光伝送システム及び光伝送方法
【課題】本発明は、多値度を上げることができ、且つ信号波形の劣化や位相雑音への影響を低減できる光伝送システム及び光伝送方法を提供することを目的とする。
【解決手段】光伝送システム301は、信号光とパイロット光を送信する光送信部10と、信号光とパイロット光を受信し、パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて信号光をコヒーレント検波する光受信部20と、2以上のコアを持ち、信号光とパイロット光を異なるコアを通して光送信部10から光受信部20へ伝送するマルチコア光ファイバ31と、を備える。
【解決手段】光伝送システム301は、信号光とパイロット光を送信する光送信部10と、信号光とパイロット光を受信し、パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて信号光をコヒーレント検波する光受信部20と、2以上のコアを持ち、信号光とパイロット光を異なるコアを通して光送信部10から光受信部20へ伝送するマルチコア光ファイバ31と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多値(直交振幅変調)コヒーレント光伝送における光伝送システム及び光伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光伝送の周波数利用効率(光周波数帯域あたりのビットレート)を向上させるため、光電界の振幅と位相を用いた多値変調方式が注目されている。なかでも、QAM(直交振幅変調)と偏波多重を組合せた光信号をコヒーレント光受信する光伝送方式の研究開発が加速している。
【0003】
図1に第1の従来例を示す。多値度が比較的小さい場合、信号光に対しフリーランニングの局発光を用いた方法(イントラダイン)でもデジタル信号処理によって復調することが可能である(例えば、非特許文献1を参照。)。非特許文献1によれば1偏波1タイムスロットあたり多値度64シンボル(6ビット)のQAM光信号のイントラダインによる復調が可能である。
【0004】
図1の構成で、多値度を上げると位相雑音の影響が増大し、光受信部20−1での復調が困難になる。このため、信号光と共に光位相の基準となるパイロット光を多重して送信する技術が知られている(例えば、非特許文献2を参照。)。図2は、パイロット光を用いてコヒーレント光受信をする光伝送方式の例である。信号光を実線、パイロット光を点線で表す。光送信部10−2は、光源11からの光を2分岐し、一方をパイロット光とし、他方を光変調器12で変調して信号光とする。そして、光送信部10−2は、光合波器13でパイロット光と信号光を波長多重し、光ファイバ30へ出力する。
【0005】
光受信部20−2では信号光とパイロット光を分離し、パイロット光に基づいて光位相同期ループ回路26等を用いて発生させた局部発振光(局発光)と信号光を混合してコヒーレント受信する。光受信部20−2の信号処理部23はデジタル信号処理を用いてコヒーレント受信した信号を復調する。信号光とパイロット光の分離を容易にするために、光合波器13での合波前に光周波数シフタを用いてパイロット光の光周波数をシフトさせることもある。非特許文献3によれば1偏波1タイムスロットあたり多値度512シンボル(9ビット)のQAMの復調が可能である。
【0006】
図2の方式では、信号光とパイロット光を合波して1本の光ファイバ30で伝送している。これは、パイロット光と信号光とを別ルート(別ファイバ)で送信すると次のような不具合が発生するからである。例えば、同一ケーブルに収容されるファイバであっても、信号光とパイロット光の位相差は伝送路の温度等によるファイバの伸び縮みがファイバ毎に異なり、その伸縮長の差の揺らぎが波長オーダーに比べて大きくなる。その結果、位相揺らぎが発生して光受信部で受信できなくなる不具合があるためである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Sano他 “100 x 120−Gb/s PDM 64−QAM Transmission over 160 km Using Linewidth−Tolerant Pilotless Digital Coherent Detection” ECOC2010 PD2−4
【非特許文献2】Nakazawa他 “256 QAM (64 Gbit/s) Coherent Optical Transmission over 160 km with an Optical Bandwidth of 5.4 GHz” OFC2010 OMJ5
【非特許文献3】Okamoto他 “512 QAM (54 Gbit/s) Coherent Optical Transmission over 150 km with an Optical Bandwidth of 4.1 GHz” ECOC2010 PD2−3
【非特許文献4】Hayashi他 “Low−Crosstalk and Low−Loss Multi−Core Fiber Utilizing Fiber Bend” OFC2011 OWJ3
