説明

光学長さ測定機構

【課題】光学長さ測定機構を提供する。
【解決手段】2つの物体の一方と接続され、測定方向に延びる反射測定区域を含む実量器と、他方の物体に接続された、測定区域を光学的に走査するための走査ユニットが、光学的実効点光源と、少なくとも1つの光学的実効検出器アレイとを含み、光学的実効光源から発散して放出された光束が、測定区域の方向に伝播し、測定区域で走査ユニットの方向に反射して戻され、少なくとも1つの光学的実効検出器アレイに当たり、変位に応じて変わるパターンが光学的実効検出器アレイに現れ、このパターンは、光学的実効検出器アレイによって、位置に応じた1つまたは複数の走査信号に変換可能である。走査ユニットは、測定方向で長手方向で案内され、結合点で連結棒と関節結合され、連結棒は他方の物体と接続される。結合点の位置は、結合点周りでの走査ユニットの前後傾が起こっても誤差のある走査信号が生じないように選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも測定方向に沿って相対移動可能に配置された2つの物体の相対位置を測定するための光学長さ測定機構に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる中心投影−走査原理に基づく光学位置測定機構が知られている。これについては例えば特許文献1を参照されたい。この種の位置測定機構が、光学式に動作する長さ測定機構として構成される場合、機構は実量器を含み、実量器は2つの物体の一方と接続され、測定方向に延びる反射測定区域(Messteilung)を備える。さらに、他方の物体と接続された走査ユニットが、測定区域を光学的に走査するために提供される。走査ユニットは、光学的実効点光源と、検出面に配置された少なくとも1つの光学的実効検出器アレイとを含み、それにより、光源から発散して放出された光束が、測定区域の方向に伝播し、測定区域で走査ユニットの方向に反射して戻され、次いで検出器アレイに当たる。変位に応じて変わるパターンが検出器アレイに現れ、このパターンは、検出器アレイによって、位置に応じた1つまたは複数の走査信号に変換可能である。
【0003】
ここでは、そのような位置測定機構の走査ユニットに現実の光源または一次光源を設けることができ、その際、現実の光源と測定区域の間に光学作用要素が配置され、これらの要素が、一方としての、生じる仮想の光学的実効光源と測定区域との間の光学的実効距離と、他方としての、検出器アレイと測定区域との間の光学的実効距離とが等しいことを保証する。同様に、望ましい距離の一致を保証するために、測定区域と現実の検出器アレイの間での走査光路内に、適切な光学作用要素を設けることもできる。これについては、特許文献1から既知の手段を参照されたい。そのような光学作用要素以外には、走査光路内にさらなる光学要素は配置されない。
【0004】
この種の光学長さ測定機構は、それらの簡単でコンパクトな構造により、明確な利点を有する。しかし欠点として、これらの長さ測定機構が、起こり得る走査ユニットの前後傾の影響を比較的受けやすいことを挙げることができる。この場合、誤りのある走査信号が生じる。前後傾とは、本明細書では、ピッチ軸(Nickachse)周りでの走査ユニットの傾きを意味し、このピッチ軸は、測定区域平面内またはそれに平行な平面内で、測定方向に垂直に向けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第10 2006 021 017 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、中心投影−走査原理に基づき、走査ユニットの前後傾の影響をできるだけ受けない光学長さ測定機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴を有する光学長さ測定機構によって解決される。
【0008】
本発明による光学長さ測定機構の有利な実施形態は、従属請求項に記載する手段から得られる。
【0009】
