説明

光受信装置

【課題】偏波多重信号光に対する波長分散補償値を最適に調整することは、受信器の符号誤り率を指標とするだけでは難しいという課題がある。偏波多重信号光の波長分散補償値を最適に調整することができる光受信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重信号光が伝送路から入力され、制御信号に基づく波長分散補償値で前記偏波多重信号光に含まれる波長分散の補償を行う可変波長分散補償器と、前記可変波長分散補償器の出力を偏波分離した分離信号光を出力するとともに、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度に依存する前記制御信号を生成し、前記制御信号に基づいて偏波分離の調整を行う偏波分離器と、を備える光受信装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重通信における可変波長分散補償器、光受信装置及び光伝送システム、ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重通信の波長分散補償方法、光受信方法及び光伝送方法、並びに波長分散補償プログラム及び光受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多数のチャネルで構成される波長多重光伝送システムにおける総伝送容量増大には、1チャネル(1波長)あたりの伝送容量の増加が必要である。チャネル速度の高速化に向けた様々な技術開発が精力的に進められた結果、これまで主流であった2.5Gb/s、10Gb/sに加えて、最近では40Gb/sも実用化され、近い将来には100Gb/sの実用化も予想されている。
【0003】
40Gb/sといった高速信号の伝送の際の課題は、波長分散耐力の極度の減少である。一般に同一の伝送方式を使用する場合、信号速度の向上はその二乗に反比例して波長分散耐力を減少させる。例えば、10Gb/sから40Gb/sへと信号速度が4倍になる際に、波長分散耐力は1/16となる。
【0004】
チャネル速度40Gb/s以上の長距離伝送では、伝送路で蓄積される波長分散をこの狭い波長分散耐力の内に収容することは、伝送路内の分散補償ファイバの管理・最適化だけでは実現不可能である。
【0005】
この課題の解決は様々な形で試みられている。その中で、各受信器の入力に可変の波長分散補償器を配置し、この可変波長分散補償器により信号光に残留した波長分散を波長分散補償値で補償した後に、信号光を受信器へと送り込むのが最も一般的な解決方法である(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
図1は、受信側に可変波長分散補償器を備える、関連する光伝送システムの概略構成図である。図1の光伝送システムは、送信器11からの信号光を可変波長分散補償器24に通しながら、受信器21が検出する符号誤り率を指標として波長分散補償値の最適化を行う。図1の光伝送システムは、可変波長分散補償器24の可変範囲の中で徐々に波長分散補償値を変化させていき、最良の符号誤り率を与える波長分散補償値を探る、というものである。
【0007】
図8は、図1の光伝送システムが行う波長分散補償値の最適化を説明するフローチャートである。ステップS11で波長分散補償値の最適化を開始した後、ステップS12で可変波長分散補償器24は波長分散補償値を最大化又は最小化する。可変波長分散補償器24は、ステップS13で受信器21が符号誤り率を測定可能かどうかを確認し、測定不可能ならステップS15で波長分散補償値を1ステップずつ変更する。測定可能であれば、可変波長分散補償器24はステップS14で前回の波長分散補償値で測定した符号誤り率と今回測定した符号誤り率とを比較する。改善していれば、ステップS15で可変波長分散補償器24は波長分散補償値を1ステップずつ変更する。劣化していれば、ステップS16で可変波長分散補償器24は現在の波長分散補償値の近傍を掃引して最良の符号誤り率を与える波長分散補償値を探して設定する。最適な波長分散補償値を設定した後、波長分散補償値の最適化を終了する。
【0008】
一方、1チャネル(1波長)あたりの伝送容量の増加のための手段として注目されている技術に偏波多重/分離伝送方式がある。通常の光伝送システムでは、各チャネルの信号光は光ファイバの2つの偏波軸のうちの一方しか使用しないのに対し、偏波多重方式では2つとも使用することを特徴とする。具体的には、同じ信号波長を使用する独立な2つの信号光を、偏波多重器により合波し、その状態で伝送路を伝搬させ、受信器では偏波分離器により再度2つの信号光に分離し、2つの独立な受信器で受信する。
【0009】
図2は、偏波多重方式を使用した関連する光伝送システムの概略構成図である。2つの送信器(11、12)から出力された2つの独立な信号光は偏波多重器13により多重され、伝送路401へと送り込まれる。受信端では偏波分離器23により再度2つの信号光に分離され、送信器11から送られた信号光は受信器21により、送信器12から送られた信号光は受信器22により受信される。波長分散に偏波依存性は無いので、伝送路401中で蓄積された波長分散は、偏波分離器23の前の可変波長分散補償器24で一括して補償される。
【0010】
