手段が保持するように構成してあることを特徴とする。
【0007】
この光ディスク装置では、両端部に底を有する筒形状のハウジングの一方の底に設けられた開口部から挿入された光ディスクを保持手段が保持し、ハウジングの他方の底付近に設けられたスピンドルモータが、保持手段が保持する光ディスクを回転させる。第1扉が、ハウジングの一方の底に設けられた開口部を閉止し、光ディスクが挿入される前に開放され、光ディスクが挿入された後に閉止する。掴持手段が、挿入された光ディスクをスピンドルモータの軸方向と垂直に掴持する。第2扉が、ハウジングの掴持手段及びスピンドルモータ間を閉止し、掴持手段が光ディスクを掴持し第1扉が閉止したときに開放され、第2扉が開放された状態で、搬送する手段が、掴持手段を第2扉のスピンドルモータ側へ搬送する。搬送する手段が掴持手段をスピンドルモータ側へ搬送した後、第2扉が閉止し、掴持手段が放した光ディスクを保持手段が保持する。
【0008】
本発明に係る光ディスク装置は、前記保持手段は、前記第2扉のスピンドルモータ側の面から突き出した状態に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る光ディスク装置は、前記第1扉及び第2扉は、その全面又は一部が透明又は半透明であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る光ディスク装置によれば、塵埃に対する防護性能が充分であり、また、ドライブ機構がユーザに対して剥き出しにならず高級感を備えた光ディスク装置を実現することができる。また、ドライブ機構は、従来のトレイ式のものを流用することができ、汎用性を高めることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る光ディスク装置の実施の形態を内蔵したテレビジョン受像機の外観を示す正面図である。
このテレビジョン受像機1は、台座5に支持されており、液晶ディスプレイからなるテレビジョン画面2の下方に設けられた左右2つのアンダースピーカ3,3と、アンダースピーカ3,3の間に内蔵された本発明に係る光ディスク装置であるブルーレイドライブ4とを備えている。
【0012】
ブルーレイドライブ4は、薄型のテレビジョン受像機1に内蔵する為に、ブルーレイディスク等の光ディスクが鉛直方向に保持された状態で回転する縦型である。ユーザは、テレビジョン画面2の直下に設けられた扉を、図示しないボタンの操作及び/又は手動により開放し、光ディスクを縦方向に載置する。ブルーレイドライブ4の他の操作は、テレビジョン受像機1の他の操作と同様、図示しないリモートコントロール装置により行う。
【0013】
図2は、ブルーレイドライブ4の側方からの断面を示す側縦断面図であり、図3は、ブルーレイドライブ4の正面からの各部の輪郭を示す透視図である。
側縦断面図(図2)では、扉である防塵用第1蓋7(第1扉)が開放されて、光ディスク10が挿入された状態を示している。
ブルーレイドライブ4は、両端部に底を有する角筒形状のハウジング6に収納されており、防塵用第1蓋7は、ハウジング6の手前側の(一方の)底の大半を占める開口部を閉止する。
【0014】
防塵用第1蓋7は、図4に示すように、下端部に設けられた回転ヒンジ部17を支点に手前に回動して、図5に示すように、上端部が開放される。防塵用第1蓋7には、右上部に内部の光ディスク10を視認する為の扇形の窓16が設けられている。
ハウジング6の奥側の(他方の)底付近には、図11に示すように、底に略平行に方形板形状のメインシャーシ22が設けられている。尚、図11は、ブルーレイドライブ4を下方から見た各部の輪郭を示す下面透視図である。
【0015】
メインシャーシ22は、その正面から見て左端の上下に設けられた回転ヒンジ部24,24を支点に前後に回動するように構成されている。回転ヒンジ部24,24は、ハウジング6に固定されている。
ハウジング6の奥側の(他方の)底には、カム機構及びレバー等によりシャーシ類を駆動する為のシャーシ駆動モータ19が固定されている。
【0016】
メインシャーシ22の手前側の面には、2本のガイドシャフト21が互いに平行に水平に固定されている。光ピックアップ11は、メインシャーシ22に固定された駆動モータ20により、2本のガイドシャフト21に沿って移動する。
光ディスク10を回転させるスピンドルモータ12は、メインシャーシ22に固定されている。
【0017】
