光学送信機及び受信機を有するタッチセンサー式システム
【課題】光学送信機及び受信機を有するタッチセンサー式システムを提供する。
【解決手段】表示面の領域(A)の上方に取り付けられる光学タッチセンサー式システムに関する。少なくとも前記面をカバーする「発光層」を、表示面の上方に作るために配置された2つの光源(S1,S2)と、光学場が少なくともその面をカバーする第一の撮像装置(C1)及び第二の撮像装置(C2)とを備え、光源は第一及び第二の撮像装置から分離されている。第一の物体(P)がその面の上方にあるとき、前記物体の第一及び第二の光る画像が第一の撮像装置及び第二の撮像装置によって捉えられ、三角測量によって表示面の上方にあるこの第一の物体の位置決定を可能にする。
【解決手段】表示面の領域(A)の上方に取り付けられる光学タッチセンサー式システムに関する。少なくとも前記面をカバーする「発光層」を、表示面の上方に作るために配置された2つの光源(S1,S2)と、光学場が少なくともその面をカバーする第一の撮像装置(C1)及び第二の撮像装置(C2)とを備え、光源は第一及び第二の撮像装置から分離されている。第一の物体(P)がその面の上方にあるとき、前記物体の第一及び第二の光る画像が第一の撮像装置及び第二の撮像装置によって捉えられ、三角測量によって表示面の上方にあるこの第一の物体の位置決定を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野はタッチセンサー式システム、そして特にタッチセンサー式の光学システムに関する。本システムの使用は特定の用途に限られないが、しかし本システムは、とりわけ航空機の計器パネル及びそれらの航空電子システムに適用される。
【背景技術】
【0002】
初期の商用航空においては、飛行を行なうために5人の操縦士が必要であった。この数は次に3人に減った。1980年代に、「ガラス・コックピット」(“glass cockpits”)、すなわち操縦とナビゲーション専用の大きな表示画面を有するコックピットの全般的な採用と共に、航空機関士のステーションが除去され、操縦士の数は従って2人に変わった。
【0003】
今日、操縦士とコックピットの画面の間の対話は、主としてキーボードと「マウス」タイプのコンピュータ・インターフェース又は「トラックボール」を経由して行なわれる。しかしながら、航空交通量の増加及び操縦士の数を減らす傾向により生じる操縦士に対する作業負荷の増大のために、航空機メーカー及び航空システム・サプライヤーは、今まで以上に効率的で、今まで以上に人間工学的なマンマシン・インターフェースを探求するようになっている。設計者達は、特に装置の能力が「マルチタッチ」(“multi−touch”)装置、すなわちパイロットもしくは操縦士により行なわれる複数の動作に対して、同時に応答できる装置となるように取り組んでいる。
【0004】
マンマシンの対話手段としてのタッチセンサー式画面の使用は、日常生活の中でますます広がりつつある。この対話手段は、より直感的で速いことを通じて、関連する装置の使用を大幅に容易にする。タッチセンサー式画面の使用は、それゆえ操縦士とコックピットの画面の間の対話を容易にし、従って操縦士の作業負荷を軽減すると同時に飛行の安全性を増す。
【0005】
しかしながら、コックピットへのタッチセンサー式画面の導入は或る問題を発生させる。コックピットの画面は一定の環境的要求に応えなければならない。これらは光学的制約、振動、電磁妨害、耐熱性、耐衝撃性、防水性等である。画面に対してタッチセンサー式の技術を加えることは、これらの要求に適合することを更に難しくする。
【0006】
今日、タッチセンサー式画面を装備した航空機は少数であり、それらのタッチセンサー式画面は、操縦及びナビゲーションに関する基本的な情報を提供する主要フライトディスプレイ(PFD)及びナビゲーションディスプレイ(ND)のような決定的に重要な画面ではない画面である。
【0007】
最近、各種の「マルチタッチ」(“multi−touch”)と呼ばれる、タッチセンサー式システムの技術が存在する。それらは抵抗性システム、投影型静電容量システム、光学システム、音響システム及び「イン・セル」(“in−cell”)システムを含む。光学技術は、「光学的画像」(“optical imaging”)技術、「赤外マトリックス」(“infrared matrix”)技術、及び「漏れ全反射」“frustrated total internal reflection”(FTIR)技術と呼ばれる技術を含む。これらの技術は、しかしながらコックピット内の決定的に重要な画面に対する、航空電子機器環境における使用に完全には適合しない。
【0008】
「マルチタッチ」の能力は以下の制限を有する次の技術により提供される:
―抵抗性技術
―画面の前方へのガラスパッドの追加と、
―低下した画面の反射率と、
―低減された画面の明るさと、
―航空電子機器環境用に硬化された「ガラス−ガラス」の解決策のための大きな励起力の必要性と、
―「デュアルタッチ」(“dual−touch”)での使用における、偽の励起又は「ゴースト」(“ghosts”)のあり得る発生と、
―画面の電線接続を通すための広い画面の縁部。
―投影型静電容量技術
―励起要素のサイズにより制限される解像度と、
―電磁放射に対する高い検出感度と、さらに放射を生み出す技術と、
―グローブを用いる励起に対する深刻な困難さと、
―ペンのような物体を用いる励起の不可能さ。
―音響技術
―未完成の技術と、
―振動する環境に対する感度と、
―画面の表面が、それを製品の残り部分から絶縁するために「浮遊」している、画面の低下した光学的性能。
―LCDパネルへ組み込まれる「イン・セル」技術
―光学技術:光の存在は不可欠:夜間使用での問題、
―容量性技術:画面の表面の不可欠な変形:画面を保護し保持するために航空電子工学において加えられた強化ガラスとは不適合。
―「赤外マトリックス」技術
―限られた解像度:劣ったギザギザのある線の輪郭と、
―信頼性及び製品寿命を低下させる多数の構成部品(照明LEDと光センサー)の使用と、
―暗視ゴーグルを使うときの不適合の問題。
―「漏れ全反射」(FTIR)技術
―画面の前方にガラスパッドを追加することにより生じる、低下した光学的性能と、
―低下した画面の反射率と、
―低減された画面の明るさと、
―暗視ゴーグルを使うときの不適合の問題。
―「光学的画像」技術
―センサーが飽和しているときの、強い照度の下での使用制限と、
―「デュアルタッチ」での使用におけるファントム画像の存在と、
―暗視ゴーグルを使うときの不適合の問題。
【0009】
光学技術のうち、「光学的画像」システムは現在のところ最も広まっている。この技術を実施する各種の技術的原理が存在する。その一例はPCT特許出願の国際公開第2005/031554号パンフレットの主題である、日本企業EIT社の「光学的位置検出器」である。
【0010】
上記の出願において説明されている技術的原理は、その出願の図面に基づく、図1及び2に表わされている。図1において見られるように、表面1上の物体又は使用者の指の位置を検出するのに用いられる装置は、基本的に2つの同じ送信−受信モジュール2、及び表面1の周囲に配置された逆反射障壁3を備える。この障壁は図1においてU型である。各々の送信−受信モジュール2は、表面1の全体を照らすために配置された光源21と、領域が表面1の全体をカバーする線形光電センサー又は表面光電センサー22を含む、受信システムとを備える。動作は次の通りである。表面近傍にある、又は表面に接する物体が何ら無い場合、光源21により放射される光は障壁3により逆反射され、センサー22の表面全体を照らす。表面近傍における、又は表面に接する物体4の存在下では、光源21により放射され、その物体によって遮られた光は、障壁における反射の前にも後にもセンサー22の表面に到達せず、影を作る。図2は、表面1の左右に位置するモジュール2のセンサー22R及び22L上の光の分布を示す。影4R及び4Lの位置は表面1上の物体の位置を表わす。センサー22R及び22L上のそれらの正確な位置を解析することにより、物体4の位置を決定することが容易である。コンピュータ5はこの処理を行なう。
【0011】
このシステムの別の変形が存在する。例えば、画面の縁部は外部の赤外線発光体、又は縁部内へ組み込まれた赤外線発光体により照らされ得る。2つのマトリックス・センサーは次に光の縁を撮像し、ポインターが画面と相互作用するとき、影の存在を検出する。
【0012】
