光ファイバテープ心線の製造方法及びこの製造方法を実行する光ファイバテープ心線の製造装置並びにこの製造方法により製造された光ファイバテープ心線
【課題】複数の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を所定間隔ごとに連結させた光ファイバテープ心線の製造方法であって、高速で光ファイバテープ心線を良好に製造でき、かつ、多心の光ファイバテープ心線を良好に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】複数本の光ファイバ2を間隔を空けて並列させた状態で光ファイバの長手方向に送り出し未硬化の樹脂を複数の光ファイバに間欠的に塗布する樹脂塗布工程102と、光ファイバに塗布された未硬化の樹脂に硬化エネルギーを照射して光ファイバ同士が連結された連結部を形成する樹脂硬化工程103とを有し、樹脂塗布工程102において、光ファイバに塗布される樹脂の粘度よリも、吸引部及び搬送部における樹脂の粘度を低下させる。
【解決手段】複数本の光ファイバ2を間隔を空けて並列させた状態で光ファイバの長手方向に送り出し未硬化の樹脂を複数の光ファイバに間欠的に塗布する樹脂塗布工程102と、光ファイバに塗布された未硬化の樹脂に硬化エネルギーを照射して光ファイバ同士が連結された連結部を形成する樹脂硬化工程103とを有し、樹脂塗布工程102において、光ファイバに塗布される樹脂の粘度よリも、吸引部及び搬送部における樹脂の粘度を低下させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光ファイバを並列させて連結した光ファイバテープ心線の製造方法及びこの製造方法を実行する光ファイバテープ心線の製造装置並びにこの製造方法により製造された光ファイバテープ心線に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバ線路網の拡大を背景として、光ファイバ線路網インフラとなる管路等の効率利用、線路構築物品自体のコスト低減、及び、敷設(施工)コストの低減等の要求が高まっている。
【0003】
管路等の効率利用のためには、光ファイバ線路網の主要物品である光ファイバケーブルの細径化、高密度化を図る必要がある。また、線路構築物品自体のコスト低減のためには、光ファイバケーブルの製造コストを低減させる必要がある。そして、敷設(施工)コストの低減のためには、光ファイバケーブルの細径化、高密度化を図るとともに、取り扱い性を向上させる必要がある。
【0004】
光ファイバケーブルの細径化、高密度化のためには、光ファイバケーブル内の光ファイバの実装密度を向上させ、同じ光ファイバの本数でより外径が細い光ファイバケーブルを実現する必要がある。
【0005】
ケーブル化に適している光ファイバテープ心線として、特許文献1には、図4中の(a)、(b)に示すように、複数本の光ファイバ61が並列され、隣接する光ファイバ61同士が連結部62によって長手方向の所定間隔ごとに間欠的に連結された光ファイバテープ心線60が記載されている。
【0006】
このように光ファイバ61間を所定間隔ごとに連結した光ファイバテープ心線60は、幅方向にも変形が容易であり、丸めたり、折り畳んだりした場合の歪みの発生を極力小さくできる。したがって、この光ファイバテープ心線60は、光ファイバケーブルとしたときに、細径化、高密度化、軽量化が可能であり、光ファイバケーブルに適した光ファイバテープ心線である。
【0007】
本件出願人は、光ファイバ同士が間欠的に連結された光ファイバテープ心線の製造方法として、光ファイバに樹脂を塗布するコーティングダイス前面において、シャッタや円盤状の部材等、樹脂を堰き止める部材を移動させ、樹脂の堰き止めと吐出とを交互に行い、不要な樹脂を除去し、その後に樹脂を硬化させるという光ファイバテープ心線の製造方法を提案している。
【0008】
ところで、光ファイバケーブル線路網においては、末端から離れるほど、多数の光ファイバを束ねて光ファイバケーブルの本数を減らし、線路及び線路インフラ、例えば、管路、電柱等を有効、かつ、効率的に構成し、経済性を高めるようになっている。すなわち、末端から離れた線路ほど、多心数の光ファイバテープ心線が同一のケーブル内に収納される。このとき、識別性及びケーブルの製造性の観点からは、複数本の光ファイバをテープ心線化した状態でケーブル化することが望ましい。
【0009】
一方、光ファイバケーブル線路網の末端においては、光ファイバケーブル内の光ファイバは、必要な本数(1本、または、2本など)に分割して使用される。末端に向けて光ファイバケーブルを分割してゆくほど、必要とされる光ファイバの本数が少なくなる。テープ心線化された光ファイバは、1本ごとだけではなく、2本、4本、8本及びそれ以上の複数本(サブユニット)での取り扱い性が求められる。
【0010】
このように、1本の光ファイバテープ心線を、これを構成する光ファイバの全本数だけではなく、サブユニットごとで取り扱い、かつ、単心での取り扱いも可能とする光ファイバテープ心線を実現するためには、図5に示すように、各連結部62のピッチを幾つかに異ならせたテープ心線が有効である。図5において、光ファイバAB間及び光ファイバCD間を間欠的に連結している連結部62のピッチはpであり、光ファイバBC間を連結している連結部62のピッチはPである。pとPの関係はp<Pである。このように、連結部62のピッチ(間隔)が部位によって異なる光ファイバテープ心線は、特に、多心、例えば、8心以上のテープ心線として非常に有効な構造である。
【0011】
例えば、図6に示すように、複数本の光ファイバテープ心線を一体化して1単位(サブユニット)としたものを複数並列させ、これらを一体化した光ファイバテープ心線が提案されている。これは、他の光ファイバケーブルに内蔵された光ファイバテープ心線や、他の光ファイバテープ心線との接続性を考慮した光ファイバテープ心線である。
【0012】
他の1単位(サブユニット)の光ファイバテープ心線と接続するときには、一体化された光ファイバテープ心線を1単位(サブユニット)毎に分割することにより、容易に接続できるよう考慮されたもので、広く使われている。
【0013】
図6は、4心の光ファイバA,B,C,D及びE,F,G,Hをそれぞれ1単位(サブユニット)とした8心テープ心線の例である。サブユニット間を紫外線硬化型樹脂などで一体化することにより、8心のテープ心線となっており、分割を行うことにより、4心のサブユニットでの取り扱いも可能な構造である。
【0014】
図7に示す光ファイバテープ心線は、20心構造の光ファイバテープ心線である。この光ファイバテープ心線において、20心の光ファイバは、隣接する光ファイバと間欠的に接線されている。連結部のピッチは、4心単位のサブユニットを作製している連結部のピッチAよりも、サブユニット間を間欠的に連結している連結部のピッチBが長く作製されている。
【0015】
この光ファイバテープ心線は、20心テープ心線として取リ扱えるとともに、サブユニット単位である4心テープ心線、または、その倍数の心数のテープ心線として取り扱うことも容易である。また、単心の光ファイバとして取り扱うことも容易である。
【0016】
また、この光ファイバテープ心線は、光ファイバ同士が間欠的に連結された光ファイバテープ心線であるため、幅方向ヘの変形が容易であり、変形時の歪発生量も小さく、高密度の光ファイバケーブルを作製することが可能である。
【0017】
このような光ファイバケーブルでは、作製のコストを抑えるために、1本の光ファイバテープ心線を構成する光ファイバの本数は、製造設備上の問題がない限り、より多くすることが望ましい。光ファイバテープ心線を構成する光ファイバの本数を多くすることにより、同一ケーブルに入れる光ファイバテープ心線の作製本数を減らすことができ、光ファイバテープ心線の作製工数を減らすことができる。
【0018】
図8は、8心の光ファイバテープ心線の例であり、上4本の光ファイバA,B,C,D間と下4本の光ファイバE,F,G,H間の連結部のピッチが、4本目(光ファイバD)と5本目(光ファイバE)の連結部のピッチよりも短いものである。すなわち、4心のサブユニットを構成する間欠的に連結された光ファイバテープ心線を2枚、間欠的に連結して8心の光ファイバテープ心線としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特許第4143651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前述したように、光ファイバテープ心線(間欠固定テープ心線)60は、1枚のテープ心線における光ファイバ心線数を増やすことが望まれるが、1枚のテープ心線における光ファイバ心線数が増えることは、光ファイバ間を連結している連結部の数が増えることでもある。
【0021】
テープ心線の生産性は、その製造線速によるところが大きく、製造線速が速くなることは、単位時間あたりに作製するべき連結部の数が増えることとなる。
【0022】
これらいずれの場合でも連結部を製造する際に除去すべき樹脂の量が増えることになり、間欠部を安定して作製することが困難となる。
【0023】
また、前述したような、隣接する光ファイバ同士を連結部によって長手方向の所定間隔ごとに連結させた光ファイバテープ心線の製造において、光ファイバ間を間欠的に連結する連結部のピッチ(間隔)、長さが異なる場合には、以下のような問題がある。
【0024】
前述したような、シャッタや円盤状の部材により樹脂を堰き止め、連結部を作製するタイミングのみにおいて樹脂を吐出するようにして製造方法においては、図5に示すように、光ファイバA,B間及び光ファイバC,D間において堰き止められる樹脂の量と、光ファイバB,C間で堰き止められる樹脂の量とでは、後者のほうが多い。
【0025】