光ディスク10は、防塵用第1蓋7が開放されて挿入されると、2つの保持羽根9a,9b(掴持手段)により鉛直に掴持される。2つの保持羽根9a,9bは、光ディスク10を掴持していないときは、図6に示すように、左右に開いている。保持羽根9a,9bは、光ディスク10が載置されると、図7に示すように、保持羽根回転支点18を中心に互いに逆方向へ、光ディスク10を掴持する迄回動し、掴持している間は光ディスク10方向へ付勢される。保持羽根9a,9bは、シャーシ駆動モータ19に連動する保持羽根開閉レバー13により駆動される。
【0018】
2つの保持羽根9a,9bには、光ディスク10を遊嵌する為の溝が設けられている。保持羽根9aは羽根部分が幅広に形成され、その分、溝が深くなっており、光ディスク10が載置されたときには、保持羽根9aのみで光ディスク10を鉛直に支持する。
2つの保持羽根9a,9bは、保持羽根回転支点18で光ディスク保持台15に保持されている。
【0019】
図2に示すように、防塵用第1蓋7が開放され、光ディスク10が挿入されるときには、ハウジング6の保持羽根9a,9b及びスピンドルモータ12間を防塵用第2蓋8a,8b(第2扉)が閉止している。防塵用第2蓋8a,8bは、防塵用第1蓋7との間に保持羽根9a,9bを収容する空間を備えて設けられており、開放されるときは、図8に示すように、右半部8a及び左半部8bの2つに別れて、ハウジング6外に突設されたそれぞれの図示しない戸袋へ収納される。
防塵用第2蓋8a,8bの中央部には、クランパ(保持手段)14が左半部8bに、回転自在に、またスピンドルモータ12側に突設されている。尚、防塵用第2蓋の右半部8aには、防塵用第1蓋7の窓16(図4)と同様の位置に、同じ扇形の窓16aが設けられており、防塵用第2蓋8a,8bが閉止された状態で、光ディスク10のラベル面を視認可能となっている。
【0020】
防塵用第2蓋8a,8bは、保持羽根9a,9bが光ディスク10を掴持し、防塵用第1蓋7が閉止されると、シャーシ駆動モータ19により開放される(図8)。防塵用第2蓋8a,8bが開放された状態で、光ディスク保持台15は、シャーシ駆動モータ19に連動するディスクローディングカム23(図11)により、図9に示すように、防塵用第2蓋8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送される。これにより、保持羽根9a,9bに掴持された光ディスク10も、防塵用第2蓋8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送される。
【0021】
防塵用第2蓋8a,8bは、保持羽根9a,9bに掴持された光ディスク10が、防塵用第2蓋8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送されると、図10に示すように、シャーシ駆動モータ19により閉止する。防塵用第2蓋8a,8bが閉止すると、メインシャーシ22が、シャーシ駆動モータ19により回転ヒンジ部24,24を支点に手前に回動することにより、スピンドルモータ12が手前に移動する(図11)。また、これと同時的に、保持羽根9a,9bが、図6に示すように、左右に開いて光ディスク10を放す。
これにより、光ディスク10は、スピンドルモータ12に押圧された状態で、クランパ14に保持され、スピンドルモータ12により回転可能となる(図12)。
【0022】
以下に、このような構成のブルーレイドライブ4の動作を説明する。
ユーザが、図示しないボタンの操作及び/又は手動により、図2に示すように、防塵用第1蓋7を開放し、光ディスクを縦方向に保持羽根9aに載置すると、保持羽根9a,9bが、図7に示すように、光ディスク10を掴持する迄回動する。また、同時的に、防塵用第1蓋7が、シャーシ駆動モータ19により閉止される。
保持羽根9a,9bは、光ディスク10を掴持している間は光ディスク10方向へ付勢されている。
【0023】
保持羽根9a,9bが光ディスク10を掴持し、防塵用第1蓋7が閉止されると、防塵用第2蓋8a,8bが、図8に示すように、シャーシ駆動モータ19により開放される。
防塵用第2蓋8a,8bが開放されると、保持羽根9a,9bに掴持された光ディスク10が、光ディスク保持台15と共に、図9に示すように、防塵用第2蓋8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送される。光ディスク保持台15は、シャーシ駆動モータ19に連動するディスクローディングカム23(図11)により搬送される。
【0024】