これらの技術的解決策は次の制限及び欠点を有する:
―NVG(暗視ゴーグル)の適合性:光源は例えば880nmの近赤外線の波長で作用し、それは光源を暗視ゴーグルの使用に対して不適合にする。
―明度の小さなダイナミックレンジ:CCD又はCMOSタイプのマトリックス・センサーに基づく現代の解決策は、限られた捕捉のダイナミックレンジを有し、これらのセンサーは、固定された露光時間において、あまり広範囲の明度にわたっては機能できないが、コックピットに入射する日光は数桁のオーダーで変化し得、光学的画像のタッチセンサー式画面は、日光が直接的に画面を照らすとき、周辺光によって速やかに飽和する。
―画像処理の複雑さ:現存する、いわゆる“COTS”(「汎用部品」)と呼ばれる解決策は、航空電子工学の認証の権威者によって複雑とみなされた電子部品及びソフトウェアを使用する。マトリックス・センサーは、洗練された制御及び捕捉の電子機器を必要とする。使用されるソフトウェアの情報源へのアクセスは困難である。また、その構成部品は高価である。
―ファントム画像につながる誤動作の可能性:2つのポインターを同時に使ういわゆる「デュアルタッチ」と呼ばれる操作において、現代の解決策は誤動作を生じる検出の副作用を、しばしば示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
「光学的画像」技術の利点を保持しながら、本発明のシステムは上記の問題の幾つかを全体的又は部分的に解決する。本解決策はポインター及び、表示が動的であるか又は静的表示領域にある、その画面上の位置の検出を可能にするための、正確に位置する一組の光センサーと照明源にある。影に依存し、検出されるべき物体が明るい背景上に暗く現われる前のシステムとは異なり、本発明のシステムは直接的検出によって動作し、検出されるべき物体は、暗い背景上で感光性表面のレベルにおいて輝く。
【0014】
本装置は、関連する画面の低下しない光学的性能、その技術の小さな全体サイズ、低価格のCOTS部品の使用による安価さ、システムの軽量さ、様々なコックピット構成への適合性、非常に大きなタッチセンサー式表面を有する可能性等である、いわゆる「光学的画像」と呼ばれるシステムの利点を保持する。
【0015】
さらに、本発明の解決策はNVG(暗視ゴーグル)の適合性、「マルチタッチ」使用、高い照度での動作、単純で制御可能な制御電子機器及び関連するソフトウェア、安全性の制約に適合するために必要な冗長性の問題を解決する。
【0016】
それの別の利点はより少数の光源の使用、及びそれらの位置決定における大きな自由度である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
より正確には、本発明は、表示面の検出領域の上方に取り付けられる光学タッチセンサー式システムを目的とし、前記システムは、少なくとも前記領域をカバーする「発光層」を、表示面の前記領域の上方に作るために配置される第一の光源と、光学場が少なくとも前記領域をカバーする第一の撮像装置及び第二の撮像装置とを備え、第一の光源が第一及び第二の撮像装置から分離されており、第一の物体が前記領域の上方にあるとき、前記物体の第一及び第二の光る画像が第一の撮像装置及び第二の撮像装置によって捉えられ、本システムが、第一及び第二の光る画像の既知である位置の三角測量によって、表示面の前記領域の上方にある、この第一の物体の位置決定を可能にする解析手段を含むことを特徴とする。
【0018】
本システムは、第一及び第二の物体が表示面の領域の上方にあるとき、第一の物体の第一、第二、及び第三の光る画像が第一、第二、及び第三の撮像装置により捉えられ、第二の物体の第四、第五、及び第六の光る画像が第一、第二、及び第三の撮像装置により捉えられるように、有利なことに第三の撮像装置を含み、本システムは、六つの光る画像の既知である位置の三角測量によって、表示面の前記領域の上方にある、第一の物体及び第二の物体の位置決定を確実に可能にする解析手段を含む。
【0019】
本システムは、有利なことに第一の光源から分離されている第二の光源を含む。この場合、第一の実施形態において、第一及び第二の光源は光学タッチセンサー式システムの正常な動作中に、周期的にしかし決して同時にではなく光を放射する。第二の実施形態において、第一の光源は第一のスペクトル帯域において照射し、第二の光源は第一のスペクトル帯域から分離されている第二のスペクトル帯域において照射し、撮像装置は2つのスペクトル帯域のうちの1つだけの伝達を可能にする、スペクトル・フィルターを含む。それらの光源は互いに干渉しないように交互に点灯され得る。
【0020】
有利なことに、光を増幅するゴーグルを用いた夜間の使用に対して、光源は暗視ゴーグルの増幅スペクトル帯域の外側にあるスペクトル帯域内で照射し、撮像装置は前記光源の前記スペクトル帯域において感度が高い。
【0021】
光源は、有利なことに表示面の領域の上方及びそれに対して直角な平面内の、平均照度が実質的に一定であるように配置された光学的手段を含む。より正確には、光学的手段は視準の光学的部分及び、光ガイド又は規則的に配置された拡散パターンを含む光ガイドを備える。
【0022】
撮像装置は、有利なことに日除けを含み、表示面の周囲は有利なことに日光吸収障壁によって囲まれている。
【0023】
第一の用途において、表示面は実質的に長方形であり、タッチセンサー式の領域は前記表示面全体をカバーする。
【0024】
第二の用途において、表示面は複数の領域を含み、システムは少なくとも1つの物体の位置が各領域内で決定され得るように配置された、複数の光源及び撮像装置を含む。
【0025】
表示面は有利なことに表示画面であり、あるいは静的表示領域を含む。
【0026】
好適な用途において、表示面は航空機のコックピット内に取り付けられた航空電子システムに属する。これに関連して、表示面は計器パネルの一部分又は全体をカバーする。
【0027】
本発明は、制限されない例として与えられる以下の記述、及び添付図を踏まえてより良く理解され、その他の利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】既にコメントしている、先行技術の光学タッチセンサー式システムを表わす。
【図2】既にコメントしている、先行技術の光学タッチセンサー式システムを表わす。
【図3】1つの光源及び2つの撮像装置を含む、本発明の第一の光学タッチセンサー式システムを表わす。
【図4】表示領域内が押された場合に、図3の撮像装置により受信される信号を表わす。
【図5】日光の照度の影響及びそれらを軽減する手段を表わす。
【図6】2つの撮像装置を用いるときに、2つの位置を同時に決定することの問題を例証する。
【図7】3つの撮像装置を用いるときに、2つの位置を同時に決定することを例証する。
【図8】2つの光源及び3つの撮像装置を含む、本発明の光学タッチセンサー式システムを表わす。
【図9】前の装置の光源及び撮像装置を管理する1つの可能な方法を表わす。
【図10】画面の全幅をカバーする光線により、表面が照らされる解決策を表わす。
【図11】画面の全幅をカバーする光線により、表面が照らされる解決策を表わす。
【図12】本発明の光学タッチセンサー式システムを備える、航空機の計器パネルを表わす。
【図13】本発明の光学タッチセンサー式システムを備える、航空機の計器パネルを表わす。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の光学タッチセンサー式システムは、表示面の検出領域の上方に取り付けられる。それは一般に、1つ以上のポインターP及び、表示面Aの上方におけるそれらの位置の検出を可能にするために、正確に位置する一組の光学撮像装置C及び照明源Sを備える。
【0030】
表示面Aは1つ以上の表示画面であり得る。動的表示の表現がそのとき用いられる。それは粘着ステッカー、スクリーン印刷、又はこれら2つの機能の組合せを用いて作られる、静的表示領域であってもよい。
【0031】
ポインターPは、使用者の1本以上の指、タッチペン、あるいはその他の任意の物体であり得る。条件としては、ポインターが正確に検出されるためには広すぎないこと、及びそれが少なくとも部分的に拡散することのみである。
【実施例】
【0032】
