説明

光信号受信機、光信号受信装置及び光信号伝送システム

低歪みなFM復調回路を使用した光信号受信機、光信号受信装置及び当該光信号受信機利用した光信号伝送システムを実現することを目的とする。 本発明の光信号受信機は、光信号を受信して周波数復調する光信号受信機であって、入力する光信号を2分岐する光分岐回路(13)と、2分岐された光信号の一方を遅延させる光遅延線(15)と、前記光遅延線からの光信号を第一の電気信号に変換する第一の光電変換回路(17)と、2分岐された光信号の他方の光信号を第二の電気信号に変換する第二の光電変換回路(19)と、第一の光電変換回路からの第一の電気信号と第二の光電変換回路からの第二の電気信号とを入力とし、単一の矩形波信号を出力する矩形波形成手段(21,23,25)と、前記矩形波形成手段からの矩形波信号を平滑化する平滑回路(12)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広帯域信号を周波数変調(FM:Frequency Modulation)した光信号の伝送に使用する光信号受信機、光信号受信装置及び当該光信号受信機又は当該光信号受信装置を利用した光信号伝送システムに関する。より詳細には、周波数分割多重分割されている振幅変調(AM:Amplitude Modulation)又は直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)された多チャンネル映像信号の光信号伝送に使用する光信号受信機、光信号受信装置及び当該光信号受信機又は当該光信号受信装置を利用した光信号伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、周波数分割多重されている振幅変調、若しくは直交振幅変調された多チャンネル映像信号を光伝送する光信号受信機、光信号受信装置、及び光信号伝送システムとして、周波数分割多重された映像信号を一括して周波数変調するFM一括変換方式を用いた光信号受信機、光信号受信装置、及び光信号伝送システムが知られている。
【0003】
このFM一括変換方式を用いた光信号送信機及び光信号伝送システムは、国際標準ITU−T J.185「Transmission equipment for transferring multi−channel television signals over optical access networks by FM conversion」に採用されている(非特許文献1参照)。
【0004】
図1に、従来のFM一括変換方式を用いた光信号受信機及び光信号伝送システムの構成を示す。図2A、図2B、および図2Cに、図1のA、B、Cの箇所における信号スペクトルを示す。図1に示す光信号伝送システムは、FM一括変換回路81、光源82、および光増幅回路83を備えた光信号送信機80と、光伝送路85と、光電変換回路91およびFM復調回路92を備えた光信号受信機90と、セットトップボックス93と、テレビ受像機94とを備えている。図2A、図2B、および図2Cはそれぞれ図1におけるA、B、Cの信号スペクトルを表す。以後の各図におけるA、B、Cについても同様である。
【0005】
図1において、光信号送信機80内では、図2Aに示すような周波数分割多重された映像信号がFM一括変換回路81により、図2Bに示すような1つの広帯域な周波数変調信号に変換される。周波数変調信号は光源82で強度変調され、さらに、光増幅回路83で光増幅されて光伝送路85に送信される。光信号受信機90内では、光電変換回路91で光電変換され、電気信号に戻される。この電気信号は広帯域な周波数変調信号であり、FM復調回路92で周波数復調されて、図2Cに示すような、周波数分割多重された映像信号に復調される。復調された映像信号は、セットトップボックス93を介して、受像機94により、適当な映像チャンネルが選択される。
【0006】
このFM一括変換方式に適用できる、光周波数変調部と光周波数局部発振部を用いたFM一括変換回路構成を図3に示す(例えば、特許文献1、非特許文献2、非特許文献3参照。)。図3に示すFM一括変換回路81は、光周波数変調部101と、光合波部102と、光検波部としてのフォトダイオード103と、光周波数局部発振部104とを備える。
【0007】
FM一括変換回路81では、光周波数変調部101において光周波数foのキャリア光源を用いて周波数fsで周波数変調すると、光周波数変調部101の出力における光信号の光周波数Ffmldは、周波数偏移をδfとすると、
Ffmld=fo+δf・sin(2π・fs・t) (1)
となる。光周波数変調部101のキャリア光源としてはDFB−LD(Distributed Feed−Back Laser Diode、分布帰還型半導体レーザ)が使用されている。
【0008】
光周波数局部発振部104において、光周波数flの発振光源を用いて発振させ、光周波数変調部101からの光信号と光合波部102で合波する。光周波数局部発振部104の発振光源としてはDFB−LDが使用されている。光合波部102で合波された2つの光信号が光検波部103で検波される。検波方式としては光ヘテロダイン方式が適用され、検波素子としてはフォトダイオードが使用されている。検波された電気信号の周波数fは、
f=fo−fl+δf・sin(2π・fs・t) (2)
となる。ここで、光周波数変調部101のキャリア光源と光周波数局部発振部104の発振光源の光周波数を近接させれば、図2Bに示すような、中間周波数fi=fo−flが、数GHzで周波数偏移δfの周波数変調された電気信号を得ることができる。
【0009】
一般にDFB−LDは注入電流で変調することにより、その光周波数が注入電流に伴って数GHzの幅で変動するので、周波数偏移δfとしては、数GHzの値を得ることができる。例えば、約90MHzから約750MHzの周波数幅に周波数分割多重された多チャンネルのAM映像信号又はQAM映像信号を、FM一括変換回路を用いて、図2Bに示すような中間周波数fi=fo−flを約3GHzとする、帯域約6GHzの周波数変調信号に変換できる。
【0010】
このFM一括変換方式に適用する他のFM一括変換回路であって、2つの光周波数変調部をプッシュプル構成に用いたFM一括変換回路の例を図4に示す。図4に示すFM一括変換回路81は、差動分配器105と、光周波数変調部106と、光周波数変調部107と、光合波部102と、光検波部103としてのフォトダイードを備える。
【0011】
FM一括変換回路81では、図2Aに示すような周波数分割多重された映像信号が差動分配部105で、位相が反転した2つの電気信号に分配される。差動分配部105からの2つの電気信号のうちの一方の電気信号を変調入力とし、光周波数変調部106において光周波数fo1のキャリア光源を用いて周波数変調すると、周波数偏移をδf/2のとき、光周波数変調部106の出力における光信号の光周波数Ffmld1は、
Ffmld1=fo1+(δf/2)・sin(2π・fs・t) (3)
が得られる。但し、(3)式では、変調信号を周波数fsの信号としている。差動分配部105からの2つの電気信号のうちの他方の電気信号を変調入力とし、光周波数変調部106において周波数fo2のキャリア光源を用いて周波数変調すると、周波数偏移がδf/2のとき、光周波数変調部107の出力における光信号の光周波数をFfmld2は、Ffmld2=fo2−(δf/2)・sin(2π・fs・t) (4)
が得られる。但し、(4)式では、変調信号を周波数fsの信号としている。光周波数変調部106、107のキャリア光源としてはDFB−LD(Distributed Feed−Back Laser Diode、分布帰還型半導体レーザ)を使用することができる。
【0012】
光周波数変調部106および107からの出力は光合波部102で合波され、光合波部102で合波された2つの光信号が光検波部103でヘテロダイン検波される。光検波部としては、ヘテロダイン検波素子として機能するフォトダイオードを使用することができる。光検波部103でヘテロダイン検波された電気信号は、周波数fが前記(3)式と前記(4)式で表される値の差となる電気信号である。即ち、
