説明

光ポインティング装置および電子機器

【課題】光学特性が劣化しにくくて、品質性に優れる光ポインティング装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】LEDから発光されて、指先で反射された反射光を、カバー部材24で導光して、撮像素子15の受光面69に導くようにする。カバー部材24と、撮像素子15を封止している樹脂モールド部40とに接触する第2樹脂部25を設ける。カバー部材24で導光された反射光が、第2樹脂部25と樹脂モールド部40とを経由して受光面69に到達するようにし、空気の層に対して間隔をおいた経路を進行して受光面69に到達するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ポインティング装置に関し、特に、携帯電話等の携帯情報端末に搭載されると好適な光ポインティング装置に関する。また、本発明は、光ポインティング装置を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯情報端末では、キーパッドを利用したユーザーインターフェースを採用しており、ここで使用されるキーパッドは、数字及び文字を入力するための複数個のボタンと方向ボタンで構成されている。
【0003】
近年では、携帯情報端末のディスプレイ部にグラフィックを表すことができるようになり、ディスプレイ部を2次元で用いることができるようになっている。したがって、このように、携帯情報端末の機能が、コンピューターの機能に近づいて、操作が複雑化している昨今では、上記メニューキーおよびその他の機能キーを方向キーとして用いて所望の機能の動作を行う方法は、操作が容易に行うことができないから、携帯情報端末の入力方法として、採用しにくくなっている。そして、コンピューターに用いられているようなマウスやタッチパッドのような操作を可能とするポインティング装置が、所望されるようになっている。
【0004】
このような背景において、ポインティング装置としては、装置に接触する指先等の模様を撮像素子で観察することで、接触面の変化を抽出する方法が提案されている。また、光源により接触面を照明し、接触面の模様をレンズで撮像素子に結像させて、模様の変化を検出することで、指先の動きを入力信号に変換する方法が提案されている。
【0005】
例えば、このようなポインティング装置としては、特表2008−507787号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
【0006】
このポインティング装置は、カバーガラス、光源部および受光部を備え、上記光源部は、光源および光源ガイドからなっている。上記光源が発光した光は、所定角度反射されて、カバーガラスに照射されるようになっている。また、上記カバーガラスに照射された光であって、上記カバーガラスの上面を透過した光は、指の表面によって反射されるようになっている。また、上記指の表面で反射した光は、背面を透過し受光部に照射されるようになっている。上記受光部は、反射鏡、集光レンズおよび光イメージセンサで構成されている。上記反射鏡で反射した光が、集光レンズで結像されて、光イメージセンサに提供されるようになっている。尚、この光ポインティング装置では、各光学部品の間は、媒体としての空気が満たされている場合と、光の消失を最小化するために、光導波管を採用したものとが提案されている。
【0007】
また、他の光ポインティング装置としては、特表2008−510248号公報(特許文献2)に記載されているものがある。
【0008】
この光ポインティング装置は、第1導波管と、第2導波管と、イメージセンサと、カバーグラスと、光源部とを備える。上記第1導波管は、第1反射面と、第1平凸レンズが一体形成されている一方、上記第2導波管は、第2平凸レンズと、第2反射面が一体形成されている。
【0009】
上記光源部が発光した光は、被写体に照射されて、被写体で反射するようになっている。また、被写体で反射した光は、第1反射面によって屈折し、第1反射面によって屈折した光は、第1および第2平凸レンズ部を通過しながら集光されるようになっている。また、第1および第2平凸レンズ部を通過した光は、第2反射面によって再び屈折して、イメージセンサ上に結像されるようになっている。各光学部品の間は、媒体としての空気が満たされている。
【0010】
また、更なる光ポインティング装置としては、特表2007−528554号公報(特許文献3)に記載されているものがある。
【0011】
この光ポインティング装置は、被写体に光を照射する光源と、光源から照射された光を受ける対物面と、映像取得面からの像を反射する光レンズと、光レンズから反射されたイメージを受けて電気信号に切り替える光センサーとから構成されている。上記各部品間には、媒体としての空気が満たされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特表2008−507787号公報
【特許文献2】特表2008−510248号公報
