説明

光増幅装置および光増幅方法

【課題】出力光のパワーを安定させること。
【解決手段】光増幅装置100は、LD110と、増幅媒体130と、検出部160と、を備えている。LD110は、供給される駆動電流171に応じたパワーの励起光111,112を出力する。増幅媒体130は、LD110から出力された励起光111によって入力光101を増幅する。検出部160は、励起光111のパワーに対する増幅媒体130の利得の応答速度より高速な励起光112のパワーの変動を検出する。光増幅装置100は、検出部160によって変動が検出された場合に、LD110へ供給される駆動電流171を変動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を増幅する光増幅装置および光増幅方法に関する。
【背景技術】
【0002】
希土類元素をドープした増幅媒体を用いた光増幅器として、たとえばエルビウム(Er)をドープしたEDF(Erbium Doped Fiber:エルビウム添加ファイバ)を用いた光増幅器が知られている。EDFは、0.98[μm]帯や1.48[μm]帯の励起光のレベルに応じた利得で入力光を増幅する。励起光源には、たとえばLD(Laser Diode:半導体レーザ)が用いられる。
【0003】
LDは、たとえば共振構造により発振することで発光する原理である。昨今では、LDの出力ファイバに、所望の波長のみ反射をする外部反射器を接続する外部共振構造により発振波長を設定するものもある。LDの出力光の波長および強度は、主に、外部から供給する電流に起因する利得や共振長に応じて決まる。
【0004】
たとえば外部反射や偏光状態などによってLDの発振モードが変動すると、特にLDの駆動レベルが低い場合はLDの出力パワーが不安定になる場合がある。不安定時のLDの出力パワーの変動周期は、外部環境に大きく依存するため不定な周期である。また、EDFを用いた光増幅器においては、たとえば、光増幅器の出力モニタ値に基づいて励起光源のLDを制御するフィードバック制御が行われる。また、LDの不安定性を改善するために高周波を重畳する構成(たとえば、下記特許文献1,2参照。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−32162号公報
【特許文献2】特開平8−204267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、LDの出力パワーが増幅媒体の応答速度より速く変動すると、増幅媒体の出力値に基づくフィードバック制御によるLDの制御が間に合わず、増幅媒体の出力光のパワーが変動してしまう。このため、出力光のパワーを安定させることができないという問題がある。また、高周波を重畳する構成では、特に光増幅器を多段に接続した場合、重畳した高周波成分が累積し、伝送品質に影響を与えるという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、出力光のパワーを安定させることができる光増幅装置および光増幅方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、供給される駆動電流に応じたパワーの励起光を出力する半導体レーザと、希土類元素が添加され、前記半導体レーザから出力された励起光によって入力光を増幅する増幅媒体と、を用いた光増幅において、前記励起光のパワーに対する前記増幅媒体の利得の応答速度より高速な前記励起光のパワーの変動を検出し、検出した変動に基づいて、前記半導体レーザへ供給される駆動電流を変動させる光増幅装置および光増幅方法が提案される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によれば、出力光のパワーを安定させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる光増幅装置の一例を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した光増幅装置の構成例を示す図である。
【図3−1】図3−1は、駆動電流を変動させないと仮定した場合の各部の動作例を示す参考図である。
【図3−2】図3−2は、駆動電流を変動(減算)させた場合の各部の動作例を示す図である。
【図3−3】図3−3は、駆動電流を変動(加算)させた場合の各部の動作例を示す図である。
【図4−1】図4−1は、図2に示した光増幅装置の変形例1を示す図である。
【図4−2】図4−2は、図2に示した光増幅装置の変形例2を示す図である。
【図4−3】図4−3は、図2に示した光増幅装置の変形例3を示す図である。
【図4−4】図4−4は、図2に示した光増幅装置の変形例4を示す図である。
【図4−5】図4−5は、図2に示した光増幅装置の変形例5を示す図である。
【図5−1】図5−1は、図2に示した光増幅装置の変形例6を示す図である。
【図5−2】図5−2は、図2に示した光増幅装置の変形例7を示す図である。
【図5−3】図5−3は、図2に示した光増幅装置の変形例8を示す図である。
【図5−4】図5−4は、図2に示した光増幅装置の変形例9を示す図である。
【図6−1】図6−1は、実施の形態2にかかる光増幅装置の構成例を示す図である。
【図6−2】図6−2は、図6−1に示した光増幅装置の変形例を示す図である。
【図7−1】図7−1は、実施の形態3にかかる光増幅装置の構成例を示す図である。
【図7−2】図7−2は、図7−1に示した変動成分検出部の構成例を示す図である。
