説明

光学式ガス分析システム及びガスフローセル

【課題】プロセスチャンバーの内部で発生したパーティクルによって、ガスフローセルの両端にあるミラーや光学窓等の表面が汚染されることがなく、正確な高感度ガス分析を継続して行なうことが可能なガスフローセルを提供する。
【解決手段】 長軸方向のほぼ中心に試料ガス導入口18を1個、長軸方向に直交する方向に沿って設けたT型のガスフローセル1aと、ガスフローセル1aからの光学的情報を電気信号に変換する光電変換室75とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学式ガス分析システムに係り、特に半導体製造装置等のガスを用いるプロセスチャンバーのインライン型分析システムに適した光学式ガス分析システム及び光学式ガス分析システムに用いるガスフローセルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエリオット(Herriot)式の多重反射セルには、図11及び図12に示すように、対向する2個の第1セルミラー41、第2セルミラー42をセルボディ53に取り入れて、第1セルミラー41に設けられた孔から2個の第1セルミラー41、第2セルミラー42間に光を入射させ、光を2個の第1セルミラー41、第2セルミラー42間で多重反射させ、多重反射した光が第1セルミラー41に設けられた孔から出てくるようにしている。図11に示すガスフローセル1xでは、試料の置換をスムーズにするために、ガス試料の試料ガス導入口18と試料ガス排出口19を対角線方向に設けている(特許文献1参照。)。図12に示すガスフローセル1yは、ガス試料の試料ガス導入口18と試料ガス排出口19がセルボディ53の同一側に配置しているが、試料ガス導入口18と試料ガス排出口19は、共にセルボディ53の両端に近い部分に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−58009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11及び図12に示したように、ガス試料の試料ガス導入口18と試料ガス排出口19とが対角線方向、或いは、両端に近い部分に配置された場合は、半導体製造プロセスのように、試料ガス中にパーティクル(粒子状物質)が存在した場合、試料ガス導入口18の枝管、或いは、試料ガス排出口19の枝管と第1セルミラー41、第2セルミラー42が近いために、第1セルミラー41、第2セルミラー42表面にパーティクルが付着し易い。パーティクルが第1セルミラー41、第2セルミラー42表面に付着すると、多重反射のゆえに、第1セルミラー41、第2セルミラー42の実効反射率が低下し、感度が低下する。
【0005】
図11及び図12においては、エリオット式の多重反射セルについて説明したが、ホワイト(White)式の多重反射型吸光光度式のガス分析システム等他の吸光光度式ガス分析システムでも同様であり、より一般には、発光式、蛍光式等の吸光光度式ガス分析システム以外の光学方式のガス分析システムにおいて、半導体製造プロセスのように、試料ガス中にパーティクル(粒子状物質)が存在した場合、入り口の枝管、或いは、出口枝管に近い、ミラーや光学窓等の表面にパーティクルが付着し易い問題がある。
【0006】
特に、多重反射型吸光光度式のガス分析システム等、光を多重反射させる方式のガス分析システムにおいては、反射回数のベキ乗となって、実効反射率が低下するので大きな感度低下が起こり、ほんの少しのパーティクル付着でも、実質的に出射光量がゼロ近くに低下することになる。
【0007】
上記問題点を鑑み、本発明は、プロセスチャンバーの内部で発生したパーティクルによって、ガスフローセルの両端にあるミラーや光学窓等の表面が汚染されることがなく、感度の低下が起きず、その結果、正確な高感度ガス分析を継続して行なうことが可能で、プロセスチャンバー内の正確なインラインモニタリングを行なうことができる光学式ガス分析システム及びこれに用いるガスフローセルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、長軸方向のほぼ中心に試料ガス導入口を1個、長軸方向に直交する方向に沿って設けてT型とした光学式ガス分析システム用のガスフローセルであることを要旨とする。
【0009】
本発明の第2の態様は、 (イ)長軸方向を長手方向とし、長軸方向のほぼ中心に、長軸方向にクロス型に分岐するように、試料ガス導入口及び試料ガス排出口のそれぞれを、長軸方向に直交する方向に沿ってほぼ直線状に設けた筒状のセルボディと、(ロ)このセルボディの両端にそれぞれ設けられた第1及び第2フランジと、(ハ)第1フランジの第2フランジに対向する表面に設けられた第1セルミラーと、(ニ)この第1セルミラーに対向するように、第2フランジの表面に設けられた第2セルミラーとを備える光学式ガス分析システム用のガスフローセルであることを要旨とする。
【0010】