保持羽根9a,9bに掴持された光ディスク10が、防塵用第2蓋8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送されると、防塵用第2蓋8a,8bは、図10に示すように、シャーシ駆動モータ19により閉止する。
防塵用第2蓋8a,8bが閉止すると、メインシャーシ22が、回転ヒンジ部24,24(図11)を支点に手前に回動することにより、スピンドルモータ12が手前に移動する。また、これと同時的に、保持羽根9a,9bが、図6に示すように、左右に開いて光ディスク10を放す。
スピンドルモータ12が手前に移動し、保持羽根9a,9bが光ディスク10を放すことにより、光ディスク10は、図12に示すように、スピンドルモータ12に押圧された状態で、クランパ14に保持され、スピンドルモータ12により回転可能となる。
【0025】
光ディスク10がスピンドルモータ12により回転している状態で、光ピックアップ11は、駆動モータ20により2本のガイドシャフト21に沿って移動しながら、光ディスク10に記録された情報を読取る。
光ディスク10の情報の読取りが終了すると、図10に示すように、光ディスク10が保持羽根9a,9bに掴持され、防塵用第2蓋8a,8bが閉止された状態で待機する。図示しないリモートコントロール装置により、光ディスク10の取出しが指示されると、上述した動作の逆の順序で、図2に示すように、防塵用第1蓋7が開放され、保持羽根9aから光ディスク10を取出すことが可能な状態となる。
尚、上記の実施の形態では、光ディスクを鉛直に保持する光ディスク装置について説明しているが、本発明は、光ディスクを水平、斜め等に保持する光ディスク装置についても実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る光ディスク装置の実施の形態を内蔵したテレビジョン受像機の外観を示す正面図である。
【図2】ブルーレイドライブの側方からの断面を示す側縦断面図である。
【図3】ブルーレイドライブの正面からの各部の輪郭を示す透視図である。
【図4】ブルーレイドライブの防塵用第1蓋を模式的に示す外観図である。
【図5】ブルーレイドライブの防塵用第1蓋の開放状態を模式的に示す模式図である。
【図6】ブルーレイドライブの保持羽根を模式的に示す模式図である。
【図7】ブルーレイドライブの保持羽根の動作を模式的に示す模式図である。
【図8】ブルーレイドライブの防塵用第1蓋の開放状態を模式的に示す説明図である。
【図9】ブルーレイドライブの側方からの断面を示す側縦断面図である。
【図10】ブルーレイドライブの側方からの断面を示す側縦断面図である。
【図11】ブルーレイドライブを下方から見た各部の輪郭を示す下面透視図である。
【図12】ブルーレイドライブの側方からの断面を示す側縦断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 テレビジョン受像機
2 テレビジョン画面
4 ブルーレイドライブ
6 ハウジング
7 防塵用第1蓋(第1扉)
8a,8b 防塵用第2蓋(第2扉)
9a,9b 保持羽根(掴持手段)
10 光ディスク
11 光ピックアップ
12 スピンドルモータ
14 クランパ(保持手段)
15 光ディスク保持台
16,16a 窓
19 シャーシ駆動モータ
20 駆動モータ
22 メインシャーシ
23 ディスクローディングカム
24 回転ヒンジ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク及びCD(Compact Disk)等の光ディスクを再生又は再生/記録する光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクは、DVD、ブルーレイディスク等、大容量化が進んでおり、その記録再生装置である光ディスク装置は、テレビジョン受像機に内蔵されることも多くなって来ている。
光ディスク装置では、従来、携帯型以外では、光ディスクをトレイに載置した状態で出し入れするのが一般的であるが、最近、トレイを使用せずに直接光ディスクを押込むスロットインドライブ方式も採用されるようになっている。
【0003】
特許文献1には、光学ヘッドを案内する光学ヘッド案内機構と光学ヘッドの一部とを覆うユニット機構カバーを設け、ユニット機構カバーがユニット機構とばね及び/又はゴムとで連結する光ディスク装置が開示されている。ばね及び/又はゴムと質点として機能するユニット機構カバーとから動吸振器を構成し、ばね及び/又はゴムの主振動軸をユニット機構カバーの振動方向と一致させる。これにより、スリム型の光ディスク装置に動吸振器を搭載するに際して、動吸振器を設置する為の特別の空間を設けることなく、光ディスク装置の低振動化と防塵化とを図る。