本発明のシステムの一般的な動作原理は、最も単純な場合、すなわち単一の検出領域A、単一の照明源S、2つだけの撮像装置C1とC2、及び検出されるべき唯一つのポインターの場合において、図3及び4に示されている。明らかになるように、記述されている原理は複数の検出領域、及び検出されるべき複数のポインターに一般化することが容易である。同様に、図3の検出領域は長方形であるが、本発明のシステムは様々なタイプの検出領域の形状に容易に適合し得る。光源及び撮像装置の位置もまた例として与えられている。
【0033】
照明源Sは、表示面から延びる厚さ数mmの層内で、表示領域に平行に光を放射する。この「発光層」は、勿論全ての検出領域をカバーしなければならず、そして撮像装置を照らさない。この光源は、それが表示領域内の特定の位置を指定するとき、ポインターPを照らすのに役立つ。発光ダイオード又はレーザーダイオードが使用され得る。この場合、それらはタッチセンサー式領域の全体をカバーするために、光線を広げるためのディフューザー及び/又は光学的部分と組み合わされる。
【0034】
各撮像装置は焦点調節の光学的部分と光センサーを含む。各撮像装置は実際にはマイクロカメラである。光センサーは感光性の画素から成り、表面タイプ又は線形タイプであり得る。それは表示領域の面に平行な平面内の表示領域の、表面の画像を形成する。表示領域の上にポインターが無い場合、センサーは光を検出せず従って画像は暗い。ポインターが照らされる場合、それは光を反射及び拡散し、それは2つの撮像装置のセンサーに対して光る画像を作り出す。センサーにより届けられ、図4に表わされている信号SC1及びSC2は、処理後に、図4において見られ得るようにポインターと関連する感光性画素Pk及びPjの決定を可能にする。これらの画素Pk及びPjの位置を知ると、センサーの平面とポインター間の角度を決定することは容易である。ポインターと2つのセンサー間の2つの角度を知ることは、表示領域上のポインターの位置(Xp,Yp)が三角測量により決定されることを可能にする。
【0035】
事前の較正は、センサー同士の相互に対する位置及び方向を決定できるようにする。
【0036】
特に航空の環境において使用されるとき、本発明のシステムは、日光の大きな照度及び、夜間における幾つかの用途の双方の下で機能しなければならない。
【0037】
太陽の照射の下での動作を確実にするため、図5に説明される様々な技術が用いられる。撮像装置Cのセンサーの飽和の危険性を制限するため、関連する光源の波長に固定されたスペクトル・フィルターFが、焦点調節の光学的部分の手前に追加される。このようにして、ポインターにより反射された信号を劣化させることなく、太陽の照射は大幅に弱められる。
【0038】
「光学的画像」技術に基づく既存の解決策に関する主要な問題である、ポインターが日光により照らされる場合、検出器により捉えられる信号は妨害されない。反対に、それは増幅され、残りの画像は依然として暗いためポインターはより良く検出される。
【0039】
しかしながら、日光がセンサーの視野内に配置された、ポインター以外の物体により反射される場合、これは誤動作を生じ得る。その物体が小さく、ポインターに等しいサイズである場合、センサーにより受信された光の信号は、ポインターにより放出された信号を覆い隠さない。「侵入的な」物体の位置はタッチセンサー式領域の外側にあるとして決定され、それゆえ本システムはそれを無視する。
【0040】
ポインターからの信号を覆い隠すために、十分に強力な信号を除去するため、タッチセンサー式領域はセンサーの視野をカバーするのに十分な厚さ、すなわち数mmの光吸収縁部R.A.により囲まれている。
【0041】
最後に、幾つかの場合において、撮像装置の賢明な位置決定は非常に多くの太陽照射の問題を除去することができる。従って、本システムが計器パネル上に配置されるとき、コックピットのグレヤシールドの下部内側に撮像装置を置くことは、太陽によるセンサーの直接照射を防止できるようにする。
【0042】
さらに、センサーを組み込んでいるモジュールの賢明な設計は、太陽が直接センサーを照らすことを防止できる。図5に示すように、撮像装置にグレヤシールドG又は日除けを追加することで、太陽光線はセンサーの直接照射を可能にする入射の限界角度には決して到達しない。
【0043】
夜間に、暗視ゴーグル(NVG)の使用との適合性を確実にするため、光源は一般に930nmであるゴーグルの増幅波長を超えた所にある、発光スペクトルを有する。これらの光源はレーザーダイオード又は発光ダイオードである。そのときセンサーはこれらの波長に適合するスペクトル感度を有する。
【0044】
既に述べたように、単一の物体を検出するいわゆる「モノタッチ」モードと呼ばれる操作に対して、少なくとも2つのセンサー及び1つの光源が必要とされる。「デュアルタッチ」モードとして知られる、2つ以上の物体を検出するモードにおける操作に対して、2つの撮像装置はもはや十分ではない。図6において見られるように、タッチセンサー式表面上の2つの異なる位置における、2つの物体P1及びP2の同時の存在は、各センサーC1及びC2に対して2つの画像を生み出すであろう。これら2つの画像は、第一センサーに対する座標Pk1とPk2、及び第二センサーに対する座標Pj1とPj2を有する。勿論、どちらの物体にこれらの異なる座標が属するかを決めることは不可能である。図表に関して、図6において見られるように、2つの実際の物体P1とP2、及び2つのファントム物体又は「ゴースト」G1とG2である、4つの物体があり得る。
【0045】
不確定性を解決するためには、図7において見られるような第三の撮像装置C3を追加することで十分である。この第三の撮像装置の配置は、勿論第一の撮像装置の位置と、この第三の撮像装置によってカバーされる領域に依存する。3つの撮像装置が常に正しく照らされていることを確実にするため、図8において見られるように第二の光源S2を加えることもまた可能である。
【0046】
しかしながら、第三の撮像装置から始まって、新たな撮像装置及び少なくとも1つの光源の追加は、図8において見られるように、他の撮像装置によって受信された信号を妨げ得る。様々な撮像装置は、発光源によって直接照らされないことが必須である。この問題に対して2つの解決策が存在する。
【0047】
第一は、光源の波長を賢明に選ぶことにより、異なるセンサーに対して異なるスペクトルフィルタリングを適用することである。例えば、光源S2の波長がスペクトルフィルタリングにより退けられる一方で、センサーC1とC2の検出スペクトル帯域は光源S1の波長に適合し、光源S1の波長が異なるスペクトルフィルタリングにより退けられる一方で、センサーC3の検出スペクトル帯域は光源S2の波長に適合する。
【0048】
第二の解決策は、光源により放出される信号を時間的に順序付けすることである。図9は、2つの光源、3つの撮像装置、及び2つの検出された物体を伴う、タッチセンサー式システムの場合の、このタイプのシーケンスの1つの可能な例を示す。シーケンスの全体持続時間はTに等しい。この持続時間Tは、一般に数ms〜数十msの範囲内にある。各持続時間Tは2つの半期を含む。第一の半期の間、第一の光源S1はオンで第二の光源S2はオフである。第一センサーC1及び第二センサーC2は作動し、第三センサーC3はオフである。第二の半期の間、第一の光源S1はオフで第二の光源S2はオンである。第一センサーC1及び第二センサーC2はオフで、第三センサーC3は作動している。従って、第一の光源は第三センサーを決して照らさず、第二の光源は第一及び第二センサーを決して照らさない。センサーから来る異なる信号SC1、SC2、及びSC3の解析は、2つの物体の位置決定を可能にする。この解決策はまた、ポインターが検出されないとき、全てのセンサー及び光源を同時に作動させることにより、様々なセンサー及び光源の正しい動作の検証を可能にする。これは、センサーC1及びC2が光源S2を「見ること」、及びセンサーC3が光源S1を「見ること」を検証する。
【0049】
1つ以上のセンサー及び1つ以上の光源の追加は、「マルチタッチ」操作に加えて、航空電子工学の安全性の制約に適合することに関して便利な冗長性を可能にする。
【0050】
1つの点光源が検出領域の全体を照らすために使われる場合、その照明は照明源からの距離に応じて大幅に変化する。理論的に、センサーによる検出は受光のレベルとは別個である。実際に、光源が領域の幅全体をカバーする均一の光線において、均一に分布することは有利であり得る。このために、光ガイド方式の形作る光学的部分が、検出領域の表面上のどの位置にそれがあろうと、指示器のより均一な照明を可能にするために使用される。
【0051】
