説明

光ファイバ伝送系監視装置及びレーザ加工装置

【課題】光ファイバ伝送方式のレーザ加工装置において、構成が簡易でモニタリング精度および信頼性が高く、光ファイバ伝送系の異常発生時に実質的な時間遅れを伴わずに安全措置の動作を瞬時に行えるようにする。
【解決手段】このレーザ加工装置は、同時2分岐の光ファイバ伝送方式において、レーザ発生部12、分岐ユニット14、入射ユニット16、光ファイバ18(1),18(1)、出射ユニット20(1),20(2)および制御部22に加えて、光ファイバ18(1),18(1)を含む光ファイバ伝送系の正常監視および異常検出を行う光ファイバ伝送系監視部24を備えている。この光ファイバ伝送系監視部24は、モニタ光源50、光重畳器52、光分離器54(1),54(2)、光検出器56(1),56(2)およびインターロック機構58によって構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物にレーザ光を照射して所望のレーザ加工を施すレーザ加工装置に係り、特にレーザ発生部から出射ユニットまで光ファイバを介してレーザ光を伝送する光ファイバ伝送方式のレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工装置は、基本構成として、加工用のレーザ光を発生するレーザ発生部と、加工用レーザ光を被加工物に向けて集光照射する出射ユニットと、レーザ発生部から出射ユニットまでレーザ光を伝送するためのレーザ伝送光学系とを有する。
【0003】
レーザ伝送光学系に光ファイバを使用する光ファイバ伝送方式は、レーザ発振部と出射ユニットとをそれぞれ任意の場所に設置または配置できるので、レーザ加工の多種多様な生産ラインや用途にフレキシブルに適応できるという利点がある。
【0004】
一般に、光ファイバ伝送方式のレーザ加工に用いられる伝送用の光ファイバは、たとえば金属製スパイラル管等といった可撓性保護管で覆われてはいるが、光ファイバが工場内または作業場等で任意に曲げられ、あるいは外力や衝撃を受けて、破断や破損を生ずることがある。光ファイバが破断または破損したならば、レーザ発生部より出力された加工用レーザ光が出射ユニットまで正常に伝送されず、所望のレーザ加工が行えなくなるのはもちろんである。しかし、それよりも格段に重要なことは、光ファイバの破断・破損箇所から加工用レーザ光が漏れて保護管を加熱し、最悪の場合は保護管の外へ漏れる危険性を十全に阻止することである。特に、最近のレーザ加工では、高出力の加工用レーザ光が多用されてきているので、レーザ伝送用の光ファイバの破断・破損に対する安全対策は最重要項目の一つになっている。
【0005】
したがって、レーザ加工装置の稼動中にレーザ伝送用の光ファイバが破断または破損したときはレーザ発生部のレーザ出力動作を直ちに停止させ、レーザ加工装置が運転を休止している間に該光ファイバが破断または破損したときはレーザ発生部のレーザ出力動作を中止させる監視ないし安全装置が必要とされる。
【0006】
当初、この種の監視装置は、出射ユニット内に光学レンズ等から生じる加工用レーザ光の反射光または漏れ光を受光して光電変換する光検出器を備え、該光検出器の受光量が電気的基準レベル以上であれば光ファイバは破断していないと判定し、該光検出器の受光量が電気的基準レベル以下であれば光ファイバは破断していると判定する技術を用いていた。しかしながら、この方式は、加工用レーザ光の出力が相当低い場合に、光ファイバが実際には破断していなくても、光検出器の受光量が基準レベル以下であれば、光ファイバは破断しているとの誤った判断をするおそれがあり、モニタリングの精度ないし信頼性が低かった。
【0007】
今日では、加工用レーザ光とは別に破断検出専用のモニタ光を使用するのが通例になっている。モニタ光を用いる光ファイバ破断検査装置は、加工用レーザ光を伝送するための本来の光ファイバに添わせてモニタ専用の光ファイバを設ける第1の方式(たとえば特許文献1)か、あるいはモニタ光を加工用レーザ光と重畳してレーザ加工用の光ファイバ内を伝搬させる第2の方式(たとえば特許文献2)のどちらかに分類される。
【0008】
上記第1の方式は、モニタ光用の光源と光検出器とを用いてモニタ光がモニタ専用の光ファイバ内を正常に伝搬するか否かを検査し、正常に伝搬しなければモニタ専用の光ファイバがレーザ加工用光ファイバと一緒に破断しているとみなすものである。
【0009】
上記第2の方式を採用する従来の検査装置においては、モニタ光を加工用レーザ光と重畳して光ファイバ内を伝搬させ、光ファイバの一端面に入射する直前のモニタ光を第1の光検出器により光電変換するとともに、光ファイバの他端面から出た直後のモニタ光を第2の光検出器により光電変換する。そして、比較判定部が、第1および第2の光検出器からの双方の検出信号の比率を演算し、その演算結果を基準値と比較して、比較誤差が許容範囲内に収まっていれば光ファイバは破断していないと判定し、比較誤差が許容範囲外であれば光ファイバは破断していると判定する。そして、制御部が、比較判定部で得られる判定結果を基に、光ファイバが破断していないときは加工用レーザ発振部の電源を通常または予定通りに動作させ、光ファイバが破断しているときは該レーザ電源の動作を中止または停止させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−422771
【特許文献2】特開平2−258185
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の光ファイバ破断検査装置において、上記第1の方式は、モニタ専用光ファイバの付設が大掛かりで煩雑になることと、モニタ専用光ファイバとレーザ加工用光ファイバとが常に一緒に破断するとは限らず、モニタリングの信頼性が低いことが実用上の大きな不利点になっている。
【0012】
一方、上記第2の方式を採用する従来装置は、モニタ専用光ファイバが不要であるがために構成が簡易であり、かつ加工用光ファイバの破断を直接検出するのでモニタリング精度は高い。しかしながら、光ファイバが破断した時に、第2の光検出器の出力信号が変化してからレーザ電源の動作を停止させるまでに、比較判定部の演算処理と制御部の命令処理とに相応の時間を要するために、一定(通常数μ秒以上)の時間遅れがあり、この時間遅れの間に光ファイバの破断箇所から加工用レーザ光が漏れるおそれがある。つまり、安全装置としての動作速度に課題がある。また、周囲または外部から受けるノイズ等の影響で比較判定部あるいは制御部が誤動作あるいは暴走をするリスクもあり、安全装置としての絶対的確実性および信頼性が低いという一面もある。
