説明

光学記録媒体

【課題】 高速高密度記録が可能な、いわゆる青色レーザー用途に適する光学記録媒体を提供すること。
【解決手段】 基板上に記録層が形成される光学記録媒体の該記録層に含有する有機色素化合物を下記一般式(A)の5−ベンジリデン−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オンの誘導体とする。


【効果】 これら誘導体はいずれも300〜450nmにおいて極大吸収波長を示し、特に400nm付近において大きな吸収を示すものである。この吸収特性はいわゆる青色レーザーの波長に対応し、次世代の記録媒体であるblu−lay Discなどの光学記録媒体用の色素化合物として極めて有用である。また、特に2−エチルヘキシル基等を導入した化合物であれば、実際の光学記録媒体への塗膜に関しても、アルコール、ケトンなどへの溶解性が良く、結晶化し難い特性があるため、物理的特性としても良好である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザーによって、情報をパターンとして記録するための記録層を有する光学記録媒体に関するものであり、詳しくは、いわゆる青色レーザーによる記録に適した記録層、より詳しくは、記録層に用いられる色素化合物に特徴があるものである。
【背景技術】
【0002】
現在、CD−R/RW、DVD−R/RW、MOなど記録または再生が非接触で行われる等の優れた特徴から、各種記録媒体は大容量のデータを記録することができ、同じように大容量を記録し、保存するテープストリーマなどと比較するとランダムアクセスが容易である点、メディアの単価が低コストであることなどからコンピューターのようなデータ処理装置における外部記録装置として近年、急速に普及している。
【0003】
とりわけCD−RやDVD−Rにおいてはメディアが非常に安価であり、かつコンピューターの機種を選ばず互換性に優れていること、各種のDV機器などでも使用できる点で末端の一般消費者から専門機関、学校、官庁に至るまで幅広く使用されており、今後、ますます優位性を有するものと考えられている。
【0004】
近年になって扱うデータがそれまで文字データや静止画データのような比較的データ量の小さなものから映画のようなデータ量の多い動画データを記録するようになり、DVD−Rをもってしても記録容量が小さく、さらに大容量のデータを記録する要求が高まってきている。そこで青色レーザー等の波長の短いレーザーを用いた高速高密度の記録再生可能な光学記録媒体が提唱され、関連各社において開発研究されている。
【0005】
このように高密度で記録再生可能な光学記録媒体を開発する上で青色レーザー等の発振波長の短いレーザー光を用い高速かつ高密度の光記録媒体に記録するための有機色素材料が必要であるが、390nm〜430nm、特に最も重要な波長域である405nm付近に充分な極大吸収を持つ有機色素材料が開発されていないのが現状である。
【0006】
このような波長領域に吸収を持つ化合物としては、例えば、特許文献1〜5に記載されているような有機色素の基本骨格としてピラン化合物の誘導体、ポリアセンジイミド系色素の誘導体、シアニン系有機色素の混合物、メチン基のパラ位に特定のアミノ基を導入したベンゼン誘導体を用いる方法などが提案されている。
【特許文献1】特開2004−322564号公報
【特許文献2】特開2004−090372号公報
【特許文献3】特開2003−266954号公報
【特許文献4】特開2003−246142号公報
【特許文献5】特開2003−103935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば、特許文献3記載の合成化合物の吸収曲線チャートで見られるように、λmaxは350〜380nmにあり、405nm付近での吸収強度が小さく、必ずしもいわゆる青色レーザー光に対して適応しているとは言えない。
【0008】
また、上記のような有機色素材料を光学記録媒体として用いるには、該光学記録媒体の片面または両面に記録層に該有機色素材料を含有させる必要がある。このような記録層を形成するには、なんらかの有機溶媒に有機色素を溶解させてからスピンコートするのが一般的である。しかし、上記有機色素材料をスピンコートするには、溶媒としてトルエン、キシレン、セロソルブ系の有機溶媒を用いざるを得なかったが、かかる有機溶媒は、光学記録媒体の材質を傷めたり、環境上の問題があるなどの理由で使用が敬遠されているものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、下記の一般式(A)で示される5−ベンジリデン−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン誘導体のうち、(1)式中のR〜Rがそれぞれ下記の官能基または原子のうちいずれかであるチアゾリジン誘導体化合物が、光学記録媒体の記録層に含有されているものとすることを主要な解決手段とする。
【化1】


