説明

光応答性を有する半導体材料、光電極材料及びその製造方法

【課題】光応答性を有するp型の半導体を提供する。
【解決手段】窒素(N)が添加されたタンタル(Ta)及び酸素(O)を含むp型の半導体材料とする。特に、窒素の添加量が7.1原子%以上49.9原子%以下とされたTa構造を有するものとすることが好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光応答性を有する半導体材料及び光電極材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タンタル(Ta)及び酸素(O)を含むTa粉末をアンモニア(NH)雰囲気下で熱処理し、窒素(N)が添加されたTa−Nを製造する技術が報告されている(非特許文献1)。窒素(N)は7原子%以下(Ta5−x−Nx:x≦0.35)ドープされ、ドープ量が増大するほど吸収波長端は長波長側に変化し、可視光応答性が高まることが示されている。
【0003】
また、タンタル(Ta)及び酸素(O)を含むTa粉末をアンモニア(NH)雰囲気下で熱処理し、TaON又はTaを生成する技術が報告されている(非特許文献2)。生成されたTaON又はTaに420nm以上の波長の光を照射して、犠牲剤存在下における水分解の実験を行ったところ、最大量子収率は水素(H)で0.06%(犠牲剤メタノール)と酸素(O)で10%(犠牲剤Ag(NO))となった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】T. Murase et al., J. Phys. Chem. B (2004) Vol.108, pp.15803-15807.
【非特許文献2】M. Hara et al., Catalysis Today (2003) Vol.78, pp.555-560.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、非特許文献1の技術における可視光照射下でのイソプロピルアルコール(IPA)の分解実験では、窒素(N)ドープ量が少ない条件で分解が促進されて二酸化炭素(CO)生成量が多くなることが示されている。Ta5−x−Nxにおいて窒素(N)ドープ量がx≧0.17では二酸化炭素(CO)生成量が低下することが示され、実験においても窒素(N)のドープ量が7原子%以下の結果しか得ていない。
【0006】
これは、非特許文献1では可視光照射下において高い酸化力を実現することが目的であり、還元反応については検討していないからである。また、7原子%以下の窒素(N)のドープ量では、伝導帯下端は窒素(N)がドープされていないTaとほぼ同じエネルギーレベルを維持しており、還元反応に有効な半導体材料は生成されていない。
【0007】
また、非特許文献2の技術では、最終的にはTaON又はTaとなり、可視光反応性は高まるが、n型半導体となり、その伝導帯下端のエネルギーレベルは低く維持されたままである。
【0008】
そこで、本発明は、還元反応に有効な光応答性を有する半導体材料及び光電極材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様は、窒素(N)が添加されたタンタル(Ta)及び酸素(O)を含むp型の半導体材料である。
【0010】
このような半導体材料は、窒素(N)を含む雰囲気下においてタンタル(Ta)及び酸素(O)を含むターゲットをスパッタリングすることによって、窒素(N)が添加されたタンタル(Ta)及び酸素(O)を含むp型の半導体材料を形成する半導体材料の製造方法により製造することができる。
【0011】
また、タンタル(Ta)を含む原料を加水分解して得られるタンタル(Ta)の酸化物又は水酸化物を、アンモニア(NH3)又は尿素((HN)C=0)を含む雰囲気で熱処理して窒化することによって、窒素(N)が添加されたタンタル(Ta)及び酸素(O)を含むp型の半導体材料を形成する半導体材料の製造方法により製造することができる。
【0012】
ここで、窒素の添加量が7.1原子%以上49.9原子%以下であることがより好適である。
【0013】
また、可視光応答性を有することが好適である。JIS Z8120の定義によれば、可視光とは波長360nm以上830nm以下の光をいう。特に、420nm以上の光に応答性を有することが好適である。