図10は、この均一な分布の光源に関する第一の実施形態を示す。光源はフレネル反射器の視準の光学的部分を含む。これらの光学的部分は、一般的に内部全反射又は空気中の直接反射のいずれかにおいて使用され得る、パラボラの一部分である。平行にされた光は次に光ガイドGLによって均一に拡散させられる。光源S1は検出領域の全幅をカバーするために増倍され得る。
【0052】
図11はこの均一な分布の光源に関する第二の実施形態を示す。この場合、光ガイドGLは規則的に隔てられた拡散パターンを含む。これらのパターンは一般にマイクロプリズムμPである。ガイドは、その縁部に改善された指向性を可能にするプリズムを伴う膜を有し得る。光はそのとき僅かに拡散されるが、指示器の照明は単一の光源よりもさらに均一のままである。
【0053】
照明を均一にするため、1つの領域の同じ側にある複数の同じ光源を用いることも同様に可能である。
【0054】
本発明の光学タッチセンサー式システムは、とりわけ航空用途に、そして特に航空機の計器パネルに適用される。それを様々なコックピットの構成に適合させることは容易である。図12及び13は、2つの異なるコックピット構成を示す。第一の構成は、T字形に配置された6つの表示画面Dと、関連する制御パネルを含む。7つの光源Sと9つの撮像装置Cを含むタッチセンサー式システム構成が、計器パネル全体をカバーすることの保証のために必要であり、後者は2つの異なるパネルから成ることが見られる。第二の構成は、T字形に配置された4つの表示画面と、関連する制御パネルを含む。6つの光源Sと8つの撮像装置Cを含むタッチセンサー式システム構成が、計器パネル全体をカバーすることの保証のために必要であり、後者は2つの異なるパネルから成ることが見られる。コックピット構成がどうであろうと、画面及びボタン類を含めて全部の計器パネルをタッチセンサー式とするために、十分な数と好都合な場所において、センサー及び光源を設置することで十分である。
【0055】
要約すると、本発明の光学タッチセンサー式システムは次の利点:
―表示画面の光学的性能を妨害なしに保持することと、
―強い照明の下での動作と、
―カバーされるべき設置に応じた、適合及び発展に対する高い能力と、
―必ずしも均質かつ長方形でない、非常に大きな領域にわたる検出と、
―最適な信頼性及び安全性に対する高い冗長性と、
―ファントム画像を作ることなく、モジュールを追加することによる「デュアルタッチ」又はより高度のモードにおける使用と、
―暗視ゴーグルの使用との適合性(930nmを超える波長でのセンサー及び光源)と、
―線形センサー又は表面センサー、レーザーダイオード又はLEDのような低価格構成部品の使用と、
―発光源と撮像装置が分離している、高レベルのシステムのモジュール方式と、
―システムが何ら力を加えることを必要としないための、ポインターと流体の相互作用と、
―先行技術の代替解決策よりも大幅に改善された解像度及び精度と
を有する。
【符号の説明】
【0056】
1 表面
2 送信−受信モジュール
3 逆反射障壁
4 物体
4L 影
4R 影
5 コンピュータ
21 光源
22L センサー
22R センサー
C 撮像装置
C1 第一のセンサー
C2 第二のセンサー
C3 第三のセンサー
S 光源
S1 第一の光源
S2 第二の光源
P ポインター
A 表示面
Yp ポインターの位置
Xp ポインターの位置
SC1 信号
SC2 信号
SC3 信号
G 日除け
F スペクトル・フィルター
R.A. 日光吸収障壁
G1 ゴースト
G2 ゴースト
P1 第一の物体
P2 第二の物体
T 持続時間
GL 光ガイド
μP 拡散パターン
D 表示画面
Pk 画素
Pj 画素
Pk1 座標
Pk2 座標
Pj1 座標
Pj2 座標
【技術分野】
【0001】
本発明の分野はタッチセンサー式システム、そして特にタッチセンサー式の光学システムに関する。本システムの使用は特定の用途に限られないが、しかし本システムは、とりわけ航空機の計器パネル及びそれらの航空電子システムに適用される。
【背景技術】
【0002】
初期の商用航空においては、飛行を行なうために5人の操縦士が必要であった。この数は次に3人に減った。1980年代に、「ガラス・コックピット」(“glass cockpits”)、すなわち操縦とナビゲーション専用の大きな表示画面を有するコックピットの全般的な採用と共に、航空機関士のステーションが除去され、操縦士の数は従って2人に変わった。
【0003】
今日、操縦士とコックピットの画面の間の対話は、主としてキーボードと「マウス」タイプのコンピュータ・インターフェース又は「トラックボール」を経由して行なわれる。しかしながら、航空交通量の増加及び操縦士の数を減らす傾向により生じる操縦士に対する作業負荷の増大のために、航空機メーカー及び航空システム・サプライヤーは、今まで以上に効率的で、今まで以上に人間工学的なマンマシン・インターフェースを探求するようになっている。設計者達は、特に装置の能力が「マルチタッチ」(“multi−touch”)装置、すなわちパイロットもしくは操縦士により行なわれる複数の動作に対して、同時に応答できる装置となるように取り組んでいる。
【0004】
マンマシンの対話手段としてのタッチセンサー式画面の使用は、日常生活の中でますます広がりつつある。この対話手段は、より直感的で速いことを通じて、関連する装置の使用を大幅に容易にする。タッチセンサー式画面の使用は、それゆえ操縦士とコックピットの画面の間の対話を容易にし、従って操縦士の作業負荷を軽減すると同時に飛行の安全性を増す。
【0005】
しかしながら、コックピットへのタッチセンサー式画面の導入は或る問題を発生させる。コックピットの画面は一定の環境的要求に応えなければならない。これらは光学的制約、振動、電磁妨害、耐熱性、耐衝撃性、防水性等である。画面に対してタッチセンサー式の技術を加えることは、これらの要求に適合することを更に難しくする。
【0006】
今日、タッチセンサー式画面を装備した航空機は少数であり、それらのタッチセンサー式画面は、操縦及びナビゲーションに関する基本的な情報を提供する主要フライトディスプレイ(PFD)及びナビゲーションディスプレイ(ND)のような決定的に重要な画面ではない画面である。
【0007】
最近、各種の「マルチタッチ」(“multi−touch”)と呼ばれる、タッチセンサー式システムの技術が存在する。それらは抵抗性システム、投影型静電容量システム、光学システム、音響システム及び「イン・セル」(“in−cell”)システムを含む。光学技術は、「光学的画像」(“optical imaging”)技術、「赤外マトリックス」(“infrared matrix”)技術、及び「漏れ全反射」“frustrated total internal reflection”(FTIR)技術と呼ばれる技術を含む。これらの技術は、しかしながらコックピット内の決定的に重要な画面に対する、航空電子機器環境における使用に完全には適合しない。
【0008】
「マルチタッチ」の能力は以下の制限を有する次の技術により提供される:
―抵抗性技術
―画面の前方へのガラスパッドの追加と、
―低下した画面の反射率と、
―低減された画面の明るさと、
―航空電子機器環境用に硬化された「ガラス−ガラス」の解決策のための大きな励起力の必要性と、
―「デュアルタッチ」(“dual−touch”)での使用における、偽の励起又は「ゴースト」(“ghosts”)のあり得る発生と、
―画面の電線接続を通すための広い画面の縁部。
―投影型静電容量技術
―励起要素のサイズにより制限される解像度と、
―電磁放射に対する高い検出感度と、さらに放射を生み出す技術と、
―グローブを用いる励起に対する深刻な困難さと、
―ペンのような物体を用いる励起の不可能さ。
―音響技術
―未完成の技術と、
―振動する環境に対する感度と、
―画面の表面が、それを製品の残り部分から絶縁するために「浮遊」している、画面の低下した光学的性能。
―LCDパネルへ組み込まれる「イン・セル」技術
―光学技術:光の存在は不可欠:夜間使用での問題、
―容量性技術:画面の表面の不可欠な変形:画面を保護し保持するために航空電子工学において加えられた強化ガラスとは不適合。
―「赤外マトリックス」技術
―限られた解像度:劣ったギザギザのある線の輪郭と、
―信頼性及び製品寿命を低下させる多数の構成部品(照明LEDと光センサー)の使用と、
―暗視ゴーグルを使うときの不適合の問題。
―「漏れ全反射」(FTIR)技術
―画面の前方にガラスパッドを追加することにより生じる、低下した光学的性能と、
―低下した画面の反射率と、
