光ディスク
【課題】 この発明は、生分解性樹脂を用いたディスクの熱耐久性等の強度を向上させることをその課題とする。
【解決手段】 この発明の光ディスクは、少なくとも一方に情報記録部を有する2枚の基板2、6を貼り合わせた光ディスク1において、光入射側の基板2が結晶化しない生分解性樹脂からなる透光性樹脂材で構成され、光入射側に位置しない基板6が光入射側の基板6より耐熱強度が大きい結晶化度が高い生分解性樹脂で形成されている。
【解決手段】 この発明の光ディスクは、少なくとも一方に情報記録部を有する2枚の基板2、6を貼り合わせた光ディスク1において、光入射側の基板2が結晶化しない生分解性樹脂からなる透光性樹脂材で構成され、光入射側に位置しない基板6が光入射側の基板6より耐熱強度が大きい結晶化度が高い生分解性樹脂で形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタル多目的ディスク(Digital Versatile Disk:DVD)など、少なくとも一方に情報記録部を有する2枚の基板を貼り合わせた構造の光ディスクに関するものであり、環境負荷の少ない光ディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ用情報のみならず、音声や静止画像、動画像などの情報がディジタル化され、取り扱う情報が膨大になっている。かかる大容量の情報を格納するメディアとして光ディスクが用いられている。光ディスクには、ポリカーボネート樹脂などの透明基板に情報記録層を成膜した単板タイプと、記録容量の増大を目的に単板タイプのディスク2枚を貼り合わせて両面に情報記録層を設けた貼り合わせ構造タイプとがある。しかし、近年、記録媒体の高密度化要求がますます強くなり、透明基板を貼り合わせる場合を含め、光ディスクは貼り合わせ構造タイプが多く用いられている。
【0003】
ところで、上記した光ディスクにおいては、不要になった際には、基板としてポリカーボネイト樹脂を用いているため、焼却ないし埋め立て等により廃棄しなければならず、廃棄物処理についての問題がある。環境問題から何らかの対策をとることが望まれる。
【0004】
かかる問題点に鑑み光記録媒体の基材に自然界において分解可能な基材である生分解樹脂を用いた光ディスクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2000−11448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、生分解性樹脂を用いた光ディスクにおいては、生分解性樹脂のガラス転移温度が60℃程度と非常に低い。このため、記録再生中などの温度上昇により、ディスクに大きな反りが発生するなど、熱耐久性に乏しい等の難点があった。
【0006】
この発明は、上記した従来の問題点を解消するためになされたものにして、生分解性樹脂を用いたディスクの熱耐久性等の強度を向上させることをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の光ディスクは、少なくとも一方に情報記録部を有する2枚の基材を貼り合わせた光ディスクにおいて、光入射側の基材が生分解性樹脂からなる透光性樹脂材で構成され、光入射側に位置しない基材が前記光入射側の基材より耐熱強度が大きい生分解性樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、この発明は、光入射側に位置しない基材が前記光入射側の基材より結晶化度が高い生分解性樹脂を用いればよい。
【0009】
更に、光入射側に位置しない基材がダミー基板にすることができる。また、光入射側に位置しない基材に、情報記録部を形成することができる。
【0010】
前記ディスクの少なくとも片側の面を誘電膜で被覆するとよく、前記光ディスクの光入射面に誘電体膜を被覆するように構成することができる。
【0011】
前記誘電体膜は窒化シリコン膜又は窒化アルミニウム膜で構成できる。そして、前記誘電体膜として膜厚300nmの窒化シリコン膜を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、この発明によれば、一方の基材に耐熱性、機械的強度に優れた生分解性樹脂を用いることで、2枚の基材を貼り合わせた生分解性樹脂からなる光ディスクの耐熱性、機械的強度を向上させることができる。
【0013】
更に、生分解製樹脂より線膨張係数の小さい誘電体膜を設けることで、温度上昇により基板の反りを抑制でき、より熱耐久性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0015】
図1は、この発明の第1の実施形態の光ディスクとしてのDVDディスクを示す模式的断面図、図2は、この発明の第1の実施形態としてのDVDディスクの一例として、相変化光ディスクの構造を示す部分断面斜視図である。
【0016】
図1に示すように、この光ディスク1は、円盤状の透光性基板2の主面上に光記録層3、保護層4が設けられ、この保護層4に接着層5により樹脂基板6が貼り合わされる。そして、樹脂基板6上に印刷層7が設けられる。光記録層3は、透光性基板2に形成された微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域と、この上に設けられた反射層とで構成されている。尚、保護層4を設けていない光ディスクもあり、必要に応じて、保護層4は省略することも出来る。
【0017】
この光ディスク1は、例えば、約0.6mm厚の基板2と同じく約0.6mm厚の基板6とを貼り合わせた片面記録型のDVDディスクであり、印刷層7側の基板6は記録・再生に影響がないダミー基板となっている。尚、基板の厚みは、約0.6mmとしているが、基板2、6の厚みは、用いる樹脂の屈折率により若干異なる。すなわち、用いる樹脂の屈折率により基板の厚みが異なる。これは樹脂としてポリカーボネートを用いたときの基板の厚みを0.6mmとし、このポリカーボネートの屈折率(1.58)と基板の厚みとの積と等しくなるようにして互換性等を確保しているからである。生分解性樹脂は、ポリカーボネートの屈折率より小さいので、基板の厚みは0.6mmより2%前後厚くなる。
【0018】
図2は、DVDディスクの一例として、相変化光ディスクの構造を示す部分断面斜視図である。図2に示すように、約0.6mm厚の基板2にトラッキング用のグルーブがスタンパで形成され、グループ間にランドが形成されている。誘電体層31、記録層32、誘電体層33、反射層34で光記録層3が構成される。そして、保護層4が設けられ、この保護層4に接着層5によりダミー基板として膜厚約0.6mmの基板6が貼り合わされている。そして、基板2側からレーザ光20が照射される。
【0019】
上記基板2は、環境等を考慮して、自然界において分解可能な基材である生分解樹脂により、いわゆる一体的に形成された射出成形樹脂基板である。また、基板6も同じく自然界において分解可能な基材である生分解樹脂により、いわゆる一体的に形成された射出成形樹脂基板で構成されるが、上記したように、記録・再生に影響がないので、光学特性を犠牲にして耐熱性、機械強度等が優れた生分解性樹脂を用いている。
【0020】