f=fo1−fo2+δf・sin(2π・fs・t) (5)
となる。但し、(5)式では、変調信号を周波数fsの信号としている。ここで、光周波数変調部106のキャリア光源の光周波数と光周波数変調部107のキャリア光源の光周波数とを近接させれば、図2Bに示すような、中間周波数fi=fo1−fo2が数GHzで、周波数偏移δfの周波数変調された電気信号を得ることができる。
【0013】
一般にDFB−LDは注入電流で変調することにより、その光周波数が注入電流に伴って数GHzの幅で変動するので、周波数偏移δfとしては、数GHzの値を得ることができる。例えば、約90MHzから約750MHzの周波数幅に周波数分割多重された多チャンネルのAM映像信号又はQAM映像信号をFM一括変換回路により、中間周波数fi=fo1−fo2を約3GHzとする図2Bに示すような、帯域約6GHzの周波数変調信号に変換できる。
【0014】
このFM一括変換方式に適用する他のFM一括変換回路であって、電圧制御発振素子を用いたFM一括変換回路の例を図5に示す。図5に示すFM一括変換回路81は電圧制御発振素子を用いた電圧制御発振部111を備える。
【0015】
FM一括変換回路81では、図2Aに示すような周波数分割多重された映像信号を電圧制御発振部111において周波数foを中心周波数として周波数変調すると、出力の電気信号の周波数fvは、周波数偏移がδfのとき、
fv=fo+δf・sin(2π・fs・t) (6)
となり、中間周波数fi=fo、周波数偏移δfの周波数変調信号が得られる。但し、(6)式では、変調信号を周波数fsの信号としている。
【0016】
例えば、約90MHzから約750MHzの周波数幅に周波数分割多重された多チャンネルのAM映像信号又はQAM映像信号をFM一括変換回路81により、中間周波数fi=foを約3GHzとする、図2Bに示すような帯域約6GHzの周波数変調信号に変換できる。
【0017】
このFM一括変換方式に適用する他のFM一括変換回路であって、2つの電圧制御発振素子をプッシュプル構成に用いたFM一括変換回路の例を図6に示す。図6に示すFM一括変換回路81は、差動分配部105と、電圧制御発振部112と、電圧制御発振部114と、ミキサー115と、ローパスフィルタ117とを備える。
【0018】
FM一括変換回路81では、図2Aに示すような周波数分割多重された映像信号が差動分配部105で、位相が反転した2つの電気信号に分配される。差動分配部105からの2つの電気信号のうちの一方の電気信号変調入力とし、電圧制御発振部112において周波数foを中心周波数とする周波数変調すると、出力の電気信号の周波数fv1は、周波数偏移がδf/2のとき、
fv1=fo1+(δf/2)・sin(2π・fs・t) (7)
となり、中間周波数fi=fo1、周波数偏移δf/2の周波数変調信号が得られる。但し、(7)式では、変調信号を周波数fsの信号としている。差動分配部105からの2つの電気信号のうちの他方の電気信号を変調入力とし、電圧制御発振部114において周波数fo1を中心周波数として周波数変調すると、出力の電気信号の周波数fv2は、周波数偏移がδf/2のとき、
fv2=fo2−(δf/2)・sin(2π・fs・t) (8)
となり、中間周波数fi=fo2、周波数偏移δf/2の周波数変調信号が得られる。但し、(8)式では、変調信号を周波数fsの信号としている。
【0019】
電圧制御発振部112および114からの出力をミキサー115でミキシングし、ミキサー115でミキシングされた2つの電気信号がローパスフィルタ117で平滑化される。中間周波数fo1と中間周波数fo2の差に等しい周波数の電気信号を通過させるローパスフィルタ117で平滑化された電気信号は、周波数fが前記(7)式と前記(8)式で表される値の差となる電気信号である。即ち、
f=fo1−fo2+δf・sin(2π・fs・t) (9)
となる。但し、(9)式では、変調信号を周波数fsの信号としている。ここで、図2Bに示すような、中間周波数fi=fo1−fo2が数GHzで、周波数偏移δfの周波数変調された電気信号を得ることができる。
【0020】
例えば、約90MHzから約750MHzの周波数幅に周波数分割多重された多チャンネルのAM映像信号又はQAM映像信号をFM一括変換回路により、中間周波数fi=fo1−fo2を約3GHzとする図2Bに示すような、帯域約6GHzの周波数変調信号に変換できる。
【0021】
これまで、歪みの低減を目的とした技術として、プリディストーション回路が知られている(例えば、特許文献2参照。)。図7に、プリディストーション回路をFM一括変換回路の歪み補償に適用した従来のFM一括変換方式を用いた光信号伝送システムの構成を示す。図7に示す光信号伝送システムは、プリディストーション回路86、FM一括変換回路81、送信回路としての光源82、および光増幅回路83を備えた光信号送信機80と、光伝送路85と、光電変換回路91およびFM復調回路92を備えた光信号受信機90と、セットトップボックス93と、テレビ受像機94とを備える。図7における、A、B、Cの信号スペクトルは、それぞれ図2A、図2B、図2Cに示す周波数スペクトルとなる。
【0022】
多チャンネルのAM映像信号又はQAM映像信号をプリディストーション回路86に入力すると、プリディストーション回路86では、FM一括変換回路81等が発生する歪みと逆の歪みを予め付加し、以後のFM一括変換回路81等で発生する歪みを補償する。プリディストーション回路86の出力は、FM一括変換回路81で周波数変調され、光源82により電気信号から光信号に変換され、光増幅回路83によって光増幅された後に光伝送路85に送出される。送出された光信号は光伝送路85を経て、光信号受信機90の光電変換回路91によって光信号が電気信号に変換され、FM復調回路95で元のAM映像信号又はQAM映像信号に周波数復調される。
【0023】
プリディストーション回路の構成例を図8に示す。図8に示すプリディストーション回路86は、同相分配部121と、遅延線122と、歪み発生回路123と、振幅調整部124と、遅延調整部125と、差動合成部126とを備える。同相分配部121に入力した多チャンネルのAM映像信号又はQAM映像信号は、2つに分配される。分配された信号の一方は歪み発生回路123によってFM一括変換回路等で発生する歪みを付加されて、振幅調整部124と遅延調整部125で振幅と遅延を調整される。分配された信号の他方は遅延線122で遅延される。遅延調整部125および遅延線122から出力される信号は差動合成部126で合成される。その結果、差動合成部126から出力される信号は、FM一括変換回路等が発生する歪みと逆の歪みを予め付加された信号となる。
【0024】
一方、周波数復調回路方式としては、遅延線検波方式がある。光信号受信機90に適用できる、遅延線検波によるFM復調回路の構成を図9に示す。図9に示すFM復調回路92は、リミッター増幅部131と、遅延線132と、ANDゲート133と、ローパスフィルタ134とを備える。
【0025】
FM復調回路92内では、入力された周波数変調光信号は、リミッター増幅部131で矩形波に整形される。リミッター増幅部131の出力は2分岐され、一方はANDゲート133の入力端子に入力され、他方は極性が反転された後、遅延線132により時間τだけ遅延されてからANDゲート133の入力端子に入力される。このANDゲート133の出力がローパスフィルタ134により平滑されると周波数復調出力となる(例えば、非特許文献2参照。)。また、ANDゲートの代わりにORゲートも適用可能なことが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0026】
