説明

光学装置及び照明装置

【課題】エレクトロウェッティング現象を利用した液体レンズから構成され、高い光学パワーを得ることができる構成、構造を有する光学装置を提供する。
【解決手段】光学装置は、(A)液体レンズから成る第1円柱レンズ11が複数、並置された第1円柱レンズ群、(B)第1円柱レンズ11と平行に配列され、液体レンズから成る第2円柱レンズ12が複数、並置された第2円柱レンズ群、並びに、(C)第1面31、第2面32、側面33及び仕切り面34を有するハウジング30を備えており、第1面31、仕切り面34及び側面33によって構成された第1室13には、第1の仕切板35が配設され、液体レンズを構成する第1の液体21及び第2の液体22によって占められおり、第2面32、仕切り面34及び側面33によって構成された第2室14には、第2の仕切板37が配設され、液体レンズを構成する第3の液体23及び第4の液体24によって占められている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロウェッティング現象を利用した光学装置、及び、係る光学装置を組み込んだ照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロウェッティング現象(電気毛管現象)を利用した光学装置の開発が進められている。エレクトロウェッティング現象は、導電性を有する液体と電極との間に電圧を印加したときに電極表面と液体との固液界面におけるエネルギーが変化し、液体表面の形状が変化する現象を云う。
【0003】
図26の(A)及び(B)に、エレクトロウェッティング現象を説明するための原理図を示す。図26の(A)に模式的に示すように、例えば、電極301の表面に絶縁膜302が形成されており、この絶縁膜302の上に電解液から成る導電性の液滴303が置かれているとする。絶縁膜302の表面には撥水処理が施されており、図26の(A)に示すように、電圧を印加していない状態では、絶縁膜302の表面と液滴303との間の相互作用エネルギーは低く、接触角θ0は大きい。ここで、接触角θ0は、絶縁膜302の表面と液滴303の正接線との成す角度であり、液滴303の表面張力や絶縁膜302の表面エネルギー等の物性に依存する。
【0004】
一方、図26の(B)に模式的に示すように、電極301と液滴303との間に電圧を印加すると、液滴側の電解質イオンが絶縁膜302の表面に集中することによって電荷二重層の帯電量変化が生じ、液滴303の表面張力の変化が誘発される。この現象がエレクトロウェッティング現象であり、印加電圧の大きさによって液滴303の接触角θvが変化する。即ち、図26の(B)において、接触角θvは、印加電圧Vの関数として、以下の式(A)の Lippman-Young の式で表される。
【0005】
cos(θv)=cos(θ0)+(1/2)(ε0・ε)/(γLG・t)×V2 (A)
【0006】
ここで、
ε0 :真空の誘電率
ε :絶縁膜の比誘電率
γLG:電解液の表面張力
t :絶縁膜の膜厚
である。
【0007】
以上のように、電極301と液滴303との間に印加する電圧Vの大きさによって、液滴303の表面形状(曲率)が変化する。従って、液滴303をレンズ素子として用いた場合、焦点位置(焦点距離)を電気的に制御できる光学素子を実現することができる。
【0008】
このような光学素子を用いた光学装置の開発が進められている。例えば、特開2000−356708には、ストロボ装置用のレンズアレイが提案されている。このレンズアレイにあっては、基板表面の撥水膜上にアレイ状に配置された絶縁性液体の液滴と導電性液体を封入することで、可変焦点レンズが構成されている。そして、この構成にあっては、絶縁性液体と導電性液体との間の界面形状で個々のレンズが形成され、エレクトロウェッティング現象を利用して個々のレンズ形状を電気的に制御し、焦点距離を変化させている。
【0009】
【特許文献1】特開2000−356708
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特開2000−356708に開示されたレンズアレイにあっては、大きな光学パワーを得ることが困難である。即ち、電圧をオン/オフさせて、レンズの曲率を凹状から平坦に変化させても、例えば、ストロボ装置のガイドナンバーの可変率は1.33であり、大きな可変率を得ることはできない。また、図25の(B)に示すように、1段のレンズ構成にあっては、電圧をオン/オフさせて、レンズの曲率を凹状から平坦に変化させても、ストロボ装置上下方向の配光角の変化は12度から46度であり、十分に広角まで(ワイド側まで)広がっていない。
【0011】
従って、本発明の目的は、エレクトロウェッティング現象を利用した液体レンズから構成され、高い光学パワーを得ることができる構成、構造を有する光学装置、及び、係る光学装置を組み込んだ照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えた光学装置であって、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、仕切り面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、仕切り面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室には、第1の方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、第1の方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められおり、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第4の液体によって占められていることを特徴とする。
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る照明装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群を備えた光学装置、並びに、
(B)発光手段、
を具備した照明装置であって、
光学装置は、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、仕切り面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、仕切り面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室には、第1の方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、第1の方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められおり、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第4の液体によって占められていることを特徴とする。
【0014】
本発明の第1の態様に係る光学装置、あるいは、本発明の第1の態様に係る照明装置における光学装置(以下、これらを総称して、『本発明の第1の態様に係る光学装置』と呼ぶ)にあっては、少なくとも第1の液体と第2の液体との界面が位置する第1の仕切板の部分の表面、並びに、少なくとも第3の液体と第4の液体との界面が位置する第2の仕切板の部分の表面には、撥水処理が施されている形態とすることが好ましい。尚、第1の液体と第2の液体との界面が位置する側面の部分の表面、並びに、少なくとも第3の液体と第4の液体との界面が位置する側面の部分の表面にも、撥水処理が施されている形態とすることが好ましい。
【0015】
上記の好ましい形態を含む本発明の第1の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の仕切板は、第1面から仕切り面まで延びており、
第2の仕切板は、第2面から仕切り面まで延びている、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第1−Aの態様に係る光学装置と呼ぶ。
【0016】
あるいは又、上記の好ましい形態を含む本発明の第1の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の仕切板は第1面から仕切り面に向かって延びており、
第2の仕切板は第2面から仕切り面に向かって延びており、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在する、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第1−Bの態様に係る光学装置と呼ぶ。
【0017】
尚、第1の仕切板の頂面とは、第2面に対向した面を指し、第1の仕切板の底面とは、第1面に対向した面を指す。また、第2の仕切板の頂面とは、第1面に対向した面を指し、第2の仕切板の底面とは、第2面に対向した面を指す。次に述べる本発明の第1−Cの態様に係る光学装置を除き、以下においても同様である。
【0018】
あるいは又、上記の好ましい形態を含む本発明の第1の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の仕切板は仕切り面から第1面に向かって延びており、第1の仕切板の頂面と第1面との間には隙間が存在し、
第2の仕切板は仕切り面から第2面に向かって延びており、第2の仕切板の頂面と第2面との間には隙間が存在する、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第1−Cの態様に係る光学装置と呼ぶ。本発明の第1−Cの態様に係る光学装置にあっては、第1の仕切板の頂面とは第1面に対向した面を指し、第2の仕切板の頂面とは第2面に対向した面を指す。
【0019】
あるいは又、上記の好ましい形態を含む本発明の第1の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の仕切板の底面と第1面との間には隙間が存在し、
第2の仕切板の底面と第2面との間には隙間が存在し、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在する、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第1−Dの態様に係る光学装置と呼ぶ。
【0020】
以上に説明した種々の好ましい形態、構成を含む本発明の第1の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の液体と第2の液体とは、不溶、不混合であり、第1の液体と第2の液体との界面がレンズ面を構成し、
第3の液体と第4の液体とは、不溶、不混合であり、第3の液体と第4の液体との界面がレンズ面を構成することが好ましい。
【0021】
更には、以上に説明した種々の好ましい形態、構成を含む本発明の第1の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の液体及び第3の液体は、導電性を有し、
第2の液体及び第4の液体は、絶縁性を有し、
第1室には、第1の液体と接する第1電極、及び、第1の液体とは絶縁された第2電極が配設されており、
第2室には、第3の液体と接する第3電極、及び、第3の液体とは絶縁された第4電極が配設されている、
構成とすることができる。
【0022】
そして、このような電極構成において、第2電極は、第1絶縁膜を介して第1の液体と第2の液体との界面に接しており、第4電極は、第2絶縁膜を介して第3の液体と第4の液体との界面に接している構成とすることができる。
【0023】
あるいは又、このような電極構成において、
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられている、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第1−aの態様に係る光学装置と呼ぶ。そして、本発明の第1−aの態様に係る光学装置にあっては、更には、
第2電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられている、
構成とすることができる。あるいは又、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。あるいは又、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第2電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられている、
構成とすることができる。
【0024】