本発明の第3の態様は、(イ)長軸方向のほぼ中心に試料ガス導入口を1個、長軸方向に直交する方向に沿って設けたT型のガスフローセルと、(ロ)ガスフローセルからの光学的情報を電気信号に変換する光電変換室とを備える光学式ガス分析システムであることを要旨とする。
【0011】
本発明の第4の態様は、(イ)長軸方向を長手方向とし、長軸方向のほぼ中心に、長軸方向にクロス型に分岐するように、試料ガス導入口及び試料ガス排出口のそれぞれを長軸方向に直交する方向に沿ってほぼ直線状に設けた筒状のセルボディ、このセルボディの両端にそれぞれ設けられた第1及び第2フランジ、第1フランジの第2フランジに対向する表面に設けられた第1セルミラー、この第1セルミラーに対向するように、第2フランジの表面に設けられた第2セルミラーを有するクロス型ガスフローセルと、(ロ)ガスフローセルからの光学的情報を電気信号に変換する光電変換室とを備える光学式ガス分析システムであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プロセスチャンバーの内部で発生したパーティクルによって、ガスフローセルの両端にあるミラーや光学窓等の表面が汚染されることがなく、感度の低下が起きない。その結果、正確な高感度ガス分析を継続して行なうことが可能であるので、プロセスチャンバー内の正確なインラインモニタリングを行なうことができる光学式ガス分析システム及びこれに用いるガスフローセルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光学式ガス分析システムを用いたインライン型分析システムの構造の概略を説明する模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光学式ガス分析システムの構造の概略を説明する模式的な一部断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る光学式ガス分析システムに用いるT型ガスフローセルの構造の概略を説明する模式的断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る光学式ガス分析システムを用いたインライン型分析システムの構造の概略を説明する模式図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光学式ガス分析システムの構造の概略を説明する模式的な一部断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る光学式ガス分析システムに用いるクロス型ガスフローセルの構造の概略を説明する模式的断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る光学式ガス分析システムに用いるクロス型ガスフローセルにおける試料ガス導入口と試料ガス排出口との中心線のずれを説明する模式的断面図である。
【図8】図7に示したクロス型ガスフローセルの長手方向に垂直な断面図を用いて、本発明の第2の実施の形態に係るクロス型ガスフローセルにおける試料ガス導入口と試料ガス排出口との中心線のなす角度を説明する模式図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の変形例(第1変形例)に係るインライン型分析システムの構造の概略を説明する模式図で、クロス型ガスフローセルの試料ガス導入口をプロセスチャンバーの排気側に直接接続し、試料ガス排出口をゲートバルブの吸気側に接続した態様を示す。
【図10】本発明の第2の実施の形態の変形例(第2変形例)に係るインライン型分析システムの構造の概略を説明する模式図で、クロス型ガスフローセルの試料ガス導入口をゲートバルブの排気側に接続し、試料ガス排出口を真空ポンプの吸気側に接続した態様を示す。
【図11】従来のエリオット式の多重反射セルの構造の概略を説明する模式的な断面図である。
【図12】従来のエリオット式の多重反射セルの他の構造の概略を説明する模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0015】
又、以下に示す第1及び第2の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る光学式ガス分析システム(1a,75)は、測定ガスを導入するための試料ガス導入口18を1個にしたT型のガスフローセル(以下において「T型ガスフローセル」という。)1aと、T型ガスフローセル1aからの光学的情報を電気信号に変換する光源室(光電変換室)75とで構成された吸光光度式ガス分析システムである。
【0017】
