説明

光ディスク装置

【課題】動画メニュー再生等の同一区間繰り返し再生の際、レーザ照射時間を短縮し消費電力を低くすることのできる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の光ディスク装置100は、システムコントローラ2が、光ディスク101の同一区間を繰り返し再生する際に、その区間の情報をDRAM7に一時的に記録し、このDRAM7からデータを読み出して記憶した区間の情報を再生部12に再生させるとともに、光ピックアップ11のレーザ照射を停止することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の記録媒体に記録された情報を読出して再生を行う光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光ディスク装置において、光ピックアップが読取った情報をメモリへ記憶するために生じる光ピックアップが読取りを行わない空白時間中では、回転手段のサーボ制御を停止させ、光ピックアップの光照射出力レベルを最小限必要なレベルに調整するものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−89469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の光ディスク装置は、動画メニュー再生時などの同一区間を繰り返し再生する際にも、ディスク回転手段を駆動するための駆動制御信号を出力しなければならない。この動画メニュー再生時などの同一区間とは、ディスクの再生動作開示時に、同じプレイアイテムを自動的に複数回繰り返して再生するようにプログラムされた区間のことをいう。また、光ピックアップは最小限必要な光をディスクに照射しなければならない。そのため、連続照射によるレーザの寿命が短くなり、ディスク回転手段を駆動するための駆動信号やレーザを照射するための制御信号を出力するため消費電力が高くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、動画メニュー再生等の同一区間繰り返し再生の際、レーザ照射時間を短縮し消費電力を低くすることのできる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の光ディスク装置は、光ディスクの同一区間を繰り返し再生する際に、その区間の情報を記録手段に一時的に記録し、この記録手段からデータを読み出して記憶した区間の情報を再生手段に再生させるとともに、前記読出し手段のレーザ照射を停止する構成を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の光ディスク装置は、同一区間繰り返し再生時に光ディスクを読み取る為のレーザ光を消光する事ができ、レーザ照射時間が短縮できるためレーザの長寿命化と光ディスク装置の省電力化という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態における光ディスク装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態における光ディスク装置の動作説明のためのフロー図
【図3】本発明の実施の形態における光ディスク内のプレイリストを示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態における光ディスク装置100について図面を参照しながら
説明する。
【0010】
図1は本発明の実施の形態における光ディスク装置100のブロック図である。
【0011】
図1に示すように、外部から操作指令を与えるためのキー入力部1は、光ディスク装置100の各構成部を制御するためのシステムコントローラ2(制御手段に相当)に接続している。
【0012】
このシステムコントローラ2は、DRAMコントローラ3(DRAM:Dynamic
Randam Access Memory)と、デコーダ4と、サーボコントローラ5と、レーザ出力制御部6とに接続している。
【0013】
DRAMコントローラ3は、DRAM7(記憶手段に相当)と再生部12(再生手段に相当)とに接続しており、DRAM7へのデータ入出力を制御し、DRAM7またはシステムコントローラ2からの再生情報を再生部12へ出力する。DRAM7は、光ディスク装置100が光ディスク101から読み出した情報を一時的に蓄え、振動等による音飛び等を防止する。
【0014】
デコーダ4は、RFアンプ8(RF:Radio Frequency)と接続しており、RFアンプ8から出力されたRF信号中のEFM信号(EFM:Eight to Fourteen Modulation)を抽出する。RFアンプ8は、キャリッジ9と接続しており、キャリッジ9からのRF信号を増幅してデコーダ4に出力する。
【0015】
サーボコントローラ5は、スピンドルモータ10(駆動手段に相当)とキャリッジ9とに接続しており、スピンドルモータ10とキャリッジ9のサーボ制御を行う。
【0016】
レーザ出力制御部6は、キャリッジ9と接続しており、光ピックアップ11が光ディスク101に照射するレーザの出力を制御する。
【0017】
キャリッジ9は、光ピックアップ11に接続しており、光ピックアップ11(読出し手段に相当)を光ディスク101の半径方向に移動させるためのものである。
【0018】
スピンドルモータ10は、光ディスク101を回転駆動させるためのものである。
【0019】
光ピックアップ11は、回転する光ディスク101にレーザを照射して、このレーザが光ディスク101から反射して戻ってきた信号を読取り、RF信号を出力するためのものである。
【0020】
以上のように構成された光ディスク装置100について、以下にその動作を説明する。
【0021】
図2は本発明の実施の形態における光ディスク装置100のフローチャートである。本発明の実施の形態では、自動的に複数回繰り返して再生するようにプログラムされたプレイアイテムとして具体的にメニュー情報を例に説明するが、自動的に複数回繰り返して再生するようにプログラムされたプレイアイテムであれば、メニュー情報以外のプレイアイテムであってもよい。