このような多チャンネル映像信号の伝送には低ひずみが要求される。非特許文献2では、FM一括変換方式を用いた光信号送信機及び光信号伝送システムにおいては、CNR(Carrier−to−Noise Ratio)は42dB以上、CSO(Composite Second−Order Distortion)とCTB(Composite Triple Beat)は−54dB以下に設定されている。
【0027】
しかし、従来のFM復調回路では、遅延線検波に使用する遅延線132の両端のインピーダンス不整合等によって、遅延線132が低周波と高周波とでは異なる遅延時間の特性を有していた。
つまり、低周波と高周波では位相歪みが生じていた。その結果、低周波と高周波の位相ひずみによってCSO、CTBが劣化することになる。
【0028】
従来のFM一括変換方式を用いた光信号受信機ではCSOとCTBは、−54dBわずかに超えた値で飽和している。光信号受信機のFM復調回路をより低歪みで構成することができれば、伝送特性の向上が期待できる。
【特許文献1】日本国特許2700622号公報
【特許文献2】日本国特許3371355号公報
【特許文献3】日本国特開2002−141750号公報
【非特許文献1】ITU−T標準J.185「Transmission Equipment for transferring multi−channel televison signals over optical access networks by FM conversion」,ITU−T
【非特許文献2】柴田宣他著「FM一括変換方式を用いた光映像分配システム」電子情報通信学会論文誌B、Vol.J83−B、No.7、pp.948−959、2000年7月
【非特許文献3】鈴木他著「パルス化FM一括変換変調アナログ光CATV分配方式」電子情報通信学会秋季大会、B−603、1991
【発明の開示】
【0029】
従来のFM復調回路で使用している遅延線の高周波位相歪みを改善することは困難で、低ひずみ特性を実現することが難しかった。そこで、本発明では、低歪みなFM復調回路を使用した光信号受信機、光信号受信装置及び当該光信号受信機又は当該光信号受信装置を利用した光信号伝送システムを実現することを目的とする。
【0030】
このような目的を達成するために、本願発明は、光信号を受信して周波数復調する光信号受信機であって、入力する光信号を2分岐する光分岐回路と、2分岐された光信号の一方を遅延させる光遅延線と、前記光遅延線からの光信号を第一の電気信号に変換する第一の光電変換回路と、2分岐された光信号の他方の光信号を第二の電気信号に変換する第二の光電変換回路と、第一の光電変換回路からの第一の電気信号と第二の光電変換回路からの第二の電気信号とを入力とし、単一の矩形波信号を出力する矩形波形成手段と、前記矩形波形成手段からの矩形波信号を平滑化する平滑回路とを備えたことを特徴とする。
【0031】
本願他の発明は、光信号を受信して周波数復調する光信号受信装置であって、入力する光信号をN個(Nは2以上の整数)に分岐する光分岐器と、前記光分岐器からの光信号を2分岐する光分岐回路、2分岐された光信号の一方を遅延させる光遅延線、前記光遅延線からの光信号を第一の電気信号に変換する第一の光電変換回路、2分岐された光信号の他方の光信号を第二の電気信号に変換する第二の光電変換回路、第一の光電変換回路からの第一の電気信号と第二の光電変換回路からの第二の電気信号とを入力とし、単一の矩形波信号を出力する矩形波形成手段、および前記矩形波形成手段からの前記矩形波信号を平滑化する平滑回路を備えたN個の光信号受信機と、前記N個の光信号受信機からそれぞれ出力されるN個の前記平滑化された前記矩形波信号を、位相を合わせて、合成する同相合成器とを備えたことを特徴とする。
【0032】
本願他の発明は、FM一括変換方式を用いた光信号伝送システムであって、FM一括変換回路を具備する光信号送信機と、前記光信号送信機と光伝送路を介して接続され、前記光信号送信機からの光信号を2分岐する光分岐回路、2分岐された光信号の一方を遅延させる光遅延線、前記光遅延線からの光信号を第一の電気信号に変換する第一の光電変換回路、2分岐された光信号の他方の光信号を第二の電気信号に変換する第二の光電変換回路、第一の光電変換回路からの第一の電気信号と第二の光電変換回路からの第二の電気信号を入力とし、単一の矩形波信号を出力する矩形波形成手段、および前記矩形波形成手段からの矩形波信号を平滑化する平滑回路を備えた光信号受信機とを備えたことを特徴とする。
【0033】
本発明の光信号受信機、光信号受信装置及び光信号伝送システムは、遅延線に光ファイバやプレーナ型光導波路などを利用した光遅延線を使用することにより、遅延線の高周波位相歪みが改善され、良好な伝送特性を得ることができる。
【0034】
さらに、低ひずみ特性を得ることができれば、映像信号の受信品質を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
[図1]図1は、FM一括変換方式を用いた従来の光信号受信機及び光信号伝送システムの構成を説明する図である。
[図2A]図2Aは、光信号受信機及び光信号伝送システムにおける信号スペクトルを説明する図である。
[図2B]図2Bは、光信号受信機及び光信号伝送システムにおける信号スペクトルを説明する図である。
[図2C]図2Cは、光信号受信機及び光信号伝送システムにおける信号スペクトルを説明する図である。
[図3]図3は、光周波数変調部と光周波数局部発振部を用いたFM一括変換回路の構成図である。
[図4]図4は、2つの光周波数変調部をプッシュプル構成に用いたFM一括変換回路の構成図である。
[図5]図5は、電圧制御発振素子を用いたFM一括変換回路の構成図である。
[図6]図6は、2つの電圧制御発振素子をプッシュプル構成に用いたFM一括変換回路の構成図である。
[図7]図7は、プリディストーション回路をFM一括変換回路の歪み補償に適用した従来のFM一括変換方式を用いた光信号伝送システムの構成図である。
[図8]図8は、例示的なプリディストーション回路の構成図である。
[図9]図9は、光信号受信機に適用できるFM復調回路の構成図である。
[図10]図10は、実施の形態1の光信号受信機の構成図である。
[図11]図11は、実施の形態1の光信号受信機の各点における信号波形を説明する図である。
[図12]図12は、実施形態1の光信号受信機の周波数復調特性を説明する図である。
[図13]図13は、実施の形態2の光信号受信機の構成図である。
[図14]図14は、実施の形態2の光信号受信機の各点における信号波形を説明する図である。
[図15]図15は、実施の形態2の光信号受信機の周波数復調特性を説明する図である。
[図16]図16は、実施の形態3の光信号受信機の構成図である。
[図17]図17は、実施の形態3の光信号受信機の各点における信号波形を説明する図である。
[図18]図18は、実施の形態4の光信号受信機の構成図である。
[図19]図19は、実施の形態4の光信号受信機の各点における信号波形を説明する図である。
[図20]図20は、実施の形態5の光信号受信装置の構成図である。
[図21]図21は、実施の形態6の光信号伝送システムにおいて、パルス化した後に強度変調する光送信機の構成図である。
[図22]図22は、実施の形態6の光信号伝送システムにおいて、パルス化した後に強度変調する光送信機の各点における信号波形を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0037】
(実施の形態1)
本実施の形態は、光遅延線を利用して遅延検波する光信号受信機である。図10に本実施の形態に係る光信号受信機の構成を示す。図10に示す光信号受信機10は、光増幅回路11と、光分岐回路13と、光遅延線15と、第一の光電変換回路17と、第一の識別回路21と、第二の光電変換回路19と、第二の識別回路23と、論理積回路25と、平滑回路12とを備える。
【0038】