図3は、関連する光伝送システムにおける光受信装置を説明する図である。図3の光受信装置は、偏波分離器23、偏波分離器23の前段に配置される可変分散補償器24及び偏波分離器23の後段に配置される受信器(21、22)を備える。偏波分離器23は、偏波制御器31、偏波ビームスプリッタ32、光分岐器33及び制御信号抽出回路34を有する。
【0011】
偏波ビームスプリッタ32は、偏波制御器31からの信号光を多重されている偏波成分毎に分離して出力する。光分岐器33は偏波ビームスプリッタ32の一方の出力を分岐する。制御信号抽出回路34は、光分岐器33が分岐した信号光に基づいて制御信号を出力する。例えば、制御信号抽出回路34は、信号光に含まれるクロック成分の強度を測定し、これを制御信号として出力することができる。
【0012】
偏波制御器31は、入力される制御信号に基づいて、信号光の2つの偏波成分と偏波ビームスプリッタ32の2つの固有偏波軸とが一致するように信号光の偏波状態を制御する。例えば、偏波制御器31は、偏波ビームスプリッタ32の一方の出力に含まれるクロック成分の強度を最大化(場合により最小化)するように信号光の偏波状態を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2002−208892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、偏波多重信号光が波長分散を有する場合、偏波分離器は完全に偏波分離することができない。このため、各受信器に入力される光が、それぞれ2つの送信器からの信号光が混合した状態の光となり、符号誤り率を指標として波長分散補償値を決定することが困難になる。
【0015】
例えば、可変波長分散補償器で波長分散補償値を徐々に変化させていき、波長分散がゼロになる波長分散補償値を発見したとしても、偏波多重/分離の過程が対称性であるので、受信器は異なる送信器からの信号光を受信する場合がある。図2で説明すれば、送信器11からの信号光を受信器22が受信し、送信器12からの信号光を受信器21が受信する可能性がある。この場合、受信器は正常な符号誤り率の検出を行うことができず、波長分散補償値を決定することができない。このように、偏波多重信号光に対する波長分散補償値を最適に調整することは、受信器の符号誤り率を指標とするだけでは難しいという課題がある。
【0016】
本発明の目的は、上記課題を解決するための技術を提供することである。すなわち、本発明は、偏波多重信号光の波長分散補償値を最適に調整することができる光受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
具体的には、本発明に係る光受信装置は、ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重信号光が伝送路から入力され、制御信号に基づく波長分散補償値で前記偏波多重信号光に含まれる波長分散の補償を行う可変波長分散補償器と、前記可変波長分散補償器の出力を偏波分離した分離信号光を出力するとともに、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度に依存する前記制御信号を生成し、前記制御信号に基づいて偏波分離の調整を行う偏波分離器と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、偏波多重信号光の波長分散補償値を最適に調整することができる光受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】関連する光伝送システムの概略構成図である。
【図2】関連する光伝送システムの概略構成図である。
【図3】関連する光伝送システムにおける光受信装置を説明する図である。
【図4】本発明に係る光受信装置の概略構成図である。
【図5】波長分散補償値とクロック成分の強度との関係を示した図である。
【図6】本発明に係る光受信装置の概略構成図である。
【図7】波長分散補償値とクロック成分の強度との関係を示した図である。
【図8】関連する光受信装置が行う波長分散補償値の最適化を説明するフローチャートである。
【図9】本発明に係る光受信装置が行う波長分散補償値の最適化を説明するフローチャートである。
【図10】本発明に係る光受信装置が行う波長分散補償値の最適化を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0021】
(第1の実施形態)
図4は、本実施形態の光伝送システムの概略構成図である。本光伝送システムはビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重通信の多重信号光を伝送路401へ出力する光送信装置301、光受信装置302と、を備える。
【0022】
光受信装置302は、ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重信号光が伝送路401から入力され、制御信号に基づく波長分散補償値で偏波多重信号光に含まれる波長分散の補償を行う可変波長分散補償器24と、可変波長分散補償器24の出力(補償信号光)を偏波分離した分離信号光を出力するとともに、分離信号光に含まれるクロック成分の強度に依存する制御信号を生成し、制御信号に基づいて偏波分離の調整を行う偏波分離器23と、を備える。