―低減された画面の明るさと、
―暗視ゴーグルを使うときの不適合の問題。
―「光学的画像」技術
―センサーが飽和しているときの、強い照度の下での使用制限と、
―「デュアルタッチ」での使用におけるファントム画像の存在と、
―暗視ゴーグルを使うときの不適合の問題。
【0009】
光学技術のうち、「光学的画像」システムは現在のところ最も広まっている。この技術を実施する各種の技術的原理が存在する。その一例はPCT特許出願の国際公開第2005/031554号パンフレットの主題である、日本企業EIT社の「光学的位置検出器」である。
【0010】
上記の出願において説明されている技術的原理は、その出願の図面に基づく、図1及び2に表わされている。図1において見られるように、表面1上の物体又は使用者の指の位置を検出するのに用いられる装置は、基本的に2つの同じ送信−受信モジュール2、及び表面1の周囲に配置された逆反射障壁3を備える。この障壁は図1においてU型である。各々の送信−受信モジュール2は、表面1の全体を照らすために配置された光源21と、領域が表面1の全体をカバーする線形光電センサー又は表面光電センサー22を含む、受信システムとを備える。動作は次の通りである。表面近傍にある、又は表面に接する物体が何ら無い場合、光源21により放射される光は障壁3により逆反射され、センサー22の表面全体を照らす。表面近傍における、又は表面に接する物体4の存在下では、光源21により放射され、その物体によって遮られた光は、障壁における反射の前にも後にもセンサー22の表面に到達せず、影を作る。図2は、表面1の左右に位置するモジュール2のセンサー22R及び22L上の光の分布を示す。影4R及び4Lの位置は表面1上の物体の位置を表わす。センサー22R及び22L上のそれらの正確な位置を解析することにより、物体4の位置を決定することが容易である。コンピュータ5はこの処理を行なう。
【0011】
このシステムの別の変形が存在する。例えば、画面の縁部は外部の赤外線発光体、又は縁部内へ組み込まれた赤外線発光体により照らされ得る。2つのマトリックス・センサーは次に光の縁を撮像し、ポインターが画面と相互作用するとき、影の存在を検出する。
【0012】
これらの技術的解決策は次の制限及び欠点を有する:
―NVG(暗視ゴーグル)の適合性:光源は例えば880nmの近赤外線の波長で作用し、それは光源を暗視ゴーグルの使用に対して不適合にする。
―明度の小さなダイナミックレンジ:CCD又はCMOSタイプのマトリックス・センサーに基づく現代の解決策は、限られた捕捉のダイナミックレンジを有し、これらのセンサーは、固定された露光時間において、あまり広範囲の明度にわたっては機能できないが、コックピットに入射する日光は数桁のオーダーで変化し得、光学的画像のタッチセンサー式画面は、日光が直接的に画面を照らすとき、周辺光によって速やかに飽和する。
―画像処理の複雑さ:現存する、いわゆる“COTS”(「汎用部品」)と呼ばれる解決策は、航空電子工学の認証の権威者によって複雑とみなされた電子部品及びソフトウェアを使用する。マトリックス・センサーは、洗練された制御及び捕捉の電子機器を必要とする。使用されるソフトウェアの情報源へのアクセスは困難である。また、その構成部品は高価である。
―ファントム画像につながる誤動作の可能性:2つのポインターを同時に使ういわゆる「デュアルタッチ」と呼ばれる操作において、現代の解決策は誤動作を生じる検出の副作用を、しばしば示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
「光学的画像」技術の利点を保持しながら、本発明のシステムは上記の問題の幾つかを全体的又は部分的に解決する。本解決策はポインター及び、表示が動的であるか又は静的表示領域にある、その画面上の位置の検出を可能にするための、正確に位置する一組の光センサーと照明源にある。影に依存し、検出されるべき物体が明るい背景上に暗く現われる前のシステムとは異なり、本発明のシステムは直接的検出によって動作し、検出されるべき物体は、暗い背景上で感光性表面のレベルにおいて輝く。
【0014】
本装置は、関連する画面の低下しない光学的性能、その技術の小さな全体サイズ、低価格のCOTS部品の使用による安価さ、システムの軽量さ、様々なコックピット構成への適合性、非常に大きなタッチセンサー式表面を有する可能性等である、いわゆる「光学的画像」と呼ばれるシステムの利点を保持する。
【0015】
さらに、本発明の解決策はNVG(暗視ゴーグル)の適合性、「マルチタッチ」使用、高い照度での動作、単純で制御可能な制御電子機器及び関連するソフトウェア、安全性の制約に適合するために必要な冗長性の問題を解決する。
【0016】
それの別の利点はより少数の光源の使用、及びそれらの位置決定における大きな自由度である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
より正確には、本発明は、表示面の検出領域の上方に取り付けられる光学タッチセンサー式システムを目的とし、前記システムは、少なくとも前記領域をカバーする「発光層」を、表示面の前記領域の上方に作るために配置される第一の光源と、光学場が少なくとも前記領域をカバーする第一の撮像装置及び第二の撮像装置とを備え、第一の光源が第一及び第二の撮像装置から分離されており、第一の物体が前記領域の上方にあるとき、前記物体の第一及び第二の光る画像が第一の撮像装置及び第二の撮像装置によって捉えられ、本システムが、第一及び第二の光る画像の既知である位置の三角測量によって、表示面の前記領域の上方にある、この第一の物体の位置決定を可能にする解析手段を含むことを特徴とする。
【0018】
本システムは、第一及び第二の物体が表示面の領域の上方にあるとき、第一の物体の第一、第二、及び第三の光る画像が第一、第二、及び第三の撮像装置により捉えられ、第二の物体の第四、第五、及び第六の光る画像が第一、第二、及び第三の撮像装置により捉えられるように、有利なことに第三の撮像装置を含み、本システムは、六つの光る画像の既知である位置の三角測量によって、表示面の前記領域の上方にある、第一の物体及び第二の物体の位置決定を確実に可能にする解析手段を含む。
【0019】
本システムは、有利なことに第一の光源から分離されている第二の光源を含む。この場合、第一の実施形態において、第一及び第二の光源は光学タッチセンサー式システムの正常な動作中に、周期的にしかし決して同時にではなく光を放射する。第二の実施形態において、第一の光源は第一のスペクトル帯域において照射し、第二の光源は第一のスペクトル帯域から分離されている第二のスペクトル帯域において照射し、撮像装置は2つのスペクトル帯域のうちの1つだけの伝達を可能にする、スペクトル・フィルターを含む。それらの光源は互いに干渉しないように交互に点灯され得る。
【0020】
有利なことに、光を増幅するゴーグルを用いた夜間の使用に対して、光源は暗視ゴーグルの増幅スペクトル帯域の外側にあるスペクトル帯域内で照射し、撮像装置は前記光源の前記スペクトル帯域において感度が高い。
【0021】
光源は、有利なことに表示面の領域の上方及びそれに対して直角な平面内の、平均照度が実質的に一定であるように配置された光学的手段を含む。より正確には、光学的手段は視準の光学的部分及び、光ガイド又は規則的に配置された拡散パターンを含む光ガイドを備える。
【0022】
撮像装置は、有利なことに日除けを含み、表示面の周囲は有利なことに日光吸収障壁によって囲まれている。
【0023】
第一の用途において、表示面は実質的に長方形であり、タッチセンサー式の領域は前記表示面全体をカバーする。
【0024】
第二の用途において、表示面は複数の領域を含み、システムは少なくとも1つの物体の位置が各領域内で決定され得るように配置された、複数の光源及び撮像装置を含む。
【0025】
表示面は有利なことに表示画面であり、あるいは静的表示領域を含む。
【0026】
好適な用途において、表示面は航空機のコックピット内に取り付けられた航空電子システムに属する。これに関連して、表示面は計器パネルの一部分又は全体をカバーする。
【0027】
本発明は、制限されない例として与えられる以下の記述、及び添付図を踏まえてより良く理解され、その他の利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】既にコメントしている、先行技術の光学タッチセンサー式システムを表わす。
【図2】既にコメントしている、先行技術の光学タッチセンサー式システムを表わす。