【図7−3】図7−3は、図7−1に示した光増幅装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる光増幅装置および光増幅方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる光増幅装置の一例を示す図である。図1に示す光増幅装置100は、入力光101を増幅して出力する光増幅装置である。図1に示すように、実施の形態1にかかる光増幅装置100は、LD110と、合波器120と、増幅媒体130と、供給部150と、検出部160と、変動部170と、を備えている。
【0013】
LD110は、供給される駆動電流171に応じたパワーの励起光111,112をそれぞれ合波器120および検出部160へ出力する半導体レーザである。励起光111,112は、たとえば、LD110が出力した光を分岐カプラにより分岐した各光であってもよいし、励起光111が前方および後方にそれぞれ出力した各光であってもよい。
【0014】
合波器120には、光増幅装置100への入力光101と、LD110から出力された励起光111と、が入力される。合波器120は、入力された入力光101と励起光111とを合波して増幅媒体130へ出力する。
【0015】
増幅媒体130は、希土類元素が添加された増幅媒体である。たとえば、増幅媒体130は、光ファイバのコアにエルビウムイオンを添加したEDFである。増幅媒体130には、合波器120によって合波して出力された入力光101および励起光111が入力される。増幅媒体130は、入力された励起光111のパワーに応じて入力光101を増幅する。励起光111のパワーの変化に対する増幅媒体130の利得の応答速度(応答周波数)は、たとえば数百[Hz]〜数十[kHz]程度である。増幅媒体130は、増幅した入力光101を出力光131として出力する。
【0016】
供給部150はLD110へ供給するための駆動電流151を出力する。供給部150が出力する駆動電流151は、たとえば、出力光131のパワーなどに基づいて制御されてもよい。また、供給部150が出力する駆動電流151は一定の電流であってもよい。供給部150から出力された駆動電流151は変動部170へ入力される。
【0017】
検出部160は、LD110から出力された励起光112のパワーにおける増幅媒体130の応答速度より高速の変動を検出する。たとえば、検出部160は、励起光112のパワーにおける増幅媒体130の応答速度より高い周波数の変動成分(微分成分)を検出する。または、検出部160は、励起光112のパワーにおける増幅媒体130の応答速度より高い周波数の変動の有無を検出してもよい。検出部160は、変動の検出結果を示す変動信号161を変動部170へ出力する。
【0018】
変動部170は、供給部150から出力された駆動電流151を駆動電流171としてLD110へ供給する。また、変動部170は、検出部160から出力された変動信号161に基づいて、励起光112のパワーにおける増幅媒体130の応答速度より高速の変動が検出された場合に、LD110へ供給する駆動電流171を変動させる。
【0019】
具体的には、変動部170は、LD110が、複数のモードでレーザ発振する多モード発振の状態となるように駆動電流171を急峻に変化させる。たとえば、変動部170は、増幅媒体130の応答速度より高い周波数で駆動電流171を変動させる。変動部170による駆動電流171の変動は、たとえば、増加、低下、または増加と低下を繰り返す変動などである。
【0020】
外部反射などの影響によってLD110の発振モードが変化し、励起光111,112のパワーが急峻に変動すると、励起光112の急峻な変動が検出部160によって検出され、変動部170によって駆動電流171が変動する。これにより、LD110が多モード発振の状態となる。
【0021】
LD110が多モード発振の状態となると、LD110におけるコヒーレンスが低くなり、LD110が外部反射などによる影響を受けにくい状態となり、励起光111,112のパワーが短時間で安定する。そして、駆動電流171の変動が終了すると、LD110は定常時の発振状態に戻る。このように、駆動電流171を即時に変動させることで、変化したLD110の発振状態を短時間で元に戻すことができる。
【0022】
なお、LD110が多モード発振の状態となると出力光のパワーが安定することについては、たとえば非特許文献(沼居貴陽、「半導体レーザー工学の基礎」、118〜131頁,152〜163頁、平成8年7月30日)に記載されている。
【0023】
図2は、図1に示した光増幅装置の構成例を示す図である。図2において、図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図2に示す光増幅装置100は、図1に示した構成に加えて、分岐器140と、光電変換部210と、比較部220と、を備えている。また、光増幅装置100は、図1に示した供給部150として駆動部230を備えている。また、光増幅装置100は、図1に示した検出部160として、光電変換部240と、ハイパスフィルタ250と、を備えている。また、光増幅装置100は、図1に示した変動部170として演算部260を備えている。
【0024】
分岐器140、光電変換部210および比較部220は、増幅媒体130の出力光131のパワーに基づいて駆動電流171を制御する制御部である。具体的には、分岐器140は、増幅媒体130から出力された出力光131の一部を分岐し、分岐した光をモニタ光141として光電変換部210へ出力する。光電変換部210は、分岐器140から出力されたモニタ光141を電気信号に変換する。光電変換部210は、変換した電気信号(電圧信号)を比較部220へ出力する。
【0025】
比較部220には、光電変換部210から出力された電気信号と、モニタ光141の目標パワーを示す基準電圧と、が入力される。基準電圧は、出力光131の目標パワーに応じて設定される。比較部220は、入力された電気信号と基準電圧との差分を示す差分信号を駆動信号221として駆動部230へ出力する。
【0026】