〜Rは、水素原子、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基(1〜3位のいずれかで枝分かれしているものを含む)、炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル基のうち、いずれかの官能基または原子であり、
は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(1〜3位のいずれかで枝分かれしているものを含む)、炭素数1〜3のカルボキシアルキル基のうち、いずれかの官能基または原子である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光学記録媒体は、記録層に上記化合物を含有させたため、記録層の吸収領域は、390〜430nmの範囲において大きな吸収を持ち、更に400nm付近の波長領域に極大吸収領域を持つため、405nm付近の波長を持ついわゆる青色レーザーの波長にちょうど対応する吸収帯を持つ媒体とすることができる。
【0011】
なかでも、下記(化22〜化25、化29)の化合物(a),(b),(c),(d)及び(e)のような、RやRが2−エチルヘキシル基,2−エチルヘキシルエステルなどである化合物は、イソプロピルアルコール他、種々の溶媒に対する溶解性に優れており、かつ基盤上に塗膜して乾燥させた後も、結晶化しにくいという優れた特性を持つため、下記の化合物(a)〜(e)では、基板上に容易に記録層を形成させることができる。
化合物(a)
【化22】

化合物(b)
【化23】

化合物(c)
【化24】

化合物(d)
【化25】

化合物(e)
【化29】

【0012】
また、上記化合物(a)〜(e)の他、本発明の化合物のうち、下記化合物(f)〜(k)については、青色レーザー用として適当な吸収帯を有する化合物であることが実験的にも明確となった。
化合物(f)
【化19】

化合物(g)
【化20】

化合物(h)
【化21】

化合物(i)
【化26】

化合物(j)
【化27】

化合物(k)
【化28】

【0013】
さらに、上記化合物は、湿式塗布法のみならず、蒸着法、スパッタリング法によっても基板上に成膜することができ、これらの方法によっても、良好な光学記録媒体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明につき詳細に説明する。本発明は、少なくとも片面に、レーザーによって記録可能な記録層を有する光学記録媒体についての発明であって、一般式(A)によって示される有機色素化合物を記録層に含有させたことを特徴とするものである。該記録層は、390〜430nmの青色光領域に吸収を有する。以下に前記一般式(A)において表される化合物について説明する。
【0015】
【化1】

【0016】
(A)式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表し、任意の置換基はさらに置換されていても良い。該任意の置換基の例としてR〜Rはフッ素、塩素、臭素等のハロゲン;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の置換されても良い炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基;ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基などの置換されても良い炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキルオキシ基;カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基等の置換されても良い炭素数1〜20の直鎖または分岐のカルボン酸エステル基;シアノ基;ニトロ基等が挙げられる。
【0017】
該任意の置換基の例としてRはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などの置換されても良い炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基;下記(化5〜化6)の−RCOOHで表されるアルキルカルボキシル基;下記(化7〜化16)の−RCOORで表される下記のアルキルカルボン酸エステル基が挙げられる。
【0018】
アルキルカルボキシル基(−RCOOH)
【化6】

