説明

光学素子及びその加工方法

【課題】 金属基材の表面に非晶質金属材料を用いながら、型成形により曲面鏡として十分な形状精度と面粗度を確保し、加工コストの低い光学素子を得ること。
【解決手段】 超塑性流動能を有する非晶質金属薄材料が、該材料の流動温度域での変形抵抗以上の特性を有する金属基材の表面上に構成され、曲面に成形されている。不可避混入物質の最大長さが10μm以下に抑制し、表面粗度が、Ra≦10nm、且つ前記曲面全体の形状精度はPV≦2μmである。加工方法において、非晶質金属薄膜の超塑性流動温度域で、面粗度Ra≦6nm及び形状精度PV≦1μm以下の自由曲面型を用いて圧縮成形し、自由曲面型の表面粗度及び形状精度を付与させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲面鏡などに用いる光学素子及びその加工方法、特に巨視的にも微視的にも型転写性に優れ、成形後の成形体表面に加工中の不可避な異物に起因した欠陥が極端に少なく、且つ極めて平滑である安価な光学素子用複合金属曲面鏡、及び前記曲面鏡の安価な加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学素子用曲面鏡を用いた画像システムにはフライトシミュレータ、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクタ等が知られている。その中でも特に材料を主体とした光学素子用曲面鏡用材料もしくは光学素子用曲面鏡の提案として、Al圧延材表面にAl基金属を連続蒸着して反射面を形成した反射部品用材料(下記特許文献1参照)や、曲面鏡の製造法として鏡面に研磨した特にステンレスのような金属板材を用いてプレス成形やバルジ成形により製造する方法(下記特許文献2参照)や、Al、Al合金、又はステンレスをへら絞り成形又は液圧成形により曲面形状とし、その後各種研磨法により照明用反射鏡を製造する方法(下記特許文献3参照)があった。
【0003】
また、機械部品等の金属部品の被覆方法の提案として、予め成形した金属又は非金属基材の表面に非晶質合金被膜を形成する方法(下記特許文献4参照)や、非晶質合金を用いて構成した光学素子用曲面鏡の提案として、機械加工後電解研磨したインバー基材上に非晶質薄膜を成膜し機械研磨により鏡面を得る方法(下記特許文献5参照)や、反射鏡用非晶質合金ブロックの素材を所要の温度、圧縮応力で成形する方法(下記特許文献6参照)や、非晶質合金にガスを注入し加圧成形により中空凹・凸面鏡を製造する方法(下記特許文献7参照)があった。
【特許文献1】特開平7−243027号公報
【特許文献2】特開平8−36222号公報
【特許文献3】特開平9−120705号公報
【特許文献4】特開平9−241832号公報
【特許文献5】特開平8−68897号公報
【特許文献6】特開平11−100648号公報
【特許文献7】特開平11−323454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した該曲面鏡用材料(特許文献1)を機械研磨後、成形した場合、コストの上昇を招くと共に、反射面に異質物に起因した微視的な凹凸や亀裂が生じてしまい、これら欠陥の影響が大きく、高品質な光学素子用鏡としての要求を満足できなかった。次に、上記曲面鏡の製造法(特許文献2)では、金型表面に対する要求は無く金属表面を加圧時や離型時の傷から保護するために軟質合成樹脂シートや潤滑液を利用しているが、このような手段では到底要求形状精度及び面粗度を満足することはできず、また合金特有の微視的な不均質物に起因した面欠陥により、面粗度を要求品質内に収めることは困難であった。同様に上記照明用反射鏡の製造法(特許文献3)は基本的に成形後に化学研磨処理に供し照明用金属鏡を得る製造法であり、特にその使用工具の精度を規定しているものではなく、その様な工具を用いた成形工程直後に得られる製品は高品質光学素子用としての形状精度と面粗度を満足するものではなく、また後工程に鏡面に化学研磨処理する手段が必要となり、その研磨処理では低い面粗度が得られず、また工数が増えコストを押し上げた。
【0005】