図10を参照して本実施の形態の光信号受信機の構成を説明する。図10に示す光信号受信機10は、周波数変調された光信号を受信して周波数復調する機能を有する。光信号受信機の各回路とその動作について説明する。光増幅回路11は入力する光信号を光増幅する。光増幅回路として、半導体光増幅回路又は光ファイバ型増幅回路を用いることができる。後述する第一の光電変換回路17又は第二の光電変換回路19へ入力する光信号の光パワーが十分な場合は、光増幅回路11を省略して、光信号を直接、光分岐回路13に入力してもよい。
【0039】
光増幅回路11で増幅された光信号は光分岐回路13で2分岐される。光分岐回路13として、光ファイバ結合型光分岐回路又はプレーナ型光分岐回路を用いることができる。分岐比は、後述する第一の光電変換回路17へ入力する光信号の光パワーと第二の光電変換回路19へ入力する光信号の光パワーとが等しくなるように調整されていることが好ましい。
【0040】
2分岐された光信号の一方は光遅延線15で遅延させられた後、第一の光電変換回路17に入力される。2分岐された光信号の他方は第二の光電変換回路19に入力される。光遅延線15として、光ファイバ又はプレーナ型光導波路を用いることができる。また、光遅延線15と光分岐回路13とを一体に構成することができる。第一の光電変換回路17および第二の光電変換回路19は、光信号を電気信号に変換し、さらに必要に応じて電気信号を増幅して、それぞれ第一の識別回路21および第二の識別回路23に出力する。第一の光電変換回路17および第二の光電変換回路19として、例えば、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、またはフォトトランジスタなどの光電変換素子を適用することができる。本実施の形態の光遅延線では、電気回路での遅延線のような高周波での位相歪みがないため、高周波まで良好な周波数復調特性を得ることができる。
【0041】
第一の識別回路21および第二の識別回路23は周波数変調された電気信号をそれぞれ閾値との大小比較により振幅軸方向に識別し、矩形波の2値信号とする。入力する光信号がデューティ50%であれば、第一の識別回路21および第二の識別回路23はそれぞれリミッター増幅回路でもよい。
【0042】
第一の識別回路21および第二の識別回路23からの電気信号は、論理積回路25で論理積処理され、さらに、平滑回路12で平滑されることによって、周波数復調される。
【0043】
図10における(M)、(N)、(P)、(Q)、(R)の各点における信号波形を図11に示す。図11の(M)、(N)、(P)、(Q)、(R)は図10の(M)、(N)、(P)、(Q)、(R)の各点における信号波形である。以下、光増幅回路11に入力される光信号は、瞬時周波数がf=1/Tで、光遅延線15の遅延時間はτとして周波数復調動作を説明する。
【0044】
第一の光電変換回路17へ入力される光信号(図11(M))は、第二の光電変換回路19へ入力される光信号(図11(N))に比較して光遅延線15によって時間τだけ遅延されている。図11(M)、(N)における一点鎖線は、光電変換された後に第一の識別回路21と第二の識別回路23によって識別される際の閾値に相当する。光電変換された電気信号は、それぞれ、第一の識別回路21と第二の識別回路23によって、レベルが識別され、時間τの遅延を維持したまま矩形波になる(図11(P)、(Q))。2つの矩形波の電気信号は論理積回路25で論理積演算され、パルス幅としてτだけ細くなる(図11(R))。ここでは、正論理によって論理積演算されている。この論理積演算された電気信号が、平滑回路12によって平滑化される。
【0045】
平滑回路12の出力電圧Voutは下記の式で表される。
Vout=Vo×(T/2−τ)/T
=Vo×(1/2−τ/T)
=Vo×(1/2−τ・f) (10)
(10)式より、図12に示すような周波数復調特性を得ることができる。図12は、横軸は周波数f、縦軸は平滑回路出力電圧Voutである。このように、入力する光信号の周波数に対して平滑回路出力電圧が線形に減衰していることから、本光信号受信機では周波数復調機能を実現することができる。なお、τは大きい程、出力電圧の周波数感度は高くなるが、(10)式より、1/(2f)より大きくすることはできない。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態の光信号受信機は周波数変調された光信号を光受信して、周波数復調機能を実現することができる。また、光遅延線は高周波での位相歪みがないことから高周波まで良好な周波数復調特性を実現することができる。なお、図10を用いて本実施の形態を説明したが、光信号受信機が十分な光パワーで光信号を受信する場合は、図10における光増幅回路11を省略することができる。
【0047】
(実施の形態2)
本実施の形態は、光遅延線を利用して遅延検波する光信号受信機である。図13に本実施の形態に係る光信号受信機の構成を示す。図13に示す光信号受信機10は、光増幅回路11と、光分岐回路13と、光遅延線15と、第一の光電変換回路17と、第一の識別回路21と、第二の光電変換回路19と、第二の識別回路23と、論理和回路27と、平滑回路12とを備える。
【0048】
図13を参照して本実施の形態の光信号受信機の構成を説明する。図13に示す光信号受信機10は、周波数変調された光信号を受信して周波数復調する機能を有する。光信号受信機の各回路とその動作について説明する。光増幅回路11は入力する光信号を光増幅する。光増幅回路として、半導体光増幅回路又は光ファイバ型増幅回路を用いることができる。後述する第一の光電変換回路17又は第二の光電変換回路19へ入力する光信号の光パワーが十分な場合は、光増幅回路11を省略して、光信号を直接、光分岐回路13に入力してもよい。
【0049】
光増幅回路11で増幅された光信号は光分岐回路13で2分岐される。光分岐回路13として、光ファイバ結合型光分岐回路またはプレーナ型光分岐回路を用いることができる。分岐比は、後述する第一の光電変換回路17へ入力する光信号の光パワーと第二の光電変換回路19へ入力する光信号の光パワーとが等しくなるように調整されていることが好ましい。
【0050】
2分岐された光信号の一方は光遅延線15で遅延させられた後、第一の光電変換回路17に入力される。2分岐された光信号の他方は第二の光電変換回路19に入力される。光遅延線15として、光ファイバまたはプレーナ型光導波路を用いることができる。また、光遅延線15と光分岐回路13とを一体に構成することができる。第一の光電変換回路17および第二の光電変換回路19は、光信号を電気信号に変換し、さらに必要に応じて電気信号を増幅して、それぞれ第一の識別回路21および第二の識別回路23に出力する。第一の光電変換回路17および第二の光電変換回路19として、例えば、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、またはフォトトランジスタなどの光電変換素子を適用することができる。本実施の形態の光遅延線では、電気回路での遅延線のような高周波での位相歪みがないため、高周波まで良好な周波数復調特性を得ることができる。
【0051】
第一の識別回路21および第二の識別回路23は周波数変調された電気信号をそれぞれ閾値との大小比較により振幅軸方向に識別し、矩形波の2値信号とする。入力する光信号がデューティ50%であれば、第一の識別回路21および第二の識別回路23はそれぞれリミッター増幅回路でもよい。
【0052】
第一の識別回路21および第二の識別回路23からの電気信号は、論理和回路27で論理和処理され、さらに、平滑回路12で平滑されることによって、周波数復調される。
【0053】
図13における(M)、(N)、(P)、(Q)、(S)の各点における信号波形を図14に示す。図14の(M)、(N)、(P)、(Q)、(S)は図13の(M)、(N)、(P)、(Q)、(S)の各点における信号波形である。以下、光増幅回路11に入力される光信号は、瞬時周波数がf=1/Tで、光遅延線15の遅延時間はτとして周波数復調動作を説明する。