【化7】

【化8】

【0019】
アルキルカルボン酸エステル(−RCOOR
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【0020】
上記有機色素化合物においては、一般式(A)においてR〜Rに水酸基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基を、Rにアルキル基、アルキルカルボキシル基、アルキルカルボン酸エステル基を特に選択し、化学修飾させて嵩高くすることで、結晶化しにくくすることができる。
【0021】
なかでもRやRが2−エチルヘキシル基や2−エチルヘキシルエステルなどである化合物は、種々の溶媒に対する溶解性に優れており、かつ基盤上に塗膜して乾燥させた後も結晶化しにくいという優れた特性を持つことが分かった。これは置換基として、嵩高い2−エチルヘキシル基等を導入した効果と思われる。このような特に良好な特性を有する化合物の具体例としては、上記の化合物(a),(b),(c),(d)及び(e)が挙げられる。
【0022】
本発明の光学記録媒体を作製するため、上記化合物を記録層に含有させる方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法などが一般的であるが、コスト面ではスピンコート法が望ましい。
【0023】
ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等により塗布する場合の塗布溶媒としては、基盤を侵さない溶媒であればよく、特に限定されない。一般的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールが良い。その他の塗布溶媒としては、例えばジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環状炭化水素系溶媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール等のフルオロアルキルアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒等が挙げられる。
【0024】
しかし、最近になって毒性のある溶媒や地球環境に影響を及ぼすおそれのあるこれらの溶媒は敬遠される傾向にあって、より安全性の高い低級アルコールなどに溶解しやすい化合物が求められるようになってきた。低級アルコールの例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール等が挙げられる。この中でメタノールは毒性が比較的強く、1−ブタノール、2−ブタノールは、沸点が高くて揮発性が悪い等の問題がある。またエタノールはコスト的に不利があるので、最も望ましい低級アルコールとしては低コストであり、毒性が低く、揮発性の良い、イソプロピルアルコール(IPA)が挙げられる。
【0025】
特に、化合物(a),(b),(c),(d)及び(e)はイソプロピルアルコールに対して比較的溶解性が良く、かつ前述のように基盤上に塗布して乾燥させた後も結晶化しにくいという優れた性質を持つ。
【0026】
また、上記有機色素化合物の塗布に際しては、前記溶媒中に結合剤、退色防止剤など公知の有用な物質も併せて含有させることができる。また前記記録層の他、光反射層や保護層など、記録媒体として好ましい層を適宜設けることもできる。
【実施例】
【0027】
以下に、本発明に用いる色素化合物の合成法と該色素化合物を用いた光学記録媒体の製造例を示す。ただし化合物の合成方法、記録媒体の製造方法はこれに限定されるものではない。
【0028】
(実施例1)
〔化合物(f);メチル−4−((4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−5−イリデン)メチル)ベンゾエートの合成〕
【化19】

【0029】
200mLの4つ口フラスコに水分定量受器のついた玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、ローダニン4.00g(0.03モル)、4−ホルミル安息香酸メチル4.92g(0.03モル)、酢酸アンモニウム1.2g(0.015モル)、酢酸4.5mL(0.075モル)、トルエン45mLを入れ110℃にて水を留去しながら1.5時間撹拌した。冷却後、結晶を濾過し取り、水洗後60℃の乾燥機にて一晩乾燥し、黄色の結晶7.83gを得た(粗収率93.4%)。その結晶を、メチルイソブチルケトン300mLを用いて再結晶して黄色の目的物5.99gを得た。得られた化合物の収率は、71.4%、融点は、231.6〜232.2℃であった。
【0030】
この化合物を高感度C,H,Nにて定量した。
<測定装置>
酸素循環燃焼・TCD検出方式 NCH定量装置
スミグラフ NCH−21型(住化分析センター製)
<測定結果>
C12H9NO3S2としての計算値
C(%)51.60;H(%)3.25;N(%)5.01
実測値 C(%)51.5;H(%)3.07;N(%)5.03
なお、他の実施例でも同じ測定装置でC,H,N定量を行った。
【0031】
また、HPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
装置:LC−6A((株)島津製作所製)
使用カラム:SUMIPAX ODSA−212 5μm 6mm×15cm
カラム温度:40℃
移動層:メタノ−ル:0.1Mクエン酸溶液=8:2
流速:1.0mm/min
<測定結果>
HPLC面百純度99.0%
なお、他の実施例でも移動層の溶液の種類を除き、同様の方法で純度測定を行った。
【0032】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(f)をメチルセロソルブに溶解し、2.0wt%に調製した。これを濾過した後の溶解液を回転数500〜600rpmで回転している透明なポリカーボネート円盤(直径12cm厚さ約1.2mm)上に滴下し、スピナー法により塗布した。塗布後、ドライヤーで乾燥させ、化合物(1)が記録層に含有されている光学記録媒体を得た。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、388nmであった。
<測定条件>
装置:UV−2450((株)島津製作所製)
測定波長:250〜500nm
なお、他の実施例においても、化合物を変更して、同様の方法で、記録媒体を作製し、同じ測定条件で紫外〜可視スペクトルの測定を行った。
【0033】
(実施例2)
〔化合物(g);5−(2,4ジヒドロキシベンジリデン)−2−チオキソチアゾリジン−4オンの合成〕
【化20】

