説明

光学フィルムおよびこれを含む情報電子装置

本発明は、ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂を含み、面内位相差(Rin)が0〜600nmであり、厚さ方向位相差(Rth)が0〜400nmである光学フィルムおよびこれを含む偏光板および情報電子装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性、耐久性、加工性および光学的透明性に優れ、ヘイズも少なく、光学的特性に優れ、脆性に優れ、機械的強度に優れ、光漏れ現象が減少し、面内位相差および厚さ方向位相差が容易に調節される光学フィルムおよびこれを含む偏光板および情報電子装置に関する。
【0002】
本発明は、2008年1月8日および2008年6月23日に各々韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2008−0002347号および第10−2008−0058908号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
近来、光学技術の発展に伴い、従来のブラウン管を代替するプラズマディスプレイパネル(plasma display panel、PDP)、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)など、色々な方式を利用したディスプレイ技術が提案および市販されている。このようなディスプレイのためのポリマー素材は、その要求特性がより一層高度化している。例えば、液晶ディスプレイの場合、薄膜化、軽量化、画面面積の大型化が進められることにより、広視野角化、高コントラスト化、視野角に応じた画像色調変化の抑制および画面表示の均一化が特に重要な問題となっている。
【0004】
このため、偏光フィルム、偏光素子保護フィルム、位相差フィルム、プラスチック基板、導光板などに色々なポリマーフィルムが使われており、液晶としてツイストネマチック(twisted nematic、TN)、スーパーツイストネマチック(super twisted nematic、STN)、VA(vertical alignment)、IPS(in−plane switching)液晶セルなどを用いた様々なモードの液晶表示装置が開発されている。これらの液晶セルは全て固有の液晶配列をし、固有の光学異方性を有しており、この光学異方性を補償するために様々な種類のポリマーを延伸して位相差機能を付与したフィルムが提案されている。
【0005】
具体的には、液晶表示装置は、液晶分子が有する高い複屈折特性と配向を利用するため、視野角に応じて屈折率が変わり、そのために画面の色相と明るさが変わるため、液晶分子の種類に応じた位相差補償が必要である。例えば、垂直整列(VA)方式に利用する大部分の液晶分子は、液晶表示面の厚さ方向屈折率が面方向平均屈折率より大きいため、これを補償するために厚さ方向屈折率が面方向平均屈折率より小さい値を有する補償フィルムが必要である。また、互いに直交する2つの偏光板の正面においては光を通過させないが、角度を傾ければ2つの偏光板の光軸が直交しなくなって光漏れ現象が発生し、これを補償するために面内位相差を有する補償フィルムが必要である。また、液晶を用いた表示装置は、視野角を広くするために、厚さ方向の位相差補償と面内位相差補償が同時に必要である。
【0006】
位相差補償フィルムとして有しなければならない要件としては複屈折を容易に調節しなければならないということである。しかし、フィルムの複屈折は、物質が有する根本的な複屈折だけでなく、フィルムにおける高分子鎖の配向によってなされる。高分子鎖の配向は、大部分、外部から加えられる力によって強制的になされるか、物質が有する固有特性に起因し、外部の力によって分子を配向する方法は高分子フィルムを1軸または2軸に延伸することである。
【0007】
当技術分野においては、ディスプレイに用いられるために前述した要求特性を満足するポリマー素材の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特許出願第10−2008−0002347号
【特許文献2】韓国特許出願第10−2008−0058908号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、光学的特性に優れると同時に光学的透明性に優れ、ヘイズが少なく、延伸配向過程で脆いアクリル系フィルムとは異なって脆性に優れ、機械的強度に優れ、加工性にも優れ、耐熱性などの耐久性にも優れ、光漏れ現象が減少し、様々な面内位相差および厚さ方向位相差を有する光学フィルムおよびこれを含む偏光板および情報電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂を含み、面内位相差が0〜600nmであり、厚さ方向位相差が0〜400nmである光学フィルムを提供する。
【0011】
また、本発明は、偏光子および前記偏光子の少なくとも一面に備えられた前記光学フィルムを含む偏光板を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、前記偏光板を含む液晶表示装置を提供する。
【0013】
またさらに、本発明は、前記光学フィルムを含む情報電子装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る光学フィルムは、光学的特性に優れると同時に光学的透明性にも優れ、ヘイズが少なく、延伸配向過程で脆いアクリル系フィルムとは異なって脆性に優れ、機械的強度に優れ、加工性にも優れ、耐熱性に優れ、面内位相差および厚さ方向位相差を容易に調節することができる。したがって、前記光学フィルムは、様々な用途としてディスプレイ装置などのIT(情報電子)装置に適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施状態によれば、ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂を含み、面内位相差が0〜600nmであり、厚さ方向位相差が0〜400nmである光学フィルムを提供する。
【0016】
前記光学フィルムは、1種以上の(メタ)アクリレート系誘導体を含む(メタ)アクリレート系樹脂をさらに含むことができる。
【0017】
本発明において、前記(メタ)アクリレート系樹脂は、フィルムに厚さ方向屈折率が面方向平均屈折率より大きい位相差特性を付与することができ、前記ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂は、厚さ方向屈折率が面方向平均屈折率より小さい位相差特性を付与することができる。光学フィルムの位相差特性は、前記光学フィルムの各成分の組成と延伸有無、延伸方向、延伸比、1軸または2軸延伸などの延伸方法によって異なる。したがって、本発明においては、前記各成分の組成と延伸方法を調節することによって様々な位相差特性を有するフィルムを製造することができるため、光学的特性に優れたフィルムを製造することができる。また、前記のような組成および延伸方法の調節により、残留位相差がほぼない光学フィルムを提供することもできる。