また、上記非晶質合金被膜の形成法(特許文献4)では、成形後の基材面上に成膜し製品と成す方法であり、成形後の基材面の面粗度を機械的研磨により非常に小さくしておかなければ、成膜後の面粗度が大きくなってしまい、最終面粗度は目標とする光学素子用の面粗度に達し得なかった。また、機械加工後電解研磨したインバー基材上に非晶質薄膜を成膜し機械研磨により鏡面を得る方法(特許文献5)では、機械加工及び機械研磨において甚だタクト時間や工数が大きくなり、安価な反射鏡を得るには程遠い製造方法であった。
【0006】
また、反射鏡用非晶質合金ブロックの成形方法(特許文献6)では、巣や湯境、局部的な微結晶等の鋳造欠陥を完全に除去する技術は未だ開発されておらず、高品質光学素子開発の律速となっていた。さらに、非晶質合金にガスを注入し加圧成形により中空凹・凸面鏡を製造する方法(特許文献7)では、この製造方法により得られる成形品の面粗度は約0.1μmであり、高精度な光学素子の要求品質を満足しておらず、光学素子と成すためには更なる工程を必要とした。
【0007】
ここで、上記の従来技術を総括して、一般的な鏡面取得手段について説明する。一般に、金属の強化手段として、固溶強化と時効強化、分散強化などが知られている。この中でも時効強化と分散強化では母相と異質な析出や、分散した化合物が転移の移動の大きな障害となり強度が高くなる。このような高強度化した材料は機械研磨や複合研磨等により光沢が得られ易く広く照明用や光学用反射板としてアルミニウム合金やステンレス等が知られ用いられてきた。ところがこのような析出相や偏析、分散物質、混入物質等が母相とコヒーレントでない、もしくは一部ない場合、前記加工法では、母材表面から析出相や偏析、分散物質が脱落しあるいは亀裂の起点となり、又は表面上の硬度差の相違により高低差を生じる等、光学素子用母材表面に欠陥が生じ、欠陥の大きさや深さなどによっては高品質光学素子として要求を満たすことが困難であった。また、大変形を付与する場合や複雑形状に加工する場合、素材表面に要求品質以上の肌荒れが発生し、後工程で化学的又は機械的研磨工程を実施する必要があったため、工程が長期化し高コストとなった。
【0008】
これを解決する一手段として、近年、鏡面に磨いた型にてバルク形状の非晶質金属材を成形し光学素子を製造する方法が提案されてきた。しかし、大型のバルク形状の非晶質金属材料には未だ未解決の鋳造欠陥が存在し、高品質な光学素子を得るには至らなかった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、金属基材の表面に非晶質金属材料を用いながら、型成形により曲面鏡として十分な形状精度と面粗度を確保し、加工コストの低い光学素子を得ること及びその加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の光学素子は、超塑性流動能を有する非晶質金属薄材料が、該材料の流動温度域での変形抵抗以上の特性を有する金属基材の表面上に構成され、曲面に成形されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の上記光学素子の加工方法は、非晶質金属薄膜の超塑性流動温度域で、面粗度Ra≦6nm及び形状精度PV≦1μm以下の自由曲面型を用いて圧縮成形し、自由曲面型の表面粗度及び形状精度を付与させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光学素子によれば、安価に光学素子として十分な形状精度と面粗度を有する光学素子用金属曲面鏡が実現され、その結果、該曲面鏡を中空に構成した光学装置を提供することも可能となった。
【0013】
また、本発明の光学素子の加工方法によれば、著しく高い精度を有する型にて拘束しながら塑性変形し、非常に平滑な表面の光学素子用金属曲面鏡が得ることができる。成形後の加工数を大幅に減らすことが可能となりコストの低下を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明における光学素子、及びその加工方法の実施の形態として光学素子用金属曲面鏡に関して図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、金属基材に非晶質金属薄膜を片面に積層した光学素子用複合金属曲面鏡素材の断面図である。
