説明

光学的特性が改良されたアミド単位とエーテル単位とを有するコポリマー

【課題】光学的特性が改良されたアミド単位とエーテル単位とを有するコポリマー。
【解決手段】アミド単位とエーテル単位とをベースにしたコポリマーであって、アミド単位が主成分として少なくとも一種のジアミンと少なくとも一種のジカルボン酸との等モル混合物から成り、一種または複数のジアミンの主成分は脂環式で、一種または複数のジカルボン酸の主成分は直鎖脂肪族で、アミド単位は必要に応じてさらにマイナー量の少なくとも一種の他のポリアミドコモノマーを含むことができ、エーテル単位およびアミド単位のモノマーの各比率は(1)厚さが2mmのシートを透過する560nmの光の透過率が75%以上である高い透明度を有し、(2)ISO DSC(デルタHm(2))の2回目の加熱中の融解エンタルピーが30J/g以下である結晶化度を有し、(3)コポリマーのガラス遷移温度が少なくとも75℃となる、ように選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミド単位とポリエーテル単位とをベースにした新規なコポリマーに関するものである。
本発明コポリマーは一般に透明で、アモルファス(すなわち結晶化度が「極めてわずかな半結晶性」から「中間結晶性」までの範囲)である。
【背景技術】
【0002】
本発明および本発明が解決する課題をより明確に特徴付けるために、既存のポリアミド材料の5つのカテゴリを挙げる。なお、「ポリアミド材料」とはポリアミド、コポリアミドおよびポリアミドアロイをベースにした組成物またはポリアミドをベースにした組成物を意味する。
(1)衝撃改質ポリアミド材料(耐衝撃性PA)
この材料はポリアミドと少量、一般に約20重量%のエラストマーとのアロイである。ポリアミドは一般に半結晶ポリアミドである。このアロイにはポリアミド単独の場合に比べてはるか(一般に3倍以上)の高い極めて優れた衝撃強度を有するという利点がある。このアロイはさらに良好な耐薬品性および十分な耐高温変形性(60℃)を有する。しかし、このアロイには不透明であるという欠点があり、この欠点は装飾部品で問題になるたとがある。よく知られている耐衝撃性ポリアミドはデュポン社の製品「Zytel ST801」である。
【0003】
(2)透明アモルファスポリアミド材料(TRamPA)
この材料は透明で、アモルファスである、すなわち、あまり半結晶性でなく(DSCの2回目の加熱中の融解エンタルピーが30J/g以下である)、剛性(曲げ弾性率ISO>1300MPa)で、ガラス遷移温度Tgが75℃以上であるので高温下(60℃)で歪まない。しかし、耐衝撃性がかなり低く、衝撃改質ポリアミドに比べてノッチ付きシャルピーISO衝撃がはるかに低い。耐薬品性も特にアモルファスの性質のために優れていない。さらに、透明な半結晶(またはマイクロ結晶性)ポリアミド、一般にDSCの2回目の加熱中の融解エンタルピーが2〜30J/gであるものが存在する(しかし、この材料は使用頻度が低い)。この材料はさらにかなり剛性で、曲げ弾性率ISO>1000MPaを有する。
【0004】
(3)ポリエーテル−ブロック−アミドおよびエーテル単位とアミド単位とを有するコポリマー(PEBA)
このコポリマーはエーテル単位とアミド単位とをベースにしたコポリアミド、ポリエーテルアミド、特にポリエーテル−ブロック−アミド(PEBA)である。このコポリマーは極めて可撓性のある耐衝撃性の高い材料であるが、エーテル単位を含まないポリアミド同族体のように透明度がかなり低い(厚さが2mm場合の560nmでの光透過率が45〜65%)。
【0005】
(4)半結晶ポリアミド(PA)
このポリアミドは一般に直鎖脂肪族ポリアミドである。このポリアミドの結晶化度は球晶の存在に反映される。球晶の寸法は十分に大きく、材料の透明度は高くない(光透過率は75%以下)。
(5)透明な半結晶ポリアミド(TRscPA)
このポリアミドは特に、球晶の寸法が透明性を維持するのに十分に小さいマイクロ結晶ポリアミドである(下記文献参照)(透明度>75%)。
【特許文献1】欧州特許第550,308号公報
【特許文献2】欧州特許第725,101号公報
【0006】
上述した5つのカテゴリのポリアミドの各特性を[表1A]にまとめてある。
【表1A】

【0007】
[表1A]の定義
(a)透明度:厚さが2mmの平滑シートを透過する560nmの光の透過率の測定で特徴付けられる。
(b)衝撃/破壊強度:急速耐折試験またはノッチ付きシャルピー衝撃ISO179で特徴付けられる。
(c)可撓性:曲げ弾性率ISO178で特徴付けられる。
(d)温度安定性:約60℃の高温雰囲気下、大きな荷重下で歪まないポリアミドの特性。
(e)耐薬品性:薬品(アルコールなど)と接触したとき、特に応力下に置かれた場合(すなわち「応力亀裂」)にポリアミドが損傷(艶消し(matification)、亀裂、裂け、破断)しない特性。
(f)弾性疲労:ポリアミドが破断せずに何度も折り曲げられる特性、弾性反発、例えば「Ross-Flex」試験。
(g)加工:射出成形法によって容易に加工できるポリアミドの特性(短いサイクル時間、金型からの容易な取り出し、歪みのない部品)
【0008】
