説明

光学的に変化する高彩度の色変化光沢材

【課題】入射光の角度の変化とともに光学的に色が変化するサイズおよび形状が均一な不透明光沢粒子を提供する。
【解決手段】この光沢粒子は、有機基板と、この有機基板の一方または両方の側の光学干渉構造とを有する。この光学干渉設計は、ファブリ・ペロ構造とすることもできるし、光学的に変化するインクとすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的に変化する不透明な色変化光沢粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
光沢材は、世界中のほぼ至るところに存在しており、包装、被服、人体、スポーツ用品その他多くの物品を装飾するのに使用されている。外形が規則的または不規則的な複数の粒子である光沢材は、光を反射または屈折させる材料を含む形態で知られている。例えば、光沢材は、米国再発行特許第31780号(Cooper他)、米国特許第3764067号(Coffey他)、米国特許第4310584号(Cooper他)、および米国特許第5294657号(Melendy他)に記載されている。
【0003】
光沢材として有用な材料の例には、アルミニウム、銅、銀、金、黄銅などの金属の粒子、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリメタクリレート、およびポリ(ビニルブチラール)などの透明または色付きの固体有機材料の粒子、ならびに、金属を被覆した被膜または紙(例えば、アルミニウムを被覆したポリ(エチレンテレフタレート)被膜)の粒子が含まれる。
【0004】
光沢材は、透明とすることもできるし、銀、金、青、赤などの様々な色で提供することもできる。あるいは、これらの混合物とすることもできる。さらに、円形、正方形、長方形、三角形、菱形、星形、記号、英数字(すなわち、文字および/または数字)、あるいは異なる形状の混合物など、様々な形状で提供することができる。
【0005】
光沢材を被覆した物品について最も注目すべきことは、それらが、光源、被覆した物品、および観察者が静止しているときでも、きらめき、また輝く傾向があることである。被覆した物品のきらめく様子が知覚されるのに、光源、被覆した物品、および観察者が相対的に動く必要はない。各光沢粒子の反射表面積は大きく、光沢効果は、これらの粒子が整然と並んでいないことに起因する。しかし、相対的な動きが存在すると、光沢材を被覆した物品は、輝き効果が観察される場所が動きとともに絶えず変化しているように動的に輝く傾向がある。光沢材は、光沢粒子が不透明なとき、したがって、大部分の光沢材が不透明な反射性材料でできているときに最も目立つ。透明な光沢粒子は、淡く、かつ色褪せて見える傾向がある。
【0006】
光沢材は様々な色、形状、およびサイズのものが市販されている。人間の目は、直径20ミクロン未満の反射性粒子からの光沢効果をほとんど知覚することができないので、本当の光沢粒子は、直径を50ミクロンよりも大きくする傾向がある。満足できる視覚効果を得るには、光沢粒子の形状およびサイズが実質的に均一であることも好ましい。一部の粒子が他の隣り合う粒子よりもかなり長く、かつ大きいと、光沢材がもたらす興味深い効果が小さくなる。というのは、目は、より大きな粒子に瞬間的に焦点を合わせる傾向があり、それによって観察者の注意が反らされるからである。これに対して、粒子が小さすぎる場合、それらは単に貴重なスペースを取るだけで、なんの知覚し得る光沢効果ももたらさない。
【0007】
金属的な見かけの効果をもたらす顔料が、ここ数年急速に普及してきた。しかし、顧客は、新しい刺激的な外観を求めており、それが、塗料、インク、ゲルなどの新しい被覆および応用例の研究開発を継続的に押し進めている。
【0008】
被覆の見かけおよび性能を改善する努力が継続的に行われている。最近では、強力な新しい特徴を有する光沢粒子が望まれている。例として、参照により本明細書に組み込むWhitney他の米国特許第6475609号は、2種類の異なる有機ポリマー材料の多数の交互層でできている光沢材を記載している。これらのポリマー材料の少なくとも一方は複屈折性のものである。Whitney他が述べている発明は、意図したとおりに機能するように見えるが、この構造は、透明であり、彩度または反射率があまり高くない。得られる色の変化は、ある範囲の2種類の色褪せた見かけの色の中で行われる傾向があり、そのため、全体的な効果はあまり著しいものではない。光沢効果も色変化効果も特に良好なものではない。
【0009】
不透明な無機系の色変化ファブリ・ペロ構造は、長年にわたって利用されており、優れた色変化視覚効果を有する。典型的には、箔の形態であるこのタイプの構造は、基板上に反射体層を被着させ、その後、誘電体層、さらに吸収体層を被着させることによって作製する。これらの箔は、反射体層の存在のために一方の側からは反射性が極めて高く見え、ファブリ・ペロ構造のために反対側から見ると、角度に依存して変化する色を伴って反射性が極めて高く見える。塗料およびインクで使用する薄片は、同じ反射体を共有する2つの単一の吸収体/誘電体/反射体/誘電体/吸収体タイプの対称ファブリ・ペロ構造から、基板から薄片の形態で被着層をはがし、その後、これらの薄片を乾燥させることによって得られる。約2ミクロンから約20ミクロンまでサイズが変化するこれらの色変化薄片を担体に追加して、色変化効果を示すインクまたは塗料を作製することができる。直径が概ね20ミクロン未満の実質的に均一なサイズの薄片を比較的高い歩留まりで実現するために多大な労力が技術に注がれている。JDS Uniphase社が販売するChromaflair(商標)は、商業的に成功した製品である。この製品では、平均直径約17ミクロンの小さな薄片を担体内に分散させて塗料またはインクを形成する。この塗料は、その極めて大きな魅力のために普及し、車両、玩具、ならびに他の様々な機器および包装を被覆するのに使用されている。