T型ガスフローセル1aは、エリオット式の多重反射セルであり、その詳細は図3を用いて後述するが、試料ガス導入口18を、T型ガスフローセル1aの長軸方向のほぼ中心に、長軸方向に直交する方向に沿って設けて全体としてT型の形状をなしている。そして、光学式ガス分析システムを構成するT型ガスフローセル1aの試料ガス導入口18を、カップリング7をプロセスチャンバー3に直接接続し、インライン型分析システムを構成している。なお、図1では、カップリング7として、Oリング形式の真空カップリングを例示しているが、金属ガスケットを用いた真空継ぎ手等、当業者に周知の等価な種々の他の継ぎ手に変更しても構わない。
【0018】
プロセスチャンバー3はゲートバルブ4aを介して前置室6に接続され、ゲートバルブ4bを介してターボ分子ポンプ(TMP)等の真空ポンプ5に接続される。シリコン(Si)や砒化ガリウム(GaAs)等のウエハ8は、大気開放時に前置室6にセット(導入)される。前置室6にウエハ8を導入した後、前置室6を図示しない粗引き真空ポンプで予備排気し、所定の圧力に達した時点で、ゲートバルブ4aを開け、ゲートバルブ4aを介してプロセスチャンバー3の内部にウエハ8が導入される。プロセスチャンバー3の内部は、ゲートバルブ4bを介して真空ポンプ5で真空排気可能になっている。プロセスチャンバー3の内部の圧力は図示を省略した圧力計でモニタされ、且つ、吸光光度式ガス分析システム(1a,75)にて、例えば、残留水分等の特定ガス成分がモニタされる。プロセスチャンバー3の内部が、所定の到達圧力まで真空ポンプ5で真空排気されたのを確認し、且つ、吸光光度式ガス分析システム(1a,75)にて特定ガス成分が所定のレベル以下になったことを確認した後に、図示を省略したガス導入ポートから反応ガスが導入され、プロセスチャンバー3の内部は、真空ポンプ5で所定の処理圧力に真空排気され、熱反応、プラズマ反応、或いは光反応を用いて、化学的気相堆積(CVD)やエッチング等の半導体プロセスが実行される。そして、本発明の第1の実施の形態に係る吸光光度式ガス分析システム(1a,75)は、T型ガスフローセル1aを介して、プロセスチャンバー3内のガスを直接モニタして、半導体製造装置等のガスを用いるプロセスチャンバー3内における反応のインラインモニタを行う。
【0019】
図2に示すように、光源室(光電変換室)75の内部には、光源76としてのレーザと、光源76から出射したレーザ光からなる光束をT型ガスフローセル1aに導入するように反射する光源ミラー77と、T型ガスフローセル1aから戻ってきた光束を反射する光検出器ミラー78と、検出器ミラー78で反射された光束を検出し、光情報を電気情報に光電変換する光検出器79が配置されている。光源76にレーザを使用するのは、ハロゲンランプなどのランプ光源では、第1セルミラー41、第2セルミラー42の間で多重反射する間に光束の発散が大きくなり、出射孔から充分な光量を取り出せないからである。
【0020】
光源室(光電変換室)75にはパージガス導入口74及びパージガス排出口81が設けられている。パージガス導入口74には窒素ガス(N2)ボンベ71からの窒素ガスが減圧弁72により所定の圧力に減圧されて、パージガス供給ライン73を介して供給される。図2では、光源室(光電変換室)75内部の窒素ガスパージに関しては、単純な垂れ流し方式で説明している。つまり、パージガス排出口81側には、圧力付与のバルブは付けていないが、圧力付与のバルブを設けてもよい。
【0021】
光源76から出射した光束は、第1フランジ43に設けられた光透過孔、第1セルミラー41の裏面に設置してある光透過窓34を通過して、第1セルミラー41に設けられた光透過孔からセルボディ53に入る。光束は、セルボディ53の反射面を構成する第1セルミラー41、第2セルミラー42の間で多重反射した後、再び光透過孔、光透過窓34及び光透過孔から出てくる。その後、光検出器79で光電変換され電気信号となる。この電気信号は光検出器79に接続されたプリアンプ80で増幅後、ハーメチックシール形コネクタ13を介して光源室(光電変換室)75の外部に取り出され、信号ケーブル21を介してコントローラ22に導入される。コントローラ22の内部において、既知の信号処理回路により増幅、検波されて濃度信号となり、濃度信号を示すスペクトル24がCRT23上に表示される。
【0022】
図3に示すように、第1の実施の形態に係るT型ガスフローセル1aは、筒状のセルボディ53と、セルボディ53の両端を閉じる第1フランジ43,第2フランジ44と、第1フランジ43と一体となって配置された第1セルミラー41と、第2フランジ44と一体となった第2セルミラー42とを備える。第1フランジ43は、止め付けネジ54c,54dによりOリング65dを介してセルボディ53に固定され、第2フランジ44は止め付けネジ54a,54bによりOリング65cを介してセルボディ53に固定されている。第1セルミラー41、第2セルミラー42は、セルボディ53の中に第1セルミラー41、第2セルミラー42の凹面が向き合うように対向して配置されている。
【0023】