【0014】
また、本発明における半導体材料は、窒素が添加されたTa構造を有することが好適である。
【0015】
また、本発明の別の態様は、上記本発明における半導体材料を含むことを特徴とする光還元触媒体である。また、上記本発明における半導体材料を含むことを特徴とする光カソード電極材料である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、窒素(N)が添加されたタンタル(Ta)及び酸素(O)を含むp型の半導体材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態における窒素の導入割合と窒素の添加量(ドープ量)との関係を示す図である。
【図2】実施例2における伝導帯下端のエネルギー準位を示す図である。
【図3】実施例2及び比較例1における光電流の測定結果を示す図である。
【図4】実施例1及び比較例3における光電流の測定結果を示す図である。
【図5】実施例4及び比較例4における光電流の測定結果を示す図である。
【図6】実施例4のX線回折の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[半導体材料の製造方法]
以下、本発明の実施の形態における半導体材料の製造方法について説明する。本発明の実施の形態における半導体材料はスパッタリング法及び粉末法により製造することができる。
【0019】
<スパッタリング法>
Taターゲットをスパッタリング装置の真空チャンバ内に配置し、真空チャンバを真空排気した後、アルゴン(Ar)及び窒素(N)の混合ガスのプラズマを発生させてTaターゲットをスパッタリングして基板上に窒素(N)が添加されたTaを含む半導体材料を形成する。その後、窒素(N)が添加されたTaを含む半導体材料が形成された基板を真空チャンバから取り出し、雰囲気炉内に導入して窒素(N)雰囲気にて熱処理する。
【0020】
一例であるが、直径3インチのTaターゲットを用い、透明導電膜ATO(アンチモン(Sb)が添加された酸化錫)を表面に形成したガラス基板上に窒素(N)が添加されたTaを含む半導体材料を形成した。成膜時の投入電力は425W、真空チャンバ内の圧力は4.0×10−3Torrに維持した。成膜中に基板は加熱しなかった。また、雰囲気炉中における熱処理は、窒素(N)雰囲気にて575℃で2時間の熱処理とした。
【0021】
混合ガス中の窒素(N)の割合を変化させることで、基板表面上に形成されるTaを含む半導体材料の窒素(N)の添加量(ドープ量)を調整した。混合ガス中の窒素(N)の割合は0%以上80%以下の範囲で変化させた。
【0022】
ただし、成膜条件はこれに限定されるものではなく、窒素(N)が添加されたTaを含む半導体材料が形成される条件、好ましくは窒素(N)が7.1原子%以上49.9原子%以下添加されたTaを含む半導体材料が形成される条件であればよい。
【0023】
<粉末法>
塩化タンタルをアルコール等の溶媒に溶解させ、アンモニア(NH)水溶液を加えてメスアップし、撹拌することによってTaの白色粉末を得る。タンタル(Ta)の原料は臭化タンタル、ヨウ化タンタル、硝酸タンタル、タンタルメトキシド、タンタルエトキシド、タンタルプロポキシド、タンタルブトキシドでもよい。このTa白色粉末をそのまま、又は、大気中で熱処理する。加熱時間は数時間程度とすることが好ましい。その後、アンモニア(NH)及びアルゴン(Ar)のガスの雰囲気中で熱処理して窒化する。これにより、窒素(N)が添加されたTaを含む半導体材料を形成する。
【0024】
一例であるが、5gの塩化タンタルを100ミリリットルのエタノール中に溶解させ、5%のンモニア(NH)水溶液を加えてメスアップし、5時間撹拌して白色のTaの粉末を得た。この粉末を大気中で500℃以上1000℃以下の範囲で5時間熱処理した後、アンモニア(NH)を0.4リットル/分〜0.5リットル/分、アルゴン(Ar)を0.2リットル/分以下の流量割合で供給しつつ、500℃以上800℃以下の温度範囲で5時間熱処理して窒化した。
【0025】
アンモニア(NH)とアルゴン(Ar)との割合及びTa粉末の前処理温度、窒化処理の温度又は時間を変化させることで、生成されるTaを含む半導体材料の粉末における窒素(N)の添加量(ドープ量)を調整した。
