説明

光パルス速度制御装置及び光パルスの速度制御方法

【課題】周波数依存の少ないゲインを発生させて、遅延に伴う信号光の歪をさらに低減する光パルス速度制御装置及び光パルスの速度制御方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ14の媒質の特性によって決まる、ブリルアン散乱によるゲインのスペクトル幅をΔfbとするとき、当該スペクトル幅Δfb以下の周波数間隔の複数の線スペクトルからなる光コムを光コム発生装置16で発生し、発生した光コムを光増幅器15で増幅制御し、光カプラ13を介して、増幅した光コムを光ファイバ14に入射することにより、光ファイバ14中で誘導ブリルアン散乱を発生させて、平坦な周波数特性を持つブリルアンゲインを発生させると共に、ブリルアンゲインの強度を制御し、ブリルアンゲインによる群屈折率の変化の大きさを制御して、パルス光の速度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送システムにおける光パルス速度を制御する光パルス速度制御装置及び光パルスの速度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光伝送ネットワークにおいて、WDM伝送により、1心のファイバ当たりの伝送容量が増加している。これらの光ファイバが終端されるルータでは、伝送データの処理を光から電気に変換して処理を行っている。従って、ルータにおける伝送データの光−電気変換処理及び電気信号処理がボトルネックとなっている。そこで、OADM(Optical Add/Drop Multiplexer)や光スイッチといった光信号を電気に変換することなく処理を行うデバイスが用いられてきている。
【0003】
しかし、これらの技術は、波長を基にしたパス制御、又は、静的なスイッチング処理に留まり、伝送データの単位であるパケット毎のルーティングといった柔軟な制御を行うことができない。特に、光パルスの伝播速度制御が柔軟に行えないことから、信号処理部における、信号の衝突が問題である。これを回避するためには、光信号を電気に変換することなく保持するための光バッファが必要となる。
【0004】
近年、この光バッファの実現に向けて、光パルスの伝播速度が変化するスローライト現象についての検討がなされている。光パルスの伝播速度制御は、光が伝播する媒質の群屈折率を変化させることで実現され、群屈折率の制御は、被制御対象の信号光とは別に、ポンプ光と呼ばれる光を媒質に入射することによって実現される。
【0005】
ここで、誘導ブリルアン散乱と呼ばれる現象を用いた場合の光パルスの速度制御方法の概要を説明する。
【0006】
誘導ブリルアン散乱とは、入射光と音響フォノンとの相互作用によって生じる散乱現象で、光を光ファイバに入射すると、入射光と反対の伝播方向に、ブリルアンシフト周波数と呼ばれる周波数だけ低い周波数を持つストークス光(後方散乱光)を発生する。ストークス光を発生させる入射光をポンプ光と呼び、このポンプ光の周波数をfp、ブリルアンシフト周波数をfbとすると、ストークス光の周波数はfp−fbとなる。
【0007】
中心周波数がfp−fbである信号光を、ポンプ光に対向して光ファイバに入射すると、光ファイバ中でポンプ光から信号光へ光パワーが移り、信号光が増幅される。この増幅は、図20(a)のゲイン特性に示すとおり、fp−fbを中心にローレンツ型のスペクトル特性を持っており、この増幅にはクラマース・クローニッヒの関係と呼ばれる法則から、同じくfp−fbを中心に図20(b)に示す屈折率変化が生じる。
【0008】
そして、群屈折率ngは、以下の関係から求められる。
【数1】

【0009】
従って、図20(c)に示すスペクトル特性の群屈折率変化が生じ、群屈折率はfp−fbを中心に増加する。パルス光の伝播速度は、真空中の光の速度を群屈折率で割ったものになるので、パルス光は増幅されると共に、伝播速度が遅くなる。ゲイン量や群屈折率変化量のピーク値は、ポンプ光強度に比例するため、ポンプ光の強度を制御することによって、パルス光の速度を制御できる。
【0010】
又、ポンプ光周波数がfp、信号光の周波数がfp+fbである場合、先に説明した増幅とは逆に、パルス光に損失が生じる。この損失のスペクトル特性は、図20(a)〜(c)に示した特性の正負反転の特性であり、損失や群屈折率変化量のピークを示す周波数はfp+fbとなり、群屈折率はfp+fbにおいて減少する。つまり、パルス光は損失を受けると共に、パルス光の伝播速度が速くなる。この現象に関しても、損失や群屈折率変化のピーク値は、ポンプ光強度に比例するため、ポンプ光強度の制御による光パルス速度制御が実現できる。
【0011】
図20(a)に示したゲイン特性は、ブリルアン散乱が発生する光ファイバの媒質によって決まる利得gb(下記式参照)と、ポンプ光スペクトルとの畳み込み積分で決まる。
【数2】

なお、Δfbは、光ファイバの媒質によって決まる値である。スタンダードシングルモードファイバの場合、Δfbの値は40MHz程度である。又、Gbは光ファイバの媒質と、ポンプ光の線幅によって決まる値である。