図3に示すガスフローセル1aでは、第2セルミラー42の全体をガイドネジ67に取り付けた支持台66に固定し、このガイドネジ67を回転させて、第2セルミラー42をスライドさせることで第1セルミラー41、第2セルミラー42間の距離を調整できるようになっている。ガイドネジ67は円柱のシャフトの一部に設けられ、円柱のシャフトは、Oリング65a 、65bを介して、真空気密を維持しつつ、第2フランジ44に設けられた貫通孔中を、第2フランジ44の面に垂直方向に移動する。
【0024】
第1フランジ43には、光透過孔51bが設けられ、更に、第1セルミラー41の裏面に接して、石英ガラスの光透過窓34が設けられている。第1フランジ43に設けられた光透過孔51b、光透過窓34を通過し、第1セルミラー41に設けられた光透過孔51aからセルボディ53内部に光が入る。第1セルミラー41、第2セルミラー42の凹面で多重反射した後、光は、再び光透過孔51a、光透過窓34及び光透過孔51bを介して外部へ出射する。光透過孔51a及び光透過孔51bは光の入射孔であるとともに、出射孔を兼ねている。
【0025】
セルボディ53には測定ガスを導入するための試料ガス導入口18が、筒状のセルボディ53のほぼ中央部に設けられている。セルボディ53の長手方向に対し、試料ガス導入口18がT型に分岐するように配置されている。「ほぼ中央部」とは、第1セルミラー41と第2セルミラー42間の距離をLとしたとき、第1セルミラー41と第2セルミラー42間の中央から、

Δ=±0.2L

程度までは、ずれの最大限として許容されるという意味である。第1の実施の形態に係るインライン型分析システムにおいては、後述する第2の実施の形態に係るインライン型分析システムに比し、測定ガスの試料ガス導入口18からの導入時、プロセスチャンバー3の内部において発生したパーティクルが、T型ガスフローセル1aに導入される確率は小さい。しかしながら、第1の実施の形態に係るインライン型分析システムにおいても、よりミクロなパーティクルがガスフローセル1a内部で試料ガス導入口18から両端に向かってΔ程度は拡散する恐れがあるからである。パーティクルがガスフローセル1a内部で試料ガス導入口18から両端に向かって拡散する程度は、第1セルミラー41と第2セルミラー42間の距離Lに依存し、発明者の実験によれば、ほぼ距離Lの20%程度である。
【0026】
試料ガス導入口18は、試料ガス導入フランジ18aと試料ガス導入枝管18bから構成されている。試料ガス導入口18は、図1では、カップリング7を介してプロセスチャンバー3に接続される場合を例示しているので、試料ガス導入フランジ18aにはOリング溝が形成されているが、金属ガスケットを用いる場合等、他の真空シール材を用いる場合は、試料ガス導入フランジ18aの形状は、対応して変更されるのは勿論である。
【0027】
図3に示した第1の実施の形態に係るT型ガスフローセル1aは、大気圧から真空領域のものまで、幅広い測定対象ガスを扱うため、分析計内のセルボディ53は密閉構造をしている。セルボディ53と第1セルミラー41、第2セルミラー42の材質には、耐腐食性を考慮してステンレス(SUS)を使用する。
【0028】
図1に示したような半導体製造装置等のガスを用いるプロセスチャンバー3のインライン型分析システムにおいては、パーティクルは主として、プロセスチャンバー3の内部において、ウエハ8の表面付近で反応ガスとウエハ8との反応或いは、反応ガスとウエハ8表面に付着した水分などとの反応の結果、発生する。発生したパーティクルは、プロセスチャンバー3の内部から真空ポンプ5で吸引排気され、排気ライン側に流れるため、プロセスチャンバー3のチャンバ壁にカップリング7を介して取り付けられたガスフローセル1aには、ほとんど、入ってこないので、ガスフローセル1aに対するパーティクルの影響は少ない。
【0029】
但し、ウエハ8上部やウエハ8直近のガスを直接測定しているわけではないので、プロセスチャンバー3内のガスを正しくサンプリングしているのか、という問題は残る。しかし、実際にプロセスを開始するのは中真空以上の高真空領域であり、中真空以上の真空レベルでは、プロセスガスの平均自由行程も大きくなるため、プロセスチャンバー3の中央部のガスとT型ガスフローセル1a内部のガス構成は略等しくなるので問題はない。
【0030】
例えば、窒素ガス、又は、空気の場合(半導体用のプロセスガスの場合もオーダ的には同レベル)は、気体分子の衝突までに運動する距離を示す、平均自由行程λは、近似的に:

λ=6.7x10-1/P(Pa)[cm] ……(1)

で表され、0.13Pa(=1mTorr)の場合、λ≒5cm、0.013Pa(=0.1mTorr)の場合、λ≒50cmとなる。
【0031】
したがって、T型ガスフローセル1aのセル長が30cm程度であれば、試料ガス導入口18がセル中心部にある場合は、ガスフローセル1aの試料ガス導入口18から第1セルミラー41まで、或いは試料ガス導入口18から第2セルミラー42までの距離は、15cmとなり、平均自由行程λとほぼ同レベルになるため、プロセスガスは、瞬時にガスフローセル1a内部で衝突・置換を行なって均一化されることになる。
【0032】