【0018】
また、本発明に係る光学フィルムは、脆いアクリル系フィルムとは異なって機械的物性に優れる。また、前記(メタ)アクリレート系樹脂は優れた光学的物性を提供することができ、前記ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する樹脂は前記(メタ)アクリレート系樹脂との優れた混和性を提供することができる。また、本発明に係る光学フィルムは、前記ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂により、靭性(toughness)をはじめとする機械的物性に優れる。
【0019】
本発明に係る光学フィルムは、環状部を有する環状系ユニットをさらに含むことができる。前記環状部を有する環状系ユニットは前記(メタ)アクリレート系樹脂に含まれることもでき、前記(メタ)アクリレート系樹脂または前記ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する樹脂とは別個の化合物として含まれることもできる。前記環状部を有する環状系ユニットはフィルムに優れた耐熱性を提供することができる。
【0020】
本発明に係る光学フィルムは、前記(メタ)アクリレート系樹脂、ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂、および環状部を有する環状系ユニットの含有量に応じて樹脂組成物の混和性(miscibility)を調節することができる。
【0021】
前記各樹脂の含有量は特に限定されず、前述した各成分の役割を考慮して、目的とする面内位相差および厚さ方向位相差をはじめとする光学的特性、機械的物性、透明性、混和性などを達成するために前記各ユニットの含有量を決めることができる。例えば、前記(メタ)アクリレート系樹脂、前記ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂、および前記環状部を有する環状系ユニットの含有量は、各々、約0.1〜約99重量%の範囲内で選択することができる。具体的には、前記(メタ)アクリレート系樹脂の含有量は約39〜約99重量%であることが好ましく、前記ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂の含有量は約0.5〜約60重量%であることが好ましく、前記環状部を有する環状系ユニットの含有量は約0.5〜約40重量%であることが好ましい。
【0022】
本発明において、前記(メタ)アクリレート系樹脂、前記ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂、または前記環状部を有する環状系ユニットを含む化合物はホモ重合体または共重合体であってもよく、本発明の目的を害しない範囲内で共単量体をさらに含むことができる。前記共重合体はランダムまたはブロック共重合体であってもよい。
【0023】
本発明において、前記(メタ)アクリレート系樹脂は、(メタ)アクリレートだけでなく、(メタ)アクリレート誘導体も含むことができると理解しなければならない。具体的には、前記(メタ)アクリレート系単量体としてはメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。特にメチルメタクリレート(MMA)を用いることが最も好ましい。
【0024】
前記(メタ)アクリレート系樹脂は(メタ)アクリレート系誘導体のホモ重合体または共重合体であってもよく、他種類の共単量体を含む共重合体であってもよい。
【0025】
本発明において、前記(メタ)アクリレート系樹脂は、(メタ)アクリレート系ユニットおよび前記環状部を有する環状系ユニットを含む共重合体を用いることができる。本発明の実施状態によれば、前記(メタ)アクリレート系樹脂が前記環状部を有する環状系ユニットを含む場合、前記(メタ)アクリレート系樹脂は(メタ)アクリレート系誘導体および環状系ユニットのうちの少なくとも1つを2種以上含むことができる。
【0026】
前記(メタ)アクリレート系ユニットおよび前記環状部を有する環状系ユニットを含む共重合体内の(メタ)アクリレート系ユニットの含有量は約50〜約99重量%、好ましくは約70〜約98重量%であり、前記環状部を有する環状系ユニットの含有量は約1〜50重量%、好ましくは約2〜約30重量%である。前記環状部を有する環状系ユニットの含有量が50重量%以下であるものがフィルムのヘイズ(haze)値を下げるのに有利である。
【0027】
前記(メタ)アクリレート系ユニットおよび前記環状部を有する環状系ユニットを含む共重合体中の前記環状部を有する環状系ユニットはフィルムの耐熱性を向上させる役割をする。前記環状部を有する環状系ユニットの例は後述する。但し、前記(メタ)アクリレート系ユニットと共に共重合体に含まれる環状部を有する環状系ユニットは、マレイミド部を含むマレイミド系ユニットであることが最も好ましい。前記マレイミド系ユニットはN−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミドなどから由来した環状部を含むことができるが、これらだけに限定されるものではなく、特にN−シクロヘキシルマレイミドから由来した環状部を含むことが最も好ましい。しかし、前記例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲が前記例に限定されるものではない。
【0028】
前記(メタ)アクリレート系ユニットおよび前記環状部を有する環状系ユニットを含む共重合体は、(メタ)アクリル系単量体およびマレイミド系単量体のような環状系単量体を用いて、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの方法によって製造することができる。
【0029】
本発明において、前記ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂の数平均分子量は1,500〜2,000,000g/molであることが好ましい。前記芳香族系樹脂はフェノキシ系樹脂を含むことが好ましい。ここで、フェノキシ系樹脂は、ベンゼン環に少なくとも1つの酸素ラジカルが結合された構造を含む。例えば、前記ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂は、下記化学式1で示されるユニットを1種以上含むことができる。前記芳香族系樹脂は、下記化学式1のユニットを5〜10,000個、より好ましくは5〜7,000個、さらに好ましくは5〜5,000個含むことが好ましい。前記芳香族系樹脂に下記化学式1で示されるユニットが2種以上含まれる場合、これらはランダム、交代またはブロックの形態で含まれることができる。
【0030】
【化1】

