説明

光源装置、プロジェクター及び発光管の製造方法

【課題】金属箔とリード線とが接続される箇所が高温となることを抑制することが可能な光源装置を提供する。
【解決手段】管球部30と、第1電極42及び第2電極52と、第1金属箔44及び第2金属箔54と、第1封止部40及び第2封止部50と、第1リード線46及び第2リード線56とを有する発光管20と、リフレクター10とを備える光源装置110であって、第1封止部40は、第1電極42と第1金属箔44とが接続される箇所よりも第1リード線46側で、かつ、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所よりも第1電極42側である場所に、第1封止部40の周方向に沿って延在するくびれ部60を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置、プロジェクター及び発光管の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターの照明装置用の光源装置として、管球部と、管球部に内蔵される一対の電極と、一対の電極にそれぞれ電気的に接続される一対の金属箔と、一対の金属箔をそれぞれ封止する一対の封止部と、一対の金属箔にそれぞれ電気的に接続される一対のリード線とを有する発光管と、発光管から射出される光を被照明領域に反射するリフレクターとを備える光源装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−5183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、プロジェクターの高輝度化及び小型化が求められている。このようなプロジェクターにおいては、金属箔とリード線とが接続される箇所、特に被照明領域側における当該箇所が高温となりやすくなる。金属箔とリード線とが接続される箇所が高温になると、材質の酸化や材質間の熱膨張率の差により故障が発生する可能性が高まるため、これを抑制する手段が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、金属箔とリード線とが接続される箇所が高温となることを抑制することが可能な光源装置を提供することを目的とする。また、このような優れた光源装置を備える信頼性の高いプロジェクターを提供することを目的とする。また、本発明の光源装置に用いるための発光管の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光源装置は、管球部と、前記管球部に内蔵される一対の電極と、前記一対の電極にそれぞれ電気的に接続される一対の金属箔と、前記一対の金属箔をそれぞれ封止する一対の封止部と、前記一対の金属箔にそれぞれ電気的に接続される一対のリード線とを有する発光管と、前記発光管から射出される光を被照明領域に反射するリフレクターとを備える光源装置であって、前記一対の電極のうち、被照明領域側にある電極を第1電極とし、当該第1電極に対する電極を第2電極とし、前記一対の金属箔のうち、前記第1電極に接続される金属箔を第1金属箔とし、当該第1金属箔に対する金属箔を第2金属箔とし、前記一対の封止部のうち、前記第1金属箔を封止する封止部を第1封止部とし、当該第1封止部に対する封止部を第2封止部とし、前記一対のリード線のうち、前記第1金属箔に接続されるリード線を第1リード線とし、当該第1リード線に対するリード線を第2リード線としたとき、前記第1封止部は、前記第1電極と前記第1金属箔とが接続される箇所よりも前記第1リード線側で、かつ、前記第1金属箔と前記第1リード線とが接続される箇所よりも前記第1電極側である場所に、前記第1封止部の周方向に沿って延在するくびれ部を有することを特徴とする。
【0007】
このため、本発明の光源装置によれば、被照明領域側である第1封止部は、第1金属箔と第1リード線とが接続される箇所よりも第1電極側である場所に、第1封止部の周方向に沿って延在するくびれ部を有するため、当該くびれ部が、主な熱源である管球部からの熱伝導を制限し、第1金属箔と第1リード線とが接続される箇所が高温となることを抑制することが可能となる。
【0008】
本発明の光源装置においては、前記第2封止部は、前記第2電極と前記第2金属箔とが接続される箇所よりも前記第2リード線側で、かつ、前記第2金属箔と前記第2リード線とが接続される箇所よりも前記第2電極側である場所に、前記第2封止部の周方向に沿って延在するくびれ部を有することが好ましい。
【0009】
このような構成とすることにより、くびれ部が、主な熱源である管球部からの熱伝導を制限し、第2金属箔と第2リード線とが接続される箇所が高温となることを抑制することが可能となる。
【0010】
本発明の光源装置においては、前記第1封止部及び前記第2封止部のうちいずれかの封止部は、前記くびれ部を2つ以上有することが好ましい。
【0011】
このような構成とすることにより、管球部からの熱伝導をより強く制限し、金属箔とリード線とが接続される箇所が高温となることを効果的に抑制することが可能となる。
【0012】
本発明の光源装置においては、前記くびれ部は、当該くびれ部を前記一対の封止部の軸に垂直な仮想平面で切断したときの断面が、略円形であることが好ましい。
【0013】
このような構成とすることにより、様々な方向からの衝撃に対して一様に耐久性のある発光管とすることが可能となる。
【0014】
本発明の光源装置においては、前記くびれ部は、当該くびれ部を前記一対の封止部の軸に垂直な仮想平面で切断したときの断面において、当該断面における前記一対の金属箔の箔面に垂直な方向の長さが、平行な方向の長さよりも短いことが好ましい。
【0015】
このような構成とすることにより、一対の金属箔の箔面に略平行な方向からの衝撃に対して特に耐久性のある発光管とすることが可能となる。
【0016】
本発明のプロジェクターは、本発明の光源装置を備える照明装置と、前記照明装置からの照明光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置からの変調光を投射画像として投写する投写光学系とを備えることを特徴とする。
【0017】
このため、本発明のプロジェクターは、優れた光源装置を備える信頼性の高いプロジェクターとなる。
【0018】