この製造方法においては、堰き止められた樹脂を吸引したり、または、ブラシで洗浄することにより、間欠的な連結部が良好に形成できるようにしている。しかしながら、連結部のピッチが異なる光ファイバテープ心線では、連結部のピッチの違いにより、堰き止められる樹脂の量が異なる。すなわち、連結部のピッチが長い部位では、堰き止められる樹脂の量、すなわち、除去が必要な樹脂の量が多くなり、間欠的な連結部を安定して作製することが困難となる。
【0026】
光ファイバテープ心線は、間欠連結部のピッチの不均等による樹脂堰き止め量の不均等、すなわち、除去すべき樹脂の量が不均等となる箇所が幅方向で増えることにより、作製の困難性が増加する。
【0027】
また、光ファイバB,C間は、サブユニット間を連結する連結部で他の倍の間隔で連結部が形成されているが、このような構成の連結部を持った光ファイバテープ心線を作製する際には、本来連結部が不要な部分が連結されてしまうことがある。これは、光ファイバB,C間は他の連結部よりも間隔が長いので、樹脂を堰き止めている時間が長いことにより、内部の樹脂圧力が高くなったり、樹脂の堰き止めを行うシャッタや溝つき刃にまとわり付く樹脂の量が多くなることによる。このような状況においては、連結部を形成する箇所に樹脂が回りこみ、連結部に付着する樹脂の量が必要以上に多くなり、これらが相互に接触してしまい、本来形成されないはずの箇所に連結部を形成してしまう。
【0028】
このような状況は、特に、不要樹脂の吸引能力が不足する場合に発生し易く、また、光ファイバの心数が8心以上となるような多心の光ファイバテープ心線を作製する場合に顕著となる。この場合に、吸引能力や真空度を単に上げると、必要な連結部が極端に短くなってしまうことがある。また、多心の光ファイバテープ心線では、幅方向での吸引度合いのばらつきが連結部の数の増加とともに大きくなり、連結部の安定を損なう原因となっている。
【0029】
そこで、本発明は、前記した課題を解決するために提案されたものであって、複数の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を所定間隔ごとに連結させた光ファイバテープ心線であって、高速で光ファイバテープ心線を良好に製造でき、かつ、多心の光ファイバテープ心線を良好に製造できる製造方法を提供し、この製造方法を実行する光ファイバテープ心線の製造装置並びにこの製造方法により製造された光ファイバテープ心線を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る光ファイバテープ心線の製造方法は、以下の構成のうちの一を有するものである。
【0031】
〔構成1〕
複数本の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させる多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造方法であって、複数本の光ファイバを間隔を空けて並列させた状態で光ファイバの長手方向に送り出し未硬化の樹脂を複数の光ファイバに塗布し各光ファイバ間に対応して配置され未硬化の樹脂の堰き止めを行う複数の堰き止め部材を移動させこれら堰き止め部材により未硬化の樹脂の堰き止めを行う位置及び堰き止めずに吐出を行う位置を連続的に変化させ堰き止め部材により堰き止められた不要な樹脂を吸引部において吸引して除去し搬送部に搬送する樹脂塗布工程と、未硬化の樹脂を塗布された複数の光ファイバ同士が並列されて集線され互いに接触する箇所において光ファイバに塗布された未硬化の樹脂が硬化するに必要な樹脂硬化エネルギーを照射して光ファイバ同士が連結された連結部を形成する樹脂硬化工程とを有し、樹脂塗布工程において、吸引部及び搬送部における樹脂の粘度を光ファイバに塗布される樹脂の粘度以下にさせることを特徴とするものである。
【0032】
〔構成2〕
構成1を有する光ファイバテープ心線の製造方法において、樹脂塗布工程において、光ファイバに塗布される樹脂の粘度、吸引部及び搬送部における樹脂の粘度は、温度制御により調整することを特徴とするものである。
【0033】
〔構成3〕
本発明に係る光ファイバテープ心線は、構成1、または、構成2を有する光ファイバテープ心線の製造方法により製造されたことを特徴とするものである。
【0034】
〔構成4〕
本発明に係る光ファイバケーブルは、構成3を有する光ファイバテープ心線を使用して構成されたことを特徴とするものである。
【0035】
〔構成5〕
本発明に係る光ファイバコードは、構成3を有する光ファイバテープ心線を使用して構成されたことを特徴とするものである。
【0036】
本発明に係る光ファイバテープ心線の製造装置は、以下の構成のうちの一を有するものである。
【0037】
〔構成6〕
複数本の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させる多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造装置であって、複数本の光ファイバを間隔を空けて並列させた状態で光ファイバの長手方向に送り出し未硬化の樹脂を複数の光ファイバに塗布し各光ファイバ間に対応して配置され未硬化の樹脂の堰き止めを行う複数の堰き止め部材を移動させ、これら堰き止め部材により未硬化の樹脂の堰き止めを行う位置及び堰き止めずに吐出を行う位置を連続的に変化させ堰き止め部材により堰き止められた不要な樹脂を吸引部において吸引して除去し搬送部に搬送し、光ファイバに塗布される樹脂の粘度よリも吸引部及び搬送部における樹脂の粘度を低下させておき、未硬化の樹脂を塗布された複数の光ファイバ同士が並列されて集線され互いに接触する箇所において、光ファイバに塗布された未硬化の樹脂が硬化するに必要な樹脂硬化エネルギーを照射して、光ファイバ同士が連結された連結部を形成することを特徴とするものである。
【0038】
〔構成7〕
構成6を有する光ファイバテープ心線の製造装置において、光ファイバに塗布される樹脂の粘度、吸引部及び搬送部における樹脂の粘度を調整する温度制御手段を有することを特徴とするものである。
【0039】
〔構成8〕
本発明に係る光ファイバテープ心線は、構成6、または、構成7を有する光ファイバテープ心線の製造装置により製造されたことを特徴とするものである。
【0040】
〔構成9〕
本発明に係る光ファイバケーブルは、構成8を有する光ファイバテープ心線を使用して構成されたことを特徴とするものである。
【0041】
〔構成10〕
本発明に係る光ファイバコードは、構成8を有する光ファイバテープ心線を使用して構成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0042】
本発明に係る多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造方法は、複数本の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させる光ファイバテープ心線の製造方法であって、光ファイバ同士を連結させる連結部が、不要な箇所に誤って形成されてしまうことがない。
【0043】
すなわち、本発明は、複数の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を所定間隔ごとに連結させた光ファイバテープ心線であって、高速で光ファイバテープ心線を良好に製造でき、かつ、多心の光ファイバテープ心線を良好に製造できる製造方法を提供し、この製造方法を実行する光ファイバテープ心線の製造装置並びにこの製造方法により製造された光ファイバテープ心線を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る光ファイバテープ心線の製造方法の製造過程を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る光ファイバテープ心線の製造方法における樹脂の吸引装置の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る光ファイバテープ心線(4心×6)の構成を示す平面図である。
【図4】従来の他の光ファイバテープ心線を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【図5】光ファイバテープ心線(2心×2)の構成を示す平面図である。
【図6】光ファイバテープ心線(4心×2)の構成を示す断面図である。
【図7】光ファイバテープ心線(4心×5)の構成を示す平面図である。
【図8】光ファイバテープ心線(4心×2)の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
本発明に係る多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造方法においては、複数本の光ファイバを並列させ、隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させて、光ファイバテープ心線を製造する。
【0047】
図1は、本発明に係る光ファイバテープ心線の製造方法の製造過程を示す斜視図である。
【0048】
すなわち、複数の光ファイバ送り出し装置101より、複数の光ファイバ2を送り出し、これら光ファイバ2を間欠樹脂塗布装置102に送る。各光ファイバ2は、複数本が間隔を空けて並列された状態で、間欠樹脂塗布装置102に送られる。
【0049】
なお、光ファイバ2は、単一の光ファイバのみならず、複数の光ファイバが束ねられて一体化されたものや、複数の光ファイバがテープ状に結合されたものであってもよい。
【0050】
間欠樹脂塗布装置102は、送られた各光ファイバ2の所定個所に対して、一定周期で間欠的に樹脂材料を塗布する樹脂塗布工程を実行する。ここで塗布する樹脂材料は、例えば、紫外線硬化型樹脂等であり、未硬化の状態で塗布され、その後に硬化されることにより、光ファイバ2同士を連結させる連結部となる。
【0051】