【0023】
光受信装置302の特徴は、偏波分離器23が波長分散に依存する値を含む制御信号を生成しており、可変波長分散補償器24はこれを指標としていることである。偏波分離器23が生成する制御信号は、偏波多重信号光を偏波分離した分離信号光のクロック成分の強度に依存しており、偏波多重信号光に含まれる波長分散で強度が変化する。このため、可変波長分散補償器24は分離信号光のクロック成分の強度を大きくするように波長分散を補償する。
【0024】
また、偏波分離器23も制御信号に基づいて偏波分離を行っている。偏波分離は直交する2つの信号光の混信が最小となるように分離する偏波角を調整する。ここでは、光受信装置302に入力する偏波多重信号光はビット同期している2つの信号光であるため、偏波分離器23は、分離信号光のクロック成分の強度が所定の値となるように偏波分離を調整している。例えば、2つの信号光の位相が150°ずれている場合、偏波分離器23は、分離信号光のクロック成分の強度を最大値より低い所定の値になるように偏波分離を調整する。2つの信号光の位相が180°ずれている場合、すなわち、ビットインターリーブの場合、偏波分離器23は、分離信号光のクロック成分の強度が最大になるように偏波分離を調整する。2つの信号光の位相と振幅が一致する場合、偏波分離器23は、分離信号光のクロック成分の強度が最小になるように偏波分離を調整する。
【0025】
以下、偏波多重信号光がビットインターリーブの場合について、さらに詳細に説明する。光受信装置302は、ビットインターリーブ多重された偏波多重通信の多重信号光が伝送路401から入力され、多重信号光に含まれる伝送路401で蓄積された波長分散を可変の波長分散補償値で補償し、補償信号光として出力する可変波長分散補償器24と、可変波長分散補償器24に対して波長分散補償値を指示する波長分散補償量制御器41と、可変波長分散補償器24からの補償信号光を偏波分離し、分離信号光として出力する偏波分離器23と、偏波分離器23からの分離信号光をそれぞれ受信する複数の受信器(21、22)と、を備える。
【0026】
波長分散補償量制御器41は、分離信号光に含まれるクロック成分の強度を波長分散補償値を決定する指標としている。また、偏波分離器23は、分離信号光に含まれるクロック成分の強度を補償信号光の偏波分離を調整する指標としている。
【0027】
光受信装置302は、偏波分離した信号光に含まれるクロック成分の強度を指標として、波長分散の補償と偏波分離の最適化を行う。光受信装置302が用いられる光伝送システムの信号光のフォーマットは、同一の信号速度の各偏波成分をRZ(Return to Zero)化させ、両成分のRZパルスの相対位置を半周期ずらして偏波多重したビットインターリーブ多重である。
【0028】
ビットインターリーブ多重であるので、両偏波成分が完全に偏波分離されたときにクロック成分の強度は最大になる。また、波長分散が残留している状態では信号光のパルス広がりのためにクロック成分の強度は滅少する。また、クロック成分の強度は波長分散の大きさによっても増減する。例えば、波長分散がゼロのときにクロック成分の強度は最大となる。このため、クロック成分の強度を指標とすることで、偏波分離だけでなく波長分散補償値も最適化することができる。
【0029】
光受信装置302は、受信器における符号誤り率を波長分散補償値の指標にしていないため、偏波多重信号光の波長分散補償値を最適に調整することができる。
【0030】
続いて、波長分散補償値を最適化する手段について説明する。第1の実施形態における手段は常に偏波制御を行う手段である。
【0031】
偏波分離器23は、偏波制御器31、偏波ビームスプリッタ32、光分岐器33及び制御信号抽出回路34を有する。偏波ビームスプリッタ32は、補償信号光を偏波分離し、分離信号として出力する。光分岐器33は、偏波ビームスプリッタ32が出力した分離信号の一方から信号光を分岐する。制御信号抽出回路34は、光分岐器33が分岐した信号光に含まれるクロック成分の強度を測定し、制御信号を出力する。偏波制御器31は、制御信号抽出回路34からの制御信号に基づき、常に可変波長分散補償器24からの補償信号光の偏波状態を調整して偏波ビームスプリッタ32に出力する。また、偏波分離器23は、補償信号光を偏波分離する際に、分離信号光に含まれるクロック成分の強度が最大となるように補償信号光の偏波状態を調整をする。
【0032】
波長分散補償量制御器41は、制御信号抽出回路34から入力される制御信号に基づき、分離信号光に含まれるクロック成分の強度が閾値以上になるように波長分散補償値を決定する。より詳細には、波長分散補償量制御器41は、可変波長分散補償器24の波長分散補償値を徐々に変化させ、分離信号光に含まれるクロック成分の強度をモニタすることにより、波長分散補償値とクロック成分の強度との関係を調査する。
【0033】
図5は、波長分散補償量制御器41が可変波長分散補償器24の波長分散補償値を徐々に変化させて分離信号光に含まれるクロック成分の強度をモニタしたときの実施例である。図5のように波長分散補償値の可変範囲内にクロック成分の強度の最大値が現れた場合、ここが最適な波長分散補償値である。
【0034】
