説明

光情報再生方法、光情報再生装置及び光情報再生プログラム

【課題】 実際の再生時にはホログラム媒体である光ディスクの厚みムラ、面ブレ、偏心などにより生じた収差がデータの回転や湾曲、歪み、符号間干渉となって生じるので、それらを効率良く低減する必要がある。
【解決手段】 ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体において、情報記録層には、特定のページ又はブロックの記録パターンとして、ある参照光に対しては既知パターンが記録され、別の参照光に対してはデータパターンが記録されている。既知パターンの再生信号と既知パターンのそれぞれに対して2次元離散フーリエ変換して得た演算結果同士を減算することにより伝送特性を求め(S1〜S3)、データパターンの再生信号の2次元離散フーリエ変換結果から上記の伝送特性を減算することにより、データパターンの再生信号から伝送特性の影響を取り除く(S4,S5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光情報再生方法、光情報再生装置及び記録媒体に係り、特にホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を具備した光情報記録媒体から記録情報を光学的に再生する光情報再生方法、光情報再生装置及びその光情報再生装置に用いられる光情報再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィを利用して記録媒体に情報を記録するホログラフィック記録は、一般的に、イメージ情報を持った光と参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせ、そのときにできる干渉縞を記録媒体に書き込むことによって行われる。記録された情報の再生時には、その記録媒体に参照光を照射することにより、干渉縞による回折によりイメージ情報が再生される。
【0003】
近年では、超高密度光記録のために、ボリュームホログラフィ、特にデジタルボリュームホログラフィが実用域で開発され注目を集めている。ボリュームホログラフィとは、記録媒体の厚み方向も積極的に活用して、3次元的に干渉縞を書き込む方式であり、厚みを増すことで回折効率を高め、多重記録を用いて記録容量の増大を図ることができるという特徴がある。そして、デジタルボリュームホログラフィとは、ボリュームホログラフィと同様の記録媒体と記録方式を用いつつも、記録するイメージ情報は2値化したデジタルパターンに限定した、コンピュータ指向のホログラフィック記録方式である。
【0004】
このデジタルボリュームホログラフィでは、例えばアナログ的な絵のような画像情報も、一旦デジタイズして、2次元デジタルパターン情報(ページデータともいう)に展開し、これをイメージ情報として記録する。再生時は、このデジタルパターン情報を読み出してデコードすることで、元の画像情報に戻して表示する。これにより、再生時にSN比(信号対雑音比)が多少悪くても、微分検出を行ったり、2値化データをコード化しエラー訂正を行ったりすることで、極めて忠実に元の情報を再現することが可能になる。
【0005】
このような2次元デジタルパターン情報には、パターン検出の際に使用される、位置決め用の同期コード(以下、Syncコード又はシンクコードという)が含まれている。このSyncコードはCCD(Charge Coupled Devise:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)で構成された画像検出器上に設けられたSyncコードとのマッチングが取られる。そして、両Syncコードが一致するようにして位置決めがなされ、再生画像が検出される。
【0006】
なお、図7は2次元デジタルパターン(ページデータ)の一例を示す。図7において、複数個ある大きめの矩形のマークがSyncコードであり、これを用いてCCDやCMOSなどの画像検出器上で位置合わせが行われる。
【0007】
2つの画像のマッチングを取るための1つの方法として、テンプレートマッチングが知られている(例えば、非特許文献1参照)。テンプレートマッチングは、ある画像情報の中から所望画像パターンが効率良く検知することができるものである。しかしながら、このテンプレートマッチングでは、最大相関値を所定の式を用いて算出する必要があるが、その式は再生像の中のあるパターンとテンプレート画像との類似性を示す相関値を求めるものであり、その相関値は全体のページデータを複数分割して設けられた1つの領域における再生像の中のすべての座標位置について算出するものであるため、計算量が膨大となり、迅速な処理による画像検出実現には問題である。
【0008】
そこで、この問題を解決するため、ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体から情報を再生する装置において、再生用参照光を上記の情報記録層に対して照射することによって発生される再生光を検出する検出手段を、再生光に含まれる再生像の位置決めを行うためのシンクコード(Syncコード)は全て同一のピクセル値を持つように設定し、XY平面からなるサーチ範囲においていずれか一方の成分を固定して、もう一方向での相関値を求め、次いで固定していた方の方向での相関値を取得し、サーチ範囲において得られた全ての相関値から最大となるものをマッチングが取れた位置とするようにした光情報再生装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
