説明

光検出器およびそれを備える電子機器

【課題】光検出器の受光面側に外装カバーなどが配置されていることによって光検出器に入射する光が減衰される、また、ある特定の色の光が減衰される場合であっても、環境光の本来の光強度を正確に検出する。
【解決手段】異なる分光感度特性を有し、受光光に比例した光電流を発生する複数の受光素子11と、光電流をそれぞれ電流電圧変換するIVアンプ12と、IVアンプ12から出力された電圧をそれぞれアナログデジタル変換するA/Dコンバータ13とを備え、受光素子11のうち少なくとも一つの受光素子11の分光感度特性に対して光減衰させる外装カバーなどが受光素子11の受光面側に配置されている光検出器10であって、A/Dコンバータ13から出力されたデジタル値に、各受光素子11に対応した補正係数をそれぞれ乗算して、デジタル値における光減衰の影響を補正する補正演算回路14を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境光の照度や色温度を検出するために環境光の光強度を検出する光検出器、およびその機能を備えた電子機器に関し、特に、光検出器の受光面側に外装カバーなどが配置されていることによって光検出器に入射する光が減衰される(光損失)、また、ある特定の色の光が減衰される場合であっても、環境光の本来(光検出器の受光面側に外装カバーがない状態の)の光強度を正確に検出して照度や色温度を正確に検出することができる(人間の色彩認識感覚に近い分光感度特性を有する)光検出器、およびその機能を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビが設置される環境は、使用する人、使用する目的、使用する時間または季節などによって様々な状況がある。そのため、近年の液晶テレビの高画質化・高機能化において、液晶テレビが設置される部屋の環境光の種類が様々、例えば、照明の色温度などが異なる場合であっても、液晶テレビの出力画像の色味を変えることによって、自然な画像に見えるようにする要望が高まってきている。
【0003】
人間の目は、対象物に照射する光が異なっても、時間が経過すると対象物の色の変化をあまり感じないようになっている。例えば、青っぽい蛍光灯照明の部屋から、黄色っぽい白熱灯照明の部屋に入ると、部屋の白い壁が最初は黄色っぽく見える。しかし、しばらく経つと壁が白く見えるようになる。また、逆に白熱灯照明の部屋から、蛍光灯照明の部屋に入った場合、白い壁が青っぽく見える。しかし、しばらくすると壁が白く見えてくる。この現象を一般的に色順応という。
【0004】
このように人間の視覚に色順応という特性があるために、人間の目が部屋の照明の色に順応することによって、液晶テレビの出力画像の色が同じでも、異なった色に見えることがある。よって、画像の色味を一定に見えるようにするためには、人間の目が色順応することを考慮して、部屋の照明の色温度により、画像の色味を変化させる必要がある。部屋の照明の色温度を検出して、視覚の色順応に対応するように液晶テレビの画像の色味をコントロールすることができれば、照明の色温度が変化しても、画像が自然に見えるようにすることができる。
【0005】
一般的にはマニュアル操作により照明の種類を初期設定で入力して、画像がその照明下で最適な色味になるようにコントロールされる液晶テレビがある。液晶テレビのように、照明の種類があまり変わらない部屋に固定して使う場合は、前記のように、テレビの設置時に1度だけ手動で照明の種類を設定すればよい。しかしながら、携帯電話のように周囲の照明(環境光)が視聴場所の変化により刻々と変化するような場合、照明の種類をマニュアルで設定するのは手間がかかり煩雑になる。
【0006】
そこで、特許文献1には、光源の種類を識別し、光源の種類によってホワイトバランスを最適に制御するホワイトバランス補正回路が開示されている。また、特許文献2には、携帯電話のディスプレイの色補正するRGBカラーセンサを備える携帯電話が開示されている。
【0007】
さらに、近年、上述のような出力画像の色味を調整することに加えて、携帯電話や液晶テレビなどのバックライトを調整することが求められてきている。例えば、バックライトの明るさを周囲の明るさに応じて自動的に調光することにより、携帯電話のバッテリの消耗を抑えたり、また液晶の視認性を向上させる。この用途のために、視感度特性に近い照度センサの需要が急増してきている。照度および色温度を検出するための光検出器のデジタル化による高機能化や、より使いやすく、低コストの液晶バックライト自動調光システムおよび色味調整用の光検出器が求められおり、小型化の要望も強くなっている。
【0008】
ここで、従来の光検出器の構成および処理を説明する。図10は、従来の光検出器50を示すブロック図である。従来の光検出器50は、R(赤)、G(緑)、B(青)それぞれの、受光素子11、IVアンプ12、およびA/Dコンバータ13と、レジスタ55と、シリアルインターフェース回路18とを備える。
【0009】
各受光素子11の前面には、R、G、Bそれぞれの色に透過分光感度特性のピークを持つカラーフィルタが配置されている。各受光素子11は外部から入射される光に比例した光電流Ipd_R、Ipd_G、Ipd_Bをそれぞれ発生させる。光電流Ipd_R、Ipd_G、Ipd_Bは、各受光素子11と接続される各IVアンプ12(R、G、B)に出力される。そして、各光電流は、各IVアンプ12によって電圧に変換される。