本発明の目的は、耐衝撃性で、過度に剛性でなくかつ超可撓性以下で、高温度挙動が良く、耐高温変形性(60℃)で、および/または、耐薬品性が良い新規な透明な組成物を見出すことにある。耐交互曲げ(疲労)性および射出成形での易加工性も要求される品質である。換言すれば、本発明の目的は、上記の最初の3つのカテゴリ(耐衝撃性PA、TRamPA、PEBA)の利点の大部分または少なくともより多くの利点を併せ持つ組成物を見出すことにある。
【0009】
PEBAコポリマーは反応性カルボキシル末端基を有するポリアミドブロックと、ポリエーテルポリオール(ポリエーテルジオール)である反応性末端基を有するポリエーテルブロックとの共重縮合で得られるポリエーテルエステルアミドの特定の種類(ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとの結合がエステル結合である)またはポリエーテルアミドの種類(ポリエーテルブロックがアミン末端基を有するとき)に属する。
【0010】
種々の物理的特性、例えば可撓性、耐衝撃性または射出成形による易加工性を有するPEBAが知られている。
PEBAの透明度の改良は既に種々の調査研究の対象となっている。
下記文献には、ポリアミドブロックがポリエーテルブロックと非混和性であるマイクロ結晶コポリアミドであるPEBAの使用が開示されている。
【特許文献3】フランス国特許第2,846,332号公報
【0011】
特に、実施例1にはアジピン酸を用い、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)と結合した、6/11/12をベースにしたポリアミドが記載されている。しかし、このコポリマーのガラス遷移温度Tgは約70℃である。このため、このコポリマーは温度がTgに達すると(約60℃から)軟化して過度に歪む。この60℃という温度は製品の通常の使用条件下、例えば自動車のフロントガラスの下または直射日光の当たるコンテナ内でよく見られる。さらに、このコポリマーは脂環式単位を含んでいない。
一般に、エーテル単位とアミド単位とを有する周知のコポリマーは半結晶直鎖脂肪族ポリアミドシーケンスを有する(例えば、アルケマ社の製品「Pebax」またはデグッサ(Degussa)の製品「Vestamid E」)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者は、驚くべきことに、上記とは逆に、脂環式(従って非直鎖脂肪族)の特性を有するポリアミドモノマーを用い、それをポリエーテルと共重合することで、透明でアモルファスまたは極めてわずかな半結晶性のコポリマーが得られる、ということを見出した。このコポリマーから60℃での耐高温変形性が良く(ガラス遷移温度Tgが75℃以上)、極めて良好な衝撃強度と可撓性とを有する材料が得られる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の対象は、アミド単位とエーテル単位とをベースにしたコポリマーであって、アミド単位が主成分として少なくとも一種のジアミンと少なくとも一種のジカルボン酸との等モル混合物から成り、一種または複数のジアミンの主成分は脂環式であり、一種または複数のジカルボン酸の主成分は直鎖脂肪族であり、アミド単位は必要に応じてさらにマイナー量(少量)の少なくとも一種の他のポリアミドコモノマーを含むことができ、エーテル単位およびアミド単位のモノマーの各比率は下記のように選択されるコポリマーにある:
(1)上記コポリマーが厚さが2mmのシートを透過する560nmでの透過率が75%であるような高い透明度を有し、
(2)上記コポリマーがアモルファスになる、すなわち、ISO DSCの2回目の加熱中の融解エンタルピー(デルタHm(2))が30J/g以下である結晶化度を有し、重量は存在するアミド単位または存在するポリアミドの量に対するもので、この溶融はアミド単位の溶融に対応し、
(3)上記コポリマーのガラス遷移温度が少なくとも75℃である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
「主成分」とは「50重量%以上の比率(>50%)」を意味する。
「マイナー量」とは「50重量%以下の比率(<50%)」を意味する。
「デルタHm(2)」とはISO規格に従うDSCの2回目の加熱中の融解エンタルピーを意味し、DSCは示差走査熱分析である。
【0015】
本発明の一種または複数の脂環式ジアミンは、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM)、パラ−アミノジシクロヘキシルメタン(PACM)、イソホロンジアミン(IPD)、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン(BACM)、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン(BMACP)または2,6−ビス(アミノメチル)ノルボルナン(BAMN)の中から選択されるのが有利である。
【0016】
アミド単位を製造するためにジアミンとして一種のみの脂環式ジアミン、特にビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンを用いるのが有利である。
少なくとも一種の非脂環式ジアミンは、アミド単位のモノマーの組成物中に、この組成物のジアミンに対して30モル%以下の比率で含むことができる。直鎖脂肪族ジアミンの非脂環式ジアミンの例としては1,4−テトラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミンが挙げられる。