【非特許文献5】T.Yamamoto et al,“Spectrally flattened phase−locked multi−carrier light generator with phase modulators and chirped fibre Bragg grating”, Electron. Lett., vol. 43, pp.1040−1042, 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、多値度を上げることができる図2の方式は、パイロット光と信号光を1つのコアに波長多重するため、光受信部での両者の分離時に信号光の波形が劣化するという課題があった。さらに、図2の方式は、信号光による光非線形効果のために光位相の基準となるパイロット光の位相が乱され位相雑音に影響を与えるという課題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題を解決すべく、多値度を上げることができ、且つ信号波形の劣化や位相雑音への影響を低減できる光伝送システム及び光伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る光伝送システム及び光伝送方法は、信号光とパイロット光を同一ファイバの別コアで伝送することとした。
【0011】
具体的には、本発明に係る光伝送システムは、信号光とパイロット光を送信する光送信部と、前記信号光と前記パイロット光を受信し、前記パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて前記信号光をコヒーレント検波する光受信部と、2以上のコアを持ち、前記信号光と前記パイロット光を異なる前記コアを通して前記光送信部から前記光受信部へ伝送するマルチコア光ファイバと、を備える。
【0012】
本発明に係る光伝送方法は、光送信部からの信号光とパイロット光を2以上のコアを持つマルチコア光ファイバの異なる前記コアを通して伝送し、前記パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて前記信号光をコヒーレント検波する。
【0013】
マルチコア光ファイバは一つのクラッド中に複数のコアを有する光ファイバである。本発明は、マルチコア光ファイバを使うことで同一ファイバ中の異なるコアを通して信号光とパイロット光を伝送できる。本発明は、パイロット光を用いるため多値度の制限を緩和できる。さらに、本発明は、パイロット光と信号光とを合波及び分波する必要がなく、信号波形の劣化や位相雑音への影響を低減できる。さらに、同一ファイバ中の異なるコアを伝搬するため、信号光とパイロット光の位相差は温度等によるファイバの伸び縮みの影響を受けない。
【0014】
従って、本発明は、多値度を上げることができ、且つ信号波形の劣化や位相雑音への影響を低減できる光伝送システム及び光伝送方法を提供することができる。
【0015】
本発明に係る光伝送システムの前記光受信部は、前記パイロット光の光位相と相関する単色光を生成して前記局部発振光とする光位相同期ループ(Phase Locked Loop)回路を有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る光伝送システムの前記光受信部は、前記パイロット光を光増幅して前記局部発振光とする光増幅器を有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る光伝送システム及び光伝送方法は、前記信号光と前記パイロット光の少なくとも一方が波長多重されて前記マルチコア光ファイバを伝搬する。波長多重化によるさらなる大容量化が可能となる。
【0018】
本発明に係る光伝送システムは、複数の前記光送信部が送信する前記信号光と前記パイロット光の少なくとも一方を合波して波長多重光とし、前記マルチコア光ファイバに結合する光合波器と、前記マルチコア光ファイバが伝搬する、前記光合波器で波長多重された波長多重光を分波して波長毎に複数の前記光受信部へ結合する光分波器と、をさらに備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、多値度を上げることができ、且つ信号波形の劣化や位相雑音への影響を低減できる光伝送システム及び光伝送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来の光伝送システムを説明する図である。
【図2】従来の光伝送システムを説明する図である。
【図3】マルチコア光ファイバの構造を説明する図である。
【図4】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図5】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図6】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図7】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図8】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図9】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図10】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図11】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図12】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図13】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図14】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
図4は、実施形態1の光伝送システム301を説明する図である。光伝送システム301は、信号光とパイロット光を送信する光送信部10と、信号光とパイロット光を受信し、パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて信号光をコヒーレント検波する光受信部20と、2以上のコアを持ち、信号光とパイロット光を異なるコアを通して光送信部10から光受信部20へ伝送するマルチコア光ファイバ31と、を備える。