【0054】
第一の光電変換回路17へ入力される光信号(図14(M))は、第二の光電変換回路19へ入力される光信号(図14(N))に比較して光遅延線15によって時間τだけ遅延されている。図14(M)、(N)における一点鎖線は、光電変換された後に第一の識別回路21と第二の識別回路23によって識別される際の閾値に相当する。光電変換された電気信号は、それぞれ、第一の識別回路21と第二の識別回路23によって、レベルが識別され、時間τの遅延を維持したまま矩形波になる(図14(P)、(Q))。2つの矩形波の電気信号は論理和回路27で論理和演算され、パルス幅としてτだけ広くなる(図14(S))。ここでは、正論理によって論理和演算されている。この論理和演算された電気信号が、平滑回路12によって平滑化される。
【0055】
平滑回路12の出力電圧Voutは下記の式で表される。
Vout=Vo×(T/2+τ)/T
=Vo×(1/2+τ/T)
=Vo×(1/2+τ・f) (11)
(11)式より、図15に示すような周波数復調特性を得ることができる。図15は、横軸は周波数量縦軸は平滑回路出力電圧Voutである。このように、入力する光信号の周波数に対して平滑回路出力電圧が線形に増加していることから、本光信号受信機では周波数復調機能を実現することができる。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態の光信号受信機は周波数変調された光信号を光受信して、周波数復調機能を実現することができる。また、光遅延線は高周波での位相歪みがないことから高周波まで良好な周波数復調特性を実現することができる。なお、図13を用いて本実施の形態を説明したが、光信号受信機が十分な光パワーで光信号を受信する場合は、図13における光増幅回路11を省略することができる。
【0057】
(実施の形態3)
本実施の形態は、光遅延線を利用して遅延検波する光信号受信機である。図16に本実施の形態に係る光受信機の構成を示す。図16に示す光信号受信機10は、光増幅回路11と、光分岐回路13と、光遅延線15と、第一の光電変換回路17と、第一のリミッター増幅回路41と、第二の光電変換回路19と、第二のリミッター増幅回路42と、加算回路43と、ハイレベル識別器44と、平滑回路12とを備える。
【0058】
図16を参照して本実施の形態の光信号受信機の構成を説明する。図16に示す光信号受信機10は、周波数変調された光信号を受信して周波数復調する機能を有する。光信号受信機の各回路とその動作について説明する。光増幅回路11は入力する光信号を光増幅する。光増幅回路として、半導体光増幅回路又は光ファイバ型増幅回路を用いることができる。後述する第一の光電変換回路17又は第二の光電変換回路19へ入力する光信号の光パワーが十分な場合は、光増幅回路11を省略して、光信号を直接、光分岐回路13に入力してもよい。
【0059】
光増幅回路11で増幅された光信号は光分岐回路13で2分岐される。光分岐回路13として、光ファイバ結合型光分岐回路又はプレーナ型光分岐回路を用いることができる。分岐比は、後述する第一の光電変換回路17へ入力する光信号の光パワーと第二の光電変換回路19へ入力する光信号の光パワーとが等しくなるように調整されていることが好ましい。
【0060】
2分岐された光信号の一方は光遅延線15で遅延させられた後、第一の光電変換回路17に入力される。2分岐された光信号の他方は第二の光電変換回路19に入力される。光遅延線15としては、光ファイバ又はプレーナ型光導波路を用いることができる。また、光遅延線15と光分岐回路13とを一体に構成することができる。第一の光電変換回路17および第二の光電変換回路19は、光信号を電気信号に変換し、さらに必要に応じて電気信号を増幅して、それぞれ第一のリミッター増幅回路41、第二のリミッター増幅回路42に出力する。第一の光電変換回路17および第二の光電変換回路19として、例えば、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、やフォトトランジスタなどの光電変換素子を適用することができる。本実施の形態の光遅延線は、電気回路での遅延線のような高周波での位相歪みがないため、高周波まで良好な周波数復調特性を得ることができる。
【0061】
第一のリミッター増幅回路41および第二のリミッター増幅回路42は周波数変調された電気信号をそれぞれ振幅軸方向にリミッター増幅し、矩形波の2値信号とする。第一のリミッター増幅回路41および第二のリミッター増幅回路42に代えて、それぞれ所定の振幅に増幅する自動利得制御増幅回路を用いることができる。
【0062】
第一のリミッター増幅回路41および第二のリミッター増幅回路42からの電気信号は、加算回路43で加算され、3値信号になる。3値信号となった電気信号は、ハイレベル識別器44で第一の光電変換回路17及び第二の光電変換回路19に光信号が入力したときのレベルと、第一の光電変換回路17又は第二の光電変換回路19のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルとの間の閾値で大小比較により振幅軸方向に識別される。ハイレベル識別器44で再び2値信号となった電気信号は、平滑回路12で平滑されることによって、周波数復調される。
【0063】
図16における(M)、(N)、(P)、(Q)、(T)、(U)の各点における信号波形を図17に示す。図17の(M)、(N)、(P)、(Q)、(T)、(U)は図16の(M)、(N)、(P)、(Q)、(T)、(U)の各点における信号波形である。
以下、光増幅回路11に入力される光信号は、瞬時周波数がf=1/Tで、光遅延線15の遅延時間はτとして周波数復調動作を説明する。
【0064】
第一の光電変換回路17へ入力される光信号(図17(M))は、第二の光電変換回路19へ入力される光信号(図17(N))に比較して光遅延線15によって時間τだけ遅延されている。図17(M)、(N)における一点鎖線は、光電変換された後に第一のリミッター増幅回路41、第二のリミッター増幅回路42によってリミッター増幅される際の閾値に相当する。光電変換された電気信号は、それぞれ、第一のリミッター増幅回路41、第二のリミッター増幅回路42によって、リミッター増幅され、時間τの遅延を維持したまま矩形波になる(図17(P)、(Q))。2つの矩形波の電気信号は加算回路43で加算され、3値信号になる(図17(T))。3値信号をハイレベル識別器で閾値との大小比較により振幅軸方向に識別する(図17(U))。識別する閾値は、第一の光電変換回路17及び該第二の光電変換回路19に光信号が入力したときのレベルと、第一の光電変換回路17又は第二の光電変換回路19のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルとの間である。図17(T)における一点鎖線は閾値を表す。ハイレベル識別器で2値信号となった電気信号(図17(U))は、平滑回路12によって平滑化される。
【0065】
平滑回路12の出力電圧Voutは下記の式で表される。
Vout=Vo×(T/2−τ)/T
=Vo×(1/2−τ/T)
=Vo×(1/2−τ・f) (12)
(12)式より、図12に示すような周波数復調特性を得ることができる。このように、入力する光信号の周波数に対して平滑回路出力電圧が線形に減衰していることから、本光信号受信機では周波数復調機能を実現することができる。なお、τは大きい程、出力電圧の周波数感度は高くなるが、(12)式より、1/(2f)より大きくすることはできない。
【0066】
以上説明したように、本実施の形態の光信号受信機は周波数変調された光信号を光受信して、周波数復調機能を実現することができる。また、光遅延線は高周波での位相歪みがないことから高周波まで良好な周波数復調特性を実現することができる。なお、図16を用いて本実施の形態を説明したが、光信号受信機が十分な光パワーで光信号を受信する場合は、図16における光増幅回路11を省略することができる。