自然界で分解される樹脂は、微生物で分解される生分解樹脂や水分や紫外線などで分解される樹脂であり、透明性を兼ね備えた生分解性樹脂として、例えば、とうもろこしから抽出されるポリ乳酸(PLA)を主原料とした樹脂が代表的であり、たとえば、トヨタ自動車株式会社製の「ラクティ(商品名)」、三井化学株式会社製の「レイシア(商品名)」およびユニチカ株式会社製の「テラマック(商品名)」がある。なお、ラクティ、レイシア、テラマックは、日本では登録商標である。
【0021】
この光ディスク1は、基板2側からレーザ光が入射されるので、この基板2は、光学特性が良好な生分解性樹脂が用いられる。同じ材料の生分解樹脂においても結晶化度が高くなると、光学特性は落ちるが、耐熱性、機械的強度が向上する。そこで、基板6には、結晶化した生分解性樹脂を用い、基板2には光学特性を優先して結晶化しない生分解性樹脂を用いている。
【0022】
誘電体保護膜31、33には、例えば、ZnSとSiO2の混合物からなる誘電体が、記録層32には、AgInSbTeまたはGeSbTe相変化層が用いられる。また、反射層34も、酸素や水などにより分解される自然界で分解される材料および埋蔵鉱物などの自然界に存在する材料のいずれか一方から形成される。たとえば、アルミニウム、鉄の単層膜または多層膜若しくはその合金が用いられる。また、鉄を用いる場合は反射率が低いため、鉄の薄膜にさらに酸化ケイ素の薄膜およびシリコンの薄膜を積層させた多層膜を用いればよい。
【0023】
反射層34の上に形成される保護層4も基板2と同様の自然界において分解可能な基材である生分解樹脂が用いられる。保護層4は、例えば、生分解性樹脂をスピンコートして塗設した後、塗膜を硬化させて形成することができる。このような保護層4の厚さは、通常、0.1〜100μm程度である。
【0024】
透光性基板2上に光記録層3、保護層4が形成されたディスクとダミー基板としての基板6とを接着層5で貼り合わせる。この接着層5は、紫外線硬化樹脂を用いてもよいが、好ましくは、生分解性接着材からなる接着層で貼り合わせる方がよい。生分解性の接着材を用いれば、接着層も自然界で分解されるので好ましい。この生分解性接着材としては、膠、ゼラチン、デンプンなどの接着剤のほか乳酸系樹脂を用いることができる。例えば、膠を用いる場合には、膠溶液にし、保護膜4上にスピンコートなどにより塗設した後、基板6を接着させればよい。
【0025】
上記したように、レーザ光が入射される側の基板2は、光の透過率が良い光学特性が良好な生分解性樹脂で形成する。レーザ光20が照射されないダミー基板として記録・再生に影響がない基板6は、耐熱性、機械的強度に優れた生分解性樹脂を用いて形成する。
【0026】
上記したように、同じ材料の生分解樹脂においても結晶化度が高くなると、耐熱性、機械的強度が向上する。そこで、同じ、三井化学株式会社製の「レイシア」の中で銘柄「H−100J」を用いて、温度80℃、湿度40%にて、15分から2時間アニールして、各アニール時間における結晶化度とその時の時の透過率を測定した結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
表1に示すように、アニール時間が増えるにつれ、結晶化度は増え、60分を越えると結晶化度は飽和した。また、透過率は、結晶化度が大きくなるにつれ低くなっている。結晶化度が0%の時には、85%あった透過率が結晶化度33%では、透過率が78%に落ちている。このように、結晶化度を高くすると、透過率が悪くなる。従って、レーザ光が入射される側の基板2には、結晶化度が低い基板を用いる方が良く、結晶化度が0%のものが一番透過率が良いので、この実施形態では、レーザ光が入射される基板2に結晶化度が0%のものを用いた。
【0029】
また、結晶化度が高くなると、融点、破断強度、ヤング率などの耐熱性、機械的強度は増加する。例えば、結晶化度が30%になると、1割以上それぞれの強度等は増加する。上記したアニールでは、結晶化度が34%程度で飽和したが、用いる樹脂の成分等により異なるので、材料等を選択することで結晶度を上げることが出来る。また、樹脂成型時の製造方法を変えても結晶度を変化させることができる。例えば、樹脂成型時に急冷などの方法を用いることで、更に結晶化度を上げることは可能である。よって、この実施形態では、記録・再生に影響がないダミー基板である基板6に、結晶化度の高い生分解性樹脂基板を用いる。
【0030】
このように構成することで、記録・再生に影響がないダミー基板に耐熱性、機械的強度に優れた生分解性樹脂基板を用いることで、2枚の基板を貼り合わせた生分解性樹脂からなる光ディスクの耐熱性、機械的強度を向上させることができる。
【0031】
次に、「H−100J」を用いて形成した光ディスクを温度80℃、湿度40%にて2時間アニールしたときの耐熱性特性を調べた。耐熱性の特性は、CD構成の基板を作成して基板の反りを測定した。測定は、次の状態でそれぞれ行った。基板を作成した初期状態の時の基板の反り、温度80℃、湿度40%にて2時間アニールした時の基板の反り、アニール後、温度60℃、湿度40%で2時間の耐熱試験を施した時の基板の反り、温度65℃、湿度40%で2時間の耐熱試験を施した時の基板の反りの測定を行った。また、参考までに、同じ「H−100J」を用いて形成した光ディスクにアニールを施さずに、上記と同じ耐熱試験を行った。サンプルとしての光ディスクは、「H−100J」を用いて形成した厚さ1.2mmの基板の表面に、光記録層、保護膜、印刷層を積層したものである。
【0032】
光ディスクの反りは基板の反り角で測定した。反り角は、図9に示すように、入射光120と反射光121の角度αを測定することにより算出する。すなわち、基板102の読み取り面106の基準面122に直交するように、レーザからの入射光120を基板102の読み取り面106側から与える。そして、記録層103で反射させ、入射光120と反射光121との間の角度を算出する。反り角としては径方向の反り角と接線方向の反り角とがあるが、この測定では、光ディスクの中心から径方向位置における25mm、40m、55mmの3カ所の径方向の反り角と接線方向の反り角の平均したものを反り角として算出した。なお、反り角のマイナスはピックアップ側に向かって基板が反った場合、反り角のプラスはピックアップ側から遠ざかる方向に反った場合である。
【0033】
反り角を測定した結果を表2及び表3に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
表2及び表3より、アニールを行い結晶化率を向上させると、耐熱性が向上することが分かる。アニール後は、反り角が一番大きな箇所である光ディスクの最外周近傍の径位置55mmのところで、−0.63度、−0.51度であった。それが、耐熱試験後も−0.51度、−0.61度と殆ど変化が無く耐熱性が向上していることが分かる。これに対して、同じ「H−100J」を用いて形成した光ディスクにアニールを施さずに、耐熱試験を行ったものは、いずれも測定不能なほど基板に反りが発生した。
【0037】
よって、ダミー基板6を「H−100J」を用いて形成した後、例えば、温度80℃、湿度40%にて2時間アニールして、結晶化率を上げて耐熱性などの強度を向上させる。また、このときの基板の反りは表2、表3に示すように、最大でも−0.63度であるからダミー基板として用いても問題はない。そして、このダミー基板に「H−100J」を用いて形成した基板2を貼り合わせることで、耐熱性に優れた光ディスクが提供できる。
【0038】