この特許文献1記載の従来の光情報再生装置によれば、全て同一のピクセル値を持つSyncコードを導入することで、相関値を算出するための計算量を減らし、更に、相関値を計算する際に、X方向又はY方向を固定して、どちらか一方のサーチを行い、それが終了した後で、もう一方のサーチを行うことにより計算を簡略化することにより、計算処理時間の短縮を図っている。
【0010】
【非特許文献1】「コンピュータ画像処理入門」、総研出版、昭和61年6月1日発行、p.149〜151
【特許文献1】特開2004−310957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかるに、上記の特許文献1記載の従来の光情報再生装置では、SYNCコード位置を見つけたとしても、実際の記録データビットを抽出するためには、2次元デジタルパターン(ページデータ)の歪みや回転には対応できず、ビット単位の位置を特定することができない。特に、実際のシステム上においては、光情報記録媒体である光ディスクの厚みムラや、面ブレ、偏心などにより生じた収差がデータの回転や湾曲、歪みとなって生じてくる。
【0012】
このような状態の中で、データの回転や湾曲、歪み、符号間干渉の低減を効率良く行うためには、適応等化処理、すなわちイコライザ(EQ)処理を行うのが望ましい。特に2次元のEQ処理又は3次元(ページ方向を含む)のEQ処理を施すことが重要である。
【0013】
効率良く2次元のEQを施すためには、収差に応じて、適応的に等化処理を行うことが望ましいが、エラーレートが悪い場合には、暫定的に入力信号を判別し、理想的な値(目標となる値)を出力する仮判別に誤りが多くなるため、EQ特性が正しい目標値に収束できなくなる。特に、ホログラフィ媒体への記録再生では、ホログラフィ媒体、もしくは光学系のパラメータに敏感であるため、EQ特性が正しい目標値に収束できなくなる可能性が高い。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、光情報記録媒体の厚みムラ、面ブレ、偏心などにより生じた収差がデータの回転、湾曲、歪み、あるいは符号間干渉となって生じた場合でも、確実に正しい適応等化処理を行い、もって、正確な再生を行い得る光情報再生方法、光情報再生装置及び光情報再生プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明では、上記の目的を達成するため、ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して再生用参照光を照射し、その再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を検出して情報を再生する光情報再生方法において、光情報記録媒体の再生用参照光が照射される情報記録層には、特定のページ又はブロックの記録パターンとして、第1の参照光に対しては既知パターンが記録され、第2の参照光に対してはデータパターンが記録されており、
第1の参照光が照射されることによって情報記録層で発生される再生光を収集して得た既知パターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第1の演算結果を得る第1のステップと、光情報記録媒体に記録されている既知パターンに対して、2次元離散フーリエ変換することにより得られた第2の演算結果を取得する第2のステップと、第1の演算結果と第2の演算結果との減算を行って第1の減算値を得る第3のステップと、第2の参照光が照射されることによって情報記録層で発生される再生光を収集して得たデータパターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第3の演算結果を得る第4のステップと、第3の演算結果から第1の減算値を減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である第2の減算値を得る第5のステップと、第2の減算値に対して2次元逆離散フーリエ変換し、その演算結果からデータ検出する第6のステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
この発明では、既知パターンの再生信号と既知パターンの記録信号とをそれぞれ2次元離散フーリエ変換して得た第1の演算結果と第2の減算結果とを減算することにより、光情報記録媒体の再生系(伝送系)の特性を示す第1の減算値を得ることができるため、これをデータパターンの再生信号に対して2次元離散フーリエ変換して得た第3の演算結果から減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である第2の減算値を得ることができる。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明では、ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して再生用参照光を照射し、その再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を検出して情報を再生する光情報再生方法において、光情報記録媒体の再生用参照光が照射される情報記録層には、特定のページ又はブロックの記録パターンとして、第1の参照光に対しては孤立波形である既知パターンが記録され、第2の参照光に対してはデータパターンが記録されており、