ここで、本発明による光学長さ測定機構では、測定機構内で長手方向で案内されるように走査ユニットを配置し、結合点で連結棒(Mitnehmer)と関節結合し、連結棒が他方の物体と接続されるようになされる。ここで、結合点の位置は、結合点周りでの走査ユニットの前後傾が起こっても誤差のある走査信号が生じないように選択される。
【0010】
少なくとも測定方向に沿って相対移動可能に配置された2つの物体の相対位置を測定するための本発明による光学長さ測定機構は、
−2つの物体の一方と接続され、測定方向に延びる反射測定区域を含む実量器と、
−他方の物体に接続された、測定区域を光学的に走査するための走査ユニットとからなり、走査ユニットが、光学的実効点光源と、少なくとも1つの光学的実効検出器アレイとを含み、それにより、光学的実効光源から発散して放出された光束が、測定区域の方向に伝播し、測定区域で走査ユニットの方向に反射して戻され、次いで少なくとも1つの光学的実効検出器アレイに当たり、それにより、変位に応じて変わるパターンが検出器アレイに現れ、このパターンが、光学的実効検出器アレイによって、位置に応じた1つまたは複数の走査信号に変換可能である。
【0011】
走査ユニットは、測定方向で長手方向で案内され、結合点で連結棒と関節結合され、連結棒は他方の物体と接続される。結合点の位置は、結合点周りでの走査ユニットの前後傾が起こっても誤差のある走査信号が生じないように選択される。
【0012】
有利には、結合点が、測定区域に対して垂直な直線上で、光学的実効検出器アレイを含む平面から上方へ距離dの位置にあり、距離dが、
d=l・a/(a+2)
に従って得られ、ここで、
d:=光学的実効検出器アレイの平面から上方へ結合点までの距離
l:=測定区域から光学的実効検出器アレイの平面までの距離
a:=光学的実効検出器アレイを含む平面から光学的実効光源までの距離と、測定区域から光学的実効検出器アレイを含む平面までの距離との比
である。
【0013】
ここで、a=0が選択されることがあり、結合点が、光学的実効検出器アレイの平面内にある。
【0014】
a≠0が選択されることもあり、結合点が、光学的実効検出器アレイの平面よりも上方にある。
【0015】
走査ユニットを走査キャリッジ内に配置し、走査キャリッジを、実量器および/または実量器の筐体にある案内要素によって測定方向に長手方向で案内することができる。
【0016】
さらに、走査キャリッジを、結合点で結合機構によって連結棒と関節結合することができる。
【0017】
さらに、走査ユニット内で、光束の光路内に光学作用要素のみが配置され、
−光学作用要素が、現実の光源と測定区域との間の光学的実効距離を所期通りに調整する、および/または
−光学作用要素が、現実の検出器アレイと測定区域との間の光学的実効距離を所期通りに調整する
ようになされることもある。
【0018】
ここで、特に有利なこととして、本発明による解決策では、結合点周りでの走査ユニットの前後傾が起こっても誤差のある走査信号が生じないことが挙げられる。
【0019】
本発明による方法のさらなる詳細および利点を、本発明による光学長さ測定機構の例示的実施形態の以下の説明に基づいて図面に関連付けて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による光学長さ測定機構の例示的実施形態の非常に概略的な図である。
【図2】本発明による光学長さ測定機構での重要な幾何学的寸法を説明するための第1の図である。
【図3】本発明による光学長さ測定機構での重要な幾何学的寸法を説明するための第2の図である。
【図4】本発明による光学長さ測定機構での重要な幾何学的寸法を説明するための第3の図である。
【図5a】本発明による光学長さ測定機構のさらなる例示的実施形態の非常に概略的な図である。
【図5b】本発明による光学長さ測定機構のさらなる例示的実施形態の非常に概略的な図である。
【図6a】本発明による光学長さ測定機構のさらなる例示的実施形態の非常に概略的な図である。