【特許文献3】特表2007−528554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者は、上記従来の光ポインティング装置において、光の消失により光学特性が劣化したり、良好に指の変位を検出できない場合が発生することを見出した。
【0014】
また、本発明者は、これらの問題が、上記従来の光ポインティング装置の結像光学系が、各光学部品間の空気層を利用していることに起因することを発見した。すなわち、従来の装置では、部品の屈折率と、空気の屈折率との差により光が屈折してしまう。そのため、組立のばらつきや、長時間の使用や、振動等による外部からの衝撃等により、部品間の空隙にばらつきが生じ、光の消失により光学特性が劣化する。このことによって、良好に指の変位を検出できないことがある。また、空隙にごみや異物などが付着して、光学特性が劣化することもある。
【0015】
そこで、本発明の課題は、光学特性が劣化しにくくて、品質性に優れる光ポインティング装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、この発明の光ポインティング装置は、
被写体を照明する光源と、
上記光源から発光されて上記被写体で反射された光を導光する導光体と、
上記導光体で導光された上記光を受光する受光面を有する撮像素子と、
上記撮像素子を封止している第1樹脂部と、
上記導光体と上記第1樹脂部とに密着する第2樹脂部と
を備え、
上記導光体で導光された上記光は、上記第2樹脂部と上記第1樹脂部とを経由して上記受光面に到達することを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、光源から発光されて被写体で反射して導光体で導光された光が、上記第2樹脂部と上記第1樹脂部とを経由して上記受光面に到達し、導光体から受光面の間の経路において、空気の層に接触することがない。したがって、部品の屈折率と、空気の屈折率との差に起因して光が屈折することがないと共に、組立のばらつきや、長時間の使用や、振動等による外部からの衝撃等により、部品間の空隙にばらつきが生じることもなくて、光の消失により光学特性が劣化することがない。また、空隙にごみや異物などが付着して、光学特性が劣化することもない。したがって、光学特性が劣化しにくくて、良好に指の変位を検出することができる。
【0018】
また、本発明によれば、部品間の空隙に起因するばらつきが生じることがないから、品質性を優れたものにすることができると共に、歩留まりを大きくすることができて、生産性を向上させることができる。
【0019】
また、一実施形態では、
上記第1樹脂部は、上記導光体に対向する側に凹部を有し、
上記第2樹脂部は、上記凹部に充填されている。
【0020】
上記実施形態によれば、上記第1樹脂部が、上記導光体に対向する側に凹部を有して、上記第2樹脂部が、上記凹部に充填されているから、製品の厚さを薄くすることができる。したがって、薄型の光ポインティング装置を実現できる。
【0021】
また、上記実施形態によれば、第2樹脂部の厚さを、凹部の厚さに同一視できるから、予め精度高い凹部を形成しておくことで、第2樹脂部の厚さを精密に調整できて、品質を格段に向上できて、光学特性を優れたものにすることができる。
【0022】
また、一実施形態では、
上記凹部は、上記受光面の法線方向に略垂直な方向に開口している。
【0023】
上記実施形態によれば、上記凹部は、上記受光面の法線方向に略垂直な方向に開口しているから、第2樹脂部を上記凹部に充填する際、余剰な樹脂を凹部の開口から外部に逃すことができる。したがって、第2樹脂部の樹脂量の管理が容易になり、塗布の安定化を実現することができる。
【0024】
また、本発明の電子機器は、本発明の光ポインティング装置を備えることを特徴としている。
【0025】
本発明によれば、本発明の光ポインティング装置を備えるから、操作性を格段に向上できると共に、操作部の品質保持性を格段に向上することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の光ポインティング装置によれば、被写体からの反射光を撮像素子に結像する光路において、反射光が空気の層を通過せずに撮像素子に達することになるから、反射光が、空気層での屈曲をせずに、撮像素子に達することになる。また、光学部品間にごみ等の異物が付着することもない。したがって、反射光が空気の層に接触することに起因する個体差のばらつきが生じることがなくて、生産性および品質性を、格段に向上させることができる。
【0027】
また、一実施形態の光ポインティング装置によれば、第1樹脂部が導光体側の表面に凹部を有し、この凹部に第2樹脂部が、充填されているから、第2樹脂部の導光体および第1樹脂部への両方の密着を容易かつ確実に行うことができる。また、第2樹脂部の厚さの管理を精密に行うことができると共に、その厚さを薄くできて、薄型化、コンパクト化を実現することができる。また、光ポインティング装置自体の外圧に対する強度も向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態の光ポインティング装置を説明する模式断面図である。