【0010】
Chromaflair(商標)を被覆した物体を極めて近くで見ると、光沢性の見かけは、かすかに見えるだけであり、やっと知覚できるほどにすぎない。実際、目を意図して緊張させずに光沢効果を期待しても、何の光沢効果にも気づかない可能性がある。逆に、強い金属性の効果が観察され、主な効果は、担体内の不透明な薄片からの色変化である。Chromaflair(商標)で使用する薄片の粒子サイズのために、観察者には、光沢よりもかすかな虹色が見える。現在、Chromaflair(商標)の観察サンプルは、インターネットのwww.jdsu.comで見つけることができる。
【0011】
これらの塗料およびインクが真に「光沢的に」見えるようにするには、粒子の直径を、従来型光沢材と同様に、すなわち、約30ミクロンよりも大きく、より好ましくは50ミクロンよりも大きく、さらには2000ミクロン以上にもしなければならない。
【特許文献1】米国再発行特許第31780号
【特許文献2】米国特許第3764067号
【特許文献3】米国特許第4310584号
【特許文献4】米国特許第5294657号
【特許文献5】米国特許第6475609号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記で説明したように、インクおよび塗料を作製するのに使用する従来型の光学的変化(OV)薄片は、対称多層不透明色変化被膜を被覆した箔を削ることによって得られる。削る前に、典型的には、アセトンなどの薬浴中に箔を置いて、基板から被着層を解放する。削る工程中に、薄片は、それらの担体基板から離れてこなごなになる傾向があり、これらの破片の粒子サイズは広く分散する。一部の薄片の等価直径は約1〜5ミクロンであり、他の薄片の等価直径は、最大で125ミクロンになることがある。光沢材として使用するには大きな粒子が望ましいが、破片粒子のサイズは、正確に制御することができず、平均して小さすぎる傾向がある。さらに、直径が大きい粒子はカール(curl)する傾向があり、そのため、比較的平坦であることが必要とされる高品質の光沢材として働くことができなくなる。
【0013】
要約すると、実質的に平坦でサイズおよび形状が均一であり、不透明な光沢粒子を得ることが好ましい。
【0014】
サイズが少なくとも30ミクロンであり、色変化特性が優れており、彩度が高く、反射率が大きい光沢粒子を得ることも望ましい。
【0015】
本出願人は、塗料またはインクで使用する色変化顔料を作製するのに使用する従来技術を利用しても、光沢材に必要とされる粒子の分布、サイズ、および平坦性を満足することができないので、高品質の光沢材を作製することができないことを見出した。
【0016】
したがって、本発明の目的は、彩度が高く、不透明であり、サイズ分布が極めて均一な所望の形状で製造することができる光沢材を提供することである。この光沢材の粒子は、光沢材として認識されるのに十分に大きく、かつ十分に平坦である。
【0017】
また、本発明の目的は、物体が静止しているときに強い光沢効果をもたらし、物体または物体に対する光源が動くときに高彩度および強い色変化の効果をもたらす光沢材を提供することである。
【0018】
本発明の目的は、平均サイズが光沢材の要件を満足し、実質的に平坦な色変化光沢粒子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、不透明な色変化光沢材が提供され、その構造は、有機支持層と、a)この有機支持層のそれぞれの側の単一周期または2重周期のファブリ・ペロ構造、または、b)有機支持層の一方の側で同じ反射体層を共有する2つの単一周期または2重周期のファブリ・ペロ構造、または、c)有機支持層の一方の側の光学的に変化する色変化インクとを有することで提供される。
【0020】
本発明によれば、好ましくは、これらの光沢粒子はそれぞれ、少なくとも30ミクロンの直径「d」、および6ミクロンよりも厚い厚さ「t」(ただし、t<d/2)を有する。色変化被覆がカールするのを防ぎ、光沢材基板を精確に切断して離散粒子サイズにし、および/または、干渉被覆の小片化および破断を少なくするために、有機支持層は剛性をもたらすものとされる。
【0021】
代替実施形態では、不透明な色変化光沢材は、回折微細構造でエンボス加工され、それによって、薄膜による不透明な色の変化および回折性光干渉を同時に示す光沢材が得られる。この組合せ干渉は、着色した顔料および箔に関する米国特許第6841238号に記載されている。
【0022】