【0013】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、光ファイバ伝送方式において、構成が簡易でモニタリング精度および信頼性が高く、光ファイバ伝送系の異常発生時に実質的な時間遅れを伴わずに安全措置の動作を瞬時に行える高い光ファイバ伝送系監視装置およびレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の観点における光ファイバ伝送系監視装置は、レーザ発生部より出力された加工用のレーザ光を光ファイバに通して出射ユニットまで伝送し、前記出射ユニットより前記レーザ光を被加工物に集光照射して所望のレーザ加工を行うレーザ加工装置において光ファイバ伝送系の正常監視および異常検出を行なう光ファイバ伝送系監視装置であって、前記加工用レーザ光と異なる波長のモニタ光を生成するモニタ光源と、前記モニタ光源からの前記モニタ光を前記加工用レーザ光に重畳させて前記光ファイバの入射端面に入射させる光重畳器と、前記光ファイバの出射端面より出た前記モニタ光の少なくとも一部を前記加工用レーザ光から分離する光分離器と、前記光分離器からの光を受光して光電変換により電気信号に変換し、受光量が所定の閾値よりも高いときは第1のモニタ信号を出力し、受光量が前記閾値よりも低いときは第2のモニタ信号を出力する光検出部と、前記光検出部の出力端子に電気的に直結され、前記モニタ光源が前記モニタ光を生成している期間中に、前記光検出部より前記第1のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部のレーザ出力動作を許可し、または継続させ、前記光検出部より前記第2のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部のレーザ出力動作を禁止し、または停止させるインターロック機構とを有する。
【0015】
本発明の第2の観点における光ファイバ伝送系監視装置は、制御部の制御の下で動作するレーザ発生部より出力された加工用のレーザ光を光ファイバに通して出射ユニットまで伝送し、前記出射ユニットより前記レーザ光を被加工物に集光照射して所望のレーザ加工を行うレーザ加工装置において光ファイバ伝送系の正常監視および異常検出を行なう光ファイバ伝送系監視装置であって、前記加工用レーザ光と異なる波長のモニタ光を生成するモニタ光源と、前記モニタ光源からの前記モニタ光を前記加工用レーザ光に重畳させて前記光ファイバの入射端面に入射させる光重畳器と、前記光ファイバの出射端面より出た前記モニタ光の少なくとも一部を前記加工用レーザ光から分離する光分離器と、前記光分離器からの光を受光して光電変換により電気信号に変換し、受光量が所定の閾値よりも高いときは第1のモニタ信号を出力し、受光量が前記閾値よりも低いときは第2のモニタ信号を出力する光検出部と、前記光検出部の出力端子に電気的に直結され、前記モニタ光源が前記モニタ光を生成している期間中に、前記光検出部より前記第1のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部の制御を前記制御部に任せ、前記光検出部より前記第2のモニタ信号が出力されている時は前記制御部に優先して強制的に前記レーザ発生部のレーザ出力動作を禁止し、または停止させるインターロック機構とを有する。
【0016】
本発明の第3の観点におけるレーザ加工装置は、加工用のレーザ光を発生するレーザ発生部と、前記レーザ発生部で生成された前記加工用レーザ光をレーザ加工場所まで伝送するための光ファイバと、前記レーザ加工場所に設置または配置され、前記光ファイバの出射端面より出た前記加工用レーザ光を被加工物に集光照射する出射ユニットと、前記加工用レーザ光と波長の異なるモニタ光を生成するモニタ光源と、前記モニタ光源からの前記モニタ光を前記加工用レーザ光に重畳させて前記光ファイバの入射端面に入射させる光重畳器と、前記光ファイバの出射端面より出た前記モニタ光の少なくとも一部を前記加工用レーザ光から分離する光分離器と、前記光分離器からの光を受光して光電変換により電気信号に変換し、受光量が所定の閾値よりも高いときは第1のモニタ信号を出力し、受光量が前記閾値よりも低いときは第2のモニタ信号を出力する光検出部と、前記光検出部の出力端子に電気的に直結され、前記モニタ光源が前記モニタ光を生成している期間中に、前記光検出部より前記第1のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部のレーザ出力動作を許可し、または継続させ、前記光検出部より前記第2のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部のレーザ出力動作を禁止し、または停止させるインターロック機構とを有する。
【0017】
また、本発明の第4の観点におけるレーザ加工装置は、加工用のレーザ光を発生するレーザ発生部と、前記レーザ発生部の動作を制御する制御部と、前記レーザ発生部で生成された前記加工用レーザ光をレーザ加工場所まで伝送するための光ファイバと、前記レーザ加工場所に設置または配置され、前記光ファイバの出射端面より出た前記加工用レーザ光を被加工物に集光照射する出射ユニットと、前記加工用レーザ光と波長の異なるモニタ光を生成するモニタ光源と、前記モニタ光源からの前記モニタ光を前記加工用レーザ光に重畳させて前記光ファイバの入射端面に入射させる光重畳器と、前記光ファイバの出射端面より出た前記モニタ光の少なくとも一部を前記加工用レーザ光から分離する光分離器と、前記光分離器からの光を受光して光電変換により電気信号に変換し、受光量が所定の閾値よりも高いときは第1のモニタ信号を出力し、受光量が前記閾値よりも低いときは第2のモニタ信号を出力する光検出部と、前記光検出部の出力端子に電気的に直結され、前記モニタ光源が前記モニタ光を生成している期間中に、前記光検出部より前記第1のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部の制御を前記制御部に任せ、前記光検出部より前記第2のモニタ信号が出力されている時は前記制御部に優先して強制的に前記レーザ発生部のレーザ出力動作を禁止し、または停止させるインターロック機構とを有する。
【0018】
本発明の光ファイバ破断検査装置またはレーザ加工装置においては、加工用レーザ光と異なる波長を有するモニタ光を加工用レーザ光に重畳させて光ファイバに通し、出射ユニット側で光分離器によりモニタ光を加工用レーザ光から分離する。光検出部は、光分離器により分離された光を受光して、受光量が所定の閾値よりも高いときは第1のモニタ信号を出力し、受光量が閾値よりも低いときは第2のモニタ信号を出力する。
【0019】
インターロック機構は、モニタ光源がモニタ光を生成している期間中に動作可能状態となり、光検出部の出力信号に応動して、光検出部より第1のモニタ信号が出力されている時はレーザ発生部のレーザ出力動作を許可し、または継続させ(あるいはレーザ発生部の制御を制御部に任せ)、光検出部より第2のモニタ信号が出力されている時はレーザ発生部のレーザ出力動作を禁止し、または停止させる(あるいは制御部に優先して強制的にレーザ発生部のレーザ出力動作を禁止し、または停止させる)。
【0020】
インターロック機構は、レーザ発生部のレーザ出力動作を強制的に禁止し、または停止させるために、レーザ発生部の電源(好ましくは一次電源)および/または光学シャッタの駆動部に接続される。
【0021】
このように、光ファイバ伝送系に異常が発生した時、典型的には光ファイバが破断または破損した時は、光検出部の出力信号(第2のモニタ信号)に応動してインターロック機構がレーザ発生部のレーザ出力動作を停止させる。このインターロック動作に伴う時間遅れは実質的にインターロック機構ないしレーザ発生部内のスイッチング時間のみであり、制御部の処理(演算処理や命令処理等)を介在させない。したがって、異常発生時には実質的な時間遅れを伴わずに、安全措置の動作を瞬時に行うことが可能であり、光ファイバの破断箇所から加工用レーザ光が漏出する危険性を十全に阻止または回避することができる。
【0022】
また、本発明のインターロック機構は、比較演算処理や命令処理を行う電子回路あるいはソフトウェアを搭載しないので、ノイズ等の影響で誤動作や暴走を起こすおそれはなく、信頼性の高い安全装置を提供する。