駆動部230は、比較部220から出力された駆動信号221(電圧信号)に応じた駆動電流151を演算部260へ出力する。たとえば、駆動部230は、比較部220から出力される駆動信号221が小さくなるように駆動電流151を変化させる。これにより、出力光131のパワーを一定に制御するAPC(Auto Power Control:自動強度制御)を行うことができる。
【0027】
光電変換部240は、LD110から出力された励起光112を電気信号に変換する。光電変換部240は、変換した電気信号をハイパスフィルタ250へ出力する。ハイパスフィルタ250は、光電変換部240から出力された電気信号における、増幅媒体130の応答速度より高い周波数の成分を抽出する。これにより、励起光112のパワーにおける増幅媒体130の応答速度より高速な変動成分を検出することができる。ハイパスフィルタ250は、検出した変動成分を変動信号161として演算部260へ出力する。
【0028】
演算部260は、駆動部230から出力された駆動電流151と、ハイパスフィルタ250から出力された変動信号161と、の演算を行う。演算部260による演算は、加算、減算または乗算など、駆動電流151を変動信号161に応じて変動させるものであればよい。演算部260は、演算結果を駆動電流171としてLD110へ供給する。
【0029】
なお、光増幅装置100の電気段の各構成は、アナログ回路によって実現してもよいし、デジタル回路によって実現してもよいし、アナログ回路とデジタル回路の組み合わせによって実現してもよい。たとえば、光電変換部240から出力された電気信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号の微分計算を行うことで、励起光112のパワーの変動成分を算出してもよい。
【0030】
このように、ハイパスフィルタ250によって励起光112のパワーにおける増幅媒体130の応答速度より高速な変動成分を検出し、検出した変動成分によって駆動電流171を変動させる。これにより、駆動電流171を、簡単な構成によって増幅媒体130の応答速度より高速に変動させることができる。
【0031】
図3−1は、駆動電流を変動させないと仮定した場合の各部の動作例を示す参考図である。図3−1は、検出部160によって励起光112の高速な変動が検出されても駆動電流171によって駆動電流171を変動させないと仮定した場合における各部の動作例を示している。図3−1においては、LD110から出力される励起光111,112のパワーと、増幅媒体130から出力される出力光131のパワーと、変動部170から出力される駆動電流171と、の時間変化の一例を示している。
【0032】
時刻Aまでの期間においては、励起光111,112のパワーが一定であるとする。これにより、時刻Aまでの期間においては出力光131のパワーも一定になる。このため、出力光131のパワーが一定になるように駆動電流151,171を制御するAPCによって、時刻Aまでの期間においては駆動電流171も一定になる。
【0033】
時刻Aにおいて、LD110における外部反射などによって励起光111,112が急峻に増加したとする。この場合は、出力光131のパワーは、増幅媒体130の応答速度を上限として増加する。したがって、出力光131のパワーは、励起光111,112よりも緩やかに増加する。これに対して、出力光131のパワーが一定になるように駆動電流151,171を制御するAPCによって、出力光131の増加を抑えるように駆動電流171が緩やかに低下する。
【0034】
時刻Aの後に、駆動電流151が増加したことによりLD110の発振条件が変化し、時刻BにおいてLD110が元の発振状態に戻ったとする。ここで、出力光131および駆動電流171は、時刻Aからの励起光111,112の変動を抑える方向に変化している。このため、時刻BにおいてLD110が元の発振状態に戻っても、出力光131のパワーと目標パワーとの間に差が生じている。
【0035】
この後、出力光131のパワーと目標パワーとの間の差を縮小するように駆動電流151が変化し、定常時へ戻る動作となる。このように、駆動電流151を変動させないと仮定すると、励起光111,112の変動に起因して出力光131が変動してしまう。
【0036】
図3−2は、駆動電流を変動(減算)させた場合の各部の動作例を示す図である。図3−2は、駆動電流151を変動信号161との減算により変動させた駆動電流171をLD110へ供給する場合の各部の動作例を示している。図3−2においては、励起光111,112のパワーと、出力光131のパワーと、駆動電流151と、検出部160から出力される変動信号161と、変動部170から出力される駆動電流171と、の時間変化の一例を示している。
【0037】
図3−1と同様に、時刻Aまでの期間においては、励起光111,112のパワーが一定であるとする。したがって、時刻Aまでの期間においては出力光131のパワーおよび駆動電流151も一定になる。また、励起光111,112の変動は生じていないため変動信号161も一定(たとえばゼロ)になる。
【0038】
また、時刻Aにおいて、励起光111,112のパワーが外部反射などによって急峻に増加したとする。この場合は、変動信号161が急峻に増加する。したがって、駆動電流151を変動信号161によって減算した駆動電流171は急峻に低下する。これにより、LD110が多モード発振の状態となり、励起光111,112のパワーは時刻Aから短時間で元に戻って安定する。このため、励起光111,112のパワーが外部反射などによって変動したことによる出力光131のパワーの変動を抑えることができる。
【0039】