【0017】
金属基材1に非晶質金属薄膜3を片面に積層するが、密着性を高めるために下地処理2を施してもよい。
【0018】
図2は、金属基材に非晶質金属薄膜を全面に積層した光学素子用複合金属曲面鏡素材の断面図である。
【0019】
金属基材1に非晶質金属薄膜3を全面に積層するが、図1と同様に密着性を高めるために下地処理2を施してもよい。
【0020】
図3は、図1の光学素子用複合金属曲面鏡素材を曲面型により成形後、得られる最終成形品の断面図である。
【0021】
図4は、予め成形した金属基材に、非晶質薄板を成形中に圧着させるために最終成形前に準備した状態を示す図である。
【0022】
予め成形した金属基材1に、非晶質薄板4を成形中に圧着させるために最終成形前に準備した状態を示しており、成形後は図3の様な構成となる。
【0023】
図5は、図3において、成形で得られた最終製品の光学面に反射膜や保護膜等を積層した断面図である。
【0024】
図3の成形で得られた最終製品の光学面に反射膜や保護膜5等を積層している。反射膜や保護膜5は、成形品にAl系もしくはAg系反射膜、金属酸化膜もしくは有機膜の保護膜、又は両者を組み合わせた膜である。
【0025】
図6は、図2の光学素子用複合金属曲面鏡素材を成形後、得られる最終成形品の断面図である。
【0026】
一実施形態として、超塑性流動能を有する非晶質金属薄材料を、該材料の流動温度域での変形抵抗以上の特性を有する板状の金属基材表面に成膜して構成し、光学素子用複合金属曲面鏡素材(以下「金属鏡素材」、「素材」ともいう)とする。この非晶質薄材料と基材との密着性を改善するためにサンドブラスト処理やブラッシング処理、イオンボンバート処理等の下地処理を施すことも本発明の範囲内に含まれる。超塑性流動能を有する非晶質金属薄材料を金属表面に薄く構成することによって、材料費が安価になると共に、成膜により形成された非晶質膜には鋳造欠陥のような気孔や溝キズ等は存在せず、金属鏡素材が得られるようになる。
【0027】
また、金属基材の表面の微小な凹凸や大きな欠陥等に、該非晶質金属材が超塑性流動の性質により流れ込み、且つ表面を構成している該非晶質金属材の良好な型転写性により、成形品表面の粗度(平滑性)が著しく改善することができる。特に、該金属基材を微細粒合金、あるいは同様な非晶質金属合金にすることにより、超塑性変形を生ぜしめ大変形や複雑形状に高い精度で対応することが可能である。目標とする品質を得るために、さらに、予め基材上に構成された非晶質金属薄材料の面粗度Ra(中心線平均粗さ)を、好ましくは1.0μm以下とすることがその後の要求面粗度を満足させるために有効である。
【0028】
さらに、一般的な金属鏡の加工では鏡面を得るために、所謂鏡面に磨いた工具鋼を用い、室温で成形を実施していた。この場合、要求される形状精度及び面粗度を共に得ることが出来なかった。そこで、型材に工具鋼、超硬合金、サーメット、セラミックス等を適用し、且つ前記型材の成形表面に金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、高密度炭素、貴金属基膜、又はこれらを組み合わせた積層膜で被覆し、且つ前記被覆表面の面粗度Ra≦6nm及び形状精度PV(Peak to Valley)≦1μmとすることにより、要求面粗度に成形することが可能となる。なお、型表面の被膜層の効果により潤滑剤無で成形可能となるが、素材の滑りを更に向上させるため、型材を超音波振動させたり、衝撃波を与えたりする手段を設けてもよい。
【0029】
他の形態として、表面欠陥の原因となる10μmより大きな工程上不可避的に混入する異物を極力排除する。このことよって前記と同じ要求品質の成形品が得られる。工程上不可避的に混入する異物は、例えば清浄度の高い環境で金属鏡素材を加工することによって10μm以下を達成できる。
【0030】
次に、具体的成形工程では、これまでは成形後に機械研磨を中心として各種研磨を実施することにより、多結晶金属の場合、面粗度(Ra)で約2.8nm、非晶質金属薄材料の場合、面粗度(Ra)で約0.4nmを得ていた(特許文献5)。この研磨工程では成形後の加工時間が大となり、またバッチ式であるためコストを押し上げた。