【0031】
前記化学式1において、
Xは少なくとも1つのベンゼン環を含む2価基であり、Rは炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレンである。
【0032】
具体的には、Xは下記化学式2〜4のような化合物から由来した2価基であることが好ましいが、これらだけに限定されるものではない。
【0033】
【化2】

【0034】
は直接結合、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレンまたは炭素数3〜20のシクロアルキリデンであり、
およびRは各々水素、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルキルまたは炭素数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルケニルであり、nおよびmは各々1〜5の整数である。
【0035】
【化3】

【0036】
は水素、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルキルまたは炭素数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルケニルであり、pは1〜6の整数である。
【0037】
【化4】

【0038】
およびRは各々直接結合、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレンまたは炭素数3〜20のシクロアルキリデンであり、
およびRは各々水素、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルキルまたは炭素数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルケニルであり、qおよびrは各々1〜5の整数である。
【0039】
前記化学式2〜4で示される化合物の具体的な例は下記の通りであるが、これらの例だけに限定されるものではない。
【0040】
【化5】

【0041】
前記(b)芳香族系樹脂は特に下記化学式5で示される1種以上のフェノキシ系ユニットを5〜10,000個含むことが最も好ましい。
【0042】
【化6】

【0043】
前記式において、Rは直接結合または炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレンであり、R10は炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレンである。
【0044】
前記化学式5は下記化学式6で示されることが好ましい。
【0045】
【化7】