また、駆動電流171の急峻な低下により励起光111,112のパワーが一時的に低下するが、駆動電流171の低下が増幅媒体130の応答速度より急峻であるため、励起光111,112のパワーの低下に出力光131のパワーは追従しない。このため、駆動電流171を変動させたことによる出力光131のパワーの変動を抑えることができる。
【0040】
図3−3は、駆動電流を変動(加算)させた場合の各部の動作例を示す図である。図3−3において、図3−2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図3−3は、駆動電流151を変動信号161との加算により変動させた駆動電流171をLD110へ供給する場合の各部の動作例を示している。
【0041】
図3−2と同様に、時刻Aにおいて、励起光111,112のパワーが外部反射などによって急峻に増加したとする。この場合は、変動信号161が急峻に増加する。また、駆動電流151を変動信号161によって加算した駆動電流171は急峻に増加する。これにより、LD110が多モード発振の状態となり、励起光111のパワーは時刻Aから短時間で元に戻って安定する。このため、励起光111,112のパワーが外部反射などによって変動したことによる出力光131のパワーの変動を抑えることができる。
【0042】
また、駆動電流171の増加により励起光111のパワーが一時的にさらに増加するが、駆動電流171の増加が増幅媒体130の応答速度より急峻であるため、励起光111のパワーの増加に出力光131は追従しない。このため、駆動電流171を変動させたことによる出力光131のパワーの変動を抑えることができる。
【0043】
図4−1は、図2に示した光増幅装置の変形例1を示す図である。図4−1において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図4−1に示すように、光増幅装置100は、図2に示した構成に加えて、分岐器411と、光電変換部413と、比較部414と、を備えていてもよい。
【0044】
分岐器411は、合波器120へ入力される入力光101の一部を分岐し、分岐した光をモニタ光412として光電変換部413へ出力する。光電変換部413は、分岐器411から出力されたモニタ光412を電気信号に変換する。光電変換部413は、変換した電気信号を比較部414へ出力する。
【0045】
比較部414には、光電変換部210および光電変換部413から出力された各電気信号が入力される。比較部414は、入力された各電気信号の差分を示す差分信号を比較部220へ出力する。したがって、比較部414が出力する差分信号は、入力光101に対する出力光131の利得を示す信号となる。
【0046】
比較部220には、比較部414から出力された差分信号と、モニタ光141の目標利得を示す基準電圧と、が入力される。基準電圧は、出力光131の目標利得に応じて設定される。比較部220は、入力された差分信号と基準電圧との差分を示す差分信号を駆動信号221として駆動部230へ出力する。
【0047】
駆動部230は、比較部220から出力された駆動信号221(電圧信号)に応じた駆動電流151を演算部260へ出力する。たとえば、駆動部230は、比較部220から出力される駆動信号221が小さくなるように駆動電流151を変化させる。これにより、出力光131の利得を一定に制御するAGC(Automatic Gain Control:利得一定制御)を行うことができる。
【0048】
図4−2は、図2に示した光増幅装置の変形例2を示す図である。図4−2において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図4−2に示すように、光増幅装置100の駆動部230には、駆動信号221として一定の基準電圧が入力されてもよい。この場合は、図2に示した分岐器140、光電変換部210および比較部220は省いた構成にしてもよい。駆動部230は、入力された基準電圧に応じた一定の駆動電流151を演算部260へ出力する。
【0049】
図4−3は、図2に示した光増幅装置の変形例3を示す図である。図4−3において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図4−3に示すように、光増幅装置100は、図2に示したハイパスフィルタ250に代えてバンドパスフィルタ431(BPF:Band Pass Filter)を備えていてもよい。バンドパスフィルタ431は、光電変換部240から出力された電気信号の所定の周波数帯域の変動成分を抽出する。
【0050】
すなわち、バンドパスフィルタ431は、光電変換部240から出力された電気信号から、増幅媒体130の応答速度より高い周波数の成分と、一定の周波数以下の成分と、を除去する。バンドパスフィルタ431は、抽出した変動成分を変動信号161として演算部260へ出力する。このように、光電変換部240から出力された電気信号を除去することで、高周波雑音による不要な動作を抑制することができる。
【0051】
図4−4は、図2に示した光増幅装置の変形例4を示す図である。図4−4において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図4−4に示すように、光増幅装置100の演算部260を比較部220と駆動部230との間に設け、駆動部230へ入力される駆動信号221を演算部260によって変動させることで、LD110へ供給される駆動電流171を間接的に変動させてもよい。
【0052】
また、図示しないが、演算部260を光電変換部210と比較部220との間に設け、比較部220へ入力される電気信号を演算部260によって変動させることで、LD110へ供給される駆動電流171を間接的に変動させてもよい。または、演算部260を比較部220の前段に設け、比較部220へ入力される基準電圧を演算部260によって変動させることで、LD110へ供給される駆動電流171を間接的に変動させてもよい。