あるいは又、このような電極構成において、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられており、
第2電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成る、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第1−bの態様に係る光学装置と呼ぶ。そして、本発明の第1−bの態様に係る光学装置にあっては、更には、
第1電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられている、
構成とすることができる。あるいは又、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。あるいは又、
第1電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に延在して設けられており、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。
【0025】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えた光学装置であって、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、及び、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室と第2室とは連通しており、
第1室には、第1の方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、第1の方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められており、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第2の液体によって占められていることを特徴とする。
【0026】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る照明装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群を備えた光学装置、並びに、
(B)発光手段、
を具備した照明装置であって、
光学装置は、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、及び、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室と第2室とは連通しており、
第1室には、第1の方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、第1の方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められており、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第2の液体によって占められていることを特徴とする。
【0027】
本発明の第2の態様に係る光学装置、あるいは、本発明の第2の態様に係る照明装置における光学装置(以下、これらを総称して、『本発明の第2の態様に係る光学装置』と呼ぶ)にあっては、少なくとも第1の液体と第2の液体との界面が位置する第1の仕切板の部分の表面、並びに、少なくとも第3の液体と第2の液体との界面が位置する第2の仕切板の部分の表面には、撥水処理が施されている形態とすることが好ましい。尚、第1の液体と第2の液体との界面が位置する側面の部分の表面、並びに、少なくとも第3の液体と第2の液体との界面が位置する側面の部分の表面にも、撥水処理が施されている形態とすることが好ましい。
【0028】
上記の好ましい形態を含む本発明の第2の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の仕切板は第1面から第2面に向かって延びており、
第2の仕切板は第2面から第1面に向かって延びており、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在する、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第2−Aの態様に係る光学装置と呼ぶ。
【0029】
あるいは又、上記の好ましい形態を含む本発明の第2の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の仕切板の底面と第1面との間には隙間が存在し、
第2の仕切板の底面と第2面との間には隙間が存在し、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在する、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第2−Bの態様に係る光学装置と呼ぶ。
【0030】
以上に説明した種々の好ましい形態、構成を含む本発明の第2の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の液体と第2の液体とは、不溶、不混合であり、第1の液体と第2の液体との界面がレンズ面を構成し、
第3の液体と第2の液体とは、不溶、不混合であり、第3の液体と第2の液体との界面がレンズ面を構成することが好ましい。
【0031】
更には、以上に説明した種々の好ましい形態、構成を含む本発明の第2の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の液体及び第3の液体は、導電性を有し、
第2の液体は、絶縁性を有し、
第1室には、第1の液体と接する第1電極、及び、第1の液体とは絶縁された第2電極が配設されており、
第2室には、第3の液体と接する第3電極、及び、第3の液体とは絶縁された第4電極が配設されている、
構成とすることができる。
【0032】
そして、このような電極構成において、第2電極は、絶縁膜を介して第1の液体と第2の液体との界面に接しており、第4電極は、絶縁膜を介して第3の液体と第2の液体との界面に接している構成とすることができる。
【0033】
あるいは又、このような電極構成において、
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられている、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第2−aの態様に係る光学装置と呼ぶ。ここで、第2電極と第4電極とは共通の電極から構成されている構造とすることができる。
【0034】
あるいは又、このような電極構成において、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられており、
第2電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成る、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第2−bの態様に係る光学装置と呼ぶ。ここで、第1電極と第3電極とは共通の電極から構成されている構造とすることができる。
【0035】
更には、以上に説明した種々の好ましい形態、構成を含む本発明の第2の態様に係る光学装置等にあっては、
第1の液体及び第3の液体は、絶縁性を有し、
第2の液体は、導電性を有し、
第1室には、第2の液体と接する第2電極、及び、第2の液体とは絶縁された第1電極が配設されており、
第2室には、第2の液体と接する第2電極、及び、第2の液体とは絶縁された第3電極が配設されている構成とすることができる。
【0036】
そして、このような電極構成において、第1電極は、第1絶縁膜を介して第1の液体と第2の液体との界面に接しており、第3電極は、第2絶縁膜を介して第3の液体と第2の液体との界面に接している構成とすることができる。
【0037】
あるいは又、このような電極構成において、
第2電極は、側面の内面に設けられており、
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成る、
構成とすることができる。尚、このような構成の光学装置を、便宜上、本発明の第2−cの態様に係る光学装置と呼ぶ。
【0038】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る光学装置は、液体レンズから成る円柱レンズが複数、ハウジング内に並置されて成ることを特徴とする。
【0039】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る照明装置は、液体レンズから成る円柱レンズが複数、ハウジング内に並置されて成る光学装置、及び、発光手段を具備していることを特徴とする。
【0040】
本発明の第1の態様、第2の態様あるいは第3の態様に係る光学装置、本発明の第1の態様、第2の態様あるいは第3の態様に係る照明装置(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、限定するものではないが、第1円柱レンズ群を構成する第1円柱レンズの本数をN1、第2円柱レンズ群を構成する第2円柱レンズの本数をN2としたとき、N1の値として2乃至10を挙げることができるし、N2の値として2乃至10を挙げることができる。N1の値とN2の値は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。N1の値とN2の値が同じである場合、第1円柱レンズ群を構成する複数の第1円柱レンズにおける軸線の射影像と、第2円柱レンズ群を構成する複数の第2円柱レンズにおける軸線の射影像とは、重なっていてもよいし、重なっていなくともよい。また、本発明の第1の態様、第2の態様あるいは第3の態様に係る照明装置において、発光手段から出射された光束の内の1本の光束を想定したとき、係る1本の光束が或る第1円柱レンズにおける軸線を通過したとき、係る1本の光束が或る第1円柱レンズに対応する第2円柱レンズにおける軸線を通過する構成としてもよいし、通過しない構成としてもよい。
【0041】
本発明において、導電性を有する液体(以下、導電性液体と呼ぶ場合がある)として、例えば、水、電解液(塩化カリウムや塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸ナトリウム等の電解質の水溶液)、これらの電解質を溶かし込んだ例えばトリエチレングリコール水溶液、分子量の小さなメチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、常温溶融塩(イオン性液体)等の有極性液体、これらの液体の混合物を挙げることができる。尚、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類は、水溶液として導電性を持たせたり、塩を溶かして導電性を持たせて使用すればよい。また、絶縁性を有する液体(以下、絶縁性液体と呼ぶ場合がある)として、例えば、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、ウンデカン等の炭化水素系の材料、シリコーンオイル、フッ素系の材料等の無極性溶媒を挙げることができる。尚、導電性液体と絶縁性液体とは、互いに異なる屈折率を有すると共に、互いに混和することなく存在できることが要求される。また、導電性液体の密度と絶縁性液体の密度を、出来る限り同じ値とすることが望ましい。導電性液体及び絶縁性液体は、入射光に対して透明な液体であることが望ましいが、場合によっては、着色されていてもよい。
【0042】
第1面や第2面、仕切り面を構成する材料は、入射光に対して透明であることが要求される。ここで、「入射光に対して透明である」とは、入射光の光透過率が80%以上であることを意味する。第1面や第2面、仕切り面を構成する材料として、具体的には、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ガラスを例示することができる。仕切板や側面を構成する材料も同様の材料とすることができる。更には、仕切り面を構成する材料として、シリコーンゴムやセロファンを挙げることもでき、また、シート状であってもよいし、フィルム状であってもよい。各部材を構成する材料は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0043】