【図2A】上記実施形態の光ポインティング装置での、撮像素子の樹脂モールド部と、カバー部材との接合部周辺の模式拡大図である。
【図2B】従来の光ポインティング装置での、撮像素子の樹脂モールド部と、カバー部材との接合部周辺の模式拡大図である。
【図3A】本発明の第2実施形態の光ポインティング装置の軸方向の模式断面図である。
【図3B】上記第2実施形態の光ポインティング装置の撮像素子の樹脂モールド部を、カバー部材側から見たときの斜視図である。
【図4A】本発明の第3実施形態の光ポインティング装置の軸方向の模式断面図である。
【図4B】上記第3実施形態の光ポインティング装置の撮像素子の樹脂モールド部を、カバー部材側から見たときの斜視図である。
【図5A】本発明の第4実施形態の携帯型電話機の正面図である。
【図5B】第4実施形態の携帯型電話機の背面図である。
【図5C】第4実施形態の携帯型電話機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、光源モジュールとしてLEDを用いた光ポインティング装置を例として説明する。なお、本発明は、以下の実施形態の構成に限定されるものではない。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の光ポインティング装置の模式断面図である。
【0031】
この光ポインティング装置は、回路基板21と、光源の一例としてのLED16と、光源側樹脂モールド部20と、導光体の一例としてのカバー部材24と、撮像素子15と、第1樹脂部としての樹脂モールド部40と、第2樹脂部25とを備える。
【0032】
上記LED16は、被写体としての指先10を照射するようになっている。上記LED16は、カバー部材24の下部に配置され、光源側樹脂モールド部20で封止されている。上記カバー部材24は、接触面11を有する。上記接触面11は、カバー部材24のLED16側とは反対側に位置している。上記カバー部材24においてLED16の光の照射方向にLED16に重なる裏面部分13は、図1の断面において、LED16の出射光の光軸Mに対して傾いており、斜面を構成している。
【0033】
上記LED16から照射された光は、カバー部材24の裏面部分13を透過屈折した後、カバー部材24の接触面11を、LED16の照射光の光軸Mに対して斜めに傾いている方向から照らすようになっている。
【0034】
被写体である指先10は、操作中に接触面11に接触するようになっている。光軸Mに対して傾いた方向から指先10に照射された光は、指先10の裏面で散乱して反射するようになっている。尚、図1では、光ポインティング装置に対する指の状態をわかりやすくするために、指先10は、光ポインティング装置に対して実際よりも小さく描かれている。
【0035】
指先10の像は、カバー部材24の光折り曲げ素子部としてのプリズム部12の垂直方向上側の面である上記接触面11から取り込まれる。このプリズム部12に入射した指の像は、上記裏面(傾斜面)13で全反射し、カバー部材24の上面17を反射し、結像素子である反射型レンズ14により反射して、その後、カバー上面17、下面18、上面17で反射して、第2樹脂部25および樹脂モールド部40を通じて撮像素子15上に結像するようになっている。また、結像された指先10の像は、画像データとして取り込まれるようになっている。
【0036】
上記撮像素子15は、樹脂モールド部40で封止されている。上記第2樹脂25は、カバー部材24と樹脂モールド部40の両方に密着している。言い換えると、上記第2樹脂25とカバー部材24との間に空気の層が存在しない状態になっており、第2樹脂25と樹脂モールド部40との間にも空気の層が存在しないようになっている。このことから、像は、大きく屈折することなく撮像素子15へ結像するようになっている。
【0037】
上記撮像素子15上に結んだ像は、図示されないDSP(Digital Signal Processor)に画像データとして取り込まれるようになっている。上記撮像素子15は、CMOSやCCD等のイメージセンサであり、接触面11の像を一定の間隔で撮影し続けるようになっている。被写体である指先10が移動した場合、撮影される画像は、直前に撮影したものとは、所定量ずれた画像となる。上記画像中の同一部分のずれ量を、DSPで比較して、指先10の移動量と移動方向を判断している。より詳しくは、撮像素子15から得られた画像データを、画像処理して、接触面11に写る指先10の指紋の動きを抽出し、指先10の動きの量と方向を判断するようになっている。
【0038】