【0010】
次に、各IVアンプ12の出力電圧は、各IVアンプ12と接続するA/Dコンバータ13(R、G、B)にそれぞれ出力される。そして、各IVアンプ12の出力電圧は、各A/Dコンバータ13によってデジタル値に変換され、レジスタ55にデジタル数値として格納される。
【0011】
各受光素子11に入射する光強度に比例するデジタル値は、I2Cインターフェース等のシリアルインターフェース回路18を介して読み出すことができる。レジスタ55に格納されたR、G、Bのデジタル値は、受光素子11に入射する光に含まれている赤、緑および青の成分の光の量を表している。前記デジタル値を演算することにより、照明の色温度および照度を知ることができ、テレビなどの画像の色味をコントロールすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平3−244293号公報(1991年10月31日公開)
【特許文献2】特開2005−236470号公報(2005年9月2日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上述のような従来技術は、光検出器の前に着色された外装カバーが配置された場合、照明の正確な照度や色温度を検出することができないという問題がある。
【0014】
具体的には、近年、液晶テレビおよび携帯電話において、デザインを重視する傾向にあり、外界の光の状態をモニタするための受光窓あるいは外装カバーが着色されていることがある。また、光の透過率が極端に低下するような外装カバーが使用されている場合も多い。そのため、テレビ視聴環境の照明(環境光)の照度および色温度を検出する光検出器の測定精度が低下してしまう場合がある。
【0015】
通常上記のような、光損失がある特定の色の光を減衰させてしまう外装カバーが光検出器の前面(光検出器の受光面側)に配置されている場合、光検出器は、視聴環境の照明の色温度および照度を正確に検出することはできない。そこで光損失または透過分光特性を有する外装カバーが光受信器の前面に配置されている場合でも、外部環境の正確な照度や照明の色味を検出することができるような光検出器の要望が強くなってきている。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光検出器の受光面側に外装カバーなどが配置されていることによって光検出器に入射する光が減衰される、また、ある特定の色の光が減衰される場合であっても、環境光の本来の光強度を正確に検出することができる光検出器、およびその機能を備えた電子機器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る光検出器は、上記課題を解決するために、異なる分光感度特性を有し、受光光に比例した光電流を発生する複数の受光素子と、前記各受光素子から出力された光電流をそれぞれ電流電圧変換する電流電圧変換回路と、前記電流電圧変換回路から出力された電圧をそれぞれアナログデジタル変換するアナログデジタル変換回路とを備え、前記受光素子のうち少なくとも一つの受光素子の分光感度特性に対して光減衰させる化粧体が前記受光素子の受光面側に配置されている光検出器であって、前記アナログデジタル変換回路から出力されたデジタル値に、前記各受光素子に対応した、前記化粧体による光減衰の影響を補正するための補正係数をそれぞれ乗算して、前記デジタル値における前記光減衰の影響を補正する補正演算手段を備えていることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、本発明に係る光検出器は、補正演算手段にて、アナログデジタル変換回路から出力された、受光光の光強度を示すデジタル値に、各受光素子に対応した、化粧体による光減衰の影響を補正するための補正係数をそれぞれ乗算して、前記デジタル値における前記光減衰の影響を補正する、すなわち、受光光の本来(光検出器の受光面側に化粧体がない状態の)の光強度を正確に検出する。
【0019】
以上により、上記光検出器は、光検出器の受光面側に外装カバーなどが配置されていることによって光検出器に入射する光が減衰される、また、ある特定の色の光が減衰される場合であっても、環境光の本来の光強度を正確に検出することができる光検出器を提供できるという効果を奏する。
【0020】
本発明に係る光検出器は、前記受光素子のうち、1つの受光素子の分光感度特性が標準比視感度特性に一致していることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、前記光検出器では、前記複数の受光素子のうち、1つの受光素子の分光感度特性が標準比視感度特性に一致しているので、受光光の本来の光強度を正確に検出することによって、標準比視感度特性により規定される、受光光の本来の照度をより正確に検出することができる。
【0022】