本発明のプロジェクターは、本発明の光源装置を備える照明装置と、前記照明装置からの照明光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置からの変調光を投射画像として投写する投写光学系とを備えるプロジェクターであって、本発明の光源装置においては、前記くびれ部は、当該くびれ部を前記一対の封止部の軸に垂直な仮想平面で切断したときの断面において、当該断面における前記一対の金属箔の箔面に垂直な方向の長さが、平行な方向の長さよりも短く、前記光源装置は、使用状態において、前記一対の金属箔の箔面が、重力の方向に対して略平行となるように配設されることを特徴とする。
【0019】
このため、本発明のプロジェクターは、優れた光源装置を備える信頼性の高いプロジェクターとなる。また、使用状態において光源装置は、一対の金属箔の箔面が重力の方向に対して略平行となるように配設されるので、一対の金属箔の箔面に略平行な方向が重力の方向に沿うようになり、当該光源装置の発光管は当該方向からの衝撃に対して特に耐久性があるため、実際の使用上発生しやすい重力の方向からの衝撃に対する耐久性が高いプロジェクターとなる。
【0020】
本発明の光源装置に用いるための発光管の製造方法は、前記管球部が形成された発光管素管を準備する発光管素管準備工程と、前記発光管素管の前記くびれ部に対応する場所を局所的に加熱し、延伸する加熱延伸工程と、前記発光管素管を用いて、シュリンクシール方式により前記発光管を製造する発光管製造工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
【0021】
このため、本発明の発光管の製造方法によれば、発光管素管のくびれ部に対応する場所を局所的に加熱し、延伸する加熱延伸工程を含むため、くびれ部を有する発光管を、特別な装置を用意することなく製造することが可能となる。また、シュリンクシール方式によってくびれ部を含む領域が加熱されるため、加熱延伸工程で生じることがある歪みやマイクロクラックが取り除かれ、これらに起因して発光管の強度が低下することがなくなる。
【0022】
本発明の光源装置に用いるための発光管の製造方法は、前記管球部が形成された発光管素管を準備する発光管素管準備工程と、前記発光管素管における前記くびれ部に対応する場所の表面の一部を除去する除去加工工程と、前記発光管素管を用いて、シュリンクシール方式により前記発光管を製造する発光管製造工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
【0023】
このため、本発明の発光管の製造方法によれば、発光管素管におけるくびれ部に対応する場所の表面の一部を除去する除去加工工程を含むため、場所、深さ及び形状が正確なくびれ部となる。また、シュリンクシール方式によってくびれ部を含む領域が加熱されるため、除去加工工程で生じることがある歪みやマイクロクラックが取り除かれ、これらに起因して発光管の強度が低下することがなくなる。
【0024】
本発明の光源装置に用いるための発光管の製造方法は、くびれ部を有さない発光管を準備する発光管準備工程と、前記発光管における前記くびれ部に対応する場所の表面の一部を除去する除去加工工程と、前記除去加工工程において除去した部分を含む領域を加熱処理して、前記くびれ部を形成するくびれ部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
【0025】
このため、本発明の発光管の製造方法によれば、一般に販売されている発光管に後からくびれ部を形成し、本発明の光源装置に用いるための発光管とすることが可能となる。また、除去加工工程において除去した部分を含む領域を加熱処理する工程を含むため、除去加工工程で生じることがある歪みやマイクロクラックが取り除かれ、これらに起因して発光管の強度が低下することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態1に係るプロジェクター1000の光学系を示す上面図。
【図2】実施形態1に係る光源装置110を説明するために示す図。
【図3】実施形態1に係る発光管の製造方法を示すフローチャート。
【図4】実施形態1に係る発光管の製造方法を説明するために示す図。
【図5】実施形態2に係る発光管の製造方法を示すフローチャート。
【図6】実施形態2に係る発光管の製造方法を説明するために示す図。
【図7】実施形態3に係る発光管の製造方法を示すフローチャート。
【図8】実施形態3に係る発光管の製造方法を説明するために示す図。
【図9】実施形態4に係る光源装置110cを説明するために示す図。
【図10】実施形態5に係る光源装置110dを模式的に示す側面図。
【図11】実施形態6に係る光源装置110eを説明するために示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の光源装置、プロジェクター及び発光管の製造方法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0028】
[実施形態1]
1.光源装置110及びプロジェクター1000の構成
図1は、実施形態1に係るプロジェクター1000の光学系を示す上面図である。
図2は、実施形態1に係る光源装置110を説明するために示す図である。図2(a)は光源装置110を示す側面図であり、図2(b)は図2(a)におけるA1の範囲を拡大して表示する図であり、図2(c)は図2(b)のB1−B1断面図である。
なお、図1及び図2は模式図であり、第1金属箔44及び第2金属箔54の厚み等を誇張して表示する。
【0029】
なお、以下の説明においては、互いに直交する3つの方向をそれぞれz軸方向(図1における照明光軸100ax方向)、x軸方向(図1における紙面に平行かつz軸に直交する方向)及びy軸方向(図1における紙面に垂直かつz軸に直交する方向)とする。
【0030】
実施形態1に係るプロジェクター1000は、図1に示すように、照明装置100と、色分離導光光学系200と、3つの液晶装置400R,400G,400Bと、クロスダイクロイックプリズム500と、投写光学系600とを備えるプロジェクターである。
【0031】
照明装置100は、光源装置110、凹レンズ90、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130、偏光変換装置140及び重畳レンズ150を備え、被照明領域側に照明光を射出する。
【0032】
光源装置110は、図1及び図2に示すように、楕円面リフレクター10と発光管20とを備え、照明光軸100axに沿って光を射出する。
【0033】
楕円面リフレクター10は、図2に示すように、後述する第2封止部50が挿通・固定される開口部12と、発光管20からの光を第2焦点位置に向けて反射する反射面14とを有する。楕円面リフレクター10は、開口部12に充填されたセメントCなどの接着剤によって発光管20の第2封止部50に固着される。