【図3】1つの光源及び2つの撮像装置を含む、本発明の第一の光学タッチセンサー式システムを表わす。
【図4】表示領域内が押された場合に、図3の撮像装置により受信される信号を表わす。
【図5】日光の照度の影響及びそれらを軽減する手段を表わす。
【図6】2つの撮像装置を用いるときに、2つの位置を同時に決定することの問題を例証する。
【図7】3つの撮像装置を用いるときに、2つの位置を同時に決定することを例証する。
【図8】2つの光源及び3つの撮像装置を含む、本発明の光学タッチセンサー式システムを表わす。
【図9】前の装置の光源及び撮像装置を管理する1つの可能な方法を表わす。
【図10】画面の全幅をカバーする光線により、表面が照らされる解決策を表わす。
【図11】画面の全幅をカバーする光線により、表面が照らされる解決策を表わす。
【図12】本発明の光学タッチセンサー式システムを備える、航空機の計器パネルを表わす。
【図13】本発明の光学タッチセンサー式システムを備える、航空機の計器パネルを表わす。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の光学タッチセンサー式システムは、表示面の検出領域の上方に取り付けられる。それは一般に、1つ以上のポインターP及び、表示面Aの上方におけるそれらの位置の検出を可能にするために、正確に位置する一組の光学撮像装置C及び照明源Sを備える。
【0030】
表示面Aは1つ以上の表示画面であり得る。動的表示の表現がそのとき用いられる。それは粘着ステッカー、スクリーン印刷、又はこれら2つの機能の組合せを用いて作られる、静的表示領域であってもよい。
【0031】
ポインターPは、使用者の1本以上の指、タッチペン、あるいはその他の任意の物体であり得る。条件としては、ポインターが正確に検出されるためには広すぎないこと、及びそれが少なくとも部分的に拡散することのみである。
【実施例】
【0032】
本発明のシステムの一般的な動作原理は、最も単純な場合、すなわち単一の検出領域A、単一の照明源S、2つだけの撮像装置C1とC2、及び検出されるべき唯一つのポインターの場合において、図3及び4に示されている。明らかになるように、記述されている原理は複数の検出領域、及び検出されるべき複数のポインターに一般化することが容易である。同様に、図3の検出領域は長方形であるが、本発明のシステムは様々なタイプの検出領域の形状に容易に適合し得る。光源及び撮像装置の位置もまた例として与えられている。
【0033】
照明源Sは、表示面から延びる厚さ数mmの層内で、表示領域に平行に光を放射する。この「発光層」は、勿論全ての検出領域をカバーしなければならず、そして撮像装置を照らさない。この光源は、それが表示領域内の特定の位置を指定するとき、ポインターPを照らすのに役立つ。発光ダイオード又はレーザーダイオードが使用され得る。この場合、それらはタッチセンサー式領域の全体をカバーするために、光線を広げるためのディフューザー及び/又は光学的部分と組み合わされる。
【0034】
各撮像装置は焦点調節の光学的部分と光センサーを含む。各撮像装置は実際にはマイクロカメラである。光センサーは感光性の画素から成り、表面タイプ又は線形タイプであり得る。それは表示領域の面に平行な平面内の表示領域の、表面の画像を形成する。表示領域の上にポインターが無い場合、センサーは光を検出せず従って画像は暗い。ポインターが照らされる場合、それは光を反射及び拡散し、それは2つの撮像装置のセンサーに対して光る画像を作り出す。センサーにより届けられ、図4に表わされている信号SC1及びSC2は、処理後に、図4において見られ得るようにポインターと関連する感光性画素Pk及びPjの決定を可能にする。これらの画素Pk及びPjの位置を知ると、センサーの平面とポインター間の角度を決定することは容易である。ポインターと2つのセンサー間の2つの角度を知ることは、表示領域上のポインターの位置(Xp,Yp)が三角測量により決定されることを可能にする。
【0035】
事前の較正は、センサー同士の相互に対する位置及び方向を決定できるようにする。
【0036】
特に航空の環境において使用されるとき、本発明のシステムは、日光の大きな照度及び、夜間における幾つかの用途の双方の下で機能しなければならない。
【0037】
太陽の照射の下での動作を確実にするため、図5に説明される様々な技術が用いられる。撮像装置Cのセンサーの飽和の危険性を制限するため、関連する光源の波長に固定されたスペクトル・フィルターFが、焦点調節の光学的部分の手前に追加される。このようにして、ポインターにより反射された信号を劣化させることなく、太陽の照射は大幅に弱められる。
【0038】
「光学的画像」技術に基づく既存の解決策に関する主要な問題である、ポインターが日光により照らされる場合、検出器により捉えられる信号は妨害されない。反対に、それは増幅され、残りの画像は依然として暗いためポインターはより良く検出される。
【0039】
しかしながら、日光がセンサーの視野内に配置された、ポインター以外の物体により反射される場合、これは誤動作を生じ得る。その物体が小さく、ポインターに等しいサイズである場合、センサーにより受信された光の信号は、ポインターにより放出された信号を覆い隠さない。「侵入的な」物体の位置はタッチセンサー式領域の外側にあるとして決定され、それゆえ本システムはそれを無視する。
【0040】
ポインターからの信号を覆い隠すために、十分に強力な信号を除去するため、タッチセンサー式領域はセンサーの視野をカバーするのに十分な厚さ、すなわち数mmの光吸収縁部R.A.により囲まれている。
【0041】
最後に、幾つかの場合において、撮像装置の賢明な位置決定は非常に多くの太陽照射の問題を除去することができる。従って、本システムが計器パネル上に配置されるとき、コックピットのグレヤシールドの下部内側に撮像装置を置くことは、太陽によるセンサーの直接照射を防止できるようにする。
【0042】
さらに、センサーを組み込んでいるモジュールの賢明な設計は、太陽が直接センサーを照らすことを防止できる。図5に示すように、撮像装置にグレヤシールドG又は日除けを追加することで、太陽光線はセンサーの直接照射を可能にする入射の限界角度には決して到達しない。
【0043】
夜間に、暗視ゴーグル(NVG)の使用との適合性を確実にするため、光源は一般に930nmであるゴーグルの増幅波長を超えた所にある、発光スペクトルを有する。これらの光源はレーザーダイオード又は発光ダイオードである。そのときセンサーはこれらの波長に適合するスペクトル感度を有する。
【0044】
既に述べたように、単一の物体を検出するいわゆる「モノタッチ」モードと呼ばれる操作に対して、少なくとも2つのセンサー及び1つの光源が必要とされる。「デュアルタッチ」モードとして知られる、2つ以上の物体を検出するモードにおける操作に対して、2つの撮像装置はもはや十分ではない。図6において見られるように、タッチセンサー式表面上の2つの異なる位置における、2つの物体P1及びP2の同時の存在は、各センサーC1及びC2に対して2つの画像を生み出すであろう。これら2つの画像は、第一センサーに対する座標Pk1とPk2、及び第二センサーに対する座標Pj1とPj2を有する。勿論、どちらの物体にこれらの異なる座標が属するかを決めることは不可能である。図表に関して、図6において見られるように、2つの実際の物体P1とP2、及び2つのファントム物体又は「ゴースト」G1とG2である、4つの物体があり得る。
【0045】
不確定性を解決するためには、図7において見られるような第三の撮像装置C3を追加することで十分である。この第三の撮像装置の配置は、勿論第一の撮像装置の位置と、この第三の撮像装置によってカバーされる領域に依存する。3つの撮像装置が常に正しく照らされていることを確実にするため、図8において見られるように第二の光源S2を加えることもまた可能である。
【0046】
しかしながら、第三の撮像装置から始まって、新たな撮像装置及び少なくとも1つの光源の追加は、図8において見られるように、他の撮像装置によって受信された信号を妨げ得る。様々な撮像装置は、発光源によって直接照らされないことが必須である。この問題に対して2つの解決策が存在する。
【0047】
第一は、光源の波長を賢明に選ぶことにより、異なるセンサーに対して異なるスペクトルフィルタリングを適用することである。例えば、光源S2の波長がスペクトルフィルタリングにより退けられる一方で、センサーC1とC2の検出スペクトル帯域は光源S1の波長に適合し、光源S1の波長が異なるスペクトルフィルタリングにより退けられる一方で、センサーC3の検出スペクトル帯域は光源S2の波長に適合する。