尚、上記した実施形態においては、同じ材料の生分解性樹脂を用いて、その結晶度の違うものを基板2、基板6に用いたが、記録・再生に影響がないダミー基板となる基板6には、耐熱性、機械的強度に優れた、例えば、不透明な生分解性樹脂を用いても良い。このような材料としては、例えば、三井化学株式会社製の「レイシア」の中で銘柄「M−151SQ04」を用いることができる。この「M−151SQ04」は熱変形温度(0.45Mpa)が66℃であり、「H−100J」の53℃に比べて20%以上耐熱性に優れる。また、アイゾット衝撃強度も「M−151SQ04」が43J/mに対して、「H−100J」が29J/mと機械的強度も優れている。この「M−151SQ04」を用いてダミー基板となる基板6を形成し、2枚の基板を貼り合わせた生分解性樹脂からなる光ディスクの耐熱性、機械的強度を向上させることができる。
【0039】
図3は、この発明の第2の実施形態を示す模式的断面図である。尚、図1及び図2と同じ構成の部分には同じ符号を付し、説明の重複を避けるために、ここではその説明を割愛する。
【0040】
図1及び図2に示す第1の実施形態は、レーザ光の入射側の基板2に微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域を設けている。これに対して、この第2の実施形態は、レーザ光が入射されない側の基板6aに微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域を設けたものである。即ち、耐熱性、機械的強度に優れた生分解性樹脂からなる基板6aに微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域を設けたものである。
【0041】
図3は、この発明の第2の実施形態としての相変化光ディスクの構造を示し、約0.6mm厚の基板6aにトラッキング用のグルーブ61がスタンパで形成され、グループ間にランド62が形成されている。このトラッキング用のグルーブ61上に反射層34が形成され、この反射層34上に誘電体層33、記録層32、誘電体層31が設けられる。誘電体層33、記録層32、誘電体層31、反射層34で光記録層3が構成される。そして、光記録層3上に保護層4が設けられ、この保護層4に接着層5が設けられる。
【0042】
この接着層5により、光入射側の透光率等光学特性に優れた生分解性樹脂により形成された膜厚0.6mmの基板2aが貼り合わされている。そして、基板2a側からレーザ光20が照射される。
【0043】
基板2側からレーザ光が入射されるので、この基板2は、光学特性が良好な結晶化していない生分解性樹脂が用いられる。同じ材料の生分解樹脂においても結晶化度が高くなると、光学特性は落ちるが、前述したように耐熱性、機械的強度が向上する。そこで、基板6aには、結晶化した生分解性樹脂を用いている。
【0044】
尚、上記した実施形態においては、同じ材料の生分解性樹脂を用いて、その結晶度の違うものを基板2、基板6に用いたが、記録・再生に影響がないダミー基板となる基板6には、耐熱性、機械的強度に優れた、例えば、不透明な生分解性樹脂を用いても良い。このような材料としては、例えば、三井化学株式会社製の「レイシア」の中で銘柄「M−151SQ04」を用いることができる。この「M−151SQ04」は熱変形温度(0.45Mpa)が66℃であり、「H−100J」の53℃に比べて20%以上耐熱性に優れる。また、アイゾット衝撃強度も「M−151SQ04」が43J/mに対して、「H−100J」が29J/mと機械的強度も優れている。この「M−151SQ04」を用いてダミー基板となる基板6を形成し、2枚の基板を貼り合わせた生分解性樹脂からなる光ディスクの耐熱性、機械的強度を向上させることができる。
【0045】
上記のように、微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域を耐熱性、機械的強度が向上した基板6aに設けることで、ピットまたはグループなどが崩れず、また、温度が上昇しても耐熱性に優れているので、安定した再生が得られる。
【0046】
上記した実施形態においては、片面に1つの記録領域を設けているが、これに限らず片面に2つの記録層を有するものなど複数の記録層を有するものにも、この発明は、適用することができる。
【0047】
図4は、この発明の第3の実施形態を示す模式的断面斜視図である。上記した第1、第2の実施形態においては、DVDディスクにつき説明したが、この第3の実施形態は、ブルーレイディスク(Blu−ray Disc)に、この発明を適用したものである。ブルーレイディスクもDVDディスクもディスクの厚さは、1.2mmであるが、構造は相違する。ブルーレイディスクは、1.1mmのディスク基板に、0.1mmのカバー層を設けた構造になっている。この第3の実施形態においては、1.1mmのディスク基板に、耐熱性、機械的強度に優れた生分解性樹脂を用い、光が入射されるカバー層に光学特性が良好な結晶化していない生分解性樹脂を用いる。Blu−ray Discは、日本では登録商標である。
【0048】
図4に従い、この発明の第3の実施形態につき説明する。1.1mm厚の生分解性樹脂からなる基板11に微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブがスタンパで形成され、この基板11上に反射層12、保護層13、記録層14、保護層15が形成されている。保護層15に接着層(図示しない)が設けられる。
【0049】
この接着層により、光入射側の透光率等光学特性に優れた生分解性樹脂により形成された膜厚0.1mmのカバー層16が貼り合わされている。そして、カバー層16側からレーザ光20が照射される。
【0050】
カバー層16側からレーザ光が入射されるので、このカバー層16は、光学特性が良好な結晶化していない生分解性樹脂が用いられる。同じ材料の生分解樹脂においても結晶化度が高くなると、光学特性は落ちるが、耐熱性、機械的強度が向上する。そこで、基板11には、結晶化した生分解性樹脂を用いている。
【0051】
上記のように、微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域を耐熱性、機械的強度が向上した基板11に設けることで、ピットまたはグループなどが崩れず、また、温度が上昇しても耐熱性に優れているので、安定した再生が得られる。
【0052】
図5は、この発明の第4の実施形態にかかる光ディスクを示す概略断面図である。この第4の実施形態は、第1の実施形態の光ディスクに更に耐熱性を向上させるものである。
【0053】
この第4の実施形態においては、光入射側の基板2の光入射面上にスパッタ法により、誘電体膜8が設けられている。この誘電体膜8としては、窒化シリコン膜又は窒化アルミニウム膜が用いられる。
【0054】
ところで、基板2(又は基板6)の材料である生分解性樹脂、誘電体膜8の材料である窒化シリコン、窒化アルミニウムの線膨張係数は、生分解性樹脂が、8.8×10-5/℃、窒化シリコン膜が、2.9×10-6/℃、窒化アルミニウム膜が、4.6×10-6/℃である。線膨張率が大きい生分解性樹脂からなる基板2(又は基板6)に線膨張係数が小さい誘電体膜8を被着させることで、温度上昇による反りが張力の均衡により抑制できる。
【0055】
基板2の光入射面上には、窒化シリコン膜又は窒化アルミニウム膜からなる誘電体膜8がスパッタ法により設けられる。
【0056】