【0046】
前記芳香族系樹脂の末端はOH基であってもよい。
【0047】
本発明において、前記環状部を有する環状系ユニットはフィルムの耐熱性を向上させることができる。前記環状部を有する環状系ユニットの含有量は約0.1〜約99重量%、好ましくは約0.5〜約40重量%である。前記環状部を有する環状系ユニット中の環状部としては無水マレイン酸、マレイミド、グルタル酸無水物、グルタルイミド、ラクトンおよびラクタムなどが含まれるが、これらの例だけに限定されるものではない。
【0048】
本発明の一実施状態によれば、前述した光学フィルムの材料として、1)(メタ)アクリレート系ユニットおよびマレイミド系ユニットを含む共重合体、および2)フェノキシ系樹脂を用いることができる。この場合、それぞれの成分の含有量は1〜99重量%であることが好ましい。具体的には、前記1)共重合体は約40〜約99重量%であることが好ましく、約70〜約98重量%であることがより好ましい。前記2)樹脂は約1〜約60重量%であることが好ましく、約2〜約30重量%であることがより好ましい。特に、前記1)(メタ)アクリレート系ユニットおよびマレイミド系ユニットを含む共重合体内のマレイミド系単量体の含有量が50重量%以下である場合には、前記1)〜2)成分の混合比率に関係なく、全領域に対して混和性(miscibility)を示すことができ、このような組成の光学フィルムは単一ガラス転移温度(Tg)を示すことができる優れた長所がある。
【0049】
本発明に係る光学フィルムの厚さは5〜500μm、より好ましくは5〜300μmであるが、これに限定されるものではない。前記光学フィルムの光透過度は90%以上であり、ヘイズ(haze)特性は2.5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下の範囲を有する。本発明に係る光学フィルムのガラス転移温度は100℃以上であることが好ましい。
【0050】
本発明に係る光学フィルムは、前述した樹脂組成物を準備するステップ;および前記樹脂組成物を用いてフィルムを成形するステップによって製造することができる。前記光学フィルムはさらに1軸または2軸延伸することができる。
【0051】
前記樹脂組成物は、前述した成分を溶融混合してブレンディングすることによって製造することができる。前記成分の溶融混合は押出機などを利用して行うことができる。
【0052】
前記樹脂組成物は、一般的に用いられる潤滑剤(lubricant)、酸化防止剤、UV安定剤、熱安定剤などをさらに含むことができる。
【0053】
本発明に係る光学フィルムの製造時には当技術分野で知られた方法を利用することができ、具体的には押出成形法を利用することができる。例えば、前記樹脂組成物を真空乾燥して水分および溶存酸素を除去した後、原料ホッパーから押出機を窒素置換したシングルまたはツイン押出機に供給し、高温で溶融して原料ペレットを得、得られた原料ペレットを真空乾燥し、原料ホッパーから押出機までを窒素置換したシングル押出機で溶融した後、コートハンガータイプのT−ダイに通過させ、クロムメッキキャスティングロールおよび乾燥ロールなどを経てフィルムを製造することができる。
【0054】
本発明に係る光学フィルムは、1軸または2軸延伸により、Rin>0、Rth>0である光学特性を有することができる。例えば、本発明に係る光学フィルムを前記c)ステップのように1軸に延伸することにより、Rin>0およびRth=Rin/2である光学特性を有する位相差フィルムであるA−プレート位相差フィルムを製造することができる。
【0055】
前記延伸工程は、縦方向(MD)延伸、横方向(TD)延伸を各々行うこともでき、全て行うこともできる。縦方向と横方向に全て延伸する場合には、いずれか一方を先に延伸した後、他の方向に延伸することができ、2つの方向を同時に延伸することもできる。延伸は一段階で延伸することもでき、多段階にかけて延伸することもできる。縦方向に延伸する場合にはロールの間の速度差による延伸を行うことができ、横方向に延伸する場合にはテンターを利用することができる。テンターのレール開始角は通常10度以内にして、横方向延伸時に生じるボーイング(Bowing)現象を抑制し、光学軸の角度を規則的に制御する。横方向延伸を多段階にして同じくボーイング抑制効果を得ることもできる。
【0056】
前記延伸は、前記樹脂組成物のガラス転移温度をTgという時、(Tg−20℃)〜(Tg+30℃)の温度において行うことができる。前記ガラス転移温度は、樹脂組成物の貯蔵弾性率が低下し始まり、これによって損失弾性率が貯蔵弾性率より大きくなる温度から、高分子鎖の配向が緩和して消失される温度までの領域を示す。ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。