第1の参照光が照射されることによって情報記録層で発生される再生光を収集して得た孤立波形の既知パターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第1の演算結果を得る第1のステップと、第2の参照光が照射されることによって情報記録層で発生される再生光を収集して得たデータパターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第2の演算結果を得る第2のステップと、第2の演算結果から第1の演算結果を減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である減算値を得る第3のステップと、減算値に対して2次元逆離散フーリエ変換し、その演算結果からデータ検出する第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
この発明では、既知パターンが孤立波形であるため、孤立波形の既知パターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して得られる再生系(伝送系)の影響を含む第1の演算結果を、データパターンの再生信号に対して2次元離散フーリエ変換して得た第2の演算結果から減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号を得ることができる。
【0019】
ここで、上記の第1又は第2の発明における2次元離散フーリエ変換に替えて離散コサイン変換を行い、2次元逆離散フーリエ変換に替えて離散コサイン逆変換を行うようにしてもよい。
【0020】
また、上記の目的を達成するため、本発明の光情報再生装置は、ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して再生用参照光を照射し、その再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を検出して情報を再生する光情報再生装置において、光情報記録媒体の再生用参照光が照射される情報記録層には、特定のページ又はブロックの記録パターンとして、第1の参照光に対しては既知パターンが記録され、第2の参照光に対してはデータパターンが記録されており、
第1の参照光が照射されることによって情報記録層で発生される再生光を収集して得た既知パターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第1の演算結果を得る第1の演算手段と、光情報記録媒体に記録されている既知パターンに対して、2次元離散フーリエ変換することにより得られた第2の演算結果を取得する第2の演算手段と、第1の演算結果と第2の演算結果との減算を行って第1の減算値を得る第3の演算手段と、第2の参照光が照射されることによって情報記録層で発生される再生光を収集して得たデータパターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第3の演算結果を得る第4の演算手段と、第3の演算結果から第1の減算値を減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である第2の減算値を得る第5の演算手段と、第2の減算値に対して2次元逆離散フーリエ変換して得た演算結果に基づいてデータ検出する検出手段とを有することを特徴とする。この発明では、第1の発明と同様に、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である第2の減算値を得ることができる。
【0021】
また、上記の目的を達成するため、本発明の光情報再生装置は、ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して再生用参照光を照射し、その再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を検出して情報を再生する光情報再生装置において、光情報記録媒体の再生用参照光が照射される情報記録層には、特定のページ又はブロックの記録パターンとして、第1の参照光に対しては孤立波形である既知パターンが記録され、第2の参照光に対してはデータパターンが記録されており、
第1の参照光が照射されることによって情報記録層で発生される再生光を収集して得た孤立波形である既知パターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第1の演算結果を得る第1の演算手段と、第2の参照光が照射されることによって情報記録層で発生される再生光を収集して得たデータパターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第2の演算結果を得る第2の演算手段と、第2の演算結果から第1の演算結果を減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である減算値を得る第3の演算手段と、減算値に対して2次元逆離散フーリエ変換して得た演算結果に基づいてデータ検出する検出手段とを有することを特徴とする。
【0022】
この発明では、第2の発明と同様に、既知パターンが孤立波形であるため、孤立波形の既知パターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して得られる再生系(伝送系)の影響を含む第1の演算結果を、データパターンの再生信号に対して2次元離散フーリエ変換して得た第2の演算結果から減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号を得ることができる。
【0023】