この誘電体膜8の成膜の一例につき説明する。成膜は、例えば、図6及び図7に示すようなRFマグネトロンスパッタリング装置を用いて成膜される。図6に示すように、このスパッタリング装置は、真空チャンバー110内に円盤状のターゲット112が設置される。ターゲット112は、窒化シリコン膜の時にはシリコンが窒化アルミニウム膜の時にはアルミニウムが用いられる。
【0057】
スパッタリングガスには、アルゴン(Ar)と窒素(N2)の混合ガスが用いられ、マスフローコントローラー113、113によりガス流量を制御し、チャンバー110内に導入される。成膜時の混合ガス圧力は0.93Paで一定とし、ガス混合比は、Ar流量50sccmに対して、N2を3ccm混入させている。そして、光ディスク101は、基板ホルダー111にセットされる。基板ホルダー111はモータ114により回転し、基板ホルダー111にセットされた光ディスク101は自公転するように回る。即ち、図7に示すように、基板ホルダー111には、基板取付ホルダー111aが設けられ、基板ホルダー111自体も回転するが、基板取付ホルダー111aも回転するように構成されている。この結果、基板取付ホルダー111aにセットされた光ディスク101は、装置に対して自公転することになる。そして、ターゲット112には、RF電源115からマッチングボックス116を介してインピーダンス制御されて、RF電力が与えられる。
【0058】
上記した装置において、誘電体膜8としてシリコン窒化(SiN)膜を形成した。ターゲット112は、シリコン(Si)ターゲットを用い、基板ホルダー111の回転スピードを20rpmとし、成膜レート30Å/minで成膜した。このとき、光ディスク101は、自公転するので、良好な膜厚分布を得ることができると共に、ターゲット112上を通過する時のみデポジションが行われるため、基板温度の上昇を抑えることができる。上記した成膜条件により、基板温度40℃以下の低温で成膜を行うことができた。
【0059】
次に、図8に示すように、基板102の表面に、光記録層103、保護層104を積層し、そして、基板102の光入射面に誘電体膜8を形成した光ディスクを用意した。この光ディスクに耐熱性試験を行った。基板102の材料は、三井化学株式会社製の「レイシア」の中で銘柄「H−100J」を用い、光記録層103は、膜厚40nmのアルミニウムの薄膜、保護層104は、例えば、生分解性樹脂をスピンコートして塗設した後、塗膜を硬化させて形成した。上記した図8に示す構造の光ディスクにおいて、誘電体膜8として、シリコン窒化(SiN)膜を形成し、50℃、湿度40%の条件で5時間の耐熱試験を行った。シリコン窒化(SiN)膜の膜厚は、100nm、150nm、300nmの3通りの光ディスクを用意した。そして、耐熱試験前と試験後の基板の反りを測定した。
【0060】
光ディスクの反りは基板の反り角で測定した。前述と同様に、反り角は、図9に示すように、入射光120と反射光121の角度αを測定することにより算出する。この測定では、光ディスクの中心から径方向位置における22mmから60mmまでの間の径方向の反り角と接線方向の反り角の平均したものを反り角として算出した。なお、反り角のマイナスはピックアップ側に向かって基板が反った場合、反り角のプラスはピックアップ側から遠ざかる方向に反った場合である。
【0061】
図10は、シリコン窒化(SiN)膜が100nmのもの、図11は、シリコン窒化(SiN)膜が150nmのもの、図12は、シリコン窒化(SiN)膜が150nmのものを測定した結果である。
【0062】
図10ないし図12より、100nm、150nmの膜厚より、300nmの膜厚の方が反りの抑制効果が顕著であり、300nmの膜厚のシリコン窒化(SiN)膜を設けた光ディスク1によると、反り角が1.5度程度であり、反りの発生を殆ど抑制できた。よって、シリコン窒化(SiN)膜をある程度厚くする方が反りの発生の抑制の効果があり、300nmの厚さのシリコン窒化(SiN)膜からなる誘電体膜8であれば反りを十分に抑制できる。
【0063】
このように、誘電体膜8を設けることにより、より耐熱性を向上させることができる。
【0064】
尚、図10及び図11に示すものにおいては、耐熱後の反り角の測定において、所々測定できていない箇所がある。これは、シリコン窒化膜(SiN)膜にクラックなどが発生し、測定不能になったからである。
【0065】
また、上記した実施例においては、光ディスクの光入射面に誘電体膜8を設けて反りの抑制を確認した。もちろん、光ディスクの表裏面の双方に誘電体膜8を設けても反りの抑制を図ることができる。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明の第1の実施形態の光ディスクとしてのDVDディスクを示す模式的断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態としてのDVDディスクの一例としての相変化光ディスクの構造を示す部分断面斜視図である
【図3】この発明の第2の実施形態としてのDVDディスクの一例としての相変化光ディスクの構造を示す部分断面斜視図である。
【図4】この発明の第3の実施形態を示す模式的断面斜視図である。
【図5】この発明の第4の実施形態にかかる光ディスクを示す平面図である。
【図6】この発明の製造に用いられるRFマグネトロンスパッタリング装置の構成を示す概略図である。
【図7】この発明の製造に用いられるRFマグネトロンスパッタリング装置の基板ホルダーを示す平面図である。
【図8】この発明の耐熱特性を測定するために、光入射面に誘電体膜を設けた光ディスクの構造を示す模式的断面図である。
【図9】光ディスクの基板の反り角を説明する模式図である。
【図10】この発明による光ディスクの耐熱試験の結果を示す測定図である。
【図11】この発明による光ディスクの耐熱試験の結果を示す測定図である。
【図12】この発明による光ディスクの耐熱試験の結果を示す測定図である。
【符号の説明】
【0068】
1 光ディスク
2 基板
3 光記録層
4 保護層
5 接着層
6 基板
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタル多目的ディスク(Digital Versatile Disk:DVD)など、少なくとも一方に情報記録部を有する2枚の基板を貼り合わせた構造の光ディスクに関するものであり、環境負荷の少ない光ディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ用情報のみならず、音声や静止画像、動画像などの情報がディジタル化され、取り扱う情報が膨大になっている。かかる大容量の情報を格納するメディアとして光ディスクが用いられている。光ディスクには、ポリカーボネート樹脂などの透明基板に情報記録層を成膜した単板タイプと、記録容量の増大を目的に単板タイプのディスク2枚を貼り合わせて両面に情報記録層を設けた貼り合わせ構造タイプとがある。しかし、近年、記録媒体の高密度化要求がますます強くなり、透明基板を貼り合わせる場合を含め、光ディスクは貼り合わせ構造タイプが多く用いられている。
【0003】
ところで、上記した光ディスクにおいては、不要になった際には、基板としてポリカーボネイト樹脂を用いているため、焼却ないし埋め立て等により廃棄しなければならず、廃棄物処理についての問題がある。環境問題から何らかの対策をとることが望まれる。
【0004】