本発明の範囲に含まれる代替実施形態は、上記で述べた構造(a)、(b)、または(c)の1つを、上記寸法に適合するどれも同じサイズのあらかじめ寸法設定された基板、すなわちガラス薄片、雲母、窒化ホウ素、酸化アルミニウムの上に配置することである。この工程は、被覆粒子に関する米国特許第6524381号および米国特許第6777085号に開示されている。
【0023】
本発明の態様によれば、複数の光沢粒子を含む不透明な色変化光沢材が提供される。これらの光沢粒子はそれぞれ、両側に反射体層、誘電体層、および吸収体層を担持する有機支持層を含む。前記粒子はそれぞれ、少なくとも30ミクロンの直径「d」、6ミクロンよりも厚い厚さ「t」(ただし、t<d/2)を有する。これらの粒子がカールするのを防ぐために、かつ、これらの粒子の小片化および破断を少なくするために、有機支持層が剛性をもたらすものとされる。
【0024】
本発明によれば、光沢粒子を含む不透明な色変化光沢材が提供される。これらの光沢粒子は、それらの形状およびサイズが実質的に均一になるように、機械的な手段またはレーザ彫込み装置によって生成されたものであり、それぞれ、無機薄膜光学干渉構造を有し、そのため、観察角または入射光の角度が変化すると、可視スペクトルで色変化が知覚される。各粒子の前記無機薄膜干渉構造は有機支持層によって支持され、それによって剛性がもたらされ、それらの粒子はカールしない。
【0025】
次に、図面に即して本発明の実施形態の例を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
さて図1に移ると、直径が少なくとも50ミクロン、好ましくは150ミクロン以上になるように所定のサイズおよび形状に機械的に切断された光沢粒子が示されている。この粒子は、透明または不透明とし得る有機支持層12の両側に被着された2つの単一周期ファブリ・ペロ構造10aおよび10bからなる。単一周期ファブリ・ペロ構造10aおよび10bはそれぞれ、有機基板12上に被着された反射層14、誘電体層16、および吸収体層18を有する。有機基板12は、その上に被着される各層14、16、または18よりもかなり厚い。図1〜図4、図6、および図7に示す構造で例示する実施形態は、透明または不透明な可撓性有機材料シートを使用して、真空ロール・コータで作製することができる。基板を透明にするか、不透明にするかは、光学的変化被覆を見るために支持基板を通して観察することが求められるかどうかによって決まる。典型的には、支持基板12として1ミルのポリエステルを使用するが、他の有機膜および他の厚さを用いることができる。有機膜の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリヘキサジエン、およびポリイミドを含めることができる。あるいは、透明性を必要としない膜を使用し得るが、この膜は、切断して光沢材にし得るものとすべきである。この膜または基板の厚さは、0.5ミル〜5ミルとし得る。
【0027】
真空ロール被覆技術はよく知られており、特に、真空ロール・コータでの光学的に変化する薄膜の生成も周知のものである。I.M. Boswarva他は、Proceedings of the 33rd. Annual Society of Vacuum Coaters Technical Conference、開催地米国ルイジアナ州ニュー・オリンズ、(1990年)の103〜109頁で、すべて誘電体による設計に基づいて、プラスチック膜上に光学的変化被覆を作製することを述べている。この文献を参照により本明細書に組み込む。被覆は、剥離担体膜上に被着させたZrOおよびSiOの層でできており、次いで、この被覆を紫外線硬化型粘着剤によって取り出して、カナダ国の紙幣上に光学的変化断片を形成した。これらの断片は、約1/2インチ平方のものである。
【0028】
真空ロール・コータで剥離基板を使用して光学的変化顔料(OVP)を作製することもよく知られている。米国特許第5383995号、第5281480号、第5059245号、第5084351号、第5214530号、第6243204号、第6569529号、第6744559号、および第5135812号の米国特許を参照により組み込む。上記特許に記載されている材料および被覆の設計も、本発明で使用し得るタイプの材料に関する参照文献として含める。
【0029】
Boswarvaと異なり、本発明では、薄膜光学スタックとしての剥離基板も、すべて透明誘電体による設計も用いない。上記米国特許と異なり、本発明では、剥離基板を使用する必要がなく、顔料(すなわち、薄片)を作製するために膜から被覆を取り出すこともしない。さらに、先行技術の顔料粒子が、概ね約17ミクロンを中心とするガウス分布であるのと異なり、本発明による光沢粒子は、好ましくはどれも同じ寸法である。好ましい実施形態では、これらの光沢粒子は相対的に大きく、すなわち、約100ミクロン以上である。
【0030】
観察の観点からすれば、光学的変化顔料は、光学的変化光沢粒子と全く異なって見える。光学的変化顔料の色は、単体で、あるいはインクまたは塗料に組み込まれたとき、所与の角度で色が均一になる。これに対して、光学的変化光沢粒子は、インクまたは塗料に組み込まれたとき、個々の色点として輝く。いずれの場合でも、観察角度により色が変化する。
【0031】
光沢材中の金属および誘電体の重量濃度は、顔料の重量濃度よりも小さい。このため、化粧品産業にとってより興味深いのは光沢材である。
【0032】