その結果、T型ガスフローセル1aによって、プロセスチャンバー3内のプロセスガスの正しい吸光分析を行なうことができる。即ち、本発明の第1の実施の形態に係るインライン型分析システムによれば、プロセスチャンバー3の内部で発生したパーティクルによって、T型ガスフローセル1aの両端にある、第1セルミラー41、第2セルミラー42表面が汚染されることはなく、吸光光度式ガス分析システム(1a,75)の感度の低下が起きない。又、プロセスチャンバー3内と実質的に同等のガス分析を吸光光度式ガス分析システム(1a,75)が行なうことができるので、吸光光度式ガス分析システム(1a,75)は、正確な高感度測定を継続して行なうことができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る光学式ガス分析システムは、測定ガスを導入するための試料ガス導入口18と測定ガスを排気するための試料ガス排出口19とを備えるクロス型(十字型)のガスフローセル(以下において「クロス型ガスフローセル」という。)1bと、クロス型ガスフローセル1bからの光学的情報を電気信号に変換する光源室(光電変換室)75とで構成されている。
【0034】
クロス型ガスフローセル1bの詳細は図6を用いて後述するが、クロス型ガスフローセル1bの長軸方向のほぼ中心に、試料ガス導入口18及び試料ガス排出口19を、それぞれ長軸方向に直交する方向に沿ってほぼ直線状に設けてクロス型としている。そして、光学式ガス分析システムを構成するクロス型ガスフローセル1bの試料ガス導入口18をカップリング7aを介して、プロセスチャンバー3の内部を真空排気する真空ポンプ5の排気側に接続し、試料ガス排出口19をカップリング7bを介して、排気ライン側の真空配管に接続し、インライン型分析システムを構成している。なお、図4では、カップリング7a及び7bとして、Oリング形式の真空カップリングを例示しているが、金属ガスケットを用いた真空継ぎ手等、当業者に周知の等価な種々の他の継ぎ手に変更しても構わないのは、第1の実施の形態と同様である。
【0035】
クロス型ガスフローセル1bは、エリオット式の多重反射セルであり、光源室(光電変換室)75に連結され、クロス型ガスフローセル1b及び光源室(光電変換室)75とで、吸光光度式ガス分析システム(1b,75)を構成している。
【0036】
プロセスチャンバー3は第1の実施の形態に係るインライン型分析システムの場合と同様に、ゲートバルブ4aを介して前置室6に接続され、ゲートバルブ4bを介してTMP等の真空ポンプ5に接続されている。SiやGaAs等のウエハ8は、大気開放時に前置室6にセット(導入)される。前置室6にウエハ8を導入した後、前置室6を図示しない粗引き真空ポンプで予備排気し、所定の圧力に達した時点で、ゲートバルブ4aを開け、ゲートバルブ4aを介してプロセスチャンバー3の内部にウエハ8が導入される。プロセスチャンバー3の内部は、ゲートバルブ4bを介して真空ポンプ5で真空排気可能になっている。プロセスチャンバー3の内部の圧力は図示を省略した圧力計でモニタされ、且つ、吸光光度式ガス分析システム(1b,75)にて、例えば、残留水分等の特定ガス成分がモニタされる。プロセスチャンバー3の内部が、所定の到達圧力まで真空ポンプ5で真空排気されたのを確認し、且つ、吸光光度式ガス分析システム(1b,75)にて特定ガス成分が所定のレベル以下になったことを確認した後に、図示を省略したガス導入ポートから反応ガスが導入され、プロセスチャンバー3の内部は、真空ポンプ5で所定の処理圧力に真空排気され、熱反応、プラズマ反応、或いは光反応を用いて、CVDやエッチング等の半導体プロセスが実行される。そして、本発明の第2の実施の形態に係る吸光光度式ガス分析システム(1b,75)は、クロス型ガスフローセル1bを介して、プロセスチャンバー3内のガスを直接モニタして、半導体製造装置等のガスを用いるプロセスチャンバー3の反応のインラインモニタを行う。
【0037】
光源室(光電変換室)75の内部には、光源76としてのレーザと、光源76から出射したレーザ光からな光束をクロス型ガスフローセル1bに導入するように反射する光源ミラー77と、クロス型ガスフローセル1bから戻ってきた光束を反射する光検出器ミラー78と、検出器ミラー78で反射された光束を検出し、光情報を電気情報に光電変換する光検出器79が配置されている。光源室(光電変換室)75にはパージガス導入口74及びパージガス排出口81が設けられている。パージガス導入口74には窒素ガス(N2)ボンベ71からの窒素ガスが減圧弁72により所定の圧力に減圧されて、パージガス供給ライン73を介して供給される。図5では、光源室(光電変換室)75内部の窒素ガスパージに関しては、単純な垂れ流し方式で説明している。つまり、パージガス排出口81側には、圧力付与のバルブは付けていないが、圧力付与のバルブを設けてもよい。
【0038】
