説明

光ファイバコネクタ

【課題】構造が簡単で、組立効率が高く、且つコストを低減することができる光ファイバコネクタを提供する。
【解決手段】ハウジング10と、ハウジングに収容された固定部材30と、光ケーブル芯と、弾性部材50と、を備え、光ケーブル芯を固定部材の一端に挿し込み、弾性部材は、固定部材の光ケーブル芯と離れている一端をカバーする光ファイバコネクタ200において、固定部材には、係止部38が設けられ、ハウジングには、係止部と係止するためのロック部が設けられ、固定部材と係止部とを係止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバコネクタは、ハウジングと、固定部材と、光ケーブル芯と、弾性部材と、カバー部材と、を備える。ハウジングの一端には、軸方向に沿った収容孔が設けられ、ハウジングのうち前記収容孔から離間する一端の相対する側壁の内面には、係止溝が設けられ、カバー部材のハウジングと相対する側壁には、前記係止溝に対応する突起が設けられる。前記光ファイバコネクタを組み立てる際、先ず、光ケーブル芯を固定部材の一端に挿し込み、弾性部材は、固定部材の他端をカバーする。次いで、カバー部材をハウジングに設置すると、突起と係止溝とが係止するので、固定部材と光ケーブル芯とが、ハウジングの中に固定される。このような光ファイバコネクタは、部品点数が多く、構造も複雑なので、組立効率が低下し、コストも高くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、構造が簡単で、組立効率が高く、且つコストを低減することができる光ファイバコネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために、本発明に係る光ファイバコネクタは、ハウジングと、前記ハウジングに収容された固定部材と、光ケーブル芯と、弾性部材と、を備え、前記光ケーブル芯を前記固定部材の一端に挿し込み、前記弾性部材は、前記固定部材の前記光ケーブル芯と離れている一端をカバーする光ファイバコネクタにおいて、前記固定部材には、係止部が設けられ、前記ハウジングには、前記係止部と係止するための前記ロック部が設けられ、前記固定部材と前記係止部とは係止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る光ファイバコネクタには、前記ハウジングの内部に、ロック部が設置されており、前記固定部材には、前記ロック部と係止する前記係止部が設置されたので、前記固定部材は、安定的に前記ハウジングに固定される。よって、前記光ファイバコネクタは、部品点数を少なくさせ、また、構造が簡単なので、組立効率が高くなり、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明に係る光ファイバコネクタの斜視図である。
【図2】図1に示した光ファイバコネクタの分解斜視図である。
【図3】図1に示した光ファイバコネクタのVI−VI線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面に基づいて、本発明に係る光ファイバコネクタについて詳細に説明する。
【0008】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る光ファイバコネクタ100は、LC型の光ファイバコネクタであり、ハウジング10と、固定部材30と、前記固定部材30の一端に固定した光ケーブル芯40と、前記固定部材30をカバーした弾性部材50と、を備える。前記固定部材30、前記光ケーブル芯40及び前記弾性部材50は、前記ハウジング10に収容される。なお、図1において前記光ケーブル芯40が前記ハウジング10から突出する方向を前方とし、その反対方向を後方とする。
【0009】
図3を併せて参照すると、前記ハウジング10は、前後両端が開口した中空の直方体であり、プラスチック材料で形成される。前記ハウジング10の断面外形は、正方形であり、互いに接続する四つの側壁(図示せず)と、前記四つの側壁の後端に設置され、中央に円形の開口部が形成された端部12と、を備える。前記ハウジング10の前端部には、軸方向に沿って形成した収容孔14が設けられる。前記ハウジング10の一つの側壁の外面には、前端部から後方に向かうにしたがって上方に向けて前記一つの側壁から離間するように延在する操作部16が設けられる。前記端部12の開口縁部には、前記ハウジング10の軸方向に沿って前後方向に延在する筒状のカバー部材18が設けられる。前記収容孔14の内壁において、上下方向に相対する二つの内壁は円弧状であり、左右方向に相対する二つの内壁は平面である。前記操作部16は、弾性を有し且つ前記ハウジング10から離れるように湾曲し、前記操作部16の両側には、それぞれ突起162が設けられており、前記光ファイバコネクタ200とアダプタ(図示せず)とを組み立てる際、前記操作部16の前記突起162は、アダプタと係止して、前記光ファイバコネクタ200とアダプタとが固定される。
【0010】
前記カバー部材18の前端には、前記ハウジング10の内部に向けて突出する係止端182が形成され、後端には、固定端184が設けられる。前記係止端182の内壁には、環状の前記ロック部1822が設けられている。前記ロック部1822の前端部には、前記固定部材30を挿し込むための第一案内面1824が設けられる。本発明の実施形態において、前記第一案内面1824は、面取りをした円錐面であり、その直径は、前方から後方に向かうにしたがって徐々に小さくなる。前記固定端184の外壁には、光ファイバの保護カバー(図示せず)を固定するロック部1842が設けられる。
【0011】