【0017】
一種または複数の脂肪族ジカルボン酸は、6〜36、好ましくは9〜18の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、特に1,10−デカンジカルボン酸(セバシン酸)、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸および1,18−オクタデカンジカルボン酸の中から選択することができる。
【0018】
少なくとも一種の非脂肪族ジカルボン酸は、アミド単位のモノマーの組成物中に、この組成物のジカルボン酸に対して15モル%以下の比率で含むことができる。非脂肪族ジカルボン酸は芳香族二酸、特にイソフタル酸(I)、テレフタル酸(T)およびこれらの混合物の中から選択されるのが好ましい。
ラクタムは例えばカプロラクタム、エナントラクタムおよびラウリルラクタムの中から選択される。
α,ω−アミノカルボン酸は、例えば、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸または12−アミノドデカン酸の中から選択される。
PAブロックは上記コポリマーの50〜95重量%であるのが有利である。
【0019】
PAブロックは例えばBMACM.9、BMACM.10、BMACM.12、BMACM.14、BMACM.18およびこれらの混合物の中から選択される。
PAブロックの数平均分子量は500〜12,000、好ましくは2000〜6000g/molであるのが有利である。
PE(ポリエーテル)ブロックは例えば少なくとも一種のポリアルキレンエーテルポリオール、特にポリアルキレンエーテルジオール、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリトリメチレングリコール(PO3G)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)およびこれらのブレンドまたはコポリマーの中から選択されるポリアルキレンエーテルジオールから得られる。
【0020】
PEブロックはNH2鎖末端を有するポリオキシアルキレンシーケンスを有することができ、このシーケンスはポリエーテルジオールとよばれる脂肪族ジヒドロキシル化したα,ω-ポリオキシアルキレンブロック、例えばハンツマン(Huntsmann社)の製品であるジェファミン(登録商標)D400、D2000、ED2003およびXTJ542をシアノアセチル化して得ることができる(下記文献参照)。
【特許文献4】日本国特許第2004346274号公報
【特許文献5】日本国特許第2004352794号公報
【特許文献6】欧州特許第1,482,011号公報
【0021】
PEブロックの数平均分子量は200〜4000、好ましくは300〜1100g/molであるのが有利である。
本発明のコポリマーはアモルファスにすることができる、すなわち、上記コポリマーのデルタHm(2)が10J/g以下であるような結晶化度を有することができる。
【0022】
本発明のコポリマーはさらに、上記コポリマーのデルタHm(2)が10〜30J/g、好ましくは10〜25J/gであるような中間結晶化度を有することができる。重量は存在するアミド単位または存在するポリアミドの量に対するもので、この溶融はアミド単位の溶融に対応する。この材料はアモルファスまたは主としてアモルファスなポリマー、すなわち2回目の加熱の融解エンタルピーが0〜10J/gである挙動を有する材料であり、Tg以上で固体状態ではなくなり、真の半結晶性ポリマー(固体状態を維持し、従ってTg以上でその形状を維持するポリマー)ではなくなる。従って、中間挙動を有するこの材料はほぼ固体状態であるが、Tg以上で容易に変形することができる。この材料はTgが高いので、このTg以上で使用しない限り、耐薬品性がアモルファス材料よりも良い分、一層有利である。本発明の実施例32は中間挙動を有するこの材料を示している。
【0023】
本発明のコポリマーは厚さが2mmのシートを透過する550nmでの透過率が75%以上である透明度を有することができるのが有利である。
本発明のコポリマーは熱安定剤または紫外線安定剤、顔料、核剤、可塑剤または衝撃強度改良剤の中から選択される少なくとも一種の添加剤をさらに含むことができ、この一種または複数の添加剤は上記コポリマーの屈折率と同様の屈折率を有するのが好ましい。
【0024】
本発明の特定の実施例は可撓性エーテル単位が、親水性の高い種類、好ましくはPEG、PPGまたはPO3Gタイプの種類のポリエーテルブロックの中から選択され、これらは帯電防止特性および通気−防水(すなわち液体の水は通さないが、蒸気状態の水は通す)特性を組成物に与えることを特徴とするコポリマーを選択することにある。さらに、この組成物に第三の帯電防止添加剤を添加して、帯電防止効果全体を強化することができ、その他のポリマーとの混合適合性を高めることができる添加剤も添加することができる。コポリマーは単独でまたは添加剤と一緒に、続いてその他のポリマーまたは材料の添加剤として用いることができ、帯電防止特性または通気−防水特性をコポリマーに与える。
【0025】
本発明の他の対象は下記を特徴とする上記のコポリマーの製造方法にある:
第一段階で、ポリアミドPAブロックを、一種または複数のジアミンと、一種または複数のジカルボン酸と、場合によって用いるラクタムおよびα,ω−アミノカルボン酸の中から選択される一種または複数のコモノマーとを、ジカルボン酸の中から選択される連鎖制限剤の存在下で、重縮合して調製し、
第二段階で、得られたポリアミドPAブロックをポリエーテルPEブロックと触媒の存在下で反応させる。
【0026】
本発明のコポリマーを2段階で調製する一般的な方法は周知であり、例えば特許文献3(フランス国特許第2,846,332号公報)および特許文献6(欧州特許第1,482,011号公報)に記載されている。
PAブロックの生成反応は通常、180〜300℃、好ましくは200〜290℃の温度で行い、反応器内の圧力は5〜30barに設定し、この圧力を約2〜3時間維持する。反応器を大気圧に戻すことによって、圧力をゆっくりと下げ、過剰な水は例えば1,2時間の蒸留で除去する。
【0027】
カルボン酸末端を有するポリアミドを作った後に、ポリエーテルと触媒とを添加する。ポリエーテルは1回または複数回で添加でき、触媒も同様である。有利な実施例では、ポリエーテルを初めに添加する。ポリエーテルのOH末端基とポリアミドのCOOH末端基との反応と、エステル結合の形成および水の除去が一緒に始まる。反応媒体から蒸留によって水をできるだけ除去した後、触媒を導入してポリアミドブロックのポリエーテルブロックへの結合を完成させる。この第2段階は好ましくは少なくとも15mmHg(2000Pa)の減圧下で反応物および得られたコポリマーが溶融状態にあるような温度で攪拌しながら実施する。この温度は例えば100〜400℃、一般に200〜300℃でよい。溶融ポリマーから攪拌器に加わるトルクを測定するか、攪拌器の消費電力を測定することによって反応をモニターし、このトルクまたは消費電力値によって反応の終点を決定する。
【0028】
酸化防止剤として用いる一種または複数の分子、例えばイルガノックス(Irganox、登録商標)1010または245を合成中の最も適切であると判断される時に添加することができる。
【0029】
本発明の他の対象は上記のコポリマーの製造方法において、下記の全てのモノマーを開始時に、すなわち一段階で添加して重縮合を行うことを特徴とする製造方法にある:
一種または複数のジアミンと、
一種または複数のジカルボン酸と、
必要に応じてさらに、一種または複数のその他のポリアミドコモノマーとを、
ジカルボン酸の中から選択される連鎖制限剤の存在下、
PE(ポリエーテル)ブロックの存在下、
PEブロックとPAブロックとの反応用の触媒の存在下で添加。
【0030】
ジカルボン酸を化学量論の一種または複数のジアミンに対して過剰に導入して連鎖制限剤として用いるのが有利である。
チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから成る群の中から選択される金属の誘導体または強酸、例えば燐酸、次亜燐酸または硼酸を触媒として用いるのが有利である。
重縮合は240〜280℃の温度で行うことができる。
本発明の他の対象は上記のコポリマーまたは上記の方法で製造されるコポリマーを含む成形品、特に繊維、織布、フィルム、シート、ロッド、パイプまたは射出成形部品にある。
【0031】
本発明のコポリマーは特に良好な透明度、良好な衝撃強度および機械的攻撃および薬品、紫外線および熱による攻撃に対する良好な耐久性とを同時に有する成形品、特にスポーツ用品またはスポーツ用品の部品の容易な製造で有利である。このスポーツ用品の中では運動靴の部品、スポーツ用具、例えばスケート靴またはその他のウインタースポーツ用品または登山用品、スキーのビンディング、ラケット、スポーツ用バット、ボード、馬蹄、フィン、ゴルフボールまたはRV車、特に寒冷地でのアクティビティ用のものが挙げられる。
【0032】
さらに、一般に、レジャー用品、日曜大工用品、道路用具および風雨の攻撃および機械的攻撃を受ける設備や保護具、例えばヘルメットまたは帽子用のひさし、眼鏡のガラスおよびフレームが挙げられる。さらに、機械的攻撃および薬品による攻撃を受ける車両部品、例えばヘッドライト保護装置、バックミラー、オフロードカー、タンクの小部品、特にモペット、モーターバイクまたはスクーター用、機械的攻撃および薬品による攻撃を受ける化粧品、口紅のケース、圧力計または目の保護部品、例えばガス容器が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ネジとボルトの分野ではPMMAはネジ止めするには弱すぎる。軟い材料の透明なネジにすることでネジ止めしたときにPMMAが破損しないようにすることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0033】
以下の実施例において特に記載のない限り%は重量%である。
略語は下記を意味する:
BMACM
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、
PACM
4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、異性体の比率は様々であり、トランス−トランス異性体を多く含むエアープロダクツ(Air Products)社の製品「PACM20」(PACM)と、45%以上のトランス−トランス異性体を含むバスフ(BASF)社の製品Dicyan(「PACM45」とよぶ)とを区別することができる。