間欠樹脂塗布装置102においては、コーティングダイスにより未硬化の樹脂を複数の光ファイバに塗布し、各光ファイバ間に対応して配置され未硬化の樹脂の堰き止めを行う複数の堰き止め部材(シャッタや円盤状部材)を移動させ、これら堰き止め部材により未硬化の樹脂の堰き止めを行う位置及び堰き止めずに吐出を行う位置を連続的に変化させる。すなわち、堰き止め部材が存在するときには、未硬化の樹脂が堰き止められて光ファイバ2同士が分離される。堰き止め部材が存在しないときは、未硬化の樹脂を堰き止めないので、未硬化の樹脂が吐出される。
【0052】
そして、間欠樹脂塗布装置102を経た各光ファイバ2は、樹脂硬化装置103に送られる。樹脂硬化装置103は、未硬化の樹脂を塗布された複数の光ファイバ2同士が並列されて集線され互いに接触する箇所において、光ファイバ2に塗布された未硬化の樹脂が硬化するに必要な樹脂硬化エネルギーを照射して、例えば、紫外線を照射し、または、樹脂材料を加熱して、樹脂材料を硬化させ、光ファイバ2同士を連結させる連結部を形成する連結部樹脂硬化工程を実行する。
【0053】
樹脂硬化装置103を経た光ファイバテープ心線1は、引き取り機104により引き取られ、ダンサ105を経て、巻き取り機106により巻き取られる。
【0054】
多心の光ファイバテープ心線を高速で製造するこの光ファイバテープ心線の製造方法は、複数本の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させるものである。
【0055】
なお、この実施の形態においては、複数本の光ファイバを並列させてサブユニットを構成するとともに、このサブユニットを複数並列させ隣接するサブユニットの側縁をなす光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させている。隣接するサブユニットの側縁をなす光ファイバ同士の連結部の長手方向のピッチ(間隔)は、サブユニット内の光ファイバ間の連結部の長手方向のピッチ(間隔)よりも長くしている。このような光ファイバテープ心線は、サブユニット内における連結部の長手方向のピッチ(間隔)と、サブユニット同士を連結する連結部の長手方向のピッチ(間隔)との違いにより、サブユニットを認識することができる。また、サブユニットが2段以上の構成を有する場合には、その段数単位での認識をすることができる。そのため、この光ファイバテープ心線においては、サブユニット単位の分割を容易に行うことができ、所定本数の光ファイバを1単位(サブユニット)として接続する作業性が向上されている。
【0056】
そして、多心の光ファイバテープ心線を高速で製造するこの光ファイバテープ心線の製造方法においては、間欠樹脂塗布装置102において除去すべき樹脂の量が不均等となることに対応して、安定して連結部を作製することができるように、以下の制御を実行する。
【0057】
すなわち、間欠樹脂塗布装置102における堰き止めにより生ずる不要な樹脂を吸引により除去し、樹脂吸引部及び吸引した樹脂搬送部の温度を、コーティングダイス内に供給される樹脂の温度以上となるように調整し、不要な樹脂の除去が良好に行えるようにする。
【0058】
この制御により、不要な樹脂の吸引を安定して行うことができる。連結部を構成する樹脂としては、一般に、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂を使用するが、この樹脂の粘度は、温度依存性があリ、温度の上昇に伴い、粘度が低下する。樹脂の粘度に変化が起こると、同一の吸引力で吸引を行った場合に、樹脂の吸引量が変化する。吸引量の変化は、連結部の長さのばらつきの原因となる。
【0059】
図2は、本発明に係る光ファイバテープ心線の製造方法における樹脂の吸引装置の構成を示す斜視図である。
【0060】
樹脂を吸引する装置は、図2に示すように、連結部を作製する間欠樹脂塗布装置102の付近で余分な樹脂を吸引する樹脂吸引部201、吸引した樹脂を搬送する搬送部202、吸引した樹脂を溜めるトラップ部203、及び、印圧、もしくは、真空を発生し調整する印圧部204を有して構成される。
【0061】
樹脂を吸引する装置において、樹脂の吸引を行う周辺のみにおいて樹脂の粘度管理を行っても、樹脂の吸引量を安定させることは困難である。すなわち、吸引部201のみにおいて温度管理をして樹脂の粘度の管理をしても、搬送部202に搬送された樹脂の粘度が変化すると、樹脂吸引部201での吸引力が変動してしまう。
【0062】
吸引を始めた当初は、搬送部202内には樹脂は存在せず、最大の吸引力で吸引が行われるが、吸引に伴い、搬送部202内に樹脂が導入される。このとき、搬送部202の温度が吸引部201より低下すると、搬送部202内の樹脂の粘度が上昇し、粘度の上昇した樹脂を搬送する必要が生じた分、吸引部201での吸引力が低下する。同様に、搬送部202の温度変化は、樹脂の粘度の変化を生じさせ、吸引部201での吸引力の変化が生じ、連結部の形成状態のばらつきの要因となる。
【0063】
コーティングダイス及び連結部を形成する部位では、樹脂の温度は、樹脂の流動性、表面性、成形性に基づいて制御される。そして、吸引部201及び搬送部202の温度を所定の温度以上に保ち、樹脂の流動性を上げることにより、不要な樹脂の吸引を安定して行うことが可能となる。
【実施例】
【0064】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0065】
〔光ファイバテープ心線の製造方法の実施例〕
樹脂吸引部及び吸引した樹脂搬送部の温度を、コーティングダイス内に供給される樹脂の温度以上となるように調整し、不要な樹脂の除去を行って、光ファイバテープ心線を作製した。
【0066】
4心サブユニット×2となる構造の8心光ファイバテープ心線と、4心サブユニット×5となる構造の20心光ファイバテープ心線を、以下の〔表1〕に示すように、樹脂及び各部の温度を変えて作製した。また、比較のため、サブユニット構造をとらない8心光ファイバテープ心線及び20心光ファイバテープ心線を作製し、連結部の安定性を評価した。なお、樹脂の吸引は、印圧部に真空ポンプを使用し、全て同一の出力でポンプを運転させた。
【表1】
【0067】
作製した4種の光ファイバテープ心線について、本来、連結されるべきところではないところで光ファイバ間が連結してしまっている箇所(エラー)を長手方向で100ピッチ分確認した。確認結果を以下の〔表2〕、〔表3〕、〔表4〕及び〔表5〕に示す。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0068】
樹脂吸引部の温度及び樹脂搬送部の温度が、コーティングダイスにおける樹脂の温度より極端に低い「条件1」では、いずれの光ファイバテープ心線でもエラーは発生した。特に、連結部のピッチの長いサブユニット間で顕著にエラーが発生し、後半になるほど、その発生頻度が上がることがわかる。また、エラーの発生頻度は、多心の光ファイバテープ心線ほどより多くなる。「条件2、3、4」と順に温度を上げることにより、エラーの発生頻度は減少した。「条件3、4」では、エラーが発生せず、安定して間欠的な連結部を作製することができた。
【0069】
〔光ファイバテープ心線の実施例〕
前述した光ファイバテープ心線の製造方法によリ作製された光ファイバテープ心線の例を以下に示す。
【0070】
(第1例)
この光ファイバテープ心線は、図5に示すように、4本の光ファイバより構成されている。この光ファイバテープ心線は、光ファイバA,Bと、光ファイバC,Dが、それぞれ1組のサブユニットを構成し、全体として2組のサブユニットより構成されている。
【0071】
各サブユニット内において隣リ合う光ファイバ同士は、サブユニット内連結部によって、長さ方向に間欠的に連結されている。サブユニット内連結部のピッチは、pである。
【0072】
隣り合うサブユニット同士も、サブユニット間連結部によって、長さ方向に間欠的に連結されている。サブユニット間連結部のピッチは、Pである。ピッチPは、ピッチpより大きく設定されている。
【0073】
各サブユニット内連結部及び各サブユニット間連結部は、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。
【0074】
このように構成された光ファイバテープ心線を用いて、光ファイバケーブル(図示せず)や光ファイバコード(図示せず)を作製することができる。
【0075】
この構成の光ファイバテープ心線、これを用いた光ファイバケーブル及び光ファイバコードにおいては、サブユニット間連結部のピッチPが、サブユニット内連結部のピッチpより長く設定されているので、連結部のピッチの相違より、各サブユニットを認識することができる。したがって、サブユニット単位の分割を容易に行うことができる。連結部のピッチの相違は、各光ファイバがストレートに整列された状態でも認識できる。また、光ファイバテープ心線の幅方向の両端を広げる方向に変形させると、サブユニット間の離間距離とサブユニット内の光ファイバ間の離間距離が相違するため、明確に判断できる。
【0076】
以上のように、サブユニット単位(この例では2心単位)の接続作業性が良好な光ファイバテープ心線を構成することができる。
【0077】
この例では、各サブユニット内連結部と各サブユニット間連結部とは、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられているので、光ファイバテープ心線の幅方向の曲げ易さを低下させることがなく、サブユニット単位の接続作業性の向上を図ることができる。
【0078】
(第2例)
この光ファイバテープ心線は、図7に示すように、第1例と同様に、サブユニット間連結部のピッチが1段構成のものである。この光ファイバテープ心線は、20本の光ファイバより構成されている。4本の光ファイバから1組のサブユニットが構成され、5組のサブユニットにより光ファイバテープ心線が構成されている。
【0079】