【0067】
(実施の形態4)
本実施の形態は、光遅延線を利用して遅延検波する光信号受信機である。図18に本実施の形態に係る光信号受信機の構成を示す。図18に示す光信号受信機10は、光増幅回路11と、光分岐回路13と、光遅延線15と、第一の光電変換回路17と、第一のリミッター増幅回路41と、第二の光電変換回路19と、第二のリミッター増幅回路42と、加算回路43と、ローレベル識別器45と、平滑回路12とを備える。実施の形態3で説明した図16との違いは、図16のハイレベル識別器44に代えて、ローレベル識別器45とした点である。
【0068】
実施の形態3との構成上の違いは、ハイレベル識別器44とローレベル識別器45との差であるため、その差について言及する。ハイレベル識別器44の閾値が、第一の光電変換回路17及び該第二の光電変換回路19に光信号が入力したときのレベルと、第一の光電変換回路17又は第二の光電変換回路19のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルとの間であったのに対し、ローレベル識別器45の閾値は、第一の光電変換回路17又は第二の光電変換回路19のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルと、第一の光電変換回路17及び第二の光電変換回路19に光信号が入力しないときのレベルとの間であることである。
【0069】
図18における(M)、(N)、(P)、(Q)、(T)、(U)の各点における信号波形を図19に示す。図19の(M)、(N)、(P)、(Q)、(T)、(U)は図18の(M)、(N)、(P)、(Q)、(T)、(U)の各点における信号波形である。
以下、光増幅回路11に入力される光信号は、瞬時周波数がf=1/Tで、光遅延線15の遅延時間はτとして周波数復調動作を説明する。
【0070】
実施の形態3との動作上の違いは、識別する閾値である。図19(T)における一点鎖線は閾値を表す。この閾値は、第一の光電変換回路17又は第二の光電変換回路19のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルと、第一の光電変換回路17及び第二の光電変換回路19に光信号が入力しないときのレベルとの間である。その結果、平滑回路12によって平滑化された出力電圧Voutは下記の式で表される。
Vout=Vo×(T/2+τ)/T
=Vo×(1/2+τ/T)
=Vo×(1/2+τ・f) (13)
【0071】
(13)式より、図15に示すような周波数復調特性を得ることができる。このように、入力する光信号の周波数に対して平滑回路出力電圧が線形に増加していることから、本光信号受信機では周波数復調機能を実現することができる。
【0072】
以上説明したように、本実施の形態の光信号受信機は周波数変調された光信号を光受信して、周波数復調機能を実現することができる。また、光遅延線は高周波での位相歪みがないことから高周波まで良好な周波数復調特性を実現することができる。なお、図18を用いて本実施の形態を説明したが、光信号受信機が十分な光パワーで光信号を受信する場合は、図18における光増幅回路11を省略することができる。
【0073】
(実施の形態5)
本実施の形態は、信号と雑音の相加則の違いを利用して雑音特性を向上するする光信号受信装置である。図20に本実施の形態に係る光信号受信装置を示す。図20に示す光信号受信装置20は、光増幅器61と、光分岐器63と、それぞれ実施の形態1から4までのいずれかの光信号受信機10−1、10−2、10−3と、同相合成器65とを備える。
【0074】
図20を参照して本実施の形態の光信号受信装置の構成を説明する。図20に示す光信号受信装置20は、周波数変調された光信号を受信して周波数復調する機能を有する。光信号受信装置20の各回路とその動作について説明する。光増幅器61は入力する光信号を増幅して出力する。後述する光信号受信機へ入力する光信号の光パワーが十分な場合は、光増幅器61を省略して、光信号を直接、光分岐器63に入力してもよい。
【0075】
光分岐器63は、入力された光信号を3分岐する。図20では、3分岐の例を示しているが、入力された光信号をN分岐(Nは2以上の整数)してもよい。この場合は、N分岐した光信号をN個の光信号受信機に入力することになる。光信号受信機10−1、10−2、10−3に入力された光信号は、それぞれ周波数復調される。
【0076】
同相合成器65は、光信号受信機10−1、10−2、10−3で周波数復調された電気信号を同相で合成する。光信号受信機10−1、10−2、10−3からの電気信号の位相が一致するように設定すれば、同相合成器65により合成された電気信号は、信号成分は電圧加算となるが、雑音成分は電力加算となる。
【0077】
3個の光信号受信機からの電気信号の信号成分をそれぞれ、Vs1、Vs2、Vs3とし、これらが等しく、Vs1=Vs2=Vs3=Vsとすると、同相合成器65の出力する電気信号の信号成分の電圧総和Vstは、
Vst=Vs1+Vs2+Vs3=3×Vs (14)
となる。
【0078】
同相合成器65の出力インピーダンスをRとすれば、同相合成器65に3個の光信号受信機のうち1個からだけ入力すると、同相合成器65の出力する電気信号の信号成分の電力Ps1は、
Ps1=(Vs)/R (15)
となる。
【0079】
同相合成器65に3個の光信号受信機から入力すると、同相合成器65の出力する電気信号の信号成分の電力Pstは、
Pst=(Vst)/R=(3×Vs)/R=9×(Vs)/R (16)
となる。
【0080】
一方、3個の光信号受信機からの出力の雑音成分の電力をそれぞれ、Pn1、Pn2、Pn3とし、これらが等しく、Pn1=Pn2=Pn3=Pnとすると、同相合成器65の出力する電気信号の雑音成分の総和Pntは、
Pnt=Pn1+Pn2+Pn3=3×Pn (17)
となる。
【0081】
同相合成器65に、3個の光信号受信機のうち1個からだけ入力すると、同相合成器65の出力する電気信号の雑音成分Pn1の電力は、
Pn1=Pn (18)
となる。
【0082】
これらのことから、3個の光信号受信機からの電気信号を同相合成することにより、1個の光信号受信機からの電気信号のときと比較して、信号成分の電力比20×log(3)[dB]となるが、雑音成分の電力比は10×log(3)[dB]となるため、同相合成器65の出力における信号電力対雑音電力比は10×log(3)[dB]だけ改善されることが分かる。
【0083】
なお、本実施の形態では、N=3の場合、即ち、3個の光信号受信機から出力する電気信号の場合について説明したが、光信号受信機から出力する電気信号がN個(N:2以上の整数)の場合には、1個の光信号受信機から出力する電気信号の場合に比較して、10×log(N)[dB]だけ、信号電力対雑音電力比が改善できる。
【0084】
また、歪みについては、N個の光信号受信機から出力する電気信号の歪み特性が逆向きに歪んでいれば、同相合成により、互いに相殺されるので、1個の光信号受信機の場合に比較して、低歪み化を達成できる。
【0085】
(実施の形態6)
本実施の形態は、実施の形態1から5に記載の光信号受信機又は光信号受信装置のうちいずれかを利用する光信号伝送システムである。図1を参照して本実施の形態の光信号伝送システムを説明する。本実施の形態では、図1に示す光信号送信機80と、光信号送信機80と光ファイバ伝送路85を介して接続される実施の形態1から5に記載の光信号受信機又は光信号受信装置とを備える。
【0086】
光信号送信機80のFM一括変換回路81に周波数分割多重された多チャンネルのAM映像信号又はQAM映像信号を入力し、周波数変調する。周波数変調された電気信号を光源82で強度変調して光信号に変換する。この光信号を光増幅回路83で光増幅して光伝送路85に出力する。光信号送信機80からの光信号は、光伝送路85を介して、実施の形態1から5に記載の光信号受信機又は光信号受信装置のうちいずれかで受信され周波数復調される。