好ましい実施形態では、図8に示すように、吸収体層、誘電体層、および反射体層の同時被着を実現することができるロール・ツー・ロール型複式被着システムを利用し得る。
【0033】
図1〜図7に示す構造を有するシートを形成することによって、溶媒によりはがすことを必要とせずに、このシート材料を切断して粒子にすることができ、溶媒に関連する環境への影響および人的な保護の必要がなくなる。これらは普通なら、ファブリ・ペロ被覆剥離型ポリエステル被膜から薄片を収集する従来方式に付随するものである。ここでは、単に、被覆チャンバからロールを取り出し、周知のコンフェティ(confetti)型切断機械を使用して膜を光沢粒子に切り出す。正方形、長方形、三角形、および六角形を含めて、様々な形状に切断することができる。
【0034】
このような光学的変化光沢材の応用例には、船舶、スキー、スノー・ボード、個人用船舶などでこのような光沢効果が望まれる塗料が含まれる。このような光沢粒子は、櫛、玩具、および家庭用器具などのプラスチックでも使用し得る。
【0035】
次に図2に移ると、透明または不透明とし得る中央有機支持層20のそれぞれの側に2つの2重周期ファブリ・ペロ構造21を備えた光沢粒子が示されている。各ファブリ・ペロ構造は、反射体22、誘電体スペーサ24aおよび24b、ならびに2つの吸収体層26aおよび26bからなる。図2と図1は、複式キャビティにより、単一キャビティでは不可能な色が形成される点で全く異なるものである。複式キャビティのスペクトルではピークが抑圧され、そのため、図1に示すものよりも図2に示す構造では、彩度をより高くすることができる。
【0036】
図3に示す代替実施形態に、透明有機支持層30の一方の側で同じ反射体を共有する2つの単一ファブリ・ペロ構造33を備えた光沢粒子を示す。吸収体層32が基板上に被着され、誘電体スペーサ層34、反射体層36、誘電体スペーサ層38、および吸収体39が、層32の上に互いに重なって被着される。この非対称光沢粒子は、透明支持層のいずれの側から見ても光学的に変化するが、支持層が不透明な場合には、明るさが減少した状態で光学的変化効果が見えることになる。後者の場合、一部の粒子は、不透明な側が観察者に向き、他の粒子は、光学的変化被覆が観察者に向くことになる。
【0037】
図3bを参照すると、有機支持層30bが、底面の反射体被覆37cと、吸収体層39b、誘電体層38b、および反射体層36bを備えた上面のファブリ・ペロ構造とを有する光沢粒子が示されている。
【0038】
図3cを参照すると、透明有機支持層の回折側に2つの単一ファブリ・ペロ構造を備えた光沢粒子が示されている。これら2つのファブリ・ペロ構造は、共通の反射体層を共有する。この透明有機基板の中には回折格子が型押しされ、その上に被着された後続の無機薄膜層は、回折効果だけでなく、吸収体層、誘電体層、および反射体層による色変化薄膜効果も有する構造が得られる格子の形態を取る。中央反射体層の周りに被着された薄膜層の対称性により、有機基板が透明な場合には、両側から見ると、弱い光学的変化効果が得られる。吸収体層、誘電体層、および反射体層の支持としての有機層を厚い安定なものにすることによって、切断時にこのような大径の回折薄片がカールまたは破断する傾向がかなり低減する。これら2つの単一ファブリ・ペロ構造を支持層の非回折側に配置すると、光沢粒子は、格子側から見ると回折と薄膜干渉の組合せを示し、平坦な側から見ると薄膜干渉のみを示すことになる。この変形光沢材を被覆した製品は、これらの効果の組合せを示すことになる。というのは、静的には、光沢粒子は、50%は平坦な側で落ち、50%は回折側で落ちることになるからである。
【0039】
図4は、透明有機支持層40上に配設された2つの2重ファブリ・ペロ・フィルタ44を有する実施形態である。2重ファブリ・ペロ構造44はそれぞれ、2つの吸収体層43、2つの誘電体スペーサ45を有し、これら2重ファブリ・ペロ構造44間の中央に配設された反射体層47を共有する。図2に示す実施形態に比べて、この実施形態の利点は、一方の側だけを被覆すればよいのでより製造しやすいことである。図2では、従来型の被覆機械を使用して、他方の側を被覆するために真空被覆チャンバからロールを取り外さなければならない。明らかに、一方の側だけを被覆するほうがより経済的である。
【0040】
上記で説明した図1〜図4に示す実施形態と異なる本発明の代替実施形態を示す。図5に示す光沢粒子は、支持層の一方の側に色が変化するインクまたは塗料52を有する有機支持層50からなる。透明層50を設けることによって、色が変化するインクまたは塗料を両側から見ることができる。この実施形態は、観察角の変化、または光源の方向の変化により色が変化するが、光沢粒子としては、上記で説明した均一な平坦反射層を有する実施形態よりも反射性が低い。
【0041】
図6に、有機支持層60が、前の実施形態で説明した被覆62の1つを支持する本発明の実施形態の図を示す。有機支持層60の他方の側には、反射性被覆64が被覆される。この粒子は、反射性被覆64を有する側から見ると極めて反射性が高く、被覆62を有する他方の側から見ると光学的に変化する特性を有する。
【0042】