【0034】
200mLの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、ローダニン4.00g(0.03モル)、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド4.14g(0.03モル)、酢酸アンモニウム1.2g(0.015モル)、酢酸4.5mL(0.075モル)、IPA45mLを入れ85℃にて1.5時間撹拌した。冷却後、結晶を濾過し取りし、水洗後60℃の乾燥機にて一晩乾燥し、朱色の結晶4.55g(粗収率59.9%)を得た。その結晶を、IPA220mLに溶かし、熱ろ過(75℃)、120mLIPAを回収し朱色の結晶2.23gを得た。得られた化合物の収率は、29.3%、融点は、262.6〜262.9℃であった。
【0035】
この化合物を実施例1と同じ装置で高感度C,H,Nにて定量した。
<測定結果>
C10H7NO3S2としての計算値
C(%)47.42;H(%)2.79;N(%)5.53
実測値 C(%)47.2;H(%)2.32;N(%)5.45
【0036】
また、実施例1と同様のHPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
移動層:メタノ−ル:0.1Mクエン酸溶液=8:2
<測定結果>
HPLC面百純度98.1%
【0037】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(g)を、実施例1と同様の方法で、光学記録媒体の記録層に含有させた。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、425nmであった。
【0038】
(実施例3)
〔化合物(h);5−(4−(ジメチルアミノ)ベンジリデン)−2−チオキソチアゾリジン−4−オンの合成〕
【化21】

【0039】
200mLの4つ口フラスコに水分定量受器のついた玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、ローダニン2.66g(0.02モル)、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド2.98g(0.02モル)、酢酸アンモニウム0.77g(0.01モル)、酢酸3mL(0.05モル)トルエン30mLを入れ110℃にて水を留去しながら1.5時間撹拌した。冷却後、結晶を濾過し取り、水洗後60℃の乾燥機にて一晩乾燥し、赤色の結晶4.92g(粗収率93.0%)を得た。その結晶を、ジメチルアセトアミド45mL、水80mLを用いて再結晶して赤色の目的物4.53gを得た。得られた化合物の収率は、86.0%、融点は、281.4〜281.7℃であった。
【0040】
この化合物を実施例1と同じ装置で高感度C,H,Nにて定量した。
<測定結果>
C12H12N2OS2としての計算値
C(%)54.52;H(%)4.58;N(%)10.60
実測値 C(%)52.5;H(%)4.49;N(%)10.2
【0041】
また、実施例1と同様のHPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
移動層:メタノ−ル:0.1Mクエン酸溶液=8:2
<測定結果>
HPLC面百純度97.6%
【0042】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(h)を、実施例1と同様の方法で、光学記録媒体の記録層に含有させた。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、451nmであった。
【0043】
(実施例4)
〔化合物(a);2−エチルヘキシル−4−((4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−5−イリデン)メチル)ベンゾエートの合成〕
【化22】

