説明

光学部品収容枠、およびプロジェクター

【課題】並設される光学部品の冷却効率を向上することができ、プロジェクターの小型化も図れる光学部品収容枠、およびプロジェクターを提供する。
【解決手段】光学部品収容枠(第1収容枠51)は、光源301から射出された光束により発熱する液晶パネル341Bを収容し、冷却用の空気(冷却風)が流入する流入口5112と、流入口5112から流入した空気を第1収容枠本体511内部に流動する流路と、流路を流動した空気を、光束の入射側および射出側の少なくとも一方に吐出する吐出口5113と、を備えている。また、プロジェクター1は、第1収容枠51と、第1収容枠51に収容された液晶パネル341Bと、第1収容枠51の入射側に位置する第2収容枠52と、を備え、吐出口5113は、入射側偏光板342Bの中央部C2に向けて冷却風A1,A2を吐出するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部品収容枠、およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターで採用している空冷機構では、外気から冷却風をプロジェクター内部に取り入れる吸気ファンを設け、その先に冷却風を光学部品(液晶パネル等)に導くダクトを設け、光学部品の下方向から光学部品の表面に向けて冷却風を吹き付けている。
【0003】
特許文献1では、プロジェクターは液晶パネルを冷却する冷却装置を備え、冷却装置は、約4.75kPaの吐出圧力を有する渦流ポンプと、渦流ポンプから吐出された冷却風を液晶パネルに向けて噴射するノズルとを備える構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−258505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のプロジェクターでは、ダクトから吐出された冷却風が、冷却対象物である光学部品(液晶パネル等)まで流動する間に風速や風圧が低下してしまうことや、光学部品の表面に効率的に当たらず、大幅な温度低減ができないという課題があった。また、特許文献1では、冷却効率を向上させることができるが、ノズルを備えて渦流ポンプから吐出された冷却風を液晶パネルに向けて噴射する構成のため、液晶パネルを含め、並設される光学部品を冷却するには、ノズルを複数有する必要もあり、スペースが必要となるため、冷却機構の小型化が図りづらいという課題があった。
従って、並設される光学部品の冷却効率を向上することができ、プロジェクターの小型化も図れる光学部品収容枠、およびプロジェクターが要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
(適用例1)本適用例に係る光学部品収容枠は、光源から射出された光束が入射する光学部品を収容する光学部品収容枠であって、冷却用の空気が流入する流入口と、流入口から流入した空気を光学部品収容枠の内部に流動する流路と、流路を流動した空気を、光学部品収容枠から光束の入射側および射出側の少なくとも一方に吐出する吐出口と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
このような光学部品収容枠によれば、流入口から流入した冷却用の空気を、流路により光学部品収容枠の内部に流動させ、吐出口から、光束の入射側および射出側の少なくとも一方に吐出する。これにより、例えば、光学部品収容枠を基準に光束の入射側および射出側の少なくとも一方に、光学部品が並設される場合、光学部品収容枠の吐出口からこの光学部品に対して対向する方向から冷却用の空気を吹き付けることができるため、光学部品の表面に冷却風を衝突することができ、光学部品に対する冷却効率を向上させることができる。
【0009】
(適用例2)上記適用例に係る光学部品収容枠において、吐出口は、複数備えられていることが好ましい。
【0010】
このような光学部品収容枠によれば、吐出口が複数備えられていることにより、光学部品の発熱する部分に対して、複数の吐出口により冷却用の空気を吐出することができ、冷却効率を更に向上させることができる。
【0011】
(適用例3)本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、投写するプロジェクターであって、上述したいずれかの第1の光学部品収容枠と、光学部品収容枠に収容された第1の光学部品と、光学部品収容枠の入射側および/または射出側に位置する第2の光学部品と、を備え、吐出口は、第2光学部品の中央部に向けて空気を吐出するように形成されていることを特徴とする。
【0012】
このようなプロジェクターによれば、第1の光学部品が収容された第1の光学部品収容枠の吐出口から、第2光学部品の中央部に向けて空気を吐出する。これにより、光束が集中して発熱量の高い第2光学部品の中央部を対向する方向から空気を吐出することができ、冷却効率を向上させることができる。よって光学部品の中央部等、高発熱部分を冷却することができるため、光学部品の面内温度差が低減され、プロジェクターの投写時の色むらや照度むらが改善され、高画質化を実現できる。また、光学部品の長寿命化を図ることができることで、プロジェクター自体の長寿命化が実現できる。さらに、収容枠に吐出口を設けて冷却用の空気を吐出しているので、従来のノズルが必要なくなり、ノズルの設置スペースを削減できるため、プロジェクターの小型化を図ることができる。
【0013】
(適用例4)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、第2光学部品は第2の光学部品収容枠に収容され、第2の光学部品収容枠の吐出口は、第1の光学部品収容枠の吐出口と相対する位置より、ずれた位置に設置されていることが好ましい。