図7に、透明有機支持層70の一方の側で同じ反射体層を共有する2つの単一周期ファブリ・ペロ構造79を備えた本発明の光沢粒子を示す。この2重構造は、吸収体層72a、誘電体スペーサ層74a、反射体層75、誘電体スペーサ層74b、および外部吸収体層72aを支持する透明有機支持層を含む。誘電体層74aと誘電体層74bの厚さは異なることに留意されたい。誘電体の厚さを適切に組み合わせることによって、この光沢粒子は、1つの角度で同じ色を示し、異なる角度にずれたときに2種類の異なる色を示すことができる(薄膜干渉による条件等色)。光沢粒子のサイズのために、これら2種類の色は、個々の色点として輝く光沢粒子間で容易に識別される。この非対称性の考え方は、図1〜図4に対応する構成に適用し得る。
【0043】
好ましい実施形態では、図8に示すロール・ツー・ロール型複式被着システムを使用する。巻出しリール81aは、有機シート材料80を送り出し、シート材料80は、テンション・リール85を介してドラム83aおよび83bの下を通り、巻取りリール81bに至る。そこで吸収体層、誘電体層、および反射体層の同時被着を実現することができる。例として、供給源1は、2つ以上の材料を保持するマルチ・ポケット型蒸発るつぼとすることができ、供給源1および供給源2での蒸発のタイプは、抵抗、電子ビーム、または直流マグネトロン式のスパッタのいずれかとし得る。
【0044】
図1〜図7に示す実施形態のいずれかのシートを形成することによって、溶媒によりはがすことを必要とせずに、このシート材料を切断して光沢粒子にすることができ、溶媒に関連する環境への影響および人的な保護の必要がなくなる。これらは普通なら、ファブリ・ペロ被覆剥離型ポリエステル被膜から粒子を収集する従来方式に付随するものである。ここでは、単に、被覆チャンバからロールを取り出し、周知のコンフェティ型切断機械を使用して膜を光沢粒子に切り出す。正方形、長方形、三角形、および六角形を含めて、様々な規則的または不規則な形状に切断することができる。
【0045】
このような光学的変化光沢材の応用例には、船舶、スキー、スノー・ボード、個人用船舶などでこのような光沢効果が望まれる塗料が含まれる。このような光沢粒子は、櫛、玩具、および家庭用器具などのプラスチックでも使用し得る。
【0046】
このように、本発明は、色変化粒子としての優れた性能を有するだけでなく、同時に、極めて反射性の高い光沢材として機能する極めて反射性の高い光学的変化光沢材を提供する。
【0047】
実施例1
光学的変化薄片と色変化光沢粒子の比較研究
【0048】
以下のとおり、ドロー・ダウンにより塗布してサンプルを準備した。
【0049】
光学的変化薄片および光学的変化光沢材として、金から銀(GO−SL)、青から赤(BL−RD)、および赤から金(RD−GO)の光学的変化薄膜被覆を準備した。これらの設計は、Cr/MgF/Al/MgF/Cr構造を有するファブリ・ペロ型のものである。スペーサ層の厚さは、上記特許における既知の構造のとおり、正しい色変化が得られるように調節した。
【0050】
図9a、図9b、および図9cに示す顕微鏡写真の各光沢材サンプルでは、厚さ1ミルのポリエステル箔が無機多層光学スタックに付着している。先行技術では、光学的変化薄片にはこの有機ポリエステル被膜が存在しない。これらの光学的変化薄片サンプルは、20ミクロンではD50(50%の粒子が20ミクロンよりも大きく、50%がそれよりも小さい)であり、4ミクロンではD0.01(99.9%の粒子が4ミクロンよりも大きい)、80ミクロンではD99.99(80ミクロンよりも小さい粒子は0.01%)である。そのため、横と厚さの比は、4〜80のアスペクト比に対応する。これに対して、光沢材サンプルは、0.006インチ(150ミクロン)の六角形形状に切断され、これは、98%よりも多い光沢粒子に対して、約6のアスペクト比に対応する。
【0051】
塗料組成
ポリエステル密度を約1.4gm/cc、AlおよびMgFについては平均3gm/ccとして、光学的変化薄片および光学的変化光沢材について塗料を準備した。この塗料は、厚さが補償され、かつ、インクを通して基板が見えない類似の「隠し効果」が得られるように、光学的変化薄片については、重量で結合材に対して3粒子(ptb)で、光沢粒子については25ptbで準備した。
【0052】
いずれの粒子タイプに対しても、9回の連続工程で互いに90度の向きで、透明カードの上に塗料を塗布した。光沢材または光学的変化薄片を伴う塗布の後で、被覆の半分に、垂直および異なる角度の入射および観察で光学特性を測定し得るように黒塗料を上に被覆した。図10に、GO−SLの光学的変化薄片および光沢材サンプルを異なる角度で示す。図からわかるように、これら2つの製品は、視覚的に極めて異なる光学効果を示す。
【0053】
光学的な特徴づけの結果
方法1:拡散照明:積分反射
拡散照明下でDataColor SF600+分光光度計を使用して、色の性能を特徴づけた。この機器では、積分球を使用して、正反射を含む拡散/8度照明/観察幾何配置が得られる。図11の表に、1976 CIELab色空間のデータを示す。この表には、黒塗料を上に被覆していない側に対して測定したサンプルの吸光度(optical density)も示す。この表は、3ptbおよび25ptbの塗料組成では、類似の吹付け条件に対して、類似の吸光度が得られることを示している。したがって、光学的変化薄片および光沢粒子に関して、粒子密度はいずれのサンプルでもほぼ同じである。図12、図13、および図14に、各色変化設計を比較するための、反射率と波長スペクトルの関係を示す。