【0031】
そこで、本発明の他の形態として、まず一回の成形により、素材及び素材表面の微視的な凹凸を一度に、もしくは連続的に変形させ、要求形状精度及び面粗度を同時に得ることが可能となる。
【0032】
さらに、他の形態として、成形を複数回繰り返すことも可能である。すなわち、初期の成形で大まかな形状を付与し最終成形によって目標とする形状精度及び面粗度を付与することができる。初期の成形に用いる型は、最終成形に用いるものより表面粗度、形状精度の劣るものでよい。
【0033】
また、加工方法の形態として、予め金属基材に1回以上の成形加工を施し形状精度をPV≦10μmとし、該成形体面上に超塑性流動能を有する非晶質金属薄材料を構成する。そして、前記した形態と同様に、型材に工具鋼、超硬合金、サーメット、又はセラミックス等を適用し、且つ前記型材の成形表面に金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、高密度炭素、貴金属基膜、又はこれらを組み合わせた積層膜で被覆し、且つ前記被覆表面の面粗度Ra≦6nm及び形状精度PV≦1μmとする。該型を用い、再度、非晶質金属薄材料を構成した前記成形品の面粗度を改善するための成形加工を実施する。この方法においても、再成形後の要求形状精度及び面粗度を満足させるために有効である。なお、この場合も金属基材の成形に用いる型は、最終成形に用いるものより表面粗度、形状精度の劣るものでよい。
【0034】
以上の成形加工において、潤滑剤等を用いることなく実施することにより、金属表面への型の転写性が向上すると共に、コヒーレントな異物や不均質組織を起点とした亀裂や空孔等の欠陥が著しく少なくなる、あるいは小さくなり、得られる製品品質は表面粗度がRa≦10nm、且つ形状精度PV≦2μmと、これまで予想できないほど極めて平滑な曲面が得られることを特徴とする。また、該成形品、あるいは表面に増反射膜、保護膜、又はこれらを組み合わせた積層膜で被覆した該成形品を対向させ反射し合う構成した中空構成にすることにより小型の光学装置を提供可能となることを特徴とする。
【0035】
このような観点から、高品質の光学素子が低価格で得られる最適成分濃度を鋭意検討し、下記の表1に記した。なお、面粗度は、タッピングモードAFM(原子間力顕微鏡)を用い、任意の10μm四方で走査レート:0.9〜1.0Hzで測定した時のデータを用いた。AFMの条件は振幅セットポイントを出来るだけ弱い力で調節した。また、フィードバックゲインでは、積分ゲインを最小にし、また比例ゲインを積分ゲインの4〜6倍に調節した。
【0036】
非晶質金属薄材料で表面を構成する手段にはPVDやCVD等の成膜があるが、図4に示すように(表1の実施例1に対応)非晶質金属薄板と金属基材との圧着等がある。光学素子用複合金属曲面鏡素材の成形を実施する際に、超塑性流動発現(Tx−Tg)の範囲の条件下で、面粗度Ra≦6nm及び形状精度PV≦1μmの曲面型を用い、その型周辺の清浄度を特に高め、上記のとおり準備した金属鏡素材を一回の成形、もしくは複数の回の成形により、製品表面粗度がRa≦10nm、且つ製品形状精度がPV≦2μmとなるように成形温度と成形速度を制御した。なお、表1の実施例は、本発明を限定するものではなく、前後記の趣旨を考慮して光学素子用板材料やその構成材料、手段、及び加工方法や成形品の変更を行うことはいずれも本発明の範囲内に含まれるものとする。
【実施例】
【0037】
表1に実施例1〜3、表2に比較例1〜3の各場合について示す。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】金属基材に非晶質金属薄膜を片面に積層した光学素子用複合金属曲面鏡素材の断面図
【図2】金属基材に非晶質金属薄膜を全面に積層した光学素子用複合金属曲面鏡素材の断面図
【図3】図1において、得られる最終成形品の断面図
【図4】予め成形した金属基材に、非晶質薄板を成形中に圧着させるために最終成形前に準備した状態を示す図
【図5】図3において、成形で得られた最終製品の光学面に反射膜や保護膜等を積層した断面図
【図6】図2の光学素子用複合金属曲面鏡素材を成形後、得られる最終成形品の断面図
【符号の説明】