【図6b】本発明による光学長さ測定機構のさらなる例示的実施形態の非常に概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に、本発明による光学長さ測定機構の例示的実施形態を非常に概略的に示す。長さ測定機構は、相対移動可能に配置された2つの物体の相対位置を測定するために使用される。2つの物体(図示せず)は、本明細書では、少なくとも所定の測定方向xに沿って相対摺動可能に配置される。これらの物体は、例えば相対移動可能な機械部品でよい。本発明による光学長さ測定機構により、その機構を含む機械制御装置が、これらの機械部品の相対位置に関する情報を自由に使用できるようになる。
【0022】
図示した光学長さ測定機構は、一方では、両方の物体と接続された実量器10を含み、実量器10は、測定方向xに延びる反射測定区域12が上に設けられた支持体11からなる。測定区域12は、既知の形態で、測定方向xに配列された様々な反射率を有する区域範囲からなる。
【0023】
他方、本発明による光学長さ測定機構は、点光源21と、少なくとも1つの検出器アレイ22とを有する走査ユニット20を含む。この例示的実施形態では、光源21と検出器アレイは一平面内に配置される。走査ユニット20によって測定区域12が光学的に走査される。この走査は、冒頭で説明した中心投影原理に基づく。このために、光源21から発散して放出された光束が測定区域12の方向に伝播するようになされる。これらの光束は、測定区域12で走査ユニット20の方向に反射して戻され、次いで走査ユニットにおいて検出器アレイ22に当たる。変位に応じて変わるパターンが検出器アレイ22に現れ、このパターンは、検出器アレイ22によって、位置に応じた1つまたは複数の走査信号に変換可能である。
【0024】
図示した例示的実施形態では、点光源から測定区域への光路内に、または測定区域から検出器アレイへの光路内に、さらなる光学要素は配置されない。しかし、構造上、光源または検出器アレイは、共通の平面内に配置可能でないことや、意図的に共通の平面内に配置されないこともあり得る。そのような場合には、光学作用要素を光路内に配置することができ、それらの各要素が走査光路に対して特定の光学作用を及ぼす。この光学作用は、一方としての、光学的実効光源と測定区域との間の距離と、他方としての、測定区域と検出面との間の距離とが等しくなるように調整するようなものであることがある。さらに、そのような要素の光学作用は、一方としての、光源と測定区域との間の距離と、他方としての、測定区域と検出器アレイとの間の距離とが意図的に異なるように調整するようなものであることもある。したがって、本発明による光学長さ測定機構の走査ユニットのこれらのさらなる可能な実施形態に関して、以下では常に、光学的実効光源または光学的実効検出器アレイに言及する。これらの概念には、中心投影−走査に関する様々な可能性が含まれる。すなわち、1つの可能性は、さらなる光学作用要素を必要とせずに、検出器アレイと共に一平面内に現実の点光源を配置するというものであり、別の可能性は、現実の点光源または一次点光源を別の場所に配置し、適切な光学作用要素を光路内に設けるというものである。同様のことが、現実の検出器アレイの配置に関する様々な可能性についても当てはまる。なお、現実の検出器アレイの可能な実施形態、および光路内でのさらなる光学作用要素の適切な配置に関しては、特許文献1を特に参照されたい。
【0025】
図1から明らかなように、本発明による光学長さ測定機構の図示した例示的実施形態では、走査ユニット20は走査キャリッジ30内に配置される。走査キャリッジ30と、そこに配置された走査ユニット20とが、実量器10にある案内要素31a、31bによって測定方向xに長手方向で案内される。このために、案内要素31a、31bは、例えば玉軸受ローラまたはロールの形態での滑り要素として構成することができる。実量器10での長手方向案内の代わりに、またはそれを補うために、実量計10の筐体(図示せず)にあるさらなる案内要素によって走査キャリッジ30が長手方向で案内されるようになされることもある。
【0026】
走査ユニット20は、結合点50で結合機構によって連結棒41と関節結合される。連結棒41はさらに取付脚部40と接続され、取付脚部40は、相対移動可能な2つの物体の他方に配設される。図示される例示的実施形態では、結合点50における走査キャリッジ30または走査ユニット20のそのような関節結合によって強制回転軸またはピッチ軸が構成される。例えば走査キャリッジ30が実量器10において長手方向で案内される際、支持体11が完全には平坦でないとき、このピッチ軸周りで、例えば実量器10に対する走査ユニット20の回転が生じる。したがって走査キャリッジ30は、このようにして、実量器10の側で生じていることがある非平坦性に対処する。