調査後、波長分散補償量制御器41は、クロック成分の強度が最大値となるような波長分散補償値を可変波長分散補償器24に通知する。なお、波長分散補償値を決定する時間を短縮させる場合、閾値を設け、クロック成分の強度がこの閾値を超えたときの波長分散補償値を可変波長分散補償器24に通知してもよい。可変波長分散補償器24は、波長分散補償量制御器41が決定した波長分散補償値で多重信号光の波長分散を補償する。これにより、光受信装置302は偏波多重信号光の波長分散補償値を最適に調整することができる。
【0035】
光受信装置302は、クロック成分の強度を指標として波長分散の補償を完了させた後、受信器の符号誤り率を指標として波長分散補償値を微調整してもよい。具体的には、可変波長分散補償器24は、まず、分離信号光に含まれるクロック成分の強度で多重信号に含まれる波長分散を補償し、次いで受信器(21、22)の符号誤り検出機能を使用して符号誤り率を最小とするように多重信号に含まれる波長分散をさらに補償する。
【0036】
次に、光受信装置302の光受信方法を説明する。光受信装置302は、波長分散補償量制御器41が分離信号光に含まれるクロック成分の強度を指標として波長分散補償値を決定する波長分散補償値制御手順と、偏波分離器23が分離信号光に含まれるクロック成分の強度を指標として補償信号光の偏波分離を調整する偏波分離調整手順と、を行う。すなわち、光受信装置302の光受信方法は、ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重信号光を、制御信号に基づく波長分散補償値で前記偏波多重信号光に含まれる波長分散の補償を行う可変波長分散補償手順と、前記波長分散の補償を行った前記偏波多重信号光を偏波分離した分離信号光を出力し、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度に依存する前記制御信号を生成し、前記制御信号に基づいて偏波分離の調整を行う偏波分離手順と、を含む。偏波分離器23が行う偏波分離調整手順は、図3での説明と同様である。
【0037】
図9は、波長分散補償量制御器41が行う波長分散補償値制御手順及び波長分散補償値調整手順を説明するフローチャートである。波長分散補償値制御手順は、ステップS21からステップS24を含む。波長分散補償値調整手順は、ステップS25からステップS29を含む。
【0038】
ステップS21で波長分散補償値制御手順を開始した後、波長分散補償量制御器41は、ステップS22で可変波長分散補償器24の波長分散補償値を最大化又は最小化する。波長分散補償量制御器41は、ステップS23で制御信号抽出回路34から出力される制御信号に基づき分離信号光に含まれるクロック成分の強度が閾値より大きいか否かを判断する。小さい場合、波長分散補償量制御器41は、ステップS24で可変波長分散補償器24に波長分散補償値を1ステップずつ変更させる。大きい場合、波長分散補償量制御器41はステップS25で受信器(21、22)が符号誤り率を測定可能かどうかを確認する。測定不能の場合、波長分散補償量制御器41はステップS26で偏波制御器31をリセットして再度符号誤り率を測定可能かどうかを確認する。測定可能の場合、波長分散補償量制御器41はステップS27で前回の波長分散補償値で測定した符号誤り率と今回測定した符号誤り率とを比較する。改善していれば、波長分散補償量制御器41はステップS24で可変波長分散補償器24の波長分散補償値を1ステップずつ変更する。劣化していれば、波長分散補償量制御器41はステップS28で現在の可変波長分散補償器24の波長分散補償値の近傍を掃引して最良の符号誤り率を与える波長分散補償値を探して設定する。波長分散補償量制御器41はステップS29で最適な波長分散補償値を可変波長分散補償器24に設定した後、波長分散補償値制御手順を終了する。
【0039】
光受信装置302は、偏波分離調整手順と波長分散補償値制御手順とを同時に行うこともできるが、偏波分離器23が偏波分離調整手順を行った後に、波長分散補償量制御器41が波長分散補償値制御手順を行うこともできる。波長分散補償値を決定する時間を短縮することができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図6は、本実施形態の他の光伝送システムの概略構成図である。本光伝送システムは図4の光伝送システムの光受信装置302を光受信装置303に置換したものである。光受信装置303も、光受信装置302と同様に可変波長分散補償器24と、偏波分離器23と、を備える。光受信装置303は、可変波長分散補償器24が分離信号光のクロック成分の強度を大きくするように波長分散を補償し、偏波分離器23が分離信号光のクロック成分の強度が所定の値となるように偏波分離を調整する点も光受信装置302と同様である。以下、偏波多重信号光がビットインターリーブの場合について、さらに詳細に説明する。
【0041】
光受信装置303の波長分散補償値を最適化する手段は、波長分散最適化中に偏波制御器をスクランブラとして使用する手段である。光受信装置303と図4の光受信装置302との違いは、光受信装置303が偏波分離器23の代替として偏波分離器23aを備えている点である。偏波分離器23aは、偏波制御器31、偏波ビームスプリッタ32、光分岐器33、制御信号抽出回路34、ランダム信号発信器35及びスイッチ36を有する。
【0042】