【0026】
ただし、生成条件はこれに限定されるものではなく、窒素(N)が添加されたTaを含む半導体材料の粉末が形成される条件、好ましくは窒素(N)が7.1原子%以上49.9原子%以下添加されたTaを含む半導体材料が形成される条件であればよい。
【0027】
[測定方法]
以下、上記本発明の実施の形態における半導体材料の製造方法において製造された半導体材料の特性の測定方法について説明する。
【0028】
<窒素添加量(ドープ量)の測定>
製造した半導体材料に含まれる窒素(N)の添加量(ドープ量)は、X線光電子分光法(XPS:X-Ray Photoemission spectroscopy)により測定した。XPS測定にはアルバック・ピーエイチアイ(ULVAC PHI)社製”Quantera SXM”を用いて行った。X線源にはモノクロ化された(Monochromated)Al−Kα線を使用した。
【0029】
製造した半導体材料に含まれる窒素(N)の添加量(ドープ量)は、窒素(N)の1s軌道のピーク面積Pから求めた。窒素(N)の1s軌道のピーク面積P、タンタル(Ta)の4p3/2軌道のピーク面積PTa及び酸素(O)の1s軌道のピーク面積Pを求めるためShirley法によりバックグラウンドを設定した。次に、感度補正を行うために、各ピーク面積に装置固有の相対感度係数を乗算した。すなわち、窒素(N)の添加量(ドープ量)=α×P/(α×P+β×PTa+γ×P)で算出した。ただし、α,β,γは補正係数であり、例えば、α=0.499である。最後に、不純物を含めた全元素の合計が100%となるよう規格化した。
【0030】
<光学特性の測定>
製造した半導体材料の光学バンドギャップは分光光度計により測定した。分光光度計は島津製作所製”UV-3600”を用いて測定した。分光光度計により製造した半導体材料の吸収スペクトルを測定し、吸収端波長から式(1)により算出した。
【0031】
(数1)
バンドギャップ(eV)=1240/吸収端波長(nm)・・・(1)
【0032】
伝導帯下端(CBM: Conduction Band Minimum)のエネルギー準位は、大気中光電子分光法により測定した。大気中光電子分光法には、理研計器製の大気中光電子分光装置”AC-2”を用いた。大気中光電子分光法により、製造した半導体材料のイオン化ポテンシャル(真空準位からの価電子帯上端(VBM: Valence Band Maximum)のエネルギー準位に等しい)とバンドギャップから式(2)により算出した。ここで、標準水素電極を基準とし、真空準位から−4.44eVを0V(対NHE)とした。
【0033】
(数2)
CBM(V対NHE)=(イオン化ポテンシャル)−(バンドギャップ)−4.44
・・・(2)
【0034】
<光電流の測定>
製造した半導体材料の光応答性については光電流測定により測定した。粉末の半導体材料については少量の水を加えてスラリー化したものを、表面に透明導電膜ATOを形成したガラス基板上に塗布して、大気中で乾燥させた試料を作成して光電流測定を行った。乾燥は、120℃で1時間行った。
【0035】
光源は600Wのキセノン(Xe)ランプを使用した。試料を0.2M−KSO溶液を満たした石英セルにセットし、ポテンショスタットにより試料の半導体材料の部分に電圧を印加し、その印加電圧値を変化させながらキセノン全光又は420nmより短い波長領域をカットするフィルタを通してオン・オフを繰り返しながら可視光を照射し、電流値を測定した。参照電極としてAg/AgCl電極を使用した。
【0036】
[実施例及び比較例]
以下、本発明における実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
スパッタリング法において、アルゴン(Ar)及び窒素(N)の混合ガスにおいて窒素(N)の割合が50%の条件下で作製し、窒素(N)雰囲気にて575℃で2時間熱処理した半導体材料の膜を実施例1とした。
(実施例2)
スパッタリング法において、アルゴン(Ar)及び窒素(N)の混合ガスにおいて窒素(N)の割合が60%の条件下で作製し、窒素(N)雰囲気にて575℃で2時間熱処理した半導体材料の膜を実施例2とした。
(実施例3)