【0044】
200mLの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−2−チオキソチアゾリジン−4−オン
5.59g(0.02モル)、2−エチルヘキシルアルコ−ル5.21g(0.04モル)、ジブチルスズオキシド0.2g、トルエン50mLを入れトルエンを常圧にて回収した後、130℃〜140℃で6時間撹拌した。90℃まで冷却した後トルエン30mL、水30mLを入れて撹拌、静置後、分液(70℃)し、水洗2回(30mL、70℃)を行った後、トルエンを減圧回収し、65℃にてIPA30mLを加え、冷却後結晶を濾取し、60℃の乾燥機にて一晩乾燥し、黄色の結晶6.05gを得た。得られた化合物の収率は、83.3%、融点は、130.1〜131.0℃であった。
【0045】
この化合物を実施例1と同じ装置で高感度C,H,Nにて定量した。
<測定結果>
C19H23NO3S2としての計算値
C(%)60.45;H(%)6.14;N(%)3.71
実測値 C(%)59.8;H(%)6.03;N(%)3.70
【0046】
また、実施例1と同様のHPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
移動層:メタノ−ル:水=95:5
<測定結果>
HPLC面百純度97.6%
【0047】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(a)を、実施例1と同様の方法で、光学記録媒体の記録層に含有させた。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、375nmであった。
【0048】
(実施例5)
〔化合物(b);5−(4−(2−エチルヘキシルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−チオキソチアゾリジン−4−オンの合成〕
【化23】


200mLの4つ口フラスコに水分定量受器のついた玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、ローダニン2.66g(0.02モル)、4−(2−エチルヘキシル)−オキシ−3−メトキシベンズアルデヒド5.29g(0.02モル)、酢酸アンモニウム0.77g(0.01モル)、酢酸3mL(0.05モル)、トルエン30mLを入れ110℃にて水を留去しながら1.5時間撹拌した。トルエン20mL回収し冷却後、結晶を濾過し取り、トルエン10mL洗浄、水洗後60℃の乾燥機にて一晩乾燥し、黄色の結晶4.04g(粗収率53.2%)を得た。その結晶を、IPA25mLを用いて再結晶して黄色の結晶3.79gを得た。さらにIPA50mLを用いて再結晶(洗浄IPA10mL)により黄色結晶の3.06gを得た。得られた化合物の収率は、40.3%、融点は、134.2〜134.7℃であった。
【0049】
この化合物を実施例1と同じ装置で高感度C,H,Nにて定量した。
<測定結果>
C19H25NO3S2としての計算値
C(%)60.13;H(%)6.64;N(%)3.69
実測値 C(%)62.3;H(%)5.45;N(%)3.73
【0050】
また、実施例1と同様のHPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
移動層:メタノ−ル:水=95:5
<測定結果>
HPLC面百純度98.2%
【0051】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(b)を、実施例1と同様の方法で、光学記録媒体の記録層に含有させた。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、415nmであった。
【0052】
(実施例6)
〔化合物(c);メチル−4−((3−(2−エチルヘキシル)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−5−イリデン)メチル)ベンゾエートの合成〕
【化24】


200mLの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、
メチル−4−((4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−5−イリデン)メチルベンゾエート8.38g(0.03モル)、2−エチルヘキシルブロミド5.79g(0.03モル)、DMF 1.5g、炭酸水素ナトリウム5.04g(0.06モル)、ヨウ化カリウム0.3g(1.8×10−3モル)、メチルイソブチルケトン100mLを入れ115℃で8時間撹拌した。冷却後濾過し、濾液を減圧回収した。その残留物を、n−ヘキサン200mLを用いて抽出し熱濾過(60℃)し、溶媒を150mL減圧回収、濾過し取り7.63gの結晶を得た。さらにその結晶を、n−ヘキサン150mLで2回抽出し、冷却後 黄色の結晶5.4gを得た。得られた化合物の収率は、46.0%、融点は、73.2〜72.2℃であった。
【0053】
この化合物を実施例1と同じ装置で高感度C,H,Nにて定量した。
<測定結果>
C20H25NO3S2としての計算値
C(%)61.35;H(%)6.44;N(%)3.58
実測値 C(%)63.3;H(%)5.80;N(%)3.55
【0054】
また、実施例1と同様のHPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
移動層:メタノ−ル:水=95:5
<測定結果>
HPLC面百純度90.0%
【0055】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(c)を、実施例1と同様の方法で、光学記録媒体の記録層に含有させた。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、366nmであった。
【0056】
(実施例7)
〔化合物(d);5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−3−(2−エチルヘキシル)−2−チオキソチアゾリジン−4−オンの合成〕
【化25】