【0014】
このようなプロジェクターによれば、第2の光学部品収容枠の吐出口は、第1の光学部品収容枠の吐出口と相対する位置より、ずれた位置に設置されている。これにより、それぞれの光学部品収容枠から吐出される冷却用の空気は、互いに衝突することなく、それぞれの光学部品に吹き付けることができる。従って、吐出する冷却用の空気の風速や風圧を維持でき、それぞれの光学部品の冷却効率を向上させることができる。
【0015】
(適用例5)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、光学部品収容枠の流入口に接続し、冷却用の空気を圧縮して送る高静圧送風機を備えていることが好ましい。
【0016】
このようなプロジェクターによれば、高静圧送風機を備えて冷却用の空気を圧縮して流入口から流入させることにより、吐出口から吐出される冷却用の空気の風速や風圧を高くすることができるため、光学部品の冷却効率を向上させることができる。
【0017】
(適用例6)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、光学部品を冷却する低静圧送風機を更に備えていることが好ましい。
【0018】
このようなプロジェクターによれば、高静圧送風機による光学部品の中央部への冷却に加えて、光学部品の表面全体に向けて冷却用空気を送風する低静圧送風機を備えることにより、光学部品の冷却効率を更に向上させることができる。
【0019】
(適用例7)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、第1および第2の光学部品収容枠の流入口にそれぞれ高静圧送風機が接続されており、高静圧送風機に対し、それぞれ間欠駆動を行わせると共に、送出と送出停止のタイミングをお互いに逆転させて制御する制御部と、を備えていることが好ましい。
【0020】
このようなプロジェクターによれば、第1および第2の光学部品収容枠の流入口にそれぞれ高静圧送風機を接続させて間欠駆動を行わせ、送出と送出停止のタイミングをそれぞれ逆転させて制御する制御部により、より確実に互いに衝突しないように空気を吐出させることができる。これにより、光学部品の冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係るプロジェクターの概略構成を模式的に示す図。
【図2】電気光学装置を冷却する冷却機構の一部の概略構成を示す図。
【図3】液晶パネルを収容する第1光学部品収容枠を示す斜視図。
【図4】入射側偏光板を収容する第2光学部品収容枠を示す斜視図。
【図5】第2実施形態に係る電気光学装置を冷却する冷却機構の一部の概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
【0023】
図1は、第1実施形態に係るプロジェクター1の概略構成を模式的に示す図である。図1を参照して、本実施形態のプロジェクター1の概略構成を説明する。本実施形態のプロジェクター1は、光源装置30(光源301)から射出される光束を画像情報に応じて変調してスクリーン(図示省略)等の投写面に拡大投写する装置である。
【0024】
図1を含む以降の図面では、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜異ならせて示している。また、図1を含む以降の図面では、説明の便宜上、XYZ直交座標系で記載する。XYZ直交座標系は、照明光軸OAに沿う光束の進行方向をX方向(+X方向)とし、X方向に直交する方向のうち水平方向に沿い、かつ、X方向基端側から見て右方向をY方向(+Y方向)とする。さらに、X方向およびY方向に直交し、かつ、据置き姿勢での上方向をZ方向(+Z方向)とする。
【0025】
図1に示すように、プロジェクター1は、光学ユニット3、制御部(図示省略)、制御部等に電力を供給する電源ユニット(図示省略)、およびプロジェクター1内部を冷却する冷却機構5等を備え、これら各装置が外装筺体2内部に収容されている。なお、冷却機構5に関しては後述する。
【0026】
光学ユニット3は、制御部による制御に基づき、光源装置30から射出された光束を変調して投写するユニットである。光学ユニット3は、光源装置30、照明光学装置31、色分離光学装置32、リレー光学装置33、電気光学装置34、およびこれら光学装置30〜34を内部に収容すると共に、投写レンズ35を所定位置で支持固定する光学部品用筺体36を備えて構成されている。
【0027】
光源装置30は、光源301およびリフレクター302を備える。光源装置30は、光源301から射出された光束をリフレクター302によって射出方向を揃え、照明光軸OAに対して平行化して照明光学装置31に向けて射出する。照明光軸OAは、光源装置30から被照明領域側に射出される光束の中心軸である。本実施形態の光源装置30は、超高圧水銀ランプを採用している。
【0028】
照明光学装置31は、第1レンズアレイ311と、第2レンズアレイ312と、偏光変換素子313と、重畳レンズ314と、平行化レンズ315と、を備えている。第1レンズアレイ311は、光源装置30から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸OAに沿った方向に射出する。第2レンズアレイ312は、第1レンズアレイ311から射出された部分光束をそれぞれ重畳レンズ314に向けて射出する。
【0029】