また、上記の目的を達成するため、本発明の光情報再生プログラムは、ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して再生用参照光を照射し、その再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を検出して情報を再生する、第1乃至第3の発明のいずれか一の発明の光情報再生方法の各ステップを、コンピュータにより実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、既知パターンの再生信号と既知パターンの記録信号とをそれぞれ2次元離散フーリエ変換又はコサイン変換して得た第1の演算結果と第2の減算結果とを減算して、光情報記録媒体の再生系(伝送系)の特性を示す第1の減算値を得た後、これをデータパターンの再生信号に対して2次元離散フーリエ変換して得た第3の演算結果から減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である第2の減算値を得るようにしたため、実際のシステム上における、光情報記録媒体の厚みムラ、面ブレ、偏心などにより生じた収差に起因するデータの回転、湾曲、歪み、符号間干渉がデータパターンの再生信号に生じた場合でも、適応等化処理が発散することなく、確実にデータを検出することができる。
【0025】
また、本発明によれば、上記の既知パターンを孤立波形とすることにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号を少ない演算ステップで得ることができるため、迅速に正確なデータ検出ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる光情報再生装置の一実施の形態の構成図、図2は図1中のピックアップ装置の一例の構成図を示す。本実施の形態に係る光情報再生装置の構成について図1と共に説明するに、本実施の形態の光情報再生装置10は、光情報記録媒体(ここでは光ディスク)1が取り付けられるスピンドル21と、このスピンドル21を回転させるスピンドルモータ22と、光情報記録媒体1に対して再生用参照光を照射し、再生光を検出して、光情報記録媒体1に記録されている情報を再生するためのピックアップ装置23と、このピックアップ装置23を光情報記録媒体1の半径方向に移動可能とする駆動装置24とを備えている。
【0027】
また、光情報再生装置10は、ピックアップ装置23の出力信号よりフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE及び再生信号RFを検出するための検出回路25と、上記フォーカスエラー信号FEに基づいて、ピックアップ装置23内の対物レンズを光情報記録媒体1の厚み方向に移動させて光情報記録媒体1上の光ビームの焦点を制御するフォーカスサーボと、上記トラッキングエラー信号TEに基づいてピックアップ装置23内の対物レンズを移動制御して光情報記録媒体1上の光ビーム照射位置を光情報記録媒体1上のトラックに追従走査させるトラッキングサーボとを行うフォーカス/トラッキングサーボ回路26と、本実施の形態の要部を構成する信号処理回路27と、光情報再生装置10全体の制御を行うコントローラ28と、コントローラ28に対して種々の指示を与える操作部29とより構成されている。
【0028】
なお、図示は省略したが、トラッキングエラー信号TE及びコントローラ28からの指令に基づいて駆動装置24を制御してピックアップ装置23を光情報記録媒体1の半径方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路や、コントローラ28からの指令に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するスピンドルサーボ回路も設けられている。
【0029】
コントローラ28は、信号処理回路27より出力される基本クロックやアドレス情報を入力として受け、ピックアップ装置23や各種サーボ回路の動作を制御する。コントローラ28は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)を有し、CPUがRAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、コントローラ28の機能を実現する。
【0030】
また、信号処理回路27は、本実施の形態の要部をなす回路で、ピックアップ装置23内の後述するCMOSセンサ又はCCDアレイの出力データをデコードして、光情報記録媒体1のデータエリアに記録されたデータを後述するフローチャートに従って再生したり、検出回路25からの再生RF信号より基本クロックを再生したりアドレスを判別する。
【0031】
次に、光情報記録媒体1の構成とピックアップ装置23の構成について図2と共に更に詳細に説明する。図2において、光情報記録媒体1は、円盤状の透明基板2の一面に、ボリュームホログラフィを利用して情報が記録される情報記録層としてのホログラム記録層3と、保護層の機能を有する透明基板4と、アルミニウム製の反射膜5とが、この順番で積層された光ディスクの構成とされている。透明基板4は、例えば、インジェクションで作成されたアドレス付基板であり、アドレス・サーボエリアが所定の角度間隔で設けられ、隣り合うアドレス・サーボエリア間の区間がデータエリアになっている。なお、ホログラム記録層3は、光が照射されたときに光の強度に応じて屈折率、誘電率、反射率等の光学的特性が変化する公知のホログラム材料によって形成されている。
【0032】
一方、ピックアップ装置23は、光情報記録媒体1の透明基板2側に対向する対物レンズ12と、対物レンズ12の光情報記録媒体1の反対側に配設された1/4波長板13、ミラー14が配置されおり、また、レーザダイオード等の光源15、コリメータレンズ16、デフォーカス用凸レンズ17、偏光ビームスプリッタ(PBS)18及び光検出器20を有する構成とされている。
【0033】