【0004】
特許文献2には、デッキ部の上下左右の側面をシート状の上側防塵カバー及び下側防塵カバーで覆い、デッキ部の開口部から埃や塵などがデッキ部の内部に侵入することを防ぎ、デッキ部の内部の光ピックアップ部に埃や塵などが付着することを防ぐ光ディスク装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−319005号公報
【特許文献2】特開2002−133843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、テレビジョン受像機に光ディスク装置を内蔵させるような場合、ディスプレイ下方の床近くに配置されることが多いが、その場合、周囲の塵埃が比較的多くなるのに対して、従来の方式では防護性能が不足するという問題がある。また、光ディスクの出し入れ時に、トレイ及びピックアップ等のドライブ機構がユーザに対して剥き出しになり、見た目が悪い(安っぽく見える)という問題がある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、塵埃に対する防護性能が充分であり、また、ドライブ機構がユーザに対して剥き出しにならず高級感を備えた光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光ディスク装置は、両端部に底を有する筒形状のハウジングの一方の底に設けられた開口部から挿入された光ディスクを保持する保持手段と、前記ハウジングの他方の底付近に設けられ、前記保持手段が保持する光ディスクを回転させるスピンドルモータとを備える光ディスク装置において、前記開口部を閉止し、光ディスクが挿入される前に開放され、光ディスクが挿入された後に閉止する第1扉と、挿入された光ディスクを前記スピンドルモータの軸方向と垂直に掴持する掴持手段と、前記ハウジングの該掴持手段及び前記スピンドルモータ間を閉止し、該掴持手段が光ディスクを掴持し前記第1扉が閉止したときに開放される第2扉と、該第2扉が開放された状態で、前記掴持手段を前記第2扉のスピンドルモータ側へ搬送する手段とを備え、該手段が前記掴持手段をスピンドルモータ側へ搬送した後、前記第2扉が閉止し、前記掴持手段が放した光ディスクを前記保持手段が保持するように構成してあることを特徴とする。
【0007】
この光ディスク装置では、両端部に底を有する筒形状のハウジングの一方の底に設けられた開口部から挿入された光ディスクを保持手段が保持し、ハウジングの他方の底付近に設けられたスピンドルモータが、保持手段が保持する光ディスクを回転させる。第1扉が、ハウジングの一方の底に設けられた開口部を閉止し、光ディスクが挿入される前に開放され、光ディスクが挿入された後に閉止する。掴持手段が、挿入された光ディスクをスピンドルモータの軸方向と垂直に掴持する。第2扉が、ハウジングの掴持手段及びスピンドルモータ間を閉止し、掴持手段が光ディスクを掴持し第1扉が閉止したときに開放され、第2扉が開放された状態で、搬送する手段が、掴持手段を第2扉のスピンドルモータ側へ搬送する。搬送する手段が掴持手段をスピンドルモータ側へ搬送した後、第2扉が閉止し、掴持手段が放した光ディスクを保持手段が保持する。
【0008】
本発明に係る光ディスク装置は、前記保持手段は、前記第2扉のスピンドルモータ側の面から突き出した状態に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る光ディスク装置は、前記第1扉及び第2扉は、その全面又は一部が透明又は半透明であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る光ディスク装置によれば、塵埃に対する防護性能が充分であり、また、ドライブ機構がユーザに対して剥き出しにならず高級感を備えた光ディスク装置を実現することができる。また、ドライブ機構は、従来のトレイ式のものを流用することができ、汎用性を高めることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る光ディスク装置の実施の形態を内蔵したテレビジョン受像機の外観を示す正面図である。
このテレビジョン受像機1は、台座5に支持されており、液晶ディスプレイからなるテレビジョン画面2の下方に設けられた左右2つのアンダースピーカ3,3と、アンダースピーカ3,3の間に内蔵された本発明に係る光ディスク装置であるブルーレイドライブ4とを備えている。