【0057】
延伸速度は小型延伸機(Universal testing machine、Zwick Z010)の場合は1〜100mm/minの範囲で、パイロット延伸装備の場合は0.1〜2m/minの範囲で延伸操作を行うことが好ましく、5〜300%の延伸率を適用してフィルムを延伸することが好ましい。
【0058】
前記延伸は、フィルムの成形とは別個のステップとして行うこともでき、フィルムの成形と同じ工程で1つのステップ(one step)で行うこともできる。本発明に係る光学フィルムは、前述した方法により、1軸または2軸に延伸することにより、延伸前とは異なる位相差特性を有することができる。
【0059】
前記(メタ)アクリレート系樹脂および前記ヒドロキシ基含有部を有する鎖および芳香族部分を有する芳香族系樹脂の組成と縦方向延伸比、横方向延伸比、延伸温度および延伸速度を適切に組み合わせることにより、液晶ディスプレイの視野角補償のための位相差フィルムとして用いることのできる光学フィルムを容易に製造することができる。光学フィルムの物性に対する均一性を確保するために、延伸する前のフィルム地の厚さ偏差はフィルム厚さの3%以内であることが好ましい。延伸フィルムの目標位相差を安定的に実現するために、延伸前のフィルム地の位相差はできるだけ小さい値を有することがよく、リタデーション(面内複屈折率差とフィルム厚さの乗算)基準に5nm以下であることが好ましい。MD方向とTD方向の位相差均一性を確保するために、延伸前のフィルム地のリタデーション偏差が5nm以下であることが好ましい。
【0060】
また、延伸したフィルムは靭性(toughness)が上昇するため、脆い(メタ)アクリレート系フィルムの短所を効果的に補完することができる。
【0061】
本発明の一実施状態によれば、前記光学フィルムは、面内位相差が0〜600nmであり、厚さ方向位相差が0〜400nmである。前記光学フィルムは偏光子保護フィルムとして用いることができる。この時、前記光学フィルムは水分透過度が2〜100g/m dayであることが好ましい。
【0062】
本発明のまた他の一実施状態によれば、前記光学フィルムは、面内位相差が0〜100nm、好ましくは30〜80nmであり、厚さ方向位相差が0〜300nm、好ましくは100〜250nmである。このような光学フィルムは、VAモード液晶表示装置用位相差フィルムとして用いることができる。
【0063】
本発明のまた他の一実施状態によれば、前記光学フィルムは、面内位相差が0〜300nm、好ましくは170〜210nmであり、厚さ方向位相差が0〜250nm、好ましくは170〜210nmである。このような光学フィルムは、TNモード液晶表示装置用位相差フィルムとして用いることができる。
【0064】
本発明のまた他の一実施状態によれば、前記光学フィルムは、面内位相差が0〜200nm、好ましくは70〜130nmであり、厚さ方向位相差が0〜200nm、好ましくは30〜90nmである。このような光学フィルムは、IPSモード液晶表示装置用位相差フィルムとして用いることができる。
【0065】
本発明に係る位相差フィルムの面内位相差値および厚さ方向位相差値は各々下記数学式1および2のように計算することができる。
【0066】
[数学式1]
in=(n−n)×d
【0067】
[数学式2]
th=[(n+n)/2−n]×d
【0068】
前記数学式1および数学式2において、
はフィルム面内屈折率のうちの最も大きい屈折率を示し、
はフィルム面内屈折率のうちのnと垂直な方向の屈折率を示し、
はフィルム厚さ方向の屈折率を示し、
dはフィルムの厚さを示す。
【0069】
本発明に係る光学フィルムは、少なくとも一面に有機物および無機物のうちの少なくとも1つを含む追加層を備え、位相差値および補償特性および/または偏光子に対する付着性を調節することができる。前記有機物の例としてはセルロース、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、液晶および/またはこれらの誘導体などが挙げられ、前記無機物としてはTiO、ITOなどが挙げられるが、これらの例だけに限定されるものではない。
【0070】
また、本発明は、偏光子および前記偏光子の少なくとも一面に備えられた前記光学フィルムを含む一体型偏光板を提供する。
【0071】
偏光子は二色性色素を含有した1軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムからなっており、温度や水分に対する耐久性が落ちるため、保護フィルムで貼り合わせられている。現在、主な偏光板用保護フィルムはトリアセチルセルロース(TAC)フィルムである。
【0072】