【0034】
発光管20は、管球部30と、一対の電極としての第1電極42及び第2電極52と、一対の金属箔としての第1金属箔44及び第2金属箔54と、一対の封止部としての第1封止部40及び第2封止部50と、一対のリード線としての第1リード線46及び第2リード線56とを有する。発光管20としては、高輝度発光する種々の発光管を採用でき、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を採用できる。
【0035】
管球部30は、一対の電極としての第1電極42及び第2電極52を内蔵する。また、管球部30内には、水銀、希ガス及び少量のハロゲンが封入されている。管球部30は、例えば、石英ガラスからなる。第1電極42及び第2電極52の間に電位差が発生すると、放電が生じ、アーク像が生成される。このアーク像は発光部であり、当該発光部は、楕円面リフレクター10の第1焦点近傍に位置する。第1電極42及び第2電極52は、例えば、タングステン電極である。
【0036】
第1金属箔44及び第2金属箔54は、それぞれ第1電極42及び第2電極52に電気的に接続される。第1金属箔44及び第2金属箔54は、例えば、モリブデン箔である。
第1封止部40及び第2封止部50は、それぞれ第1金属箔44及び第2金属箔54を封止する。第1封止部40及び第2封止部50は、例えば、石英ガラスからなる。
第1リード線46及び第2リード線56は、それぞれ第1金属箔44及び第2金属箔54に電気的に接続される。第1リード線46及び第2リード線56は、例えば、モリブデン又はタングステンから構成される。
【0037】
第1封止部40は、第1電極42と第1金属箔44とが接続される箇所よりも第1リード線46側で、かつ、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所よりも第1電極42側である場所に、第1封止部40の周方向に沿って延在するくびれ部60を有する。
くびれ部60は、図2(c)に示すように、一対の封止部の軸(照明光軸100axと同じ。)に垂直な仮想平面、例えば、B1−B1を含む平面で切断したときの断面が、略円形である。
【0038】
凹レンズ90は、図1に示すように、楕円面リフレクター10の被照明領域側に配置される。凹レンズ90は、楕円面リフレクター10からの光を略平行化するように構成される。
【0039】
第1レンズアレイ120は、光源装置110から射出される光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸100axと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の第1小レンズ122を備える。図示による説明は省略するが、第1小レンズ122の外形形状は、後述する液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域の外形形状に関して相似形である。
【0040】
第2レンズアレイ130は、上述した第1レンズアレイ120により分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ120と同様に照明光軸100axに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の第2小レンズ132を備える。
【0041】
偏光変換装置140は、第1レンズアレイ120により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光として射出する偏光変換素子である。
偏光変換装置140は、図示による詳しい説明は省略するが、照明装置100からの照明光に含まれる偏光成分のうち一方の直線偏光成分をそのまま透過し、他方の直線偏光成分を照明光軸100axに垂直な方向(x軸方向)に反射する偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の直線偏光成分を照明光軸100axに平行な方向(z軸方向)に反射する反射層と、反射層で反射された他方の直線偏光成分を一方の直線偏光成分に変換する位相差板とを有する。
【0042】
重畳レンズ150は、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130及び偏光変換装置140を経た複数の部分光束を集光して、液晶装置400R,400G,400Bにおける画像形成領域近傍に重畳させるための光学素子である。なお、図1に示す重畳レンズ150は1枚のレンズで構成されているが、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
【0043】
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210,220と、反射ミラー230,240,250と、リレーレンズ260,270とを備える。色分離導光光学系200は、照明装置100から射出される照明光を赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して、それぞれの色光を照明対象となる液晶装置400R,400G,400Bに導く機能を有する。
【0044】
ダイクロイックミラー210,220は、基板上に、所定の波長領域の光を反射し、他の波長領域の光を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。光路前段に配置されるダイクロイックミラー210は、赤色光成分を反射し、その他の色光成分を透過するミラーである。光路後段に配置されるダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射し、青色光成分を透過するミラーである。
【0045】
ダイクロイックミラー210で反射された赤色光成分は、反射ミラー230により曲折され、集光レンズ300Rを介して赤色光用の液晶装置400Rの画像形成領域に入射する。
【0046】
集光レンズ300Rは、重畳レンズ150からの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換するために設けられる。他の液晶装置400G,400Bの光路前段に配設される集光レンズ300G,300Bも、集光レンズ300Rと同様に構成される。
【0047】