【0012】
ブルーレイドライブ4は、薄型のテレビジョン受像機1に内蔵する為に、ブルーレイディスク等の光ディスクが鉛直方向に保持された状態で回転する縦型である。ユーザは、テレビジョン画面2の直下に設けられた扉を、図示しないボタンの操作及び/又は手動により開放し、光ディスクを縦方向に載置する。ブルーレイドライブ4の他の操作は、テレビジョン受像機1の他の操作と同様、図示しないリモートコントロール装置により行う。
【0013】
図2は、ブルーレイドライブ4の側方からの断面を示す側縦断面図であり、図3は、ブルーレイドライブ4の正面からの各部の輪郭を示す透視図である。
側縦断面図(図2)では、扉である防塵用第1蓋7(第1扉)が開放されて、光ディスク10が挿入された状態を示している。
ブルーレイドライブ4は、両端部に底を有する角筒形状のハウジング6に収納されており、防塵用第1蓋7は、ハウジング6の手前側の(一方の)底の大半を占める開口部を閉止する。
【0014】
防塵用第1蓋7は、図4に示すように、下端部に設けられた回転ヒンジ部17を支点に手前に回動して、図5に示すように、上端部が開放される。防塵用第1蓋7には、右上部に内部の光ディスク10を視認する為の扇形の窓16が設けられている。
ハウジング6の奥側の(他方の)底付近には、図11に示すように、底に略平行に方形板形状のメインシャーシ22が設けられている。尚、図11は、ブルーレイドライブ4を下方から見た各部の輪郭を示す下面透視図である。
【0015】
メインシャーシ22は、その正面から見て左端の上下に設けられた回転ヒンジ部24,24を支点に前後に回動するように構成されている。回転ヒンジ部24,24は、ハウジング6に固定されている。
ハウジング6の奥側の(他方の)底には、カム機構及びレバー等によりシャーシ類を駆動する為のシャーシ駆動モータ19が固定されている。
【0016】
メインシャーシ22の手前側の面には、2本のガイドシャフト21が互いに平行に水平に固定されている。光ピックアップ11は、メインシャーシ22に固定された駆動モータ20により、2本のガイドシャフト21に沿って移動する。
光ディスク10を回転させるスピンドルモータ12は、メインシャーシ22に固定されている。
【0017】
光ディスク10は、防塵用第1蓋7が開放されて挿入されると、2つの保持羽根9a,9b(掴持手段)により鉛直に掴持される。2つの保持羽根9a,9bは、光ディスク10を掴持していないときは、図6に示すように、左右に開いている。保持羽根9a,9bは、光ディスク10が載置されると、図7に示すように、保持羽根回転支点18を中心に互いに逆方向へ、光ディスク10を掴持する迄回動し、掴持している間は光ディスク10方向へ付勢される。保持羽根9a,9bは、シャーシ駆動モータ19に連動する保持羽根開閉レバー13により駆動される。
【0018】
2つの保持羽根9a,9bには、光ディスク10を遊嵌する為の溝が設けられている。保持羽根9aは羽根部分が幅広に形成され、その分、溝が深くなっており、光ディスク10が載置されたときには、保持羽根9aのみで光ディスク10を鉛直に支持する。
2つの保持羽根9a,9bは、保持羽根回転支点18で光ディスク保持台15に保持されている。
【0019】
図2に示すように、防塵用第1蓋7が開放され、光ディスク10が挿入されるときには、ハウジング6の保持羽根9a,9b及びスピンドルモータ12間を防塵用第2蓋8a,8b(第2扉)が閉止している。防塵用第2蓋8a,8bは、防塵用第1蓋7との間に保持羽根9a,9bを収容する空間を備えて設けられており、開放されるときは、図8に示すように、右半部8a及び左半部8bの2つに別れて、ハウジング6外に突設されたそれぞれの図示しない戸袋へ収納される。
防塵用第2蓋8a,8bの中央部には、クランパ(保持手段)14が左半部8bに、回転自在に、またスピンドルモータ12側に突設されている。尚、防塵用第2蓋の右半部8aには、防塵用第1蓋7の窓16(図4)と同様の位置に、同じ扇形の窓16aが設けられており、防塵用第2蓋8a,8bが閉止された状態で、光ディスク10のラベル面を視認可能となっている。
【0020】