本発明に係る光検出器は、前記受光素子のうち少なくとも1つの受光素子が複数の受光素子を含む受光素子部で形成され、当該受光素子部の複数の受光素子の分光感度特性のピークの包絡線が当該受光素子部の分光感度特性に一致することが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、前記複数の受光素子のうち少なくとも1つの受光素子が複数の受光素子を含む受光素子部で形成され、当該受光素子部の複数の受光素子の分光感度特性のピークの包絡線が当該受光素子部の分光感度特性に一致するので、前記化粧体の透過分光特性が急激に変化する波長付近の光の本来の光強度をより正確に検出することができる。
【0024】
本発明に係る光検出器は、前記受光素子部のうち、1つの受光素子部の分光感度特性が標準比視感度特性に一致していることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、前記光検出器では、前記受光素子部のうち、1つの受光素子部の分光感度特性が標準比視感度特性に一致しているので、受光光の本来の光強度を正確に検出することによって、標準比視感度特性により規定される、受光光の本来の照度をより正確に検出することができる。
【0026】
本発明に係る光検出器は、前記光検出器は、前記各補正係数を記憶する記憶手段をさらに備えていることが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、前記各補正係数は記憶手段に記憶している。
【0028】
そのため、様々な化粧体に対応する複数の補正係数を前記記憶手段に予め記憶させておくことができ、化粧体が他の化粧体に変わったとしても、前記補正演算手段が用いる補正係数を当該他の化粧体に対応する補正係数に変更することのみによって、前記光検出器が本来の光強度を正確に検出することができる。
【0029】
本発明に係る光検出器は、前記電流電圧変換回路は、対数変換で電流電圧変換を行う対数アンプであることが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、前記光検出器では、前記対数アンプは、前記各受光素子から出力された光電流をそれぞれ対数増幅して電圧に変換している。例えば、前記受光素子が受光する光量が1ルクス以下の小さい値から10万ルクス程度の大きい値の場合、前記受光素子は、1ルクスの光量に比例した非常に小さい値から10万ルクスの光量に比例した非常に大きい値の光電流を出力する。このような場合であっても、前記対数アンプは、アンプを飽和させることなく前記受光素子から出力された光電流を増幅することができる。そのため、前記光検出器は、受光光の光量に対して非常に大きなダイナミックレンジを有することができる。
【0031】
本発明に係る電子機器は、画像を表示するための表示部を備えている電子機器であって、前記光検出器を備え、前記表示部は、前記光検出器の出力に基づいて表示する画像の色味を制御することが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、本発明にかかる電子機器は、前記光検出器が出力する、受光光の本来の光強度に基づいて、前記表示部の出力画像の色味を制御することができる。そのため、前記電子機器が設置されている環境の環境光の光強度を検出することによって、環境光の色温度が変化したとしても、前記表示部の出力画像の色味を最適に調整することができる。
【0033】
本発明に係る電子機器は、画像を表示するための表示部を備えている電子機器であって、前記光検出器を備え、前記表示部は、前記光検出器の出力に基づいて、画像を表示する表示パネルに対しその後方から光を照射するバックライトの光量を制御することが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、本発明にかかる電子機器は、前記光検出器が出力する、受光光の本来の光強度に基づいて、前記表示部の出力画像の明るさを制御することができる。そのため、前記電子機器が設置されている環境の環境光の光強度を検出することによって、環境光の照度が変化したとしても、前記表示部のバックライトの光量を最適に調整することができる。
【0035】
本発明に係る電子機器は、光検出手段を備えた電子機器であって、前記光検出手段は、異なる分光感度特性を有し、受光光に比例した光電流を発生する複数の受光手段と、前記各受光手段から出力された光電流をそれぞれ電流電圧変換する電流電圧変換手段と、前記電流電圧変換手段から出力された電圧をそれぞれアナログデジタル変換するアナログデジタル変換手段とを備え、前記受光手段のうち少なくとも一つの受光手段の分光感度特性に対して光減衰させる化粧体が前記受光手段の受光面側に配置されている光検出手段であって、さらに、前記光検出手段は、前記アナログデジタル変換手段から出力されたデジタル値に、前記各受光手段に対応した、前記化粧体による光減衰の影響を補正するための補正係数をそれぞれ乗算して、前記デジタル値における前記光減衰の影響を補正する補正演算手段を備えていることが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、本発明にかかる電子機器は、光検出手段の補正演算手段にて、アナログデジタル変換手段から出力された、受光光の光強度を示すデジタル値に、各受光手段に対応した、化粧体による光減衰の影響を補正するための補正係数をそれぞれ乗算して、前記デジタル値における前記光減衰の影響を補正する、すなわち、受光光の本来(光検出手段の受光面側に化粧体がない状態の)の光強度を正確に検出する。