【0087】
光源82は、FM一括変換回路81の出力を直接強度変調するか、あるいはFM一括変換回路81の出力をパルス化した後に強度変調することができる。パルス化した後に強度変調する場合の光送信機の構成を図21に示す。図21に示す光信号送信機80は、FM一括変換回路81と、リミッター回路88と、光源82と、光増幅回路83とを備え光伝送路85に光信号を出力する。
【0088】
周波数分割多重された多チャンネルのAM映像信号又はQAM映像信号を光信号送信機80のFM一括変換回路81で周波数変調する。周波数変調で得られた電気信号をリミッター回路88で、入力レベルが閾値以上か以下かを識別してリミッター動作させることにより矩形波に波形整形してパルス化することができる。図21に示す光信号送信機の各点における信号波形を図22に示す。図22の(D)、(E)は図21の(D)、(E)の各点における信号波形である。図22(D)の一点鎖線はリミッター回路の閾値である。
図22(D)の周波数変調された電気信号をリミッター回路の閾値でリミッター動作すると矩形波に波形整形される。このパルス化されたFM信号を光源82で強度変調しても、光信号受信機又は光信号受信装置では周波数復調することができる。
【0089】
また、図7に示すような、プリディストーション回路86を備える光信号送信機80を利用すると、光信号送信機、光信号受信機、光信号受信装置で発生する歪みを低減することができる。即ち、図7の光信号送信機80と、実施の形態1から5に記載の光信号受信機又は光信号受信装置のうちいずれかとを光伝送路を介して接続すると、歪みの少ない映像信号の伝送が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の光信号受信機及び光信号受信装置は、映像信号のみならず各種の信号を周波数変調して送受信する光信号伝送システムに適用することができる。本光信号伝送システムは光伝送路の網形態がシングルスター(SS:Single Star)形式のトポロジである場合のみならず、パッシブダブルスター(PDS:Passive Double Star)形式のトポロジである場合にも適用することができる。
【図1】


【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号を受信して周波数復調する光信号受信機であって、
入力する光信号を2分岐する光分岐回路と、
2分岐された光信号の一方を遅延させる光遅延線と、
前記光遅延線からの光信号を第一の電気信号に変換する第一の光電変換回路と、
2分岐された光信号の他方の光信号を第二の電気信号に変換する第二の光電変換回路と、
第一の光電変換回路からの第一の電気信号と第二の光電変換回路からの第二の電気信号とを入力とし、単一の矩形波信号を出力する矩形波形成手段と、
前記矩形波形成手段からの矩形波信号を平滑化する平滑回路と
を備えたことを特徴とする光信号受信機。
【請求項2】
前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第一の2値信号を出力する第一の識別回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第二の2値信号を出力する第二の識別回路と、
前記第一の識別回路からの前記第一の2値信号と前記第二の識別回路からの前記第二の2値信号との論理積を演算して、前記単一の矩形波信号を出力する論理積回路と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光信号受信機。
【請求項3】
前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第一の2値信号を出力する第一の識別回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第二の2値信号を出力する第二の識別回路と、
前記第一の識別回路からの前記第一の2値信号と前記第二の識別回路からの前記第二の2値信号との論理和を演算して、前記単一の矩形波信号を出力する論理和回路と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光信号受信機。
【請求項4】
前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号をリミッター増幅し第一の2値信号を出力する第一のリミッター増幅回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号をリミッター増幅し第二の2値信号を出力するする第二のリミッター増幅回路と、
前記第一のリミッター増幅回路からの前記第一の2値信号と前記第二のリミッター増幅回路から前記第二の2値信号とを加算して、3値信号を出力する加算回路と、
前記第一の光電変換回路及び前記第二の光電変換回路に光信号が入力したときのレベルと、前記第一の光電変換回路又は前記第二の光電変換回路のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルとの間の閾値で、前記加算回路からの前記3値信号を大小比較により識別して、前記単一の矩形波信号を出力するハイレベル識別器と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光信号受信機。
【請求項5】
前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号をリミッター増幅し第一の2値信号を出力する第一のリミッター増幅回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号をリミッター増幅し第二の2値信号を出力するする第二のリミッター増幅回路と、
前記第一のリミッター増幅回路からの前記第一の2値信号と前記第二のリミッター増幅回路から前記第二の2値信号とを加算して、3値信号を出力する加算回路と、
前記第一の光電変換回路及び前記第二の光電変換回路のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルと、前記第一の光電変換回路および前記第二の光電変換回路に光信号が入力しないときのレベルとの間の閾値で、前記加算回路からの前記3値信号を大小比較により識別して、前記単一の矩形波信号を出力するローレベル識別器と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光信号受信機。
【請求項6】
光信号を受信して周波数復調する光信号受信装置であって、
入力する光信号をN個(Nは2以上の整数)に分岐する光分岐器と、
前記光分岐器からの光信号を2分岐する光分岐回路、2分岐された光信号の一方を遅延させる光遅延線、前記光遅延線からの光信号を第一の電気信号に変換する第一の光電変換回路、2分岐された光信号の他方の光信号を第二の電気信号に変換する第二の光電変換回路、第一の光電変換回路からの第一の電気信号と第二の光電変換回路からの第二の電気信号とを入力とし、単一の矩形波信号を出力する矩形波形成手段、および前記矩形波形成手段からの前記矩形波信号を平滑化する平滑回路を備えたN個の光信号受信機と、
前記N個の光信号受信機からそれぞれ出力されるN個の前記平滑化された前記矩形波信号を、位相を合わせて、合成する同相合成器と
を備えたことを特徴とする光信号受信装置。
【請求項7】
前記光信号受信機の前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第一の2値信号を出力する第一の識別回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第二の2値信号を出力する第二の識別回路と、