スパッタリング法において、アルゴン(Ar)及び窒素(N)の混合ガスにおいて窒素(N)の割合が80%の条件下で作製し、窒素(N)雰囲気にて575℃で2時間熱処理した半導体材料の膜を実施例3とした。
(実施例4)
粉末法において、前処理温度800℃とし、アンモニア(NH)を0.4リットル/分及びアルゴン(Ar)を0.2リットル/分の流量割合で供給しつつ600℃で5時間熱処理して窒化して得られた粉末を実施例4とした。
【0037】
(比較例1)
スパッタリング法において、アルゴン(Ar)に窒素(N)を混合せず(0%)、代わりに酸素(O2)を20%の割合で混合した混合ガスを用いた条件下で作製し、窒素(N)雰囲気にて575℃で2時間熱処理したスパッタ膜を比較例1として用いた。
(比較例2)
スパッタリング法において、アルゴン(Ar)及び窒素(N)の混合ガスにおいて窒素(N)の割合が20%の条件下で作製し、窒素(N)雰囲気にて575℃で2時間熱処理した半導体材料の膜を比較例2とした。
(比較例3)
スパッタリング法において、アルゴン(Ar)及び窒素(N)の混合ガスにおいて窒素(N)の割合が40%の条件下で作製し、窒素(N)雰囲気にて575℃で2時間熱処理した半導体材料の膜を比較例3とした。
(比較例4)
粉末法において、前処理温度800℃として、アンモニア(NH)及びアルゴン(Ar)の雰囲気中における熱処理を行わなかった粉末を比較例4とした。
【0038】
図1に、スパッタリング法における混合ガス中の窒素(N)の割合に対する製造された半導体材料の窒素(N)の添加量(ドープ量)の関係を示す。図1より、スパッタリング法における混合ガス中の窒素(N)の割合を増加させると、それに伴って製造された半導体材料の窒素(N)の添加量(ドープ量)も増加することが分かる。
【0039】
図2に、実施例2とTaON,Taの伝導帯下端のエネルギー準位(CBM)の測定結果を示す。窒素(N)の添加量(ドープ量)が50%以上のTaONやTaに比べて、実施例2の試料のCBMは高い。製造された半導体材料の窒素(N)の添加量(ドープ量)が50%を超えるとTaONやTaの構造となると考えられ、過度の窒化は光還元能に対して逆効果であり、窒素(N)の添加量(ドープ量)の調整が重要であると推考できる。
【0040】
図3に、実施例2と比較例1の試料の可視光照射下での光電流測定結果を示す。横軸が印加電圧であり、縦軸が電流値である。また、実施例2の測定結果を破線で示し、比較例1の測定結果を実線で示す。ここでは、上記光電流の測定方法に則って、光をオン・オフしながら照射しつつ電圧1.0Vから−1.0Vまで印加電圧を掃引し電流値を測定した結果を示す。正(+)バイアス側でアノード電流(+電流)が流れればn型半導体、負(−)バイアス側でカソード電流(−電流)が流れればp型半導体であることが確認できる。
【0041】
実施例2の試料には低電位側に光電流が観察され、p型半導体に典型的な特性が発現していることが確認される。比較例1の試料には光電流が観察されないことから、窒素(N)の添加により、可視光応答性を有するp型の半導体材料が形成されているといえる。
【0042】
図4に、実施例1と比較例3の試料のキセノン(Xe)全光照射下での光電流測定結果を示す。横軸が印加電圧であり、縦軸が電流値である。また、実施例1の測定結果を破線で示し、比較例3の測定結果を実線で示す。比較例3の試料では真性半導体に特徴的な特性が確認される。一方、実施例1ではp型の半導体材料に典型的な光電流が観察される。スパッタリングの際の混合ガス中の窒素(N)の割合が50%以上では完全なp型半導体であることから、製造された半導体材料の窒素(N)の添加量(ドープ量)は7.1原子%以上49.9原子%以下、より好ましくは7.5原子%以上25原子%以下の範囲とすることが好ましい。
【0043】
図5に、実施例4と比較例4の粉末試料の420nm以下の波長領域の光をカットしたキセノン(Xe)光照射下での光電流測定結果を示す。横軸が印加電圧であり、縦軸が電流値である。また、実施例4の測定結果を破線で示し、比較例4の測定結果を実線で示す。実施例4の粉末試料は低電位側にp型の半導体材料に典型的な光電流が観察されることから、可視光に応答するp型半導体であることが示される。一方、比較例4の粉末試料では光電流は観察されず、可視光応答性を有していないことが分かる。
【0044】