TA
テレフタル酸、
IA
イソフタル酸、
C14
テトラデカンジオン酸、
C12
ドデカンジオン酸、
C10
セバシン酸、
C6
アジピン酸、
PTMG
ポリエーテル、すなわちポリテトラメチレングリコール、
PEG
ポリエチレングリコール、
PE
ポリエーテル、
二酸混合物の場合は、各比率をモルで表す([表2]参照)。
コポリマーは下記の手順に従って調製した。
【0034】
比較例1〜3:透明なポリアミド([表2]参照)
一般的手順
脂環式ジアミンをベースにしたPAを下記の手順に従って一段階で調製した。
80リットル容のオートクレーブ中に各モノマーを3%の水を添加して導入した。反応器を閉じ、窒素でパージし、加圧下に40回転/分で攪拌しながら270℃に加熱した。この条件を3時間維持した後、圧力を2時間かけて大気圧に戻し、280℃(または300℃)で窒素下に重縮合を約2時間続けて所望粘度を得た。生成物をペレット化した。得られたポリマー25kgを90℃で減圧乾燥した。
【0035】
比較例4
この比較例は特許文献3(フランス国特許第2,846,332号公報)の実施例1であり、PA6/11/12ブロックとPTMGブロックとを有する。
【0036】
本発明実施例6〜10([表1B]および[表2]参照)
一般的手順
脂環式ジアミンをベースにしたPAブロックから下記の手順に従って二段階でPEBAを調製した。
80リットル容のオートクレーブ中に脂環式ジアミンと二酸とを導入した。反応器を閉じ、窒素でパージし、加圧下で40回転/分で攪拌しながら260℃に加熱した。1時間維持した後、圧力を大気圧に戻し、ポリエーテルと触媒とを添加した。反応器を減圧下に30分間置いて5kPa(50mbar)(必要に応じて2kPa(20mbar))にした。トルクの上昇は約2時間続いた。粘度を達成したら、反応器を大気圧に戻し、生成物をペレット化して75℃で減圧乾燥した。
【0037】
【表1B】

【0038】
残りの実施例は[表3]に示すように手順を一段階または二段階にして同様にして行う。PEのパーセンテージは重量で表し、PAおよびPE単位のMn重量を示してある(「Mn PE」および「Mn PA」欄)。PAの組成物はモルで表す(「ジアミン」、「二酸」欄、モル表記)。
【0039】
実施例11〜32([表3]参照)
一般的手順
PEBAを下記の手順に従って調製した。油浴に浸漬し、攪拌器を備えたガラス反応器中に全てのモノマーを導入した。得られた約60gの脂環式ジアミンと二酸とポリエーテルとの混合物を不活性雰囲気下に置き、温度が260℃に達するまで加熱した。窒素下で約1時間重縮合した後、触媒Zr(OBu)4を添加し、反応器を減圧(1kPa〜5kPa(10〜50mbar))下に置いて260℃で重合を終わらせる。粘度を達成したら、反応器を再び窒素下に置き、冷却した。
【0040】
実施例11
27.1gのBMACMと、13.5gのC10二酸と、13.1gのC12二酸と、6.4gのPTMG650とを一段階で導入した。触媒Zr(OBu)4の添加量は0.4mlである。連鎖制限剤はC10二酸である。C10/C12モル比は50/50である。
実施例1〜10のコポリマーではコポリマーを270℃で射出成形し、10℃で冷却して100×100×2mmのシートに成形した。
実施例11〜32のコポリマーは270℃でプレス圧縮してペレットを調製した([表2]および[表3]参照)。
【0041】
[表2]および[表3]の定義
(h)粘度上昇:
共重合した結果、十分な重量を有し、従って、十分な粘度を有するポリマーを製造することができる特性を表す。この特性はトルクまたは重合器の攪拌モータの電力の上昇に反映される。この粘度上昇は窒素下または減圧下で生じる。この粘度上昇には可能(表中では「あり」として記載)または不可能(表中では「なし」として記載)がある。
(i)Tg:
DSC(示差走査熱分析ISO 11357)による2回目のパスでの変曲点(「中間点」)、
(j)透明度:
560nmでの光透過率を厚さが2mmのシートで測定する。「VG」は透過率が>85%であることを意味し、「G」は透過率が>80%であることを意味し、「FG」は透過率が>75%であることを意味する。
(k)不透明度−透明度:
厚さが2mmのシートを透過する560nmの波長の透過光または反射光のコントラスト比およびパーセンテージに対応する。
(l)MFI(メルトフローインデックス)、275℃、2.16kg:
MFIが高ければ高いほど、コポリマーの合成は容易である。
【0042】
(m)剛性(可撓性):
ISO 178規格に従って80×10×4mmの試験片の曲げ弾性率の測定によって特徴付けられる。さらに、DMA(示差機械的分析ISO 6721)試験中に得られるE’弾性率の測定によっても特徴付けられる。
(n)弾性および疲労:
応答分析(時間の関数としての振幅)中に係数α(アルファ)をグラフで求める。値が高ければ高いほど、材料の応答性および弾性が高い。疲労挙動は交互に90°に曲げた穴のあいていない試験片に対する−10℃でのRoss Flex試験ASTM1052によって特徴付けられる。破損せずに耐えたサイクル数を測定する。
【0043】
(o)破断伸び率(%):
ISOR527規格に従ってダンベル型の試験片の張力を測定する。
(p)粘度:
メタクレゾール中に25℃で溶かした0.5gの化合物の固有粘度(dl/g)を測定する。