各サブユニット内の隣り合う光ファイバ同士は、サブユニット内連結部によって長さ方向に間欠的に連結されている。このサブユニット内連結部のピッチは、Aである。隣り合うサブユニット同士も、サブユニット間連第部によって長さ方向に間欠的に連結されている。サブユニット間連第部のピッチは、Bである。ピッチBは、ピッチAより大きく設定されている。
【0080】
各サブユニット内連結部と各サブユニット間連結部は、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。さらに、各サブユニット間連結部同士も、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。
【0081】
このように構成された光ファイバテープ心線を用いて、光ファイバケーブル(図示せず)や光ファイバコード(図示せず)を作製することができる。
【0082】
この構成の光ファイバテープ心線、これを用いた光ファイバケーブル及び光ファイバコードにおいては、第1例と同様に、サブユニット間連結部のピッチBがサブユニット内連結部のピッチAより長く設定されているので、連結部のピッチの相違より、各サブユニットを認識することができる。したがって、サブユニット単位の分割を容易に行うことができる。連結部のピッチの相違は、各光ファイバがストレートに整列された状態でも認識できる。また、光ファイバテープ心線の幅方向の両端を広げる方向に変形させると、サブユニット間の離間距離とサブユニット内の光ファイバ間の離間距離が相違するため、明確に判断できる。
【0083】
以上のように、サブユニット単位(この例では4心単位)の接続作業性の良い光ファイバテープ心線を構成することができる。
【0084】
この例では、隣接する各ユニット内連結部及び各ユニット間連結部は、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられているとともに、各ユニット間連結部同士も光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。したがって、光ファイバテープ心線の幅方向の曲げ易さを低下させることなく、サブユニット単位の接続作業性の向上を図ることができる。
【0085】
(第3例)
図3は、本発明に係る光ファイバテープ心線(4心×6)の構成を示す平面図である。
【0086】
この光ファイバテープ心線は、図3に示すように、24本の光ファイバにより構成されている。この光ファイバテープ心線においては、4本の光ファイバから1組の第1サブユニットが構成され、2組の第1サブユニットにより第2サブユニットが構成されている。すなわち、この光ファイバテープ心線は、3組の第2サブユニットにより構成されており、計6組の第1サブユニットにより構成されている。
【0087】
第1サブユニット内の隣り合う光ファイバ同士は、サブユニット内連結部によって長さ方向に間欠的に連結されている。サブユニット内連結部のピッチは、Aである。
【0088】
隣り合う第1サブユニット同士は、第1サブユニット間連結部によって長さ方向に間欠的に連結されている。第1サブユニット間の連結部のピッチは、Bである。BはAより大きく設定されている。
【0089】
隣り合う第2サブユニット同士は、その長さ方向に間欠的に第2サブユニット間連結部によって連結されている。第2サブユニット間連結部のピッチは、Cである。第2サブユニット間連結部のピッチCは、第1サブユニット間連結部のピッチBより大きく設定されている。
【0090】
すなわち、第1サブユニット内連結部のピッチAよりも第1サブユニット間連結部のピッチBが大きく設定され、かつ、第1サブユニット間連結部のピッチBよりも第2サブユニット間連結部のピッチCが大きく設定されている。つまり、連結部のピッチは、C>B>Aに設定されている。
【0091】
ユニット内連結部、第1ユニット間連結部及び第2ユニット間連結部は、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。さらに、第1ユニット間連結部同士及び第2ユニット間連結部同士も、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。
【0092】
このように構成されたの光ファイバテープ心線を用いて、光ファイバケーブル(図示せず)や光ファイバコード(図示せず)を作製することができる。
【0093】
この構成の光ファイバテープ心線、これを用いた光ファイバケーブル及び光ファイバコードにおいては、第2サブユニット間連結部のピッチCと、第1サブユニット間連結部のピッチBと、サブユニット内連結部のピッチAとが、C>B>Aに設定されているので、連結部のピッチの相違より、第1サブユニット及び第2サブユニットをそれぞれ識別することができる。
【0094】
したがって、この光ファイバテープ心線においては、第1サブユニット単位の分割、または、第2サブユニット単位の分割を容易に行うことができる。連結部のピッチの相違は、各光ファイバがストレートに整列された状態でも認識できる。光ファイバテープ心線の幅方向の両端を広げる方向に変形させると、第2サブユニット間の離間距離、第1サブユニット間の離間距離、及び、サブユニット内の光ファイバ間の離間距離が相違するため、明確に判断できる。
【0095】
以上のように、第1サブユニット単位(この例では、4心)、または、第2サブユニット単位(この例では、8心)の接続作業性が良好な光ファイバテープ心線を構成することができる。
【0096】
この例では、ユニット内連結部と、第1ユニット間連結部と、第2ユニット間連結部とは、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。また、第1ユニット間連結部同士及び第2ユニット間連結部同士も、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。したがって、光ファイバテープ心線の幅方向の曲げ易さを低下させることなく、第1サブユニット単位、第2サブユニット単位の接続作業性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、複数の光ファイバを並列させて連結した光ファイバテープ心線の製造方法及びこの製造方法を実行する光ファイバテープ心線の製造装置並びにこの製造方法により製造された光ファイバテープ心線に適用される。
【符号の説明】
【0098】
1 光ファイバテープ心線
2 光ファイバ
102 間欠樹脂塗布装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光ファイバを並列させて連結した光ファイバテープ心線の製造方法及びこの製造方法を実行する光ファイバテープ心線の製造装置並びにこの製造方法により製造された光ファイバテープ心線に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバ線路網の拡大を背景として、光ファイバ線路網インフラとなる管路等の効率利用、線路構築物品自体のコスト低減、及び、敷設(施工)コストの低減等の要求が高まっている。
【0003】
管路等の効率利用のためには、光ファイバ線路網の主要物品である光ファイバケーブルの細径化、高密度化を図る必要がある。また、線路構築物品自体のコスト低減のためには、光ファイバケーブルの製造コストを低減させる必要がある。そして、敷設(施工)コストの低減のためには、光ファイバケーブルの細径化、高密度化を図るとともに、取り扱い性を向上させる必要がある。
【0004】
光ファイバケーブルの細径化、高密度化のためには、光ファイバケーブル内の光ファイバの実装密度を向上させ、同じ光ファイバの本数でより外径が細い光ファイバケーブルを実現する必要がある。
【0005】
ケーブル化に適している光ファイバテープ心線として、特許文献1には、図4中の(a)、(b)に示すように、複数本の光ファイバ61が並列され、隣接する光ファイバ61同士が連結部62によって長手方向の所定間隔ごとに間欠的に連結された光ファイバテープ心線60が記載されている。
【0006】
このように光ファイバ61間を所定間隔ごとに連結した光ファイバテープ心線60は、幅方向にも変形が容易であり、丸めたり、折り畳んだりした場合の歪みの発生を極力小さくできる。したがって、この光ファイバテープ心線60は、光ファイバケーブルとしたときに、細径化、高密度化、軽量化が可能であり、光ファイバケーブルに適した光ファイバテープ心線である。
【0007】
本件出願人は、光ファイバ同士が間欠的に連結された光ファイバテープ心線の製造方法として、光ファイバに樹脂を塗布するコーティングダイス前面において、シャッタや円盤状の部材等、樹脂を堰き止める部材を移動させ、樹脂の堰き止めと吐出とを交互に行い、不要な樹脂を除去し、その後に樹脂を硬化させるという光ファイバテープ心線の製造方法を提案している。
【0008】
ところで、光ファイバケーブル線路網においては、末端から離れるほど、多数の光ファイバを束ねて光ファイバケーブルの本数を減らし、線路及び線路インフラ、例えば、管路、電柱等を有効、かつ、効率的に構成し、経済性を高めるようになっている。すなわち、末端から離れた線路ほど、多心数の光ファイバテープ心線が同一のケーブル内に収納される。このとき、識別性及びケーブルの製造性の観点からは、複数本の光ファイバをテープ心線化した状態でケーブル化することが望ましい。
【0009】
一方、光ファイバケーブル線路網の末端においては、光ファイバケーブル内の光ファイバは、必要な本数(1本、または、2本など)に分割して使用される。末端に向けて光ファイバケーブルを分割してゆくほど、必要とされる光ファイバの本数が少なくなる。テープ心線化された光ファイバは、1本ごとだけではなく、2本、4本、8本及びそれ以上の複数本(サブユニット)での取り扱い性が求められる。
【0010】