偏光変換素子313は、第2レンズアレイ312から射出されたランダム偏光光となる各部分光束を液晶パネル341で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。なお、第2レンズアレイ312から射出され、偏光変換素子313によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ314によって、液晶パネル341の表面に略重畳される。なお、重畳レンズ314から射出された光束は、平行化レンズ315により平行化されて液晶パネル341に重畳される。平行化レンズ315は、詳細には、後述する3色の色光毎に設けられている。
【0030】
色分離光学装置32は、第1ダイクロイックミラー321と、第2ダイクロイックミラー322と、反射ミラー323と、を備えている。色分離光学装置32は、照明光学装置31から射出された光束を、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光の3色の色光に分離する。
【0031】
リレー光学装置33は、入射側レンズ331と、リレーレンズ333と、反射ミラー332,334と、を備えている。リレー光学装置33は、色分離光学装置32で分離されたR光をR光用の液晶パネル341Rまで導く。なお、本実施形態では、リレー光学装置33がR光を導く構成としているが、これに限定されず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
【0032】
電気光学装置34は、3つの入射側偏光板342と、光変調装置としての3つの液晶パネル341と、3つの射出側偏光板343と、クロスダイクロイックプリズム344と、を備えている。なお、3つの入射側偏光板342に対して、R光用の入射側偏光板を342R、G光用の入射側偏光板を342G、B光用の入射側偏光板を342Bとする。また、3つの液晶パネル341に対して、R光用の液晶パネルを341R、G光用の液晶パネルを341G、B光用の液晶パネルを341Bとする。そして、3つの射出側偏光板343に対して、R光用の射出側偏光板を343R、G光用の射出側偏光板を343G、B光用の射出側偏光板を343Bとする。
【0033】
液晶パネル341(341R,341G,341B)は、色分離光学装置32で色光毎に分離された光束を画像情報に応じて変調する。クロスダイクロイックプリズム344は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状を有し、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム344は、液晶パネル341R,341G,341Bで変調された各色光を合成し、投写レンズ35に射出する。
【0034】
投写レンズ35は、複数のレンズを組み合わせた組レンズで構成され、電気光学装置34で変調され合成された光束をスクリーン等の投写面上に拡大投写する。
【0035】
図2は、電気光学装置34を冷却する冷却機構5の一部の概略構成を示す図である。なお、図2は、詳細には、電気光学装置34を構成するB光用の液晶パネル341BとB光用の入射側偏光板342Bを冷却する冷却機構5の一部を示している。
【0036】
冷却機構5は、プロジェクター1内部の各光学部品を冷却するものである。なお、本実施形態では、上述する光学部品の、液晶パネル341Bと入射側偏光板342Bを冷却するために適用した冷却機構5についてのみ説明し、その他の部分についての説明を省略する。
【0037】
冷却機構5は、図2に示すように、液晶パネル341Bを収容する第1光学部品収容枠51と、入射側偏光板342Bを収容する第2光学部品収容枠52とを備えている。また、冷却機構5は、高静圧送風機としての第1渦流ポンプ54と第2渦流ポンプ55とを備えている。そして、冷却機構5は、第1光学部品収容枠51と第1渦流ポンプ54とがチューブ56により接続され、第2光学部品収容枠52と第2渦流ポンプ55とがチューブ57により接続されている。なお、液晶パネル341Bと入射側偏光板342Bとは、電気光学装置34として、光束の進行方向に沿って並設された状態となっている。
【0038】
第1渦流ポンプ54と第2渦流ポンプ55とは同様に構成される。第1渦流ポンプ54と第2渦流ポンプ55とは、図2に示すように、略直方体状のケース541,551を備え、ケース541,551には、吸気口542,552及び排気口543,553がそれぞれ形成されている。そして、排気口543,553には、チューブ56,57の一端側が接続されている。
【0039】
第1渦流ポンプ54と第2渦流ポンプ55は、ケース541,551内部に、図示省略するポンプ部と、このポンプ部を駆動するモーター等を備えている。そして、第1渦流ポンプ54と第2渦流ポンプ55は、モーターを回転することによりポンプ部が動作することで、吸気口542,552から導入した空気を、加速、昇圧して(圧縮して)排気口543,553から吐出する。なお、第1渦流ポンプ54と第2渦流ポンプ55は、一般的な構成であるので詳細な図示は省略する。
【0040】
図3は、液晶パネル341Bを収容する第1光学部品収容枠51を示す斜視図であり、図3(a)は、第1光学部品収容枠51を正面側(光束入射側)から見た斜視図であり、図3(b)は、第1光学部品収容枠51を背面側(光束射出側)から見た斜視図である。図3を参照して、第1光学部品収容枠51の構成を説明する。
【0041】
第1光学部品収容枠51は、液晶パネル341Bを収容する部材であると共に、冷却用の空気(以降、冷却風と称する)を吐出する部材である。第1光学部品収容枠51は、第1光学部品収容枠本体511と、第1光学部品収容枠本体511に収容した液晶パネル341Bを背面側から押圧して固定するカバー512とで構成される。