【0027】
本発明による光学長さ測定機構に関して重要なのは、結合点50の位置、またはそれにより得られる走査ユニット20のピッチ軸の位置である。結合点50周りまたはこの点を通って延びるピッチ軸周りでの走査ユニット30の前後傾が起こっても誤差のある走査信号が生じないように、この位置は、使用される中心投影−走査原理に適するように選択される。以下に、中心投影−走査原理の使用の際に本発明に従って結合点の位置を選択する方法を説明する。
【0028】
これに関して、まず図2を参照する。図2は、中心投影−走査原理を使用する際の重要な幾何的寸法を示す。発散して放射する光学的実効点光源21によって、距離uに配置された周期的な測定区域12が照明される。測定区域12は、この例では周期T1を有する。したがって、このようにすると、測定区域12から距離vだけ離して配置された光学的実効検出器アレイ22の検出面では、拡がった周期T2を有する周期的なパターンが得られる。知られている平行線と線分の比の定理(Strahlensatz)により、周期T2に関して成り立たなければならない以下の式が得られる。
T2=T1(u+v)/u (式1)
【0029】
したがって、光学的実効検出器アレイ22は、この拡がった周期T2を得られるように設計しなければならない。これは、例えばいわゆる構造化光検出器を使用する場合には、それにより走査されるパターンの周期T2内に、1つの周期的な検出器アレイ(図示せず)の4つの検出器要素を配置することによって行うことができる。このようにすると、それぞれ位相が90°ずれた4つの走査信号が得られる。
【0030】
ここで、式(1)は、厳密に周期的な構造の記述に限定されない。すなわち、T1は、測定区域が非周期コード構造として構成されるときには、実量器での符合化の(ビット)幅を示すこともある。このとき、この符合化は、測定区域から距離vでは幅T2を有し、光学的実効検出器アレイの側で、適切な幅を有するある数の検出器要素を用いてこれを走査しなければならない。
【0031】
次に、図3に、中心投影−走査構成の2つの状態を示す。実線によって正常な状態が示されており、この状態では、検出器アレイ22がピッチ軸N周りで傾いていない。一方、検出器アレイ22がピッチ軸N周りで傾斜角Φだけ傾けられている状態が破線で示されている。図3では、ピッチ軸Nは、光学的実効点光源21を通って延び、紙面に垂直である。
【0032】
さらに、図3では、光学的実効検出器アレイ22と測定区域12の間の距離がlで示されている。a・lが、光学的実効検出器アレイ22から光学的実効光源21までの距離を示す。
【0033】
したがって、図2および図3に示される状況に関して、以下の関係が成り立つ。
u=a・l+l=l・(a+1) (式2.1)
v=l (式2.2)
(u+v)/u=(a+2)/(a+1) (式2.3)
【0034】
したがって、式1と合わせると、以下の式が得られる。
T2=T1・(a+2)/(a+1) (式2.4)
【0035】
図3に示されるように、傾いた状態では、光学的実効光源21から放出された光線(破線)は、傾いていない状態での当射点に対して変位距離
ΔM=Φ・(a・l+l)=Φ・l・(a+1) (式3.1)
だけずれて測定区域12に当たる。
【0036】
光学的実効検出器アレイ22の平面で、傾いた状態での変位距離ΔDは、
ΔD=Φ・l・2 (式3.2)
となる。
【0037】
関係3.1および3.2は、小さな傾斜角Φに関して近似として当てはまるものである。
【0038】
これを基に、測定区域12および光学的実効検出器アレイ22の平面内での傾いていない状態と傾いた状態の間の位相関係または位相差を考察すると、これらに関して、
ΔPhase_Massstab=Φ・l・(a+1)/T1 (式4.1)
ΔPhase_Detektor=Φ・2・l/T2=
=Φ・2・l・(a+1)/((a+2)・T1) (式4.2)
となる。
【0039】