【0048】
第二の解決策は、光源により放出される信号を時間的に順序付けすることである。図9は、2つの光源、3つの撮像装置、及び2つの検出された物体を伴う、タッチセンサー式システムの場合の、このタイプのシーケンスの1つの可能な例を示す。シーケンスの全体持続時間はTに等しい。この持続時間Tは、一般に数ms〜数十msの範囲内にある。各持続時間Tは2つの半期を含む。第一の半期の間、第一の光源S1はオンで第二の光源S2はオフである。第一センサーC1及び第二センサーC2は作動し、第三センサーC3はオフである。第二の半期の間、第一の光源S1はオフで第二の光源S2はオンである。第一センサーC1及び第二センサーC2はオフで、第三センサーC3は作動している。従って、第一の光源は第三センサーを決して照らさず、第二の光源は第一及び第二センサーを決して照らさない。センサーから来る異なる信号SC1、SC2、及びSC3の解析は、2つの物体の位置決定を可能にする。この解決策はまた、ポインターが検出されないとき、全てのセンサー及び光源を同時に作動させることにより、様々なセンサー及び光源の正しい動作の検証を可能にする。これは、センサーC1及びC2が光源S2を「見ること」、及びセンサーC3が光源S1を「見ること」を検証する。
【0049】
1つ以上のセンサー及び1つ以上の光源の追加は、「マルチタッチ」操作に加えて、航空電子工学の安全性の制約に適合することに関して便利な冗長性を可能にする。
【0050】
1つの点光源が検出領域の全体を照らすために使われる場合、その照明は照明源からの距離に応じて大幅に変化する。理論的に、センサーによる検出は受光のレベルとは別個である。実際に、光源が領域の幅全体をカバーする均一の光線において、均一に分布することは有利であり得る。このために、光ガイド方式の形作る光学的部分が、検出領域の表面上のどの位置にそれがあろうと、指示器のより均一な照明を可能にするために使用される。
【0051】
図10は、この均一な分布の光源に関する第一の実施形態を示す。光源はフレネル反射器の視準の光学的部分を含む。これらの光学的部分は、一般的に内部全反射又は空気中の直接反射のいずれかにおいて使用され得る、パラボラの一部分である。平行にされた光は次に光ガイドGLによって均一に拡散させられる。光源S1は検出領域の全幅をカバーするために増倍され得る。
【0052】
図11はこの均一な分布の光源に関する第二の実施形態を示す。この場合、光ガイドGLは規則的に隔てられた拡散パターンを含む。これらのパターンは一般にマイクロプリズムμPである。ガイドは、その縁部に改善された指向性を可能にするプリズムを伴う膜を有し得る。光はそのとき僅かに拡散されるが、指示器の照明は単一の光源よりもさらに均一のままである。
【0053】
照明を均一にするため、1つの領域の同じ側にある複数の同じ光源を用いることも同様に可能である。
【0054】
本発明の光学タッチセンサー式システムは、とりわけ航空用途に、そして特に航空機の計器パネルに適用される。それを様々なコックピットの構成に適合させることは容易である。図12及び13は、2つの異なるコックピット構成を示す。第一の構成は、T字形に配置された6つの表示画面Dと、関連する制御パネルを含む。7つの光源Sと9つの撮像装置Cを含むタッチセンサー式システム構成が、計器パネル全体をカバーすることの保証のために必要であり、後者は2つの異なるパネルから成ることが見られる。第二の構成は、T字形に配置された4つの表示画面と、関連する制御パネルを含む。6つの光源Sと8つの撮像装置Cを含むタッチセンサー式システム構成が、計器パネル全体をカバーすることの保証のために必要であり、後者は2つの異なるパネルから成ることが見られる。コックピット構成がどうであろうと、画面及びボタン類を含めて全部の計器パネルをタッチセンサー式とするために、十分な数と好都合な場所において、センサー及び光源を設置することで十分である。
【0055】
要約すると、本発明の光学タッチセンサー式システムは次の利点:
―表示画面の光学的性能を妨害なしに保持することと、
―強い照明の下での動作と、
―カバーされるべき設置に応じた、適合及び発展に対する高い能力と、
―必ずしも均質かつ長方形でない、非常に大きな領域にわたる検出と、
―最適な信頼性及び安全性に対する高い冗長性と、
―ファントム画像を作ることなく、モジュールを追加することによる「デュアルタッチ」又はより高度のモードにおける使用と、
―暗視ゴーグルの使用との適合性(930nmを超える波長でのセンサー及び光源)と、
―線形センサー又は表面センサー、レーザーダイオード又はLEDのような低価格構成部品の使用と、
―発光源と撮像装置が分離している、高レベルのシステムのモジュール方式と、
―システムが何ら力を加えることを必要としないための、ポインターと流体の相互作用と、
―先行技術の代替解決策よりも大幅に改善された解像度及び精度と
を有する。
【符号の説明】
【0056】
1 表面
2 送信−受信モジュール
3 逆反射障壁
4 物体
4L 影
4R 影
5 コンピュータ
21 光源
22L センサー
22R センサー
C 撮像装置
C1 第一のセンサー
C2 第二のセンサー
C3 第三のセンサー
S 光源
S1 第一の光源
S2 第二の光源
P ポインター
A 表示面
Yp ポインターの位置
Xp ポインターの位置
SC1 信号
SC2 信号
SC3 信号
G 日除け
F スペクトル・フィルター
R.A. 日光吸収障壁
G1 ゴースト
G2 ゴースト
P1 第一の物体
P2 第二の物体
T 持続時間
GL 光ガイド
μP 拡散パターン
D 表示画面
Pk 画素
Pj 画素
Pk1 座標
Pk2 座標
Pj1 座標
Pj2 座標
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面の領域(A)の上方に取り付けられる光学タッチセンサー式システムであって、前記システムは、
光学場が少なくとも前記領域(A)をカバーする第一の撮像装置(C1)及び第二の撮像装置(C2)を備え、
前記光学タッチセンサー式システムは、第一光源及び第二光源(S,S1,S2)を備え、各光源が、前記表示面の前記領域の上方に、少なくとも前記領域をカバーする「発光層」を作るために配置され、前記第一光源の発光スペクトルが前記第二光源の発光スペクトルから分離され、又は前記第一光源の動作時間が前記第二光源の動作時間から分離され、各光源が前記第一及び第二の撮像装置から分離されており、第一の物体(P)が前記領域の上方にあるとき、前記第一光源又は前記第二光源により与えられる、前記物体の第一及び第二の光る画像が前記第一の撮像装置及び前記第二の撮像装置によって捉えられ、前記システムが、前記第一及び第二の光る画像の既知である位置の三角測量によって、前記表示面の前記領域の上方にある、この第一の物体の位置決定を可能にする解析手段を含むことを特徴とする、光学タッチセンサー式システム。
【請求項2】
第一及び第二の物体(P1,P2)が前記表示面の前記領域の上方にあるとき、前記第一の物体の第一、第二、及び第三の光る画像が前記第一、第二、及び第三の撮像装置により捉えられ、前記第二の物体の第四、第五、及び第六の光る画像が前記第一、第二、及び第三の撮像装置により捉えられるように、それが第三の撮像装置(C3)を含み、本システムが、前記六つの光る画像の既知である位置の三角測量によって、前記表示面の前記領域の上方にある、前記第一の物体及び前記第二の物体の位置の決定を確実に可能にする解析手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項3】
前記第一及び第二の光源が、前記光学タッチセンサー式システムの正常な動作中に、周期的にしかし決して同時にではなく光を放射することを特徴とする、請求項1あるいは2に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項4】
前記第一の光源が第一のスペクトル帯域において照射し、前記第二の光源は前記第一のスペクトル帯域から分離されている第二のスペクトル帯域において照射し、前記撮像装置が前記2つのスペクトル帯域のうちの1つだけの伝達を可能にするスペクトル・フィルターを含むことを特徴とする、請求項1あるいは2に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項5】