【0037】
以上により、上記電子機器は、光検出手段の受光面側に外装カバーなどが配置されていることによって光検出手段に入射する光が減衰される、また、ある特定の色の光が減衰される場合であっても、環境光の本来の光強度を正確に検出することができる光検出手段を備える電子機器を提供できるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、本発明に係る光検出器は、異なる分光感度特性を有し、受光光に比例した光電流を発生する複数の受光素子と、前記各受光素子から出力された光電流をそれぞれ電流電圧変換する電流電圧変換回路と、前記電流電圧変換回路から出力された電圧をそれぞれアナログデジタル変換するアナログデジタル変換回路とを備え、前記受光素子のうち少なくとも一つの受光素子の分光感度特性に対して光減衰させる化粧体が前記受光素子の受光面側に配置されている光検出器であって、前記アナログデジタル変換回路から出力されたデジタル値に、前記各受光素子に対応した、前記化粧体による光減衰の影響を補正するための補正係数をそれぞれ乗算して、前記デジタル値における前記光減衰の影響を補正する補正演算手段を備えている構成である。
【0039】
したがって、上記光検出器は、光検出器の受光面側に外装カバーなどが配置されていることによって光検出器に入射する光が減衰される、また、ある特定の色の光が減衰される場合であっても、環境光の本来の光強度を正確に検出することができる光検出器を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施例の光検出器を示すブロック図である。
【図2】図1に示す光検出器の受光素子の分光感度特性を示すグラフである。
【図3】外装カバーの透過分光特性の一例を示すグラフである。
【図4】図1に示す光検出器の受光素子の受光面側に、図3に示す特性を有する外装カバーを取り付けたときの当該受光素子の分光感度特性を示すグラフである。
【図5】図2〜図4に関連した図であって、外装カバーがない場合(図面左側)および外装カバーがある場合(図面右側)の各受光素子の出力値の関係を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例の光検出器が有する受光素子の分光感度特性を示すグラフである。
【図7】本発明の第3の実施例の光検出器が有するG(緑)に対応する受光素子の分光感度特性を示すグラフである。
【図8】本発明の第4の実施例の光検出器を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施例の液晶表示部を示す機能ブロック図である。
【図10】従来の光検出器を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施形態について図1から図9に基づいて説明すると以下の通りである。本発明に係る光検出器(光検出手段)は、特に携帯電話機もしくは液晶テレビなどの情報を表示する液晶表示部を有する電子機器に備えられ、これらの外装カバー(化粧体)などが光検出器の受光面側に配置されていることによって光検出器に入射する光が減衰される(光損失)、また、ある特定の色の光が減衰される場合であっても、環境光(照明など)の本来(光検出器の受光面側に外装カバーがない状態の)の光強度(色情報)を正確に検出して照度や色温度を正確に検出することができる(人間の色彩認識感覚に近い分光感度特性を有する)ものである。以下、様々な実施例を挙げて、その構成や機能について詳細に説明する。
【0042】
〔第1の実施例〕
本発明の第1の実施例を図1から図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0043】
図1は、本発明の第1の実施例の光検出器10を示すブロック図である。
【0044】
光検出器10は、赤(R)、緑(G)、青(B)それぞれの、受光素子(受光手段)11、IVアンプ(電流電圧変換回路、電流電圧変換手段)12、およびA/Dコンバータ(アナログデジタル変換回路、アナログデジタル変換手段)13と、補正演算回路(補正演算手段)14と、レジスタ(記憶手段)15と、シリアルインターフェース回路18とを含む。レジスタ15は、R、G、Bそれぞれの、補正係数レジスタ16および色情報レジスタ17を含む。
【0045】
受光素子11(PD:Photo Diode)は、外部から入射される光の強度に比例した光電流を発生するものである。本実施例では、3つの受光素子11があり、それぞれの受光素子11に、R、G、Bに分光感度特性のピークを持つカラーフィルタが貼り付けられている。受光素子11にカラーフィルタを貼り付けるのではなく、受光素子11自体にそれぞれ赤、緑、青の分光感度特性のピークを持たせても良い。外部の照明の光を3つの受光素子11に入射させると、照明の光に含まれている赤、緑、青の成分の光がフィルタによって選択され、それぞれ選択された光の強度に比例した光電流が受光素子11に流れる。それぞれの光電流を
R:Ipd_R
G:Ipd_G
B:Ipd_B
とする。ここで、Ipd_Rを赤の成分の光に対する光電流値、Ipd_Gを緑の成分の光に対する光電流値、Ipd_Bを青の成分の光に対する光電流値とする。