光源76から出射した光束は、第1フランジ43に設けられた光透過孔、第1セルミラー41の裏面に設置してある光透過窓34を通過して、第1セルミラー41に設けられた光透過孔からセルボディ53に入る。光束は、セルボディ53の反射面を構成する第1セルミラー41、第2セルミラー42の間で多重反射した後、再び光透過孔、光透過窓34及び光透過孔から出てくる。その後、光検出器79で光電変換され電気信号となる。この電気信号は光検出器79に接続されたプリアンプ80で増幅後、ハーメチックシール形コネクタ13を介して光源室(光電変換室)75の外部に取り出され、信号ケーブル21を介してコントローラ22に導入される。コントローラ22の内部において、既知の信号処理回路により増幅、検波されて濃度信号となり、濃度信号を示すスペクトル24がCRT23上に表示される。
【0039】
図6に示すように、第2の実施の形態に係るクロス型ガスフローセル1bは、セルボディ53と、セルボディ53の両端を閉じる第1フランジ43,第2フランジ44と、第1フランジ43と一体となって配置された第1セルミラー41と、第2フランジ44と一体となった第2セルミラー42とを備える。第1セルミラー41、第2セルミラー42は、セルボディ53の中に第1セルミラー41、第2セルミラー42の凹面が向き合うように対向して配置されている。
【0040】
図6に示すガスフローセル1bでは、第2セルミラー42の全体をガイドネジ67に取り付けた支持台66に固定し、このガイドネジ67を回転させて、第2セルミラー42をスライドさせることで第1セルミラー41、第2セルミラー42間の距離を調整できるようになっている。
【0041】
第1フランジ43には、光透過孔51bが設けられ、更に、第1セルミラー41の裏面に接して、石英ガラスの光透過窓34が設けられている。第1フランジ43に設けられた光透過孔51b、光透過窓34を通過し、第1セルミラー41に設けられた光透過孔51aからセルボディ53内部に光が入る。第1セルミラー41、第2セルミラー42の凹面で多重反射した後、光は、再び光透過孔51a、光透過窓34及び光透過孔51bを介して外部へ出射する。光透過孔51a及び光透過孔51bは光の入射孔であるとともに、出射孔を兼ねている。
【0042】
セルボディ53には測定ガスを導入するための試料ガス導入口18と測定ガスを排気するための試料ガス排出口19が、筒状のセルボディ53のほぼ中央部にほぼ直線状に設けられている。試料ガス導入口18と試料ガス排出口19は、セルボディ53の長手方向に対し、それぞれがクロス型に分岐するように配置されている。「ほぼ中央部」とは、第1の実施の形態で説明したと同様に、第1セルミラー41と第2セルミラー42間の距離をLとしたとき、第1セルミラー41と第2セルミラー42間の中央から、

Δ=±0.2L

程度までは、ずれの最大限として許容されるという意味である。半導体製造装置等のガスを用いるプロセスチャンバー3のインライン型分析システムにおいては、測定ガスの試料ガス導入口18からの導入時、プロセスチャンバー3の内部において発生したパーティクルが、クロス型ガスフローセル1bを通過するときに、パーティクルがガスフローセル1b内部で試料ガス導入口18から両端に向かってΔ程度拡散するからである。
【0043】
又、「ほぼ直線状」とは、図7に示すように、試料ガス導入口18と試料ガス排出口19との中心線のずれδが、

δ=±0.2L

程度までは、ずれの最大限として許容されるという意味である。試料ガス導入口18と試料ガス排出口19との中心線のずれδが、±0.2Lより大きくなると、試料ガス導入口18から試料ガス排出口19に向かうガスの流れが層流からずれるため好ましくない。但し、実際には、試料ガス導入口18と試料ガス排出口19との中心線のずれδが、±0.2L程度でも、若干、試料ガス導入口18から試料ガス排出口19に向かうガスの流れの層流からの乱れがあるので、より好ましくは、試料ガス導入口18と試料ガス排出口19との中心線のずれδが、±0.1以下である。更に、「ほぼ直線状」とは、図8に示すように、試料ガス導入口18と試料ガス排出口19との中心線のなす角度θが±10°以下であるという意味である。図8はクロス型ガスフローセル1bの長手方向に垂直な断面図、即ち、第1セルミラー41と第2セルミラー42間の距離Lに沿った方向に垂直なクロス型ガスフローセル1bの断面図である。試料ガス導入口18と試料ガス排出口19との中心線のなす角度θが±10°より大きくなると、試料ガス導入口18から試料ガス排出口19に向かうガスの流れが層流からずれるため好ましくない。但し、実際には、試料ガス導入口18と試料ガス排出口19との中心線のなす角度θが±10°程度でも、若干、試料ガス導入口18から試料ガス排出口19に向かうガスの流れの層流からの乱れがあるので、より好ましくは、試料ガス導入口18と試料ガス排出口19との中心線のなす角度θが±5°以下である。
【0044】
なお、試料ガス導入口18と試料ガス排出口19との中心線のずれδが、±0.2L以下、且つ、試料ガス導入口18と試料ガス排出口19との中心線のなす角度θが±10°以下という態様も「ほぼ直線状」の概念に含まれる。
