説明

光伝送基板および光伝送モジュール

【課題】 光導波路の設計自由度が高い光伝送基板および光伝送モジュールを提供する。
【解決手段】 発光伝送モジュール10は、厚み方向D1,D2に貫通し且つ第1方向D3,D4に延びている貫通孔21aを有する基板21と、貫通孔21aの内に設けられている光学部材22とを有し、貫通孔21aは、第1方向D3,D4に交差する第2方向D5,D6において対向して位置し且つ厚み方向D1,D2に沿って延びている突出部21bの対を内周部に有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送基板および光伝送モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理能力の向上を図るべく、集積回路素子などの電気素子の間の電気通信を光伝送に変更することが検討されている。例えば、特許文献1には、基板の厚み方向に延びる複数の光導波路を有する光伝送基板に、複数の発光素子などの光電変換素子を実装した光伝送モジュールが開示されている。この光導波路は、基板を厚み方向に貫通する複数の貫通孔の各々に設けられている。また、この光伝送基板では、貫通孔の数と、光導波路の数と、光電変換素子の数とが一致している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−294857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された光伝送基板では、構成が複雑で光導波路の設計に制約があった。
【0005】
本発明は、上述の事情のもとで考え出されたものであって、光導波路の設計自由度が高い光伝送基板および光伝送モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光伝送基板は、厚み方向に貫通し且つ第1方向に延びている貫通孔を有する基板と、前記貫通孔の内に設けられている光学部材とを有し、前記貫通孔は、前記第1方向に交差する第2方向において対向して位置し且つ前記厚み方向に沿って延びている突出部の対を内周部に有している。
【0007】
本発明の光伝送モジュールは、本発明に係る光伝送基板と、前記第3光学部材に光学的に結合される光素子と、を含んで構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光導波路の設計自由度が高い光伝送基板および光伝送モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る光伝送モジュールの1つの実施形態の概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明に係る光伝送基板の1つの実施形態の概略構成を示す平面図である。
【図3】図2に示したIII−III線に沿った要部断面図である。
【図4】本発明に係る光伝送基板の製造工程の1つの実施形態を示す要部断面図である。
【図5】本発明に係る光伝送モジュールの他の実施形態の概略構成を示す平面図である。
【図6】図5に示した光伝送モジュールの一部構成を省略した平面図である。
【図7】図6に示したVII−VII線に沿った要部断面図である。
【図8】(a)は図5に示した光伝送モジュールの備える光配線基板の要部を拡大した平面図であり、(b)は(a)に示したVIII−VIII線に沿った要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<光伝送基板および光伝送モジュール>
以下、本発明に係る光伝送基板および光伝送モジュールの一実施形態として光伝送基板20および光伝送モジュール10を例示し、図1〜3を参照しつつ説明する。
【0011】
図1に示した光伝送モジュール10は、光伝送基板20と、光素子としての光電変換素子30と、回路素子31とを備えている。
【0012】
図2,3に示した光伝送基板20は、主基板21と、光学部材22と、電気配線23とを備えている。
【0013】
主基板21は、光学部材22および電気配線23を支持する機能を担っている。この主基板21の厚みとしては、例えば0.1〜2〔mm〕の範囲が挙げられる。この主基板21としては、例えばガラス基材エポキシ樹脂基板、ガラス基材銅張基板、ポリイミド樹脂基板、セラミック基板などが使用される。この主基板21は、単層の基板、または複数の基板を積層した積層体として形成される。本実施形態では、複層のセラミック基板を採用している。本実施形態の主基板21は、複数の副基板211が積層されて構成されている。
【0014】