偏波分離器23aと図4の偏波分離器23との違いは、偏波分離器23aがランダム信号発信器35及びスイッチ36を有することである。偏波分離器23aがランダム信号発信器35及びスイッチ36を有することで光受信装置303は以下のように動作する。なお、偏波分離器23aと偏波分離器23と異なる部分のみ説明する。
【0043】
ランダム信号発信器35は、ランダム信号を出力する。スイッチ36は、ランダム信号発信器35からのランダム信号か、又は制御信号抽出回路34からの制御信号かを選択し、偏波制御器31に入力する。偏波制御器31は、ランダム信号が入力されるときは可変波長分散補償器24からの補償信号光の偏波状態を変動させて偏波ビームスプリッタ32に出力し、制御信号が入力されるときは制御信号に基づき、可変波長分散補償器24からの補償信号光の偏波状態を調整して偏波ビームスプリッタ32に出力する。
【0044】
偏波制御器31は、ランダム信号が入力されるとき、ある所定の速度でランダムに出力偏波状態を変動させる偏波スクランブラとして動作する。偏波制御器31がスクランブラとして動作しているとき、分離信号光に含まれるクロック成分の強度は大きく変動する。クロック成分の強度の最大値は、2つの偏波成分と、偏波ビームスプリッタ32の固有偏波が一致した瞬間に現れる。一方、偏波制御器31は、制御信号が入力されているとき、分離信号光に含まれるクロック成分の強度が最大となるように補償信号光の偏波状態を調整する。
【0045】
波長分散補償量制御器41はこの最大値をモニタしながら、徐々に波長分散補償値を変化させていき、両者の関係を調べる。詳細には、波長分散補償量制御器41は、制御信号抽出回路34からの制御信号が入力されており、偏波制御器31にランダム信号が入力されているときに、可変波長分散補償器24に対して波長分散補償値を所定期間毎に変化させるように指示し、所定期間内で分離信号光に含まれるクロック成分の強度が最大である期間内最大値を取得し、所定期間毎の期間内最大値を比較し、最も大きい期間内最大値を出した所定期間の波長分散補償値を検出する。
【0046】
図7は、波長分散補償量制御器41が可変波長分散補償器24に対して波長分散補償値を所定期間毎に変化させるように指示したときの波長分散補償値とクロック成分の強度との関係を示した実施例である。図7は、波長分散補償値D[k+1]を与えた期間の期間内最大値が他の期間より大きく、波長分散補償値D[k+1]が最適な波長分散補償値であることを示している。
【0047】
多重信号光の偏波状態に関わらず、波長分散補償量制御器41は波長分散補償値の最適値を見つけることができる。その後、可変波長分散補償器24は、波長分散補償量制御器41が検出した最適な波長分散補償値で多重信号光の波長分散を補償する。また、可変波長分散補償器24が多重信号の波長分散を補償した後、偏波分離器23aは補償信号光の偏波分離を行う。具体的には、スイッチ36はランダム信号発信器35からのランダム信号から制御信号抽出回路34からの制御信号に切り替える。これにより偏波制御器31は、偏波スクランブルを停止して偏波制御を開始する。これにより、光受信装置303は偏波多重信号光の波長分散補償及び偏波多重信号光の偏波分離の双方の最適化を確実に行うことができる。
【0048】
光受信装置303も、図4の光受信装置302と同様に、クロック成分の強度を指標として波長分散の補償を完了させた後、受信器の符号誤り率で波長分散補償値を微調整してもよい。
【0049】
次に、光受信装置303の光受信方法を説明する。光受信装置303は、図4の光受信装置302と同様に、偏波分離調整手順と波長分散補償値制御手順を行う。
【0050】
図10は、波長分散補償量制御器41が行う波長分散補償値制御手順及び波長分散補償値調整手順を説明するフローチャートである。波長分散補償値制御手順は、ステップS31からステップS34を含む。波長分散補償値調整手順は、ステップS35からステップS39を含む。偏波分離調整手順は、ステップS35の後でステップS36の前に行うことができる。また、偏波分離調整手順は、ステップS39の後に行ってもよい。
【0051】
ステップS31で波長分散補償値制御手順を開始した後、波長分散補償量制御器41はステップS32でスイッチ36をランダム信号発信器35に切り替えてランダム信号を偏波制御器31に入力する。これで、偏波制御器31は偏波スクランブラとして機能する。波長分散補償量制御器41は、ステップS33で所定期間毎に波長分散補償値を変更して可変波長分散補償器24に指示する。そして、波長分散補償量制御器41は、図7のように所定期間毎の期間内最大値を比較し、最も大きい期間内最大値を出した所定期間の波長分散補償値を探し出す。さらに、波長分散補償量制御器41は、ステップS34で探し出した波長分散補償値を可変波長分散補償器24に設定する。その後、波長分散補償量制御器41は、ステップS35でスイッチ36を切り替えて制御信号を偏波制御器31に入力する。これで、偏波制御器31は補償信号光の偏波状態を調整することができる。続いて、波長分散補償量制御器41はステップS36で受信器(21、22)が符号誤り率を測定可能かどうかを確認する。測定不能の場合、波長分散補償量制御器41はステップS37で偏波制御器31をリセットして再度符号誤り率を測定可能かどうかを確認する。測定可能の場合、波長分散補償量制御器41はステップS38で現在の波長分散補償値の近傍を掃引して最良の符号誤り率を与える波長分散補償値を探して設定する。最適な波長分散補償値を設定した後、波長分散補償値の最適化を終了する。