電極は、使用される部位、要求される特性に応じて、ITO系材料、銀添加ITO、IZO系材料、SnO2系材料、In23系材料、Sb25系材料、ZnO系材料、In23−ZnO系材料、Ga添加ZnO、In4Sn312、InGaZnO等の導電性金属酸化物や、金属、合金、半導体材料等から構成された透明電極とすることもできるし、不透明な金属や合金から構成された電極とすることもできる。具体的には、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金(例えばMoW)あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜を例示することができる。これらの電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル・ゲル法等を挙げることができる。
【0044】
第1絶縁膜、第2絶縁膜、絶縁膜は、電気絶縁性の物質であれば特に制限されず、好適には、比誘電率が比較的高い物質が選択される。また、比較的大きな静電容量を得るために第1絶縁膜、第2絶縁膜、絶縁膜の膜厚は薄い方が好ましいが、絶縁強度を確保できる膜厚以上であることが必要である。第1絶縁膜、第2絶縁膜、絶縁膜を構成する材料として、例えば、SiOX材料やSiN、SiON、酸化フッ化シリコン、ポリイミド樹脂、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta25)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化クロム(CrOx)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化スズ(SnO2)、又は、酸化バナジウム(VOx)を挙げることができる。第1絶縁膜、第2絶縁膜、絶縁膜の形成方法として、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法、メッキ法、電着法、浸漬法等の公知のプロセスを挙げることができる。
【0045】
また、例えば、少なくとも第1の液体と第2の液体との界面が位置する第1の仕切板の部分の表面(具体的には、第1の液体と第2の液体との界面及び界面近傍に位置する第1の仕切板の部分の表面、更には、第1の液体と第2の液体との界面及び界面近傍が位置する側面の部分の表面)、並びに、少なくとも第3の液体と第4の液体との界面が位置する第2の仕切板の部分の表面(具体的には、第3の液体と第4の液体との界面及び界面近傍に位置する第2の仕切板の部分の表面、更には、第3の液体と第4の液体との界面及び界面近傍が位置する側面の部分の表面)、あるいは又、少なくとも第1の液体と第2の液体との界面が位置する第1の仕切板の部分の表面(具体的には、第1の液体と第2の液体との界面及び界面近傍に位置する第1の仕切板の部分の表面、更には、第1の液体と第2の液体との界面及び界面近傍が位置する側面の部分の表面)、並びに、少なくとも第3の液体と第2の液体との界面が位置する第2の仕切板の部分(具体的には、第3の液体と第2の液体との界面及び界面近傍に位置する第2の仕切板の部分の表面、更には、第3の液体と第2の液体との界面及び界面近傍が位置する側面の部分の表面)の表面には、撥水処理が施されているが、係る撥水処理として、例えば、ポリパラキシリレンをCVD法で成膜する方法、フッ素系のポリマーであるPVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の材料をコーティングする方法を挙げることができる。また、高誘電率材料と撥水性材料とを複数組み合わせた積層構造で仕切板の表面を被覆してもよい。
【0046】
第1円柱レンズの第1の方向と直交する方向(第2の方向と呼ぶ)に沿った長さLCL-1、及び、第2円柱レンズの第1の方向に沿った長さLCL-2は、毛管長κ-1以下に設定することが望ましい。ここで、毛管長κ-1とは、界面張力に対して重力の影響を無視できる最大の長さを云い、具体的には、導電性液体と絶縁性液体との間の界面張力をΔγ、導電性液体と絶縁性液体との間の密度差をΔρ、重力加速度をgとしたとき、以下の式(B)で表すことができる。
【0047】
κ-1={Δγ/(Δρ・g)}1/2 (B)
【0048】
毛管長κ-1は、界面を構成する2つの媒体の種類によって異なる。2つの媒体が水と空気、水と油の場合のそれぞれの界面張力、密度差、毛管長を以下の表1に示す。
【0049】
[表1]
界面張力(Δγ) 密度差(Δρ) 毛管長(κ-1
水と空気 72.88(mN/m) 0.99997(g/cm3) 2.7(mm)
水と油 29.5 (mN/m) 0.0129 (g/cm3) 15.2(mm)
【0050】
水と空気の場合の毛管長(κ-1)は2.7mmであるのに対して、水と油の場合の毛管長(κ-1)は15.2mmである。従って、導電性液体と絶縁性液体との間の密度差(Δρ)を0.0129まで小さくすることで、長さLCL-1,LCL-2を最大15.2mmとすることが可能である。
【0051】
本発明の照明装置における発光手段として、キセノン管、蛍光灯、ランプや、発光ダイオード、半導体レーザ等の半導体発光素子を例示することができる。また、本発明の照明装置の具体的な応用例として、ストロボ装置、例えば、液晶表示装置に用いられるバックライトユニットを例示することができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明にあっては、エレクトロウェッティング現象を利用して光の配光状態を変化させることができ、しかも、軸線の延びる方向が同じである第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とが立体的に配置されているので、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域がレンズとして機能し、従来の技術よりも大きな光学パワーを得ることができるし、光学パワーの変化量を増大させることができる。また、円柱レンズ群をアレイ状に並べることで、薄型の光学装置を実現することができる。しかも、モータ等の駆動部が不要であり、光学装置の部品点数の削減、小型化、薄型化、低コストを実現することができるし、機械的な力の加わる部品がないため、長寿命、高信頼性、音が全く発生しないといった利点を有するし、電圧制御であり、電流は殆ど流れないため、低消費電力を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
【実施例1】
【0054】
実施例1は、本発明の第1の態様及び本発明の第3の態様に係る光学装置に関し、具体的には、本発明の第1−Aの態様及び第1−aの態様に係る光学装置に関する。実施例1の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図1の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図1の(B)に示す。尚、第2の方向とは、第1の方向と直交する方向を意味する。以下においても同様である。
【0055】
実施例1の光学装置は、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第1円柱レンズ11が複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第2円柱レンズ12が複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えている。また、円柱レンズは、シリンドリカルレンズ、シリンダーレンズとも呼ばれ、1つの面が円柱の円周面(円柱側面)の一部の形状を有するレンズである。
【0056】
そして、実施例1の光学装置は、
(a)入射光に対して透明な第1面31、
(b)入射光に対して透明であり、第1面31に対面した第2面32、
(c)第1面31と第2面32を繋ぐ側面33、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面34、
を有するハウジング30を更に備えている。後述する実施例2〜実施例7においても同様である。
【0057】
ここで、第1面31、仕切り面34、及び、側面33の一部によって第1室13が構成され、
第2面32、仕切り面34、及び、側面33の残部によって第2室14が構成され、
第1室13には、第1の方向に延び、第1円柱レンズ11と第1円柱レンズ11とを仕切る第1の仕切板35が配設されており、
第2室14には、第1の方向に延び、第2円柱レンズ12と第2円柱レンズ12とを仕切る第2の仕切板37が配設されており、
第1室13は、第1円柱レンズ11としての液体レンズを構成する第1の液体21及び第2の液体22によって占められおり、
第2室14は、第2円柱レンズ12としての液体レンズを構成する第3の液体23及び第4の液体24によって占められている。後述する実施例2〜実施例7においても同様である。
【0058】
また、実施例1の光学装置を、本発明の第3の態様に係る光学装置に沿って説明すると、この実施例1の光学装置は、液体レンズから成る円柱レンズ11,12が複数、ハウジング30内に並置されて成る。
【0059】
実施例1の光学装置にあっては、少なくとも第1の液体21と第2の液体22との界面が位置する第1の仕切板35の部分の表面(具体的には、第1の液体21と第2の液体22との界面及び界面近傍に位置する第1の仕切板35の部分の表面、更には、第1の液体21と第2の液体22との界面及び界面近傍が位置する側面33の部分の表面)、並びに、少なくとも第3の液体23と第4の液体24との界面が位置する第2の仕切板37の部分の表面(具体的には、第3の液体23と第4の液体24との界面及び界面近傍に位置する第2の仕切板37の部分の表面、更には、第3の液体23と第4の液体24との界面及び界面近傍が位置する側面33の部分の表面)には、撥水処理が施されている。より具体的には、第1の仕切板35の側面(より一層具体的には、第1の仕切板35の側面に形成された第1絶縁膜45上)には撥水処理層36が形成されており、第2の仕切板37の側面(より一層具体的には、第2の仕切板37の側面に形成された第2絶縁膜46上)には、撥水処理層38が形成されている。また、側面33の上に形成された第1絶縁膜45上には撥水処理層36が形成されており、側面33の上に形成された第2絶縁膜46上には撥水処理層38が形成されている。後述する実施例2〜実施例7においても同様である。尚、第1絶縁膜45及び第2絶縁膜46の全ての領域の上に撥水処理層が形成されていてもよい。後述する実施例2〜実施例7においても同様である。
【0060】
また、実施例1の光学装置にあっては、第1の仕切板35は、第1面31から仕切り面34まで延びており、第2の仕切板37は、第2面32から仕切り面34まで延びている。
【0061】
そして、実施例1の光学装置にあっては、第1の液体21及び第3の液体23は導電性を有し、第2の液体22及び第4の液体24は絶縁性を有する。後述する実施例2〜実施例7においても同様である。
【0062】
更には、第1室13には、第1の液体21と接する第1電極41、及び、第1の液体21とは絶縁された第2電極42が配設されている。一方、第2室14には、第3の液体23と接する第3電極43、及び、第3の液体23とは絶縁された第4電極44が配設されている。具体的には、第2電極42は、第1絶縁膜45を介して第1の液体21と第2の液体22との界面に接しており、第4電極44は、第2絶縁膜46を介して第3の液体23と第4の液体24との界面に接している。ここで、第1電極41は、第1面31の内面に設けられた透明電極から成り、第3電極43は、第2面32の内面に設けられた透明電極から成る。また、第2電極42は、第1室13を構成する側面33の内面に第1絶縁膜45で覆われた状態で設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する側面33の内面に第2絶縁膜46で覆われた状態で設けられている。更には、第2電極42は、第1の仕切板35の側面にも第1絶縁膜45で覆われた状態で設けられており、第4電極44は、第2の仕切板37の側面にも第2絶縁膜46で覆われた状態で設けられている。このように、第2電極42は第1絶縁膜45で覆われており、第4電極44は第2絶縁膜46で覆われている。後述する実施例2〜実施例7においても同様である。尚、図示したように、第2電極42は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に第1絶縁膜45で覆われた状態で延在して設けられていてもよいし、第4電極44は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に第4絶縁膜46で覆われた状態で延在して設けられていてもよい。
【0063】
第1の液体21と第2の液体22とは、不溶、不混合であり、界面において分離されており、この界面がレンズ面を構成する。また、第3の液体23と第4の液体24とは、不溶、不混合であり、界面において分離されており、この界面がレンズ面を構成する。後述する実施例2〜実施例7においても同様である。