【0012】
つまり、ポンプ光の線幅がΔfb以下の場合は、得られるゲインスペクトルの半値全幅(FWHM)がΔfb程度であり、群屈折率変化スペクトル、群屈折率が増加する又は減少する部分のスペクトル幅も同様程度となるが、信号光のスペクトル幅に対し、ゲイン幅、群屈折率変化スペクトル幅は同等以上でなければ、遅延に伴って信号光のスペクトルが大きく変化し、信号光パルスが大きく歪んでしまう。遅延に伴う歪は、遅延量を制限する要因であり、大きな遅延を得るためには、遅延に伴う歪の低減が重要である。
【0013】
そこで、Gbpsクラスの信号光に対し、ポンプ光をノイズソースやランダム信号で変調し、ポンプ光のスペクトルを広げることによって、遅延に伴う歪を低減することが行われている。図21に示すとおり、ポンプ光のスペクトル幅ΔfがΔfbよりも十分に大きい場合、ゲインスペクトル幅、群屈折率変化スペクトル幅は、ポンプ光スペクトル幅Δfと同じとなるため、信号光スペクトル幅に対して同等以上のゲイン幅、群屈折率変化スペクトル幅がえられるために、歪が低減されることとなる。
【0014】
【非特許文献1】Kwang Yong Song et al., "Observation of pulse delaying and advancement in optical fibers using stimulated Brillouin" Optics Express, Vol.13, Issue 1, pp.82-88 (January 2005)
【非特許文献2】Zhu, Zhaoming et a1., "12-GHz-Bandwidth SBS Slow Light in Optical Fibers" Optical Fiber Communication Conference (OFC) 2006 paper: PDPl
【非特許文献3】M. Sugiyama et a1., "A low drive voltage LiNbO3 phase and intensity integrated modulator for optical frequency comb generation and short pulse generation", European Conference on Optical Communication (ECOC) 2004, Tu3.4.3
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、ポンプ光スペクトルを、上記変調技術を用いて広げた場合においても、ゲインスペクトル特性は、図21に示すとおり、周波数に対して凸の形を示す。つまり、遅延に伴い、信号光のスペクトルを変化させる影響を及ぼすため、歪が発生し、得られる最大遅延量を制限してしまう。従って、周波数依存の少ないゲインを発生させて、遅延に伴う信号光の歪をさらに低減する技術が望まれている。
【0016】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、周波数依存の少ないゲインを発生させて、遅延に伴う信号光の歪をさらに低減する光パルス速度制御装置及び光パルスの速度制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決する第1の発明に係る光パルス速度制御装置は、
信号光となるパルス光が送信される光ファイバと、
前記光ファイバの媒質の特性によって決まる、ブリルアン散乱によるゲインのスペクトル幅をΔfbとするとき、当該スペクトル幅Δfb以下の周波数間隔の複数の線スペクトルからなる光コムを発生させる光コム発生手段と、
前記光コムの強度を制御する強度制御手段と、
前記光ファイバにおいて、前記信号光の伝播方向と反対方向に前記光コムを入射する光合波器とを有し、
前記光ファイバに前記光コムを入射することにより、前記光ファイバ中で誘導ブリルアン散乱を発生させて、平坦な周波数特性を持つブリルアンゲインを発生させると共に、前記光コムの強度を制御することにより、前記ブリルアンゲインの強度を制御し、前記ブリルアンゲインによる群屈折率の変化の大きさを制御して、前記パルス光の速度を制御することを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決する第2の発明に係る光パルス速度制御装置は、
上記第1の発明に記載の光パルス速度制御装置において、
前記光コム発生手段を、マッハツェンダ型強度変調器と位相変調器とを任意の順序で接続して構成したことを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決する第3の発明に係る光パルス速度制御装置は、
上記第2の発明に記載の光パルス速度制御装置において、
前記マッハツェンダ型強度変調器にバイアス電圧を付与するバイアス制御電源を設け、
前記バイアス制御電源は、