前記固定部材30は、円筒体であり、その前端部には、前記光ケーブル芯40を固定するための第一挿入孔32が軸方向に沿って設けられ、後端部には、前記第一挿入孔32と連通し、且つ光ケーブル(図示せず)を挿し込むための第二挿入孔34が設けられる。前記固定部材30の前記第一挿入孔32側にある前端には、位置限定部36が設けられ、後端部には、前記ロック部1822と係止するための係止部38が設けられる。前記位置限定部36の形状及び寸法は、前記ハウジング10の前記収容孔14の形状及び寸法と対応する。前記位置限定部36の四つの側壁には、前記収容孔14の四つの内壁に対応して、二つの相対する円弧状の曲面361と、二つの相対する平面363と、が形成されており、前記位置限定部36の四つの側壁が前記固定部材30を前記収容孔14に固定し、前記固定部材30が回転するのを効果的に防止する。前記係止部38のうち前記位置限定部36から離間する一側、すなわち後側には、前記ロック部1822の前記第一案内面1824に対応する第二案内面382が設けられ、前記第二案内面382は、前記固定部材30を前記カバー部材18に挿し込みやすくする。前記第二案内面382は、面取りをした円錐面であり、その直径は前記第一挿入孔32から離れるにしたがって、すなわち、前方から後方に向かうにしたがって、徐々に小さくなる。前記収容孔14の形状は、別の形状でも良く、例えば楕円状でも良い。前記位置限定部36の側壁は、前記収容孔14の形状に対応するので、前記固定部材30が前記収容孔14の内部で回転するのを防止する。
【0012】
前記弾性部材50は、前記固定部材30をカバーする。本発明の実施形態において、前記弾性部材50は、スプリングである。
【0013】
前記光ファイバコネクタ100を組み立てる際、先ず、前記光ケーブル芯40を、前記固定部材30の前記第一挿入孔32に差し込む。次いで、前記固定部材30の前記光ケーブル芯40と離れている一端をカバーするように前記弾性部材50を配設し、前記固定部材30の前記係止部38が設けられる一端を、前記ハウジング10の前記収容孔14から、前記ハウジング10に差し込んで、前記位置限定部36の二つの曲面361と二つの平面363とを、前記収容孔14の側壁に対応させる。そして、前記固定部材30を動かして、前記固定部材30の前記係止部38の前記第二案内面382を、前記カバー部材18の前記ロック部1822の前記第一案内面1824と接触させると、前記係止部38は、前記第一案内面1824に沿って、スライドして、前記係止部38と前記ロック部1822とが係止される。同時に、前記弾性部材50の一端は、前記カバー部材18の前記係止端182と接触し、他端は、前記固定部材30の前記位置限定部36と接触して、前記固定部材30を、前記ハウジング10に固定する。
【0014】
本発明の前記光ファイバコネクタ200の前記ハウジング10は、プラスチック材料で形成され、前記ハウジング10の内部に前記ロック部1822が設置されており、前記固定部材30には、前記ロック部1822と係止するための前記係止部38が設置されたので、前記固定部材30は、前記ハウジング10に固定される。前記光ファイバコネクタ200は、部品点数を少なくさせ、また、構造が簡単なので、組立効率が高くなり、コストを低減することができる。同時に、前記固定部材30の前記位置限定部36の平面363は、平板状なので、前記固定部材30が前記収容孔14の内部において回転することを防止することができ、前記光ファイバコネクタ200を、アダプタと組み立てる際、前記光ケーブル芯40の固定が安定的である。
【0015】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0016】
200 光ファイバコネクタ
10 ハウジング
12 端部
14 収容孔
16 操作部
18 カバー部材
182 係止端
1822、1842 ロック部
1824 第一案内面
382 第二案内面
184 固定端
30 固定部材
32 第一挿入孔
34 第二挿入孔
36 位置限定部
361 曲面
363 平面
38 係止部
40 光ケーブル芯
50 弾性部材
162 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジングに収容された固定部材と、光ケーブル芯と、弾性部材と、を備え、前記光ケーブル芯を前記固定部材の一端に挿し込み、前記弾性部材は、前記固定部材の前記光ケーブル芯と離れている一端をカバーする光ファイバコネクタにおいて、
前記固定部材には、係止部が設けられ、前記ハウジングには、前記係止部と係止するためのロック部が設けられ、前記固定部材と前記係止部とは係止することを特徴とする光ファイバコネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、互いに接続する四つの側壁と、端部と、前記端部と反対側に位置する一端から軸方向に沿って形成した収容孔と、を備え、
前記端部には、前記ハウジングの軸方向に沿って延在するカバー部材が設けられ、前記カバー部材の一端には、前記ハウジングの内部に向けて延在する係止端が形成され、他端には固定端が設けられ、前記ロック部が前記係止端の内壁に設けられることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバコネクタ。
【請求項3】
前記固定部材の一端には、前記光ケーブル芯を固定するための第一挿入孔が軸方向に沿って設けられ、前記固定部材の前記第一挿入孔側の一端には、位置限定部が設けられ、他端には係止部が設けられ、前記弾性部材の一端は、前記位置限定部と接触し、他端は前記カバー部材の前記係止端と接触することを特徴とする請求項2に記載の光ファイバコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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