ここで、式(4.1)および(4.2)は、式(3.1)、(3.2)による変位距離ΔMおよびΔDを位相値に換算することで得られる。
【0040】
傾いた状態と傾いていない状態の間で誤差のある走査信号が生じないためには、ΔPhase_MassstabとΔPhase_Detektorの位相差をゼロにしなければならない。これは、条件
2/(a+2)=1 (式5)
が満たされる場合、すなわちa=0の場合に当てはまる。
【0041】
すなわち、これは、ピッチ軸N、ひいては結合点が、できる限り、光学的実効検出器アレイ22の平面内に位置することを意味する。これは、光学的実効検出器アレイ22の平面内に光学的実効光源が配置される場合である。そうすると、このような走査時に結合点周りで前後傾が起こっても走査信号に誤差が生じない。
【0042】
しかし、ピッチ軸が光学的実効光源21を通って延びず、光学的実効検出器アレイ22の平面および測定区域平面を通って垂直に、光学的実効検出器アレイ22の平面から上方へ任意の距離dの位置にある場合、比率の変化が生じる。この場合を次に考察し、図4に基づいて説明する。この図もやはり、ピッチ軸N周りで傾いていない状態と傾いた状態との関係を示す。
【0043】
図4に示されるように、ピッチ軸N周りでの傾きに基づいて、光学的実効光源21から放出された光線(破線)が、傾いていない状態での当射点に対して変位距離
ΔM=Φ・(d+l) (式6.1)
だけずれて測定区域12に当たる。
【0044】
光学的実効検出器アレイ22の平面で、傾いた状態での変位距離はここでも、
ΔD=Φ・l・2 (式6.2)
となる。
【0045】
ここでも、関係6.1および6.2は、小さな傾斜角Φに関して近似として当てはまるものである。
【0046】
ここで改めて、測定区域12および検出面内での傾いていない状態と傾いた状態の間の位相関係または位相差を考察すると、これらに関して、
ΔPhase_Massstab=Φ・(d+l)/T1 (式7.1)
ΔPhase_Detektor=Φ・2・l/T2=
=Φ・2・l・(a+1)/((a+2)・T1) (式7.1)
となる。
【0047】
ここでも、傾いた状態と傾いていない状態の間で誤差のある走査信号が生じないためには、これらの大きさの位相差をゼロにしなければならない。これは、条件
l=d・(a+2)/a (式8.1)
を満たしたとき、すなわち、
d=l・a/(a+2) (式8.2)
の場合に当てはまり、ここで、
d:=光学的実効検出器アレイの平面から上方へ結合点までの距離
l:=測定区域から光学的実効検出器アレイの平面までの距離
a:=光学的実効検出器アレイを含む平面から光学的実効光源までの距離と、測定区域から光学的実効検出器アレイを含む平面までの距離との比
である。
【0048】
したがって、式8.2で示される距離dは、選択された中心投影−走査において、光学的実効検出器アレイ22の平面および測定区域平面を通って垂直に、光学的実効検出器アレイ22の平面から上方へ距離dの位置に走査ユニットのピッチ軸Nまたは所要の結合点を定めなければならないことを示す。
【0049】
ここで、式8.2は、既に上で論じた場合、すなわち光学的実効光源21が光学的実効検出器アレイ22の平面内に配置され、したがってa=0が成り立つときにも有効である。この変形形態に関しては、やはりd=0が当てはまり、すなわちこの場合、ピッチ軸は光学的実効光源21を通って延びる。図5aおよび図5bに、本発明による光学長さ測定機構のそのような実施形態が様々な視点から示されている。
【0050】
他の場合、すなわち光学的実効光源21が、光学的実効検出器アレイ22の平面および測定区域平面を通って垂直に、光学的実効検出器アレイ22の平面から上方に距離d≠0に配置される場合が、本発明による位置測定機構のさらなる例示的実施形態で図6a、6bに概略的に示されている。
【0051】
当然、説明した例示的実施形態以外にも、さらなる他の可能な実施形態が本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
10 実量器
11 支持体
12 反射測定区域
20 走査ユニット
21 点光源
22 検出器アレイ
30 走査キャリッジ