TACフィルムは透湿性に優れるため、偏光板の製造工程において偏光子に含まれた水分をフィルムを通して揮散できるという利点を有する。しかし、一方では、高温高湿雰囲気下で吸湿による寸法変化や光学特性の変動が比較的に大きく、室温近くで湿度が変化した場合の位相差値の変化が大きいために安定した視野角改善にも限界があるので、偏光板の光学特性の耐久性が低下する問題点がある。
【0073】
また、ポリカーボネート系フィルムは、ガラス転移温度が高いために高温における延伸加工が必要であるだけでなく、フィルムの光弾性係数が大きいために応力による光学変形が生じる。ノルボルネン系フィルムを延伸処理する場合、延伸時の応力が高くなったり、延伸時の応力不均一が発生したりするなどの問題がある。このような課題の解決は、視野角補償効果に優れると同時に環境変化にも位相差値の変化が少ないアクリレート系フィルムを採用することによって解決することができる。
【0074】
本発明に係る光学フィルムは、前記偏光子の一面だけに備えられてもよく、両面に備えられてもよい。特に、本発明に係る光学フィルムは、偏光子の液晶セルと接する側または液晶セルの反対側に配置されることができるが、液晶セルと接する側に配置されることが好ましい。
【0075】
偏光子の一面だけに本発明に係る光学フィルムが備えられる場合、残りの他面には当技術分野で知られた保護フィルムが備えられる。前記公知の保護フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、開環メタセシス重合(ring opening metathesis polymerization;ROMP)により製造されたポリノルボルネン系フィルム、開環重合した環状オレフィン系重合体を再び水素添加して得たHROMP(ring opening metathesis polymerization followed by hydrogenation)重合体フィルム、ポリエステルフィルム、または付加重合(addition polymerization)により製造されたポリノルボルネン系フィルムなどであったもよい。この他にも透明な高分子材料から製造されたフィルムなどを用いることができるが、これらだけに限定されるものではない。
【0076】
偏光子の両面に本発明に係る光学フィルムが備えられる場合、これらは同一の位相差値を有してもよいが、互いに異なる位相差値を有してもよい。
【0077】
前記偏光子としてはヨードまたは二色性染料を含むポリビニルアルコール(PVA)からなるフィルムを用いることができる。前記偏光子はPVAフィルムにヨードまたは二色性染料を染着して製造することができるが、この製造方法は特に限定されない。本明細書において、偏光子は保護フィルムを含まない状態を意味し、偏光板は偏光子と保護フィルムを含む状態を意味する。
【0078】
本発明において、前記光学フィルムと偏光子は当技術分野で知られている方法で貼り合わせることができる。
【0079】
例えば、光学フィルムと偏光膜との貼り合わせは接着剤を用いた接着方式によってなされる。すなわち、先ず、光学フィルムまたは偏光膜であるPVAフィルムの表面上にロールコータ、グラビアコータ、バーコータ、ナイフコータまたはキャピラリーコータなどを使って接着剤をコーティングする。接着剤が完全に乾燥する前に光学フィルムと偏光膜を貼り合わせロールで加熱圧着するか常温圧着して貼り合わせる。ホットメルト型接着剤を用いる場合には加熱圧着ロールを使わなければならない。
【0080】
前記光学フィルムと偏光板を貼り合わせる時に使用可能な接着剤は一液型または二液型のPVA接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、スチレンブタジエンゴム系(SBR系)接着剤またはホットメルト型接着剤などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。ポリウレタン系接着剤を用いる場合、光によって黄変しない脂肪族イソシアネート系化合物を用いて製造したポリウレタン系接着剤を用いることが好ましい。一液型または二液型のドライラミネート用接着剤またはイソシアネートとヒドロキシ基との反応性が比較的に低い接着剤を用いる場合には、アセテート系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤または芳香族系溶剤などにより薄められた溶液型接着剤を用いることもできる。この時、接着剤の粘度は5,000cps以下の低粘度型のものが好ましい。前記接着剤は、貯蔵安定性に優れつつ、400〜800nmにおける光透過度が90%以上であることが好ましい。
【0081】