(q)黄変:
黄変指数はペレット([表2])の黄変指数を測定するか、または、質的に推定する([表3]):「0」は黄変なし、「+」はわずかに黄変、「++」は著しく黄変に対応する。
(r)半結晶:
半結晶ポリマー、特にポリアミドは融解エンタルピー(デルタHm(2)として記載)が10J/g以上、好ましくは25J/g以上(2回目の加熱中にISO DSC中で測定)と著しい融点を有するポリマーである。これはポリマーがそのガラス遷移温度(Tg)以上でほぼ固体状態を維持することを意味する。
(s)アモルファス:
アモルファスポリマー、特にポリアミドは融点を持たない、または、余り明確な融点を持たない、すなわち、融解エンタルピー(2回目の加熱中にISO DSC中で測定)が10J/g以下のポリマーである。従って、このポリマーはそのガラス遷移温度(Tg)以上では固体状態ではなくなる。
【0044】
(t)帯電防止効果:
帯電防止効果は100Vの連続電圧下、相対湿度65%、20℃でASTM D257によって表面抵抗率(オーム)を測定することによって特徴付けられる。
(u)通気−防水特性または蒸気透過性:
厚さが25μmのフィルムに対して38℃、相対湿度50%で、ASTM96E BW規格によって推定する。
(v)衝撃強度/曲げ試験:
試験は下記のように行う。80×10×4mmの試験片をISO金型内で射出成形する。この試験片を試験片とクラスターとの間の厚さが約1mmに減る射出ゲートの所で180°に速く曲げる。20個の試験片群に対して破損数を測定し、破損率として表す。
【0045】
耐薬品性も試験し、実施例7のコポリマーではエタノールとアセトン中で100%の耐性を示した。
これらの試験から、本発明のコポリマーは従来技術のポリアミドよりも高い可撓性を有し、しかも、それと同等の透明度を有することができることがわかる。
【0046】
実施例32は特定の有利な場合である。この実施例の特徴は、可撓性エーテル単位が親水性の高い種類になるように選択され、これらは帯電防止特性および通気−防水(すなわち液体の水は通さないが、蒸気状態の水は通す)性の組成物に与える。さらに、この組成物に第三の帯電防止添加剤を添加して、帯電防止効果全体を強化し、他のポリマーとの混合適合性を高めることができる。コポリマーはそれ単独でまたは添加剤と一緒にして、他のポリマーまたは材料の添加剤として用いることができ、それによって帯電防止特性または通気−防水特性をそのコポリマーに与えることができる。添加ポリマーが透明な場合、本発明のコポリマー(必要に応じて添加剤を含む)の屈折率が添加ポリマーの屈折率に極めて近くなるようにPAモノマー(およびその他の添加剤)を選択するのが有利である。
【0047】
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
【表4】

【0050】
応用:メガネフレーム
上記で製造したコポリマーを用いてメガネのフレーム(フレーム1およびフレーム2)を成形した。得られた製品の特性は[表5]に示してある。
【表5】

【0051】
本発明のコポリマーの衝撃強度を評価する試験も行った。[表1]の材料から射出成形によって80×10×4mmの試験片を成形した。16個の試験片群をクラスターで曲げて破損した試験片の数を測定する。上で製造したコポリマーのいくつかを用いて製造した80×10×4mmの試験片から試験を開発した。すなわち、試験片を射出点(凹みの形で厚さが減る点)で180°に曲げ、破損率を記録する。結果は[表6]に示してある(%表記)。
【表6】

【0052】
これらの結果から、本発明のコポリマーは合成制御性が良く、良好な成形条件(低温の金型、バブルなし、良好な粘度など)と、良好な光学的特性(透明度)および良好な機械的特性(極めて良い可撓性および極めて良い衝撃強度)とを同時に有することができる、ということがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミド単位とエーテル単位とをベースにしたコポリマーであって、アミド単位が主成分として少なくとも一種のジアミンと少なくとも一種のジカルボン酸との等モル混合物から成り、一種または複数のジアミンの主成分は脂環式であり、一種または複数のジカルボン酸の主成分は直鎖脂肪族であり、必要に応じてアミド単位はさらにマイナー量の少なくとも一種の他のポリアミドコモノマーを含むことができ、エーテル単位およびアミド単位のモノマーの各比率が下記(1)〜(3)のように選択されるコポリマー:
(1)上記コポリマーは厚さが2mmのシートを透過する560nmの光の透過率が75%以上きとなる高い透明度を有し、
(2)上記コポリマーがアモルファスであり、ISO DSC(デルタHm(2))の2回目の加熱中の融解エンタルピーが30J/g以下である結晶化度を有し、重量は存在するアミド単位または存在するポリアミドの量に対するもので、この溶融はアミド単位の溶融に対応し、
(3)上記コポリマーのガラス遷移温度は少なくとも75℃である。
【請求項2】
一種または複数の脂環式ジアミンがビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM)、パラ−アミノジシクロヘキシルメタン(PACM)、イソホロンジアミン(IPD)、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン(BACM)、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン(BMACP)または2,6−ビス(アミノメチル)ノルボルナン(BAMN)の中から選択される請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