この主基板21は、厚み方向に貫通している貫通孔21aを有している。この貫通孔21aは、副基板211に設けられている副貫通孔211aが連通して構成されている。この副貫通孔211aは、副基板211の各々に設けられており、副基板211を厚み方向に貫通している。この厚み方向を図3ではD1,D2方向として示している。
【0015】
この貫通孔21aは、主基板21の面方向のうち、第1の方向に長く延びた構成となっている。この貫通孔21aは、第1の方向に延びる壁面から、当該第1の方向と交差する第2の方向に突出する突出部21bを有している。この突出部21bは、第2の方向において互いに対向している。つまり、この突出部21bは、互いに対となっている。本実施形態では、この第1の方向をD3,D4方向とし、第2の方向をD5,D6方向としている。
【0016】
この貫通孔21aの内には、光学部材22が設けられている。光学部材22は、光素子30の発する光路として機能する。この1つの方向を本実施形態では配列方向としている。この配列方向を図1〜3ではD3,D4方向として示している。また、この配列方向は、主基板21の面方向に延びている。
【0017】
この光学部材22は、主基板21の主面から突出しており、貫通孔21aから突き出ている。本実施形態の光学部材22は、樹脂の前駆体が表面張力によって盛り上がった状態で硬化している。本実施形態の主基板21は、貫通孔21aに突出部21bが設けられているので、樹脂の前駆体の表面張力を高めることができる。このように前駆体の表面張力を利用して、光学部材22の突出部分をより球面に近づけることができる。この光学部材22の突出部分は、レンズとして機能する。このレンズは、この光伝送基板20の光貫通路22aの入出端となる。この実施形態では、光学部材22が主基板21の両面から突出しているが、一方の面から突出する構成であってもよい。
【0018】
この光学部材22には、1つの貫通孔21aの内に複数の光貫通路22aが設けられているので、1つの貫通孔の内に1つの光貫通路を設ける場合に比べて、中心間の間隔を狭
くすることができる。つまり、本実施形態の光伝送基板20では、2つの光貫通路22aの間に主基板を介在させる場合に比べて中心間の間隔を狭くできる。
【0019】
本実施形態のように、主基板21として積層型セラミック基板を採用する際には、いっそう好適である。つまり、本実施形態の光伝送基板20では、光貫通路22aの間に主基板が存在しないので、複数の副基板211を積層する際の積層ズレに対する許容誤差を大きくできる。
【0020】
この光学部材22を形成する材料としては、種々の樹脂が挙げられ、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などが含まれる。本実施形態では、光学部材22を形成する材料として、感光性を有する樹脂を採用している。このように感光性を有する樹脂を採用することで、フォトリソグラフィ技術を採用して光貫通路22aを形成できる。
【0021】
電気配線23は、光貫通路22aに光学的に結合する光電変換素子30に電気的に接続されている。この電気配線23は、主基板21のD1方向側の表面に設けられている表面配線層231を含んでいる。この電気配線23は、副基板211を貫通して形成されている貫通導体、および2つの副基板211の間に形成される中間配線層が含まれていてもよい。この貫通導体としては、中央が中空となった形状でも、また中央が導電ペーストなどにより埋められた構成でもかまわない。この貫通導体は、めっき法、金属膜の蒸着法、導電性樹脂の注入法などの方法を用いて形成できる。
【0022】
上述のように、電気配線23の表面配線層231には、光電変換素子30が電気的に接続されている。本実施形態の光電変換素子30は、電気配線23の表面配線層231に金属バンプ、導電性接着剤などによって実装される。この光電変換素子30と表面配線層231との接続部を除く他の部位は、保護層で覆われていてもよい。
【0023】
この光電変換素子30は、入力された電気信号に応じて光を発する機能、または入射された光に応じて電気信号に変換する機能を有している。この光電変換素子30は、光貫通路22aに光学的に結合している。本実施形態の光電変換素子30は、電気配線23を介して入力された電気信号に応じて光貫通路22aに光信号を伝送する機能、または光貫通路22aを介して入力された光信号に応じて電気配線23に電気信号を伝送する機能を担っている。
【0024】
上述の光を発する光電変換素子30としては、種々の発光素子が適用できる。この光電変換素子30としては、例えば垂直共振器面発光レーザ(VCSEL;Vertical Cavity Surface Emitting Laser)が好ましい。光を受ける光電変換素子30としては、例えばフォトダイオード(PD;Photo Diode)など種々の受光素子が適用できる。この受光素子