【0053】
図4−5は、図2に示した光増幅装置の変形例5を示す図である。図4−5において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図4−5に示すように、光増幅装置100は、図1に示した検出部160として、光電変換部240と、ハイパスフィルタ250と、比較部451と、を備えていてもよい。
【0054】
比較部451は、ハイパスフィルタ250から出力される変動成分としきい値を比較する。そして、比較部451は、ハイパスフィルタ250から出力される変動成分がしきい値を超えたか否かを示す信号を変動信号161として演算部260へ出力する。したがって、比較部451から出力される変動信号161は、励起光111,112のパワーにおいて増幅媒体130の応答速度より高速な変動があったか否かを示す信号となる。
【0055】
たとえば、比較部451は、変動成分がしきい値を超えていない場合は「0」の信号を変動信号161として出力し、変動成分がしきい値を超えた場合は「1」の信号を変動信号161として出力する。そして、演算部260は、駆動電流151と変動信号161との演算(たとえば加算や減算)を行う。これにより、変動成分がしきい値を超えた場合は駆動電流171を変動させ、変動成分がしきい値を超えていない場合は駆動電流171を変動させないようにすることができる。
【0056】
図5−1は、図2に示した光増幅装置の変形例6を示す図である。図5−1において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図5−1に示すように、光増幅装置100は、図2に示した構成に加えてリミッタ511を備えていてもよい。リミッタ511は、ハイパスフィルタ250から演算部260へ出力される変動信号161の一定以上のパワーを抑制する。これにより、演算部260は、駆動電流171を一定の変動量以下で変動させることができる。このため、LD110へ供給される駆動電流171が過大になりLD110が損傷することを回避することができる。
【0057】
図5−2は、図2に示した光増幅装置の変形例7を示す図である。図5−2において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図5−2に示すように、光増幅装置100は、図2に示した構成に加えて低レベル抑制部521を備えていてもよい。低レベル抑制部521は、ハイパスフィルタ250から演算部260へ出力される変動信号161の一定のレベル以下の成分を抑制する。
【0058】
これにより、励起光112の変動が一定の変動量以下である場合は駆動電流171を変動させないようにすることができる。このため、たとえば雑音に起因する励起光111の小さな変動や、出力光131のパワー変動において問題とならない程度の励起光111の小さな変動などによって駆動電流171を変動させないようにすることができる。
【0059】
また、低レベル抑制部521は、ハイパスフィルタ250から演算部260へ出力される変動信号161の一定のレベル以下の成分を低下させてもよい。これにより、励起光112の変動が一定の変動量以下である場合は駆動電流171の変動量を低下させることができる。このため、たとえば雑音に起因する励起光111の小さな変動や、出力光131のパワー変動において問題とならない程度の励起光111の小さな変動などによる駆動電流171を抑えることができる。
【0060】
このように、励起光112の変動が一定の変動量以下である場合は駆動電流171の変動量を低下させる(変動量をゼロにする場合も含む)ことができる。このため、たとえば雑音に起因する励起光111の小さな変動や、出力光131のパワー変動において問題とならない程度の励起光111の小さな変動などによる駆動電流171を抑えることができる。したがって、動作を安定させることができる。
【0061】
図5−3は、図2に示した光増幅装置の変形例8を示す図である。図5−3において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図5−3に示すように、光増幅装置100は、図2に示した構成に加えて補正部531を備えていてもよい。補正部531は、ハイパスフィルタ250から演算部260へ出力される変動信号161を、比較部220から出力される駆動信号221によって補正する。
【0062】
駆動電流151のレベルは駆動信号221によって決まるため、変動信号161を駆動信号221によって補正することで、駆動電流151のレベルに応じて駆動電流171の変動量を補正することができる。これにより、LD110の駆動レベルに応じて駆動電流171の変動量を補正することができる。
【0063】
たとえば、LD110が低出力のときにLD110の動作が不安定になる場合には、補正部531は、駆動信号221が小さいほど変動信号161を大きくする。これにより、LD110の駆動レベルが低い時ほど駆動電流171の変動量を大きくすることができる。これにより、LD110の駆動レベルが低い場合にLD110の利得を高くし、LD110の動作を安定させることができる。
【0064】
また、図示しないが、補正部531は、ハイパスフィルタ250から演算部260へ出力される変動信号161を、光電変換部210から出力される電気信号によって補正してもよい。または、補正部531は、ハイパスフィルタ250から演算部260へ出力される変動信号161を、比較部220入力される基準電圧によって補正してもよい。駆動信号221は光電変換部210から出力される電気信号、または、比較部220へ入力される基準電圧によって決まるため、光電変換部210から出力される電気信号、または基準電圧によって変動信号161を補正することで、駆動電流151のレベルに応じて駆動電流171の変動量を補正することができる。
【0065】