光源15から出射した光は、コリメータレンズ16で平行光とされ、デフォーカス用凸レンズ17によって平行光を対物レンズ12に発散して入射する再生用参照光に生成されてPBS18に入射し、その偏光分離面18aを透過してミラー14に入射し、更に1/4波長板13によりP偏光の光が円偏光とされ、対物レンズ12により光情報記録媒体1に再生用参照光として照射される。この再生用参照光は光情報記録媒体1に今回再生すべき情報を記録する際に用いられた記録用参照光と同じものである。なお、対物レンズ12は、図示しないアクチュエータにより光情報記録媒体1の厚み方向及び半径方向に移動可能とされている。
【0034】
光情報記録媒体1からの戻り光(再生光)は、対物レンズ12を透過し、1/4波長板13により円偏光からS偏光の光とされた後、ミラー14で反射されてPBS18に入射し、PBS18の偏光分離面18aで反射されて再生光検出手段であるCCDまたはCMOSセンサからなる光検出器20で受光される。
【0035】
次に、本実施の形態の特徴について説明する。本実施の形態では、確実に正しい2次元イコライザ(EQ)特性を求めるために、既知のパターンを記録再生する。従来は、既知のパターンの記録は、光ディスク媒体の記録容量を低下させるため、避けられてきたが、本実施の形態ではホログラフィ媒体を光ディスクへ応用することによって、参照光と角度によるページの切り分けを利用した重ね書きが可能となり、飛躍的な容量増大が実現するので、既知のパターンを記録する領域を設けることは、大きな問題ではなくなってくるからである。
【0036】
既知パターンの記録方法は、データパターンの記録方法と同様に、イメージ情報である既知パターン情報で変調された光と参照光とを光情報記録媒体の内部で重ね合わせ、そのときにできる干渉縞を情報記録層に書き込むことで行われる。
【0037】
上記の既知パターンの記録場所としては以下が考えられる。
【0038】
(1)ページでデータパターンと分離(場所は同じ)
(2)ページでデータパターンと分離(少しずれた位置)
(3)ページ内でブロックに分割し、既知データパターン領域とデータパターン領域を記録する。
【0039】
上記の(1)と(2)は、ホログラフィ媒体である光ディスク(図1の光情報記録媒体1)が、参照光によってページ分離可能なことを利用している。すなわち、ホログラフィ媒体では、参照光の位相を変えることでデータパターンと既知パターンを分離することができる。また、上記の(1)はホログラフィ媒体である光ディスク(図1の光情報記録媒体1)にデータパターンと既知パターンとを同一位置に重なるように記録しているので、光ディスクを停止、もしくは同一トラックを再度読む。これにより、それぞれのページに、光ディスクのチルトや面ブレの影響が同じように現れるため、正確な検出・補償ができることが期待できる。
【0040】
しかし、実際には光ディスクは回転しているため、(1)のように全く同一位置からデータパターンと既知パターンを読み取ることは、サーボの回転パルス等で制御しない限り困難で、かつ、光ディスクの一回転再生を待たなければならない。そこで、上記の(2)のように、少しだけデータパターンと既知パターンをずらして記録し、直ぐに別ページを記録するようにすると、光ディスクのチルトや面ブレなどは周波数が低いため、光ディスクが回転していても(1)と同様の効果が期待できる。
【0041】
但し、場所の影響を少なくするためには、図3に示すように、既知パターンのブロックIとデータパターンのブロックIIは、同じページでIIIで示すように物理的に50%以上は重なっているほうがよいことは勿論である。また、上記のブロックは(3)のブロックと同様に、それぞれのページに存在する記録部のことである。上記の(3)は同じページ内の特定のブロックの記録パターンは既知のパターンとし、それ以外のブロックはデータパターンとすることである。
【0042】
このように、本実施の形態では、光情報記録媒体1の再生用参照光が照射される情報記録層3には、特定のページ又はブロックの記録パターンとして、第1の参照光に対しては既知パターンが記録され、第2の参照光に対しては再生すべき所望のデータパターンが記録されている。
【0043】
次に、既知パターンとデータパターンの例について説明する。図4(A−1)が記録パターンの一例を示す。図4(A−1)では、既知のパターンを黒四角形で示すように、中央だけ、反転するようなパターンとしている。すなわち、ページ又はブロック内において、1ビットだけその他と反転の極性を有するビットで構成されたパターンである。これは、2次元で考えられる孤立波形であり、このパターンを記録再生して図4(A−2)のようになったとすると、これは伝達特性そのものを示していることになる。
【0044】
すなわち、図4(A−2)は記録再生により符号間干渉を有するパターンであり、中央の反転パターンから周囲へ行くほど再生レベルが増加する(中央が最も再生レベルが低いものとした場合)パターンであり、光検出器(図2の20)で読み取った際のセルに入ってくる光量に対応したパターンである。光量は図中の濃淡に対応している。
【0045】
後述する本発明の再生方法及び再生装置により、図4(A−1)と図4(A−2)との関係に基づき、伝送特性の逆特性を演算によって導き、データパターンを整形する。これにより、図4(B−1)に示すようなデータパターンが光情報記録媒体1に記録されていた場合、その再生データパターンは、図4(B−2)に示すように、符号間干渉を有するデータパターンとなるが、これに上記の演算によって導いた伝送特性の逆特性を施す適応等化処理を行うことにより、記録再生パターンから符号間干渉が取り除かれた、記録時のデータパターン(B−1)に近い図4(B−3)に示すような再生パターンが得られる。
【0046】