【0064】
実施例1の光学装置にあっては、具体的には、第1面31、第2面32及び仕切り面34は、ガラス、あるいは、アクリル系樹脂等の樹脂から作製されており、側面33、第1の仕切板35及び第2の仕切板37は、ガラス、あるいは、望ましくはアクリル系樹脂等の樹脂から作製されている。また、第1の液体21及び第3の液体23は塩化リチウム水溶液から成り、密度は1.06グラム/cm3であり、屈折率は1.34であり。一方、第2の液体22及び第4の液体24はシリコーンオイル(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社(旧GE東芝シリコーン株式会社)製TSF437)から成り、密度は1.02グラム/cm3であり、屈折率は1.49である。更には、撥水処理層36,38はポリパラキシリレンやフッ素系のポリマーから成る。また、透明電極(実施例1にあっては、第1電極41及び第3電極43)はITOから成り、透明性を要求されない場合、電極は、金、アルミニウム、銅、銀等の金属電極から成る。更には、第1絶縁膜45及び第2絶縁膜46は、ポリパラキシレンや酸化タンタル、酸化チタン等の金属酸化物から成る。ハウジング30(あるいは、後述するハウジング130)の平面形状は正方形である。以上に説明した事項は、後述する実施例2〜実施例13においても、特に断りの無い限り、同様とすることができる。
【0065】
実施例1にあっては、第1円柱レンズの第2の方向に沿った長さLCL-1を30mmとし、第2円柱レンズの第2の方向に沿った長さLCL-2を30mmとした。また、第1円柱レンズ群を構成する第1円柱レンズ11の本数をN1、第2円柱レンズ群を構成する第2円柱レンズ12の本数をN2としたとき、N1=N2=10とした。後述する実施例2〜実施例13においても同様である。
【0066】
第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極41と第2電極42との間に電圧を印加すると、第1の液体21と第2の液体22との界面によって構成されたレンズ面が、図1の(A)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。一方、第3電極43と第4電極43との間に電圧を印加すると、第3の液体23と第4の液体24との界面によって構成されたレンズ面が、図1の(A)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例1の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる。後述する実施例2〜実施例4においても同様である。
【0067】
実施例1において、電圧をオン/オフさせて、レンズの曲率を凹状から凸状に変化させたとき、例えば、ストロボ装置のガイドナンバーの可変率は1.62となり、大きな可変率を得ることができる。また、図25の(A)に示すように、実施例1のレンズ構成にあっては、電圧をオン/オフさせ、レンズの曲率を凹状から凸状に変化させたとき、ストロボ装置上下方向の配光角の変化は12度(電圧オフ時)から63度(電圧オン時)となり、十分に広角まで(ワイド側まで)の広がりを得ることができた。
【0068】
場合によっては、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極42と第4電極44とを一体に形成してもよい。後述する実施例2〜実施例4においても同様である。また、第1電極41を、第1室13を構成する第1面31の内面から側面33の内面に延在して設けてもよく、第3電極43を、第2室14を構成する第2面32の内面から側面33の内面に延在して設けてもよい。後述する実施例2〜実施例4においても同様である。
【実施例2】
【0069】
実施例2は、実施例1の変形であり、具体的には、本発明の第1−Bの態様及び第1−aの態様に係る光学装置に関する。実施例2の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図2の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図2の(B)に示す。
【0070】
実施例1の光学装置にあっては、第1の仕切板35は、第1面31から仕切り面34まで延びており、第2の仕切板37は、第2面32から仕切り面34まで延びている。
【0071】
一方、実施例2の光学装置にあっては、第1の仕切板35は第1面31から仕切り面34に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から仕切り面34に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例2の光学装置の構成、構造は、実施例1の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
尚、図2の(A)及び(B)に示した例においては、第2電極42は、第1室13を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に設けられているが、実施例2の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例2の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図3の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図3の(B)に示すように、第2電極42を、第1室13を構成する側面33の内面及び第1の仕切板35の側面にのみ設け、第4電極44を、第2室14を構成する側面33の内面及び第2の仕切板37の側面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。尚、側面33の内面に設けられた第2電極42の部分と、第1の仕切板35の側面に設けられた第2電極42の部分とは、図示しない領域で一体となっており、側面33の内面に設けられた第4電極44の部分と、第2の仕切板37の側面に設けられた第4電極44の部分とは、図示しない領域で一体となっている。第1の仕切板及び第2の仕切板が同様の構造を有する場合、後述する実施例6、実施例8においても同様である。
【実施例3】
【0073】
実施例3も、実施例1の変形であり、具体的には、本発明の第1−Cの態様及び第1−aの態様に係る光学装置に関する。実施例3の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図4の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図4の(B)に示す。
【0074】
実施例3の光学装置にあっては、第1の仕切板35は仕切り面34から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第1面31との間には隙間が存在する。一方、第2の仕切板37は仕切り面34から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37の頂面と第2面32との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例3の光学装置の構成、構造は、実施例1の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例4】
【0075】
実施例4も、実施例1の変形であり、具体的には、本発明の第1−Dの態様及び第1−aの態様に係る光学装置に関する。実施例4の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図5の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図5の(B)に示す。
【0076】
実施例4の光学装置にあっては、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例4の光学装置の構成、構造は、実施例1の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0077】
尚、図5の(A)及び(B)に示した例においては、第2電極42は、第1室13を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する仕切り面34の内面、側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に設けられているが、実施例4の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例4の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図6の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図6の(B)に示すように、第2電極42を、第1室13を構成する側面33の内面及び第1の仕切板35の側面にのみ設け、第4電極44を、第2室14を構成する側面33の内面及び第2の仕切板37の側面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。尚、側面33の内面に設けられた第2電極42の部分と、第1の仕切板35の側面に設けられた第2電極42の部分とは、図示しない領域で一体となっており、側面33の内面に設けられた第4電極44の部分と、第2の仕切板37の側面に設けられた第4電極44の部分とは、図示しない領域で一体となっている。第1の仕切板及び第2の仕切板が同様の構造を有する場合、後述する実施例7、実施例9、実施例11においても同様である。
【実施例5】
【0078】
実施例5は、実施例2の変形であり、具体的には、本発明の第1−Bの態様及び第1−bの態様に係る光学装置に関する。実施例5、あるいは後述する実施例6〜実施例7が実施例1、実施例3〜実施例4と相違する点は、第1の液体21及び第3の液体23の配置と、第2の液体22及び第4の液体24の配置が、天地を逆にした点にある。実施例5の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図7の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図7の(B)に示す。
【0079】
実施例5の光学装置にあっては、第1電極41は、第1室13を構成する側面33の内面に設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する側面33の内面に設けられている。一方、第2電極42は、第1面31の内面、側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に第1絶縁膜45で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第4電極44は、第2面32の内面、側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に第2絶縁膜46で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。尚、第1電極41は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられている。
【0080】
以上の点を除き、実施例5の光学装置の構成、構造は、実施例2の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例5の光学装置にあっては、実施例2の光学装置と同様に、第1の仕切板35は第1面31から仕切り面34に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から仕切り面34に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。
【0081】
図7の(A)及び(B)に示した例においては、第1電極41は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられているが、実施例5の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例5の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図8の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図8の(B)に示すように、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0082】