かかる問題点に鑑み光記録媒体の基材に自然界において分解可能な基材である生分解樹脂を用いた光ディスクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2000−11448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、生分解性樹脂を用いた光ディスクにおいては、生分解性樹脂のガラス転移温度が60℃程度と非常に低い。このため、記録再生中などの温度上昇により、ディスクに大きな反りが発生するなど、熱耐久性に乏しい等の難点があった。
【0006】
この発明は、上記した従来の問題点を解消するためになされたものにして、生分解性樹脂を用いたディスクの熱耐久性等の強度を向上させることをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の光ディスクは、少なくとも一方に情報記録部を有する2枚の基材を貼り合わせた光ディスクにおいて、光入射側の基材が生分解性樹脂からなる透光性樹脂材で構成され、光入射側に位置しない基材が前記光入射側の基材より耐熱強度が大きい生分解性樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、この発明は、光入射側に位置しない基材が前記光入射側の基材より結晶化度が高い生分解性樹脂を用いればよい。
【0009】
更に、光入射側に位置しない基材がダミー基板にすることができる。また、光入射側に位置しない基材に、情報記録部を形成することができる。
【0010】
前記ディスクの少なくとも片側の面を誘電膜で被覆するとよく、前記光ディスクの光入射面に誘電体膜を被覆するように構成することができる。
【0011】
前記誘電体膜は窒化シリコン膜又は窒化アルミニウム膜で構成できる。そして、前記誘電体膜として膜厚300nmの窒化シリコン膜を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、この発明によれば、一方の基材に耐熱性、機械的強度に優れた生分解性樹脂を用いることで、2枚の基材を貼り合わせた生分解性樹脂からなる光ディスクの耐熱性、機械的強度を向上させることができる。
【0013】
更に、生分解製樹脂より線膨張係数の小さい誘電体膜を設けることで、温度上昇により基板の反りを抑制でき、より熱耐久性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0015】
図1は、この発明の第1の実施形態の光ディスクとしてのDVDディスクを示す模式的断面図、図2は、この発明の第1の実施形態としてのDVDディスクの一例として、相変化光ディスクの構造を示す部分断面斜視図である。
【0016】
図1に示すように、この光ディスク1は、円盤状の透光性基板2の主面上に光記録層3、保護層4が設けられ、この保護層4に接着層5により樹脂基板6が貼り合わされる。そして、樹脂基板6上に印刷層7が設けられる。光記録層3は、透光性基板2に形成された微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域と、この上に設けられた反射層とで構成されている。尚、保護層4を設けていない光ディスクもあり、必要に応じて、保護層4は省略することも出来る。
【0017】
この光ディスク1は、例えば、約0.6mm厚の基板2と同じく約0.6mm厚の基板6とを貼り合わせた片面記録型のDVDディスクであり、印刷層7側の基板6は記録・再生に影響がないダミー基板となっている。尚、基板の厚みは、約0.6mmとしているが、基板2、6の厚みは、用いる樹脂の屈折率により若干異なる。すなわち、用いる樹脂の屈折率により基板の厚みが異なる。これは樹脂としてポリカーボネートを用いたときの基板の厚みを0.6mmとし、このポリカーボネートの屈折率(1.58)と基板の厚みとの積と等しくなるようにして互換性等を確保しているからである。生分解性樹脂は、ポリカーボネートの屈折率より小さいので、基板の厚みは0.6mmより2%前後厚くなる。
【0018】
図2は、DVDディスクの一例として、相変化光ディスクの構造を示す部分断面斜視図である。図2に示すように、約0.6mm厚の基板2にトラッキング用のグルーブがスタンパで形成され、グループ間にランドが形成されている。誘電体層31、記録層32、誘電体層33、反射層34で光記録層3が構成される。そして、保護層4が設けられ、この保護層4に接着層5によりダミー基板として膜厚約0.6mmの基板6が貼り合わされている。そして、基板2側からレーザ光20が照射される。
【0019】
上記基板2は、環境等を考慮して、自然界において分解可能な基材である生分解樹脂により、いわゆる一体的に形成された射出成形樹脂基板である。また、基板6も同じく自然界において分解可能な基材である生分解樹脂により、いわゆる一体的に形成された射出成形樹脂基板で構成されるが、上記したように、記録・再生に影響がないので、光学特性を犠牲にして耐熱性、機械強度等が優れた生分解性樹脂を用いている。
【0020】
自然界で分解される樹脂は、微生物で分解される生分解樹脂や水分や紫外線などで分解される樹脂であり、透明性を兼ね備えた生分解性樹脂として、例えば、とうもろこしから抽出されるポリ乳酸(PLA)を主原料とした樹脂が代表的であり、たとえば、トヨタ自動車株式会社製の「ラクティ(商品名)」、三井化学株式会社製の「レイシア(商品名)」およびユニチカ株式会社製の「テラマック(商品名)」がある。なお、ラクティ、レイシア、テラマックは、日本では登録商標である。
【0021】
この光ディスク1は、基板2側からレーザ光が入射されるので、この基板2は、光学特性が良好な生分解性樹脂が用いられる。同じ材料の生分解樹脂においても結晶化度が高くなると、光学特性は落ちるが、耐熱性、機械的強度が向上する。そこで、基板6には、結晶化した生分解性樹脂を用い、基板2には光学特性を優先して結晶化しない生分解性樹脂を用いている。
【0022】
誘電体保護膜31、33には、例えば、ZnSとSiO2の混合物からなる誘電体が、記録層32には、AgInSbTeまたはGeSbTe相変化層が用いられる。また、反射層34も、酸素や水などにより分解される自然界で分解される材料および埋蔵鉱物などの自然界に存在する材料のいずれか一方から形成される。たとえば、アルミニウム、鉄の単層膜または多層膜若しくはその合金が用いられる。また、鉄を用いる場合は反射率が低いため、鉄の薄膜にさらに酸化ケイ素の薄膜およびシリコンの薄膜を積層させた多層膜を用いればよい。
【0023】
反射層34の上に形成される保護層4も基板2と同様の自然界において分解可能な基材である生分解樹脂が用いられる。保護層4は、例えば、生分解性樹脂をスピンコートして塗設した後、塗膜を硬化させて形成することができる。このような保護層4の厚さは、通常、0.1〜100μm程度である。
【0024】
透光性基板2上に光記録層3、保護層4が形成されたディスクとダミー基板としての基板6とを接着層5で貼り合わせる。この接着層5は、紫外線硬化樹脂を用いてもよいが、好ましくは、生分解性接着材からなる接着層で貼り合わせる方がよい。生分解性の接着材を用いれば、接着層も自然界で分解されるので好ましい。この生分解性接着材としては、膠、ゼラチン、デンプンなどの接着剤のほか乳酸系樹脂を用いることができる。例えば、膠を用いる場合には、膠溶液にし、保護膜4上にスピンコートなどにより塗設した後、基板6を接着させればよい。
【0025】
上記したように、レーザ光が入射される側の基板2は、光の透過率が良い光学特性が良好な生分解性樹脂で形成する。レーザ光20が照射されないダミー基板として記録・再生に影響がない基板6は、耐熱性、機械的強度に優れた生分解性樹脂を用いて形成する。