【0022】
まず、ステップS001に示すように、システムコントローラ2は、光ディスク装置100が光ディスク101から読取った情報が、メニュー情報であるかどうかを判断する。すなわち、システムコントローラ2がプレイリストの構造を解析し、メニュー情報であることを検知することが、光ディスクを繰り返し再生をすると判断するトリガである。
【0023】
なお、図3に示すように、光ディスクに記憶されているプレイリストとは、「First Playback」、「Top menu」、「Title #1〜n」のタイトル情報で構成されており、各タイトルは対応するアプリケーションと関連付けられている。
【0024】
「First Playback」は、光ディスク起動時に最初に自動的に再生されるタイトルである。「Top menu」は、メニュー情報に相当し、主にタイトルの選択や、字幕/音声の言語選択を行うことに用いられる。この「Top menu」は、リモコンのメニューキーを押したときやタイトル再生が終了したときに再生され、次の本編再生等のコマンドを選択しない限り、繰り返し再生される。
【0025】
「Title #1〜n」は、本編の再生内容に相当し、#1〜nは各チャプターに対応している。
【0026】
ステップS001で「YES」の場合、すなわち、システムコントローラ2がメニュー情報を再生していると判断した場合、ステップS002に示すように、メニュー情報を再生するとともにDRAM7へメニュー情報を記憶する。
【0027】
そして、ステップS003に示すように、システムコントローラ2はレーザ出力制御部6へレーザを消光させる命令を出力し、レーザを消光する。
【0028】
また、ステップS004に示すように、システムコントローラ2からサーボコントローラ5へサーボ制御を停止させる命令を出力し、サーボ制御を停止する。
【0029】
そして、ステップS005に示すように、システムコントローラ2は、ユーザによるキー入力部1からの操作によりメニュー情報以外の再生指示が来なければ、プログラム通りメニュー情報を繰り返し再生すると判断する。
【0030】
ステップS005で「YES」の場合、すなわちメニュー情報の繰り返し再生を行うと判断した場合は、ステップS006に示すように、光ディスク101装置はメニュー情報をDRAM7から出力して再生する。そして、ステップS005に戻る。
【0031】
ステップS005で「NO」の場合、すなわちユーザによるキー入力部1からの操作によりメニュー情報以外の再生指示が来たため、メニュー情報の繰り返し再生を行わない場合、ステップS007に示すように、システムコントローラ2からサーボコントローラ5に対してサーボ制御を再開する命令を実行し、サーボ制御を再開する。
【0032】
そして、ステップS008に示すように、システムコントローラ2からレーザ出力制御部6へレーザを点灯させる指示を行い、光ピックアップ11のレーザ点灯を再開する。
【0033】
そして、ステップS009に示すように、光ディスクの通常の再生動作に戻る。この通常の再生とは、光ピックアップで光ディスクを読取り、光ディスクの情報を再生する処理のことをいう。
【0034】
ステップS001に戻り、ステップS001で「NO」の場合の処理について説明する。ステップS001で「NO」の場合、すなわち、システムコントローラ2がメニュー情報を再生していないと判断した場合、ステップS009に示すように、光ディスクの通常の再生動作に戻る。
【0035】
以上の構成により、動画メニュー再生時等の光ディスク101における同一区間を繰り
返し再生する際、動画メニュー再生情報等の光ディスク101の特定区間の情報を一時的に記録手段に一時的に記憶させ、記録媒体からデータを出力させることができる。
【0036】
そのため、光ディスク101上の特定区間を繰り返し再生する際のレーザ光を消光することができ、省電力化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の光ディスク装置は、メニュー再生時等の光ディスクの特定区間を繰り返し再生する際に消費電力を低減することができるため、長時間使用可能な省電力型の光ディスク再生装置として有用である。
【符号の説明】
【0038】
1 キー入力部
2 システムコントローラ
3 DRAMコントローラ
4 デコーダ
5 サーボコントローラ
6 レーザ出力制御部
7 DRAM
8 RFアンプ
9 キャリッジ
10 スピンドルモータ
11 光ピックアップ
12 再生部
100 光ディスク装置
101 光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰り返し再生する区間を記憶する光ディスクを回転させるディスク回転手段と、
回転する前記光ディスクにレーザを照射して信号を読み出す読出し手段と、
この読み出した信号を取り込んで一時的に記憶する記憶手段と、
前記光ディスクの情報を再生する再生手段と、
前記ディスク回転手段と前記読出し手段と前記記憶手段と前記再生手段とを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、繰り返し再生する区間を最初に再生するときに繰り返し再生する区間の情報を前記記憶手段に一時的に記録させ、2回目以降に繰り返し再生する区間を再生するときに前記記憶手段から記憶した繰り返し再生する区間の情報を読み出して前記再生手段を用いて再生させ、前記読出し手段のレーザ照射を停止させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記読出し手段のレーザ照射を停止するとともに、前記ディスク回転手段のサーボ制御を停止することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−94200(P2012−94200A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238215(P2010−238215)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】