前記第一の識別回路からの前記第一の2値信号と前記第二の識別回路からの前記第二の2値信号との論理積を演算して、前記単一の矩形波信号を出力する論理積回路と
を備えることを特徴とする請求項6に記載の光信号受信装置。
【請求項8】
前記光信号受信機の前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第一の2値信号を出力する第一の識別回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第二の2値信号を出力する第二の識別回路と、
前記第一の識別回路からの前記第一の2値信号と前記第二の識別回路からの前記第二の2値信号との論理和を演算して、前記単一の矩形波信号を出力する論理和回路と
を備えることを特徴とする請求項6に記載の光信号受信装置。
【請求項9】
前記光信号受信機の前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号をリミッター増幅し第一の2値信号を出力する第一のリミッター増幅回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号をリミッター増幅し第二の2値信号を出力するする第二のリミッター増幅回路と、
前記第一のリミッター増幅回路からの前記第一の2値信号と前記第二のリミッター増幅回路から前記第二の2値信号とを加算して、3値信号を出力する加算回路と、
前記第一の光電変換回路及び前記第二の光電変換回路に光信号が入力したときのレベルと、前記第一の光電変換回路又は前記第二の光電変換回路のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルとの間の閾値で、前記加算回路からの前記3値信号を大小比較により識別して、前記単一の矩形波信号を出力するハイレベル識別器と
を備えることを特徴とする請求項6に記載の光信号受信装置。
【請求項10】
前記光信号受信機の前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号をリミッター増幅し第一の2値信号を出力する第一のリミッター増幅回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号をリミッター増幅し第二の2値信号を出力するする第二のリミッター増幅回路と、
前記第一のリミッター増幅回路からの前記第一の2値信号と前記第二のリミッター増幅回路から前記第二の2値信号とを加算して、3値信号を出力する加算回路と、
前記第一の光電変換回路及び前記第二の光電変換回路のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルと、前記第一の光電変換回路および前記第二の光電変換回路に光信号が入力しないときのレベルとの間の閾値で、前記加算回路からの前記3値信号を大小比較により識別して、前記単一の矩形波信号を出力するローレベル識別器と
を備えることを特徴とする請求項6に記載の光信号受信装置。
【請求項11】
FM一括変換方式を用いた光信号伝送システムであって、
FM一括変換回路を具備する光信号送信機と、
前記光信号送信機と光伝送路を介して接続され、前記光信号送信機からの光信号を2分岐する光分岐回路、2分岐された光信号の一方を遅延させる光遅延線、前記光遅延線からの光信号を第一の電気信号に変換する第一の光電変換回路、2分岐された光信号の他方の光信号を第二の電気信号に変換する第二の光電変換回路、第一の光電変換回路からの第一の電気信号と第二の光電変換回路からの第二の電気信号を入力とし、単一の矩形波信号を出力する矩形波形成手段、および前記矩形波形成手段からの矩形波信号を平滑化する平滑回路を備えた光信号受信機と
を備えたことを特徴とする光信号伝送システム。
【請求項12】
前記光信号受信機の前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第一の2値信号を出力する第一の識別回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第二の2値信号を出力する第二の識別回路と、
前記第一の識別回路からの前記第一の2値信号と前記第二の識別回路からの前記第二の2値信号との論理積を演算して、前記単一の矩形波信号を出力する論理積回路と
を備えることを特徴とする請求項11に記載の光信号伝送システム。
【請求項13】
前記光信号受信機の前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第一の2値信号を出力する第一の識別回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号のレベルを閾値との大小比較により識別して、第二の2値信号を出力する第二の識別回路と、
前記第一の識別回路からの前記第一の2値信号と前記第二の識別回路からの前記第二の2値信号との論理和を演算して、前記単一の矩形波信号を出力する論理和回路と
を備えることを特徴とする請求項11に記載の光信号伝送システム。
【請求項14】
前記光信号受信機の前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号をリミッター増幅し第一の2値信号を出力する第一のリミッター増幅回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号をリミッター増幅し第二の2値信号を出力するする第二のリミッター増幅回路と、
前記第一のリミッター増幅回路からの前記第一の2値信号と前記第二のリミッター増幅回路から前記第二の2値信号とを加算して、3値信号を出力する加算回路と、
前記第一の光電変換回路及び前記第二の光電変換回路に光信号が入力したときのレベルと、前記第一の光電変換回路又は前記第二の光電変換回路のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルとの間の閾値で、前記加算回路からの前記3値信号を大小比較により識別して、前記単一の矩形波信号を出力するハイレベル識別器と
を備えることを特徴とする請求項11に記載の光信号伝送システム。
【請求項15】
前記光信号受信機の前記矩形波形成手段は、
前記第一の光電変換回路からの前記第一の電気信号をリミッター増幅し第一の2値信号を出力する第一のリミッター増幅回路と、
前記第二の光電変換回路からの前記第二の電気信号をリミッター増幅し第二の2値信号を出力するする第二のリミッター増幅回路と、
前記第一のリミッター増幅回路からの前記第一の2値信号と前記第二のリミッター増幅回路から前記第二の2値信号とを加算して、3値信号を出力する加算回路と、
前記第一の光電変換回路及び前記第二の光電変換回路のいずれか一方に光信号が入力したときのレベルと、前記第一の光電変換回路および前記第二の光電変換回路に光信号が入力しないときのレベルとの間の閾値で、前記加算回路からの前記3値信号を大小比較により識別して、前記単一の矩形波信号を出力するローレベル識別器と
を備えることを特徴とする請求項11に記載の光信号伝送システム。
【請求項16】
前記光信号送信機は、前記FM一括変換回路が発生する歪みと逆の歪みを予め付加するプリディストーション回路をさらに備えることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の光信号伝送システム。

【国際公開番号】WO2005/027380
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【発行日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513856(P2005−513856)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012847
【国際出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】