200mLの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−2−チオキソチアゾリジン−4−オン5.35g(0.02モル)、2−エチルヘキシルブロミド3.86g、炭酸水素ナトリウム3.36g(0.04モル)、ヨウ化カリウム0.4g(2.4×10−3)、メチルイソブチルケトン
200mLを入れ、115℃で10時間撹拌した。さらに、炭酸水素ナトリウム1.68g(0.02モル)、ヨウ化カリウム0.2g(1.2×10−3モル)を加え115℃で6時間撹拌した。冷却後、濾過し、ろ液を減圧回収し、その残留物をn−ヘキサン200mLで2回抽出し、冷却後黄色の結晶2.41gを得た。得られた化合物の収率は、31.8%、融点は、81.8〜82.1℃であった。
【0057】
この化合物を実施例1と同じ装置で高感度C,H,Nにて定量した。
<測定結果>
C18H22NO2S2としての計算値
C(%)62.03;H(%)6.36;N(%)4.02
実測値 C(%)62.5;H(%)5.51;N(%)3.71
【0058】
また、実施例1と同様のHPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
移動層:メタノ−ル:水=95:5
<測定結果>
HPLC面百純度99.0%
【0059】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(d)を、実施例1と同様の方法で、光学記録媒体の記録層に含有させた。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、428nmであった。図1には、測定した紫外〜可視スペクトルを示す。
【0060】
(実施例8)
〔化合物(i);2−(5−(2,4−ジヒドロキシベンジリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)アセチックアシッドの合成〕
【化26】


200mLの4つ口フラスコに水分定量受器のついた玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、ローダニンN−アセチックアシッド3.82g(0.02モル)、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド2.76g(0.02モル)、酢酸アンモニウム0.77g(0.01モル)、酢酸3mL(0.05モル)トルエン30mLを入れ110℃にて水を留去しながら1.5時間撹拌した。冷却後、結晶を濾過し取り、水洗後60℃の乾燥機にて一晩乾燥し、朱色の結晶3.13g(粗収率100.5%)を得た。その結晶とメチルイソブチルケトン50mLを30分間還流させ冷却後、結晶を濾過し取りして朱色の結晶2.25gを得た。得られた化合物の収率は、72.3%、融点を測定したところ、216℃で分解した。
【0061】
この化合物を実施例1と同じ装置で高感度C,H,Nにて定量した。
<測定結果>
C12H9NO5S2としての計算値
C(%)46.29;H(%)2.91;N(%)4.50
実測値 C(%)43.9;H(%)3.25;N(%)6.51
【0062】
また、実施例1と同様のHPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
移動層:メタノ−ル:0.1Mクエン酸溶液=8:2
<測定結果>
HPLC面百純度92.0%
【0063】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(i)を、実施例1と同様の方法で、光学記録媒体の記録層に含有させた。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、426nmであった。
【0064】
(実施例9)
〔化合物(j);2−(5−(4−(メトキシカルボニル)ベンジリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)アセチックアシドの合成〕
【化27】