次に、本発明になる光情報再生方法及び光情報再生装置の一実施の形態の動作について、図5のフローチャートと共に説明する。まず、図1の信号処理回路27はピックアップ装置23により光情報記録媒体1の既知パターン記録領域から再生された、図4(A−2)に示したような既知パターン再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換を行って第1の演算結果を得る(図5のステップS1)。ここで、2次元離散フーリエ変換の式は次式により定義される。
【0047】
【数1】

ここで、上式中、f(x,y)は実領域の2次元関数で、F(u,v)はそれに対応する離散フーリエ領域の2次元関数である。また、通常用いられる2次元離散離散フーリエ変換の式は次式で定義される。
【0048】
【数2】

本実施の形態の2次元離散フーリエ変換は、この2次元離散離散フーリエ変換を想定している。光検出器20から信号処理回路27に供給される再生信号は、光検出器20がCCD又はCMOSで構成されており、既に離散的な信号であるからである。なお、数2に示す式中、Nはサンプル数である。
【0049】
続いて、信号処理回路27は、予め内部のメモリに保存しておいた、図4(A−1)に示した既知パターンの2次元離散フーリエ変換して得られた第2の演算結果を読み出し(図5のステップS2)、それをステップS1で得た第1の演算結果と減算する(図5のステップS3)。ステップS3により得られる減算値は、本来の記録既知パターンの第2の演算結果と、再生された既知パターンの第1の演算結果との差分値であり、伝送特性を示している。
【0050】
続いて、信号処理回路27は、図1のピックアップ装置23により光情報記録媒体1のデータパターン記録領域から再生された、図4(B−2)に示したようなデータパターン再生信号に対して、数2に示した演算式により2次元離散フーリエ変換を行って第3の演算結果を得る(図5のステップS4)。
【0051】
続いて、信号処理回路27は、ステップS4で算出した第3の演算結果からステップS3で算出した減算値を減算することにより、第3の演算結果に含まれる伝送特性の影響を取り除き(図5のステップS5)、ステップS5で算出した減算値に対して、2次元逆離散フーリエ変換(2次元離散フーリエ逆変換)を行う(図5のステップS6)。
【0052】
ここで、2次元逆離散フーリエ変換(2次元離散フーリエ逆変換)は、一般には次式に基づいて行われる。
【0053】
【数3】

また、2次元離散離散フーリエ逆変換は、次式で定義される。
【0054】
【数4】

本実施の形態のステップS6の2次元逆離散フーリエ変換(2次元離散フーリエ逆変換)は、数4で定義される2次元離散離散フーリエ逆変換を想定している。
【0055】
信号処理回路27は上記のステップS6で得られた演算結果に基づいて、再生データパターンのデータを検出する(図5のステップS7)。検出されるデータは、既知パターンを利用して算出した伝送特性の影響が取り除かれた再生データパターンを2次元逆離散フーリエ変換(2次元離散フーリエ逆変換)して得られたものであるから、光情報記録媒体1の厚みムラ、面ブレ、偏心などにより生じた収差に起因するデータの回転、湾曲、歪み、符号間干渉が再生データパターンに生じていた場合も、正確に等化処理されたデータを検出できる。
【0056】
なお、既知パターンが図4(A−1)のような孤立波形の場合は、図6に示すフローチャートによりデータパターンの再生を行うこともできる。図6に示す本発明になる光情報再生方法及び光情報再生装置の他の実施の形態の動作説明用フローチャートにおいて、まず、図1の信号処理回路27はピックアップ装置23により光情報記録媒体1の既知パターン記録領域から再生された、図4(A−2)に示したような既知パターン再生信号に対して、数2の式に基づいて2次元離散フーリエ変換を行って第1の演算結果を得る(ステップS11)。
【0057】
続いて、信号処理回路27は、図1のピックアップ装置23により光情報記録媒体1のデータパターン記録領域から再生された、図4(B−2)に示したようなデータパターン再生信号に対して、数2に示した演算式により2次元離散フーリエ変換を行って第2の演算結果を得る(図6のステップS12)。
【0058】
続いて、信号処理回路27は、ステップS12で得られた第2の演算結果からステップS11で得られた第1の演算結果を減算することにより、伝送特性の影響が取り除かれたデータパターン再生信号の2次元離散フーリエ変換演算結果を得て(図6のステップS13)、それに対して図5のステップS6と同様に、数4の式に基づいて2次元逆離散フーリエ変換(2次元離散フーリエ逆変換)を行うことにより(図6のステップS14)、データ検出を行う(図6のステップS15)。
【0059】
本実施の形態では、図5に示した実施の形態のステップS2及びS3に相当する処理を省略することができるため、より迅速なデータ検出ができる。
【0060】
なお、図5、図6では2次元離散離散フーリエ変換を行うように説明したが、その替わりに、離散コサイン変換を使用することも可能である。離散コサイン変換と離散コサイン逆変換の定義は、入力信号をx(i=0,1,2,3,・・・,n-1)、変換した係数をc(i=0,1,2,・・・,n-1)とし、これらをx^、c^のベクトル表記で表わすと、次式で定義される。
【0061】
【数5】

ここで、上式中、Tはn行n列の変換行列で、そのi行j列の項は以下の式で与えられる。
【0062】
【数6】

ここで、変換行列Tは正則で、逆行列T-1が存在し、これらには次式の関係がある。
【0063】
【数7】

なお、上式中、tは転置行列を表し、バーは複素共役を表している。このような行列をユニタリ行列と呼び、このような行列で表される変換をユニタリ変換という。
【0064】
更に、2次元での変換は、1次元で用いた変換行列Tを用いて次のように表される。