以上に説明した実施例5の光学装置あるいはその変形例にあっては、場合によっては、第1電極41と第3電極43とを共通化してもよい。即ち、第1電極41と第3電極43とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第1電極41と第3電極43とを一体に形成してもよい。後述する実施例6〜実施例7においても同様である。
【0083】
あるいは又、実施例5の光学装置の別の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図9の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図9の(B)に示す。この変形例は、実施例1の変形であり、具体的には、本発明の第1−Aの態様及び第1−bの態様に係る光学装置に関する。即ち、この変形例にあっては、第1の仕切板35は、第1面31から仕切り面34まで延びており、第2の仕切板37は、第2面32から仕切り面34まで延びている。そして、第1電極41を、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在させ、第3電極43を、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在させ、第2電極42を、第1室13を構成する側面33の内面に延在させ、第4電極44を、第2室14を構成する側面33の内面に延在させてもよい。このような場合、所望に応じて、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極42と第4電極44とを一体に形成してもよい。また、図示しないが、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。
【0084】
実施例5にあっても、第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極41と第2電極42との間に電圧を印加すると、第1の液体21と第2の液体22との界面によって構成されたレンズ面が、図7〜図9の(A)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。一方、第3電極43と第4電極43との間に電圧を印加すると、第3の液体23と第4の液体24との界面によって構成されたレンズ面が、図7〜図9の(A)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例5の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる。実施例6〜実施例7においても同様である。
【実施例6】
【0085】
実施例6も、実施例1の変形であり、具体的には、本発明の第1−Cの態様及び第1−bの態様に係る光学装置に関し、実施例5と実施例3の組合せに関する。実施例6の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図10の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図10の(B)に示す。
【0086】
実施例6の光学装置にあっては、実施例3と同様に、第1の仕切板35は仕切り面34から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第1面31との間には隙間が存在する。一方、第2の仕切板37は仕切り面34から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37の頂面と第2面32との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例6の光学装置の構成、構造は、実施例5の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0087】
尚、実施例6の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図11の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図11の(B)に示すように、実施例5の変形例にて説明したと同様に、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0088】
以上に説明した実施例6の光学装置あるいはその変形例にあっても、所望に応じて、第1電極41と第3電極43とを共通化してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第1電極41と第3電極43とを共通の電極から構成してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。
【実施例7】
【0089】
実施例7も、実施例1の変形であり、具体的には、本発明の第1−Dの態様及び第1−bの態様に係る光学装置に関し、実施例5と実施例4の組合せに関する。実施例7の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図12の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図12の(B)に示す。
【0090】
実施例7の光学装置にあっては、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例7の光学装置の構成、構造は、実施例5の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0091】
尚、図12の(A)及び(B)に示した例においては、第1電極41は、第1室13を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する仕切り面34の内面に延在して設けられているが、実施例7の光学装置は、このような構成、構造に限定されるものではない。実施例7の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図13の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図13の(B)に示すように、第1電極41を、第1室13を構成する側面33の内面にのみ設け、第3電極43を、第2室14を構成する側面33の内面にのみ設ける構成としてもよい。このような構成を採用することで、光路に配置された電極を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。
【0092】
以上に説明した実施例7の光学装置あるいはその変形例にあっても、所望に応じて、第1電極41と第3電極43とを共通化してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通化してもよい。即ち、第1電極41と第3電極43とを共通の電極から構成してもよいし、第2電極42と第4電極44とを共通の電極から構成してもよい。
【実施例8】
【0093】
実施例8は、本発明の第2の態様及び本発明の第3の態様に係る光学装置に関し、具体的には、本発明の第2−Aの態様及び第2−aの態様に係る光学装置に関する。実施例8の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図14の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図14の(B)に示す。
【0094】
実施例8の光学装置は、実施例1において説明したと同様に、
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第1円柱レンズ11が複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第2円柱レンズ12が複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えている。
【0095】
そして、実施例8の光学装置は、
(a)入射光に対して透明な第1面31、
(b)入射光に対して透明であり、第1面31に対面した第2面32、及び、
(c)第1面31と第2面32を繋ぐ側面33、
を有するハウジング130を更に備えている。実施例9〜実施例13においても同様である。
【0096】
ここで、第1面31、及び、側面33の一部によって第1室13が構成され、
第2面32、及び、側面33の残部によって第2室14が構成され、
第1室13と第2室14とは連通しており、
第1室13には、第1の方向に延び、第1円柱レンズ11と第1円柱レンズ11とを仕切る第1の仕切板35が配設されており、
第2室14には、第1の方向に延び、第2円柱レンズ12と第2円柱レンズ12とを仕切る第2の仕切板37が配設されており、
第1室13は、第1円柱レンズ11としての液体レンズを構成する第1の液体121及び第2の液体122によって占められており、
第2室14は、第2円柱レンズ12としての液体レンズを構成する第3の液体123及び第2の液体122によって占められている。実施例9〜実施例11においても同様である。
【0097】
実施例8の光学装置にあっても、少なくとも第1の液体121と第2の液体122との界面が位置する第1の仕切板35の部分の表面(具体的には、第1の液体121と第2の液体122との界面及び界面近傍に位置する第1の仕切板35の部分の表面、更には、第1の液体121と第2の液体122との界面及び界面近傍が位置する側面33の部分の表面)、並びに、少なくとも第3の液体123と第2の液体122との界面が位置する第2の仕切板37の部分(具体的には、第3の液体123と第2の液体122との界面及び界面近傍に位置する第2の仕切板37の部分の表面、更には、第3の液体123と第2の液体122との界面及び界面近傍が位置する側面33の部分の表面)の表面には、撥水処理が施されている。より具体的には、第1の仕切板35の側面(より一層具体的には、第1の仕切板35の側面に形成された絶縁膜145上)には撥水処理層36が形成されており、第2の仕切板37の側面(より一層具体的には、第2の仕切板37の側面に形成された絶縁膜145上)には撥水処理層38が形成されている。また、側面33の上に形成された絶縁膜145上には撥水処理層36が形成されている。実施例9〜実施例13においても同様である。尚、絶縁膜145の全ての領域の上に撥水処理層が形成されていてもよい。後述する実施例9〜実施例13においても同様である。
【0098】
また、実施例8の光学装置にあっては、第1の仕切板35は第1面31から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。
【0099】
ここで、実施例8の光学装置にあっては、第1の液体121及び第3の液体123は導電性を有し、第2の液体122は絶縁性を有する。実施例9〜実施例11においても同様である。
【0100】
そして、第1室13には、第1の液体121と接する第1電極41、及び、第1の液体121とは絶縁された第2電極42が配設されており、第2室14には、第3の液体123と接する第3電極、及び、第3の液体123とは絶縁された第4電極44が配設されている。具体的には、第2電極42は、絶縁膜145を介して第1の液体121と第2の液体122との界面に接しており、第4電極44は、絶縁膜145を介して第3の液体123と第2の液体122との界面に接している。ここで、第1電極41は、第1面31の内面に設けられた透明電極から成り、第3電極43は、第2面32の内面に設けられた透明電極から成る。また、第2電極42は、第1室13を構成する側面33の内面及び第1の仕切板35の側面に絶縁膜145で覆われた状態で設けられており、第4電極44は、第2室14を構成する側面33の内面及び第2の仕切板37の側面に絶縁膜145で覆われた状態で設けられている。
【0101】
第1の液体121と第2の液体122とは、不溶、不混合であり、界面において分離されており、この界面がレンズ面を構成する。また、第3の液体123と第2の液体122とは、不溶、不混合であり、界面において分離されており、この界面がレンズ面を構成する。実施例9〜実施例13においても同様である。
【0102】