【0026】
上記したように、同じ材料の生分解樹脂においても結晶化度が高くなると、耐熱性、機械的強度が向上する。そこで、同じ、三井化学株式会社製の「レイシア」の中で銘柄「H−100J」を用いて、温度80℃、湿度40%にて、15分から2時間アニールして、各アニール時間における結晶化度とその時の時の透過率を測定した結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
表1に示すように、アニール時間が増えるにつれ、結晶化度は増え、60分を越えると結晶化度は飽和した。また、透過率は、結晶化度が大きくなるにつれ低くなっている。結晶化度が0%の時には、85%あった透過率が結晶化度33%では、透過率が78%に落ちている。このように、結晶化度を高くすると、透過率が悪くなる。従って、レーザ光が入射される側の基板2には、結晶化度が低い基板を用いる方が良く、結晶化度が0%のものが一番透過率が良いので、この実施形態では、レーザ光が入射される基板2に結晶化度が0%のものを用いた。
【0029】
また、結晶化度が高くなると、融点、破断強度、ヤング率などの耐熱性、機械的強度は増加する。例えば、結晶化度が30%になると、1割以上それぞれの強度等は増加する。上記したアニールでは、結晶化度が34%程度で飽和したが、用いる樹脂の成分等により異なるので、材料等を選択することで結晶度を上げることが出来る。また、樹脂成型時の製造方法を変えても結晶度を変化させることができる。例えば、樹脂成型時に急冷などの方法を用いることで、更に結晶化度を上げることは可能である。よって、この実施形態では、記録・再生に影響がないダミー基板である基板6に、結晶化度の高い生分解性樹脂基板を用いる。
【0030】
このように構成することで、記録・再生に影響がないダミー基板に耐熱性、機械的強度に優れた生分解性樹脂基板を用いることで、2枚の基板を貼り合わせた生分解性樹脂からなる光ディスクの耐熱性、機械的強度を向上させることができる。
【0031】
次に、「H−100J」を用いて形成した光ディスクを温度80℃、湿度40%にて2時間アニールしたときの耐熱性特性を調べた。耐熱性の特性は、CD構成の基板を作成して基板の反りを測定した。測定は、次の状態でそれぞれ行った。基板を作成した初期状態の時の基板の反り、温度80℃、湿度40%にて2時間アニールした時の基板の反り、アニール後、温度60℃、湿度40%で2時間の耐熱試験を施した時の基板の反り、温度65℃、湿度40%で2時間の耐熱試験を施した時の基板の反りの測定を行った。また、参考までに、同じ「H−100J」を用いて形成した光ディスクにアニールを施さずに、上記と同じ耐熱試験を行った。サンプルとしての光ディスクは、「H−100J」を用いて形成した厚さ1.2mmの基板の表面に、光記録層、保護膜、印刷層を積層したものである。
【0032】
光ディスクの反りは基板の反り角で測定した。反り角は、図9に示すように、入射光120と反射光121の角度αを測定することにより算出する。すなわち、基板102の読み取り面106の基準面122に直交するように、レーザからの入射光120を基板102の読み取り面106側から与える。そして、記録層103で反射させ、入射光120と反射光121との間の角度を算出する。反り角としては径方向の反り角と接線方向の反り角とがあるが、この測定では、光ディスクの中心から径方向位置における25mm、40m、55mmの3カ所の径方向の反り角と接線方向の反り角の平均したものを反り角として算出した。なお、反り角のマイナスはピックアップ側に向かって基板が反った場合、反り角のプラスはピックアップ側から遠ざかる方向に反った場合である。
【0033】
反り角を測定した結果を表2及び表3に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
表2及び表3より、アニールを行い結晶化率を向上させると、耐熱性が向上することが分かる。アニール後は、反り角が一番大きな箇所である光ディスクの最外周近傍の径位置55mmのところで、−0.63度、−0.51度であった。それが、耐熱試験後も−0.51度、−0.61度と殆ど変化が無く耐熱性が向上していることが分かる。これに対して、同じ「H−100J」を用いて形成した光ディスクにアニールを施さずに、耐熱試験を行ったものは、いずれも測定不能なほど基板に反りが発生した。
【0037】
よって、ダミー基板6を「H−100J」を用いて形成した後、例えば、温度80℃、湿度40%にて2時間アニールして、結晶化率を上げて耐熱性などの強度を向上させる。また、このときの基板の反りは表2、表3に示すように、最大でも−0.63度であるからダミー基板として用いても問題はない。そして、このダミー基板に「H−100J」を用いて形成した基板2を貼り合わせることで、耐熱性に優れた光ディスクが提供できる。
【0038】
尚、上記した実施形態においては、同じ材料の生分解性樹脂を用いて、その結晶度の違うものを基板2、基板6に用いたが、記録・再生に影響がないダミー基板となる基板6には、耐熱性、機械的強度に優れた、例えば、不透明な生分解性樹脂を用いても良い。このような材料としては、例えば、三井化学株式会社製の「レイシア」の中で銘柄「M−151SQ04」を用いることができる。この「M−151SQ04」は熱変形温度(0.45Mpa)が66℃であり、「H−100J」の53℃に比べて20%以上耐熱性に優れる。また、アイゾット衝撃強度も「M−151SQ04」が43J/mに対して、「H−100J」が29J/mと機械的強度も優れている。この「M−151SQ04」を用いてダミー基板となる基板6を形成し、2枚の基板を貼り合わせた生分解性樹脂からなる光ディスクの耐熱性、機械的強度を向上させることができる。
【0039】
図3は、この発明の第2の実施形態を示す模式的断面図である。尚、図1及び図2と同じ構成の部分には同じ符号を付し、説明の重複を避けるために、ここではその説明を割愛する。
【0040】
図1及び図2に示す第1の実施形態は、レーザ光の入射側の基板2に微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域を設けている。これに対して、この第2の実施形態は、レーザ光が入射されない側の基板6aに微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域を設けたものである。即ち、耐熱性、機械的強度に優れた生分解性樹脂からなる基板6aに微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域を設けたものである。
【0041】
図3は、この発明の第2の実施形態としての相変化光ディスクの構造を示し、約0.6mm厚の基板6aにトラッキング用のグルーブ61がスタンパで形成され、グループ間にランド62が形成されている。このトラッキング用のグルーブ61上に反射層34が形成され、この反射層34上に誘電体層33、記録層32、誘電体層31が設けられる。誘電体層33、記録層32、誘電体層31、反射層34で光記録層3が構成される。そして、光記録層3上に保護層4が設けられ、この保護層4に接着層5が設けられる。
【0042】
この接着層5により、光入射側の透光率等光学特性に優れた生分解性樹脂により形成された膜厚0.6mmの基板2aが貼り合わされている。そして、基板2a側からレーザ光20が照射される。
【0043】