としてPDを採用する場合は、応答速度の速い素子が好ましく、例えばPIN−PDなどが挙げられる。
【0025】
光電変換素子30は、1つの素子に1つの光電変換部を有していても、1つの素子に複数の光電変換部を有していてもよい。本実施形態の光電変換素子30は、1つの素子に1つの光電変換部を有している。1つの光電変換部は、1つの光貫通路22aに対応して配置されている。
【0026】
回路素子31は、電気配線23を介して光電変換素子30と電気的に接続されている。この回路素子31は、光電変換素子30の担う機能によって、担う機能が異なっている。光電変換素子30が光を発する場合、回路素子31は、光電変換素子30に変調された電気信号(変調電圧)を入力して、光電変換素子30の発光強度を制御している。また、光電変換素子30が光を受ける場合、回路素子31は、光電変換素子30で受光する光信号
強度に応じて出力される電流信号を電圧信号に変換して出力している。また、この回路素子31は、信号の波形を制御したり、ノイズ成分を除去したりする機能を併せ持っていてもよい。なお、光電変換素子30で発する電気信号の出力が小さい場合、信号を増幅する機能を担っていても良い。この信号増幅機能は、光電変換素子30自体が有していてもよい。また、この回路素子31は、論理演算および数値計算を行う機能を有していてもよい。
【0027】
<光伝送基板の製造方法>
以下、本発明に係る光伝送基板の製造方法の一実施形態として光伝送基板20の製造方法を例示し、図4〜6を参照しつつ説明する。
【0028】
まず、主基板21を準備する。本実施形態の主基板21は、次の工程を経て製造される。まず、図4(a)に示したように、焼成することで副基板211となる複数のグリーンシート211Xを準備する。次に、図4(b)に示したように、このグリーンシート211Xに副貫通孔21aとなるシート孔211Xaを空ける。このシート孔211Xaには、突出部21bとなる部位も設けられている。このシート孔211Xaの形成と併せて、電気配線23の貫通導体に用いられる貫通孔が必要に応じて形成される。これらの孔空けは、種々の方法で形成でき、例えば、ピンおよび金型でシートを打ち抜いたり、レーザ光で削ったりして形成できる。次に、このグリーンシート211Xに電気配線23となる金属ペーストを配置する。この金属ペーストは、例えばスクリーン印刷技術を利用したり、インクジェット印刷技術を採用したりして形成することができる。この電気配線23となる金属ペーストとしては、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)、銀(Ag)、および銅(Cu)などの金属を含有させたものが挙げられる。次に、図4(b)に示したように、シート孔211Xaが連通するようにグリーンシート211Xを積層する。次に、積層したグリーンシート211Xを焼成して、図5(a)に示したように、貫通孔21aを有する主基板21を形成する。このグリーンシート211Xの焼成と併せて金属ペーストを焼成し、電気配線23を形成する。
【0029】
次に、主基板21の貫通孔21aに、硬化することによって光学部材22となる透光性材料22Xの液状前駆体を充填する。この透光性材料としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、およびポリイミド樹脂などを基材としたものが挙げられる。次に、透光性材料22Xを硬化して、図3に示したように、第1光導波孔22aを有する光学部材22を形成する。
【0030】
上述の工程を経て、図3に示した光伝送基板20を製造することができる。
【0031】
<光伝送モジュールの第2の形態>
以下、本発明に係る光伝送モジュールの第2の実施形態として光伝送基板20Aおよび光伝送モジュール10Aを例示し、図5〜8を参照しつつ説明する。
【0032】
図5に示した光伝送モジュール10Aは、光伝送基板20Aと、光素子としての光電変換素子30と、回路素子31と、光配線基板40とを備えている。また、光電変換素子30は、同様の構成であるので説明を省略する。
【0033】
図6,7に示した光伝送基板20Aは、主基板21に換えて主基板21Aを採用している点において光伝送基板20と構成が異なっている。この光伝送基板20Aの他の構成は、光伝送基板20と同様であるので説明を省略する。この主基板21Aは、軸受け孔21Abを有している点において主基板21と構造が異なっている。この光伝送基板20Aの他の構造は、光伝送基板20と同様であるので説明を省略する。
【0034】
この軸受け孔21Abは、光貫通路22aの光学的な位置合わせの基準となるものである。この軸受け孔21Abは、主基板21Aの両主面のうちD1方向側の主面から、D2方向に窪んでいる部位である。つまり、この軸受け孔21Abは、光電変換素子30が配置される側と反対側の主面から窪んでいる部位である。本実施形態の軸受け孔21Abは、厚み方向に貫通している。なお、この軸受け孔21Abは、厚み方向に貫通しているものに限られない。