第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第1電極41と第2電極42との間に電圧を印加すると、第1の液体21と第2の液体22との界面によって構成されたレンズ面が、図14の(A)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。一方、第3電極43と第4電極43との間に電圧を印加すると、第3の液体23と第4の液体24との界面によって構成されたレンズ面が、図14の(A)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例8の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる。後述する実施例9においても同様である。また、光路に配置された構成要素を減らすことができ、光透過率の向上を図ることができる。後述する実施例9〜実施例13においても同様である。
【0103】
尚、第2電極と第4電極を共通化することができる。即ち、第2電極と第4電極とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極と第4電極とを一体に形成してもよい。このような実施例8の光学装置の変形例を、第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図15の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図15の(B)に示す。図15の(A)及び(B)においては、第2電極と第4電極が共通化された電極を、第2電極42で示す。
【実施例9】
【0104】
実施例9は、実施例8の変形であり、具体的には、本発明の第2−Bの態様及び第2−aの態様に係る光学装置に関する。実施例9の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図16の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図16の(B)に示す。
【0105】
実施例9の光学装置にあっては、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例9の光学装置の構成、構造は、実施例8の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0106】
尚、第2電極と第4電極を共通化することができる。即ち、第2電極と第4電極とを共通の電極から構成してもよい。具体的には、第2電極と第4電極とを一体に形成してもよい。このような実施例9の光学装置の変形例を、第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図17の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図17の(B)に示す。図17の(A)及び(B)においては、第2電極と第4電極が共通化された電極を、第2電極42で示す。
【実施例10】
【0107】
実施例10も、実施例8の変形であり、具体的には、本発明の第2−Aの態様及び第2−bの態様に係る光学装置に関する。実施例10の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図18の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図18の(B)に示す。
【0108】
実施例10の光学装置にあっては、第1電極41は、第1室13を構成する側面33の内面に設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する側面33の内面に設けられており、第2電極42は、第1面31の内面、第1の仕切板35の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第4電極44は、第2面32の内面及び第2の仕切板37の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。以上の点を除き、実施例10の光学装置の構成、構造は、実施例8の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例11】
【0109】
実施例11は、実施例9の変形であり、具体的には、本発明の第2−Bの態様及び第2−bの態様に係る光学装置に関する。実施例11の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図19の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図19の(B)に示す。
【0110】
実施例11の光学装置にあっては、実施例10と同様に、第1電極41は、第1室13を構成する側面33の内面に設けられており、第3電極43は、第2室14を構成する側面33の内面に設けられており、第2電極42は、第1面31の内面、第1の仕切板35の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第4電極44は、第2面32の内面及び第2の仕切板37の側面及び側面33に絶縁膜145で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。以上の点を除き、実施例11の光学装置の構成、構造は、実施例9の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例12】
【0111】
実施例12も、実施例8の変形であり、具体的には、本発明の第2−Aの態様及び第2−cの態様に係る光学装置に関する。実施例12あるいは後述する実施例13が実施例9あるいは実施例10と相違する点は、第1の液体、第2の液体及び第3の液体の組成、配置が異なっている点にある。実施例12の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図20の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図20の(B)に示す。
【0112】
実施例12にあっては、第1の液体221及び第3の液体223は、絶縁性を有し、第2の液体222は、導電性を有する。そして、第1室13には、第2の液体222と接する第2電極42、及び、第2の液体222とは絶縁された第1電極41が配設されており、第2室14には、第2の液体222と接する第2電極42、及び、第2の液体222とは絶縁された第3電極43が配設されている。ここで、第1電極41は、第1絶縁膜45を介して第1の液体221と第2の液体222との界面に接しており、第3電極43は、第2絶縁膜46を介して第3の液体223と第2の液体222との界面に接している。尚、第2電極42は側面33の内面に設けられており、第1電極41は、第1面31の内面、第1の仕切板35の側面及び側面33に第1絶縁膜45で覆われた状態で設けられた透明電極から成り、第3電極43は、第2面32の内面、第2の仕切板37の側面及び側面33に第2絶縁膜46で覆われた状態で設けられた透明電極から成る。
【0113】
実施例12の光学装置にあっては、第1の仕切板35は第1面31から第2面32に向かって延びており、第2の仕切板37は第2面32から第1面31に向かって延びており、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。
【0114】
実施例12にあっても、第1電極41、第2電極42及び第3電極43は、図示しない接続部を介して、外部の制御回路に接続され、所望の電圧が印加される構成、構造となっている。そして、第2電極42と第1電極41との間に電圧を印加すると、第2の液体222と第1の液体221との界面によって構成されたレンズ面が、図20の(A)に示した下に凸の状態から、上に凸の状態に向かって変化する。一方、第2電極42と第3電極43との間に電圧を印加すると、第2の液体222と第3の液体223との界面によって構成されたレンズ面が、図20の(A)に示した上に凸の状態から、下に凸の状態に向かって変化する。レンズ面の変化状態は電極に印加する電圧によって変化する(式(A)参照)。こうして、実施例12の光学装置にあっては、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる。実施例13においても同様である。
【実施例13】
【0115】
実施例13は、実施例12の変形であり、具体的には、本発明の第2−Bの態様及び第2−cの態様に係る光学装置に関する。実施例13の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図21の(A)に示し、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図を図21の(B)に示す。
【0116】
実施例13の光学装置にあっては、実施例9と同様に、第1の仕切板35の底面と第1面31との間には隙間が存在し、第2の仕切板37の底面と第2面32との間には隙間が存在し、第1の仕切板35の頂面と第2の仕切板37の頂面との間には隙間が存在する。以上の点を除き、実施例13の光学装置の構成、構造は、実施例12の光学装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、第1面31の内面に設けられた第1電極41の部分と、第1の仕切板35の側面に設けられた第1電極41の部分とは、図示しない領域で一体となっており、第2面32の内面に設けられた第3電極43の部分と、第2の仕切板37の側面に設けられた第3電極43の部分とは、図示しない領域で一体となっている。
【0117】
例えば、実施例3において説明した光学装置(図4参照)は、以下の方法で作製することができる。
【0118】
先ず、側面33、仕切り面34、第1の仕切板35及び第2の仕切板36を作製する。尚、側面33には、液体を注入し、また、液体を排出するための注入口及び排出口を適宜設けておく。そして、側面33、仕切り面34、第1の仕切板35及び第2の仕切板36を、接着剤等を用いて組み立てる。次いで、例えば、スパッタリング法に基づき、側面33、仕切り面34、第1の仕切板35及び第2の仕切板36に、第2電極42及び第4電極44を形成し、例えば、スパッタリング法に基づき、第2電極42上に第1絶縁膜45を形成し、第4電極44上に第2絶縁膜46を形成し、更に、第1絶縁膜45及び第2絶縁膜46上に撥水処理層36,38を形成する。その後、第1電極41及び第3電極43が形成された第1面31及び第2面32を、側面33に固定する。
【0119】
次いで、第1室13及び第2室14を減圧しながら、側面33に設けられた注入口(図示せず)から第2の液体22及び第4の液体24を第1室13及び第2室14に注入する。次いで、側面33に設けられた注入口から第1の液体21及び第3の液体23を、加圧しながら第1室13及び第2室14に注入する。このとき、第1の液体21及び第3の液体23は、第2の液体22及び第4の液体24との間で界面を形成しながら注入され、第2の液体22及び第4の液体24の一部は排出口(図示せず)から排出される。最後に、注入口及び排出口を封止し、電極を外部の制御回路と接続することで、光学装置を完成させることができる。
【0120】
尚、他の実施例において説明した光学装置も、実質的に同様の方法で作製することができる。
【実施例14】
【0121】
実施例14は、本発明の照明装置に関する。実施例14の照明装置は、具体的にはストロボ装置から成る。実施例14の照明装置は、具体的には、実施例1〜実施例13において説明した光学装置、並びに、キセノン管から成る発光手段を具備している。実施例14の照明装置の概念図を、図22の(A)及び(B)に示すが、実施例1〜実施例13において説明した光学装置を備え、第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーが、独立して可変であり、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とによって形成されたレンズ(具体的には、第1円柱レンズと第2円柱レンズとが重複する領域によって構成されたレンズ)の焦点距離を可変とすることができる結果、広角側から望遠側まで照射角を可変としたストロボ装置を提供することができる。尚、図22には、実施例11において説明した光学装置を組み込んだ例を図示している。
【0122】