ダイクロイックミラー210を通過した緑色光成分及び青色光成分のうち緑色光成分は、ダイクロイックミラー220によって反射され、集光レンズ300Gを通過して緑色光用の液晶装置400Gの画像形成領域に入射する。一方、青色光成分は、ダイクロイックミラー220を透過し、リレーレンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250及び集光レンズ300Bを通過して青色光用の液晶装置400Bの画像形成領域に入射する。リレーレンズ260,270及び反射ミラー240,250は、ダイクロイックミラー220を透過した青色光成分を液晶装置400Bまで導く機能を有する。
【0048】
なお、青色光の光路にこのようなリレーレンズ260,270及び反射ミラー240,250が設けられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。実施形態1に係るプロジェクター1000においては、青色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、赤色光の光路の長さを長くして、リレーレンズ260,270及び反射ミラー240,250を赤色光の光路に用いる構成も考えられる。
【0049】
液晶装置400R,400G,400Bは、入射した照明光を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、照明装置100の照明対象となる。なお、図示を省略したが、各集光レンズ300R,300G,300Bと液晶装置400R,400G,400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が配置され、液晶装置400R,400G,400Bとクロスダイクロイックプリズム500との間には、それぞれ射出側偏光板が配置される。これら入射側偏光板、液晶装置400R,400G,400B及び射出側偏光板によって、入射する各色光の光変調が行われる。
液晶装置400R,400G,400Bは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像信号に応じて、入射側偏光板から射出された1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。
【0050】
クロスダイクロイックプリズム500は、射出側偏光板から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によって赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
【0051】
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
【0052】
以上説明したように、実施形態1に係る光源装置110は、第1封止部40において、第1電極42と第1金属箔44とが接続される箇所よりも第1リード線側46で、かつ、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所よりも第1電極側42である場所に、第1封止部40の周方向に沿って延在するくびれ部60を有する。
【0053】
2.光源装置110に用いるための発光管の製造方法
図3は、実施形態1に係る発光管の製造方法を示すフローチャートである。
図4は、実施形態1に係る発光管の製造方法を説明するために示す図である。図4(a)〜図4(d)は各工程を説明するために示す模式図であり、図4(e)は製造された発光管20を示す模式図である。
【0054】
実施形態1に係る発光管の製造方法は、実施形態1に係る光源装置110に用いるための発光管20を製造するための方法であって、図3に示すように、「発光管素管準備工程S10」、「加熱延伸工程S12」及び「発光管製造工程S14」をこの順序で含む。以下、これら工程を順次説明する。
【0055】
A.発光管素管準備工程S10
まず、発光管素管70を準備する(図4(a)参照。)。発光管素管70は、略中央部に管球部30が形成されており、例えば、石英ガラスからなる。発光管素管70の製造方法については、従来公知の手段を用いるものとし、説明は省略する。
【0056】
B.加熱延伸工程S12
次に、図4(a)に示すように、発光管素管70のくびれ部に対応する場所72を局所的に加熱した後、管部74の末端を管球部30から遠ざかるように移動させ、管部74の一部を延伸する。加熱延伸工程が終了すると、図4(b)に示すように、くびれ部の元になる部分が形成される。なお、管部74は発光管20の第1封止部40に対応し、管部76は発光管20の第2封止部50に対応するが、管部74,76はそれぞれに対応する封止部よりもある程度長く構成されている。
【0057】
C.発光管製造工程S14
さらに、発光管素管70を用いて、シュリンクシール方式により発光管20を製造する。具体的には、発光管素管70の内部に第1電極42及び第2電極52、第1金属箔44及び第2金属箔54、第1リード線46及び第2リード線56、その他図示しない水銀、希ガス、ハロゲン等必要な物質を入れ、発光管素管70の内部を減圧によって負圧とし、図示しない栓で管部74,76それぞれの端部を塞ぐ。この状態で、図4(c)に示すように、管部74,76それぞれを加熱すると、管部74,76を構成する材料が軟化する。その結果、負圧によって管部74,76の内部空間が十分に減少し、第1金属箔44及び第2金属箔54がそれぞれ封止され、発光管20の内部構造が完成する。加熱には、例えば、水素−酸素バーナー等を用いることができる。その後に、図4(d)に示すように、管部74,76の両端を所定の長さとなるように切断し、それぞれ第1封止部40及び第2封止部50とする。
なお、図4(b)に示すように、くびれ部に対応する場所72には、管外及び管内のそれぞれにくびれが形成されているが、管内のくびれは管部74の内部空間が減少するときに消滅する。
【0058】
以上の工程を実施することにより、図4(e)に示すように、発光管20を製造することができる。
【0059】
3.効果
以上説明してきたように、実施形態1に係る光源装置110は、被照明領域側である第1封止部40に、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所よりも第1電極42側である場所に第1封止部40の周方向に沿って延在するくびれ部60を有するため、当該くびれ部が、主な熱源である管球部からの熱伝導を制限し、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所が高温となることを抑制することが可能となる。