【0045】
試料ガス導入口18は、試料ガス導入フランジ18aと試料ガス導入枝管18bから構成され、試料ガス排出口19は、試料ガス排出フランジ19aと試料ガス排出枝管19bから構成されている。図4では、クロス型ガスフローセル1bの試料ガス導入口18をカップリング7aを介して真空ポンプ5の排気側に接続し、試料ガス排出口19をカップリング7bを介して、排気ライン側の真空配管に接続する場合を例示しているので、試料ガス導入フランジ18a及び試料ガス排出フランジ19aには、それぞれOリング溝が形成されているが、金属ガスケットを用いる場合等、他の真空シール材を用いる場合は、試料ガス導入フランジ18a及び試料ガス排出フランジ19aの形状は、対応して変更されるのは勿論である。
【0046】
図4に示したような第2の実施の形態に係る半導体製造装置等のガスを用いるプロセスチャンバー3のインライン型分析システムにおいても、第1の実施の形態と同様に、パーティクルは主として、プロセスチャンバー3の内部において、ウエハ8の表面付近で反応ガスとウエハ8との反応或いは、反応ガスとウエハ8表面に付着した水分などとの反応の結果、発生する。発生したパーティクルは真空ポンプ5によって吸引排気される。パーティクルを含んだ、排気ガスが、真空ポンプ5を経由して、クロス型ガスフローセル1bを通過するときに、パーティクルは若干クロス型のガスフローセル1b内部で両端に向かって、拡散する。前述したように、パーティクルがクロス型のガスフローセル1b内部で、試料ガス導入口18から両端に向かって拡散する程度は、第1セルミラー41と第2セルミラー42間の距離Lに依存し、距離L=約30cmの場合、試料ガス導入口18から約5〜6cm程度は壁面にパーティクルが付着する。しかしながら、両端にある第1セルミラー41、第2セルミラー42は試料ガス導入口18から充分離れているので、第1セルミラー41、第2セルミラー42表面への付着はない。こうして、大部分のパーティクルは、クロス型のガスフローセル1b部を素通りして、試料ガス排出口19からカップリング7bを介して、排気ライン側に出て行く。このため、クロス型のガスフローセル1bの両端にある、第1セルミラー41、第2セルミラー42表面が汚染されることはなく、感度の低下は起きない。
【0047】
一方、プロセスガスの排気成分は、プロセスが開始される、中真空領域では(1)式を用いて前述したように、平均自由行程λは大きいので、クロス型ガスフローセル1b内の滞留ガスと瞬時に衝突・置換を繰り返しながら、外部に排出される。したがって、クロス型ガスフローセル1bにより、実質的にプロセスチャンバー3内のガスの吸光測定は正しく行われることになる。
【0048】
その結果、本発明の第2の実施の形態に係るインライン型分析システムによれば、クロス型ガスフローセル1bによって、プロセスチャンバー3内のプロセスガスの正しい吸光分析を行なうことができる。又、本発明の第2の実施の形態に係るインライン型分析システムによれば、プロセスチャンバー3の内部で発生したパーティクルによって、クロス型ガスフローセル1bの両端にある、第1セルミラー41、第2セルミラー42表面が汚染されることはなく、吸光光度式ガス分析システム(1b,75)の感度の低下が起きない。又、プロセスチャンバー3内と実質的に同等のガス分析を吸光光度式ガス分析システム(1b,75)が行なうことができるので、吸光光度式ガス分析システム(1b,75)は、正確な高感度測定を継続して行なうことができる。
【0049】
図4では、プロセスチャンバー3の排気ラインに、クロス型ガスフローセル1bからなる、吸光光度式多重反射型ガス分析システムを2個のカップリング7a,7bを介して接続した場合を例示したが、クロス型ガスフローセル1b設置箇所は、図4に示す態様に限定されるものではない。例えば、図9に示すように、クロス型ガスフローセル1bの試料ガス導入口18をカップリング7aを介してプロセスチャンバー3の排気側に直接接続し、試料ガス排出口19をカップリング7bを介してゲートバルブ4bの吸気側に接続してもよく、図10に示すように、クロス型ガスフローセル1bの試料ガス導入口18をカップリング7aを介してゲートバルブ4bの排気側に接続し、試料ガス排出口19をカップリング7bを介して真空ポンプ5の吸気側に接続してもよい。なお、図9及び図10では、カップリング7a,7b,7cとして、Oリング形式の真空カップリングを例示しているが、金属ガスケットを用いた真空継ぎ手等、当業者に周知の等価な種々の他の継ぎ手に変更しても構わないのは、図1や図4の場合と同様である。
【0050】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0051】