第1円柱レンズ群における光学パワー及び第2円柱レンズ群における光学パワーを各種の試験を行うことで決定し、光学装置の電極に印加すべき電圧をストロボ装置に記憶させておけばよい。尚、ストロボ装置及び発光制御回路等は、周知のストロボ装置及び発光制御回路等とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0123】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した光学装置や照明装置(ストロボ装置)の構成、構造は例示であるし、光学装置を構成する材料等も例示であり、適宜、変更することができる。光学装置の平面形状は正方形に限定されず、本質的に任意の形状(例えば、長方形や円形、楕円形、長円形等)とすることができる。また、実施例1〜実施例7においては、第1室の構成と第2室の構成を任意に組み合わせることができる。即ち、実施例1における第1室の構成と、実施例2〜実施例7における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例2における第1室の構成と、実施例1、実施例3〜実施例7における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例3における第1室の構成と、実施例1〜実施例2、実施例4〜実施例7における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例4における第1室の構成と、実施例1〜実施例3、実施例5〜実施例7における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例5における第1室の構成と、実施例1〜実施例4、実施例6〜実施例7における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例6における第1室の構成と、実施例1〜実施例5、実施例7における第2室の構成を組み合わせることができるし、実施例7における第1室の構成と、実施例1〜実施例6における第2室の構成を組み合わせることができる。また、第1円柱レンズ、第1円柱レンズ群の構成と、第2円柱レンズ、第2円柱レンズ群の構成を異ならせてもよい。第1電極、第2電極、第3電極、第4電極の構成、構造、配置状態も、これらの電極と直接、あるいは絶縁膜を介して接する液体の性質(導電性、絶縁性)に応じて、適宜、変更することができる。光学装置の第1円柱レンズ群に光が入射し、第2円柱レンズ群から光が出射してもよいし、光学装置の第2円柱レンズ群に光が入射し、第1円柱レンズ群から光が出射してもよい。また、実施例においては、第1円柱レンズ群と第2円柱レンズ群とを組み合わせたが、更に、軸線が延びる方向が同じの第3円柱レンズ群、第4円柱レンズ群・・・を組み合わせることもできる。
【0124】
実施例1〜実施例11においては、第1円柱レンズを構成する第2電極を第1円柱レンズ毎に分割し、分割された第2電極毎に印加する電圧を制御してもよいし、第2円柱レンズを構成する第4電極を第2円柱レンズ毎に分割し、分割された第4電極毎に印加する電圧を制御してもよい。また、実施例12〜実施例13においては、第1円柱レンズを構成する第1電極を第1円柱レンズ毎に分割し、分割された第1電極毎に印加する電圧を制御してもよいし、第2円柱レンズを構成する第3電極を第2円柱レンズ毎に分割し、分割された第3電極毎に印加する電圧を制御してもよい。
【0125】
あるいは又、本発明の第1の態様に係る光学装置等においては、
第1電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成る構成とすることができる。そして、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。あるいは又、このような構成の光学装置にあっては、更には、図23の(A)及び(B)、あるいは、図24の(A)及び(B)に示すように、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。尚、これらの変形例、あるいは、後述する変形例にあっては、第1の仕切板の側面にも第2電極が設けられ、第2の仕切板の側面にも第4電極が設けられている構成とすることもできる。
【0126】
あるいは又、本発明の第1の態様に係る光学装置等においては、
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成る構成とすることができる。そして、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。あるいは又、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。
【0127】
あるいは又、本発明の第1の態様に係る光学装置等においては、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられており、
第2電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成る、
構成とすることができる。そして、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。あるいは又、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第1電極は、第1室を構成する第1面の内面に延在して設けられており、
第3電極は、第2室を構成する第2面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。
【0128】
あるいは又、本発明の第1の態様に係る光学装置等においては、
第1電極は、第1室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2室を構成する仕切り面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられている、
構成とすることができる。そして、このような構成の光学装置にあっては、更には、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に延在して設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に延在して設けられている、
構成とすることもできる。
【0129】
あるいは又、本発明の第1の態様に係る光学装置等においては、
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられており、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられている、
構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】図1の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図2】図2の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例2の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図3】図3の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例2の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図4】図4の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例3の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図5】図5の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例4の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図6】図6の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例4の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図7】図7の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例5の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図8】図8の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例5の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図9】図9の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例5の光学装置の別の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図10】図10の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例6の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図11】図11の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例6の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図12】図12の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例7の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図13】図13の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例7の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図14】図14の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例8の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図15】図15の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例8の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図16】図16の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例9の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図17】図17の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例9の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図18】図18の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例10の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図19】図19の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例11の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図20】図20の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例12の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図21】図21の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例13の光学装置を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図22】図22の(A)及び(B)は、実施例14の照明装置の概念図である。
【図23】図23の(A)及び(B)は、実施例1の光学装置の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図24】図24の(A)及び(B)は、実施例1の光学装置の別の変形例を第2の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図、及び、第1の方向に沿った仮想垂直面で切断したときの模式的な断面図である。
【図25】図25の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1のレンズ構成、及び、従来のレンズ構成における配光角の変化を調べたシミュレーション結果を示すグラフである。
【図26】図26の(A)及び(B)は、電気毛管現象を説明するための原理図である。