図5−4は、図2に示した光増幅装置の変形例9を示す図である。図5−4において、図5−3に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図5−4に示すように、光増幅装置100は、図5−3に示した構成に加えて平均化部541を備えていてもよい。
【0066】
平均化部541は、光電変換部240から出力される電気信号を平均化して補正部531へ出力する。これにより、光電変換部240から出力される電気信号の高周波成分を除去することができる。平均化部541は、たとえばLPF(Low Pass Filter:ローパスフィルタ)によって実現することができる。
【0067】
補正部531は、ハイパスフィルタ250から演算部260へ出力される変動信号161を、平均化部541から出力される電気信号によって補正してもよい。光電変換部240から出力される電気信号は駆動電流151のレベルによって決まるため、光電変換部240から出力される電気信号によって変動信号161を補正することで、駆動電流151のレベルに応じて駆動電流171の変動量を補正することができる。
【0068】
また、光電変換部240から出力される電気信号の高周波成分を平均化部541によって除去することで、演算部260による駆動電流171の急峻な変動による駆動電流151のレベルの変化を無視することができる。図5−3,図5−4に示したように、変動対象の駆動電流151のレベルに応じた変動量によって駆動電流171を変動させることで、LD110や増幅媒体130の特性に応じて、出力光131の変動抑圧の効果を向上させることができる。
【0069】
光増幅装置100は、図4−1〜図4−5,図5−1〜図5−4に示した光増幅装置100の各変形例を組み合わせた構成とすることもできる。たとえば、光増幅装置100は、リミッタ511と、低レベル抑制部521と、補正部531と、平均化部541と、のうちの複数の構成を備えていてもよい。
【0070】
このように、実施の形態1にかかる光増幅装置100においては、LD110から増幅媒体130へ入力される励起光111のパワーにおける増幅媒体130の応答速度より高速な変動を検出した場合にLD110の駆動電流171を変動させる。これにより、LD110を多モード発振させて励起光111のパワーを短時間で安定させ、増幅媒体130の出力光131のパワーを安定させることができる。
【0071】
また、励起光111のパワーの過渡的な変動が検出されない場合は出力光131の変動の抑制動作(たとえば駆動電流171の変動)を行わなくてもよいため、定常時の出力光131のパワーを安定させることができる。また、励起光111のパワーの過渡的な変動を検出した場合においても、変動周期は外部環境に大きく依存し、不定な周期である。これにより、たとえば高周波を重畳する構成(たとえば、上記特許文献1,2参照。)に比べて、LD110または光増幅器を多段に接続しても出力光131の高周波成分が累積せず、伝送品質を向上させることができる。
【0072】
また、出力光131のパワーに基づく駆動電流151の制御を行う構成においては、制御された駆動電流151を変動させればよい。このため、たとえば励起光112のパワーを一定にするように駆動電流151の制御を別に行う2重のフィードバック構成に比べて駆動電流151の制御が単純になり、励起光111のパワーを安定させることができる。
【0073】
(実施の形態2)
図6−1は、実施の形態2にかかる光増幅装置の構成例を示す図である。図6−1において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図6−1に示すように、実施の形態2にかかる光増幅装置100は、図2に示した構成に加えて減算部710を備えている。
【0074】
減算部710は、光電変換部240からハイパスフィルタ250へ出力される電気信号を、演算部260からLD110へ出力される駆動電流171によって減算する。これにより、演算部260による駆動電流171の変動量によって励起光112のパワーを減算することができる。ハイパスフィルタ250は、減算部710によって減算された電気信号における高周波成分を抽出する。
【0075】
これにより、励起光112のパワーを、演算部260による駆動電流171の変動量によって減算したパワーにおける増幅媒体130の応答速度より高速な変動を検出することができる。これにより、駆動電流171の変動による励起光112のパワーの変動は検出しないようにすることができる。
【0076】
このため、たとえば入力光101のパワーの急峻な変動にも追従させるように駆動電流151を意図的に変化させる場合は、演算部260によって駆動電流171を変動させないようにすることができる。したがって、駆動電流151の意図的な変化を抑圧してしまうことを回避することができる。
【0077】
図6−2は、図6−1に示した光増幅装置の変形例を示す図である。図6−2において、図4−4または図6−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図6−2に示すように、演算部260を比較部220と駆動部230との間に設ける構成について説明する。
【0078】
減算部710は、光電変換部240からハイパスフィルタ250へ出力される電気信号を、演算部260から駆動部230へ出力される駆動信号221によって減算してもよい。この場合も、演算部260による駆動電流171の変動量によって励起光112のパワーを減算することができる。これにより、駆動電流171の変動による励起光112のパワーの変動は検出しないようにし、駆動電流151の意図的な変化を抑圧してしまうことを回避することができる。
【0079】