アミド単位を製造するためにジアミンとして一種のみの脂環式ジアミン、特にビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンを用いた請求項1に記載のコポリマー。
【請求項4】
少なくとも一種の非脂環式ジアミンを、アミド単位のモノマーの組成物中に、この組成物のジアミンに対して30モル%以下の比率で含む請求項1または2に記載のコポリマー。
【請求項5】
一種または複数の脂肪族ジカルボン酸が6〜36、好ましくは9〜18の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、特に1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸および1,18−オクタデカンジカルボン酸の中から選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項6】
少なくとも一種の非脂肪族ジカルボン酸を、アミド単位のモノマーの組成物中に、この組成物のジカルボン酸に対して15モル%以下の比率で含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項7】
非脂肪族ジカルボン酸が芳香族二酸、特にイソフタル酸(I)、テレフタル酸(T)およびこれらの混合物の中から選択される請求項6に記載のコポリマー。
【請求項8】
アミド単位のモノマーの組成物にマイナー量で含まれる一種または複数の上記モノマーがラクタムおよびα,ω−アミノカルボン酸の中から選択される請求項1〜7のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項9】
一種または複数のラクタムが少なくとも6の炭素原子を有するラクタム、特にカプロラクタム、エナントラクタムおよびラウリルラクタムの中から選択される請求項8に記載のコポリマー。
【請求項10】
一種または複数のα,ω−アミノカルボン酸が、少なくとも6の炭素原子を有するもの、特にアミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸または12−アミノドデカン酸の中から選択される請求項8に記載のコポリマー。
【請求項11】
アミド単位が上記コポリマーの50〜95重量%である請求項1〜10のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項12】
アミド一つ当たりの炭素の平均数が少なくとも9である請求項1〜11のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項13】
ポリアミドPA−ポリエーテルPEブロックを有するコポリマーであって、PAブロックがBMACM.9、BMACM.10、BMACM.12、BMACM.14、BMACM.18およびこれらのブレンドまたはコポリマーの中から選択される請求項1〜12のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項14】
ポリアミドPA−ポリエーテルPEブロックを有するコポリマーであって、PAブロックの数平均分子量が500〜12,000、好ましくは2000〜6000g/molである請求項1〜13のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項15】
ポリアミドPA−ポリエーテルPEブロックを有するコポリマーであって、PEブロックが少なくとも一種のポリアルキレンエーテルポリオール、特にポリアルキレンエーテルジオールから得られる請求項1〜14のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項16】
ポリアルキレンエーテルジオールがポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリトリメチレングリコール(PO3G)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)およびこれらのブレンドまたはコポリマーの中から選択される請求項15に記載のコポリマー。
【請求項17】
ポリアミドPA−ポリエーテルPEブロックを有するコポリマーであって、ポリエーテルブロックがNH2鎖末端を有するポリオキシアルキレンシーケンスを有する請求項1〜16のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項18】
ポリアミドPA−ポリエーテルPEブロックを有するコポリマーであって、ポリエーテルブロックの数平均分子量が200〜4000、好ましくは300〜1100g/molである請求項1〜17のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項19】
上記ポリマーのガラス遷移温度が少なくとも90℃である請求項1〜18のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項20】