このように、1本の光ファイバテープ心線を、これを構成する光ファイバの全本数だけではなく、サブユニットごとで取り扱い、かつ、単心での取り扱いも可能とする光ファイバテープ心線を実現するためには、図5に示すように、各連結部62のピッチを幾つかに異ならせたテープ心線が有効である。図5において、光ファイバAB間及び光ファイバCD間を間欠的に連結している連結部62のピッチはpであり、光ファイバBC間を連結している連結部62のピッチはPである。pとPの関係はp<Pである。このように、連結部62のピッチ(間隔)が部位によって異なる光ファイバテープ心線は、特に、多心、例えば、8心以上のテープ心線として非常に有効な構造である。
【0011】
例えば、図6に示すように、複数本の光ファイバテープ心線を一体化して1単位(サブユニット)としたものを複数並列させ、これらを一体化した光ファイバテープ心線が提案されている。これは、他の光ファイバケーブルに内蔵された光ファイバテープ心線や、他の光ファイバテープ心線との接続性を考慮した光ファイバテープ心線である。
【0012】
他の1単位(サブユニット)の光ファイバテープ心線と接続するときには、一体化された光ファイバテープ心線を1単位(サブユニット)毎に分割することにより、容易に接続できるよう考慮されたもので、広く使われている。
【0013】
図6は、4心の光ファイバA,B,C,D及びE,F,G,Hをそれぞれ1単位(サブユニット)とした8心テープ心線の例である。サブユニット間を紫外線硬化型樹脂などで一体化することにより、8心のテープ心線となっており、分割を行うことにより、4心のサブユニットでの取り扱いも可能な構造である。
【0014】
図7に示す光ファイバテープ心線は、20心構造の光ファイバテープ心線である。この光ファイバテープ心線において、20心の光ファイバは、隣接する光ファイバと間欠的に接線されている。連結部のピッチは、4心単位のサブユニットを作製している連結部のピッチAよりも、サブユニット間を間欠的に連結している連結部のピッチBが長く作製されている。
【0015】
この光ファイバテープ心線は、20心テープ心線として取リ扱えるとともに、サブユニット単位である4心テープ心線、または、その倍数の心数のテープ心線として取り扱うことも容易である。また、単心の光ファイバとして取り扱うことも容易である。
【0016】
また、この光ファイバテープ心線は、光ファイバ同士が間欠的に連結された光ファイバテープ心線であるため、幅方向ヘの変形が容易であり、変形時の歪発生量も小さく、高密度の光ファイバケーブルを作製することが可能である。
【0017】
このような光ファイバケーブルでは、作製のコストを抑えるために、1本の光ファイバテープ心線を構成する光ファイバの本数は、製造設備上の問題がない限り、より多くすることが望ましい。光ファイバテープ心線を構成する光ファイバの本数を多くすることにより、同一ケーブルに入れる光ファイバテープ心線の作製本数を減らすことができ、光ファイバテープ心線の作製工数を減らすことができる。
【0018】
図8は、8心の光ファイバテープ心線の例であり、上4本の光ファイバA,B,C,D間と下4本の光ファイバE,F,G,H間の連結部のピッチが、4本目(光ファイバD)と5本目(光ファイバE)の連結部のピッチよりも短いものである。すなわち、4心のサブユニットを構成する間欠的に連結された光ファイバテープ心線を2枚、間欠的に連結して8心の光ファイバテープ心線としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特許第4143651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前述したように、光ファイバテープ心線(間欠固定テープ心線)60は、1枚のテープ心線における光ファイバ心線数を増やすことが望まれるが、1枚のテープ心線における光ファイバ心線数が増えることは、光ファイバ間を連結している連結部の数が増えることでもある。
【0021】
テープ心線の生産性は、その製造線速によるところが大きく、製造線速が速くなることは、単位時間あたりに作製するべき連結部の数が増えることとなる。
【0022】
これらいずれの場合でも連結部を製造する際に除去すべき樹脂の量が増えることになり、間欠部を安定して作製することが困難となる。
【0023】
また、前述したような、隣接する光ファイバ同士を連結部によって長手方向の所定間隔ごとに連結させた光ファイバテープ心線の製造において、光ファイバ間を間欠的に連結する連結部のピッチ(間隔)、長さが異なる場合には、以下のような問題がある。
【0024】
前述したような、シャッタや円盤状の部材により樹脂を堰き止め、連結部を作製するタイミングのみにおいて樹脂を吐出するようにして製造方法においては、図5に示すように、光ファイバA,B間及び光ファイバC,D間において堰き止められる樹脂の量と、光ファイバB,C間で堰き止められる樹脂の量とでは、後者のほうが多い。
【0025】
この製造方法においては、堰き止められた樹脂を吸引したり、または、ブラシで洗浄することにより、間欠的な連結部が良好に形成できるようにしている。しかしながら、連結部のピッチが異なる光ファイバテープ心線では、連結部のピッチの違いにより、堰き止められる樹脂の量が異なる。すなわち、連結部のピッチが長い部位では、堰き止められる樹脂の量、すなわち、除去が必要な樹脂の量が多くなり、間欠的な連結部を安定して作製することが困難となる。
【0026】
光ファイバテープ心線は、間欠連結部のピッチの不均等による樹脂堰き止め量の不均等、すなわち、除去すべき樹脂の量が不均等となる箇所が幅方向で増えることにより、作製の困難性が増加する。
【0027】
また、光ファイバB,C間は、サブユニット間を連結する連結部で他の倍の間隔で連結部が形成されているが、このような構成の連結部を持った光ファイバテープ心線を作製する際には、本来連結部が不要な部分が連結されてしまうことがある。これは、光ファイバB,C間は他の連結部よりも間隔が長いので、樹脂を堰き止めている時間が長いことにより、内部の樹脂圧力が高くなったり、樹脂の堰き止めを行うシャッタや溝つき刃にまとわり付く樹脂の量が多くなることによる。このような状況においては、連結部を形成する箇所に樹脂が回りこみ、連結部に付着する樹脂の量が必要以上に多くなり、これらが相互に接触してしまい、本来形成されないはずの箇所に連結部を形成してしまう。
【0028】
このような状況は、特に、不要樹脂の吸引能力が不足する場合に発生し易く、また、光ファイバの心数が8心以上となるような多心の光ファイバテープ心線を作製する場合に顕著となる。この場合に、吸引能力や真空度を単に上げると、必要な連結部が極端に短くなってしまうことがある。また、多心の光ファイバテープ心線では、幅方向での吸引度合いのばらつきが連結部の数の増加とともに大きくなり、連結部の安定を損なう原因となっている。
【0029】
そこで、本発明は、前記した課題を解決するために提案されたものであって、複数の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を所定間隔ごとに連結させた光ファイバテープ心線であって、高速で光ファイバテープ心線を良好に製造でき、かつ、多心の光ファイバテープ心線を良好に製造できる製造方法を提供し、この製造方法を実行する光ファイバテープ心線の製造装置並びにこの製造方法により製造された光ファイバテープ心線を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る光ファイバテープ心線の製造方法は、以下の構成のうちの一を有するものである。
【0031】
〔構成1〕
複数本の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させる多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造方法であって、複数本の光ファイバを間隔を空けて並列させた状態で光ファイバの長手方向に送り出し未硬化の樹脂を複数の光ファイバに塗布し各光ファイバ間に対応して配置され未硬化の樹脂の堰き止めを行う複数の堰き止め部材を移動させこれら堰き止め部材により未硬化の樹脂の堰き止めを行う位置及び堰き止めずに吐出を行う位置を連続的に変化させ堰き止め部材により堰き止められた不要な樹脂を吸引部において吸引して除去し搬送部に搬送する樹脂塗布工程と、未硬化の樹脂を塗布された複数の光ファイバ同士が並列されて集線され互いに接触する箇所において光ファイバに塗布された未硬化の樹脂が硬化するに必要な樹脂硬化エネルギーを照射して光ファイバ同士が連結された連結部を形成する樹脂硬化工程とを有し、樹脂塗布工程において、吸引部及び搬送部における樹脂の粘度を光ファイバに塗布される樹脂の粘度以下にさせることを特徴とするものである。
【0032】
〔構成2〕
構成1を有する光ファイバテープ心線の製造方法において、樹脂塗布工程において、光ファイバに塗布される樹脂の粘度、吸引部及び搬送部における樹脂の粘度は、温度制御により調整することを特徴とするものである。
【0033】
〔構成3〕
本発明に係る光ファイバテープ心線は、構成1、または、構成2を有する光ファイバテープ心線の製造方法により製造されたことを特徴とするものである。
【0034】
〔構成4〕
本発明に係る光ファイバケーブルは、構成3を有する光ファイバテープ心線を使用して構成されたことを特徴とするものである。
【0035】
〔構成5〕
本発明に係る光ファイバコードは、構成3を有する光ファイバテープ心線を使用して構成されたことを特徴とするものである。
【0036】
本発明に係る光ファイバテープ心線の製造装置は、以下の構成のうちの一を有するものである。
【0037】
〔構成6〕
複数本の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させる多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造装置であって、複数本の光ファイバを間隔を空けて並列させた状態で光ファイバの長手方向に送り出し未硬化の樹脂を複数の光ファイバに塗布し各光ファイバ間に対応して配置され未硬化の樹脂の堰き止めを行う複数の堰き止め部材を移動させ、これら堰き止め部材により未硬化の樹脂の堰き止めを行う位置及び堰き止めずに吐出を行う位置を連続的に変化させ堰き止め部材により堰き止められた不要な樹脂を吸引部において吸引して除去し搬送部に搬送し、光ファイバに塗布される樹脂の粘度よリも吸引部及び搬送部における樹脂の粘度を低下させておき、未硬化の樹脂を塗布された複数の光ファイバ同士が並列されて集線され互いに接触する箇所において、光ファイバに塗布された未硬化の樹脂が硬化するに必要な樹脂硬化エネルギーを照射して、光ファイバ同士が連結された連結部を形成することを特徴とするものである。