このように、実施の形態2にかかる光増幅装置100によれば、励起光112のパワーと、演算部260によって変動した駆動電流171と、の差分における増幅媒体130の応答速度より高速な変動を検出することができる。これにより、駆動電流171の変動による励起光112のパワーの変動は検出しないようにすることができる。このため、駆動電流151を意図的に変化させる場合は、演算部260によって駆動電流171を変動させないようにすることができる。したがって、駆動電流151の意図的な変化を抑圧してしまうことを回避することができる。
【0080】
(実施の形態3)
図7−1は、実施の形態3にかかる光増幅装置の構成例を示す図である。図7−1において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図7−1に示すように、光増幅装置100は、図2に示した構成に加えて、変動成分検出部711(変動検出部)と、乗算部712と、を備えている。
【0081】
変動成分検出部711は、駆動電流151の所定の周波数以上の変動成分を検出する。所定の周波数は、たとえば、駆動信号221(LD110の駆動レベル)を意図的に変化させる速度に相当する周波数である。変動成分検出部711は、検出結果を示す変動信号を乗算部712へ出力する。
【0082】
乗算部712は、ハイパスフィルタ250から演算部260へ出力される変動信号161を、変動成分検出部711から出力された変動信号によって補正する。たとえば、乗算部712は、変動信号161を変動成分と乗算することによって補正する。具体的には、乗算部712は、駆動電流151の所定の周波数以上の変動が検出された場合に、周波数以上の変動が検出されない場合よりも変動信号161を低下させる。これにより、駆動電流151の所定の周波数以上の変動が検出された場合に、周波数以上の変動が検出されない場合よりも駆動電流171の変動量を低下させることができる。
【0083】
図7−2は、図7−1に示した変動成分検出部の構成例を示す図である。図7−2に示すように、変動成分検出部711は、ハイパスフィルタ721(HPF)と、レベル判定部722と、を備えている。ハイパスフィルタ721は、変動成分検出部711へ入力された信号のうちの、駆動信号221の速度、つまりLD110の駆動レベルを意図的に変化させる速度以上の周波数の成分を変動成分として抽出する。ハイパスフィルタ721は、抽出した変動成分をレベル判定部722へ出力する。
【0084】
レベル判定部722は、ハイパスフィルタ721から出力された変動成分を所定のしきい値と比較し、変動成分がしきい値以上の場合は変動信号161を小さくする信号(たとえば1未満の値)を乗算部712へ出力する。変動信号161を小さくする信号は、たとえば、変動信号161をゼロにする信号であってもよい。または、レベル判定部722は、変動成分がしきい値以上の場合に、変動信号161を所定時間マスクし続けるようにしてもよい。これにより、LD110の駆動レベルが意図的に変化された場合は、駆動電流171の変動を抑制することができる。
【0085】
図7−3は、図7−1に示した光増幅装置の変形例を示す図である。図7−3において、図4−4または図7−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図7−3に示すように、演算部260を比較部220と駆動部230との間に設ける構成について説明する。変動成分検出部711は、比較部220から演算部260へ出力される駆動信号221における所定の周波数の変動成分を抽出してもよい。
【0086】
このように、実施の形態3にかかる光増幅装置100によれば、駆動電流151の所定の周波数以上の変動を検出する。そして、駆動電流151の所定の周波数以上の変動を検出した場合に、周波数以上の変動を検出しない場合よりも駆動電流171の変動量を低下させる。これにより、駆動電流151を意図的に変化させる場合は、演算部260による駆動電流171の変動を抑制することができる。このため、駆動電流151の意図的な変化を抑圧してしまうことを回避することができる。
【0087】
以上説明したように、光増幅装置および光増幅方法によれば、出力光のパワーを安定させることができる。
【0088】
上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0089】
(付記1)供給される駆動電流に応じたパワーの励起光を出力する半導体レーザと、
希土類元素が添加され、前記半導体レーザから出力された励起光によって入力光を増幅する増幅媒体と、
前記励起光のパワーに対する前記増幅媒体の利得の応答速度より高速な前記励起光のパワーの変動を検出する検出部と、を備え、
前記検出部で検出された変動に基づいて、前記半導体レーザへ供給される駆動電流を変動させることを特徴とする光増幅装置。
【0090】
(付記2)前記検出部で検出された変動に基づいて、前記半導体レーザを多モード発振させるように前記駆動電流を変動させることを特徴とする付記1に記載の光増幅装置。
【0091】
(付記3)前記検出部で検出された変動に基づいて、前記応答速度より高速に前記駆動電流を変動させることを特徴とする付記1または2に記載の光増幅装置。
【0092】
(付記4)前記検出部で検出された変動に基づいて、前記半導体レーザへ供給される駆動電流を変動させる変動部を更に備えることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【0093】
(付記5)前記増幅媒体によって増幅された光のパワーに基づいて前記駆動電流を制御する制御部を備えることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【0094】
(付記6)前記半導体レーザに一定の駆動電流を供給する供給部を備え、