【0022】
マルチコア光ファイバ31は一つのクラッド中に複数のコアを有する光ファイバである(例えば、非特許文献4を参照。)。図3にマルチコア光ファイバの例を示す。本例では一本のファイバ中に7つのコアを有するが、信号光とパイロット光とを別コアで伝送できれば良いため、マルチコア光ファイバ31のコア数は2以上であればよい。
【0023】
光伝送システム301の光送信部10は、信号光とパイロット光を1つのコアに多重せず、マルチコア光ファイバの異なる2つのコアに入射し、光受信部20で受信する。
【0024】
図5は、光伝送システム301の構造を具体的に示した図である。光送信部10−2は一つの光源11の出力を2分岐し、一方を光変調器12で変調して信号光を生成し、他方はパイロット光として用いる。信号光とパイロット光はマルチコア光ファイバ31を通して伝搬され、光受信部20−3に入力される。
【0025】
光受信部20−3はパイロット光を光位相同期ループ回路(光PLL回路)26に入力する。光PLL回路26はパイロット光の光位相と相関のとれた単色光を生成し、これがコヒーレント受信の局発光として用いられる。信号光と局発光はコヒーレント検波手段でミキシングされ、その電気出力が後段の信号処理部に入力され、復調される。図面において信号光が通る経路を実線、パイロット光が通る経路を点線で表す。
【0026】
図6は、光伝送システム302の構造を具体的に示した図である。図5の光伝送システム301と図6の光伝送システム302との違いは、光受信部20−3の代替として光受信部20−4を備えることである。信号光とパイロット光を異なるコアで伝搬した場合、信号光によるパイロット光への光非線形効果による歪みが生じない。このため図5の光受信部20−3の光PLL回路26を省略することが可能となる。光伝送システム302は、光PLL回路26を省略し、パイロット光を光増幅器27で増幅して局発光を生成する。
【0027】
図7は、光伝送システム303の構造を具体的に示した図である。図5の光伝送システム301と図7の光伝送システム303との違いは、光送信部10−2の代替として光送信部10−3を備えることである。光送信部10−3は外部に設けた光源11から信号光とパイロット光の種となる光を入力する。
【0028】
図8は、光伝送システム304を説明する図である。図4の光伝送システム301と図8の光伝送システム304との違いは、パイロット光または信号光を伝送中に光増幅することである。光伝送システム304はマルチコア光ファイバ31の途中で光増幅中継部40を設け信号光またはパイロット光を光増幅器41で増幅する。光増幅中継部40を設けたことで伝送距離を長延化することが可能となる。光増幅手段としては光増幅中継部40を設ける集中型増幅方法の他に、マルチコア光ファイバ31のコア中で誘導ラマン効果を誘起して伝送ファイバの全部または一部を用いて増幅する分布型増幅方法も許される。
【0029】
図9は、光伝送システム305を説明する図である。図4の光伝送システム301との違いは、複数の信号光を用いることである。光伝送システム305はマルチコア光ファイバ31のコア数が3つ以上であり、パイロット光に1コア、信号光に2コア以上を割り当てている。光伝送システム305は、光伝送システム301に比べて信号光用のコア数に比例した伝送容量の大容量化が可能である。
【0030】
図10は、光伝送システム306を説明する図である。図4の光伝送システム301と図10の光伝送システム306との違いは、双方向通信を可能としたことである。光伝送システム306はマルチコア光ファイバ31のコア数が4つ以上である。各コアに上り方向の信号光及びパイロット光、並びに下り方向の信号光及びパイロット光を伝搬させることで一方向のみならず双方向通信が可能となる。光伝送システム306は、光送信および受信機能を備えたトランスポンダに適用することが可能である。
【0031】
(実施形態2)
実施形態2の光伝送システムは、信号光とパイロット光の少なくとも一方が波長多重されてマルチコア光ファイバを伝搬することを特徴とする。図11は、光伝送システム307の構造を具体的に示した図である。図5の光伝送システム301との違いは、光伝送システム307が、複数の光送信部10が異なる波長で送信する信号光と前記信号光に対応するパイロット光を合波し、各々波長多重光としてマルチコア光ファイバ31のパイロット用コアと信号光用コアに結合する光合波器51と、マルチコア光ファイバ31が伝搬する前記波長多重光を分波して波長毎に複数の光受信部20へ結合する光分波器52と、をさらに備えることである。
【0032】
光伝送システム307は波長(光周波数)の異なる信号光を波長多重する。光伝送システム307は光周波数の異なる信号光およびそれらに対応したパイロット光を各々光合波器51を用いて波長多重し、波長多重した信号光および波長多重したパイロット光としてマルチコア光ファイバ31の異なるコアに伝搬させる。波長多重した信号光および波長多重したパイロット光は、光受信部20の前段に設けられた光分波器52を用いて各々対応する信号光とパイロット光の組に分けられ、光受信部20で復調される。光伝送システム307は、波長多重化による更なる大容量化が可能となる。
信号光とパイロット光の波長多重は図13のような方法も許される。図11と比較して、本実施例では波長多重信号光の各キャリア光周波数間隔を小さくできるため、光周波数帯域あたりの利用効率を高くすることが可能である。
【0033】
図11では、信号光及びパイロット光の双方を波長多重する光伝送システムを説明したが、いずれか一方のみ波長多重しても良い。信号光のみ波長多重する構成としては、光受信部20において、単一波長のパイロット光をモード同期レーザ等の多波長光源に注入し、パイロット光に注入同期した当該多波長光源からの多波長光を局発光として使用する。あるいは、光受信部20において、単一波長のパイロット光を種光とし、前記種光を変調することで発生する変調サイドバンドと前記種光自身を各信号光に対応する局発光として使用する。