【0065】
200mLの4つ口フラスコに水分定量受器のついた玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、ローダニンN−アセチックアシッド9.56g(0.05モル)、4−ホルミル安息香酸メチル8.21g(0.05モル)、酢酸アンモニウム1.93g(0.025モル)、酢酸7.5mL(0.125モル)、トルエン75mLを入れ110℃にて水を留去しながら1.5時間撹拌した。冷却後、結晶を濾過し取り、水洗後60℃の乾燥機にて一晩乾燥し、黄色の結晶16.1g(粗収率95.2%)を得た。その結晶5.0gとメチルイソブチルケトン100mLを30分間還流させ冷却後、結晶を濾過し取り、黄色の結晶4.3gを得た。得られた化合物の収率は、81.9%、融点を測定したところ、240℃で分解した。
【0066】
この化合物を実施例1と同じ装置で高感度C,H,Nにて定量した。
<測定結果>
C14H11NO5S2としての計算値
C(%)49.84;H(%)3.29;N(%)4.15
実測値 C(%)47.4;H(%)3.13;N(%)4.71
【0067】
また、実施例1と同様のHPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
移動層:メタノ−ル:0.1Mクエン酸溶液=8:2
<測定結果>
HPLC面百純度95.5%
【0068】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(j)を、実施例1と同様の方法で、光学記録媒体の記録層に含有させた。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、377nmであった。
【0069】
(実施例10)
〔化合物(k);2−(5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアジリジン−3−イル)アセチックアシドの合成〕
【化28】


200mLの4つ口フラスコに水分定量受器のついた玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、ローダニンN−アセチックアシッド9.56g(0.05モル)、バニリン7.61g(0.05モル)、酢酸アンモニウム1.93g(0.025モル)、酢酸7.5mL(0.125モル)、トルエン75mLを入れ110℃にて水を留去しながら1.5時間撹拌した。冷却後、結晶を濾過し取り、水洗後60℃の乾燥機にて一晩乾燥し、黄色の結晶15.4g(粗収率94.8%)を得た。その結晶5.0gとメチルイソブチルケトン100mLを30分間還流させ冷却後、結晶を濾過し取り、黄色の結晶4.5gを得た。得られた化合物の収率は、収率85.3%、融点を測定したところ、247℃で分解した。
【0070】
この化合物を実施例1と同じ装置で高感度C,H,Nにて定量した。
<測定結果>
C13H11NO5S2としての計算値
C(%)47.99;H(%)3.41;N(%)4.30
実測値 C(%)45.0;H(%)3.00;N(%)5.49
【0071】
また、実施例1と同様のHPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
移動層:メタノ−ル:0.1Mクエン酸溶液=8:2
<測定結果>
HPLC面百純度97.0%
【0072】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(k)を、実施例1と同様の方法で、光学記録媒体の記録層に含有させた。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、412nmであった。
【0073】
(実施例11)
〔化合物(e);2−エチルヘキシル2−(5−(4−ヒドドキシ−3−メトキシベンジリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル)アセテ−トの合成〕
【化29】