なお、第1光学部品収容枠51および第1光学部品収容枠本体511をそれぞれ、以降では、第1収容枠51および第1収容枠本体511と略して適宜使用する。
【0042】
第1収容枠本体511は、図3(a)に示すように、略矩形の額縁状に形成され、入射側面511aの略中央には、光束を液晶パネル341Bに入射させる矩形の開口部5111が形成される。また、図3(b)に示すように、射出側面511bには、開口部5111の形状と略相似形状で、液晶パネル341Bを挿入する挿入部(図示省略)が形成される。図3(a)に示すように、第1収容枠本体511の右側面部511cの略中央には、冷却風が流入する流入口5112が形成される。なお、流入口5112には、第1渦流ポンプ54に接続するチューブ56の他端側が接続されている。
【0043】
また、図3(a)に示すように、第1収容枠本体511の入射側面511aにおいて、矩形の開口部5111の対応するコーナー部には2つの吐出口5113が形成される。詳細には、吐出口5113は、入射側面511aに正対して右上となる第1吐出口5113aと、左下となる第2吐出口5113bとが形成される。座標系で言う場合、吐出口5113は、入射側面511aで、+Y方向の上側(+Z方向)となる第1吐出口5113aと、−Y方向の下側(−Z方向)となる第2吐出口5113bとが形成される。
【0044】
なお、流入口5112と吐出口5113とは、第1収容枠本体511内部に形成される流路(図示省略)により接続されている。流路は、本実施形態では、第1収容枠本体511内部に溝を有して液晶パネル341Bを収容することにより、溝と液晶パネル341Bとに挟まれる部分が流路としての機能を行う。なお、流路の形成方法として、その他、流路そのものを第1収容枠本体511内部に形成してもよいし、パイプやチューブを第1収容枠本体511内部に設置して形成してもよい。
【0045】
2つの吐出口5113は、光束の入射側に並設される後述する入射側偏光板342Bの射出面342B2の中央部C2(図2参照)に向けて冷却風をそれぞれ吐出させる角度となるように形成されている。従って、吐出口5113は、照明光軸OAに対して略垂直となる入射側面511aに対し、第1収容枠本体511内部から傾斜して形成されるため、入射側面511aに正対した場合、楕円形状として視認される。また、本実施形態の2つの吐出口5113の内径は、約0.8mmに設定されている。なお、内径は、約0.6mm〜1mmに設定されることを推奨するが、0.6mmより小さくても、1mmより大きくてもよい。
【0046】
第1収容枠本体511の上側面部511eには、図3(b)に示すように、挿入部から切り欠かれた、切り欠き部5115が形成されている。
【0047】
カバー512は、図3(b)に示すように、略矩形の板状に形成され、略中央には、液晶パネル341Bで変調された光束を射出させる矩形の開口部5121が形成される。また、外周の角部には、液晶パネル341Bを電気光学装置34のユニットとして組み立てる際の固定用の孔5122が複数形成される。
【0048】
液晶パネル341Bの第1収容枠51への設置は、最初に液晶パネル341B(入射面341B1)を、第1収容枠本体511の射出側面511bの挿入部から挿入し、液晶パネル341Bに接続する駆動信号伝達用のフレキシブルケーブル341B5を切り欠き5115から延出するように設置する。その後、カバー512を第1収容枠本体511の射出側面511bから設置することで行われる。
【0049】
このように構成される第1収容枠51に対し、第1渦流ポンプ54から圧縮された冷却風がチューブ56を介して流入口5112に流入する。そして流入口5112に流入した冷却風は、第1収容枠本体511と液晶パネル341Bとで構成される流路を流動して、吐出口5113(第1吐出口5113a、第2吐出口5113b)から吐出する。
【0050】
図4は、入射側偏光板342Bを収容する第2光学部品収容枠52を示す斜視図であり、図4(a)は、第2光学部品収容枠52を正面側(光束入射側)から見た斜視図であり、図4(b)は、第2光学部品収容枠52を背面側(光束射出側)から見た斜視図である。図4を参照して、第2光学部品収容枠52の構成を説明する。
【0051】
第2光学部品収容枠52は、入射側偏光板342Bを収容する部材であると共に、冷却風を吐出する部材である。第2光学部品収容枠52は、第2光学部品収容枠本体521で構成される。
なお、第2光学部品収容枠52および第2光学部品収容枠本体521をそれぞれ、以降では、第2収容枠52および第2収容枠本体521と略して適宜使用する。
【0052】
第2収容枠本体521は、図4(a)に示すように、略矩形の額縁状に形成され、入射側面521aの略中央には、光束を入射側偏光板342Bに入射させる矩形の開口部5211が形成される。また、第2収容枠本体521の右側面部521cの略中央には、冷却風が流入する流入口5212が形成される。なお、流入口5212には、第2渦流ポンプ55に接続するチューブ57の他端側が接続されている。
【0053】
また、図4(b)に示すように、第2収容枠本体521の射出側面521bにおいて、矩形で貫通する開口部5211の対応するコーナー部には2つの吐出口5213が形成される。詳細には、入射側面521aに正対して、吐出口5213を透視した場合、吐出口5213は、左上となる第1吐出口5213aと、右下となる第2吐出口5213bとが形成される。座標系で言う場合、吐出口5213は、入射側面521aに正対した場合、−Y方向の上側(+Z方向)となる第1吐出口5213aと、+Y方向の下側(−Z方向)となる第2吐出口5213bとが形成される。