【0052】
光受信装置303は、最初に可変波長分散補償器が最適な波長分散補償量を与えるため、偏波制御器は常に偏波制御を正確に行うことができ、光伝送システムの信頼性を高めることができる。
【0053】
例えば、光受信装置302及び光受信装置303の光受信方法は、コンピュータが読み取り可能な光受信プログラムとして作成し、コンピュータに実行させることで実現することができる。コンピュータが光受信プログラムを実行することで、光受信装置302及び光受信装置303は偏波多重信号光の波長分散補償値を最適に調整することができる。
【符号の説明】
【0054】
11、12:送信器
13:偏波多重器
21、22:受信器
23、23a:偏波分離器
24:可変波長分散補償器
31:偏波制御器
32:偏波ビームスプリッタ
33:光分岐器
34:制御信号抽出回路
35:ランダム信号発信器
36:スイッチ
41:波長分散補償量制御器
301:光送信装置
302、303:光受信装置
401:伝送路
S11〜S17、S21〜S29、S31〜S39:ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重信号光が伝送路から入力され、制御信号に基づく波長分散補償値で前記偏波多重信号光に含まれる波長分散の補償を行う可変波長分散補償器と、
前記可変波長分散補償器の出力を偏波分離した分離信号光を出力するとともに、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度に依存する前記制御信号を生成し、前記制御信号に基づいて偏波分離の調整を行う偏波分離器と、
を備える光受信装置。
【請求項2】
前記偏波分離器は、
前記可変波長分散補償器の出力を偏波分離し、前記分離信号として出力する偏波ビームスプリッタと、
前記偏波ビームスプリッタからの前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度を測定し、前記制御信号を出力する制御信号抽出回路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の光受信装置。
【請求項3】
前記偏波分離器は、
前記制御信号抽出回路からの前記制御信号に基づき、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が所定値となるように前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態を調整して前記偏波ビームスプリッタに出力する偏波制御器をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の光受信装置。
【請求項4】
前記波長分散補償量制御器は、
前記制御信号抽出回路からの前記制御信号が入力され、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が閾値以上になるように前記波長分散補償値を決定することを特徴とする請求項2又は3に記載の光受信装置。
【請求項5】
前記偏波分離器が前記可変波長分散補償器の出力の偏波分離の調整を完了した後、前記波長分散補償量制御器が前記波長分散補償値を決定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光受信装置。
【請求項6】
前記偏波分離器は、
ランダム信号を出力するランダム信号発信器と、
前記ランダム信号発信器からの前記ランダム信号又は前記制御信号抽出回路からの前記制御信号が入力され、前記ランダム信号が入力されるときに、前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態をランダムに変動させて前記偏波ビームスプリッタに出力する偏波制御器と、
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の光受信装置。
【請求項7】
前記波長分散補償量制御器は、
前記制御信号抽出回路からの前記制御信号が入力されており、
前記偏波制御器に前記ランダム信号が入力されているときに、前記可変波長分散補償器に対して前記波長分散補償値を所定期間毎に変化させるように指示し、前記所定期間内で前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が最大の期間内最大値を検出し、前記所定期間毎の前記期間内最大値を比較し、最も大きい前記期間内最大値を出した前記所定期間での前記波長分散補償値を探し出して決定することを特徴とする請求項6に記載の光受信装置。
【請求項8】
前記波長分散補償量制御器が前記波長分散補償値を決定した後、
前記偏波分離器は、前記制御信号が入力され、前記制御信号に基づき、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が所定値となるように前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態を調整して前記偏波ビームスプリッタに出力し、前記可変波長分散補償器の出力の偏波分離を完了することを特徴とする請求項7に記載の光受信装置。
【請求項9】