【0034】
パイロット光のみ波長多重する構成としては、マルチコアのうち一つのコアで波長多重パイロット光を伝送し、それ以外のコアでそれぞれ波長の異なる単一波長の信号光を伝送する。光受信部において、一つのコアで伝送した波長多重パイロット光を波長毎に分岐し、それぞれの異なるコアで伝送された異なる単一波長の信号光の受信に使用する。上記構成は、図9に示す「パイロット光に1コア、信号光に2コア以上を割り当てる」の1バリエーションでもある。
【0035】
パイロット光のみ波長多重する他の構成としては、図14に示すように、マルチコアのうち一つのコアで波長多重パイロット光を伝送し、それ以外のコアでそれぞれ単一波長の信号光を伝送する。コヒーレント検波手段の帯域を上回るような高ボーレートの信号光を受信する場合は前記信号光の帯域を複数に分割し、分割された各々の帯域に対応する複数のパイロット光をミキシングし、後段のデジタル信号処理によって再合成することが可能となる。本方法は波長多重された高ボーレートの信号光に対しても適用可能である。波長多重パイロット光の発生方法は前述のように伝送された単一波長の種光から光受信部で複数発生させる方法も許される。
【0036】
図12は、光伝送システム308の構造を具体的に示した図である。図11の光伝送システム307と図8の光伝送システム308との違いは、光送信部10の代替として光送信部10’とマルチキャリア光源11’を備えることである。光伝送システム308は図7で説明したように光送信部10’の外部にマルチキャリア光源11’を備え、その出力を各光送信部10’に供給する。マルチキャリア光源11’は、例えば非特許文献5のような光源が利用できる。光伝送システム308は各信号光および各パイロット光の種を共通化することにより光周波数の管理が容易になる。
【0037】
図11の光伝送システム307及び図12の光伝送システム308では光送信部(10、10’)と光合波器51の区間および光受信部20と光分波器52の区間をマルチコア光ファイバ35で接続し、信号光およびパイロット光を伝送している。当該区間が短い距離であれば、信号光およびパイロット光を別々の光ファイバで伝送することも可能である。ここで、短い距離とは、例えば、非特許文献2及び3に記載されるように数メートル程度である。
【0038】
また、図5〜7の光送信部(10−2、10−3)内、光受信部(20−3、20−4)内、及び図8の光増幅中継部40内に信号光およびパイロット光を別々の光ファイバで伝送する部分が存在するが、同様に短い距離であれば、発明の効果に影響を及ぼさない。
【0039】
(他の実施形態)
上記実施形態で説明した光送信部または光受信部において、光周波数シフタを用いてパイロット光または信号光の光周波数をシフトさせることも可能である。
また、上記実施形態では、光送信部において信号光とパイロット光は同一の光源からの光を分岐して使用しているが、互いに位相同期した異なる光源からの光をそれぞれ信号光とパイロット光として用いることも可能である。
【符号の説明】
【0040】
10、10’、10−1、10−2、10−3:光送信部
11:光源
11’:マルチキャリア光源
12:光変調器
13:光合波器
20、20−1,20−2,20−3,20−4:光受信部
21:局発光源
22:コヒーレント検波手段
23:信号処理部
25:光分離器
26:光位相同期ループ回路(光PLL回路)
27:光増幅器
30、35:光ファイバ
31:マルチコア光ファイバ
40:光増幅中継部
41:光増幅器
51:光合波器
52:光分波器
301〜308:光伝送システム
【技術分野】
【0001】
本発明は多値(直交振幅変調)コヒーレント光伝送における光伝送システム及び光伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光伝送の周波数利用効率(光周波数帯域あたりのビットレート)を向上させるため、光電界の振幅と位相を用いた多値変調方式が注目されている。なかでも、QAM(直交振幅変調)と偏波多重を組合せた光信号をコヒーレント光受信する光伝送方式の研究開発が加速している。
【0003】
図1に第1の従来例を示す。多値度が比較的小さい場合、信号光に対しフリーランニングの局発光を用いた方法(イントラダイン)でもデジタル信号処理によって復調することが可能である(例えば、非特許文献1を参照。)。非特許文献1によれば1偏波1タイムスロットあたり多値度64シンボル(6ビット)のQAM光信号のイントラダインによる復調が可能である。
【0004】
図1の構成で、多値度を上げると位相雑音の影響が増大し、光受信部20−1での復調が困難になる。このため、信号光と共に光位相の基準となるパイロット光を多重して送信する技術が知られている(例えば、非特許文献2を参照。)。図2は、パイロット光を用いてコヒーレント光受信をする光伝送方式の例である。信号光を実線、パイロット光を点線で表す。光送信部10−2は、光源11からの光を2分岐し、一方をパイロット光とし、他方を光変調器12で変調して信号光とする。そして、光送信部10−2は、光合波器13でパイロット光と信号光を波長多重し、光ファイバ30へ出力する。
【0005】
光受信部20−2では信号光とパイロット光を分離し、パイロット光に基づいて光位相同期ループ回路26等を用いて発生させた局部発振光(局発光)と信号光を混合してコヒーレント受信する。光受信部20−2の信号処理部23はデジタル信号処理を用いてコヒーレント受信した信号を復調する。信号光とパイロット光の分離を容易にするために、光合波器13での合波前に光周波数シフタを用いてパイロット光の光周波数をシフトさせることもある。非特許文献3によれば1偏波1タイムスロットあたり多値度512シンボル(9ビット)のQAMの復調が可能である。