31a、31b 案内要素
40 取付脚部
41 連結棒
50 結合点
x 測定方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも測定方向(x)に沿って相対移動可能に配置された2つの物体の相対位置を測定するための光学長さ測定機構であって、
前記2つの物体の一方と接続され、測定方向(x)に延びる反射測定区域(12)を含む実量器(10)と、
他方の物体に接続された、前記測定区域(12)を光学的に走査するための走査ユニット(20)とを備え、前記走査ユニット(20)が、光学的実効点光源(21)と、少なくとも1つの光学的実効検出器アレイ(22)とを含み、それにより、前記光学的実効光源(21)から発散して放出された光束が、前記測定区域(12)の方向に伝播し、前記測定区域(12)で前記走査ユニット(20)の方向に反射して戻され、次いで前記少なくとも1つの光学的実効検出器アレイ(22)に当たり、それにより、変位に応じて変わるパターンが前記検出器アレイ(22)に現れ、前記パターンが、前記光学的実効検出器アレイ(22)によって、位置に応じた1つまたは複数の走査信号に変換可能である光学長さ測定機構であって、
前記走査ユニット(20)が、測定方向(x)に長手方向で案内され、
前記走査ユニット(20)が、結合点(50)で連結棒(41)と関節結合され、前記連結棒(41)が前記他方の物体と接続され、前記結合点(50)の位置が、前記結合点(50)周りでの前記走査ユニット(20)の前後傾が起こっても誤差のある走査信号が生じないように選択される光学長さ測定機構。
【請求項2】
前記結合点(50)が、前記測定区域(12)に対して垂直な直線上で、前記光学的実効検出器アレイ(22)を含む平面から上方へ距離dの位置にあり、前記距離dが、
d=l・a/(a+2)
に従って得られ、ここで、
d:=前記光学的実効検出器アレイの平面から上方へ前記結合点までの距離
l:=前記測定区域から前記光学的実効検出器アレイの平面までの距離
a:=前記光学的実効検出器アレイを含む平面から前記光学的実効光源までの距離と、前記測定区域から前記光学的実効検出器アレイを含む平面までの距離との比
である請求項1に記載の光学長さ測定機構。
【請求項3】
a=0が選択され、前記結合点(50)が、前記光学的実効検出器アレイ(22)の平面内にある請求項2に記載の光学長さ測定機構。
【請求項4】
a≠0が選択され、前記結合点(50)が、前記光学的実効検出器アレイ(22)の平面よりも上方にある請求項2に記載の光学長さ測定機構。
【請求項5】
前記走査ユニット(20)が走査キャリッジ(30)内に配置され、前記走査キャリッジ(30)が、前記実量器(10)および/または前記実量器(10)の筐体にある案内要素(31a、31b)によって測定方向(x)に長手方向で案内される請求項1に記載の光学長さ測定機構。
【請求項6】
前記走査キャリッジ(30)が、結合点(50)で結合機構によって前記連結棒(41)と関節結合される請求項1に記載の光学長さ測定機構。
【請求項7】
前記走査ユニット(20)内で、前記光束の光路内に光学作用要素のみが配置され、
前記光学作用要素が、前記現実の光源と前記測定区域(12)との間の光学的実効距離を所期通りに調整する、および/または
前記光学作用要素が、前記現実の検出器アレイと前記測定区域(12)との間の光学的実効距離を所期通りに調整する
請求項1に記載の光学長さ測定機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2012−225911(P2012−225911A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−89977(P2012−89977)
【出願日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【出願人】(390014281)ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (115)
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】