前記波長分散補償量制御器は、前記分離信号光をそれぞれ受信する受信器の符号誤り検出機能を使用して符号誤り率を最小とするように前記波長分散補償値をさらに調整することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の光受信装置。
【請求項10】
前記ビット同期している2つの信号光のビット位相が略180°ずれており、
前記偏波分離器は、前記分離信号に含まれるクロック成分の強度が最大となるように偏波分離の調整を行うことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の光受信装置。
【請求項11】
ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重信号光を伝送路へ出力する光送信装置と、請求項1から10のいずれかに記載の光受信装置と、を備えることを特徴とする光伝送システム。
【請求項12】
ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重信号光を、制御信号に基づく波長分散補償値で前記偏波多重信号光に含まれる波長分散の補償を行う可変波長分散補償手順と、
前記波長分散の補償を行った前記偏波多重信号光を偏波分離した分離信号光を出力し、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度に依存する前記制御信号を生成し、前記制御信号に基づいて偏波分離の調整を行う偏波分離手順と、
を含む光受信方法。
【請求項13】
前記偏波分離調整手順は、
前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度を測定して前記制御信号を出力することを特徴とする請求項12に記載の光受信方法。
【請求項14】
前記偏波分離調整手順は、
前記制御信号に基づき、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が所定値となるように前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態を調整することを特徴とする請求項12又は13に記載の光受信方法。
【請求項15】
前記波長分散補償量制御手順は、
前記制御信号に基づき、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が閾値以上になるように前記波長分散補償値を決定することを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の光受信方法。
【請求項16】
前記偏波分離調整手順の後に前記波長分散補償値制御手順を行うことを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載の光受信方法。
【請求項17】
前記波長分散補償量制御手順は、
ランダム信号を用いて前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態をランダムに変動させた後に該可変波長分散補償器の出力を偏波分離して前記分離信号光とすることを特徴とする請求項12又は13に記載の光受信方法。
【請求項18】
前記波長分散補償量制御手順は、
前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態がランダムに変動するときに、前記可変波長分散補償器に対して前記波長分散補償値を所定期間毎に変化させるように指示し、前記制御信号に基づき、前記所定期間内で前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が最大の期間内最大値を検出し、前記所定期間毎の前記期間内最大値を比較し、最も大きい前記期間内最大値を出した前記所定期間での前記波長分散補償値を探し出して決定することを特徴とする請求項17に記載の光受信方法。
【請求項19】
前記波長分散補償値制御手順の後、
前記偏波分離調整手順は、前記制御信号に基づき、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が所定値となるように前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態を調整することを特徴とする請求項18に記載の光受信方法。
【請求項20】
前記波長分散補償値制御手順及び前記偏波分離調整手順の後に、
前記分離信号光を受信するときの符号誤り率を最小とするように前記波長分散補償値をさらに調整する波長分散補償値調整手順を行うことを特徴とする請求項12から19のいずれかに記載の光受信方法。
【請求項21】
前記ビット同期している2つの信号光のビット位相が略180°ずれており、
前記偏波分離手順で、前記分離信号に含まれるクロック成分の強度が最大となるように偏波分離の調整を行うことを特徴とする請求項12から20のいずれかに記載の光受信方法。
【請求項22】
ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重信号光を伝送路へ出力する光送信方法と、請求項11から19のいずれかに記載の光受信方法と、を備えることを特徴とする光伝送方法。
【請求項23】
可変波長分散補償器が、ビット同期している2つの信号光が偏波多重された偏波多重信号光を、制御信号に基づく波長分散補償値で前記偏波多重信号光に含まれる波長分散の補償をする可変波長分散補償手順を行い、