【0023】
本発明の好適な一態様によれば、モニタ光のビーム径を所望の口径に制限するためのアパーチャが光分離器と光検出部との間に配置される。このアパーチャは、光分離器により分離されたモニタ光の光線束のうち光ファイバのコアを伝播してきた光軸付近の部分、好ましくはパワー密度の集中する中心部分を抽出して光検出部に受光させる役目を担っている。アパーチャの口径は、光ファイバのコア径と略同一であるのが通常最も好ましく、それより小さな口径も好ましい。
【0024】
このように光分離器と光検出部との間に上記のようなピンホールのアパーチャを設けることにより、光ファイバ伝送系が正常である時に、光分離器より取り出されたモニタ光の光線束のうちパワー密度の集中する中心部分のみを光検出部に受光させることができる。そして、そのときの光検出部の受光量が閾値つまり最小受光感度を僅かだけ超えるように調整する。この光量調整のために、光分離器により分離された光の光強度を減衰させる光減衰器を光分離器と光検出部との間に配置する構成も好ましい。
【0025】
かかる構成によれば、たとえば光ファイバが破断した時は、瞬時かつ確実に光検出部の受光量が閾値を割ることとなり、それによって光検出部の出力信号が第1のモニタ信号から第2のモニタ信号に切り換わり、これに応動してインターロック機構がレーザ発生部にインターロックをかけてレーザ出力動作を強制的に禁止し、または強制的に停止させる。
【0026】
また、別の好適な一態様においては、インターロック機構が、光検出器の出力端子に接続された入力回路と、レーザ発振部の電源に接続された出力回路とを有するリレーを含む。この場合、好ましくは、上記リレーが電磁リレーからなり、入力回路に電磁コイルを設け、出力回路に接点部を設ける。
【0027】
また、別の好適な一態様においては、レーザ加工装置の主電源スイッチがオンになっている期間中に、所定の電源電圧がモニタ光源およびインターロック機構に同時に供給される。
【発明の効果】
【0028】
本発明の光ファイバ伝送系監視装置またはレーザ加工装置によれば、上記のような構成および作用により、光ファイバ伝送方式において、構成が簡易でモニタリングの精度および信頼性が高く、光ファイバ伝送系の異常発生時に実質的な時間遅れを伴わずに安全措置の動作を瞬時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態における光ファイバ伝送系監視装置およびレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態の装置における光検出器周りの光学系の好適な実施例を示す側面図である。
【図3】実施形態の装置における光検出器およびインターロック機構の一実施例を示す回路図である。
【図4】実施形態の装置における光検出器およびインターロック機構の別の実施例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0031】
図1に、本発明の一実施形態における光ファイバ伝送系監視装置を組み込んだレーザ加工装置の構成を示す。このレーザ加工装置は、同時多分岐たとえば同時2分岐の光ファイバ伝送方式を用いて、所望のレーザ加工場所に設置されている2台の加工ステージ10(1),10(2)上で同時に2個の被加工物W(1),W(2)に同一または同種のレーザ加工たとえばレーザ溶接を施す多点同時加工型のシステム形態を採っている。
【0032】
このレーザ加工装置は、主たる構成として、レーザ発生部12、分岐ユニット14、入射ユニット16、光ファイバ18(1),18(2)、出射ユニット20(1),20(2)および制御部22に加えて、光ファイバ18(1),18(2)を含む光ファイバ伝送系の正常監視および異常検出を行う光ファイバ伝送系監視部24を備えている。
【0033】
レーザ発生部12は、電光変換により加工用の原レーザ光LBを生成する電光変換部26と、この電光変換部26に駆動電流ILDを供給するレーザ電源28とを有している。電光変換部26は、たとえばファイバカップリングLDからなり、LDユニット30とレーザ光取り出し用の光ファイバ32とを有している。LDユニット30は、1つまたは複数のLDアレイを有し、レーザ電源28より所要のLD駆動電流ILDを供給(注入)されて、たとえば波長915nmの高出力LD光を加工用の原レーザ光LBとして生成する。取り出し用光ファイバ32は、たとえばステップインデックス(SI)型の光ファイバであり、その出射端面より原レーザ光LBを出射する。取り出し用光ファイバ32の出射端面より一定の広がり角で出射された原レーザ光LBは、コリメートレンズ34により平行光にコリメートされてから、分岐ユニット14に入る。
【0034】
図示の構成例では、レーザ発生部12の取り出し用光ファイバ32の途中に光学シャッタ33を設けている。この光学シャッタ33は、シャッタ駆動部35によって開閉駆動される。
【0035】
分岐ユニット14は、約50/50の分岐比を有する初段の部分反射透過ミラーまたはビームスプリッタ36と、次段の全反射ミラーまたは折り返しミラー38とを有している。ビームスプリッタ36は、原レーザ光LBの波長に対して透過率が約50%で反射率が約50%のコーティング膜を有しており、取り出し用光ファイバ32の光軸の延長上に45度の傾きで配置されている。コリメートレンズ34よりビームスプリッタ36に入射した原レーザ光LBのうち、約半分LB(1)はそこを透過してまっすぐ通過し、残りの約半分LB(2)はそこで反射して光路を直角に曲げる。
【0036】
透過光つまり第1の分岐レーザ光LB(1)は、入射ユニット16の第1の集光レンズ40を通って第1の光ファイバ18(1)の一端面(入射端面)に集光入射する。一方、反射光つまり第2の分岐レーザ光LB(2)は、折り返しミラー38で全反射して光路を第1の分岐レーザ光LB(1)の光路と平行にしてから入射ユニット16の第2の集光レンズ42を通って第2の光ファイバ18(2)の一端面(入射端面)に集光入射する。
【0037】
第1および第2の光ファイバ18(1),18(2)は、たとえばSI型であり、任意の長さを有し、レーザ加工場所で第1および第2の加工ステージ10(1),10(2)の上方にそれぞれ配置されている第1および第2の出射ユニット20(1),20(2)内でそれぞれ終端している。
【0038】
第1および第2の出射ユニット20(1),20(2)は、筒状のケーシング内の所定位置にコリメートレンズ44(1),44(2)および集光レンズ46(1),46(2)をそれぞれ設けており、レーザ出射口を加工ステージ10(1),10(2)に向けて配置されている。これらの出射ユニット20(1),20(2)において、光ファイバ18(1),18(2)の他端面(出射端面)より一定の拡がり角で出た加工用の分岐レーザ光LB(1),LB(2)は、コリメートレンズ44(1),44(2)によりそれぞれ平行光にコリメートされてから、集光レンズ46(1),46(2)を通ってレーザ出射口より出射され、加工ステージ10(1),10(2)上に載置されている被加工物W(1),W(2)の加工点にそれぞれ集光入射する。
【0039】