【0046】
図1に示すように、各受光素子11には、電流を電圧に変換するIVアンプ12(R、G、B)がそれぞれ接続されている。受光素子11で発生した光電流は、この各IVアンプ12によって電圧に変換される。
【0047】
各IVアンプ12にはA/Dコンバータ13(R、G、B)がそれぞれ接続されている。各A/Dコンバータ13は、IVアンプ12の電圧出力をデジタル値に変換する。このデジタル値は照明の光に含まれている、赤、緑、青成分の光に比例した数値になる。それぞれの成分の数値データを
R:Nr
G:Ng
B:Nb
とする。ここで、Nrを赤の成分の光に対する光電流値に比例した値、Ngを緑の成分の光に対する光電流値に比例した値、Nbを青の成分の光に対する光電流値に比例した値とする。
【0048】
補正演算回路14は、入力された各色の成分のデジタル値に対して、補正係数レジスタ16(R、G、B)に格納されている各受光素子11(R、G、B)に対応する補正係数を用いて演算(乗算)を行う回路である。R、G、Bのそれぞれの補正係数を
R:Cr
G:Cg
B:Cb
とする。ここで、Crを赤の成分の光に対する補正係数、Cgを緑の成分の光に対する補正係数、Cbを青の成分の光に対する補正係数とする。補正演算回路14の出力は
R:Cr×Nr
G:Cg×Ng
B:Cb×Nb
となり、この演算結果の値(環境光の本来の光強度を示す値)が各色情報レジスタ17(R、G、B)に格納される。
【0049】
そして、各色情報レジスタ17において、記憶されている補正演算回路14の演算結果の値を用いて、演算部(図示しない)が環境光の色温度および照度を算出する。なお、演算部が行う色温度および照度の算出方法は一般的な方法であるので、ここでは説明を省略する。
【0050】
各色情報レジスタ17において算出された環境光の色温度および照度を示す値は、I2Cインターフェース等のシリアルインターフェース回路18経由で取り出され、液晶表示部の出力画像の色味およびバックライトの明るさのコントロールに利用される(詳細は、第5の実施例)。
【0051】
なお、本願発明では、光検出器10が環境光の光強度から色温度および照度を算出しているが、これに限るものではない。例えば、光検出器10が検出した環境光の光強度をシリアルインターフェース回路18を介して外部機器に取り出し、当該外部機器によって光強度から色温度および照度を算出してもよい。
【0052】
ここで、補正演算回路14の必要性について詳細に説明する。図2は、光検出器10の3つの受光素子11の分光感度特性を示すグラフである。また、図3は、光検出器10の受光面側に配置される外装カバー(図示せず)の透過分光特性を示すグラフである。図4は、光検出器10の受光面側に外装カバーが配置される場合の、外装カバーを透過する光に対する光検出器10の受光素子11の分光感度特性を示すグラフである。各グラフにおいて、縦軸は相対感度、横軸は入射する光の波長(λ)である。
【0053】
例えば、色温度が2856kである黒体輻射の光(図5の光源A)が図2に示す分光感度特性を有する受光素子11を備える光検出器10に入射した場合、図5の左図のようにR、G、Bそれぞれの受光素子11の出力値が出力される。図5の左図の出力値に対してGを1として正規化すると、
R(外装カバー無しの出力値):0.972
G(外装カバー無しの出力値):1.000
B(外装カバー無しの出力値):0.339
となる。
【0054】
一方、外装カバーが受光面側に取り付けられた光検出器10によって、同じ光源Aの光を検出する場合、外装カバーが光を減衰(特に赤と緑の成分、図3および図4参照)させるため、図5の右図のように強度が弱くなっている(特にG、R)のがわかる。外装カバーを取り付けた場合、外装カバー無しの場合に比べて各受光素子11の出力値は
R(外装カバー有りの出力値)=R(外装カバー無しの出力値)/4.175
G(外装カバー有りの出力値)=G(外装カバー無しの出力値)/1.676
B(外装カバー有りの出力値)=B(外装カバー無しの出力値)/1.094
となる。
【0055】
本発明では外装カバーにより小さくなる各受光素子11の出力値を補正係数(Cr、Cg、Cb)を用いて補正することにより、本来の照明の光強度、ひいては色温度および照度を正確に検出することが可能となる。上記の図5に示す場合、各受光素子11に対する補正係数を
Cr=4.175
Cg=1.676
Cb=1.094
とする。
【0056】
つまり、補正係数は、(外装カバー無しの出力値)/(外装カバー有りの出力値)から求められる。この補正係数の設定手順としては、光検出器10の製造時に、まず標準光源を用いて、外装カバーがない場合の各受光素子11(R、G、B)の出力値を測定する。外装カバーが無い場合の各受光素子11の出力値を
R:Nr1
G:Ng1
B:Nb1
とする。
【0057】
次に外装カバーを取り付けた時の各受光素子11の出力値を測定する。外装カバーがある場合の各受光素子11の出力値を
R:Nr2
G:Ng2
B:Nb2
とする。
【0058】
そして、外装カバーに対応する各受光素子11の補正係数(Cr、Cg、Cb)を
Cr=Nr1/Nr2
Cg=Ng1/Ng2
Cb=Nb1/Ng2