【0054】
なお、流入口5212と吐出口5213とは、第2収容枠本体521内部に形成される流路(図示省略)により接続されている。流路は、本実施形態では、第2収容枠本体521内部に成形時に形成している。
【0055】
2つの吐出口5213は、光束の射出側に並設される液晶パネル341Bの入射面341B1の中央部C1(図2参照)に向けて冷却風をそれぞれ吐出させる角度となるように形成されている。従って、吐出口5213は、照明光軸OAに対して略垂直となる射出側面521bに対し、第2収容枠本体521内部から傾斜して形成されるため、射出側面521bに正対した場合、楕円形状として視認される。また、本実施形態の2つの吐出口5213の内径は、第1収容枠51の吐出口5113の内径と同様に、約0.8mmに設定されている。なお、内径は、約0.6mm〜1mmに設定されることを推奨するが、0.6mmより小さくても、1mmより大きくてもよい。
【0056】
入射側偏光板342Bの第2収容枠52への設置は、第2収容枠本体521の射出側面521bに、貫通する開口部5211を入射側偏光板342Bの入射面342B1が覆うように、入射側偏光板342Bを固着することで設置する。
【0057】
このように構成される第2収容枠52に対し、第2渦流ポンプ55から圧縮された冷却風がチューブ57を介して流入口5212に流入する。そして流入口5212に流入した冷却風は、第2収容枠本体521に構成される流路を流動して、吐出口5213(第1吐出口5213a、第2吐出口5213b)から吐出する。
【0058】
図2に戻り、冷却機構5の動作を説明する。なお、その場合、図3、図4も適宜参照する。
図2に示すように、液晶パネル341Bを収容する第1収容枠51と、入射側偏光板342Bを収容する第2収容枠52とは、光束の進行方向に沿って並設して設置されており、第1収容枠51の入射側面511aと第2収容枠52の射出側面521bとは対向する状態となる。従って、上述した、第1収容枠51の吐出口5113と、第2収容枠52の吐出口5213とは、対向する側に設置されている。
【0059】
そして、第2収容枠52の入射側面521aに正対した場合の吐出口5113,5213の位置として、第1収容枠51の第1吐出口5113aは右上に設置され、第2吐出口5113bは左下に設置される。そして、第2収容枠52の第1吐出口5213aは左上に設置され、第2吐出口5213bは右下に設置される。従って、第2収容枠52の吐出口5213は、第1収容枠51の吐出口5113と相対する位置より、ずれた位置に設置されている。
【0060】
図2では、吐出口5113,5213から吐出された冷却風を二点鎖線で示している。詳細には、第1収容枠51の第1吐出口5113aから吐出された冷却風をA1とし、第2吐出口5113bから吐出された冷却風をA2とする。また、第2収容枠52の第1吐出口5213aから吐出された冷却風をA3とし、第2吐出口5213bから吐出された冷却風をA4とする。また、吐出口5113,5213から吐出される冷却風は、圧縮されて、風速、風圧が高くなった冷却風A1,A2,A3,A4として吐出される。
【0061】
図2に示すように、第1収容枠51の第1吐出口5113aから吐出された冷却風A1と、第2吐出口5113bから吐出された冷却風A2とは、それぞれ、光束の入射側となる入射側偏光板342Bの最も高温部分となる中央部C2に向けて吐出される。また、第2収容枠52の第1吐出口5213aから吐出された冷却風A3と、第2吐出口5213bから吐出された冷却風A4とは、それぞれ、光束の射出側となる液晶パネル341Bの最も高温部分となる中央部C1に向けて吐出される。
【0062】
なお、入射側偏光板342Bと、液晶パネル341Bとは、光源301から射出される光(光束)の照明光軸OAに対して略垂直方向に、それぞれの入射面または射出面が位置するように設置される。この場合、入射した光束により、入射側偏光板342Bおよび液晶パネル341Bの面内において、中央部に光束が集中するので最も発熱の高い部分となっている。
【0063】
そして、吐出口5113(第1吐出口5113a、第2吐出口5113b)から吐出される冷却風A1,A2は、入射側偏光板342Bの中央部C2に吹き付けられ、中央部C2に衝突する。このときに冷却風A1,A2もお互いに衝突する。また、同様に、吐出口5213(第1吐出口5213a、第2吐出口5213b)から吐出される冷却風A3,A4も、液晶パネル341Bの中央部C1に吹き付けられ、中央部C1に衝突する。このときに冷却風A3,A4もお互いに衝突する。
【0064】
但し、吐出口5113から吐出される冷却風A1,A2と、吐出口5213から吐出される冷却風A3,A4とは、互いに衝突することなく、それぞれ、入射側偏光板342Bの中央部C2と液晶パネル341Bの中央部C1とに吹き付ける。
【0065】
なお、冷却機構5は、制御部(図示省略)を備え、2つの高静圧送風機(第1渦流ポンプ54、第2渦流ポンプ55)の駆動を制御している。制御部は、詳細には、第1渦流ポンプ54と第2渦流ポンプ55から吐出される冷却風A1〜A4の送出と送出停止のタイミングを同じタイミングで制御(駆動)している。
【0066】