防塵用第2蓋8a,8bは、保持羽根9a,9bが光ディスク10を掴持し、防塵用第1蓋7が閉止されると、シャーシ駆動モータ19により開放される(図8)。防塵用第2蓋8a,8bが開放された状態で、光ディスク保持台15は、シャーシ駆動モータ19に連動するディスクローディングカム23(図11)により、図9に示すように、防塵用第2蓋8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送される。これにより、保持羽根9a,9bに掴持された光ディスク10も、防塵用第2蓋8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送される。
【0021】
防塵用第2蓋8a,8bは、保持羽根9a,9bに掴持された光ディスク10が、防塵用第2蓋8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送されると、図10に示すように、シャーシ駆動モータ19により閉止する。防塵用第2蓋8a,8bが閉止すると、メインシャーシ22が、シャーシ駆動モータ19により回転ヒンジ部24,24を支点に手前に回動することにより、スピンドルモータ12が手前に移動する(図11)。また、これと同時的に、保持羽根9a,9bが、図6に示すように、左右に開いて光ディスク10を放す。
これにより、光ディスク10は、スピンドルモータ12に押圧された状態で、クランパ14に保持され、スピンドルモータ12により回転可能となる(図12)。
【0022】
以下に、このような構成のブルーレイドライブ4の動作を説明する。
ユーザが、図示しないボタンの操作及び/又は手動により、図2に示すように、防塵用第1蓋7を開放し、光ディスクを縦方向に保持羽根9aに載置すると、保持羽根9a,9bが、図7に示すように、光ディスク10を掴持する迄回動する。また、同時的に、防塵用第1蓋7が、シャーシ駆動モータ19により閉止される。
保持羽根9a,9bは、光ディスク10を掴持している間は光ディスク10方向へ付勢されている。
【0023】
保持羽根9a,9bが光ディスク10を掴持し、防塵用第1蓋7が閉止されると、防塵用第2蓋8a,8bが、図8に示すように、シャーシ駆動モータ19により開放される。
防塵用第2蓋8a,8bが開放されると、保持羽根9a,9bに掴持された光ディスク10が、光ディスク保持台15と共に、図9に示すように、防塵用第2蓋8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送される。光ディスク保持台15は、シャーシ駆動モータ19に連動するディスクローディングカム23(図11)により搬送される。
【0024】
保持羽根9a,9bに掴持された光ディスク10が、防塵用第2蓋8a,8bのスピンドルモータ12側へ搬送されると、防塵用第2蓋8a,8bは、図10に示すように、シャーシ駆動モータ19により閉止する。
防塵用第2蓋8a,8bが閉止すると、メインシャーシ22が、回転ヒンジ部24,24(図11)を支点に手前に回動することにより、スピンドルモータ12が手前に移動する。また、これと同時的に、保持羽根9a,9bが、図6に示すように、左右に開いて光ディスク10を放す。
スピンドルモータ12が手前に移動し、保持羽根9a,9bが光ディスク10を放すことにより、光ディスク10は、図12に示すように、スピンドルモータ12に押圧された状態で、クランパ14に保持され、スピンドルモータ12により回転可能となる。
【0025】
光ディスク10がスピンドルモータ12により回転している状態で、光ピックアップ11は、駆動モータ20により2本のガイドシャフト21に沿って移動しながら、光ディスク10に記録された情報を読取る。
光ディスク10の情報の読取りが終了すると、図10に示すように、光ディスク10が保持羽根9a,9bに掴持され、防塵用第2蓋8a,8bが閉止された状態で待機する。図示しないリモートコントロール装置により、光ディスク10の取出しが指示されると、上述した動作の逆の順序で、図2に示すように、防塵用第1蓋7が開放され、保持羽根9aから光ディスク10を取出すことが可能な状態となる。
尚、上記の実施の形態では、光ディスクを鉛直に保持する光ディスク装置について説明しているが、本発明は、光ディスクを水平、斜め等に保持する光ディスク装置についても実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る光ディスク装置の実施の形態を内蔵したテレビジョン受像機の外観を示す正面図である。
【図2】ブルーレイドライブの側方からの断面を示す側縦断面図である。
【図3】ブルーレイドライブの正面からの各部の輪郭を示す透視図である。
【図4】ブルーレイドライブの防塵用第1蓋を模式的に示す外観図である。