【0038】
〔構成7〕
構成6を有する光ファイバテープ心線の製造装置において、光ファイバに塗布される樹脂の粘度、吸引部及び搬送部における樹脂の粘度を調整する温度制御手段を有することを特徴とするものである。
【0039】
〔構成8〕
本発明に係る光ファイバテープ心線は、構成6、または、構成7を有する光ファイバテープ心線の製造装置により製造されたことを特徴とするものである。
【0040】
〔構成9〕
本発明に係る光ファイバケーブルは、構成8を有する光ファイバテープ心線を使用して構成されたことを特徴とするものである。
【0041】
〔構成10〕
本発明に係る光ファイバコードは、構成8を有する光ファイバテープ心線を使用して構成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0042】
本発明に係る多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造方法は、複数本の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させる光ファイバテープ心線の製造方法であって、光ファイバ同士を連結させる連結部が、不要な箇所に誤って形成されてしまうことがない。
【0043】
すなわち、本発明は、複数の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を所定間隔ごとに連結させた光ファイバテープ心線であって、高速で光ファイバテープ心線を良好に製造でき、かつ、多心の光ファイバテープ心線を良好に製造できる製造方法を提供し、この製造方法を実行する光ファイバテープ心線の製造装置並びにこの製造方法により製造された光ファイバテープ心線を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る光ファイバテープ心線の製造方法の製造過程を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る光ファイバテープ心線の製造方法における樹脂の吸引装置の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る光ファイバテープ心線(4心×6)の構成を示す平面図である。
【図4】従来の他の光ファイバテープ心線を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【図5】光ファイバテープ心線(2心×2)の構成を示す平面図である。
【図6】光ファイバテープ心線(4心×2)の構成を示す断面図である。
【図7】光ファイバテープ心線(4心×5)の構成を示す平面図である。
【図8】光ファイバテープ心線(4心×2)の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
本発明に係る多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造方法においては、複数本の光ファイバを並列させ、隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させて、光ファイバテープ心線を製造する。
【0047】
図1は、本発明に係る光ファイバテープ心線の製造方法の製造過程を示す斜視図である。
【0048】
すなわち、複数の光ファイバ送り出し装置101より、複数の光ファイバ2を送り出し、これら光ファイバ2を間欠樹脂塗布装置102に送る。各光ファイバ2は、複数本が間隔を空けて並列された状態で、間欠樹脂塗布装置102に送られる。
【0049】
なお、光ファイバ2は、単一の光ファイバのみならず、複数の光ファイバが束ねられて一体化されたものや、複数の光ファイバがテープ状に結合されたものであってもよい。
【0050】
間欠樹脂塗布装置102は、送られた各光ファイバ2の所定個所に対して、一定周期で間欠的に樹脂材料を塗布する樹脂塗布工程を実行する。ここで塗布する樹脂材料は、例えば、紫外線硬化型樹脂等であり、未硬化の状態で塗布され、その後に硬化されることにより、光ファイバ2同士を連結させる連結部となる。
【0051】
間欠樹脂塗布装置102においては、コーティングダイスにより未硬化の樹脂を複数の光ファイバに塗布し、各光ファイバ間に対応して配置され未硬化の樹脂の堰き止めを行う複数の堰き止め部材(シャッタや円盤状部材)を移動させ、これら堰き止め部材により未硬化の樹脂の堰き止めを行う位置及び堰き止めずに吐出を行う位置を連続的に変化させる。すなわち、堰き止め部材が存在するときには、未硬化の樹脂が堰き止められて光ファイバ2同士が分離される。堰き止め部材が存在しないときは、未硬化の樹脂を堰き止めないので、未硬化の樹脂が吐出される。
【0052】
そして、間欠樹脂塗布装置102を経た各光ファイバ2は、樹脂硬化装置103に送られる。樹脂硬化装置103は、未硬化の樹脂を塗布された複数の光ファイバ2同士が並列されて集線され互いに接触する箇所において、光ファイバ2に塗布された未硬化の樹脂が硬化するに必要な樹脂硬化エネルギーを照射して、例えば、紫外線を照射し、または、樹脂材料を加熱して、樹脂材料を硬化させ、光ファイバ2同士を連結させる連結部を形成する連結部樹脂硬化工程を実行する。
【0053】
樹脂硬化装置103を経た光ファイバテープ心線1は、引き取り機104により引き取られ、ダンサ105を経て、巻き取り機106により巻き取られる。
【0054】
多心の光ファイバテープ心線を高速で製造するこの光ファイバテープ心線の製造方法は、複数本の光ファイバを並列させ隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させるものである。
【0055】
なお、この実施の形態においては、複数本の光ファイバを並列させてサブユニットを構成するとともに、このサブユニットを複数並列させ隣接するサブユニットの側縁をなす光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させている。隣接するサブユニットの側縁をなす光ファイバ同士の連結部の長手方向のピッチ(間隔)は、サブユニット内の光ファイバ間の連結部の長手方向のピッチ(間隔)よりも長くしている。このような光ファイバテープ心線は、サブユニット内における連結部の長手方向のピッチ(間隔)と、サブユニット同士を連結する連結部の長手方向のピッチ(間隔)との違いにより、サブユニットを認識することができる。また、サブユニットが2段以上の構成を有する場合には、その段数単位での認識をすることができる。そのため、この光ファイバテープ心線においては、サブユニット単位の分割を容易に行うことができ、所定本数の光ファイバを1単位(サブユニット)として接続する作業性が向上されている。
【0056】
そして、多心の光ファイバテープ心線を高速で製造するこの光ファイバテープ心線の製造方法においては、間欠樹脂塗布装置102において除去すべき樹脂の量が不均等となることに対応して、安定して連結部を作製することができるように、以下の制御を実行する。
【0057】
すなわち、間欠樹脂塗布装置102における堰き止めにより生ずる不要な樹脂を吸引により除去し、樹脂吸引部及び吸引した樹脂搬送部の温度を、コーティングダイス内に供給される樹脂の温度以上となるように調整し、不要な樹脂の除去が良好に行えるようにする。
【0058】
この制御により、不要な樹脂の吸引を安定して行うことができる。連結部を構成する樹脂としては、一般に、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂を使用するが、この樹脂の粘度は、温度依存性があリ、温度の上昇に伴い、粘度が低下する。樹脂の粘度に変化が起こると、同一の吸引力で吸引を行った場合に、樹脂の吸引量が変化する。吸引量の変化は、連結部の長さのばらつきの原因となる。
【0059】
図2は、本発明に係る光ファイバテープ心線の製造方法における樹脂の吸引装置の構成を示す斜視図である。
【0060】
樹脂を吸引する装置は、図2に示すように、連結部を作製する間欠樹脂塗布装置102の付近で余分な樹脂を吸引する樹脂吸引部201、吸引した樹脂を搬送する搬送部202、吸引した樹脂を溜めるトラップ部203、及び、印圧、もしくは、真空を発生し調整する印圧部204を有して構成される。
【0061】
樹脂を吸引する装置において、樹脂の吸引を行う周辺のみにおいて樹脂の粘度管理を行っても、樹脂の吸引量を安定させることは困難である。すなわち、吸引部201のみにおいて温度管理をして樹脂の粘度の管理をしても、搬送部202に搬送された樹脂の粘度が変化すると、樹脂吸引部201での吸引力が変動してしまう。
【0062】
吸引を始めた当初は、搬送部202内には樹脂は存在せず、最大の吸引力で吸引が行われるが、吸引に伴い、搬送部202内に樹脂が導入される。このとき、搬送部202の温度が吸引部201より低下すると、搬送部202内の樹脂の粘度が上昇し、粘度の上昇した樹脂を搬送する必要が生じた分、吸引部201での吸引力が低下する。同様に、搬送部202の温度変化は、樹脂の粘度の変化を生じさせ、吸引部201での吸引力の変化が生じ、連結部の形成状態のばらつきの要因となる。
【0063】
コーティングダイス及び連結部を形成する部位では、樹脂の温度は、樹脂の流動性、表面性、成形性に基づいて制御される。そして、吸引部201及び搬送部202の温度を所定の温度以上に保ち、樹脂の流動性を上げることにより、不要な樹脂の吸引を安定して行うことが可能となる。