【0006】
図2の方式では、信号光とパイロット光を合波して1本の光ファイバ30で伝送している。これは、パイロット光と信号光とを別ルート(別ファイバ)で送信すると次のような不具合が発生するからである。例えば、同一ケーブルに収容されるファイバであっても、信号光とパイロット光の位相差は伝送路の温度等によるファイバの伸び縮みがファイバ毎に異なり、その伸縮長の差の揺らぎが波長オーダーに比べて大きくなる。その結果、位相揺らぎが発生して光受信部で受信できなくなる不具合があるためである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Sano他 “100 x 120−Gb/s PDM 64−QAM Transmission over 160 km Using Linewidth−Tolerant Pilotless Digital Coherent Detection” ECOC2010 PD2−4
【非特許文献2】Nakazawa他 “256 QAM (64 Gbit/s) Coherent Optical Transmission over 160 km with an Optical Bandwidth of 5.4 GHz” OFC2010 OMJ5
【非特許文献3】Okamoto他 “512 QAM (54 Gbit/s) Coherent Optical Transmission over 150 km with an Optical Bandwidth of 4.1 GHz” ECOC2010 PD2−3
【非特許文献4】Hayashi他 “Low−Crosstalk and Low−Loss Multi−Core Fiber Utilizing Fiber Bend” OFC2011 OWJ3
【非特許文献5】T.Yamamoto et al,“Spectrally flattened phase−locked multi−carrier light generator with phase modulators and chirped fibre Bragg grating”, Electron. Lett., vol. 43, pp.1040−1042, 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、多値度を上げることができる図2の方式は、パイロット光と信号光を1つのコアに波長多重するため、光受信部での両者の分離時に信号光の波形が劣化するという課題があった。さらに、図2の方式は、信号光による光非線形効果のために光位相の基準となるパイロット光の位相が乱され位相雑音に影響を与えるという課題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題を解決すべく、多値度を上げることができ、且つ信号波形の劣化や位相雑音への影響を低減できる光伝送システム及び光伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る光伝送システム及び光伝送方法は、信号光とパイロット光を同一ファイバの別コアで伝送することとした。
【0011】
具体的には、本発明に係る光伝送システムは、信号光とパイロット光を送信する光送信部と、前記信号光と前記パイロット光を受信し、前記パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて前記信号光をコヒーレント検波する光受信部と、2以上のコアを持ち、前記信号光と前記パイロット光を異なる前記コアを通して前記光送信部から前記光受信部へ伝送するマルチコア光ファイバと、を備える。
【0012】
本発明に係る光伝送方法は、光送信部からの信号光とパイロット光を2以上のコアを持つマルチコア光ファイバの異なる前記コアを通して伝送し、前記パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて前記信号光をコヒーレント検波する。
【0013】
マルチコア光ファイバは一つのクラッド中に複数のコアを有する光ファイバである。本発明は、マルチコア光ファイバを使うことで同一ファイバ中の異なるコアを通して信号光とパイロット光を伝送できる。本発明は、パイロット光を用いるため多値度の制限を緩和できる。さらに、本発明は、パイロット光と信号光とを合波及び分波する必要がなく、信号波形の劣化や位相雑音への影響を低減できる。さらに、同一ファイバ中の異なるコアを伝搬するため、信号光とパイロット光の位相差は温度等によるファイバの伸び縮みの影響を受けない。
【0014】
従って、本発明は、多値度を上げることができ、且つ信号波形の劣化や位相雑音への影響を低減できる光伝送システム及び光伝送方法を提供することができる。
【0015】
本発明に係る光伝送システムの前記光受信部は、前記パイロット光の光位相と相関する単色光を生成して前記局部発振光とする光位相同期ループ(Phase Locked Loop)回路を有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る光伝送システムの前記光受信部は、前記パイロット光を光増幅して前記局部発振光とする光増幅器を有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る光伝送システム及び光伝送方法は、前記信号光と前記パイロット光の少なくとも一方が波長多重されて前記マルチコア光ファイバを伝搬する。波長多重化によるさらなる大容量化が可能となる。
【0018】