基板2側からレーザ光が入射されるので、この基板2は、光学特性が良好な結晶化していない生分解性樹脂が用いられる。同じ材料の生分解樹脂においても結晶化度が高くなると、光学特性は落ちるが、前述したように耐熱性、機械的強度が向上する。そこで、基板6aには、結晶化した生分解性樹脂を用いている。
【0044】
尚、上記した実施形態においては、同じ材料の生分解性樹脂を用いて、その結晶度の違うものを基板2、基板6に用いたが、記録・再生に影響がないダミー基板となる基板6には、耐熱性、機械的強度に優れた、例えば、不透明な生分解性樹脂を用いても良い。このような材料としては、例えば、三井化学株式会社製の「レイシア」の中で銘柄「M−151SQ04」を用いることができる。この「M−151SQ04」は熱変形温度(0.45Mpa)が66℃であり、「H−100J」の53℃に比べて20%以上耐熱性に優れる。また、アイゾット衝撃強度も「M−151SQ04」が43J/mに対して、「H−100J」が29J/mと機械的強度も優れている。この「M−151SQ04」を用いてダミー基板となる基板6を形成し、2枚の基板を貼り合わせた生分解性樹脂からなる光ディスクの耐熱性、機械的強度を向上させることができる。
【0045】
上記のように、微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域を耐熱性、機械的強度が向上した基板6aに設けることで、ピットまたはグループなどが崩れず、また、温度が上昇しても耐熱性に優れているので、安定した再生が得られる。
【0046】
上記した実施形態においては、片面に1つの記録領域を設けているが、これに限らず片面に2つの記録層を有するものなど複数の記録層を有するものにも、この発明は、適用することができる。
【0047】
図4は、この発明の第3の実施形態を示す模式的断面斜視図である。上記した第1、第2の実施形態においては、DVDディスクにつき説明したが、この第3の実施形態は、ブルーレイディスク(Blu−ray Disc)に、この発明を適用したものである。ブルーレイディスクもDVDディスクもディスクの厚さは、1.2mmであるが、構造は相違する。ブルーレイディスクは、1.1mmのディスク基板に、0.1mmのカバー層を設けた構造になっている。この第3の実施形態においては、1.1mmのディスク基板に、耐熱性、機械的強度に優れた生分解性樹脂を用い、光が入射されるカバー層に光学特性が良好な結晶化していない生分解性樹脂を用いる。Blu−ray Discは、日本では登録商標である。
【0048】
図4に従い、この発明の第3の実施形態につき説明する。1.1mm厚の生分解性樹脂からなる基板11に微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブがスタンパで形成され、この基板11上に反射層12、保護層13、記録層14、保護層15が形成されている。保護層15に接着層(図示しない)が設けられる。
【0049】
この接着層により、光入射側の透光率等光学特性に優れた生分解性樹脂により形成された膜厚0.1mmのカバー層16が貼り合わされている。そして、カバー層16側からレーザ光20が照射される。
【0050】
カバー層16側からレーザ光が入射されるので、このカバー層16は、光学特性が良好な結晶化していない生分解性樹脂が用いられる。同じ材料の生分解樹脂においても結晶化度が高くなると、光学特性は落ちるが、耐熱性、機械的強度が向上する。そこで、基板11には、結晶化した生分解性樹脂を用いている。
【0051】
上記のように、微細な凹凸により情報を表すピット又はグルーブからなる記録領域を耐熱性、機械的強度が向上した基板11に設けることで、ピットまたはグループなどが崩れず、また、温度が上昇しても耐熱性に優れているので、安定した再生が得られる。
【0052】
図5は、この発明の第4の実施形態にかかる光ディスクを示す概略断面図である。この第4の実施形態は、第1の実施形態の光ディスクに更に耐熱性を向上させるものである。
【0053】
この第4の実施形態においては、光入射側の基板2の光入射面上にスパッタ法により、誘電体膜8が設けられている。この誘電体膜8としては、窒化シリコン膜又は窒化アルミニウム膜が用いられる。
【0054】
ところで、基板2(又は基板6)の材料である生分解性樹脂、誘電体膜8の材料である窒化シリコン、窒化アルミニウムの線膨張係数は、生分解性樹脂が、8.8×10-5/℃、窒化シリコン膜が、2.9×10-6/℃、窒化アルミニウム膜が、4.6×10-6/℃である。線膨張率が大きい生分解性樹脂からなる基板2(又は基板6)に線膨張係数が小さい誘電体膜8を被着させることで、温度上昇による反りが張力の均衡により抑制できる。
【0055】
基板2の光入射面上には、窒化シリコン膜又は窒化アルミニウム膜からなる誘電体膜8がスパッタ法により設けられる。
【0056】
この誘電体膜8の成膜の一例につき説明する。成膜は、例えば、図6及び図7に示すようなRFマグネトロンスパッタリング装置を用いて成膜される。図6に示すように、このスパッタリング装置は、真空チャンバー110内に円盤状のターゲット112が設置される。ターゲット112は、窒化シリコン膜の時にはシリコンが窒化アルミニウム膜の時にはアルミニウムが用いられる。
【0057】
スパッタリングガスには、アルゴン(Ar)と窒素(N2)の混合ガスが用いられ、マスフローコントローラー113、113によりガス流量を制御し、チャンバー110内に導入される。成膜時の混合ガス圧力は0.93Paで一定とし、ガス混合比は、Ar流量50sccmに対して、N2を3ccm混入させている。そして、光ディスク101は、基板ホルダー111にセットされる。基板ホルダー111はモータ114により回転し、基板ホルダー111にセットされた光ディスク101は自公転するように回る。即ち、図7に示すように、基板ホルダー111には、基板取付ホルダー111aが設けられ、基板ホルダー111自体も回転するが、基板取付ホルダー111aも回転するように構成されている。この結果、基板取付ホルダー111aにセットされた光ディスク101は、装置に対して自公転することになる。そして、ターゲット112には、RF電源115からマッチングボックス116を介してインピーダンス制御されて、RF電力が与えられる。
【0058】
上記した装置において、誘電体膜8としてシリコン窒化(SiN)膜を形成した。ターゲット112は、シリコン(Si)ターゲットを用い、基板ホルダー111の回転スピードを20rpmとし、成膜レート30Å/minで成膜した。このとき、光ディスク101は、自公転するので、良好な膜厚分布を得ることができると共に、ターゲット112上を通過する時のみデポジションが行われるため、基板温度の上昇を抑えることができる。上記した成膜条件により、基板温度40℃以下の低温で成膜を行うことができた。
【0059】
次に、図8に示すように、基板102の表面に、光記録層103、保護層104を積層し、そして、基板102の光入射面に誘電体膜8を形成した光ディスクを用意した。この光ディスクに耐熱性試験を行った。基板102の材料は、三井化学株式会社製の「レイシア」の中で銘柄「H−100J」を用い、光記録層103は、膜厚40nmのアルミニウムの薄膜、保護層104は、例えば、生分解性樹脂をスピンコートして塗設した後、塗膜を硬化させて形成した。上記した図8に示す構造の光ディスクにおいて、誘電体膜8として、シリコン窒化(SiN)膜を形成し、50℃、湿度40%の条件で5時間の耐熱試験を行った。シリコン窒化(SiN)膜の膜厚は、100nm、150nm、300nmの3通りの光ディスクを用意した。そして、耐熱試験前と試験後の基板の反りを測定した。