【0060】
また、実施形態1に係る光源装置110によれば、くびれ部60は、一対の封止部の軸に垂直な仮想平面で切断したときの断面が、略円形であるため、様々な方向からの衝撃に対して一様に耐久性のある発光管とすることが可能となる。
【0061】
また、実施形態1に係るプロジェクター1000は、実施形態1に係る光源装置110を備えるため、優れた光源装置を備える信頼性の高いプロジェクターとなる。
【0062】
また、実施形態1に係る発光管の製造方法は、発光管素管70のくびれ部に対応する場所72を局所的に加熱し、延伸する加熱延伸工程を含むため、くびれ部60を有する発光管20を、特別な装置を用意することなく製造することが可能となる。また、シュリンクシール方式によってくびれ部60を含む領域が加熱されるため、加熱延伸工程で生じることがある歪みやマイクロクラックが取り除かれ、これらに起因して発光管20の強度が低下することがなくなる。
【0063】
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係る発光管の製造方法を示すフローチャートである。
図6は、実施形態2に係る発光管の製造方法を説明するために示す図である。図6(a)〜図6(d)は各工程を説明するために示す模式図であり、図6(e)は製造された発光管20aを示す模式図である。
【0064】
実施形態2に係る発光管の製造方法は、基本的には実施形態1に係る発光管の製造方法と同様の工程を含むが、実施形態2に係る発光管の製造方法は、加熱延伸工程の代わりに除去加工工程を含む。すなわち、実施形態2に係る発光管の製造方法は、図5に示すように、「発光管素管準備工程S20」、「除去加工工程S22」及び「発光管製造工程S24」をこの順序で含む。以下、これら工程を順次説明する。
【0065】
A.発光管素管準備工程S20
発光管素管準備工程S20は、実施形態1に係る発光管の製造方法の場合と同様であるため、説明を省略する(図6(a)参照。)。
【0066】
B.除去加工工程S22
次に、図6(a)に示すように、発光管素管70aにおいて、くびれ部に対応する場所72aの表面の一部を、くびれ部60aに対応する形状にしたがって除去する。除去加工工程が終了すると、図6(b)に示すように、くびれ部の元になる部分が形成される。除去加工として、例えば、ドリル等による切削加工、グラインダー等による研削加工、レーザー加工、電子ビーム加工等を行うことができる。なお、管部74aは発光管20aの第1封止部40aに対応し、管部76は発光管20aの第2封止部50に対応するが、管部74a,76はそれぞれに対応する封止部よりもある程度長く構成されている。
【0067】
C.発光管製造工程S24
発光管製造工程S24は、図6(c)及び図6(d)に示すように、実施形態1に係る発光管の製造方法の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0068】
以上の工程を実施することにより、図6(e)に示すように、発光管20aを製造することができる。
【0069】
上記した実施形態2に係る発光管の製造方法によれば、発光管素管70aにおけるくびれ部に対応する場所72aの表面の一部を除去する除去加工工程を含むため、場所、深さ及び形状が正確なくびれ部60aとなる。また、シュリンクシール方式によってくびれ部60aを含む領域が加熱されるため、除去加工工程で生じることがある歪みやマイクロクラックが取り除かれ、これらに起因して発光管20aの強度が低下することがなくなる。
【0070】
[実施形態3]
図7は、実施形態3に係る発光管の製造方法を示すフローチャートである。
図8は、実施形態3に係る発光管の製造方法を説明するために示す図である。図8(a)及び図8(b)は各工程を説明するために示す模式図であり、図8(c)は製造された発光管20bを示す模式図である。
【0071】
実施形態3に係る発光管の製造方法は、くびれ部を有さない発光管を準備しておき、これに除去加工及び加熱処理を行ってくびれ部を形成するものである。すなわち、実施形態3に係る発光管の製造方法は、図7に示すように、「発光管準備工程S30」、「除去加工工程S32」及び「くびれ部形成工程S34」をこの順序で含む。以下、これら工程を順次説明する。
【0072】
A.発光管準備工程S30
まず、くびれ部を有さない発光管80を準備する(図8(a)参照。)。くびれ部を有さない発光管80とは、例えば、一般に販売されている発光管である。発光管80としては、高輝度発光する種々の発光管を採用でき、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を採用できる。
【0073】
B.除去加工工程S32
次に、図8(a)に示すように、発光管80において、くびれ部に対応する場所82の表面の一部を、くびれ部60bに対応する形状にしたがって除去する。除去加工として、例えば、ドリル等による切削加工、グラインダー等による研削加工、レーザー加工、電子ビーム加工等を行うことができる。なお、封止部84は発光管20bの第1封止部40bに対応し、封止部86は発光管20bの第2封止部50に対応する。
【0074】
C.くびれ部形成工程S34
さらに、図8(b)に示すように、除去加工工程において除去した部分を含む領域を加熱処理して、くびれ部60bを形成する。加熱処理には、例えば、水素−酸素バーナー等を用いることができる。
【0075】
以上の工程を実施することにより、図8(c)に示すように、発光管20bを製造することができる。
【0076】
上記した実施形態3に係る発光管の製造方法によれば、一般に販売されている発光管80に後からくびれ部60bを形成し、本発明の光源装置に用いるための発光管20bとすることが可能となる。また、除去加工工程において除去した部分を含む領域を加熱処理する工程を含むため、除去加工工程で生じることがある歪みやマイクロクラックが取り除かれ、これらに起因して発光管の強度が低下することがなくなる。
【0077】
[実施形態4]
図9は、実施形態4に係る光源装置110cを説明するために示す図である。図9(a)は光源装置110cを示す側面図であり、図9(b)は図9(a)におけるA2の範囲を拡大して表示する図であり、図9(c)は図9(b)のB2−B2断面図である。
なお、図9は模式図であり、第2金属箔54の厚み等を誇張して表示する。
【0078】
実施形態4に係る発光管110cは、基本的には実施形態1に係る光源装置110と同様の構成を有するが、発光管の構成が実施形態1に係る光源装置110の場合とは異なる。すなわち、実施形態4に係る光源装置110cにおいては、図9に示すように、第2封止部50cが、くびれ部62をさらに有する。