200mLの4つ口フラスコに水分定量受器のついた玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(5−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン)−4−オキソ−2−チオキソチアジリジン−3−イル)アセチックアシド3.25g(0.0
1モル)、2−ヘキシルアルコ−ル6.5g(0.05モル)、98%硫酸0.1gを入れ150〜160℃で8時間撹拌した。90℃まで冷却後、トルエン30mL、水30mLを入れて撹拌、静置後、分液(70℃)し、水洗2回(30mL、70℃)を行った。その後トルエンを減圧回収し、65℃にてIPA30mLを加え、冷却後結晶を濾過し取り、60℃の乾燥機にて一晩乾燥し、黄色の結晶1.73gを得た。得られた化合物の収率は、39.6%、融点は、122.0〜122.6℃であった。
【0074】
この化合物を実施例1と同じ装置で高感度C,H,Nにて定量した。
<測定結果>
C21H27NO5S2としての計算値
C(%)57.64;H(%)6.22;N(%)3.20
実測値 C(%)57.2;H(%)5.91;N(%)3.14
【0075】
また、HPLC分析により、純度を測定した。
また、実施例1と同様のHPLC分析により、純度を測定した。
<測定条件>
移動層:メタノ−ル:水=95:5
<測定結果>
HPLC面百純度96.3%
【0076】
〔記録媒体の作製〕
このようにして得られた化合物(e)を、実施例1と同様の方法で、光学記録媒体の記録層に含有させた。この記録層の紫外〜可視スペクトルを測定し、最大吸収波長を求めたところ、λmaxは、374nmであった。
【0077】
〔その他の評価〕
実施例1〜11で得られた化合物(a)〜(k)につき、赤外線吸収スペクトルを測定した。また化合物(a)〜(k)化合物を溶媒(クロロホルムまたはメタノール)に溶解させたときの溶液中の可視〜紫外線領域の最大吸収波長λmaxを測定し、これを記録層とした場合との最大吸収波長の異同を調べた。なお測定装置には、記録媒体としたときの記録層の可視〜紫外吸収測定と同じく、装置:UV−2450((株)島津製作所製)を用いた。
さらにイソプロピルアルコール(IPA)への溶解度を測定した。この際、化合物(a)〜(k)を光学記録媒体の記録層に含有させた場合の結晶性も目視で判断した。以上の評価をまとめて表1〜2に示す。また実施例1〜7の化合物(f)(g)(h)(a)(b)(c)(d)については、赤外吸収スペクトルを図2〜12に示す。なお、赤外吸収スペクトルの測定条件は次のとおりである。
装置:FTIR−8400S((株)島津製作所製)
検体:1/200(KBr)
【0078】
【表1】

【0079】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の光学記録用媒体は、その記録層に最大吸収の波長が、いわゆる青色レーザーの波長である410nm程度に存在する化合物を含有するので、該青色レーザー用の記録媒体として産業上利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】化合物(d)を含有する記録層の紫外〜可視吸収スペクトルである。
【図2】化合物(f)の赤外吸収スペクトルである。
【図3】化合物(g)の赤外吸収スペクトルである。
【図4】化合物(h)の赤外吸収スペクトルである。
【図5】化合物(a)の赤外吸収スペクトルである。
【図6】化合物(b)の赤外吸収スペクトルである。
【図7】化合物(c)の赤外吸収スペクトルである。
【図8】化合物(d)の赤外吸収スペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片面に、レーザーによって記録可能な記録層を有する光学記録媒体であって、
下記の一般式(A)で示される5−ベンジリデン−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン誘導体のうち、(1)式中のR〜Rがそれぞれ下記の官能基または原子のうちいずれかであるチアゾリジン誘導体化合物が、該記録層に含有されていることを特徴とする光学記録媒体。
【化1】


〜R=水素原子、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基(1〜3位のいずれかで枝分かれしているものを含む)、炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル基
=水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(1〜3位のいずれかで枝分かれしているものを含む)、炭素数1〜3のカルボキシアルキル基
【請求項2】
前記一般式(A)におけるR〜Rが、下記(a)〜(e)の記載の組み合わせのうち、いずれかの組み合わせである請求項1記載の光学記録媒体。
(a) R,R,R=H、
【化2】


(b) R,R=H、 R=OCH
【化3】


(c) R,R=H、 R=COOCH
【化4】


(d) R=H、 R=OCH、 R=OH、
【化4】


(e) R=H、 R=OCH、 R=OH、
【化5】

【請求項3】
前記一般式(A)におけるR〜Rが、下記(f)〜(k)の記載の組み合わせうち、いずれかの組み合わせである請求項1記載の光学記録媒体。
(f) R,R,R=H、 R=COOCH
(g) R,R=OH、 R,R=H
(h) R,R,R=H、 R=N(CH
(i) R,R=OH、 R=H、 R=CHCOOH
(j) R,R=H、 R=COOCH、 R=CHCOOH
(k) R=H、 R=OCH、 R=OH、 R=CHCOOH

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−45014(P2007−45014A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−232304(P2005−232304)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(301000675)シプロ化成株式会社 (33)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】