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態の第1光学部品収容枠51は、流入口5112から流入した冷却風を、流路により第1光学部品収容枠本体511内部に流動させ、吐出口5113から、光束の入射側となる入射側偏光板342Bに向けて吐出する。これにより、第1光学部品収容枠51の光束の入射側に並設される入射側偏光板342Bの表面に対して、対向する方向である第1光学部品収容枠51の吐出口5113から冷却風を吹き付けることができることにより、入射側偏光板342Bの表面に冷却風を衝突させて、冷却効率を向上させることができる。同様に、第2光学部品収容枠52は、流入口5212から流入した冷却風を、流路により第2光学部品収容枠本体521内部に流動させ、吐出口5213から、光束の射出側となる液晶パネル341Bに向けて吐出する。これにより、第2光学部品収容枠52の光束の射出側に並設される液晶パネル341Bの表面に対して、対向する方向である第2光学部品収容枠52の吐出口5213から冷却風を吹き付けることができることにより、液晶パネル341Bの表面に冷却風を衝突することができ、冷却効率を向上させることができる。
【0067】
本実施形態の第1光学部品収容枠51に備える吐出口5113は、2つの吐出口(第1吐出口5113a、第2吐出口5113b)を備え、入射側偏光板342Bの光束が集中して発熱量の大きくなる中央部C2に、2つの吐出口(第1吐出口5113a、第2吐出口5113b)から冷却風A1,A2を吐出することができる。これにより、冷却効率を向上させることができる。同様に、第2光学部品収容枠52に備える吐出口5213は、2つの吐出口(第1吐出口5213a、第2吐出口5213b)を備え、液晶パネル341Bの発熱量の大きくなる中央部C1に、2つの吐出口(第1吐出口5213a、第2吐出口5213b)から冷却風A3,A4を吐出することができ、冷却効率を向上させることができる。
【0068】
本実施形態の第1光学部品収容枠51によれば、第1吐出口5113a、第2吐出口5113bから吐出された冷却風A1,A2は、中央部C2に吹き付けて中央部C2および互いに衝突した後には、乱流となることで、入射側偏光板342Bの射出面342B2に沿って空気を流した時に発生する速度境界層が破壊されるので、射出面342B2との熱交換の効率を向上させ、冷却効率を更に向上させることができる。同様に、第2光学部品収容枠52によれば、第1吐出口5213a、第2吐出口5213bから吐出された冷却風A3,A4は、中央部C1に吹き付けて中央部C1および互いに衝突した後には、乱流となることで、液晶パネル341Bの入射面341B1の速度境界層を破壊することにより、入射面341B1との熱交換の効率を向上させ、冷却効率を更に向上させることができる。
【0069】
本実施形態のプロジェクター1によれば、第1光学部品収容枠51の吐出口5113は、入射側偏光板342Bの中央部C2に向けて冷却風A1,A2を吐出するように形成されている。従って、入射側偏光板342Bの最も発熱量の高い部分に冷却風A1,A2を吐出することができるため、発熱する入射側偏光板342Bの冷却効率を向上させることができる。同様に、第2光学部品収容枠52の吐出口5213は、液晶パネル341Bの中央部C1に向けて冷却風A3,A4を吐出するように形成されている。従って、液晶パネル341Bの最も発熱量の高い部分に冷却風A3,A4を吐出することができるため、発熱する液晶パネル341Bの冷却効率を向上させることができる。
なお、液晶パネル341Bや入射側偏光板342Bの発熱量の高い部分となる中央部C1,C2を冷却することにより、それぞれの面内温度差が低減されるため、投写時の色むらや照度むらが改善され、高画質化を実現できる。
【0070】
本実施形態のプロジェクター1によれば、光束の進行方向に沿って並設する第1光学部品収容枠51と第2光学部品収容枠52の対向する側の吐出口5113,5213は、吐出口5213が吐出口5113の相対する位置より、ずれた位置に設置されている。これにより、互いの吐出口5113,5213から吐出される冷却風A1,A2、と冷却風A3,A4は、互いに衝突することなく、入射側偏光板342Bと液晶パネル341Bに吹き付けることができる。従って、吐出する冷却風A1〜A4の風速や風圧を維持でき、入射側偏光板342Bと液晶パネル341Bの冷却効率を向上させることができる。
【0071】
本実施形態のプロジェクター1によれば、プロジェクター1の光学ユニット3の中で、発熱量が高くなる液晶パネル341Bと入射側偏光板342Bとを効率的に冷却することができるため、液晶パネル341Bと入射側偏光板342Bの光学特性を維持することができる。
【0072】
本実施形態のプロジェクター1によれば、高静圧送風機としての渦流ポンプ(第1渦流ポンプ54、第2渦流ポンプ55)を備えて空気を圧縮して流入口5112,5212から流入させることにより、吐出口5113,5213から吐出される冷却風A1〜A4の風速や風圧を高くすることができるため、入射側偏光板342Bと液晶パネル341Bの冷却効率を向上させることができる。
【0073】
本実施形態のプロジェクター1によれば、光学部品収容枠ごとに高静圧送風機を接続している。詳細には、第1光学部品収容枠51に第1渦流ポンプ54を接続し、第2光学部品収容枠52に第2渦流ポンプ55を接続している。これにより、吐出口5113,5213から吐出される冷却風A1〜A4の風速や風圧を高い状態で維持することができるため、入射側偏光板342Bと液晶パネル341Bの冷却効率を更に向上させることができる。
【0074】
本実施形態のプロジェクター1によれば、吐出口5113,5213から冷却風A1〜A4を吐出することができるため、従来のノズルが必要なくなり、ノズルの設置スペースを削減できる。これにより、プロジェクター1の小型化を図ることができる。
【0075】