前記マッハツェンダ型強度変調器のバイアス電圧対透過光特性において、透過光パワーが最小となるバイアス電圧をVmin、透過光パワーが最大となるバイアス電圧をVmax、透過光パワーを最小から最大まで変化させるために必要なバイアス電圧をVPi、nを整数とするとき、バイアス電圧V0=(Vmin−Vmax)/2から透過光パワーが最小となる点に向かって、2nVPiから(0.3+2n)×VPiの範囲、又は、(1+2n)×VPiから(0.7+2n)×VPiの範囲で前記マッハツェンダ型強度変調器にバイアス電圧を付与することを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決する第4の発明に係る光パルス速度制御装置は、
上記第2の発明に記載の光パルス速度制御装置において、
前記光コム発生手段の後段に、前記光コムを平坦な周波数特性とする光フィルタを接続したことを特徴とする。
【0021】
上記課題を解決する第5の発明に係る光パルスの速度制御方法は、
信号光となるパルス光が送信される光ファイバの媒質の特性によって決まる、ブリルアン散乱によるゲインのスペクトル幅をΔfbとするとき、当該スペクトル幅Δfb以下の周波数間隔の複数の線スペクトルからなる光コムを発生し、
前記光コムの強度を制御し、
前記光ファイバにおいて、前記信号光の伝播方向と反対方向に前記光コムを入射することにより、
前記光ファイバ中で誘導ブリルアン散乱を発生させて、平坦な周波数特性を持つブリルアンゲインを発生させると共に、前記ブリルアンゲインの強度を制御し、前記ブリルアンゲインによる群屈折率の変化の大きさを制御して、前記パルス光の速度を制御することを特徴とする。
【0022】
上記課題を解決する第6の発明に係る光パルスの速度制御方法は、
上記第5の発明に記載の光パルスの速度制御方法において、
前記光コムを、任意の順序で接続したマッハツェンダ型強度変調器と位相変調器とを用いて発生することを特徴とする。
【0023】
上記課題を解決する第7の発明に係る光パルスの速度制御方法は、
上記第6の発明に記載の光パルスの速度制御方法において、
前記マッハツェンダ型強度変調器のバイアス電圧対透過光特性において、透過光パワーが最小となるバイアス電圧をVmin、透過光パワーが最大となるバイアス電圧をVmax、透過光パワーを最小から最大まで変化させるために必要なバイアス電圧をVPi、nを整数とするとき、バイアス電圧V0=(Vmin−Vmax)/2から透過光パワーが最小となる点に向かって、2nVPiから(0.3+2n)×VPiの範囲、又は、(1+2n)×VPiから(0.7+2n)×VPiの範囲で前記マッハツェンダ型強度変調器にバイアス電圧を付与することを特徴とする。
【0024】
上記課題を解決する第8の発明に係る光パルスの速度制御方法は、
上記第6の発明に記載の光パルスの速度制御方法において、
前記光ファイバに入射する前に、前記光コムを平坦な周波数特性にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、従来の変調技術によりポンプ光スペクトルを拡大した場合に比べて、より歪の影響を抑制した遅延を発生させることができ、遅延に伴う歪を低減できるため、得られる最大遅延量を拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に係る光パルス制御装置及び光パルスの速度制御方法の実施形態について、図1から図19を用いて説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明に係る光パルス速度制御装置の実施形態の一例を説明する概略構成図である。
【0028】
本実施例の光パルス速度制御装置は、図1に示すように、信号光となる周波数fsのパルス光を送信する送信機10とパルス光を受信する受信機12とが光ファイバ14で接続された光伝送システムに設けるものであり、一定の周波数間隔fmの複数の線スペクトルからなる光コムを発生する光コム発生装置16(光コム発生手段)と、発生した光コムを増幅する光増幅器15(強度制御手段)とを有し、光カプラ13(光合波器)を介して、光ファイバ14に接続して、光ファイバ14中の信号光の伝播方向と反対方向に光コムを入射する構成である。なお、光カプラ13に換えて、光サーキュレータを用いてもよい。
【0029】
本実施例の光パルス速度制御装置において、光コム発生装置16には、周波数(fs±fb)のCW光を出射する光源11が接続されており、光コム発生装置16は、光源11から出射されたCW光を用いて、光コムを発生し、発生した光コムを光増幅器15で増幅した後、ブリルアン散乱発生用のポンプ光として、光カプラ13を介して、光ファイバ14に入射するようにしている。なお、本実施例においては、光増幅器15を用いて、光コムの強度を制御しているが、光源11や光コム発生装置16を用いて、光コムの強度を制御する場合には、光増幅器15は必ずしも必要ではない。
【0030】
そして、上記構成により、光ファイバ14において、誘導ブリルアン散乱を発生させ、この誘導ブリルアン散乱により発生する群屈折率変化を利用して、光パルスの速度を制御可能としている。