このレーザ加工装置において、たとえばレーザ溶接を行う場合は、レーザ発生部12よりパルス波形の原レーザ光LBが出力される。このパルス波形の原レーザ光LBが分岐ユニット14で2本の分岐レーザ光LB(1),LB(2)に分割され、これらの分岐レーザ光LB(1),LB(2)が光ファイバ18(1),18(2)を介してレーザ加工場所の出射ユニット20(1),20(2)へそれぞれ伝送され、出射ユニット20(1),20(2)より加工ステージ10(1),10(2)上の被加工物W(1),W(2)にそれぞれ集光照射される。被加工物W(1),W(2)の加工点(レーザ照射部分)においては、パルスレーザ光LB(1),LB(2)のエネルギーにより被加工材が溶融し、パルス照射終了後に凝固してナゲットがそれぞれ形成される。
【0040】
制御部22は、たとえばマイクロコンピュータからなり、所望のレーザ加工を実行するために装置内の各部(レーザ電源部28、シャッタ駆動部35等)の制御を行うとともに、入力部(図示せず)および表示部48を通じて加工条件の設定やモニタ表示等の入出力処理を行う。
【0041】
このレーザ加工装置においては、光ファイバ18(1),18(2)が届く範囲内で任意に選択された2箇所のレーザ加工場所で同時に2個の被加工物W(1),W(2)に同一または同種のレーザ加工を施すことができる。しかしながら、光ファイバ伝送方式固有の問題として、光ファイバ18(1),18(2)のいずれか一方または双方が工場内または作業場で任意に曲げられ、あるいは外力や衝撃を受けて、破断または破損することがあり得る。光ファイバ18(1),18(2)が保護管の中に収容されていても、保護管が一緒に破断・破損すれば、光ファイバ18(1),18(2)の破断・破損箇所から高出力の加工用レーザ光LB(1),LB(2)が外へ漏れ出る危険性はあり得る。また、周囲の振動や雰囲気等によって、その他何らかの原因によって、光ファイバ伝送系の光軸アライメントに不具合が生じたり、光学レンズ(40,42,20(1),20(2))が破損あるいは汚れたりすることがある。
【0042】
この実施形態では、本レーザ加工装置の稼動中に光ファイバ伝送系に上記のような異常が発生したときは制御部22に優先してレーザ発生部12のレーザ出力動作を強制的に(つまり制御部22に優先して)直ちに停止させ、本レーザ加工装置が運転を休止している間に異常が発生したときは、レーザ発生部12のレーザ出力動作を強制的に(制御部22に優先して)中止させる光ファイバ伝送系監視部24を備えている。
【0043】
以下に、この実施形態における光ファイバ伝送系監視部24の構成および作用を説明する。
【0044】
この光ファイバ伝送系監視部24は、図1において、モニタ光源50、光重畳器52、光分離器54(1),54(2)、光検出器56(1),56(2)およびインターロック機構58によって構成されている。
【0045】
モニタ光源50は、たとえば高輝度LEDからなり、加工用レーザ光LBとは波長の異なる光ファイバ伝送系監視用の原モニタ光(たとえば650nm)MBを一定のパワーで出力する。この原モニタ光MBは、分岐ユニット14と入射ユニット16との間に設けられた光重畳器52に送られる。
【0046】
光重畳器52は、ビームスプリッタ60および折り返しミラー62を有している。ここで、ビームスプリッタ60は、分岐ユニット14のビームスプリッタ36と入射ユニット16の集光レンズ40との間で第1の加工用分岐レーザ光LB(1)の光路上に45度の傾きで配置されている。一方、折り返しミラー62は、分岐ユニット14の折り返しミラー38と入射ユニット16の集光レンズ42との間で第2の加工用分岐レーザ光LB(2)の光路上に45度の傾きで配置されている。
【0047】
モニタ光源50からの原モニタ光MBは、分岐レーザ光LB(1)の光路と直交する方向から最初にビームスプリッタ60に45度の入射角で入射する。ビームスプリッタ60は、モニタ光MBの波長(650nm)に対しては反射率が約50%、透過率が約50%で、加工用レーザ光LBの波長(915nm)に対しては反射率が約0%、透過率が約100%のコーティング膜を有している。
【0048】
したがって、ビームスプリッタ60に入射した原モニタ光MBのうち、約半分MB(1)がそこで反射して光路を直角に曲げて第1の分岐レーザ光LB(1)に重畳し、集光レンズ40を通って第1の光ファイバ18(1)の入射端面に入射する。残りの約半分MB(2)は、ビームスプリッタ60をまっすぐ透過し、折り返しミラー62で全反射して光路を直角に曲げて第2の分岐レーザ光LB(2)に重畳し、集光レンズ42を通って第2の光ファイバ18(2)の入射端面に入射する。なお、折り返しミラー62には、モニタ光MBの波長に対しては反射率が約100%、透過率が約0%で、加工用レーザ光LBの波長に対しては反射率が約0%、透過率が約100%の膜がコーティングされている。
【0049】
こうして、第1および第2の分岐モニタ光MB(1),MB(2)は、第1および第2の加工用分岐レーザ光LB(1),LB(2)と重畳して両光ファイバ18(1) ,18(2)内をそれぞれ伝搬し、出射ユニット20(1),20(2)において両光ファイバ18(1) ,18(2)の出射端面より一定の拡がり角で出てからコリメートレンズ44(1),44(2)を通って第1および第2の光分離器54(1),54(2)にそれぞれ入射する。
【0050】
光分離器54(1),54(2)は、コリメートレンズ44(1),44(2)と集光レンズ46(1),46(2)との間でレーザ光/モニタ光の光路上に45度の傾きでそれぞれ配置されたビームスプリッタとして構成されている。これらのビームスプリッタ54(1),54(2)は、モニタ光MBの波長に対しては反射率が約100%、透過率が約0%で、加工用レーザ光LBの波長に対しては反射率が約0%、透過率が約100%のコーティング膜を有している。
【0051】
したがって、第1の出射ユニット20(1)内では、コリメートレンズ44(1)を通って第1の光分離器54(1)に入射した第1の加工用分岐レーザ光LB(1)および第1の分岐モニタ光MB(1)のうち、第1の加工用分岐レーザ光LB(1)は光路を変えずにまっすぐ透過し、第1の分岐モニタ光MB(1)は全反射して光路を横へ直角に曲げる。こうして第1の光分離器54(1)により分離された第1の分岐モニタ光MB(1)は、この出射ユニット20(1)の内壁に取り付けられている第1の光検出器56(1)に入射する。
【0052】
また、第2の出射ユニット20(2)内では、コリメートレンズ44(2)を通って第2の光分離器54(2)に入射した第2の加工用分岐レーザ光LB(2)および第2の分岐モニタ光MB(2)のうち、第2の加工用分岐レーザ光LB(2)は光路を変えずにまっすぐ透過し、第2の分岐モニタ光MB(2)は全反射して光路を横へ直角に曲げる。こうして第2の光分離器54(2)により分離された第2の分岐モニタ光MB(2)は、この出射ユニット20(2)の内壁に取り付けられている第2の光検出器56(2)に入射する。
【0053】
図2に、各光検出器56(i)(i=1,2)周りの光学系の好適な一実施例を示す。図示のように、光分離器54(i)と光検出器56(i)の受光面との間の光路上にアパーチャ64(i)および減衰器66(i)が配置されている。
【0054】
アパーチャ64(i)は、光分離器54(i)により分離されたモニタ光MB(i)のビーム径を所望の口径φbに制限するための開口絞りであり、アパーチャ口径φbのサイズを光ファイバ18(i)のコア径φaに対して好ましくは0.5倍〜約1倍(通常の最も好ましい比は1倍)の大きさに選んでいる。このアパーチャ64(i)は、光分離器54(i)により分離されたモニタ光MB(i)の光線束のうちコア光軸付近の中軸部分、好ましくは光ファイバのコア中心部を通ってきた部分CMB(i)を限定的に抽出して光検出器56(i)に受光させる役目を担っている