【符号の説明】
【0131】
11・・・第1円柱レンズ、12・・・第2円柱レンズ、13・・・第1室、14・・・第2室、21,121,221・・・第1の液体、22,122,222・・・第2の液体、23,123,223・・・第3の液体、24・・・第4の液体、30,130・・・ハウジング、31・・・第1面、32・・・第2面、33・・・側面、34・・・仕切り面、35・・・第1の仕切板、37・・・第2の仕切板、36,38・・・撥水処理層、41・・・第1電極、42・・・第2電極、43・・・第3電極、44・・・第4電極、45・・・第1絶縁膜、46・・・第2絶縁膜、145・・・絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えた光学装置であって、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、仕切り面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、仕切り面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室には、第1の方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、第1の方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められおり、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第4の液体によって占められていることを特徴とする光学装置。
【請求項2】
少なくとも第1の液体と第2の液体との界面が位置する第1の仕切板の部分の表面、並びに、少なくとも第3の液体と第4の液体との界面が位置する第2の仕切板の部分の表面には、撥水処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
第1の仕切板は、第1面から仕切り面まで延びており、
第2の仕切板は、第2面から仕切り面まで延びていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
第1の仕切板は第1面から仕切り面に向かって延びており、
第2の仕切板は第2面から仕切り面に向かって延びており、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項5】
第1の仕切板は仕切り面から第1面に向かって延びており、第1の仕切板の頂面と第1面との間には隙間が存在し、
第2の仕切板は仕切り面から第2面に向かって延びており、第2の仕切板の頂面と第2面との間には隙間が存在することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
第1の仕切板の底面と第1面との間には隙間が存在し、
第2の仕切板の底面と第2面との間には隙間が存在し、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項7】
第1の液体と第2の液体とは、不溶、不混合であり、第1の液体と第2の液体との界面がレンズ面を構成し、
第3の液体と第4の液体とは、不溶、不混合であり、第3の液体と第4の液体との界面がレンズ面を構成することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項8】
第1の液体及び第3の液体は、導電性を有し、
第2の液体及び第4の液体は、絶縁性を有し、
第1室には、第1の液体と接する第1電極、及び、第1の液体とは絶縁された第2電極が配設されており、
第2室には、第3の液体と接する第3電極、及び、第3の液体とは絶縁された第4電極が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
第2電極は、第1絶縁膜を介して第1の液体と第2の液体との界面に接しており、
第4電極は、第2絶縁膜を介して第3の液体と第4の液体との界面に接していることを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
【請求項10】
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
【請求項11】
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられており、
第2電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成ることを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
【請求項12】
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、
(B)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群、
を備えた光学装置であって、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、及び、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室と第2室とは連通しており、
第1室には、第1の方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、第1の方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められており、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第2の液体によって占められていることを特徴とする光学装置。
【請求項13】
少なくとも第1の液体と第2の液体との界面が位置する第1の仕切板の部分の表面、並びに、少なくとも第3の液体と第2の液体との界面が位置する第2の仕切板の部分の表面には、撥水処理が施されていることを特徴とする請求項12に記載の光学装置。
【請求項14】
第1の仕切板は第1面から第2面に向かって延びており、
第2の仕切板は第2面から第1面に向かって延びており、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在することを特徴とする請求項12に記載の光学装置。
【請求項15】
第1の仕切板の底面と第1面との間には隙間が存在し、
第2の仕切板の底面と第2面との間には隙間が存在し、
第1の仕切板の頂面と第2の仕切板の頂面との間には隙間が存在することを特徴とする請求項12に記載の光学装置。
【請求項16】
第1の液体と第2の液体とは、不溶、不混合であり、第1の液体と第2の液体との界面がレンズ面を構成し、
第3の液体と第2の液体とは、不溶、不混合であり、第3の液体と第2の液体との界面がレンズ面を構成することを特徴とする請求項12に記載の光学装置。
【請求項17】
第1の液体及び第3の液体は、導電性を有し、
第2の液体は、絶縁性を有し、
第1室には、第1の液体と接する第1電極、及び、第1の液体とは絶縁された第2電極が配設されており、
第2室には、第3の液体と接する第3電極、及び、第3の液体とは絶縁された第4電極が配設されていることを特徴とする請求項12に記載の光学装置。
【請求項18】
第2電極は、絶縁膜を介して第1の液体と第2の液体との界面に接しており、
第4電極は、絶縁膜を介して第3の液体と第2の液体との界面に接していることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
【請求項19】
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成り、
第2電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第4電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられていることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
【請求項20】
第1電極は、第1室を構成する側面の内面に設けられており、
第3電極は、第2室を構成する側面の内面に設けられており、
第2電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第4電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成ることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
【請求項21】
第1の液体及び第3の液体は、絶縁性を有し、
第2の液体は、導電性を有し、
第1室には、第2の液体と接する第2電極、及び、第2の液体とは絶縁された第1電極が配設されており、
第2室には、第2の液体と接する第2電極、及び、第2の液体とは絶縁された第3電極が配設されていることを特徴とする請求項12に記載の光学装置。
【請求項22】
第1電極は、第1絶縁膜を介して第1の液体と第2の液体との界面に接しており、
第3電極は、第2絶縁膜を介して第3の液体と第2の液体との界面に接していることを特徴とする請求項21に記載の光学装置。
【請求項23】
第2電極は、側面の内面に設けられており、
第1電極は、第1面の内面に設けられた透明電極から成り、
第3電極は、第2面の内面に設けられた透明電極から成ることを特徴とする請求項21に記載の光学装置。
【請求項24】
液体レンズから成る円柱レンズが複数、ハウジング内に並置されて成ることを特徴とする光学装置。
【請求項25】
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群を備えた光学装置、並びに、
(B)発光手段、
を具備した照明装置であって、
光学装置は、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、及び、
(d)入射光に対して透明な仕切り面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、仕切り面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、仕切り面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室には、第1の方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、第1の方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められおり、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第4の液体によって占められていることを特徴とする照明装置。
【請求項26】
(A)液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第1円柱レンズが複数、並置された第1円柱レンズ群、及び、液体レンズから成り、軸線が第1の方向に延びる第2円柱レンズが複数、並置され、第1円柱レンズ群を通過した光が入射する第2円柱レンズ群を備えた光学装置、並びに、
(B)発光手段、
を具備した照明装置であって、
光学装置は、
(a)入射光に対して透明な第1面、
(b)入射光に対して透明であり、第1面に対面した第2面、及び、
(c)第1面と第2面を繋ぐ側面、
を有するハウジングを更に備えており、
第1面、及び、側面の一部によって第1室が構成され、
第2面、及び、側面の残部によって第2室が構成され、
第1室と第2室とは連通しており、
第1室には、第1の方向に延び、第1円柱レンズと第1円柱レンズとを仕切る第1の仕切板が配設されており、
第2室には、第1の方向に延び、第2円柱レンズと第2円柱レンズとを仕切る第2の仕切板が配設されており、
第1室は、第1円柱レンズとしての液体レンズを構成する第1の液体及び第2の液体によって占められており、
第2室は、第2円柱レンズとしての液体レンズを構成する第3の液体及び第2の液体によって占められていることを特徴とする照明装置。
【請求項27】
液体レンズから成る円柱レンズが複数、ハウジング内に並置されて成る光学装置、及び、発光手段を具備していることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−47716(P2009−47716A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−210739(P2007−210739)
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】