前記光源が暗視ゴーグルの増幅スペクトル帯域の外側にあるスペクトル帯域内で照射することと、前記撮像装置が前記光源の前記スペクトル帯域において感度が高いこととを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項6】
前記光源が、前記表示面の前記領域の上方及びそれに対して直角な平面内の、平均照度が実質的に一定であるように配置された光学的手段(GL,μP)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項7】
前記光学的手段が、視準の光学的部分及び光ガイド(GL)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項8】
前記光学的手段が、規則的に配置された拡散パターン(μP)を含む光ガイド(GL)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項9】
前記撮像装置が日除け(G)を含み、前記表示面の周囲が日光吸収障壁(R.A.)によって囲まれることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項10】
前記表示面が実質的に長方形であり、前記領域が前記表示面全体をカバーすることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項11】
前記表示面が複数の領域を含み、本システムが、少なくとも1つの物体の位置が各領域内で決定され得るように配置された、複数の光源及び撮像装置を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項12】
前記表示面が表示画面(D)であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項13】
前記表示面が静的表示領域を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項14】
前記表示面が、航空機のコックピット内に取り付けられた航空電子システムに属することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項15】
前記表示面が計器パネルの一部分又は全体をカバーすることを特徴とする、請求項14に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項1】
表示面の領域(A)の上方に取り付けられる光学タッチセンサー式システムであって、前記システムは、
光学場が少なくとも前記領域(A)をカバーする第一の撮像装置(C1)及び第二の撮像装置(C2)を備え、
前記光学タッチセンサー式システムは、第一光源及び第二光源(S,S1,S2)を備え、各光源が、前記表示面の前記領域の上方に、少なくとも前記領域をカバーする「発光層」を作るために配置され、前記第一光源の発光スペクトルが前記第二光源の発光スペクトルから分離され、又は前記第一光源の動作時間が前記第二光源の動作時間から分離され、各光源が前記第一及び第二の撮像装置から分離されており、第一の物体(P)が前記領域の上方にあるとき、前記第一光源又は前記第二光源により与えられる、前記物体の第一及び第二の光る画像が前記第一の撮像装置及び前記第二の撮像装置によって捉えられ、前記システムが、前記第一及び第二の光る画像の既知である位置の三角測量によって、前記表示面の前記領域の上方にある、この第一の物体の位置決定を可能にする解析手段を含むことを特徴とする、光学タッチセンサー式システム。
【請求項2】
第一及び第二の物体(P1,P2)が前記表示面の前記領域の上方にあるとき、前記第一の物体の第一、第二、及び第三の光る画像が前記第一、第二、及び第三の撮像装置により捉えられ、前記第二の物体の第四、第五、及び第六の光る画像が前記第一、第二、及び第三の撮像装置により捉えられるように、それが第三の撮像装置(C3)を含み、本システムが、前記六つの光る画像の既知である位置の三角測量によって、前記表示面の前記領域の上方にある、前記第一の物体及び前記第二の物体の位置の決定を確実に可能にする解析手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項3】
前記第一及び第二の光源が、前記光学タッチセンサー式システムの正常な動作中に、周期的にしかし決して同時にではなく光を放射することを特徴とする、請求項1あるいは2に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項4】
前記第一の光源が第一のスペクトル帯域において照射し、前記第二の光源は前記第一のスペクトル帯域から分離されている第二のスペクトル帯域において照射し、前記撮像装置が前記2つのスペクトル帯域のうちの1つだけの伝達を可能にするスペクトル・フィルターを含むことを特徴とする、請求項1あるいは2に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項5】
前記光源が暗視ゴーグルの増幅スペクトル帯域の外側にあるスペクトル帯域内で照射することと、前記撮像装置が前記光源の前記スペクトル帯域において感度が高いこととを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項6】
前記光源が、前記表示面の前記領域の上方及びそれに対して直角な平面内の、平均照度が実質的に一定であるように配置された光学的手段(GL,μP)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項7】
前記光学的手段が、視準の光学的部分及び光ガイド(GL)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項8】
前記光学的手段が、規則的に配置された拡散パターン(μP)を含む光ガイド(GL)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項9】
前記撮像装置が日除け(G)を含み、前記表示面の周囲が日光吸収障壁(R.A.)によって囲まれることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項10】
前記表示面が実質的に長方形であり、前記領域が前記表示面全体をカバーすることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項11】
前記表示面が複数の領域を含み、本システムが、少なくとも1つの物体の位置が各領域内で決定され得るように配置された、複数の光源及び撮像装置を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項12】
前記表示面が表示画面(D)であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項13】
前記表示面が静的表示領域を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項14】
前記表示面が、航空機のコックピット内に取り付けられた航空電子システムに属することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学タッチセンサー式システム。
【請求項15】
前記表示面が計器パネルの一部分又は全体をカバーすることを特徴とする、請求項14に記載の光学タッチセンサー式システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−252702(P2012−252702A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−125569(P2012−125569)
【出願日】平成24年6月1日(2012.6.1)
【出願人】(505157485)テールズ (231)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−125569(P2012−125569)
【出願日】平成24年6月1日(2012.6.1)
【出願人】(505157485)テールズ (231)
【Fターム(参考)】
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