のように求めて、補正係数レジスタ16(R、G、B)にそれぞれ記憶させておく。この構成によって、光検出器10の受光面側に外装カバーを配置する場合であっても、光検出器10は、外装カバー無しの時の照明の光強度、ひいては色温度および照度を算出することが可能となる。
【0059】
図3に示す透過分光特性を有する外装カバーは、青色波長の光を中心に透過するため、白色照明下では青っぽい色に見える。また、外装カバーは、波長λ=550nm付近を中心とする透過分光特性を有する緑色の外装カバーやλ=600nm付近を中心とする透過分光特性を有する赤色の外装カバーなどがある。このように、光検出器10の受光面側に様々な透過分光特性を有する外装カバーを配置する場合であっても、補正係数レジスタを変更することにより、光検出器10に入射する照明光の本来の光強度、ひいては色温度および照度を得ることができる。
【0060】
すなわち、同じ光検出器に対して他の外装カバーに取り替える場合は、補正係数レジスタ16(R、G、B)に格納している補正係数のみを外装カバーの種類により変更あるいは選択するだけで環境光の本来の光強度を検出することができるため、画像の明るさや色味を調整する電子機器本体の画像調整用のメインプログラムを変更する必要はなく、機器設計のメンテナンス性を良くすることが可能である。
【0061】
受光素子11の数は3つに限定する必要はなく、数を増やすことにより更なる高精度化が可能となる。受光素子11の数を増やした場合は、補正係数レジスタ16および色情報レジスタ17の数も増やす必要がある。
【0062】
〔第2の実施例〕
図6は、本発明の第2の実施例を示すものであり、光検出器10の受光素子11の分光感度特性を示すグラフである。第2の実施例では、第1の実施例のG(緑)に対応する受光素子11の分光感度特性を標準比視感度特性V(λ)に一致するように設定する。なお、第2の実施例では、光検出器10のその他の構成および処理は第1の実施例と同様であるので、説明は省略する。
【0063】
照度は標準比視感度特性により規定されているため、第2の実施例では、第1の実施例と比較して、照明の照度をより正確に検出することができるようになる。また、第1の実施例と同様に補正演算回路14を有しているので、光検出器10の受光面側に外装カバーがある場合でも、あらかじめ外装カバーの透過分光特性を測定して、外装カバーによる光減衰を補正するための補正係数を補正係数レジスタ16に記憶させておくことにより、本来の照明の正確な光強度、ひいては色温度および照度を測定することが可能となる。このことによって、第2の実施例の光検出器10を備える液晶テレビ等の電子機器の液晶表示部では、出力画像の色味およびバックライトの明るさをコントロールすることができる。
【0064】
〔第3の実施例〕
図7は、本発明の第3の実施例を示す光検出器10のGに対応する受光素子11の分光感度特性を示すグラフである。第3の実施例では、Gの受光素子(受光素子部)11は、G1〜G7の7つの受光素子11からなる。第3の実施例では、Gの各受光素子11(G1〜G7)の分光感度特性のピーク値の包絡線が、標準比視感度特性V(λ)に一致するように設定する。本実施例では、Gの受光素子11を7つの受光素子11から構成しているが、受光素子11の構成数は特に限定しない。なお、第3の実施例では、光検出器10のその他の構成および処理は第1の実施例と同様であるので、説明は省略する。
【0065】
第3の実施例では、受光面側に外装カバーが配置され、かつ、Gの受光素子11が複数の受光素子11で構成される光検出器10を用いて照明の光を測定する場合を考える。このとき、外装カバーの透過分光特性が緑の波長付近で急激に変化する場合であっても、各受光素子11(G1〜G7)に対して各々補正係数(Cg1、Cg2、Cg3、Cg4、Cg5、Cg6、Cg7)を設定することにより、光検出器10は、本来の照明の正確な光強度、ひいては照度および色温度を検出することが可能となる。
【0066】
なお、RおよびBの受光素子11に対しても同様に、各分光感度特性のピーク値の包絡線がRまたはBの分光感度特性に一致するような複数の受光素子11(R1〜R7、B1〜B7)を使用しても良い。特に外装カバーの透過分光特性が急激に変化する光の波長付近に分光感度特性のピークを有する受光素子11の構成数を増やすことによって、光検出器10が測定する照明の光強度、ひいては色温度および照度がさらに正確な値となる。
【0067】
〔第4の実施例〕
図8は、本発明の第4の実施例の光検出器20を示すブロック図である。第4の実施例の光検出器20は、第1の実施例の光検出器10と異なり、IVアンプ12(R、G、B)の代わりに対数アンプ22(R、G、B)を備えている。第4の実施例では、光検出器20のその他の構成および処理は、第1の実施例と同様であるので、説明は省略する。
【0068】
各対数アンプ22(R、G、B)は、各受光素子11(R、G、B)で発生した光電流を対数変換した電圧に変換する。対数アンプ22が出力する電圧値は、それぞれ
Vout_R=A×Log(Ipd_R)
Vout_G=A×Log(Ipd_G)
Vout_B=A×Log(Ipd_B)
(ただし、A=定数)
となる。
【0069】
対数アンプ22を用いることによって、非常に大きなダイナミックレンジがとることができる。そのため、本実施例では、薄暮時のような1ルクス以下の環境光から、真夏の直射日光下の10万ルクスまでの環境光を、光検出器20は、アンプを飽和させることなく測定することができる。