既に述べた第1及び第2の実施の形態の説明においては、エリオット式の多重反射セルについて説明したが、あくまでも例示であり、ホワイト式の多重反射型吸光光度式のガス分析システム等他の吸光光度式ガス分析システムでも同様であることは勿論である。より一般には、発光式、蛍光式等のガス分析システム等、吸光光度式ガス分析システム以外の種々の光学方式のガス分析システムにおいて、試料ガス中にパーティクルが存在するようなインラインモニタリングにおいて、ミラーや光学窓等の表面にパーティクルが付着し易い問題がある場合に適用可能であることは、上記説明で明らかであろう。
【0052】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0053】
1a…T型ガスフローセル
1b…クロス型ガスフローセル
3…プロセスチャンバー
4a,4b…ゲートバルブ
5…真空ポンプ
6…前置室
7,7a,7b,7c…カップリング
8…ウエハ
13…ハーメチックシール形コネクタ
18…試料ガス導入口
18a…試料ガス導入フランジ
18b…試料ガス導入枝管
19…試料ガス排出口
19a…試料ガス排出フランジ
19b…試料ガス排出枝管
21…信号ケーブル
22…コントローラ
23…CRT
24…スペクトル
34…光透過窓
41…第1セルミラー
42…第2セルミラー
43…第1フランジ
44…第2フランジ
51a…光透過孔
51b…光透過孔
53…セルボディ
54a,54b,54c,54d…止め付けネジ
65,65b,65c,65d…Oリング
66…支持台
67…ガイドネジ
71…ボンベ
72…減圧弁
73…パージガス供給ライン
74…パージガス導入口
75…光源室(光電変換室)
76…光源
77…光源ミラー
78…検出器ミラー
79…光検出器
80…プリアンプ
81…パージガス排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長軸方向のほぼ中心に試料ガス導入口を1個、前記長軸方向に直交する方向に沿って設けてT型としたことを特徴とする光学式ガス分析システム用のガスフローセル。
【請求項2】
前記長軸方向を長手方向とし、前記試料ガス導入口をT型に分岐するように配置した筒状のセルボディと、
該セルボディの両端にそれぞれ設けられた第1及び第2フランジと、
前記第1フランジの前記第2フランジに対向する表面に設けられた第1セルミラーと、
該第1セルミラーに対向するように、前記第2フランジの表面に設けられた第2セルミラー
とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の光学式ガス分析システム用のガスフローセル。
【請求項3】
長軸方向を長手方向とし、前記長軸方向のほぼ中心に、前記長軸方向にクロス型に分岐するように、前記試料ガス導入口及び試料ガス排出口のそれぞれを、前記長軸方向に直交する方向に沿ってほぼ直線状に設けた筒状のセルボディと、
該セルボディの両端にそれぞれ設けられた第1及び第2フランジと、
前記第1フランジの前記第2フランジに対向する表面に設けられた第1セルミラーと、
該第1セルミラーに対向するように、前記第2フランジの表面に設けられた第2セルミラー
とを備えることを特徴とする光学式ガス分析システム用のガスフローセル。
【請求項4】
長軸方向のほぼ中心に試料ガス導入口を1個、前記長軸方向に直交する方向に沿って設けたT型のガスフローセルと、
該ガスフローセルからの光学的情報を電気信号に変換する光電変換室
とを備えることを特徴とする光学式ガス分析システム。
【請求項5】
前記ガスフローセルが、
前記長軸方向を長手方向とし、前記試料ガス導入口をT型に分岐するように配置した筒状のセルボディと、
該セルボディの両端にそれぞれ設けられた第1及び第2フランジと、
前記第1フランジの前記第2フランジに対向する表面に設けられた第1セルミラーと、
該第1セルミラーに対向するように、前記第2フランジの表面に設けられた第2セルミラー
とを更に備えることを特徴とする請求項4に記載の光学式ガス分析システム。
【請求項6】
長軸方向を長手方向とし、前記長軸方向のほぼ中心に、前記長軸方向にクロス型に分岐するように、前記試料ガス導入口及び試料ガス排出口のそれぞれを前記長軸方向に直交する方向に沿ってほぼ直線状に設けた筒状のセルボディ、該セルボディの両端にそれぞれ設けられた第1及び第2フランジ、前記第1フランジの前記第2フランジに対向する表面に設けられた第1セルミラー、該第1セルミラーに対向するように、前記第2フランジの表面に設けられた第2セルミラーを有するクロス型ガスフローセルと、
前記ガスフローセルからの光学的情報を電気信号に変換する光電変換室
とを備えることを特徴とする光学式ガス分析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−217031(P2010−217031A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64920(P2009−64920)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】