【0054】
SF600の結果に基づくと、光沢粒子を含む塗料および光学的変化薄片サンプルを含む塗料は、概ね類似の光学特性を示す。これらの特性が本質的に同じなので、金から銀の比較結果は特に注目に値する。これは、目には異なる光に見えても、各サンプル表面からの反射光の総量は同じであるという考えを支持するものである。
【0055】
方法2:非光沢測定
観察角を正反射角から10度とし、非光沢測定によって、金から銀への色変化について光学的変化薄片および光沢粒子を特徴づける。
【0056】
ある幾何配置を用いて、入射角および観察角を大きくして正反射に近い粒子の色変化特性を特徴づけた。図15に示すこの幾何配置では、透明被覆サンプルに関連する強い光沢成分を避けるために、照明角および観察角を正反射から10度離す。これらのサンプルを、(15°/5°)から(65°/55°)まで5°おきに11種類の照明角/観察角を用いて特徴づけた。
【0057】
図16に、GO−SL設計の場合に、この幾何配置を用いて得られた結果を示す。これらのサンプルの外観(図10参照)にも関わらず、色曲線は、同様の経路を辿っているように見え、ほぼ垂直(15°/5°)と大角度(65°/55°)での色相値が互いに類似していることが示されている。通常用いられる別の性能指数は、いわゆるDCA(動的色面積、Dynamic Color Area)である。この値は、座標(0,0)に関して、a、bの色変化曲線下の面積を表す。DCAは、(15°/5°)および(65°/55°)の値に対応する色相の線ならびにゼロ座標によって制限される。この場合も、DCA値は、光学的変化薄片を含む塗料および光学的変化光沢粒子を含む塗料について、それぞれ3496および4097と互いに類似している。この幾何配置では、色の移行とDCAの値は本質的に同じであることもわかる。
【0058】
方法3:ゼロ度での照明および他のすべての角度での反射
図18に、図17と異なる幾何配置を用いたときに得られた結果を示す。この特徴づけ方法は、「金属」的な見かけと、「きらめく、または輝く」外観との差を示す。この幾何配置では、垂直入射でこれらのサンプルを照明し、観察者は、垂直入射照明のそれぞれの側で、−80度から−12度および12°から80°に角度を2通りで大きくしながら廻った。光学的変化薄片を含む金から銀への塗料は、観察角が垂直に近いときに高彩度を示し、垂直から離れて観察するときには次第に色が褪せる。−80°/80°、−70°/70°などから、垂直入射に近い−12°/12°まで、垂直のそれぞれの側に対応するポイントは基本的に同じであることに留意されたい。これは、金属的な見かけの特徴である。垂直のそれぞれの側でのすべてのポイント(12°から80°と−80°から−12°)についての色の変化は小さいが、それぞれの側での強度は、観察角が正反射から離れて大きくなるにつれ減少する。垂直のそれぞれの側のポイントは、a、bのグラフで平行な曲線を辿り、薄片の良好にリーフィングし、かつ平坦に整列することが示されることにも留意されたい。金から銀への光沢粒子を含む塗料では、光学性能は全く異なる。垂直入射から離れた大きな角度で観察したときにサンプルの色が褪せる全体的な傾向はあるが、垂直のそれぞれの側での曲線の軌跡は対称ではない。光沢粒子は、光学的変化薄片ほど平坦に横にならず、1組の薄片が、サンプルの垂線に関して向きが変わるたびに、この組は、異なる向きに光を反射することになる。これは、機器の検出器によって、より大きな観察角度の垂直から離れたきらめきまたは輝きの効果が異なる色として検出されることである(例として、12°と−12°、および14°と24°に対応するポイントを参照されたい)。
【0059】
最後に、従来方式で薄片を得るためにはがす工程の直後に、約50ミクロンだけについてD50の粒子が得られることに留意することが重要である。これらの粒子は、塗料およびインクに関係する従来の応用例の大部分では、20ミクロンで約D50に研磨される。
【0060】
すなわち、無機材料の多層スタック(金属/誘電体/金属)を被着させ、その後、はがし、研磨し、分類して、ファブリ・ペロ干渉フィルタ型の完全に不透明な色変化薄片を得る真空法では、光沢材のように、有機/無機複合体で得られる粒子ほど大きな粒子サイズは生成されない。したがって、これは、非支持型の不透明なすべて無機による色変化粒子の限界の一部を示している。
【0061】
本発明は、不透明で均一な色変化粒子が安価に提供される方法および製品を提供する。
【0062】
当然のことながら、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の多くの実施形態を想定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】有機支持層の両側に非対称単一周期ファブリ・ペロ・フィルタを備えた本発明の光沢粒子を示す図である。
【図2】有機支持層の両側に非対称2重周期ファブリ・ペロ・フィルタを備えた本発明の光沢粒子を示す図である。