ISO DSCの2回目の加熱中の融解エンタルピー(デルタHm(2))が10J/g以下である結晶化度を有し、重量は存在するアミド単位または存在するポリアミドの量に対するものである請求項1〜19のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項21】
ISO DSCの2回目の加熱中の融解エンタルピー(デルタHm(2))が10〜30、好ましくは10〜25J/gである結晶化度を有し、重量は存在するアミド単位または存在するポリアミドの量に対するもので、この溶融はアミド単位の溶融に対応する請求項1〜19のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項22】
熱安定剤または紫外線安定剤、顔料、核剤、可塑剤または衝撃強度改良剤の中から選択される少なくとも一種の添加剤をさらに含み、これら一種または複数の添加剤は上記コポリマーの屈折率と同様の屈折率を有するのが好ましい請求項1〜21のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項23】
可撓性エーテル単位が、親水性の高いもの、好ましくはPEGのポリエーテルブロックまたはこのブロックとPPGまたはPO3Gタイプの種類とのコポリマーの中から選択され、これらは帯電防止特性および通気−防水(すなわち液体の水は通さないが、蒸気状態の水は通す)特性を組成物に与え、さらにこの組成物に第三の帯電防止添加剤を添加して、帯電防止効果全体を強化することができ、その他のポリマーとの混合適合性を高めることができる添加剤によって、コポリマーは単独でまたは添加剤と一緒になって、他のポリマーまたは材料の添加剤として特異的に用いて帯電防止特性または通気−防水特性をコポリマーに与えることができる請求項1〜22のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項24】
下記(1)と(2)とを特徴とする、上記ポリマーがポリアミドPA−ポリエーテルPEブロックの形をした請求項1〜23のいずれか一項に記載のコポリマーの製造方法:
(1)第一段階で一種または複数のジアミンと、一種または複数のジカルボン酸と、場合によってはさらに他の一種または複数のポリアミドコモノマーとをジカルボン酸の中から選択される連鎖制限剤の存在下で重縮合してポリアミドPAブロックを作り、
(2)第二段階で、得られたポリアミドPAブロックをポリエーテルPEブロックと触媒の存在下で反応させる。
【請求項25】
下記(1)〜(6):
(1)一種または複数のジアミンと、
(2)一種または複数のジカルボン酸と、
(3)必要に応じてさらに、一種または複数のその他のポリアミドコモノマーとを、
(4)ジカルボン酸の中から選択される連鎖制限剤の存在下、
(5)PEブロックの存在下、
(6)PE(ポリエーテル)ブロックとPAブロックとの反応触媒の存在下で、
を一段階で重縮合する、上記ポリマーがポリアミドPA−ポリエーテルPEブロックの形をした、請求項1〜23のいずれか一項に記載のコポリマーの製造方法。
【請求項26】
連鎖制限剤として用いるジカルボン酸を一種または複数のジアミンに対して化学量論の過剰量で導入する請求項24または25に記載の製造方法。
【請求項27】
触媒としてチタン、ジルコニウムおよびハフニウムから成る群の中から選択される金属の誘導体または強酸、例えば燐酸、次亜燐酸または硼酸を用いる請求項24〜26のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項28】
重縮合を240〜280℃の温度で行う請求項24〜27のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項29】
請求項1〜23のいずれか一項に記載のコポリマー、すなわち請求項24〜28のいずれか一項に記載の製造方法で得られるコポリマーを含む成形品、特に透明または半透明の成形品、例えば繊維、織布、フィルム、シート、ロッド、パイプまたは射出成形部品。
【請求項30】
運動靴の部品、スポーツ用具、スポーツ用品またはスポーツ用品の部品、例えばスケート靴、スキーのビンディング、ラケット、スポーツ用バット、ボード、馬蹄、フィンまたはゴルフボール、レジャー用品または日曜大工用品、道路用具または風雨による攻撃および機械的攻撃を受ける設備品、保護具、例えばヘルメットまたは帽子用ひさし、眼鏡のガラスまたはフレーム、車両部品、例えばヘッドライト保護装置、バックミラー、オフロードカー、タンクの小部品、特にスクーター、モーターバイクまたはモペット用の請求項29に記載の成形品。

【公表番号】特表2009−540086(P2009−540086A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514855(P2009−514855)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【国際出願番号】PCT/FR2007/051390
【国際公開番号】WO2008/006987
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(505005522)アルケマ フランス (335)
【Fターム(参考)】