【0079】
第2封止部50cは、図9(a)及び図9(b)に示すように、第2電極52と第2金属箔54とが接続される箇所よりも第2リード線56側で、かつ、第2金属箔54と第2リード線56とが接続される箇所よりも第2電極52側である場所に、第2封止部50cの周方向に沿って延在するくびれ部62を有する。
くびれ部62は、図9(c)に示すように、第2封止部50cの軸(照明光軸100axと同じ。)に垂直な仮想平面、例えば、B2−B2を含む平面で切断したときの断面が、略円形である。
【0080】
上記したように、実施形態4に係る光源装置110cは、発光管の構成が実施形態1に係る光源装置110の場合とは異なるが、発光管20cにおいて、第1封止部40は、第1電極42と第1金属箔44とが接続される箇所よりも第1リード線46側で、かつ、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所よりも第1電極42側である場所に、第1封止部40の周方向に沿って延在するくびれ部60を有するため、実施形態1に係る光源装置110の場合と同様に、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所が高温となることを抑制することが可能な光源装置となる。
【0081】
また、実施形態4に係る光源装置110cによれば、第2封止部50cは、第2電極52と第2金属箔54とが接続される箇所よりも第2リード線56側で、かつ、第2金属箔54と第2リード線56とが接続される箇所よりも第2電極側52である場所に、第2封止部50cの周方向に沿って延在するくびれ部62を有するため、くびれ部62が、主な熱源である管球部からの熱伝導を制限し、第2金属箔54と第2リード線56とが接続される箇所が高温となることを抑制することが可能となる。
【0082】
なお、実施形態4に係る光源装置110cは、発光管の構成以外の点においては、実施形態1に係る光源装置110と同様の構成を有するため、実施形態1に係る光源装置110が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0083】
くびれ部62は、実施形態1に記載した方法、実施形態2に記載した方法又は実施形態3に記載した方法のいずれかを適用することによって形成することができる。
【0084】
[実施形態5]
図10は、実施形態5に係る光源装置110dを模式的に示す側面図である。
【0085】
実施形態5に係る発光管110dは、基本的には実施形態1に係る光源装置110と同様の構成を有するが、発光管の構成が実施形態1に係る光源装置110の場合とは異なる。すなわち、実施形態5に係る光源装置110dにおいては、図10に示すように、第1封止部40dが、2つのくびれ部64,66を有する。なお、詳しい図示による説明は省略するが、2つのくびれ部64,66は、実施形態1に係る発光管110におけるくびれ部60と同様の構成を有する。
【0086】
このように、実施形態5に係る光源装置110dは、発光管の構成が実施形態1に係る光源装置110の場合とは異なるが、発光管20dにおいて、第1封止部40dは、第1電極42と第1金属箔44とが接続される箇所よりも第1リード線46側で、かつ、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所よりも第1電極42側である場所に、第1封止部40dの周方向に沿って延在するくびれ部64,66を有するため、実施形態1に係る光源装置110の場合と同様に、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所が高温となることを抑制することが可能な光源装置となる。
【0087】
また、実施形態5に係る光源装置110dによれば、第1封止部40dは、くびれ部を2つ以上有するため、管球部からの熱伝導をより強く制限し、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所が高温となることを効果的に抑制することが可能となる。
【0088】
なお、実施形態5に係る光源装置110dは、発光管の構成以外の点においては、実施形態1に係る光源装置110と同様の構成を有するため、実施形態1に係る光源装置110が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0089】
くびれ部64,66は、実施形態1に記載した方法、実施形態2に記載した方法又は実施形態3に記載した方法のいずれかを適用することによって形成することができる。
【0090】
[実施形態6]
図11は、実施形態6に係る光源装置110eを説明するために示す図である。図11(a)は光源装置110eを示す側面図であり、図11(b)は光源装置110eを示す上面図であり、図11(c)は図11(a)のB3−B3断面図である。
なお、図11は模式図であり、第1金属箔44及び第2金属箔54の厚み等を誇張して表示する。
【0091】
実施形態6に係る光源装置110eは、基本的には実施形態1に係る光源装置110と同様の構成を有するが、発光管の構成が実施形態1に係る光源装置110の場合とは異なる。すなわち、実施形態6に係る光源装置110eにおいては、図11(c)に示すように、くびれ部60eは、第1封止部40eの軸(照明光軸100axと同じ。)に垂直な仮想平面、例えば、B3−B3を含む平面で切断したときの断面において、当該断面における第1金属箔44の箔面に垂直な方向の長さL1が、平行な方向の長さL2よりも短い。
また、実施形態6に係るプロジェクター1000e(図示せず。)は、基本的には実施形態1に係るプロジェクター1000と同様の構成を有するが、光源装置の配置が実施形態1に係るプロジェクター1000の場合とは異なる。すなわち、実施形態6に係るプロジェクター1000eにおいては、光源装置110eは、使用状態において、一対の金属箔の箔面が、重力の方向(y軸方向)に対して略平行となるように配設される。
【0092】
このように、実施形態6に係る光源装置110eは、発光管の構成が実施形態1に係る光源装置110の場合とは異なるが、発光管20eにおいて、第1封止部40eは、第1電極42と第1金属箔44とが接続される箇所よりも第1リード線46側で、かつ、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所よりも第1電極42側である場所に、第1封止部40eの周方向に沿って延在するくびれ部60eを有するため、実施形態1に係る光源装置110の場合と同様に、第1金属箔44と第1リード線46とが接続される箇所が高温となることを抑制することが可能な光源装置となる。