【0031】
ここで、光コムについて、図2(a)〜(c)を用いて説明する。なお、図2(a)は、光コム発生装置での入射光、出射光を説明する図であり、図2(b)は、入射するCW光、図2(c)は、出射される光コムを示すスペクトルである。
【0032】
光コムとは、その周波数スペクトルにおいて、一定の周波数間隔で複数の線スペクトルを持つ光のことで、光コム発生装置とは、この光コムを発生させるための装置である。例えば、図2(b)に示すように、周波数fpのCW光を光コム発生装置16に入射した場合には、図2(c)に示すように、光コムとして、一定の周波数間隔fmで複数の線スペクトルを持つ光が出力される。
【0033】
そして、このような光コムを、ブリルアン散乱発生用のポンプ光として用いると、平坦なゲイン特性が得ることができる。これを、図3(a)〜(e)を参照して説明する。なお、図3(a)は、光ファイバへ入射する信号光、ポンプ光を説明する図であり、図3(b)は、入射するCW光、図3(c)は、入射する光コム、図3(d)は、入射したCW光により得られたゲイン特性、図3(e)は、入射した光コムにより得られたゲイン特性を示すスペクトルである。
【0034】
従来のように、周波数fpを持つスペクトル線幅の狭いCW光(図5(b)参照)を、ポンプ光として光ファイバ14に入射した場合、上記(式2)に示すゲイン特性との畳み込み積分により、図5(d)に示すように、fp−fbを中心に、Δfbのスペクトル幅を持つローレンツ型のゲイン特性が得られることになる。
【0035】
一方、本発明の場合、具体的には、一定の周波数間隔fm(但し、fm≦Δfb)で複数の線スペクトルを持ち、各線スペクトルの強度が等しく、平坦な光コム(図5(c)参照)を、ポンプ光として光ファイバ14に入射した場合、上記(式2)との畳み込み積分により、fp−fbを中心に、平坦なゲイン特性が得られることになる。これにより、信号光が受けるゲインの周波数依存性によるスペクトルの変化を抑えることができ、歪を低減することができる。つまり、ポンプ光として、スペクトルの帯域が広く、かつ、周波数依存の少ない光コムを用いることにより、信号光の遅延を可能とすると共に、遅延に伴う信号光の歪みを更に低減することができる。
【0036】
なお、上記Δfbは、光ファイバ14の媒質の特性によって決まる、ブリルアン散乱によるゲインのスペクトル幅であり、周波数間隔fmがΔfbより大きい場合には、発生するゲインに凹凸が生じてしまう。従って、Δfb以下の周波数間隔fmで発生させた光コムを入射する必要がある。
【0037】
このように、本実施例の光パルス速度制御装置においては、光コム発生装置16により、一定の周波数間隔fmで複数の線スペクトルを持ち、各線スペクトルの強度が等しい光コムを発生させ、この光コムを光ファイバ14に入射することにより、この光ファイバ14中で誘導ブリルアン散乱を発生させて、平坦な周波数特性を持つブリルアンゲインを発生させている。そして、光コム発生装置16で発生した光コムの強度を、光増幅器15により増幅して制御することにより、光ファイバ14で発生するブリルアンゲインの強度を制御し、ブリルアンゲインによる光ファイバ14の群屈折率の変化の大きさを制御して、信号光の速度を制御している。
【実施例2】
【0038】
本実施例は、実施例1を前提とするものであり、実施例1における光コム発生装置16に替えて、本実施例の光コム発生装置20を用いたものである。従って、本実施例においては、実施例1と重複する説明は省略して、説明を行う。
【0039】
図4は、本実施例において用いる光コム発生装置20を説明する概略構成図である。図4に示すように、光コム発生装置20は、マッハツェンダ型強度変調器(以降、MZ型強度変調器と呼ぶ。)21と、位相変調器22とを有するものである。ここでは、位相変調器22をMZ型強度変調器21の後段側に接続しているが、これらの接続順序は任意でよい(つまり、逆でもよい)。MZ型強度変調器21には、MZ型強度変調器21にバイアスを付与する直流電源23と、周期fmで電気信号を発生し、当該電気信号をMZ型強度変調器21に印加する信号発生器24とが接続されており、又、位相変調器22にも、同じ周期fmで電気信号を発生し、当該電気信号を位相変調器22に印加する信号発生器25が接続されている。
【0040】
本実施例の光コム発生装置20においては、MZ型強度変調器21、位相変調器22に印加する電気信号の周期fmを変更することによって、光コムにおける線スペクトルの周波数間隔fmを変更することができる。
【0041】
図5(a)に、本実施例の光コム発生装置20において発生した光コムのスペクトルを示す。又、図5(b)に、ポンプ光として、図5(a)に示す光コムを光ファイバ14に入射した場合のゲイン特性の実験結果を示すと共に、比較のため、ポンプ光として、CW光を光ファイバ14に入射した場合のゲイン特性を併記した。このとき、MZ型強度変調器21には、10MHzのサイン波を付与し、バイアス電圧にV0を設定し、位相変調器22には、変調指数Δθ=6.51を実現する10MHzサイン波を付与している。