【0070】
このような対数アンプ22を使った構成は、特に使用環境の照度が大きく変わる携帯機器に対して有用である。また、携帯機器は外見を重視する傾向があり、透過分光特性において可視光域の透過率が1/100になるような外装カバーを使用する場合がある。この外装カバーを光検出器20の受光面側に配置すると、光検出器20に入射する光の強度が極端に小さくなる。このような場合であっても、本実施例の構成を用いることによって、光検出器20は、照明の光の本来の光強度、ひいては色温度および照度を検出することができる。
〔第5の実施例〕
図9は、本発明の第5の実施例の、本発明に係る電子機器の液晶表示部30を示すブロック図である。この液晶表示部30は、本発明の第1〜第4の実施例の光検出器10または光検出器20を含む。従って、この液晶表示部30は、照明の色温度を判別して、出力画像を最適な色味にコントロールすることができる。また、照明の照度を測定して、バックライトの光量(明るさ)を最適にコントロールすることができる。
【0071】
図9に示すように、液晶表示部30は、液晶パネル31、液晶ドライバ/コントローラ32、バックライトコントローラ33、CPU34、光検出器40、および外装カバー35を含む。液晶表示部30は、液晶ドライバ/コントローラ32、バックライトコントローラ33およびCPU34などを用いて液晶パネル31に情報を表示するものであって、その具体的な構成や処理動作については、一般的な液晶表示装置と同様である。液晶ドライバ/コントローラ32、バックライトコントローラ33およびCPU34を総称して表示部と称する。また、光検出器40は、RGB受光素子41、補正演算回路42、レジスタ43、およびインターフェース回路44を含む。なお、光検出器40は、第1〜第4の何れかの実施例の光検出器10または光検出器20と構成が同一であるが、ここでは一部(IVアンプまたは対数アンプ、およびA/Dコンバータ)を省略して記載している。また、光検出器10または光検出器20と処理動作も同一であるが、主な点のみ以下記載しておく。
【0072】
外装カバー35は、液晶パネル31の前面に配置されている。つまり、外装カバー35は、RGB受光素子41に入射する光の光路上に配置され、RGB受光素子41に入射する光を減衰させる。
【0073】
また、RGB受光素子41は、外装カバー35の内側に実装されている。RGB受光素子41は、それぞれ赤、緑、青の波長に分光感度のピークを持つ3つの受光素子11から構成されている。RGB受光素子41は、RGB受光素子41に入射した照明の光に含まれている赤、緑、青のそれぞれの成分の光の強度に比例した電流あるいは電圧を出力する。
【0074】
前記第1の実施例で説明した通り、着色された外装カバー35を通った照明の光は、本来の照明の光強度(色味および明るさ)とは異なっている。そのため、RGB受光素子41の出力値は、外装カバー35がない場合と比較して異なる値になる。
【0075】
RGB受光素子41の出力値を外装カバー35が無い場合と比較して同じ値にするために、補正演算回路42は当該出力値を補正する。具体的には、補正演算回路42は、製造過程において予めレジスタ43に記憶させたR、G、Bのそれぞれの補正係数を用いて、RGB受光素子41の出力を補正する。そして、補正演算回路42は、この補正結果をレジスタ43に格納する。補正演算回路42が補正することによって、光検出器40は、外装カバー35がある場合でも、本来の照明の正確な光強度、ひいては照度および色温度を得ることができる。
【0076】
CPU34は、レジスタ43に格納された照度および色温度を示す値をインターフェース回路44を通して読み出す。CPU34は、照明の照度に応じてバックライトコントローラ33を制御して、画像を表示するために液晶パネル31に対しその後方から光を照射するバックライトの輝度調整を行う。また、CPU34は、照明の色温度に応じて液晶ドライバ/コントローラ32を制御して画像の色味をコントロールする。このようにして、液晶表示部30は、照明が変わっても、出力画像が同じ色および明るさに見えるように液晶に表示される画像を調整することができる。
【0077】
なお、上述したように本願発明では、光検出器40が光強度から色温度および照度を算出しているが、これに限るものではない。例えば、CPU34が、光検出器40が演算した本来の光強度を示す値を読み出し、その読み出した光強度を用いて色温度および照度を算出してもよい。
【0078】
本実施例では、液晶表示部30は、R、G、Bの3つの受光素子11を備えているが、3つに限るものではなく、1つ以上の受光素子11を備えていればよい。光検出器40の光検出をさらに高精度化するために、分光感度特性の中心波長が異なり、分光感度特性の帯域が狭い受光素子11を多数用いることも可能である。
【0079】
また、本実施例では、電子機器の液晶表示部30は光検出器40をそのまま備えているが、これに限るものではない。例えば、電子機器は、光検出器(光検出手段)の各機能(受光手段、電流電圧変換手段、アナログデジタル変換手段、補正演算手段)を電子機器内にてディスクリートで組み込んだ電子機器であってもよい。