前記供給部によって前記半導体レーザに供給される駆動電流を変動させることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【0095】
(付記7)前記駆動電流を一定の変動量以下で変動させることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【0096】
(付記8)前記励起光の変動量が一定の変動量以下である場合は、前記励起光の変動量が一定の変動量より高い場合より前記駆動電流の変動量を低下させることを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【0097】
(付記9)変動対象の前記駆動電流のレベルに応じた変動量によって前記駆動電流を変動させることを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【0098】
(付記10)前記検出部は、前記励起光のパワーと、変動させた駆動電流と、の差分における前記応答速度より高速な変動を検出することを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【0099】
(付記11)前記半導体レーザへ供給される駆動電流の所定の周波数以上の変動を検出する変動検出部を備え、
前記変動検出部によって前記所定の周波数以上の変動が検出された場合に、前記所定の周波数以上の変動が検出されない場合よりも前記駆動電流の変動量を低下させることを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【0100】
(付記12)供給される駆動電流に応じたパワーの励起光を出力する半導体レーザと、希土類元素が添加され、前記半導体レーザから出力された励起光によって入力光を増幅する増幅媒体と、を用いた光増幅方法において、
前記励起光のパワーに対する前記増幅媒体の利得の応答速度より高速な前記励起光のパワーの変動を検出し、
前記変動を検出した場合に、前記半導体レーザへ供給される駆動電流を変動させる、
ことを特徴とする光増幅方法。
【符号の説明】
【0101】
100 光増幅装置
101 入力光
110 LD
111,112 励起光
120 合波器
130 増幅媒体
131 出力光
140,411 分岐器
141,412 モニタ光
150 供給部
151,171 駆動電流
160 検出部
161 変動信号
170 変動部
210,240,413 光電変換部
220,414,451 比較部
221 駆動信号
230 駆動部
250,721 ハイパスフィルタ
260 演算部
431 バンドパスフィルタ
511 リミッタ
521 低レベル抑制部
531 補正部
541 平均化部
710 減算部
711 変動成分検出部
712 乗算部
722 レベル判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される駆動電流に応じたパワーの励起光を出力する半導体レーザと、
希土類元素が添加され、前記半導体レーザから出力された励起光によって入力光を増幅する増幅媒体と、
前記励起光のパワーに対する前記増幅媒体の利得の応答速度より高速な前記励起光のパワーの変動を検出する検出部と、を備え、
前記検出部で検出された変動に基づいて、前記半導体レーザへ供給される駆動電流を変動させることを特徴とする光増幅装置。
【請求項2】
前記検出部で検出された変動に基づいて、前記半導体レーザを多モード発振させるように前記駆動電流を変動させることを特徴とする請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項3】
前記検出部で検出された変動に基づいて、前記応答速度より高速に前記駆動電流を変動させることを特徴とする請求項1または2に記載の光増幅装置。
【請求項4】
前記検出部で検出された変動に基づいて、前記半導体レーザへ供給される駆動電流を変動させる変動部を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【請求項5】
前記増幅媒体によって増幅された光のパワーに基づいて前記駆動電流を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【請求項6】
前記検出部は、前記励起光のパワーと、変動させた駆動電流と、の差分における前記応答速度より高速な変動を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【請求項7】
前記半導体レーザへ供給される駆動電流の所定の周波数以上の変動を検出する変動検出部を備え、
前記変動検出部によって前記所定の周波数以上の変動が検出された場合に、前記所定の周波数以上の変動が検出されない場合よりも前記駆動電流の変動量を低下させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の光増幅装置。
【請求項8】
供給される駆動電流に応じたパワーの励起光を出力する半導体レーザと、希土類元素が添加され、前記半導体レーザから出力された励起光によって入力光を増幅する増幅媒体と、を用いた光増幅方法において、
前記励起光のパワーに対する前記増幅媒体の利得の応答速度より高速な前記励起光のパワーの変動を検出し、
前記変動を検出した場合に、前記半導体レーザへ供給される駆動電流を変動させる、
ことを特徴とする光増幅方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【公開番号】特開2012−195415(P2012−195415A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57816(P2011−57816)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】