【0035】
この軸受け孔21Abは、2つ設けられている。この軸受け孔21Abの間には、光学部材22が配置されている。本実施形態では、2つの軸受け孔21Abと、光学部材22と、が配列方向に沿って配列されている。
【0036】
図8に示した光配線基板40は、支持基板41と、光学層42と、光軸部材43とを有している。この光軸部材43は、図8において省略し、図6,7に示している。また、この実施形態の光配線基板40は、光軸部材43を含んで構成されているが、この光軸部材43を含んでなくてもよい。
【0037】
この支持基板41は、光配線基板40の他の構成を支える機能を担っている。また、この支持基板41は、光伝送基板20Aと、他の電気素子との電気的な接続も担っていてもよい。このような電気的な接続を担う支持基体41としては、ベース基体とビルドアップ層とから構成され、貫通導体を有するビルドアップ基板が好適に用いられる。このようにビルドアップ基板に貫通導体を設けることによって、貫通導体を介して良好な放熱が可能となる。このビルドアップ層は、樹脂絶縁層と導電層とから構成される。樹脂絶縁層としては、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂などが使用される。この樹脂絶縁層の厚みとしては、例えば10〜70〔μm〕の範囲が挙げられる。この樹脂絶縁層は、レーザで微細な穴あけが可能であることが好ましい。この樹脂絶縁層によってビルドアップ層は、積層して複雑な電気配線パターンを引き回したり、狭い範囲に集約したりすることができる。
【0038】
この支持基板41には、D1方向側の主面からD2方向に窪んでいる軸受け穴41aが形成されている。この軸受け穴41aは、主基板21Aの軸受け孔21Aと対となる位置に設けられている。この軸受け穴41aは、光学層42と、光学部材22との光学的な位置合わせの基準となるものである。
【0039】
光学層42は、クラッド部421と、コア部422とを含んで構成されている。このクラッド部421は、光学層42の母体として機能している。このコア部422は、クラッド部421の中に形成されている。このコア部422の屈折率は、クラッド部421の屈折率に比べて大きくなっている。クラッド部421の屈折率に比べてコア部422の屈折率を大きくすることで、光学層42は、光信号を閉じ込めることができるようになり、光導波路として機能できるようになる。本実施形態のコア部422は、一部が光導波路422aとして機能している。このコア部422の屈折率の、クラッド部421の屈折率に対する比屈折率差としては、例えば0.8〜4〔%〕の範囲内が挙げられる。
【0040】
このコア部422は、クラッド部421の中に複数形成されており、各々が延在方向に沿って延びている。ここでは、延在方向をD5,D6方向として示している。この複数のコア部422は、上述の配列方向に沿って配列されている。この光配線基板40では、コア部422が延びている延在方向が光伝送方向となる。このコア部422の大きさとしては、配列方向と厚み方向とに広がる面方向D1,D2−D3,D4において、一辺の長さまたは直径が例えば10〜100〔μm〕の範囲が挙げられる。
【0041】
このコア部422には、光路変更部422bが形成されている。この光路変更部422
bは、光導波路422aの端部に形成されている。この光路変更部422bは、光導波路422aを伝送する光を、光導波路422aの外部に伝送するように光路変換する機能、または光導波路422aの外部から入射される光を光導波路422aの内部へ光路変換する機能を担っている。つまり、このコア部422は、光路変更部422bよりも延在方向におけるD5方向側に位置する部位が光導波路422aとして機能し、光路変更部422bよりも延在方向におけるD6方向側に位置する部位が光導波路422aとして機能していない。
【0042】
本実施形態では、光路変更部422bとして光反射面が形成されている。この光反射面は、光導波路422aの光軸に対して傾斜しており、光の反射によって光路変更が可能となっている。この光反射面の傾斜角は、光導波路422aの光軸方向と、光路変更する方向との二等分角であることが好ましく、この二等分角から±3度の範囲に形成される。
【0043】
本実施形態の光学層42は、上面から窪んでいる窪み部42aが形成されている。この窪み部42aは、クラッド部421およびコア部422が内周面に現れている。本実施形態では、窪み部42aによって、1つのコア部422が2つに分かれている。本実施形態では、この窪み部42aの内面に現れているコア部422の一部が光反射面として機能している。本実施形態では、この光反射面を光路変更部422bとしている。この光路変更部422bの上面を、金属などの反射膜で覆ってもよい。