【0055】
すなわち、光ファイバ18(i)の中を伝搬する加工用レーザ光LB(i)およびモニタ光MB(i)は、シングルモードまたはマルチモードのいずれであっても、図2に模式的に示すように、それぞれのパワー密度が光ファイバ18(i)のコア中心部に集中しており、光ファイバ18(i)の出射端面より出た後もこのプロファイルを保ち続ける。そして、光分離器54(i) より取り出されたモニタ光MB(i)はアパーチャ64(i)に入射し、モニタ光MB(i)うちパワー密度が集中する光軸付近の中心部CMB(i)だけがアパーチャ64(i)の開口を通り抜けて光検出器56(i)の受光部に入射するようになっている。
【0056】
減衰器66(i)は、たとえばNDフィルタからなり、モニタ光MB(i)の光量(光強度)調整を最適化するために、つまり光ファイバ伝送系が正常な状態の下で光検出器56(i)に入射するモニタ光CMB(i)の光量(光強度)が光検出器56(i)の閾値つまり最小受光感度を僅かに超えるレベルに合わせるために設けられる。アパーチャ64(i)だけでそのような光量調整の最適化を達成できる場合は、減衰器66(i)を省くこともできる。
【0057】
なお、光分離器54(i)により取り出されたモニタ光MB(i)の光線束の中には、光ファイバ18(i)のコアを伝搬してくるものだけでなく、クラッドを伝搬してくるものもある。そのようなクラッド伝搬光は、パワー密度が低いだけでなく不定であり、しかもファイバ出射端面から出た後に拡がりやすい。また、コリメートレンズ44(i)は加工用分岐レーザ光LB(i)の波長に合わせて設計されているので、クラッド伝搬光はコリメートレンズ44(i)を通っても平行光にはならずに拡がり続ける。しかし、そのようなクラッド伝播光は、アパーチャ64(i)で遮光され、光検出器56(i)には受光されない。
【0058】
加工用レーザ光LB(i)およびモニタ光MB(i)を伝送する光ファイバ伝送系に異常が発生すると、たとえば光ファイバ18(i)が破断または破損すると、その故障箇所で光が拡散し、故障箇所よりも先(後段)の伝送路にレーザ光LB(i) およびモニタ光MB(i)が伝播し難くなる。その結果、出射ユニット20(i)内において、光ファイバ18(i)の出射端面より出た光のパワー密度分布は図2中の一点鎖線LB(i)’,MB(i) ‘で模式的に示すようにパワー集中部(中心ピーク部)の存在しない崩壊したプロファイルになる。これにより、光分離器54(i) の受光量がステップ的に減少して瞬時かつ確実に閾値(最小受光感度)を下回り、受光センサが光量(パワー)を受光することでセンシング動作を行うことによって光分離器54(i)の出力が2値的に変化するようになっている。
【0059】
図3に、光検出器56(1),56(2)およびインターロック機構58の好適な一実施例を示す。
【0060】
両光検出器56(1),56(2)は同一の回路構成を有している。すなわち、各々の光検出器56(i)は、光電変換素子70(i)、増幅回路72(i)および出力トランジスタ74(i)を有している。光電変換素子70(i)は、たとえばフォトダイオードからなり、増幅回路72(i)より逆方向の電圧を印加され、受光量が閾値(最小受光感度)を下回るときは微小な暗電流を生成し、受光量が閾値(最小受光感度)を上回るときは一定値以上の電流または光電流を生成するようになっている。増幅回路72(i)は、光電変換素子70(i)で暗電流が流れているときは増幅作用を行わずに基準レベル以下(論理値L)の出力電圧ALを発生し、光電変換素子70(i)で光電流が流れているときは電流−電圧変換および増幅作用を行って基準レベル以上(論理値H)の出力電圧AHを発生するようになっている。増幅回路72(i)の出力端子は出力トランジスタ74(i)のベース電極(またはゲート電極)に接続されている。
【0061】
両光検出器56(1),56(2)は、インターロック機構58とそれぞれ対ケーブル68(1),68(2)を介して電気的に接続されている。特に、第1の光検出器56(1) の出力トランジスタ74(1)は、コレクタ(またはドレイン)電極が第1の対ケーブル68(1)の往路を介してインターロック機構58内の電源電圧VDD端子に接続されており、エミッタ(またはソース)電極が第1の対ケーブル68(1)の復路およびインターロック機構58内の第1の駆動変換回路75(1)および第1の初段リレー76(1)の電磁コイルL(1)を介して接地電位VSS端子に接続されている。
【0062】
一方、第2の光検出器56(2) の出力トランジスタ74(2)は、コレクタ(またはドレイン)電極が第2の対ケーブル68(2)の往路を介してインターロック機構58内の電源電圧VDD端子に接続されており、エミッタ(またはソース)電極が第1の対ケーブル68(2)の復路およびインターロック機構58内の第2の駆動変換回路75(2)および第2の初段リレー76(2)の電磁コイルL(2)を介して接地電位VSS端子に接続されている。
【0063】
インターロック機構58において、第1の初段リレー76(1)の接点部S(1)、第2の初段リレー76(2)の接点部S(2)および次段リレー78の電磁コイルL(3)が、電源電圧VDD端子と接地電位VSS端子との間で直列に接続されている。
【0064】
ここで、第1の初段リレー76(1)においては、電磁コイルL(1)に電流が流れる時は接点部S(1)が閉じ(オンし)、電磁コイルL(1)に電流が流れない時は接点部S(1)が開く(オフする)ようになっている。また、第2の初段リレー76(2)においては、電磁コイルL(2)に電流が流れる時は接点部S(2)が閉じ(オンし)、電磁コイルL(2)に電流が流れない時は接点部S(2)が開く(オフする)ようになっている。
【0065】
次段リレー78は、電磁コイルL(3)に2つの接点部S(3a),S(3b)を連動(連結)させており、電磁コイルL(3)に電流が流れる時は両接点部S(3a),S(3b)が閉じ(オンし)、電磁コイルL(3)に電流が流れない時は両接点部S(3a),S(3b)が開く(オフする)ようになっている。
【0066】
次段リレー78の一方の接点部S(3a)は,強制オン/オフ・スイッチとしてレーザ電源28に接続されている。レーザ電源28は、たとえば、商用交流電源からなる一次電源80と、この一次電源80からの商用交流を直流に変換する整流回路(図示せず)と、この整流回路より得られる直流を所望レベルの直流電圧に変換または調整するスイッチング電源回路(図示せず)とを有しており、一次電源80の遮断器として接点部S(3a)を組み込んでいる。
【0067】
接点部S(3a)がオン状態になっているときは、レーザ電源28は、制御部22からの制御の下で通常通りに動作してLDユニット30に駆動電流ILDを供給する。しかし、接点部S(3a)がオフ状態になると、一次電源80が遮断されるため、レーザ電源28は駆動電流ILDの出力を止め、または出力不能状態になるように構成されている。
【0068】
次段リレー78の他方の接点部S(3b)は,光ファイバ18(i),18(2)周りの光伝送系の状態あるいは異常の有無について一種のステータス情報を与えるモニタスイッチとして制御部22に接続されている。制御部22は、接点部S(3a)がオン状態になっているときは光ファイバ18(i),18(2)周りの光伝送系にファイバ破断等の異常は無いものと認識して通常通りに動作し、接点部S(3a)がオフ状態になっているときは光ファイバ18(i),18(2) 周りの光伝送系のいずれかに異常が生じたものと認識して表示部48を通じて所要のモニタ出力を行うようになっている。