十分な粘着力を発揮できるのであれば粘着剤を用いることもできる。粘着剤は、貼り合わせ後に熱または紫外線によって十分に硬化して機械的強度が接着剤レベルに向上されるものが好ましく、界面接着力も大きくて粘着剤が付着された両側フィルムのうちのいずれか一方が破壊されずには剥離しない程度の粘着力を有するものが好ましい。
【0082】
使用可能な粘着剤の具体的な例としては、光学透明性に優れた天然ゴム、合成ゴムまたはエラストマー、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリレートまたは変性ポリオレフィン系粘着剤などと、これにイソシアネートなどの硬化剤を添加した硬化型粘着剤が挙げられる。
【0083】
また、本発明は、前記偏光板を含む液晶表示装置を提供する。例えば、本発明に係る液晶表示装置は、液晶セルおよびこの液晶セルの両面に各々備えられた第1偏光板および第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板および前記第2偏光板のうちの少なくとも1つが本発明に係る偏光板であることを特徴とする。前記偏光板の液晶セルと反対側に備えられた光学フィルムまたは偏光子保護フィルムはUV吸収剤を含むことが好ましい。
【0084】
本発明に係る液晶表示装置が前述した偏光板を含む場合にも、偏光板と液晶セルとの間に本発明に係る光学フィルムを1枚以上をさらに含むことができる。
【0085】
また、本発明は、前記光学フィルムを含む情報電子装置を提供する。前記情報電子装置としては液晶表示装置(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)のようなディスプレイ装置などが挙げられる。
【0086】
一実施状態において、本発明に係る液晶表示装置は、液晶セルおよびこの液晶セルの両面に各々備えられた第1偏光板および第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つと前記液晶セルとの間に本発明に係る光学フィルムが備えられる。すなわち、第1偏光板と液晶セルとの間に、第2偏光板と液晶セルとの間に、または第1偏光板と液晶セルとの間と第2偏光板と液晶セルとの間の全てに本発明に係る光学フィルムが1つまたは2つ以上備えられる。
以下では実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。但し、以下の実施例は本発明を例示するためのものであって、下記実施例によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【0087】
<実施例1〜5>
ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)樹脂としてはLGMMA社のIH830HR樹脂を用いた。フェノキシ系樹脂としてはInChem Corporationのフェノキシ樹脂InChemRez Phenoxy PKFE(登録商標)樹脂を用いた。
【0088】
ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)樹脂とフェノキシ系(PKFE)樹脂を90:10〜50:50の重量比で均一に混合した樹脂組成物を、原料ホッパー(hopper)から押出機までを窒素置換した24φの押出機に供給し、250℃で溶融して、原料ペレット(pellet)を製造した。
【0089】
得られた原料ペレットを乾燥し、260℃で押出機で溶融、コートハンガータイプのT−ダイ(T−die)に通過させ、クロムメッキキャスティングロールおよび乾燥ロールを経て厚さ150μmのフィルムを製造した。実験用簡易延伸機を利用して延伸温度、延伸比を変更し、1軸方向に50mm/minの速度で延伸した。
【0090】
複屈折測定装置(Axoscan、Axometrics社)を利用して延伸前後フィルムの面内位相差(Rin)および厚さ方向位相差(Rth)を測定した。各リタデーション値は次の通りに定義される。
【0091】
in=(n−n)×d
th=[(n+n)/2−n]×d
【0092】
ここで、nはフィルム面内屈折率のうちの最も大きい屈折率を示し、
はフィルム面内屈折率のうちのnと垂直な方向の屈折率を示し、
はフィルム厚さ方向の屈折率を示し、
dはフィルムの厚さを示す。
【0093】
<比較例>
フェノキシ系(PKFE)樹脂を含むことなく、ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)樹脂だけからフィルムを製造したことを除いては、実施例1〜5と同じ方法によりフィルムを製造し延伸して物性を測定した。前記実施例1〜5と比較例における樹脂組成、1軸延伸条件による光学フィルムの面内位相差値と厚さ方向位相差値を下記表1に示す。
【0094】
【表1】