本発明に係る光伝送システムは、複数の前記光送信部が送信する前記信号光と前記パイロット光の少なくとも一方を合波して波長多重光とし、前記マルチコア光ファイバに結合する光合波器と、前記マルチコア光ファイバが伝搬する、前記光合波器で波長多重された波長多重光を分波して波長毎に複数の前記光受信部へ結合する光分波器と、をさらに備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、多値度を上げることができ、且つ信号波形の劣化や位相雑音への影響を低減できる光伝送システム及び光伝送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来の光伝送システムを説明する図である。
【図2】従来の光伝送システムを説明する図である。
【図3】マルチコア光ファイバの構造を説明する図である。
【図4】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図5】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図6】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図7】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図8】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図9】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図10】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図11】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図12】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図13】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【図14】本発明に係る光伝送システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
図4は、実施形態1の光伝送システム301を説明する図である。光伝送システム301は、信号光とパイロット光を送信する光送信部10と、信号光とパイロット光を受信し、パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて信号光をコヒーレント検波する光受信部20と、2以上のコアを持ち、信号光とパイロット光を異なるコアを通して光送信部10から光受信部20へ伝送するマルチコア光ファイバ31と、を備える。
【0022】
マルチコア光ファイバ31は一つのクラッド中に複数のコアを有する光ファイバである(例えば、非特許文献4を参照。)。図3にマルチコア光ファイバの例を示す。本例では一本のファイバ中に7つのコアを有するが、信号光とパイロット光とを別コアで伝送できれば良いため、マルチコア光ファイバ31のコア数は2以上であればよい。
【0023】
光伝送システム301の光送信部10は、信号光とパイロット光を1つのコアに多重せず、マルチコア光ファイバの異なる2つのコアに入射し、光受信部20で受信する。
【0024】
図5は、光伝送システム301の構造を具体的に示した図である。光送信部10−2は一つの光源11の出力を2分岐し、一方を光変調器12で変調して信号光を生成し、他方はパイロット光として用いる。信号光とパイロット光はマルチコア光ファイバ31を通して伝搬され、光受信部20−3に入力される。
【0025】
光受信部20−3はパイロット光を光位相同期ループ回路(光PLL回路)26に入力する。光PLL回路26はパイロット光の光位相と相関のとれた単色光を生成し、これがコヒーレント受信の局発光として用いられる。信号光と局発光はコヒーレント検波手段でミキシングされ、その電気出力が後段の信号処理部に入力され、復調される。図面において信号光が通る経路を実線、パイロット光が通る経路を点線で表す。
【0026】
図6は、光伝送システム302の構造を具体的に示した図である。図5の光伝送システム301と図6の光伝送システム302との違いは、光受信部20−3の代替として光受信部20−4を備えることである。信号光とパイロット光を異なるコアで伝搬した場合、信号光によるパイロット光への光非線形効果による歪みが生じない。このため図5の光受信部20−3の光PLL回路26を省略することが可能となる。光伝送システム302は、光PLL回路26を省略し、パイロット光を光増幅器27で増幅して局発光を生成する。
【0027】
図7は、光伝送システム303の構造を具体的に示した図である。図5の光伝送システム301と図7の光伝送システム303との違いは、光送信部10−2の代替として光送信部10−3を備えることである。光送信部10−3は外部に設けた光源11から信号光とパイロット光の種となる光を入力する。
【0028】
図8は、光伝送システム304を説明する図である。図4の光伝送システム301と図8の光伝送システム304との違いは、パイロット光または信号光を伝送中に光増幅することである。光伝送システム304はマルチコア光ファイバ31の途中で光増幅中継部40を設け信号光またはパイロット光を光増幅器41で増幅する。光増幅中継部40を設けたことで伝送距離を長延化することが可能となる。光増幅手段としては光増幅中継部40を設ける集中型増幅方法の他に、マルチコア光ファイバ31のコア中で誘導ラマン効果を誘起して伝送ファイバの全部または一部を用いて増幅する分布型増幅方法も許される。
【0029】