【図3】図3は、透明有機支持層の一方の側に2つの単一ファブリ・ペロ構造を備え、これら2つのファブリ・ペロ構造が共通の反射体層を共有する本発明の光沢粒子を示す図である。 図3bは、透明有機支持層の一方の側の非対称単一ファブリ・ペロ・フィルタと、この支持層の第2の側の反射体とを備えた本発明の光沢粒子を示す図である。 図3cは、透明有機支持層の回折側に2つの単一ファブリ・ペロ構造を備え、これら2つのファブリ・ペロ構造が共通の反射体層を共有する本発明の光沢粒子を示す図である。
【図4】透明有機支持層の一方の側に2つの2重周期ファブリ・ペロ構造を備え、これら2つの2重周期ファブリ・ペロ構造が共通の反射体を共有する本発明の光沢粒子を示す図である。
【図5】有機支持層の一方の側に色変化インクを備えた本発明の光沢粒子を示す図である。
【図6】支持層の一方の側には反射体があり、他方の側には、図1〜図5に示す干渉性被覆がある本発明の組合せ光沢粒子を示す図である。
【図7】透明有機支持層の一方の側で同じ反射体層を共有する2つの単一周期ファブリ・ペロ構造を備え、誘電体層の厚さがそれぞれ実質的に異なる本発明の光沢粒子を示す図である。
【図8】2ドラム式真空ロール・コータを示す概略図であり、各冷却ドラム下の被覆源を示す。
【図9】図9a、9b、9cは、それぞれ異なる色変化設計による、1ミルのPET箔基板上の六角形に切断された光沢粒子を示す3枚の光学顕微鏡写真である。
【図10】大きな角度に移動したときと、ほぼ垂直の角度での、左側に色変化「Chromaflair(商標)」、右側に色変化光沢材を示す写真である。
【図11】DataColor SF600+分光光度計で得られた様々な「Chromaflair(商標)」および色変化光沢材の色特性のデータの表である。
【図12】色変化光沢材および色変化薄片の様々な材料設計について、反射率と波長スペクトルの関係を示すグラフである。
【図13】色変化光沢材および色変化薄片の様々な材料設計について、反射率と波長スペクトルの関係を示すグラフである。
【図14】色変化光沢材および色変化薄片の様々な材料設計について、反射率と波長スペクトルの関係を示すグラフである。
【図15】入射角および観察角を大きくして正反射に近い粒子の色変化特性を特徴づけるのに用いる幾何配置を示す図であり、透明被覆サンプルに関連する強い光沢成分を避けるために、照明角および観察角を正反射から10度離し、(15°/5°)から(65°/55°)まで5°おきに11種類の照明角/観察角を用いてサンプルを特徴づけたものである。
【図16】図15に示す幾何配置を用いて、色変化光沢材および色変化薄片についてGO−SL設計を用いて得られた結果を示すグラフである。
【図17】「金属」的な見かけと、「きらめく、または輝く」外観との差を示すのに用いる別の幾何配置を示す図である。
【図18】図17に示す幾何配置を用いて、色変化光沢材および色変化薄片についてGO−SL設計を用いて得られた結果を示すグラフである。
【図19】図19a、19b、19cは、形状が六角形であり、粒子サイズがそれぞれ100、150、および400ミクロンのGO−SL設計による色変化光沢材の光学顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0064】
10a 単一周期ファブリ・ペロ構造
10b 単一周期ファブリ・ペロ構造
12 有機基板、支持基板
14 反射層
16 誘電体層
18 吸収体層
20 有機支持層
21 2重周期ファブリ・ペロ構造
22 反射体
24a 誘電体スペーサ
24b 誘電体スペーサ
26a 吸収体層
26b 吸収体層
30 透明有機支持層
30b 有機支持層
32 吸収体層
33 単一ファブリ・ペロ構造
34 誘電体スペーサ層
36 反射体層
36b 反射体層
37c 反射体被覆
38 誘電体スペーサ層
38b 誘電体層
39 吸収体
39b 吸収体層
40 透明有機支持層
43 吸収体層
44 2重ファブリ・ペロ・フィルタ
45 誘電体スペーサ
47 反射体層
50 有機支持層
52 色変化インク、色変化塗料
60 有機支持層
62 被覆
64 反射性被覆
70 透明有機支持層
72a 吸収体層
74a 誘電体スペーサ層
74b 誘電体スペーサ層
75 反射体層
79 単一周期ファブリ・ペロ構造
80 有機シート材料
81a 巻出しリール
81b 巻取りリール
83a ドラム
83b ドラム
85 テンション・リール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状およびサイズが実質的に均一になるように切断された粒子を含み、前記粒子はそれぞれ、観察角または入射光の角度の変化により、可視スペクトルにおいて知覚可能な色変化がもたらされる無機薄膜光学干渉構造を有する不透明な色変化光沢材であって、各粒子の前記無機薄膜干渉構造は、剛性をもたらし、かつ前記粒子がカールするのを防ぐ有機支持層によって支持される、前記光沢材。
【請求項2】
各粒子は、その表面の端から端までの長さが30ミクロン以上であり、前記粒子の厚さは、少なくとも6ミクロンである、請求項1に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項3】
前記薄膜干渉構造は、ファブリ・ペロ干渉構造である、請求項2に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項4】
前記薄膜干渉構造は、2つのファブリ・ペロ干渉構造を含む、請求項2に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項5】