【0044】
また、この窪み部42aは、光反射面を介して光導波路422aに光を入射する入射口、または光反射面を介して光導波路422aを伝送する光を取り出す出射口として機能している。光反射面は、延在方向および厚み方向に対して、略45°、具体的には42°〜48°の範囲で傾いている。なお、窪み部42aは、入射口、出射口として機能する範囲において、中空であっても充填物があっても構わない。
【0045】
このクラッド部421と、コア部422とを形成する材料としては、例えば直接露光法が使用可能な樹脂、または屈折率変化法が使用可能な樹脂などが挙げられる。直接露光法が使用可能な樹脂としては、例えば感光性を有する樹脂が挙げられ、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などが含まれる。また、屈折率変化法が使用可能な樹脂としては、紫外線(Ultra-Violet radiation、UV線)の照射により屈折率が低下する特性を有する樹脂が挙げられ、例えばポリシランなどの樹脂が含まれる。
【0046】
なお、直接露光法とは、クラッド部421の下部を形成後、コア部422の材料を塗工してマスク露光によりコア部422を形成し、その上面および側面にさらにクラッド部421の材料を塗工形成して光学層42を作製する方法である。また、屈折率変化法とは、コア部422となる部位以外にUV線の照射を行ない、コア部422となる部位以外の屈折率を低下させることによって光導波路を作製する方法である。
【0047】
光軸部材43は、光貫通路22aと、光導波路422aとの光学的な位置合わせの基準となる軸部材である。この光軸部材43は、軸受け孔21Abおよび軸受け穴41aに挿入されている。この光軸部材43は、直棒状のものが採用される。
【0048】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
【0049】
上述の光伝送基板20の製造方法では、主基板21としてセラミック基板を採用した製造方法を記載しているが、有機基板を採用して光伝送基板を製造してもよい。有機基板を採用して光伝送基板を製造する場合は、副基板の積層後に、基体を打ち抜き加工して、光学貫通孔を形成してもよい。このようにして、副基板を一括で打ち抜く場合は副貫通孔の
位置ズレを低減することができる。
【0050】
上述の実施形態では、光配線基板40として支持基板41を有するものを採用しているが、この構成に限られない。例えば、光学部材22が直接的に光ファイバーに光学的に接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10・・・光伝送モジュール
20・・・光伝送基板
20a・・・光導波路
21・・・主基板
21a・・・貫通孔
21b・・・突出部
211・・・副基板
21X・・・グリーンシート
211a・・・副貫通孔
211Xa・・・シート孔
22・・・光学部材
22X・・・感光性材料
23・・・電気配線
231・・・表面配線層
30・・・光電変換素子
40・・・光配線基板
41・・・支持基板
41a・・・軸受け穴
42・・・光学層
42a・・・窪み部
421・・・クラッド部
422・・・コア部
422a・・・光導波路
422b・・・光路変更部
43・・・光軸部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向に貫通し且つ第1方向に延びている貫通孔を有する基板と、前記貫通孔の内に設けられている光学部材とを有し、
前記貫通孔は、前記第1方向に交差する第2方向において対向して位置し且つ前記厚み方向に沿って延びている突出部の対を内周部に有している、光伝送基板。
【請求項2】
前記光学部材は、前記貫通孔から突出している、請求項1に記載の光伝送基板。
【請求項3】
前記基板は、厚み方向に貫通している副貫通孔を有する副基板が複数積層されて構成され、且つ前記副貫通孔が連通して前記貫通孔を構成している、請求項1または2に記載の光伝送基板。
【請求項4】
請求項1に記載の光伝送基板と、
該光伝送基板の上に実装される光素子と、を含んで構成される、光伝送モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−128225(P2012−128225A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280175(P2010−280175)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】