【0042】
このバイアス電圧V0は、MZ型強度変調器21の透過光パワーが最小となるバイアス電圧をVmin、最大となるバイアス電圧をVmaxとしたとき、V0=(Vmin−Vmax)/2で求められる電圧である。
【0043】
又、変調指数Δθは、位相変調器22において、位相をπずらすために必要な電圧VPiと、付与する信号の振幅Vより、下記式を用いて求められる。
【数3】

【0044】
図6に、MZ型強度変調器におけるバイアス電圧−透過光パワー特性の例を示す。図6に示すように、MZ型強度変調器の透過光パワーを最小から最大まで変化させるために必要なバイアス電圧をVPiと規定すると、本実施例の光コム発生装置20においては、光コムの発生のため、MZ型強度変調器21に上記バイアス電圧V0を付与すると共に、振幅がVPi/2のサイン波を印加することで、50%デューティー比パルスを発生させている。なお、光コム発生装置20において発生する線スペクトルの本数は、変調指数Δθによって決まり、変調指数Δθを増加させると、発生する線スペクトルを増加させることができる。
【0045】
図5(a)に示す光コムを、光増幅器15において22.6dBmまで増幅し、Dispersion Shifted Fiber、40kmへ、ポンプ光として入射した場合の光パルス速度制御実験結果を、図7に示す。信号光としては、50MHzの繰り返しパルスを用いた。図7に示すように、遅延に伴うパルスの広がりを抑制しつつ、パルスが遅延していることが分かる。
【実施例3】
【0046】
本実施例も、実施例1を前提とするものであり、実施例1における光コム発生装置16に替えて、本実施例の光コム発生装置30を用いたものである。従って、本実施例においても、実施例1と重複する説明は省略して、説明を行う。
【0047】
図8は、本実施例において用いる光コム発生装置30を説明する概略構成図である。図8に示すように、光コム発生装置30は、MZ型強度変調器31と、位相変調器32とを有し、MZ型強度変調器31には、MZ型強度変調器31に付与するバイアスを制御するバイアス制御電源33と、周期fmで電気信号を発生し、当該電気信号をMZ型強度変調器31に印加する信号発生器34とが接続されており、又、位相変調器32にも、同じ周期fmで電気信号を発生し、当該電気信号を位相変調器32に印加する信号発生器35が接続されている。
【0048】
つまり、本実施例の光コム発生装置30は、実施例2の光コム発生装置20における直流電源23に替えて、バイアス制御電源33を用いたものである。なお、本実施例の光コム発生装置30においても、MZ型強度変調器31、位相変調器32の接続順序は任意でよい(つまり、逆でもよい)。
【0049】
実施例2においては、光コムの発生のため、MZ型強度変調器21に単一のバイアス電圧V0=(Vmin−Vmax)/2を付与するのみであったが、本実施例においては、MZ型強度変調器31に付与するバイアス電圧を所定の範囲内に制御することに特徴がある。
【0050】
この具体的な制御を前述した図6を参照して説明する。図6に示したように、MZ型強度変調器のバイアス電圧−透過光特性において、MZ型強度変調器の透過光パワーを最小から最大まで変化させるために必要なバイアス電圧をVPiと規定し、nを整数とすると、本実施例の光コム発生装置30においては、バイアス制御電源33を用いて、バイアス電圧V0から透過光パワーが最小となる点に向かって、範囲A[2nVPiから(0.3+2n)×VPiの範囲]、又は、範囲B[(1+2n)×VPiから(0.7+2n)×VPi]の間でMZ型強度変調器31にバイアス電圧を付与して、光コムを発生させている。
【0051】
図9(a)〜(d)に、バイアス電圧を変化させた場合における光コムの光パワー偏差特性のシミュレーション結果を示す。ここでは、周波数間隔fm=10MHz、20MHz、30MHz、40MHzについて示すと共に、各々において、変調指数Δθを2π、4π、6π、8πと変更して示している。又、横軸のバイアス電圧/Vpiは、バイアス電圧V0から透過パワーが最小値を示すバイアス電圧Vminへの方向をプラスとして符号をつけている。又、光パワー偏差を求める帯域は、バイアス電圧V0を付与した場合において、その光コムスペクトルにおける2つのピーク(スペクトル強度が最大となる凸部分)に挟まれた範囲の周波数を対象としている(図5(a)参照)。図9(a)〜(d)に示すように、V0を基点にして、バイアス電圧/Vpiを、0から0.3、そして、0.7から1.0まで変化させた範囲に設定することにより、光パワー偏差が減少することが分かる。
【0052】