【0041】
1…金属基材
2…下地処理
3…非晶質金属薄膜
4…非晶質薄板
5…反射膜又は保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超塑性流動能を有する非晶質金属薄材料が、該材料の流動温度域での変形抵抗以上の特性を有する金属基材の表面上に構成され、曲面に成形されていることを特徴とする光学素子。
【請求項2】
不可避混入物質の最大長さが10μm以下に抑制されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
表面粗度が、Ra≦10nm、且つ前記曲面全体の形状精度はPV≦2μmとされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
【請求項4】
Al系、Ag系もしくはAu系の反射膜、金属酸化膜もしくは有機膜の保護膜、又は両者を組み合わせた積層膜が、非晶質金属薄膜上に被覆されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項5】
表面粗度が、Ra≦10nm、且つ前記曲面全体の形状精度はPV≦2μmとされていることを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子を加工する方法であって、非晶質金属薄膜の超塑性流動温度域で、自由曲面型を用いて圧縮成形し、自由曲面型の表面粗度及び形状精度を付与させることを特徴とする光学素子の加工方法。
【請求項7】
前記自由曲面型は、面粗度Ra≦6nm及び形状精度PV≦1μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の光学素子の加工方法。
【請求項8】
1回の成形加工により自由曲面型の表面粗度及び形状精度を同時に付与させることを特徴とする請求項6又は7に記載の光学素子の加工方法。
【請求項9】
1回以上の成形加工を施し、最終成形の自由曲面型により目標とする表面粗度及び形状精度を付与させることを特徴とする請求項6又は7に記載の光学素子の加工方法。
【請求項10】
前記金属基材の表面上に超塑性流動能を有する非晶質金属薄材料を構成させる手段は、前記自由曲面型による圧縮成形前に、成膜により行うことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の光学素子の加工方法。
【請求項11】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子を加工する方法であって、予め金属基材に1回以上の成形加工を施し、該成形体光学面上に超塑性流動能を有する非晶質金属薄材料を構成させて、該非晶質金属薄材料の流動温度域で、自由曲面型を用いて圧縮成形し、自由曲面型の表面粗度及び形状精度を付与させることを特徴とする光学素子の加工方法。
【請求項12】
前記金属基材に予め成形加工する型は、形状精度をPV≦10μmとし、前記自由曲面型は、面粗度Ra≦6nm及び形状精度PV≦1μm以下であることを特徴とする請求項11に記載の光学素子の加工方法。
【請求項13】
前記成形体光学面上に超塑性流動能を有する非晶質金属薄材料を構成させる手段は、前記自由曲面型による圧縮成形と同時に、超塑性流動能を有する非晶質金属薄材料の板を前記成形体光学面上に圧着することにより行うことを特徴とする請求項11又は12に記載の光学素子の加工方法。
【請求項14】
潤滑剤を用いることなく圧縮成形することを特徴とする請求項6〜13のいずれか1項に記載の光学素子の加工方法。
【請求項15】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学素子を反射鏡として用いたことを特徴とする光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−154440(P2006−154440A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−346333(P2004−346333)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】