【0060】
光ディスクの反りは基板の反り角で測定した。前述と同様に、反り角は、図9に示すように、入射光120と反射光121の角度αを測定することにより算出する。この測定では、光ディスクの中心から径方向位置における22mmから60mmまでの間の径方向の反り角と接線方向の反り角の平均したものを反り角として算出した。なお、反り角のマイナスはピックアップ側に向かって基板が反った場合、反り角のプラスはピックアップ側から遠ざかる方向に反った場合である。
【0061】
図10は、シリコン窒化(SiN)膜が100nmのもの、図11は、シリコン窒化(SiN)膜が150nmのもの、図12は、シリコン窒化(SiN)膜が150nmのものを測定した結果である。
【0062】
図10ないし図12より、100nm、150nmの膜厚より、300nmの膜厚の方が反りの抑制効果が顕著であり、300nmの膜厚のシリコン窒化(SiN)膜を設けた光ディスク1によると、反り角が1.5度程度であり、反りの発生を殆ど抑制できた。よって、シリコン窒化(SiN)膜をある程度厚くする方が反りの発生の抑制の効果があり、300nmの厚さのシリコン窒化(SiN)膜からなる誘電体膜8であれば反りを十分に抑制できる。
【0063】
このように、誘電体膜8を設けることにより、より耐熱性を向上させることができる。
【0064】
尚、図10及び図11に示すものにおいては、耐熱後の反り角の測定において、所々測定できていない箇所がある。これは、シリコン窒化膜(SiN)膜にクラックなどが発生し、測定不能になったからである。
【0065】
また、上記した実施例においては、光ディスクの光入射面に誘電体膜8を設けて反りの抑制を確認した。もちろん、光ディスクの表裏面の双方に誘電体膜8を設けても反りの抑制を図ることができる。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明の第1の実施形態の光ディスクとしてのDVDディスクを示す模式的断面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態としてのDVDディスクの一例としての相変化光ディスクの構造を示す部分断面斜視図である
【図3】この発明の第2の実施形態としてのDVDディスクの一例としての相変化光ディスクの構造を示す部分断面斜視図である。
【図4】この発明の第3の実施形態を示す模式的断面斜視図である。
【図5】この発明の第4の実施形態にかかる光ディスクを示す平面図である。
【図6】この発明の製造に用いられるRFマグネトロンスパッタリング装置の構成を示す概略図である。
【図7】この発明の製造に用いられるRFマグネトロンスパッタリング装置の基板ホルダーを示す平面図である。
【図8】この発明の耐熱特性を測定するために、光入射面に誘電体膜を設けた光ディスクの構造を示す模式的断面図である。
【図9】光ディスクの基板の反り角を説明する模式図である。
【図10】この発明による光ディスクの耐熱試験の結果を示す測定図である。
【図11】この発明による光ディスクの耐熱試験の結果を示す測定図である。
【図12】この発明による光ディスクの耐熱試験の結果を示す測定図である。
【符号の説明】
【0068】
1 光ディスク
2 基板
3 光記録層
4 保護層
5 接着層
6 基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方に情報記録部を有する2枚の基材を貼り合わせた光ディスクにおいて、光入射側の基材が生分解性樹脂からなる透光性樹脂材で構成され、光入射側に位置しない基材が前記光入射側の基材より耐熱強度が大きい生分解性樹脂で形成されていることを特徴とする光ディスク。
【請求項2】
光入射側に位置しない基材が前記光入射側の基材より結晶化度が高い生分解性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
【請求項3】
光入射側に位置しない基材がダミー基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク。
【請求項4】
光入射側に位置しない基材に、情報記録部を形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光ディスク。
【請求項5】
前記ディスクの少なくとも片側の面を誘電膜で被覆したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光ディスク。
【請求項6】
前記光ディスクの光入射面に誘電体膜を被覆したことを特徴とする請求項5に記載の光ディスク。
【請求項7】
前記誘電体膜は窒化シリコン膜又は窒化アルミニウム膜であることを特徴とする請求項5又は6に記載の光ディスク。
【請求項8】
前記誘電体膜として膜厚300nmの窒化シリコン膜を設けたことを特徴とする請求項7に記載の光ディスク。
【請求項1】
少なくとも一方に情報記録部を有する2枚の基材を貼り合わせた光ディスクにおいて、光入射側の基材が生分解性樹脂からなる透光性樹脂材で構成され、光入射側に位置しない基材が前記光入射側の基材より耐熱強度が大きい生分解性樹脂で形成されていることを特徴とする光ディスク。
【請求項2】
光入射側に位置しない基材が前記光入射側の基材より結晶化度が高い生分解性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
【請求項3】
光入射側に位置しない基材がダミー基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク。
【請求項4】
光入射側に位置しない基材に、情報記録部を形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光ディスク。
【請求項5】
前記ディスクの少なくとも片側の面を誘電膜で被覆したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光ディスク。
【請求項6】
前記光ディスクの光入射面に誘電体膜を被覆したことを特徴とする請求項5に記載の光ディスク。
【請求項7】
前記誘電体膜は窒化シリコン膜又は窒化アルミニウム膜であることを特徴とする請求項5又は6に記載の光ディスク。
【請求項8】
前記誘電体膜として膜厚300nmの窒化シリコン膜を設けたことを特徴とする請求項7に記載の光ディスク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−31914(P2006−31914A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172387(P2005−172387)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302070947)三洋マービック・メディア株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302070947)三洋マービック・メディア株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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