【0080】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の光検出器およびそれを備える電子機器は、光検出器の受光面側に光を減衰させる外装カバーなどが配置されている場合に、環境光の色温度および照度に応じて人間が見て自然な色に見えるように出力画像を制御する電子機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
10 光検出器(光検出手段)
11 受光素子(受光手段)
12 IVアンプ(電流電圧変換回路、電流電圧変換手段)
13 A/Dコンバータ(アナログデジタル変換回路、アナログデジタル変換手段)
14 補正演算回路(補正演算手段)
15 レジスタ(記憶手段)
16 補正係数レジスタ
17 色情報レジスタ
18 シリアルインターフェース回路
20 光検出器
22 対数アンプ
30 液晶表示部
31 液晶パネル(表示パネル)
32 液晶ドライバ/コントローラ(表示部)
33 バックライトコントローラ(表示部)
34 CPU(表示部)
35 外装カバー(化粧体)
40 光検出器
41 RGB受光素子
42 補正演算回路
43 レジスタ
44 インターフェース回路
50 光検出器
55 レジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる分光感度特性を有し、受光光に比例した光電流を発生する複数の受光素子と、
前記各受光素子から出力された光電流をそれぞれ電流電圧変換する電流電圧変換回路と、
前記電流電圧変換回路から出力された電圧をそれぞれアナログデジタル変換するアナログデジタル変換回路とを備え、
前記受光素子のうち少なくとも一つの受光素子の分光感度特性に対して光減衰させる化粧体が前記受光素子の受光面側に配置されている光検出器であって、
前記アナログデジタル変換回路から出力されたデジタル値に、前記各受光素子に対応した、前記化粧体による光減衰の影響を補正するための補正係数をそれぞれ乗算して、前記デジタル値における前記光減衰の影響を補正する補正演算手段を備えていることを特徴とする光検出器。
【請求項2】
前記受光素子のうち、1つの受光素子の分光感度特性が標準比視感度特性に一致していることを特徴とする請求項1に記載の光検出器。
【請求項3】
前記受光素子のうち少なくとも1つの受光素子が複数の受光素子を含む受光素子部で形成され、当該受光素子部の複数の受光素子の分光感度特性のピークの包絡線が当該受光素子部の分光感度特性に一致することを特徴とする請求項1に記載の光検出器。
【請求項4】
前記受光素子部のうち、1つの受光素子部の分光感度特性が標準比視感度特性に一致していることを特徴とする請求項3に記載の光検出器。
【請求項5】
前記光検出器は、前記各補正係数を記憶する記憶手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光検出器。
【請求項6】
前記電流電圧変換回路は、対数変換で電流電圧変換を行う対数アンプであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光検出器。
【請求項7】
画像を表示するための表示部を備えている電子機器であって、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の光検出器を備え、
前記表示部は、前記光検出器の出力に基づいて、表示する画像の色味を制御することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
画像を表示するための表示部を備えている電子機器であって、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の光検出器を備え、
前記表示部は、前記光検出器の出力に基づいて、画像を表示する表示パネルに対しその後方から光を照射するバックライトの光量を制御することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
光検出手段を備えた電子機器であって、
前記光検出手段は、異なる分光感度特性を有し、受光光に比例した光電流を発生する複数の受光手段と、
前記各受光手段から出力された光電流をそれぞれ電流電圧変換する電流電圧変換手段と、
前記電流電圧変換手段から出力された電圧をそれぞれアナログデジタル変換するアナログデジタル変換手段とを備え、
前記受光手段のうち少なくとも一つの受光手段の分光感度特性に対して光減衰させる化粧体が前記受光手段の受光面側に配置されている光検出手段であって、
さらに、前記光検出手段は、前記アナログデジタル変換手段から出力されたデジタル値に、前記各受光手段に対応した、前記化粧体による光減衰の影響を補正するための補正係数をそれぞれ乗算して、前記デジタル値における前記光減衰の影響を補正する補正演算手段を備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−243300(P2010−243300A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91528(P2009−91528)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】