【0093】
また、実施形態6に係る光源装置110eによれば、一対の封止部の軸に垂直な仮想平面で切断したときの断面において、当該断面における第1金属箔44の箔面に垂直な方向の長さL1が、平行な方向の長さL2よりも短いため、一対の金属箔の箔面に略平行な方向(y軸方向)からの衝撃に対して特に耐久性のある発光管とすることが可能となる。
【0094】
なお、実施形態6に係る光源装置110eは、発光管の構成以外の点においては、実施形態1に係る光源装置110と同様の構成を有するため、実施形態1に係る光源装置110が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0095】
また、実施形態6に係るプロジェクター1000eは、実施形態6に係る光源装置110eを備え、光源装置110eは、使用状態において、一対の金属箔の箔面が、重力の方向(y軸方向)に対して略平行となるように配設されるため、優れた光源装置を備える信頼性の高いプロジェクターとなる。また、使用状態において光源装置110eは、一対の金属箔の箔面が重力の方向(y軸方向)に対して略平行となるように配設されるので、一対の金属箔の箔面に略平行な方向が重力の方向に沿うようになり、実施形態6に係る光源装置110eの発光管20eは当該方向からの衝撃に対して特に耐久性があるため、実際の使用上発生しやすい重力の方向からの衝撃に対する耐久性が高いプロジェクターとなる。
【0096】
くびれ部60eは、実施形態2に記載した方法又は実施形態3に記載した方法のいずれかを適用することによって形成することができる。
【0097】
以上、本発明の光源装置、プロジェクター及び発光管の製造方法を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その要旨を逸脱しない範囲において種々の様態において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0098】
(1)上記実施形態5においては、第1封止部40dはくびれ部を2つ有するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1封止部がくびれ部を3つ以上有してもよい。また、第2封止部がくびれ部を2つ以上有してもよい。
【0099】
(2)上記実施形態6においては、第1封止部40eはくびれ部を1つ有するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1封止部がくびれ部を2つ以上有してもよい。また、第2封止部がくびれ部を1つ以上有してもよい。
【0100】
(3)上記各実施形態においては、楕円面リフレクター10を備える光源装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、放物面リフレクターを備える光源装置を用いてもよい。この場合の光源装置においては、凹レンズを設けなくてもよい。
【0101】
(4)上記各実施形態においては、透過型のプロジェクターを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、反射型のプロジェクターを用いてもよい。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶表示装置等のように光変調手段としての光変調装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、反射型の液晶表示装置等のように光変調手段としての光変調装置が光を反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクターにこの発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクターと同様の効果を得ることができる。
【0102】
(5)上記各実施形態においては、プロジェクターの光変調装置として液晶装置400R,400G,400Bを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。光変調装置としては、一般に、画像情報に応じて入射光を変調するものであればよく、マイクロミラー型光変調装置などを利用してもよい。マイクロミラー型光変調装置としては、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)(TI社の商標)を用いることができる。
【0103】
(6)上記各実施形態においては、楕円面リフレクター10及び発光管を有する光源装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、リフレクターに向けて光を反射する副鏡をさらに有する光源装置を用いてもよい。
【0104】
(7)上記各実施形態においては、液晶装置400R,400G,400Bを用いたプロジェクターを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。1つ、2つ又は4つ以上の液晶装置を用いたプロジェクターにも適用可能である。
【0105】
(8)上記各実施形態に係るプロジェクターにおいては、光均一化光学系としてレンズインテグレータ光学系を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ロッドインテグレータ光学系をも好ましく用いることができる。
【0106】
(9)本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクターに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投射型プロジェクターに適用する場合にも可能である。
【0107】
(10)上記各実施形態においては、本発明の光源装置をプロジェクターに適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の光源装置を他の光学機器(例えば、光ディスク装置など。)に適用することもできる。
【符号の説明】
【0108】