図10(a)〜(d)に、変調指数Δθを変化させた場合における光パワー偏差が最小となるバイアス電圧/VPi値のシミュレーション結果を示す。ここでも、周波数間隔fm=10MHz、20MHz、30MHz、40MHzについて示している。図10(a)〜(d)に示すように、変調指数Δθの変化に関わらず、0から0.3の範囲内に最適なバイアス電圧/Vpiがあることが分かる。なお、バイアス電圧/Vpiが、0から0.3へ変化する場合と、1.0から0.7へ変化する場合とは、同じ特性を示すため、ここでは、そのシミュレーション結果を省略してある。又、変調指数Δθは、現実的には10π程度までであり、それ以上の変調指数を与えることは、信号発生器35における電気アンプの性能や、位相変調器32への入射可能電圧の制限などを考えると実用的ではない。
【0053】
このような変調特性は、VPiを周期として繰り返すため、上記範囲は、整数をnとすると、[2nVPiから(0.3+2n)×VPi]、[(0.7+2n)×VPiから(1+2n)×VPi]と書き換えることができる。
【0054】
図11(a)〜(d)に、変調指数Δθの変化に対して、バイアス電圧にV0を設定した場合の光コムの光パワー偏差、光パワー偏差の最小値(最小の光パワー偏差となるバイアス電圧を設定している。)を示すと共に、それらの差、つまり、光パワー偏差向上量を併記した。ここでも、周波数間隔fm=10MHz、20MHz、30MHz、40MHzについて示している。図11(a)〜(d)に示すように、どの場合においても、光パワー偏差向上量が正の値であり、これは、バイアス電圧にV0を設定した場合の光パワー偏差を改善するバイアス電圧が存在することを意味している。そして、図10との関係から、光パワー偏差を改善するバイアス電圧が、[2nVPiから(0.3+2n)×VPi]、又は、[(0.7+2n)×VPiから(1+2n)×VPi]の範囲にあることが確認できた。
【0055】
図12に、変調指数Δθ=8π、バイアス電圧V0を設定した場合の光コムをポンプ光として用いた場合のブリルアンゲインと、変調指数Δθ=8π、バイアス電圧に[V0−0.2VPi]を設定した場合のブリルアンゲインの計算結果を示す。図12に示すように、バイアス電圧を制御することによって、光パワー偏差が向上していることが分かる。
【0056】
図13(a)に、実際にバイアス電圧を変化させた場合の光コムを示し、図13(b)に、そのゲインスペクトルの実験結果を示す。図13(a)に示すように、光コム自身の各線スペクトルには、光パワー偏差が生じているが、ブリルアンゲインスペクトルとの畳み込みの過程で平均化されるため、図13(b)に示すように、得られたゲインスペクトル特性は、平坦化されていることが分かる。
【0057】
この時の光コムの時間波形と、バイアス電圧に[V0−0.3VPi]を与えた時のパルス波形のシミュレーション結果を図14に示す。図13(a)に示すように、波形から、バイアス電圧が[V0−0.3VPi]以下の範囲で、スペクトルの平坦化が行われていることが確認できる。
【0058】
図15に、本実施例の光コムを光増幅器15において15.6dBmまで増幅し、ポンプ光として、光ファイバ14へ入射した場合の光パルス速度制御実験結果を示す。信号光としては、50MHzの繰り返しパルスを用いた。図15に示すように、遅延に伴う歪を抑制しつつ、パルスが遅延していることが分かる。又、実施例2の図7示したパルスに比べ、より歪が低減されていることが分かる。
【実施例4】
【0059】
本実施例も、実施例1を前提とするものであり、実施例1における光コム発生装置16に替えて、本実施例の光コム発生装置40を用いたものである。従って、本実施例においても、実施例1と重複する説明は省略して、説明を行う。
【0060】
図16は、本実施例において用いる光コム発生装置40を説明する概略構成図である。図16に示すように、光コム発生装置40は、MZ型強度変調器41と、位相変調器42と、光フィルタ43を有し、MZ型強度変調器41には、MZ型強度変調器41にバイアスを付与する直流電源44と、周期fmで電気信号を発生し、当該電気信号をMZ型強度変調器41に印加する信号発生器45とが接続されており、又、位相変調器42にも、同じ周期fmで電気信号を発生し、当該電気信号を位相変調器42に印加する信号発生器46が接続されている。
【0061】
つまり、本実施例の光コム発生装置40は、実施例2の光コム発生装置20の後段に、光コムのスペクトル成形用の光フィルタ43を接続したものである。この光フィルタ43は、Δfb以下の間隔の複数の線スペクトルからなる光コムにおいて、そのスペクトル両端に発生する凸状のスペクトルを抑制して、平坦な周波数特性を持つブリルアンゲインを発生できるようにしている。なお、本実施例の光コム発生装置40においても、MZ型強度変調器41、位相変調器42の接続順序は任意でよい(つまり、逆でもよい)。
【0062】
図17に、光フィルタ43を用いた場合と、光フィルタ43を用いない場合のゲインスペクトルのシミュレーション結果を示す。なお、光フィルタ43としては、半値全幅100MHzのガウス型のフィルタ特性を持つものを仮定した(図18参照)。ここで、f0は信号光のキャリア周波数である。図17に示すように、光フィルタ43により、ゲインスペクトルの両端の凸部分が抑制され、より平坦化されていることが分かる。
【0063】