図9は、光伝送システム305を説明する図である。図4の光伝送システム301との違いは、複数の信号光を用いることである。光伝送システム305はマルチコア光ファイバ31のコア数が3つ以上であり、パイロット光に1コア、信号光に2コア以上を割り当てている。光伝送システム305は、光伝送システム301に比べて信号光用のコア数に比例した伝送容量の大容量化が可能である。
【0030】
図10は、光伝送システム306を説明する図である。図4の光伝送システム301と図10の光伝送システム306との違いは、双方向通信を可能としたことである。光伝送システム306はマルチコア光ファイバ31のコア数が4つ以上である。各コアに上り方向の信号光及びパイロット光、並びに下り方向の信号光及びパイロット光を伝搬させることで一方向のみならず双方向通信が可能となる。光伝送システム306は、光送信および受信機能を備えたトランスポンダに適用することが可能である。
【0031】
(実施形態2)
実施形態2の光伝送システムは、信号光とパイロット光の少なくとも一方が波長多重されてマルチコア光ファイバを伝搬することを特徴とする。図11は、光伝送システム307の構造を具体的に示した図である。図5の光伝送システム301との違いは、光伝送システム307が、複数の光送信部10が異なる波長で送信する信号光と前記信号光に対応するパイロット光を合波し、各々波長多重光としてマルチコア光ファイバ31のパイロット用コアと信号光用コアに結合する光合波器51と、マルチコア光ファイバ31が伝搬する前記波長多重光を分波して波長毎に複数の光受信部20へ結合する光分波器52と、をさらに備えることである。
【0032】
光伝送システム307は波長(光周波数)の異なる信号光を波長多重する。光伝送システム307は光周波数の異なる信号光およびそれらに対応したパイロット光を各々光合波器51を用いて波長多重し、波長多重した信号光および波長多重したパイロット光としてマルチコア光ファイバ31の異なるコアに伝搬させる。波長多重した信号光および波長多重したパイロット光は、光受信部20の前段に設けられた光分波器52を用いて各々対応する信号光とパイロット光の組に分けられ、光受信部20で復調される。光伝送システム307は、波長多重化による更なる大容量化が可能となる。
信号光とパイロット光の波長多重は図13のような方法も許される。図11と比較して、本実施例では波長多重信号光の各キャリア光周波数間隔を小さくできるため、光周波数帯域あたりの利用効率を高くすることが可能である。
【0033】
図11では、信号光及びパイロット光の双方を波長多重する光伝送システムを説明したが、いずれか一方のみ波長多重しても良い。信号光のみ波長多重する構成としては、光受信部20において、単一波長のパイロット光をモード同期レーザ等の多波長光源に注入し、パイロット光に注入同期した当該多波長光源からの多波長光を局発光として使用する。あるいは、光受信部20において、単一波長のパイロット光を種光とし、前記種光を変調することで発生する変調サイドバンドと前記種光自身を各信号光に対応する局発光として使用する。
【0034】
パイロット光のみ波長多重する構成としては、マルチコアのうち一つのコアで波長多重パイロット光を伝送し、それ以外のコアでそれぞれ波長の異なる単一波長の信号光を伝送する。光受信部において、一つのコアで伝送した波長多重パイロット光を波長毎に分岐し、それぞれの異なるコアで伝送された異なる単一波長の信号光の受信に使用する。上記構成は、図9に示す「パイロット光に1コア、信号光に2コア以上を割り当てる」の1バリエーションでもある。
【0035】
パイロット光のみ波長多重する他の構成としては、図14に示すように、マルチコアのうち一つのコアで波長多重パイロット光を伝送し、それ以外のコアでそれぞれ単一波長の信号光を伝送する。コヒーレント検波手段の帯域を上回るような高ボーレートの信号光を受信する場合は前記信号光の帯域を複数に分割し、分割された各々の帯域に対応する複数のパイロット光をミキシングし、後段のデジタル信号処理によって再合成することが可能となる。本方法は波長多重された高ボーレートの信号光に対しても適用可能である。波長多重パイロット光の発生方法は前述のように伝送された単一波長の種光から光受信部で複数発生させる方法も許される。
【0036】
図12は、光伝送システム308の構造を具体的に示した図である。図11の光伝送システム307と図8の光伝送システム308との違いは、光送信部10の代替として光送信部10’とマルチキャリア光源11’を備えることである。光伝送システム308は図7で説明したように光送信部10’の外部にマルチキャリア光源11’を備え、その出力を各光送信部10’に供給する。マルチキャリア光源11’は、例えば非特許文献5のような光源が利用できる。光伝送システム308は各信号光および各パイロット光の種を共通化することにより光周波数の管理が容易になる。
【0037】
図11の光伝送システム307及び図12の光伝送システム308では光送信部(10、10’)と光合波器51の区間および光受信部20と光分波器52の区間をマルチコア光ファイバ35で接続し、信号光およびパイロット光を伝送している。当該区間が短い距離であれば、信号光およびパイロット光を別々の光ファイバで伝送することも可能である。ここで、短い距離とは、例えば、非特許文献2及び3に記載されるように数メートル程度である。
【0038】
また、図5〜7の光送信部(10−2、10−3)内、光受信部(20−3、20−4)内、及び図8の光増幅中継部40内に信号光およびパイロット光を別々の光ファイバで伝送する部分が存在するが、同様に短い距離であれば、発明の効果に影響を及ぼさない。
【0039】
(他の実施形態)
上記実施形態で説明した光送信部または光受信部において、光周波数シフタを用いてパイロット光または信号光の光周波数をシフトさせることも可能である。
また、上記実施形態では、光送信部において信号光とパイロット光は同一の光源からの光を分岐して使用しているが、互いに位相同期した異なる光源からの光をそれぞれ信号光とパイロット光として用いることも可能である。