尚、上記カバー部材24としては、可視光吸収タイプのポリカーボネート樹脂を使用すると好ましい。また、LED16、撮像素子15を封止している光源側樹脂モールド部20および樹脂モールド部40としては、エポキシあるいはシリコーンからなる樹脂を好適に使用することができ、封止の手段については、一般的なトランスファーモールドによる成型は勿論のこと、インジェクションモールドや、ポッティングなどの他の成型を使用することもできる。また、照射光が通過する部材は、発光波長以外の波長の光がカットできる材料を使用すると、外乱光、迷光対策ができて好ましい。また、空気層をなくすための第2樹脂部25の材料としては、LED発光波長以外の波長の光をカットでき、かつ、カバー部材24と樹脂モールド部40との密着性が高いものが望ましく、材料としてはエポキシあるいはシリコーンからなる樹脂を好適に使用できる。また、屈折率も、カバー部品、封止樹脂とできるだけ近い材料を採用することが望ましい。
【0039】
図2Aは、上記実施形態の光ポインティング装置での、撮像素子15の樹脂モールド部40と、カバー部材24との接合部周辺の模式拡大図である。また、図2Bは、従来の光ポインティング装置での、撮像素子415の樹脂モールド部440と、カバー部材424との接合部周辺の模式拡大図である。
【0040】
図2Bを参照して、カバー部材424と、撮像素子415を封止する樹脂モールド部440との間に樹脂が塗布されていない場合、カバー部材424と空気との屈折率の違いと、樹脂モールド部440と空気との屈折率の違いとにより、反射光が屈折してしまう。そのため、空隙が広がれば広がるほど、撮像素子415へ適正な光信号が伝達できなくなる。つまり、組立時のばらつきや外圧、振動等による空隙の発生により、光ポインティング装置が誤動作してしまうこととなる。また、空隙があるために間にごみや異物が入りやすく誤動作の原因となることがある。
【0041】
一方、図2Aに示す本願発明では、空隙に相当する部分が第2樹脂部としての樹脂モールド部25によって占められて、空隙が存在しにくい構成であるから、反射光の屈折が少なくなり、また、仮に空隙間距離が広がっても、空気層の場合と比較して、光ポインティング装置が誤動作を起こしにくくなるのである。
【0042】
また、空気層をなくすと同時に、第2樹脂部25により、カバー部材24と、樹脂モールド部40とを接着することも可能となり、光ポインティング装置として外圧に対する強度が強くなると共に、ヒートサイクル等の環境試験についても優れる光ポインティング装置の提供が可能となるのである。
【0043】
(第2実施形態)
図3Aは、本発明の第2実施形態の光ポインティング装置の軸方向の模式断面図である。また、図3Bは、上記第2実施形態の光ポインティング装置の撮像素子の樹脂モールド部140を、カバー部材側から見たときの斜視図である。
【0044】
図3Aに示すように、第2実施形態では、撮像素子115を封止している第1樹脂部としての樹脂モールド部140のカバー部材124側の表面の一部に凹部(段差部)155を形成し、その凹部155に、第2樹脂部125を充填している。
【0045】
第2実施形態によれば、第2樹脂部125の樹脂の厚を、容易に凹部155の厚さとすることができるから、第2樹脂部125を、容易に所望の形状にすることができて、光学特性を優れたものにすることができる。
【0046】
凹部がない場合には、第2樹脂部が、カバー部と、樹脂モールド部とで挟持されて、押圧されて、外部に逃げることがある。そして、カバー部と、樹脂モールド部との間に空気の層が発生したり、第2樹脂部の樹脂の厚さが、ばらついたりして、適正な光学特性が得られなくなる可能性があるのである。
【0047】
(第3実施形態)
図4Aは、本発明の第3実施形態の光ポインティング装置の軸方向の模式断面図である。また、図4Bは、上記第3実施形態の光ポインティング装置の撮像素子の樹脂モールド部を、カバー部材側から見たときの斜視図である。
【0048】
第3実施形態では、撮像素子215を封止する第1樹脂部としての樹脂モールド部240のカバー部材224側の表面の一部に凹部(段差部)255を形成している。図4Bに示すように、上記凹部255は、撮像素子215の受光面269(図4A参照)の法線方向に略垂直な方向のうちの3つの方向で開口している。
【0049】
第3実施形態の光ポインティング装置によれば、凹部255が撮像素子215の受光面269の法線方向に略垂直な方向で開口し、凹部255が、樹脂モールド部240の側面につながっているから、第2樹脂部225を凹部255に充填する際、余剰な凹部を、図4Bに矢印A,B,Cに示す方向に流動させて、開口270,271,272を介して、外部に排出することができる。すなわち、開口270,271,272が、樹脂の流れ部としての役割を果たすことができる。したがって、第2樹脂部225を凹部255に隙間なくかつ余剰な樹脂も存在しないように充填することができるから、第2樹脂量の管理を容易に行うことができて、凹部255に対する第2樹脂部の塗布を、個体差によらず安定的に行うことができる。尚、第3実施形態では、撮像素子215を封止する樹脂モールド部240の凹部255が開口270,271,272を3つ有していたが、この発明では、撮像素子を封止する樹脂モールド部の凹部は、開口を1つ、2つ、または、4以上有していても良い。
【0050】
(第4実施形態)