前記2つのファブリ・ペロ構造は、共通の反射体層を共有する、請求項4に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項6】
前記2つのファブリ・ペロ構造は、前記有機支持層の同じ側にある、請求項4に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項7】
前記2つのファブリ・ペロ構造は、前記有機支持層の両側にある、請求項4に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項8】
前記有機支持層の両側にある前記2つのファブリ・ペロ構造はそれぞれ、複数のファブリ・ペロ構造を含む、請求項7に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項9】
前記有機支持層の前記ファブリ・ペロ構造とは反対側に反射層が配設される、請求項3に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項10】
前記各ファブリ・ペロ構造はそれぞれ吸収体層を有し、前記吸収体層の厚さがそれぞれ実質的に異なる、請求項4に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項11】
前記無機薄膜光学干渉構造は、光学的変化インクの層である、請求項1に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項12】
前記有機支持層の第1の側に無機薄膜光学干渉構造があり、前記有機支持層の反対側に反射層がある、請求項1に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項13】
前記各ファブリ・ペロ構造はそれぞれ誘電体層を有し、前記誘電体層の厚さがそれぞれ実質的に異なる、請求項4に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項14】
粒子を含む不透明な色変化光沢材であって、前記粒子は、有機支持層と、
a)前記有機支持層のそれぞれの側の単一周期または2重周期のファブリ・ペロ構造、または、
b)有機支持層の一方の側で同じ反射体層を共有する2つの単一周期または2重周期のファブリ・ペロ構造、または、
c)有機支持層の一方の側の光学的に変化する色変化インク、
とを有する、前記光沢材。
【請求項15】
前記粒子はそれぞれ、2つの対称な光学的変化構造(SOVS)を含み、各SOVSは、内部反射体層および外側に面した吸収体層ならびに前記内部反射体層と前記吸収体層の間に配設された誘電体層を含み、前記粒子はそれぞれ、少なくとも30ミクロンの直径「d」、および6ミクロンよりも厚い厚さ「t」(ただし、t<d/2)を有し、前記粒子がカールするのを防ぐために、かつ、前記粒子の小片化および破断を少なくするために、前記有機支持層が剛性をもたらすものとされる、請求項14に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項16】
前記2つの対称なOVSは、内部反射体層を共有する、請求項15に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項17】
前記有機支持層の中に、回折格子またはホログラフィ構造が形成される、請求項1に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項18】
前記回折格子または前記ホログラフィ構造は、前記有機支持層の表面上に形成され、前記回折格子または前記ホログラフィ構造は、前記有機支持層によって支持される前記無機薄膜光学干渉構造の少なくとも1つの層の中に形成される、請求項17に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項19】
前記回折格子または前記ホログラフィ構造は、前記有機支持層の第1面上に形成され、前記無機薄膜光学干渉構造は、前記有機支持層の反対の面上で支持される、請求項17に記載の不透明な色変化光沢材。
【請求項20】
前記有機支持層は光透過性であり、前記無機支持層は、粒子の両側から見ることができる色変化ファブリ・ペロ構造を含む、請求項18に記載の不透明な色変化光沢材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−293351(P2006−293351A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102566(P2006−102566)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(502151820)ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーション (90)
【氏名又は名称原語表記】JDS Uniphase Corporation
【住所又は居所原語表記】1768 Automation Parkway,San Jose,California,USA,95131
【Fターム(参考)】