10…楕円面リフレクター、12…開口部、14…反射面、20,20a,20b,20c,20d,20e,80…発光管、30…管球部、40,40a,40b,40d…第1封止部、42…第1電極、44…第1金属箔、46…第1リード線、50,50c…第2封止部、52…第2電極、54…第2金属箔、56…第2リード線、60,60a,60b,60e,62,64,66…くびれ部、70,70a…発光管素管、72,72a,82…くびれ部に対応する場所、74,74a,76…管部、84,86…封止部、90…凹レンズ、100…照明装置、100ax…照明光軸、110,110c,110d,110e…光源装置、120…第1レンズアレイ、122…第1小レンズ、130…第2レンズアレイ、132…第2小レンズ、140…偏光変換装置、150…重畳レンズ、200…色分離導光光学系、210,220…ダイクロイックミラー、230,240,250…反射ミラー、260,270…リレーレンズ、300R,300G,300B…集光レンズ、400R,400G,400B…液晶装置、500…クロスダイクロイックプリズム、600…投写光学系、1000…プロジェクター、C…セメント、SCR…スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管球部と、前記管球部に内蔵される一対の電極と、前記一対の電極にそれぞれ電気的に接続される一対の金属箔と、前記一対の金属箔をそれぞれ封止する一対の封止部と、前記一対の金属箔にそれぞれ電気的に接続される一対のリード線とを有する発光管と、
前記発光管から射出される光を被照明領域に反射するリフレクターとを備える光源装置であって、
前記一対の電極のうち、被照明領域側にある電極を第1電極とし、
当該第1電極に対する電極を第2電極とし、
前記一対の金属箔のうち、前記第1電極に接続される金属箔を第1金属箔とし、
当該第1金属箔に対する金属箔を第2金属箔とし、
前記一対の封止部のうち、前記第1金属箔を封止する封止部を第1封止部とし、
当該第1封止部に対する封止部を第2封止部とし、
前記一対のリード線のうち、前記第1金属箔に接続されるリード線を第1リード線とし、
当該第1リード線に対するリード線を第2リード線としたとき、
前記第1封止部は、前記第1電極と前記第1金属箔とが接続される箇所よりも前記第1リード線側で、かつ、前記第1金属箔と前記第1リード線とが接続される箇所よりも前記第1電極側である場所に、前記第1封止部の周方向に沿って延在するくびれ部を有することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光源装置において、
前記第2封止部は、前記第2電極と前記第2金属箔とが接続される箇所よりも前記第2リード線側で、かつ、前記第2金属箔と前記第2リード線とが接続される箇所よりも前記第2電極側である場所に、前記第2封止部の周方向に沿って延在するくびれ部を有することを特徴とする光源装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光源装置において、
前記第1封止部及び前記第2封止部のうちいずれかの封止部は、前記くびれ部を2つ以上有することを特徴とする光源装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の光源装置において、
前記くびれ部は、当該くびれ部を前記一対の封止部の軸に垂直な仮想平面で切断したときの断面が、略円形であることを特徴とする光源装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の光源装置において、
前記くびれ部は、当該くびれ部を前記一対の封止部の軸に垂直な仮想平面で切断したときの断面において、当該断面における前記一対の金属箔の箔面に垂直な方向の長さが、平行な方向の長さよりも短いことを特徴とする光源装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の光源装置を備える照明装置と、
前記照明装置からの照明光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置からの変調光を投射画像として投写する投写光学系とを備えることを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項5に記載の光源装置を備える照明装置と、
前記照明装置からの照明光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置からの変調光を投写画像として投写する投写光学系とを備えるプロジェクターであって、
前記光源装置は、使用状態において、前記一対の金属箔の箔面が、重力の方向に対して略平行となるように配設されることを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の光源装置に用いるための発光管の製造方法であって、
前記管球部が形成された発光管素管を準備する発光管素管準備工程と、
前記発光管素管の前記くびれ部に対応する場所を局所的に加熱し、延伸する加熱延伸工程と、
前記発光管素管を用いて、シュリンクシール方式により前記発光管を製造する発光管製造工程とをこの順序で含むことを特徴とする発光管の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の光源装置に用いるための発光管の製造方法であって、
前記管球部が形成された発光管素管を準備する発光管素管準備工程と、
前記発光管素管における前記くびれ部に対応する場所の表面の一部を除去する除去加工工程と、
前記発光管素管を用いて、シュリンクシール方式により前記発光管を製造する発光管製造工程とをこの順序で含むことを特徴とする発光管の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載の光源装置に用いるための発光管の製造方法であって、
くびれ部を有さない発光管を準備する発光管準備工程と、
前記発光管における前記くびれ部に対応する場所の表面の一部を除去する除去加工工程と、
前記除去加工工程において除去した部分を含む領域を加熱処理して、前記くびれ部を形成するくびれ部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする発光管の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−218870(P2010−218870A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64020(P2009−64020)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】