本実施形態のプロジェクター1によれば、入射側偏光板342Bと液晶パネル341Bの冷却効率を向上させる冷却機構5を備えているため、投写する画像光の光学特性を維持することができる。特に、入射側偏光板342Bと液晶パネル341Bの中央部C2,C1等、発熱量の高い部分を冷却することができるため、面内温度差が低減され、投写時の色むらや照度むらが改善され、高画質化を実現できる。また、入射側偏光板342Bと液晶パネル341Bの長寿命化を図ることができることで、プロジェクター1自体の長寿命化が実現できる。
(第2実施形態)
【0076】
図5は、第2実施形態に係る電気光学装置34を冷却する冷却機構5Aの一部の概略構成を示す図である。図5を参照して、本実施形態の冷却機構5Aの概略構成および動作を説明する。
【0077】
本実施形態の冷却機構5Aは、第1実施形態と比較して、液晶パネル341Bと入射側偏光板342Bを冷却する低静圧送風機を更に備えていることが異なる点である。また、この低静圧送風機から吐出された冷却風A5を液晶パネル341Bと入射側偏光板342Bまで流動するダクト60を備えていることが異なる点である。その他の構成は、第1実施形態と同様であり、同様の構成には同様の符号を付記している。
なお、図5では、高静圧送風機(第1渦流ポンプ54、第2渦流ポンプ55)とチューブ56,57の図を省略して図示している。
【0078】
低静圧送風機として、本実施形態では、遠心ファン58を用いている。遠心ファン58は、回転軸方向から空気を吸気して、吸気した空気を回転接線方向に吐出するファンである。遠心ファン58の吐出口58aには、ダクト60の一端となる流入口60aが接続されている。ダクト60の他端となる吐出口60bは、液晶パネル341Bと入射側偏光板342Bの下方に位置して、上方向(+Z方向)に向けて開口して設置されている。そして、吐出口60bから吐出された冷却風A5は、図5に示すように、入射側偏光板342Bの射出面342B2(図4(b))、および液晶パネル341Bの入射面341B1と射出面341B2(図3(b))に沿って、下方から上方向に流動する。遠心ファン58から吐出された空気は液晶パネル341Bと入射側偏光板342Bの表面全体を流動し冷却する。
【0079】
上述した実施形態によれば、第1実施形態での効果に加えて、以下の効果が得られる。
本実施形態の冷却機構5Aによれば、高静圧送風機(第1渦流ポンプ54、第2渦流ポンプ55)に加えて、低静圧送風機(遠心ファン58)と、遠心ファン58からの冷却風A5を流動して吐出するダクト60を備えている。そして、冷却機構5Aは、冷却風A5を、入射側偏光板342Bの射出面342B2、および液晶パネル341Bの入射面341B1と射出面341B2(図3(b))に沿って、下方から上方向に流動する。この冷却機構5Aを備えるプロジェクター1は、入射側偏光板342Bおよび液晶パネル341Bの中央部を冷却する高静圧送風機(第1渦流ポンプ54、第2渦流ポンプ55)に加えて、液晶パネル341Bと入射側偏光板342Bの表面全体を冷却する低静圧送風機(遠心ファン58)を備えることにより、液晶パネル341Bおよび入射側偏光板342Bの冷却効率を更に向上させることができる。また、液晶パネル341Bと入射側偏光板342Bの表面の面内温度差も更に低減される。
【0080】
なお、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
【0081】
前記第1実施形態の冷却機構5を備えるプロジェクター1は、2つの高静圧送風機(第1渦流ポンプ54、第2渦流ポンプ55)を用いている。しかし、1つの高静圧送風機を用いることでもよく、その場合には、1つの高静圧送風機の吐出口を分岐して、第1収容枠51の流入口5112と第2収容枠52の流入口5212に接続させることでよい。これは、第2実施形態においても同様となる。
【0082】
前記第1実施形態の冷却機構5を備えるプロジェクター1は、2つの高静圧送風機(第1渦流ポンプ54、第2渦流ポンプ55)を用いて、制御部により、冷却風A1〜A4の送出と送出停止のタイミングを同じタイミングで制御(駆動)している。しかし、制御部により、それぞれの高静圧送風機(第1渦流ポンプ54、第2渦流ポンプ55)に間欠駆動を行わせ、冷却風A1〜A4の送出と送出停止のタイミングをそれぞれ逆転させて制御することでもよい。詳細には、第1渦流ポンプ54を駆動して冷却風A1,A2を吐出している期間には、第2渦流ポンプ55の駆動を停止させ、冷却風A3,A4の吐出を停止させる。そして、第1渦流ポンプ54の駆動を停止させ、冷却風A1,A2の吐出を停止させている期間には、第2渦流ポンプ55を駆動して、冷却風A3,A4を吐出させる。このような制御により、並設する第1光学部品収容枠51、第2光学部品収容枠52の対向する側の吐出口5113,5213から吐出された冷却風A1〜A4が、より確実に互いに衝突しないように冷却風A1〜A4を吐出させることができ、液晶パネル341B、入射側偏光板342Bの冷却効率を向上させることができる。これは、第2実施形態においても同様となる。
【0083】
前記第1実施形態の冷却機構5を備えるプロジェクター1において、第1収容枠51の吐出口5113は、冷却風A1,A2が入射側偏光板342Bの中央部C2に吹き付けるように、吐出口5113を中央部C2に向けて形成されている。しかし、中央部C2には限られず、吐出口5113は、入射側偏光板342B(射出面342B2)の発熱量の高い部分に向けて冷却風A1,A2を吐出するように形成されることでよい。同様に、第2収容枠52の吐出口5213は、冷却風A3,A4が液晶パネル341Bの中央部C1に吹き付けるように、吐出口5213を中央部C1に向けて形成されているが、液晶パネル341B(入射面341B1)の高温部に向けて冷却風A3,A4を吐出するように形成されることでよい。これは、第2実施形態においても同様となる。
【0084】