【実施例】
【0064】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0065】
〔光ファイバテープ心線の製造方法の実施例〕
樹脂吸引部及び吸引した樹脂搬送部の温度を、コーティングダイス内に供給される樹脂の温度以上となるように調整し、不要な樹脂の除去を行って、光ファイバテープ心線を作製した。
【0066】
4心サブユニット×2となる構造の8心光ファイバテープ心線と、4心サブユニット×5となる構造の20心光ファイバテープ心線を、以下の〔表1〕に示すように、樹脂及び各部の温度を変えて作製した。また、比較のため、サブユニット構造をとらない8心光ファイバテープ心線及び20心光ファイバテープ心線を作製し、連結部の安定性を評価した。なお、樹脂の吸引は、印圧部に真空ポンプを使用し、全て同一の出力でポンプを運転させた。
【表1】
【0067】
作製した4種の光ファイバテープ心線について、本来、連結されるべきところではないところで光ファイバ間が連結してしまっている箇所(エラー)を長手方向で100ピッチ分確認した。確認結果を以下の〔表2〕、〔表3〕、〔表4〕及び〔表5〕に示す。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0068】
樹脂吸引部の温度及び樹脂搬送部の温度が、コーティングダイスにおける樹脂の温度より極端に低い「条件1」では、いずれの光ファイバテープ心線でもエラーは発生した。特に、連結部のピッチの長いサブユニット間で顕著にエラーが発生し、後半になるほど、その発生頻度が上がることがわかる。また、エラーの発生頻度は、多心の光ファイバテープ心線ほどより多くなる。「条件2、3、4」と順に温度を上げることにより、エラーの発生頻度は減少した。「条件3、4」では、エラーが発生せず、安定して間欠的な連結部を作製することができた。
【0069】
〔光ファイバテープ心線の実施例〕
前述した光ファイバテープ心線の製造方法によリ作製された光ファイバテープ心線の例を以下に示す。
【0070】
(第1例)
この光ファイバテープ心線は、図5に示すように、4本の光ファイバより構成されている。この光ファイバテープ心線は、光ファイバA,Bと、光ファイバC,Dが、それぞれ1組のサブユニットを構成し、全体として2組のサブユニットより構成されている。
【0071】
各サブユニット内において隣リ合う光ファイバ同士は、サブユニット内連結部によって、長さ方向に間欠的に連結されている。サブユニット内連結部のピッチは、pである。
【0072】
隣り合うサブユニット同士も、サブユニット間連結部によって、長さ方向に間欠的に連結されている。サブユニット間連結部のピッチは、Pである。ピッチPは、ピッチpより大きく設定されている。
【0073】
各サブユニット内連結部及び各サブユニット間連結部は、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。
【0074】
このように構成された光ファイバテープ心線を用いて、光ファイバケーブル(図示せず)や光ファイバコード(図示せず)を作製することができる。
【0075】
この構成の光ファイバテープ心線、これを用いた光ファイバケーブル及び光ファイバコードにおいては、サブユニット間連結部のピッチPが、サブユニット内連結部のピッチpより長く設定されているので、連結部のピッチの相違より、各サブユニットを認識することができる。したがって、サブユニット単位の分割を容易に行うことができる。連結部のピッチの相違は、各光ファイバがストレートに整列された状態でも認識できる。また、光ファイバテープ心線の幅方向の両端を広げる方向に変形させると、サブユニット間の離間距離とサブユニット内の光ファイバ間の離間距離が相違するため、明確に判断できる。
【0076】
以上のように、サブユニット単位(この例では2心単位)の接続作業性が良好な光ファイバテープ心線を構成することができる。
【0077】
この例では、各サブユニット内連結部と各サブユニット間連結部とは、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられているので、光ファイバテープ心線の幅方向の曲げ易さを低下させることがなく、サブユニット単位の接続作業性の向上を図ることができる。
【0078】
(第2例)
この光ファイバテープ心線は、図7に示すように、第1例と同様に、サブユニット間連結部のピッチが1段構成のものである。この光ファイバテープ心線は、20本の光ファイバより構成されている。4本の光ファイバから1組のサブユニットが構成され、5組のサブユニットにより光ファイバテープ心線が構成されている。
【0079】
各サブユニット内の隣り合う光ファイバ同士は、サブユニット内連結部によって長さ方向に間欠的に連結されている。このサブユニット内連結部のピッチは、Aである。隣り合うサブユニット同士も、サブユニット間連第部によって長さ方向に間欠的に連結されている。サブユニット間連第部のピッチは、Bである。ピッチBは、ピッチAより大きく設定されている。
【0080】
各サブユニット内連結部と各サブユニット間連結部は、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。さらに、各サブユニット間連結部同士も、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。
【0081】
このように構成された光ファイバテープ心線を用いて、光ファイバケーブル(図示せず)や光ファイバコード(図示せず)を作製することができる。
【0082】
この構成の光ファイバテープ心線、これを用いた光ファイバケーブル及び光ファイバコードにおいては、第1例と同様に、サブユニット間連結部のピッチBがサブユニット内連結部のピッチAより長く設定されているので、連結部のピッチの相違より、各サブユニットを認識することができる。したがって、サブユニット単位の分割を容易に行うことができる。連結部のピッチの相違は、各光ファイバがストレートに整列された状態でも認識できる。また、光ファイバテープ心線の幅方向の両端を広げる方向に変形させると、サブユニット間の離間距離とサブユニット内の光ファイバ間の離間距離が相違するため、明確に判断できる。
【0083】
以上のように、サブユニット単位(この例では4心単位)の接続作業性の良い光ファイバテープ心線を構成することができる。
【0084】
この例では、隣接する各ユニット内連結部及び各ユニット間連結部は、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられているとともに、各ユニット間連結部同士も光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。したがって、光ファイバテープ心線の幅方向の曲げ易さを低下させることなく、サブユニット単位の接続作業性の向上を図ることができる。
【0085】
(第3例)
図3は、本発明に係る光ファイバテープ心線(4心×6)の構成を示す平面図である。
【0086】
この光ファイバテープ心線は、図3に示すように、24本の光ファイバにより構成されている。この光ファイバテープ心線においては、4本の光ファイバから1組の第1サブユニットが構成され、2組の第1サブユニットにより第2サブユニットが構成されている。すなわち、この光ファイバテープ心線は、3組の第2サブユニットにより構成されており、計6組の第1サブユニットにより構成されている。
【0087】
第1サブユニット内の隣り合う光ファイバ同士は、サブユニット内連結部によって長さ方向に間欠的に連結されている。サブユニット内連結部のピッチは、Aである。
【0088】
隣り合う第1サブユニット同士は、第1サブユニット間連結部によって長さ方向に間欠的に連結されている。第1サブユニット間の連結部のピッチは、Bである。BはAより大きく設定されている。
【0089】
隣り合う第2サブユニット同士は、その長さ方向に間欠的に第2サブユニット間連結部によって連結されている。第2サブユニット間連結部のピッチは、Cである。第2サブユニット間連結部のピッチCは、第1サブユニット間連結部のピッチBより大きく設定されている。
【0090】
すなわち、第1サブユニット内連結部のピッチAよりも第1サブユニット間連結部のピッチBが大きく設定され、かつ、第1サブユニット間連結部のピッチBよりも第2サブユニット間連結部のピッチCが大きく設定されている。つまり、連結部のピッチは、C>B>Aに設定されている。
【0091】
ユニット内連結部、第1ユニット間連結部及び第2ユニット間連結部は、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。さらに、第1ユニット間連結部同士及び第2ユニット間連結部同士も、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。
【0092】
このように構成されたの光ファイバテープ心線を用いて、光ファイバケーブル(図示せず)や光ファイバコード(図示せず)を作製することができる。
【0093】
この構成の光ファイバテープ心線、これを用いた光ファイバケーブル及び光ファイバコードにおいては、第2サブユニット間連結部のピッチCと、第1サブユニット間連結部のピッチBと、サブユニット内連結部のピッチAとが、C>B>Aに設定されているので、連結部のピッチの相違より、第1サブユニット及び第2サブユニットをそれぞれ識別することができる。
【0094】
したがって、この光ファイバテープ心線においては、第1サブユニット単位の分割、または、第2サブユニット単位の分割を容易に行うことができる。連結部のピッチの相違は、各光ファイバがストレートに整列された状態でも認識できる。光ファイバテープ心線の幅方向の両端を広げる方向に変形させると、第2サブユニット間の離間距離、第1サブユニット間の離間距離、及び、サブユニット内の光ファイバ間の離間距離が相違するため、明確に判断できる。
【0095】