図19に、光フィルタ43を用いた場合と、光フィルタ43を用いない場合についての光パルス速度制御シミュレーション結果を示す。なお、シミュレーションでは、光パルスのパルス幅10ns、ピークパワー1mW、位相変調器42に与える信号の周期10MHz、変調指数6.51とした。図19に示すように、光フィルタ43を用いない場合には、光パルスの歪が観測されるが、光フィルタ43を用いた場合は、歪無く遅延していることが分かる。
【0064】
なお、本発明は、上記実施形態例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態例に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種種の発明を形成できる。例えば、実施形態例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施形態例に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、光信号の速度制御を実現する機能を持ち、光バッファや可変遅延回路として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る光パルス速度制御装置の実施形態の一例(実施例1)を説明する概略構成図である。
【図2】図1に示した光パルス速度制御装置における光コム発生装置を説明する図である。
【図3】CW光をポンプ光として用いた場合に得られるブリルアンゲインのスペクトル特性と、図2に示した光コム発生装置からの光コムをポンプ光として用いた場合に得られるブリルアンゲインのスペクトル特性を説明する図である。
【図4】本発明に係る光パルス速度制御装置の実施形態の他の一例(実施例2)であり、光コム発生装置を示す概略構成図である。
【図5】図4に示した光コム発生装置を用いた場合に得られる光コムスペクトルと、光ファイバ入射時のブリルアンゲインのスペクトル特性を示すグラフである。
【図6】図4に示した光コム発生装置のMZ型強度変調器において、そのバイアス電圧−透過光パワー特性と、光パワー偏差を低減させるバイアス電圧を説明する図である。
【図7】図4に示した光コム発生装置を用いて得られる光パルス速度制御実験の結果である。
【図8】本発明に係る光パルス速度制御装置の実施形態の他の一例(実施例3)であり、光コム発生装置を示す概略構成図である。
【図9】図8に示した光コム発生装置の位相変調器において、周波数間隔fm毎、変調指数△θ毎に、バイアス電圧を変化させた場合の光コムの光パワー偏差特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図10】図8に示した光コム発生装置の位相変調器において、周波数間隔fm毎に、変調指数△θに対して、光パワー偏差が最小となるバイアス電圧/VPi値のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図11】図8に示した光コム発生装置の位相変調器において、周波数間隔fm毎に、変調指数△θに対して、バイアス電圧にV0を設定した場合の光コムの光パワー偏差特性、最小の光パワー偏差特性、光パワーの偏差向上量特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図12】図8に示した光コム発生装置において、変調指数Δθ=8π、バイアス電圧V0の場合の光コムによるブリルアンゲインと、変調指数Δθ=8π、バイアス電圧[V0−0.2VPi]の場合の光コムによるブリルアンゲインの計算結果を示すグラフである。
【図13】図8に示した光コム発生装置を用いた場合に得られる光コムスペクトルと、光ファイバ入射時のブリルアンゲインのスペクトル特性を示すグラフである。
【図14】図8に示した光コム発生装置を用いて得られる光パルス速度制御のシミュレーション及び実験結果を示すグラフである。
【図15】図8に示した光コム発生装置を用いて得られる光パルス速度制御実験の結果である。
【図16】本発明に係る光パルス速度制御装置の実施形態の他の一例(実施例4)であり、光コム発生装置を示す概略構成図である。
【図17】図16に示した光コム発生装置において、光フィルタが無い場合の光コムによるブリルアンゲインと、光フィルタが有る場合の光コムによるブリルアンゲインのスペクトル特性を示すグラフである。
【図18】図16に示した光パルス速度制御装置における光フィルタの特性を示すグラフである。
【図19】図16に示した光コム発生装置を用いて得られる光パルス速度制御のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図20】スペクトル線幅の狭いポンプ光を光ファイバに入射した場合の誘導ブリルアン散乱によって引き起こされるゲイン、屈折率変化、群屈折率変化のスペクトル特性を説明する図である。
【図21】スペクトル線幅の広いポンプ光を光ファイバに入射した場合の誘導ブリルアン散乱によって引き起こされるゲイン、屈折率変化、群屈折率変化のスペクトル特性を説明する図である。