図6に、実施例4の粉末試料を2θ/θ法を適用して測定したX線回折パターンを示す。横軸は2θの角度、横軸はX線回折の強度を示す。図6より、主相はTaであり、TaON及びTaの結晶相は確認されなかった。すなわち、得られた可視光応答型p型半導体粉末は窒素(N)が添加(ドープ)されたTaであるといえる。
【0045】
以上のように、窒素(N)が適量添加されたTaは光応答性を有するp型の半導体材料となる。これは、窒素がTaにおいてアクセプタとして働いているからといえる。
【0046】
ここで、p型半導体の価電子帯上端(VBM)にある正孔は高ポテンシャルの位置においてより安定であるため、本発明の窒素(N)が添加されたTaのVBMは窒素(N)が添加されていないTaのVBMよりも高ポテンシャル側に位置する。その結果、必然的に、窒素(N)を添加したTaのCBMは窒素(N)が添加されていないTaのCBMよりも高ポテンシャル側に位置する。そのため、光励起によって生じた電子がCBMから他の物質に移動しやすくなり、光還元能が向上すると考えられる。
【0047】
また、窒素(N)の添加により酸素(O)サイトの一部が窒素(N)に置き換わることで、酸素(O)の2p軌道によって形成される価電子帯が、それよりも高ポテンシャル側にある窒素(N)の2p軌道との混成効果で形成される。したがって、バンドギャップが狭まり、可視光応答化すると考えられる。このような半導体材料は光電極材料として適している。なお、上記のTaのp型化の原理は現時点における考察である。
【0048】
また、光エネルギーにより励起された電子、正孔を用いた酸化還元反応を生じさせる光触媒においては、光励起により生じる電子が対象とする反応の電位よりも高い電位をもつことが必要である。例えば、水を分解して水素ガスと酸素ガスを発生させる場合を考える。光触媒が照射される場合、光吸収体にて吸収される光子に応じたエネルギーの電子・正孔が生成し、電子はCBMに、正孔はVBMに到達し、その後反応が生じる。従って、光吸収体のCBMは水素ガスの生成電位よりも高くなければならない。水分解水素生成効率の向上、又は、二酸化炭素(CO)の還元反応への適用が考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素(N)が添加されたタンタル(Ta)及び酸素(O)を含むp型の半導体材料。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体材料であって、
窒素の添加量が7.1原子%以上49.9原子%以下であることを特徴とする半導体材料。
【請求項3】
請求項1及び2に記載の半導体材料であって、
可視光応答性を有することを特徴とする半導体材料。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体材料であって、
窒素が添加されたTa構造を有することを特徴とする半導体材料。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体材料を含むことを特徴とする光還元触媒体。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体材料を含むことを特徴とする光カソード電極材料。
【請求項7】
窒素(N)を含む雰囲気下においてタンタル(Ta)及び酸素(O)を含むターゲットをスパッタリングすることによって、窒素(N)が添加されたタンタル(Ta)及び酸素(O)を含むp型の半導体材料を形成する半導体材料の製造方法。
【請求項8】
タンタル(Ta)を含む原料を加水分解して得られるタンタル(Ta)の酸化物又は水酸化物を、アンモニア(NH3)又は尿素((HN)C=0)を含む雰囲気で熱処理して窒化することによって、窒素(N)が添加されたタンタル(Ta)及び酸素(O)を含むp型の半導体材料を形成する半導体材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−189227(P2010−189227A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36272(P2009−36272)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】