【0069】
このレーザ加工装置では、主電源スイッチがオンになっている間は、電源回路(図示せず)より所要の電源電圧が装置各部に供給され、両光検出器56(1),56(2)にはインターロック機構58および電気ケーブル68(1),68(2)の往路を介して電源電圧VDDが給電され、それと同時にモニタ光源50にも駆動用の電源電圧VDDまたは別の電源電圧が給電される。
【0070】
これにより、レーザ発生部12がレーザ出力動作を行っているか否かに関係なく、主電源スイッチがオンになっている期間中つまり装置稼働中は、モニタ光源50より原モニタ光MBが出力され、両光検出器56(1),56(2)が作動する。したがって、両光ファイバ18(1),18(2)周りの光伝送系のいずれも正常であれば原モニタ光MBから光重畳器52を介して派生する2つの分岐モニタ光MB(1),MB(2)はいずれも光ファイバ18(i),18(2) 周りの光伝送系をそれぞれ無事に通過して、出射ユニット20(1),20(1)内で光検出器56(1),56(2)にそれぞれ入射する。
【0071】
この場合、第1の光検出器56(1)では、フォトダイオード70(1)が第1の分岐モニタ光MB(1)の中心抽出部CMB(1)を閾値(最小受光感度)を僅かに超える受光量で受光し、増幅回路72(1)の出力端子より論理値Hの出力電圧AHが出力され、出力トランジスタ74(1)がオン状態を保つ。インターロック機構58内の第1の駆動変換回路75(1)は、第1の電気ケーブル68(1)を介して出力トランジスタ74(1)のオン状態に応動し、第1のリレー76(1)の入力(一次)回路で電磁コイルL(1)に電流を流す。これによって、第1のリレー76(1)の出力(二次)回路において接点部S(1)がオン状態になる。
【0072】
また、第2の光検出器56(2)でも、フォトダイオード70(2)が第2のモニタ光MB(2)の中心抽出部CMB(2)を閾値(最小受光感度)を僅かに超える受光量で受光し、増幅回路72(2)の出力端子より論理値Hの出力電圧AHが出力され、出力トランジスタ74(2)がオン状態を保つ。インターロック機構58内の第2の駆動変換回路75(2)は、第2の電気ケーブル68(2)を介して出力トランジスタ74(2)のオン状態に応動し、第2のリレー76(2)の入力(一次)回路で電磁コイルL(2)に電流を流す。これによって、第2のリレー76(2)の出力(二次)回路において接点部S(2)がオン状態になる。
【0073】
このように第1および第2のリレー76(1),76(2)の接点部S(1),S(2)が共にオン状態になることにより、第3のリレー78の電磁コイルL(3)に電流が流れ、第3のリレー78の接点部S(3a),S(3b)はオン状態を保つ。したがって、レーザ発生部12は、インターロック機構58からの干渉を受けることなく、通常通りに制御部22の制御の下でレーザ出力動作を行う。
【0074】
しかし、主電源スイッチがオンになっている期間中つまり装置稼働中に何らかの原因で光ファイバ18(i),18(2)周りの光伝送系のいずれか一方で異常が発生し、たとえば第2の光ファイバ18(2)が破断したとする。この場合、光ファイバ18(2)が破断するのと同時に、第2の光検出器56(2)においてフォトダイオード70(2)の受光量が瞬時かつ確実に閾値(最小受光感度)を下回り、増幅回路72(2)の出力端子より論理値Lの出力電圧ALが出力され、出力トランジスタ74(2)がオフする。これにより、インターロック機構58においては、第2のリレー76(2)の電磁コイルL(2)に電流が流れなくなり、その接点部S(2)がそれまでのオン状態からオフ状態に切り換わる。そうすると、第3のリレー78の電磁コイルL(3)に電流が流れなくなり、出力回路の接点部S(3a),S(3b)がそれまでのオン状態からオフ状態に切り換わる。
【0075】
インターロック機構58内で接点部S(3a)がオン状態からオフ状態に切り換わると、レーザ電源28の一次電源80が遮断され、レーザ電源28は即時にLD駆動電流ILDの出力を停止し、または中止する。したがって、レーザ発生部12が加工用のレーザ光LBを出力している最中である場合は、レーザ持続時間(たとえばパルス時間)の途中であってもインターロックがかかった時点で直ちにレーザ光LBの出力が止まる。また、レーザ光LBの出力の合間にインターロックがかけられた時は、以後のレーザ出力動作は中止になる。
【0076】
このように、第2の光ファイバ18(2)が破断した時は、光検出器56(2)の出力信号に応動してインターロック機構58のリレー76(2),78がレーザ発生部12のレーザ出力動作を停止させる。このインターロック動作に伴う時間遅れは、実質的にリレー76(2),78のスイッチング時間(通常は優に1μ秒以下)だけであり、光ファイバ18(2)の破断箇所から加工用レーザ光LB(2)が漏出する危険性を十全に阻止または回避することができる。
【0077】
主電源スイッチがオンの期間中つまり装置稼働中に何らかの原因で第1の光ファイバ18(1)が破断した時も、上記と同様であり、第1の光検出器56(1)の出力信号に応動してインターロック機構58のリレー76(1),78がレーザ発生部12のレーザ出力動作を停止させる。この場合も、インターロック動作に伴う時間遅れは、実質的にリレー76(1),78のスイッチング時間だけであり、光ファイバ18(1)の破断箇所から加工用レーザ光LB(1)が漏出する危険性を確実に阻止または回避することができる。
【0078】
また、主電源スイッチがオフになっている期間中つまり装置の非稼働中に、何らかの原因で光ファイバ18(i),18(2)周りの光伝送系のいずれかで異常事態が発生することもあり得る。この場合は、主電源スイッチがオンに切り換えられて装置各部への電源電圧VDDの給電が開始された直後、制御部22が初期化を行っている間に、光ファイバ伝送系監視部24が上記と同様の動作によってレーザ発生部12にインターロックをかける。これにより、レーザ発生部12は、動作休止状態となり、リセットされるまではたとえ制御部22からの命令を受けたとしてもレーザ出力動作を行うことは一切ない。
【0079】
図4に、インターロック機構58の別の実施例を示す。この実施例は、次段リレー(78)を省き、代わりに第1のリレー76(1)の出力回路に2つの接点部S(1a),S(1b)を設け、第2のリレー76(2)の出力回路にも2つの接点部S(2a),S(2b)を設けている。
【0080】
第1のリレー76(1)の一方の接点部S(1a)と第2のリレー76(2)の一方の接点部S(2a)とは、直列接続の強制オン/オフ・スイッチとしてレーザ電源28に接続されている。
【0081】
第1のリレー76(1)の他方の接点部S(1b)と第2のリレー76(2)の他方の接点部S(2b)とは、各々独立したモニタスイッチとしてレーザ電源28に個別に接続されている。
【0082】
装置稼働中に光ファイバ18(1),18(2)周りの光伝送系のいずれも正常であるときは、第1および第2のリレー76(1),76(2)において入力回路の電磁コイルL(1),L(2)に電流が流れ、出力回路の接点部S(1a),S(1b),S(2a),S(2b)はすべてオン状態になる。したがって、レーザ発生部12は、インターロック機構58からの干渉を受けることなく、通常通りに制御部22の制御の下でレーザ出力動作を行う。制御部22も、両光ファイバ18(1),18(2)周りの光伝送系は正常であると認識してレーザ加工のシーケンスを予定通りに実行する。