図5Aは、本発明の第4実施形態の携帯型電話機の正面図であり、図5Bは、その携帯型電話機の背面図である。また、図5Cは、その携帯型電話機の側面図である。
【0051】
図5Aに示すように、この携帯型情報端末としての携帯型電話機は、モニター側筐体301、操作側筐体302、マイク部303、テンキー304、モニター部305、スピーカー部306および本発明の光ポインティング装置307を備える。
【0052】
上記スピーカー部306およびマイク部303は、音声情報を入出力するために用いられる。また、上記モニター部305は、映像情報を出力するために用いられ、第4実施形態においては、光ポインティング装置307からの入力情報を表示するためにも用いられる。
【0053】
尚、第4実施形態では、図5Aに示すように、光ポインティング装置307は、テンキー304の上部に配置されているが、配置方法および光ポインティング装置307の向きについては、これに限定されないのは勿論である。
【0054】
また、第4実施形態の携帯型電話機は、図5A〜図5Cに示すように、上部の筐体と下部の筐体とがヒンジを介して接続されている所謂折りたたみ式の携帯型電話機であったが、本発明の光ポインティング装置を搭載することができる携帯型電話機は、折りたたみ式に限られるものでないのは勿論である。しかしながら、携帯型電話機においては、第4実施形態のような折りたたみ式が主流であり、折りたたんだ状態で厚みが10mm以下のものも登場してきている。携帯性を考慮するならばその厚みは極めて重要な要素となるのである。
【0055】
図5Bおよび図5Cに示す、操作側筐体302において、図示されない内部の回路基板等を除いて、その厚みを決定する部品は、マイク部303、テンキー304、光ポインティング装置307となる。この中で、光ポインティング装置307の厚さが最も厚いから、光ポインティング装置307の薄型化は、携帯型電話機の薄型化に直結し、非常に重要である。ここで、図3A,Bおよび図4A,Bで説明したように、本発明の光ポインティング装置は、薄型化を容易に実現できる。したがって、第4実施形態の携帯型電話機は、容易に薄型化およびコンパクト化を実現することができる。
【0056】
尚、第4実施形態では、本発明の光ポインティング装置を、携帯型電話機に搭載したが、この発明の光ポインティング装置は、携帯型電話機に限らず、PDAや、パソコン本体や、電子レンジ等、入力装置を有する如何なる電子機器にも搭載できることは、勿論である。また、この発明の光ポインティング装置で使用できる光源は、LEDに限らず、半導体レーザ素子等のLED以外の発光装置であっても良いことも言うまでもない。
【符号の説明】
【0057】
10 指先
11 接触面
12 プリズム部
13 裏面
14 反射型レンズ
15,115,215,415 撮像素子
16 LED
17 カバー部材の上面の反射面
18 カバー部材の裏面の反射面
20 光源側樹脂モールド部
21 回路基板
24,124,224,424 カバー部材
25,125,225 第2樹脂部
40,140,240,440 樹脂モールド部
69,269 受光面
155,255 凹部
270,271,272 開口
301 モニター側筐体
302 操作側筐体
303 マイク部
304 テンキー
305 モニター部
306 スピーカー部
307 光ポインティング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を照明する光源と、
上記光源から発光されて上記被写体で反射された光を導光する導光体と、
上記導光体で導光された上記光を受光する受光面を有する撮像素子と、
上記撮像素子を封止している第1樹脂部と、
上記導光体と上記第1樹脂部とに密着する第2樹脂部と
を備え、
上記導光体で導光された上記光は、上記第2樹脂部と上記第1樹脂部とを経由して上記受光面に到達することを特徴とする光ポインティング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光ポインティング装置において、
上記第1樹脂部は、上記導光体に対向する側に凹部を有し、
上記第2樹脂部は、上記凹部に充填されていることを特徴とする光ポインティング装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光ポインティング装置において、
上記凹部は、上記受光面の法線方向に略垂直な方向に開口していることを特徴とする光ポインティング装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の光ポインティング装置を備える電子機器。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公開番号】特開2011−70383(P2011−70383A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220598(P2009−220598)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】