【図5】ブルーレイドライブの防塵用第1蓋の開放状態を模式的に示す模式図である。
【図6】ブルーレイドライブの保持羽根を模式的に示す模式図である。
【図7】ブルーレイドライブの保持羽根の動作を模式的に示す模式図である。
【図8】ブルーレイドライブの防塵用第1蓋の開放状態を模式的に示す説明図である。
【図9】ブルーレイドライブの側方からの断面を示す側縦断面図である。
【図10】ブルーレイドライブの側方からの断面を示す側縦断面図である。
【図11】ブルーレイドライブを下方から見た各部の輪郭を示す下面透視図である。
【図12】ブルーレイドライブの側方からの断面を示す側縦断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 テレビジョン受像機
2 テレビジョン画面
4 ブルーレイドライブ
6 ハウジング
7 防塵用第1蓋(第1扉)
8a,8b 防塵用第2蓋(第2扉)
9a,9b 保持羽根(掴持手段)
10 光ディスク
11 光ピックアップ
12 スピンドルモータ
14 クランパ(保持手段)
15 光ディスク保持台
16,16a 窓
19 シャーシ駆動モータ
20 駆動モータ
22 メインシャーシ
23 ディスクローディングカム
24 回転ヒンジ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部に底を有する筒形状のハウジングの一方の底に設けられた開口部から挿入された光ディスクを保持する保持手段と、前記ハウジングの他方の底付近に設けられ、前記保持手段が保持する光ディスクを回転させるスピンドルモータとを備える光ディスク装置において、
前記開口部を閉止し、光ディスクが挿入される前に開放され、光ディスクが挿入された後に閉止する第1扉と、挿入された光ディスクを前記スピンドルモータの軸方向と垂直に掴持する掴持手段と、前記ハウジングの該掴持手段及び前記スピンドルモータ間を閉止し、該掴持手段が光ディスクを掴持し前記第1扉が閉止したときに開放される第2扉と、該第2扉が開放された状態で、前記掴持手段を前記第2扉のスピンドルモータ側へ搬送する手段とを備え、該手段が前記掴持手段をスピンドルモータ側へ搬送した後、前記第2扉が閉止し、前記掴持手段が放した光ディスクを前記保持手段が保持するように構成してあることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記保持手段は、前記第2扉のスピンドルモータ側の面から突き出した状態に設けられている請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記第1扉及び第2扉は、その全面又は一部が透明又は半透明である請求項1又は2記載の光ディスク装置。
【請求項1】
両端部に底を有する筒形状のハウジングの一方の底に設けられた開口部から挿入された光ディスクを保持する保持手段と、前記ハウジングの他方の底付近に設けられ、前記保持手段が保持する光ディスクを回転させるスピンドルモータとを備える光ディスク装置において、
前記開口部を閉止し、光ディスクが挿入される前に開放され、光ディスクが挿入された後に閉止する第1扉と、挿入された光ディスクを前記スピンドルモータの軸方向と垂直に掴持する掴持手段と、前記ハウジングの該掴持手段及び前記スピンドルモータ間を閉止し、該掴持手段が光ディスクを掴持し前記第1扉が閉止したときに開放される第2扉と、該第2扉が開放された状態で、前記掴持手段を前記第2扉のスピンドルモータ側へ搬送する手段とを備え、該手段が前記掴持手段をスピンドルモータ側へ搬送した後、前記第2扉が閉止し、前記掴持手段が放した光ディスクを前記保持手段が保持するように構成してあることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記保持手段は、前記第2扉のスピンドルモータ側の面から突き出した状態に設けられている請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記第1扉及び第2扉は、その全面又は一部が透明又は半透明である請求項1又は2記載の光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−49774(P2010−49774A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215442(P2008−215442)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]