【符号の説明】
【0040】
10、10’、10−1、10−2、10−3:光送信部
11:光源
11’:マルチキャリア光源
12:光変調器
13:光合波器
20、20−1,20−2,20−3,20−4:光受信部
21:局発光源
22:コヒーレント検波手段
23:信号処理部
25:光分離器
26:光位相同期ループ回路(光PLL回路)
27:光増幅器
30、35:光ファイバ
31:マルチコア光ファイバ
40:光増幅中継部
41:光増幅器
51:光合波器
52:光分波器
301〜308:光伝送システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光とパイロット光を送信する光送信部と、
前記信号光と前記パイロット光を受信し、前記パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて前記信号光をコヒーレント検波する光受信部と、
2以上のコアを持ち、前記信号光と前記パイロット光を異なる前記コアを通して前記光送信部から前記光受信部へ伝送するマルチコア光ファイバと、
を備える光伝送システム。
【請求項2】
前記光受信部は、
前記パイロット光の光位相と相関を有する単色光を生成して前記局部発振光とする光位相同期ループ(Phase Locked Loop)回路を有することを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
【請求項3】
前記光受信部は、
前記パイロット光を光増幅して前記局部発振光とする光増幅器を有することを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
【請求項4】
前記信号光と前記パイロット光の少なくとも一方が波長多重されて前記マルチコア光ファイバを伝搬することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光伝送システム。
【請求項5】
複数の前記光送信部が送信する前記信号光と前記パイロット光の少なくとも一方を合波して波長多重光とし、前記マルチコア光ファイバに結合する光合波器と、
前記マルチコア光ファイバが伝搬する、前記光合波器で波長多重された波長多重光を分波して波長毎に複数の前記光受信部へ結合する光分波器と、
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の光伝送システム。
【請求項6】
光送信部からの信号光とパイロット光を2以上のコアを持つマルチコア光ファイバの異なる前記コアを通して伝送し、前記パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて前記信号光をコヒーレント検波する光伝送方法。
【請求項7】
前記信号光と前記パイロット光の少なくとも一方が波長多重されて前記マルチコア光ファイバを伝搬することを特徴とする請求項6に記載の光伝送方法。
【請求項1】
信号光とパイロット光を送信する光送信部と、
前記信号光と前記パイロット光を受信し、前記パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて前記信号光をコヒーレント検波する光受信部と、
2以上のコアを持ち、前記信号光と前記パイロット光を異なる前記コアを通して前記光送信部から前記光受信部へ伝送するマルチコア光ファイバと、
を備える光伝送システム。
【請求項2】
前記光受信部は、
前記パイロット光の光位相と相関を有する単色光を生成して前記局部発振光とする光位相同期ループ(Phase Locked Loop)回路を有することを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
【請求項3】
前記光受信部は、
前記パイロット光を光増幅して前記局部発振光とする光増幅器を有することを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
【請求項4】
前記信号光と前記パイロット光の少なくとも一方が波長多重されて前記マルチコア光ファイバを伝搬することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光伝送システム。
【請求項5】
複数の前記光送信部が送信する前記信号光と前記パイロット光の少なくとも一方を合波して波長多重光とし、前記マルチコア光ファイバに結合する光合波器と、
前記マルチコア光ファイバが伝搬する、前記光合波器で波長多重された波長多重光を分波して波長毎に複数の前記光受信部へ結合する光分波器と、
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の光伝送システム。
【請求項6】
光送信部からの信号光とパイロット光を2以上のコアを持つマルチコア光ファイバの異なる前記コアを通して伝送し、前記パイロット光に基づいて生成された局部発振光を用いて前記信号光をコヒーレント検波する光伝送方法。
【請求項7】
前記信号光と前記パイロット光の少なくとも一方が波長多重されて前記マルチコア光ファイバを伝搬することを特徴とする請求項6に記載の光伝送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−5065(P2013−5065A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131675(P2011−131675)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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