【0083】
そして、装置稼働中にたとえば第2の光ファイバ18(2)が破断した時は、第2のリレー76(2)において入力回路の電磁コイルL(2)にそれまで流れていた電流が止まり、出力回路の接点部S(2a),S(2b)がそれまでのオン状態からオフ状態に切り換わる。
【0084】
接点部S(2a)がオフすると、これに応動してレーザ発生部12は即座にレーザ出力動作を停止する。そして、リセットされるまでレーザ出力動作を休止する。また、接点部S(2b)がオフすることで、制御部22は第2の光ファイバ18(2)周りの光伝送系に異常が生じたものと認識し、表示部48を通じてモニタ出力する。
【0085】
装置稼働中に第1の光ファイバ18(1)が破断した時も、第1および第2のリレー76(1),76(2)の動作が入れ替わる点を除いて上記と同様の動作が行われ、レーザ発生部12は即座にレーザ出力動作を停止し、制御部22は第1の光ファイバ18(2)周りの光伝送系に異常が生じたことを認識して所要の処理を行う。
【0086】
この実施形態の光ファイバ伝送系監視部24によって検出される光ファイバ伝送系の異常はその殆どが光ファイバの破断または破損であるが、光軸アライメントの不良や光学レンズの汚れ、劣化等も異常として検出可能である。
【0087】
また、図3および図4では図示省略しているが、インターロック機構58内のリレーをシャッタ駆動部33にも接続してよく、光ファイバ18(1),18(2)周りの光伝送系のいずれかで異常を検出したときは、シャッタ駆動部33にインターロックをかけて光学シャッタ31を強制的に閉めることも可能である。
【0088】
本発明においては、各々の光ファイバ18(i)に通されるモニタ光MB(i)を光電変換するのは出射ユニット20(i)内に設けられる光検出器56(1)だけであり、光ファイバ18(i)に入射する直前のモニタ光MB(i)を光電変換する光検出器は不要である。このことは、上記実施形態のように同時多分岐の光ファイバ伝送方式において特に有利であり、分岐数が多いほど大なる利点となる。
【0089】
もっとも、本発明は、分岐無しの構成、すなわち、単一の光ファイバ伝送方式にも適用可能であることはもちろんである。
【0090】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものではない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
【0091】
たとえば、上記実施形態ではレーザ伝送用の光ファイバにSI型の光ファイバを用いたが、GI型等の他型式の光ファイバも使用可能である。レーザ発生部12の構成も種種の変形が可能であり、特に電光変換部26はファイバカップリングLDに限定されず、他の形態のLDも可能であり、あるいはファイバレーザ発振器、YAGレーザ発振器等であってもよい。光検出部の回路構成も種種の変形が可能であり、たとえば、増幅回路72(i)をより簡易なフォトダイオード出力回路とする構成や、出力トランジスタ74(i)をオープンコレクタ接続にしてコレクタの電位(トランジスタのオン・オフ状態)をクランプ回路を介して2値的に読み取る構成等も可能である。インターロック機構内の回路構成も任意に変形可能であり、たとえば電磁リレーに代えて半導体リレーやフォトカプラ等を用いてもよい。
【0092】
本発明のレーザ加工装置は、光ファイバ伝送方式を採用した装置であればレーザ溶接に限るものではなく、たとえば穴あけ、切断、マーキング等の他のレーザ加工にも適用可能である。
【符号の説明】
【0093】
12 レーザ発生部
14 分岐ユニット
16 入射ユニット
18(1),18(2) 光ファイバ
20(1),20(2) 出射ユニット
22 制御部
24 光ファイバ伝送系監視部
26 電光変換部
28 レーザ電源
50 モニタ光源
52 光重畳器
54(1),54(2) 光分離器
56(1),56(2) 光検出器
58 インターロック機構
64(i) アパーチャ
66(i) 光減衰器
75(1),75(2) 駆動変換回路
80 一次電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ発生部より出力された加工用のレーザ光を光ファイバに通して出射ユニットまで伝送し、前記出射ユニットより前記レーザ光を被加工物に集光照射して所望のレーザ加工を行うレーザ加工装置において光ファイバ伝送系の正常監視および異常検出を行なう光ファイバ伝送系監視装置であって、
前記加工用レーザ光と波長が異なるモニタ光を生成するモニタ光源と、
前記モニタ光源からの前記モニタ光を前記加工用レーザ光に重畳させて前記光ファイバの入射端面に入射させる光重畳器と、
前記光ファイバの出射端面より出た前記モニタ光の少なくとも一部を前記加工用レーザ光から分離する光分離器と、
前記光分離器からの光を受光して光電変換により電気信号に変換し、受光量が所定の閾値よりも高いときは第1のモニタ信号を出力し、受光量が前記閾値よりも低いときは第2のモニタ信号を出力する光検出部と、
前記光検出部の出力端子に電気的に直結され、前記モニタ光源が前記モニタ光を生成している期間中に、前記光検出部より前記第1のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部のレーザ出力動作を許可し、または継続させ、前記光検出部より前記第2のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部のレーザ出力動作を禁止し、または停止させるインターロック機構と
を有する光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項2】
制御部の制御の下で動作するレーザ発生部より出力された加工用のレーザ光を光ファイバに通して出射ユニットまで伝送し、前記出射ユニットより前記レーザ光を被加工物に集光照射して所望のレーザ加工を行うレーザ加工装置において光ファイバ伝送系の正常監視および異常検出を行なう光ファイバ伝送系監視装置であって、
前記加工用レーザ光と波長が異なるモニタ光を生成するモニタ光源と、
前記モニタ光源からの前記モニタ光を前記加工用レーザ光に重畳させて前記光ファイバの入射端面に入射させる光重畳器と、
前記光ファイバの出射端面より出た前記モニタ光の少なくとも一部を前記加工用レーザ光から分離する光分離器と、
前記光分離器からの光を受光して光電変換により電気信号に変換し、受光量が所定の閾値よりも高いときは第1のモニタ信号を出力し、受光量が前記閾値よりも低いときは第2のモニタ信号を出力する光検出部と、
前記光検出部の出力端子に電気的に直結され、前記モニタ光源が前記モニタ光を生成している期間中に、前記光検出部より前記第1のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部の制御を前記制御部に任せ、前記光検出部より前記第2のモニタ信号が出力されている時は前記制御部に優先して強制的に前記レーザ発生部のレーザ出力動作を禁止し、または停止させるインターロック機構と
を有する光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項3】