前記第1実施形態の冷却機構5または前記第2実施形態の冷却機構5Aを備えるプロジェクター1は、B光用の、入射側偏光板342Bと液晶パネル341Bに適用している。しかし、R光用およびG光用の、入射側偏光板342R,342Gと液晶パネル341R,341Gに適用してもよい。また、液晶パネル341、入射側偏光板342以外の光学部品にも適用可能である。例えば、重畳レンズ314の収容枠に、偏光変換素子313に向けて冷却空気を吐出するように吐出口を設けても良い。
【0085】
前記第1実施形態の冷却機構5を備えるプロジェクター1は、第1収容枠51の入射側面511aに吐出口5113を設置している。しかし、これに限られず、第1収容枠51の射出側面511bにも吐出口を設けて、射出側に位置する射出側偏光板343に冷却風を吹き付ける構成としてもよい。
【0086】
前記第1実施形態の冷却機構5を備えるプロジェクター1は、第1収容枠51に2つの吐出口5113を設置している。しかし、吐出口の数は2つに限定されず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。これは、第2収容枠52においても同様となる。
【0087】
前記第1実施形態のプロジェクター1は、R光、G光、B光に対応する3つの光変調装置(液晶パネル341)を用いる、いわゆる3板方式を採用している。しかし、これに限られず、単板方式の光変調装置を採用してもよい。また、コントラストを向上させるための光変調装置を追加して採用してもよい。
【0088】
前記第1実施形態のプロジェクター1は、透過型の光変調装置(透過型の液晶パネル341)を採用している。しかし、これに限られず、反射型の光変調装置を採用してもよい。
【0089】
前記第1実施形態の光源装置30は、超高圧水銀ランプを採用しているが、これに限られず、高輝度発光する種々の放電型のランプを採用することができ、例えば、メタルハライドランプや高圧水銀ランプ等を採用することができる。
【0090】
前記第1実施形態のプロジェクター1は、光変調装置として液晶パネル341を採用している。しかし、これに限られず、一般に、入射光束を画像情報に応じて変調するものであればよく、例えば、マイクロミラー型の光変調装置等、他の方式の光変調装置を採用することができる。なお、マイクロミラー型の光変調装置としては、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を採用することができる。
【符号の説明】
【0091】
1…プロジェクター、5,5A…冷却機構、51…第1光学部品収容枠、52…第2光学部品収容枠、54…第1渦流ポンプ、55…第2渦流ポンプ、58…遠心ファン、301…光源、341…液晶パネル、342…入射側偏光板、5112,5212…流入口、5113、5213…吐出口、A1,A2,A3,A4…冷却風、C1,C2…中央部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光束が入射する光学部品を収容する光学部品収容枠であって、
冷却用の空気が流入する流入口と、
前記流入口から流入した前記空気を前記光学部品収容枠の内部に流動する流路と、
前記流路を流動した前記空気を、前記光学部品収容枠から前記光束の入射側および射出側の少なくとも一方に吐出する吐出口と、を備えていることを特徴とする光学部品収容枠。
【請求項2】
請求項1に記載の光学部品収容枠であって、
前記吐出口は、複数備えられていることを特徴とする光学部品収容枠。
【請求項3】
光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、投写するプロジェクターであって、
請求項1または請求項2に記載の第1の光学部品収容枠と、
前記光学部品収容枠に収容された第1の前記光学部品と、
前記光学部品収容枠の前記入射側および/または前記射出側に位置する第2の前記光学部品と、を備え、
前記吐出口は、前記第2光学部品の中央部に向けて前記空気を吐出するように形成されていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項3に記載のプロジェクターであって、
前記第2光学部品は第2の前記光学部品収容枠に収容され、
前記第2の前記光学部品収容枠の前記吐出口は、前記第1の光学部品収容枠の前記吐出口と相対する位置より、ずれた位置に設置されていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のプロジェクターであって、
前記光学部品収容枠の前記流入口に接続し、冷却用の前記空気を圧縮して送る高静圧送風機を備えていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記光学部品を冷却する低静圧送風機を更に備えていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のプロジェクターであって、
第1および第2の前記光学部品収容枠の前記流入口にそれぞれ前記高静圧送風機が接続されており、
前記高静圧送風機に対し、それぞれ間欠駆動を行わせると共に、送出と送出停止のタイミングをお互いに逆転させて制御する制御部と、を備えていることを特徴とするプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−92543(P2013−92543A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232553(P2011−232553)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】