【0065】
C=T・G・
また、逆変換は次のようになる。
【0066】
G=T-1・C・(T)-1
T・C・T
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の本旨を逸脱しない範囲において、様々な変形が可能である。例えば、既知パターンは、図4(A−1)等で説明した孤立波形に限定されるものではなく、また、ブロック内において、情報ビットの最小反転間隔であるビット長分だけ、その他と反転の極性を有するビットで構成されたパターンでもよい。
【0067】
また、既知パターン及びデータパターンは、ベースバンド信号でもよいし、LDPC(Low Density Parity Check Code:低密度パリティ検査符号)変調(又はターボ符号化)された信号、もしくはそれを並び替えた信号、更にはそれを並び替えた信号をランレングス変調した信号であってもよい。LDPC変調した場合は、シャノン限界に近い訂正能力を有するので、効率が良く、かつ、低S/Nでも低いエラーレートを実現することが可能である。
【0068】
また、既知パターン及びデータパターンは、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等で使用されているランレングス制限された信号でもよい。その場合は、伝送帯域とS/Nの関係から、既知データも最小ランレングス以上のパターンにすることが望ましい。
【0069】
更に、以上の実施の形態における一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもでき、本発明は一連の処理をソフトウェアにより実行させるコンピュータプログラムも包含するものである。このコンピュータプログラムは、コンピュータ専用のハードウェアに組み込まれていてもよいし、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行させることが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどにプログラム格納媒体からインストールされたり、あるいは通信ネットワークなどを介して配信されてインストールされてもよい。
【0070】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明再生装置の一実施の形態の構成図である。
【図2】図1中のピックアップ装置の一例の構成図である。
【図3】既知パターンのブロックとデータパターンのブロックが、同じページで物理的に50%以上重なっている状態を示す図である。
【図4】孤立波形の既知パターンと、再生された符号間干渉を有する既知パターン信号、データパターンの記録信号、再生信号、符号間干渉を除去した再生信号をそれぞれ示す図である。
【図5】本発明装置及び本発明方法の一実施の形態の動作説明用フローチャートである。
【図6】本発明装置及び本発明方法の他の実施の形態の動作説明用フローチャートである。
【図7】光情報記録媒体上のSyncコードを示す図である。
【符号の説明】
【0072】
1 光情報記録媒体
3 ホログラム記録層
10 光情報再生装置
12 対物レンズ
15 光源
20 光検出器
23 ピックアップ装置
25 検出回路
27 信号処理回路



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して再生用参照光を照射し、その再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を検出して情報を再生する光情報再生方法において、
前記光情報記録媒体の前記再生用参照光が照射される前記情報記録層には、特定のページ又はブロックの記録パターンとして、第1の参照光に対しては既知パターンが記録され、第2の参照光に対してはデータパターンが記録されており、
前記第1の参照光が照射されることによって前記情報記録層で発生される前記再生光を収集して得た前記既知パターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第1の演算結果を得る第1のステップと、
前記光情報記録媒体に記録されている前記既知パターンに対して、2次元離散フーリエ変換することにより得られた第2の演算結果を取得する第2のステップと、
前記第1の演算結果と前記第2の演算結果との減算を行って第1の減算値を得る第3のステップと、
前記第2の参照光が照射されることによって前記情報記録層で発生される前記再生光を収集して得た前記データパターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第3の演算結果を得る第4のステップと、
前記第3の演算結果から前記第1の減算値を減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である第2の減算値を得る第5のステップと、
前記第2の減算値に対して2次元逆離散フーリエ変換し、その演算結果からデータ検出する第6のステップと
を含むことを特徴とする光情報再生方法。
【請求項2】
ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して再生用参照光を照射し、その再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を検出して情報を再生する光情報再生方法において、
前記光情報記録媒体の前記再生用参照光が照射される前記情報記録層には、特定のページ又はブロックの記録パターンとして、第1の参照光に対しては孤立波形である既知パターンが記録され、第2の参照光に対してはデータパターンが記録されており、