偏波分離器が、前記可変波長分散補償器の出力を偏波分離した分離信号光を出力するとともに、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度に依存する前記制御信号を生成し、前記制御信号に基づいて偏波分離の調整をする偏波分離手順を行う光受信方法をコンピュータに実行させる光受信プログラム。
【請求項24】
前記偏波分離調整手順において、
前記偏波分離器の制御信号抽出回路が、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度を測定して前記制御信号を出力する光受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項23に記載の光受信プログラム。
【請求項25】
前記偏波分離調整手順において、
前記偏波分離器の偏波制御器が、前記制御信号に基づき、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が最大となるように前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態を調整する光受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項23又は24に記載の光受信プログラム。
【請求項26】
前記波長分散補償量制御手順において、
前記波長分散補償量制御器が、前記制御信号に基づき、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が閾値以上になるように前記波長分散補償値を決定する光受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項23から25のいずれかに記載の光受信プログラム。
【請求項27】
前記偏波分離調整手順の後に前記波長分散補償値制御手順を行う光受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項23から26のいずれかに記載の光受信プログラム。
【請求項28】
前記波長分散補償量制御手順において、
前記偏波分離器の偏波制御器が、ランダム信号を用いて前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態をランダムに変動させ、前記偏波分離器の偏波ビームスプリッタが、該可変波長分散補償器の出力を偏波分離して前記分離信号光とする光受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項23又は24に記載の光受信プログラム。
【請求項29】
前記波長分散補償量制御手順において、
前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態がランダムに変動するときに、前記波長分散補償量制御器が、前記可変波長分散補償器に対して前記波長分散補償値を所定期間毎に変化させるように指示し、前記制御信号に基づき、前記所定期間内で前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が最大の期間内最大値を検出し、前記所定期間毎の前記期間内最大値を比較し、最も大きい前記期間内最大値を出した前記所定期間での前記波長分散補償値を探し出して決定する光受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項28に記載の光受信プログラム。
【請求項30】
前記波長分散補償値制御手順の後、前記偏波分離調整手順において、
前記偏波分離器の偏波制御器が、前記制御信号に基づき、前記分離信号光に含まれるクロック成分の強度が最大となるように前記可変波長分散補償器の出力の偏波状態を調整する光受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項29に記載の光受信プログラム。
【請求項31】
前記波長分散補償値制御手順及び前記偏波分離調整手順の後の波長分散補償値調整手順において、
前記偏波分離器の偏波制御器が、前記分離信号光を受信するときの符号誤り率を最小とするように前記波長分散補償値をさらに調整する光受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項23から30のいずれかに記載の光受信プログラム。
【請求項32】
前記ビット同期している2つの信号光のビット位相が略180°ずれており、
前記偏波分離器が、前記分離信号に含まれるクロック成分の強度を最大にするように偏波分離の調整を行う光受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項23から31のいずれかに記載の光受信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−252204(P2010−252204A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101522(P2009−101522)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】