【符号の説明】
【0067】
10 送信機
11 光源
12 受信機
13 光カプラ又は光サーキュレータ
14 光ファイバ
15 光増幅器
16 光コム発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光となるパルス光が送信される光ファイバと、
前記光ファイバの媒質の特性によって決まる、ブリルアン散乱によるゲインのスペクトル幅をΔfbとするとき、当該スペクトル幅Δfb以下の周波数間隔の複数の線スペクトルからなる光コムを発生させる光コム発生手段と、
前記光コムの強度を制御する強度制御手段と、
前記光ファイバにおいて、前記信号光の伝播方向と反対方向に前記光コムを入射する光合波器とを有し、
前記光ファイバに前記光コムを入射することにより、前記光ファイバ中で誘導ブリルアン散乱を発生させて、平坦な周波数特性を持つブリルアンゲインを発生させると共に、前記光コムの強度を制御することにより、前記ブリルアンゲインの強度を制御し、前記ブリルアンゲインによる群屈折率の変化の大きさを制御して、前記パルス光の速度を制御することを特徴とする光パルス速度制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光パルス速度制御装置において、
前記光コム発生手段を、マッハツェンダ型強度変調器と位相変調器とを任意の順序で接続して構成したことを特徴とする光パルス速度制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光パルス速度制御装置において、
前記マッハツェンダ型強度変調器にバイアス電圧を付与するバイアス制御電源を設け、
前記バイアス制御電源は、
前記マッハツェンダ型強度変調器のバイアス電圧対透過光特性において、透過光パワーが最小となるバイアス電圧をVmin、透過光パワーが最大となるバイアス電圧をVmax、透過光パワーを最小から最大まで変化させるために必要なバイアス電圧をVPi、nを整数とするとき、バイアス電圧V0=(Vmin−Vmax)/2から透過光パワーが最小となる点に向かって、2nVPiから(0.3+2n)×VPiの範囲、又は、(1+2n)×VPiから(0.7+2n)×VPiの範囲で前記マッハツェンダ型強度変調器にバイアス電圧を付与することを特徴とする光パルス速度制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の光パルス速度制御装置において、
前記光コム発生手段の後段に、前記光コムを平坦な周波数特性とする光フィルタを接続したことを特徴とする光パルス速度制御装置。
【請求項5】
信号光となるパルス光が送信される光ファイバの媒質の特性によって決まる、ブリルアン散乱によるゲインのスペクトル幅をΔfbとするとき、当該スペクトル幅Δfb以下の周波数間隔の複数の線スペクトルからなる光コムを発生し、
前記光コムの強度を制御し、
前記光ファイバにおいて、前記信号光の伝播方向と反対方向に前記光コムを入射することにより、
前記光ファイバ中で誘導ブリルアン散乱を発生させて、平坦な周波数特性を持つブリルアンゲインを発生させると共に、前記ブリルアンゲインの強度を制御し、前記ブリルアンゲインによる群屈折率の変化の大きさを制御して、前記パルス光の速度を制御することを特徴とする光パルスの速度制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の光パルスの速度制御方法において、
前記光コムを、任意の順序で接続したマッハツェンダ型強度変調器と位相変調器とを用いて発生することを特徴とする光パルスの速度制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の光パルスの速度制御方法において、
前記マッハツェンダ型強度変調器のバイアス電圧対透過光特性において、透過光パワーが最小となるバイアス電圧をVmin、透過光パワーが最大となるバイアス電圧をVmax、透過光パワーを最小から最大まで変化させるために必要なバイアス電圧をVPi、nを整数とするとき、バイアス電圧V0=(Vmin−Vmax)/2から透過光パワーが最小となる点に向かって、2nVPiから(0.3+2n)×VPiの範囲、又は、(1+2n)×VPiから(0.7+2n)×VPiの範囲で前記マッハツェンダ型強度変調器にバイアス電圧を付与することを特徴とする光パルスの速度制御方法。
【請求項8】
請求項6に記載の光パルスの速度制御方法において、
前記光ファイバに入射する前に、前記光コムを平坦な周波数特性にすることを特徴とする光パルスの速度制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−204660(P2009−204660A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43999(P2008−43999)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】