前記第1の参照光が照射されることによって前記情報記録層で発生される前記再生光を収集して得た前記孤立波形の既知パターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第1の演算結果を得る第1のステップと、
前記第2の参照光が照射されることによって前記情報記録層で発生される前記再生光を収集して得た前記データパターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第2の演算結果を得る第2のステップと、
前記第2の演算結果から前記第1の演算結果を減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である減算値を得る第3のステップと、
前記減算値に対して2次元逆離散フーリエ変換し、その演算結果からデータ検出する第4のステップと
を含むことを特徴とする光情報再生方法。
【請求項3】
前記2次元離散フーリエ変換に替えて離散コサイン変換を行い、前記2次元逆離散フーリエ変換に替えて離散コサイン逆変換を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の光情報再生方法。
【請求項4】
ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して再生用参照光を照射し、その再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を検出して情報を再生する光情報再生装置において、
前記光情報記録媒体の前記再生用参照光が照射される前記情報記録層には、特定のページ又はブロックの記録パターンとして、第1の参照光に対しては既知パターンが記録され、第2の参照光に対してはデータパターンが記録されており、
前記第1の参照光が照射されることによって前記情報記録層で発生される前記再生光を収集して得た前記既知パターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第1の演算結果を得る第1の演算手段と、
前記光情報記録媒体に記録されている前記既知パターンに対して、2次元離散フーリエ変換することにより得られた第2の演算結果を取得する第2の演算手段と、
前記第1の演算結果と前記第2の演算結果との減算を行って第1の減算値を得る第3の演算手段と、
前記第2の参照光が照射されることによって前記情報記録層で発生される前記再生光を収集して得た前記データパターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第3の演算結果を得る第4の演算手段と、
前記第3の演算結果から前記第1の減算値を減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である第2の減算値を得る第5の演算手段と、
前記第2の減算値に対して2次元逆離散フーリエ変換して得た演算結果に基づいてデータ検出する検出手段と
を有することを特徴とする光情報再生装置。
【請求項5】
ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して再生用参照光を照射し、その再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を検出して情報を再生する光情報再生装置において、
前記光情報記録媒体の前記再生用参照光が照射される前記情報記録層には、特定のページ又はブロックの記録パターンとして、第1の参照光に対しては孤立波形である既知パターンが記録され、第2の参照光に対してはデータパターンが記録されており、
前記第1の参照光が照射されることによって前記情報記録層で発生される前記再生光を収集して得た前記孤立波形である既知パターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第1の演算結果を得る第1の演算手段と、
前記第2の参照光が照射されることによって前記情報記録層で発生される前記再生光を収集して得た前記データパターンの再生信号に対して、2次元離散フーリエ変換して第2の演算結果を得る第2の演算手段と、
前記第2の演算結果から前記第1の演算結果を減算することにより、伝送系の影響が取り除かれたデータパターンの再生信号である減算値を得る第3の演算手段と、
前記減算値に対して2次元逆離散フーリエ変換して得た演算結果に基づいてデータ検出する検出手段と
を有することを特徴とする光情報再生装置。
【請求項6】
前記2次元離散フーリエ変換に替えて離散コサイン変換を行い、前記2次元逆離散フーリエ変換に替えて離散コサイン逆変換を行うことを特徴とする請求項4又は5記載の光情報再生装置。
【請求項7】
ホログラフィを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体に対して再生用参照光を照射し、その再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を検出して情報を再生する、請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の光情報再生方法の各ステップを、コンピュータにより実行させることを特徴とする光情報再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−4926(P2007−4926A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186244(P2005−186244)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】