【0095】
<実施例6〜9>
実験用簡易延伸機を利用して2軸延伸を実施したことを除いては、実施例1〜5と同じ方法によりフィルムを製造し延伸して物性を測定した。その結果を下記表2に示す。
【0096】
【表2】

【0097】
<実施例10>
ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)樹脂とフェノキシ系(PKFE)樹脂を85:15の重量比で均一に混合したことを除いては、前記実施例1〜5と同じ方法によりフィルムを製造した。パイロット延伸機を利用し、色々なMD方向延伸条件とTD方向延伸条件を組み合わせて延伸フィルムを得、測定された位相差を下記表3に示す。
【0098】
【表3】

【0099】
<実施例11>
ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)樹脂とフェノキシ系(PKFE)樹脂を80:20の重量比で均一に混合したことを除いては、実施例10と同じ方法によりフィルムを製造し延伸して物性を測定した。測定された結果を下記表4に示す。
【0100】
【表4】

【0101】
前記実施例10中の延伸条件(MD延伸率70%/TD延伸率125%)試片と実施例11中の延伸条件(MD延伸率30%/TD延伸率200%)試片の透湿度を透湿度測定装置(PERMATRAN−W Model 398、Mocon社製)によって40℃/90%RH条件下で測定した。実施例10の場合、30g/m day、実施例11の場合には34g/m dayの値が測定された。
【0102】
前記実施例による延伸光学フィルムを用いれば、耐熱性、耐久性、加工性および光学的透明性に優れ、光学的特性に優れ、脆性に優れ、機械的強度に優れ、面内位相差および厚さ方向位相差が容易に調節される光学フィルムとして適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシ基含有部を有する鎖と芳香族部分を有する芳香族系樹脂を含み、下記式による面内位相差(Rin)が0〜600nmであり、下記式による厚さ方向位相差(Rth)が0〜400nmである光学フィルム:
in=(n−n)×d、Rth=[(n+n)/2−n]×d
[式中、nは光学フィルムの面内屈折率のうちの最も大きい屈折率を示し、
は光学フィルムの面内屈折率のうちのnと垂直な方向の屈折率を示し、
は光学フィルムの厚さ方向の屈折率を示し、
dはフィルムの厚さを示す]。
【請求項2】
1種以上の(メタ)アクリレート系誘導体を含む(メタ)アクリレート系樹脂を含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
環状部を有する環状系ユニットをさらに含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記環状部は、マレイン酸無水物、マレイミド、グルタル酸無水物、グルタルイミド、ラクトンおよびラクタムからなる群から選択される、請求項3に記載の光学フィルム。
【請求項5】
環状部を有する環状系ユニットをさらに含む、請求項2に記載の光学フィルム。
【請求項6】
環状部を有する環状系ユニットを含む(メタ)アクリレート系樹脂を含む、請求項5に記載の光学フィルム。
【請求項7】
前記環状系ユニットは、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドおよびN−ブチルマレイミドからなる群から選択された化合物から由来した環状部を含む、請求項6に記載の光学フィルム。
【請求項8】
前記(メタ)アクリレート系樹脂中の環状部を有する環状系ユニットの含有量は約1重量%〜約50重量%である、請求項6に記載の光学フィルム。
【請求項9】
前記1種以上の(メタ)アクリレート系誘導体を含む(メタ)アクリレート系樹脂を約39重量%〜約99重量%含む、請求項2に記載の光学フィルム。
【請求項10】
前記芳香族系樹脂はフェノキシ系樹脂を含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項11】
前記芳香族系樹脂は1,500〜2,000,000g/molの数平均分子量を有する、請求項10に記載の光学フィルム。
【請求項12】
前記芳香族系樹脂は、化学式1で示される少なくとも1種のユニットを5〜10,000個含む、請求項10に記載の光学フィルム:
【化1】

[前記式において、Xは少なくとも1つのベンゼン環を含む2価基であり、Rは炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン基である]。
【請求項13】
(メタ)アクリレート誘導体とマレイミドの共重合体および下記化学式6で示されるユニットを5〜5,000個含む芳香族系樹脂を含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【化2】

【請求項14】
前記(メタ)アクリレート誘導体およびマレイミドの共重合体の含有量は約40%〜約99%であり、前記芳香族系樹脂の含有量は約1%〜約60%である、請求項13に記載の光学フィルム。
【請求項15】
前記光学フィルムは水分透過度が2〜100g/m dayであり、偏光子保護フィルム用である、請求項1または2に記載の光学フィルム。
【請求項16】
面内位相差が0〜100nmであり、厚さ方向位相差が0〜300nmである、請求項1または2に記載の光学フィルム。
【請求項17】
VAモード液晶表示装置用位相差フィルムである、請求項16に記載の光学フィルム。
【請求項18】
面内位相差が0〜300nmであり、厚さ方向位相差が0〜250nmである、請求項1または2に記載の光学フィルム。
【請求項19】
TNモード液晶表示装置用位相差フィルムである、請求項18に記載の光学フィルム。
【請求項20】
面内位相差が0〜200nmであり、厚さ方向位相差が0〜200nmである、請求項1または2に記載の光学フィルム。
【請求項21】
IPSモード液晶表示装置用位相差フィルムである、請求項20に記載の光学フィルム。
【請求項22】
偏光子および前記偏光子の少なくとも一面に備えられた請求項1または2に記載の光学フィルムを含む偏光板。
【請求項23】
請求項22に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
【請求項24】
請求項1または2に記載の光学フィルムを含む情報電子装置。

【公表番号】特表2011−509435(P2011−509435A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542169(P2010−542169)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000106
【国際公開番号】WO2009/088240
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】