前記モニタ光のビーム径を所望の口径に制限するために前記光分離器と前記光検出部との間に配置されるアパーチャを有する請求項1または請求項2に記載の光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項4】
前記アパーチャが、前記光ファイバのコア径と略同一の口径を有する、請求項3に記載の光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項5】
前記アパーチャが、前記光ファイバのコア径よりも小さな口径を有する、請求項3に記載の光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項6】
前記光分離器により分離された光の光強度を減衰させるために前記光分離器と前記光検出部との間に配置される光減衰器を有する請求項3〜5のいずれか一項に記載の光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項7】
前記光検出部は、光電変換によって前記第1のモニタ信号を出力できる受光量の下限付近に前記閾値を有する、請求項1〜6のいずれか一項記載の光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項8】
前記インターロック機構が、前記光検出部の出力端子に接続された入力回路と、前記レーザ発生部の電源に接続された第1の出力回路とを有する第1のリレーを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項9】
前記レーザ発生部のレーザ光路上に光学シャッタが設けられ、
前記インターロック機構が、前記光学シャッタの駆動部に接続された第2の出力回路を有する第2のリレーを含む、請求項8に記載の光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項10】
前記リレーが、前記入力回路に設けられた電磁コイルと、前記出力回路に設けられた接点部とを有する電磁リレーからなる、請求項8または請求項9に記載の光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項11】
前記レーザ加工装置の主電源スイッチがオンになっている期間中に、所定の電源電圧が前記モニタ光源および前記インターロック機構に同時に供給される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光ファイバ伝送系監視装置。
【請求項12】
加工用のレーザ光を発生するレーザ発生部と、
前記レーザ発生部で生成された前記加工用レーザ光をレーザ加工場所まで伝送するための光ファイバと、
前記レーザ加工場所に設置または配置され、前記光ファイバの出射端面より出た前記加工用レーザ光を被加工物に集光照射する出射ユニットと、
前記加工用レーザ光と波長が異なるモニタ光を生成するモニタ光源と、
前記モニタ光源からの前記モニタ光を前記加工用レーザ光に重畳させて前記光ファイバの入射端面に入射させる光重畳器と、
前記光ファイバの出射端面より出た前記モニタ光の少なくとも一部を前記加工用レーザ光から分離する光分離器と、
前記光分離器からの光を受光して光電変換により電気信号に変換し、受光量が所定の閾値よりも高いときは第1のモニタ信号を出力し、受光量が前記閾値よりも低いときは第2のモニタ信号を出力する光検出部と、
前記光検出部の出力端子に電気的に直結され、前記モニタ光源が前記モニタ光を生成している期間中に、前記光検出部より前記第1のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部のレーザ出力動作を許可し、または継続させ、前記光検出部より前記第2のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部のレーザ出力動作を禁止し、または停止させるインターロック機構と
を有するレーザ加工装置。
【請求項13】
加工用のレーザ光を発生するレーザ発生部と、
前記レーザ発生部の動作を制御する制御部と、
前記レーザ発生部で生成された前記加工用レーザ光をレーザ加工場所まで伝送するための光ファイバと、
前記レーザ加工場所に設置または配置され、前記光ファイバの出射端面より出た前記加工用レーザ光を被加工物に集光照射する出射ユニットと、
前記加工用レーザ光と波長が異なるモニタ光を生成するモニタ光源と、
前記モニタ光源からの前記モニタ光を前記加工用レーザ光に重畳させて前記光ファイバの入射端面に入射させる光重畳器と、
前記光ファイバの出射端面より出た前記モニタ光の少なくとも一部を前記加工用レーザ光から分離する光分離器と、
前記光分離器からの光を受光して光電変換により電気信号に変換し、受光量が所定の閾値よりも高いときは第1のモニタ信号を出力し、受光量が前記閾値よりも低いときは第2のモニタ信号を出力する光検出部と、
前記光検出部の出力端子に電気的に直結され、前記モニタ光源が前記モニタ光を生成している期間中に、前記光検出部より前記第1のモニタ信号が出力されている時は前記レーザ発生部の制御を前記制御部に任せ、前記光検出部より前記第2のモニタ信号が出力されている時は前記制御部に優先して強制的に前記レーザ発生部のレーザ出力動作を禁止し、または停止させるインターロック機構と
を有するレーザ加工装置。
【請求項14】
前記モニタ光のビーム径を所望の口径に制限するために前記光分離器と前記光検出部との間に配置されるアパーチャを有する請求項12または請求項13に記載のレーザ加工装置。
【請求項15】
前記アパーチャが、前記光ファイバのコア径と略同一の口径を有する、請求項14に記載のレーザ加工装置。
【請求項16】
前記アパーチャが、前記光ファイバのコア径よりも小さな口径を有する、請求項14に記載のレーザ加工装置。
【請求項17】
前記光分離器により分離された光の光強度を減衰させるために前記光分離器と前記光検出部との間に配置される光減衰器を有する請求項14〜16のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項18】
前記光検出部は、光電変換によって前記第1のモニタ信号を出力できる受光量の下限付近に前記閾値を有する、請求項12〜17のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項19】
前記インターロック機構が、前記光検出部の出力端子に接続された入力回路と、前記レーザ発生部の電源に接続された第1の出力回路とを有する第1のリレーを含む、請求項12〜18のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項20】
前記レーザ発生部のレーザ光路上に光学シャッタが設けられ、
前記インターロック機構が、前記光学シャッタの駆動部に接続された第2の出力回路とを有する第2のリレーを含む、請求項19に記載のレーザ加工装置。
【請求項21】
前記リレーが、前記入力回路に設けられた電磁コイルと、前記出力回路に設けられた接点部とを有する電磁リレーからなる、請求項19または請求項20に記載のレーザ加工装置。
【請求項22】
主電源スイッチがオンになっている期間中に、所定の電源電圧が前記モニタ光源および前記インターロック機構に同時に供給される、請求項12〜21のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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