以上のように、第1サブユニット単位(この例では、4心)、または、第2サブユニット単位(この例では、8心)の接続作業性が良好な光ファイバテープ心線を構成することができる。
【0096】
この例では、ユニット内連結部と、第1ユニット間連結部と、第2ユニット間連結部とは、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。また、第1ユニット間連結部同士及び第2ユニット間連結部同士も、光ファイバテープ心線の長さ方向にシフトした位置に設けられている。したがって、光ファイバテープ心線の幅方向の曲げ易さを低下させることなく、第1サブユニット単位、第2サブユニット単位の接続作業性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、複数の光ファイバを並列させて連結した光ファイバテープ心線の製造方法及びこの製造方法を実行する光ファイバテープ心線の製造装置並びにこの製造方法により製造された光ファイバテープ心線に適用される。
【符号の説明】
【0098】
1 光ファイバテープ心線
2 光ファイバ
102 間欠樹脂塗布装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の光ファイバを並列させ、隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させる多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造方法であって、
複数本の前記光ファイバを間隔を空けて並列させた状態で光ファイバの長手方向に送り出し、未硬化の樹脂を複数の光ファイバに塗布し、各光ファイバ間に対応して配置され未硬化の樹脂の堰き止めを行う複数の堰き止め部材を移動させ、これら堰き止め部材により未硬化の樹脂の堰き止めを行う位置及び堰き止めずに吐出を行う位置を連続的に変化させ、前記堰き止め部材により堰き止められた不要な樹脂を吸引部において吸引して除去し、搬送部に搬送する樹脂塗布工程と、
前記未硬化の樹脂を塗布された複数の光ファイバ同士が並列されて集線され互いに接触する箇所において、光ファイバに塗布された未硬化の樹脂が硬化するに必要な樹脂硬化エネルギーを照射して、光ファイバ同士が連結された連結部を形成する樹脂硬化工程と
を有し、
前記樹脂塗布工程において、前記吸引部及び前記搬送部における樹脂の粘度を光ファイバに塗布される樹脂の粘度以下にさせる
ことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂塗布工程において、光ファイバに塗布される樹脂の粘度、前記吸引部及び前記搬送部における樹脂の粘度は、温度制御により、調整する
ことを特徴とする請求項1記載の光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項3】
請求項1、または、請求項2記載の光ファイバテープ心線の製造方法により製造された
ことを特徴とする光ファイバテープ心線。
【請求項4】
請求項3記載の光ファイバテープ心線を使用して構成された
ことを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項5】
請求項3記載の光ファイバテープ心線を使用して構成された
ことを特徴とする光ファイバコード。
【請求項6】
複数本の光ファイバを並列させ、隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させる多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造装置であって、
複数本の前記光ファイバを間隔を空けて並列させた状態で光ファイバの長手方向に送り出し、未硬化の樹脂を前記複数の光ファイバに塗布し、各光ファイバ間に対応して配置され未硬化の樹脂の堰き止めを行う複数の堰き止め部材を移動させ、これら堰き止め部材により未硬化の樹脂の堰き止めを行う位置及び堰き止めずに吐出を行う位置を連続的に変化させ、前記堰き止め部材により堰き止められた不要な樹脂を吸引部において吸引して除去し、搬送部に搬送し、
前記光ファイバに塗布される樹脂の粘度よリも、前記吸引部及び前記搬送部における樹脂の粘度を低下させておき、
前記未硬化の樹脂を塗布された複数の光ファイバ同士が並列されて集線され互いに接触する箇所において、前記光ファイバに塗布された未硬化の樹脂が硬化するに必要な樹脂硬化エネルギーを照射して、前記光ファイバ同士が連結された連結部を形成する
ことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項7】
光ファイバに塗布される樹脂の粘度、前記吸引部及び前記搬送部における樹脂の粘度を調整する温度制御手段を有する
ことを特徴とする請求項6記載の光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項8】
請求項6、または、請求項7記載の光ファイバテープ心線の製造装置により製造された
ことを特徴とする光ファイバテープ心線。
【請求項9】
請求項8記載の光ファイバテープ心線を使用して構成された
ことを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項10】
請求項8記載の光ファイバテープ心線を使用して構成された
ことを特徴とする光ファイバコード。
【請求項1】
複数本の光ファイバを並列させ、隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させる多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造方法であって、
複数本の前記光ファイバを間隔を空けて並列させた状態で光ファイバの長手方向に送り出し、未硬化の樹脂を複数の光ファイバに塗布し、各光ファイバ間に対応して配置され未硬化の樹脂の堰き止めを行う複数の堰き止め部材を移動させ、これら堰き止め部材により未硬化の樹脂の堰き止めを行う位置及び堰き止めずに吐出を行う位置を連続的に変化させ、前記堰き止め部材により堰き止められた不要な樹脂を吸引部において吸引して除去し、搬送部に搬送する樹脂塗布工程と、
前記未硬化の樹脂を塗布された複数の光ファイバ同士が並列されて集線され互いに接触する箇所において、光ファイバに塗布された未硬化の樹脂が硬化するに必要な樹脂硬化エネルギーを照射して、光ファイバ同士が連結された連結部を形成する樹脂硬化工程と
を有し、
前記樹脂塗布工程において、前記吸引部及び前記搬送部における樹脂の粘度を光ファイバに塗布される樹脂の粘度以下にさせる
ことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂塗布工程において、光ファイバに塗布される樹脂の粘度、前記吸引部及び前記搬送部における樹脂の粘度は、温度制御により、調整する
ことを特徴とする請求項1記載の光ファイバテープ心線の製造方法。
【請求項3】
請求項1、または、請求項2記載の光ファイバテープ心線の製造方法により製造された
ことを特徴とする光ファイバテープ心線。
【請求項4】
請求項3記載の光ファイバテープ心線を使用して構成された
ことを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項5】
請求項3記載の光ファイバテープ心線を使用して構成された
ことを特徴とする光ファイバコード。
【請求項6】
複数本の光ファイバを並列させ、隣接する光ファイバ同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結させる多心の光ファイバテープ心線を高速で製造する光ファイバテープ心線の製造装置であって、
複数本の前記光ファイバを間隔を空けて並列させた状態で光ファイバの長手方向に送り出し、未硬化の樹脂を前記複数の光ファイバに塗布し、各光ファイバ間に対応して配置され未硬化の樹脂の堰き止めを行う複数の堰き止め部材を移動させ、これら堰き止め部材により未硬化の樹脂の堰き止めを行う位置及び堰き止めずに吐出を行う位置を連続的に変化させ、前記堰き止め部材により堰き止められた不要な樹脂を吸引部において吸引して除去し、搬送部に搬送し、
前記光ファイバに塗布される樹脂の粘度よリも、前記吸引部及び前記搬送部における樹脂の粘度を低下させておき、
前記未硬化の樹脂を塗布された複数の光ファイバ同士が並列されて集線され互いに接触する箇所において、前記光ファイバに塗布された未硬化の樹脂が硬化するに必要な樹脂硬化エネルギーを照射して、前記光ファイバ同士が連結された連結部を形成する
ことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項7】
光ファイバに塗布される樹脂の粘度、前記吸引部及び前記搬送部における樹脂の粘度を調整する温度制御手段を有する
ことを特徴とする請求項6記載の光ファイバテープ心線の製造装置。
【請求項8】
請求項6、または、請求項7記載の光ファイバテープ心線の製造装置により製造された
ことを特徴とする光ファイバテープ心線。
【請求項9】
請求項8記載の光ファイバテープ心線を使用して構成された
ことを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項10】
請求項8記載の光ファイバテープ心線を使用して構成された
ことを特徴とする光ファイバコード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−252245(P2012−252245A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126045(P2011−126045)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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