説明

光源装置、及びプロジェクタ

【課題】光源装置本体を光源装置用筐体に対して確実に位置決めすることができる光源装置の提供。
【解決手段】光源装置41は、リフレクタ412を有する光源装置本体41Aと、光源装置本体41Aを収納するランプハウジング414とを備える。ランプハウジング414は、第1ハウジング5と、第2ハウジング6と、付勢部材7とを備える。第1ハウジング5は、ランプハウジング414に対する光源装置本体41AのZ軸方向の位置決め基準とされる光軸方向基準面と、第2ハウジング6に固定される第1固定部とを備える。第2ハウジング6は、第1ハウジング5に固定される第2固定部61を備える。付勢部材7は、第1固定部、及び第2固定部61にて挟持される被挟持部71と、リフレクタ412を光軸方向基準面に向けて押圧する光軸方向押圧部72とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置、及びプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源ランプ、及び光源ランプから射出される光を一定の射出方向に揃えるリフレクタを有する光源装置本体と、光源装置本体を収納する光源装置用筐体とを備える光源装置が知られている。そして、このような光源装置では、光源装置本体は、光源装置用筐体に対して所定位置に位置決めされている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光源装置では、複数の板バネを用いることでリフレクタをランプハウジング(光源装置用筐体)に対して付勢し、光源装置本体をランプハウジングに対して所定位置に位置決めしている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−287812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の光源装置では、光源装置に衝撃が加わることで板バネの位置が移動したり、脱落したりする場合があり、このような場合には、光源装置本体のランプハウジングに対する位置決めが不十分になるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、光源装置本体を光源装置用筐体に対して確実に位置決めすることができる光源装置、及びプロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光源装置は、光源ランプ、及び前記光源ランプから射出される光を一定の射出方向に揃えるリフレクタを有する光源装置本体と、前記光源装置本体を収納する光源装置用筐体とを備える光源装置であって、前記光源装置用筐体は、前記射出方向側に配設される第1筐体と、前記射出方向とは反対側に配設される第2筐体と、前記第1筐体、及び前記第2筐体の間に介在配置され、前記光源装置本体を付勢する付勢部材とを備え、前記第1筐体は、前記リフレクタから射出される光の光軸に略直交し、前記リフレクタに当接することで前記光源装置用筐体に対する前記光源装置本体の前記光軸方向の位置決め基準とされる光軸方向基準面と、前記第2筐体に固定される第1固定部とを備え、前記第2筐体は、前記第1固定部に固定されることで前記第1筐体、及び前記第2筐体を一体化する第2固定部を備え、前記付勢部材は、前記第1固定部、及び前記第2固定部にて挟持される被挟持部と、前記リフレクタを前記光軸方向基準面に向けて押圧する光軸方向押圧部を備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、付勢部材は、第1筐体、及び第2筐体の間に介在配置され、第1固定部、及び第2固定部に挟持される被挟持部と、リフレクタを光軸方向基準面に向けて押圧する光軸方向押圧部とを備えるので、光源装置に衝撃が加わっても位置が移動したり、脱落したりすることがない。また、光源装置本体は、光軸方向押圧部にて付勢され、リフレクタが光軸方向基準面に当接することで光源装置用筐体に対して光軸方向(以下、Z軸方向とする)に位置決めされる。したがって、光源装置本体を光源装置用筐体に対して確実に位置決めすることができる。
【0008】
本発明では、前記第1筐体は、前記光軸方向基準面に略直交するとともに、互いに略直交し、前記リフレクタに当接することで前記光源装置用筐体に対する前記光源装置本体の前記光軸に直交する2軸方向の位置決め基準とされる2つの直交方向基準面を備え、前記付勢部材は、前記リフレクタを前記各直交方向基準面に向けて押圧する直交方向押圧部を備えることが好ましい。
【0009】
このような構成によれば、光源装置本体は、直交方向押圧部にて付勢され、リフレクタが直交方向基準面に当接することで光源装置用筐体に対して光軸に直交する2軸方向(以下、X軸方向、及びY軸方向とする)に位置決めされる。すなわち、光源装置本体は、光源装置用筐体に対してX,Y,Z軸の3軸方向に位置決めされる。したがって、光源装置本体を光源装置用筐体に対して更に確実に位置決めすることができる。
なお、付勢部材は、複数の直交方向押圧部を備え、各直交方向押圧部にてリフレクタを各直交方向基準面に向けてそれぞれ押圧してもよく、1つの直交方向押圧部を備え、この直交方向押圧部による押圧方向を調整することでリフレクタを各直交方向基準面に向けて押圧してもよい。
【0010】
本発明では、前記リフレクタには、前記光軸から離間する外側に向かって張り出す枠状の張出部が形成され、前記付勢部材は、前記張出部に応じた枠状に形成され、前記張出部のほぼ全周にわたり当接する当接部を備えることが好ましい。
【0011】
ここで、前述したように、複数の板バネを用いることでリフレクタを光源装置用筐体に対して付勢し、光源装置本体を光源装置用筐体に対して所定位置に位置決めすると、各板バネは、リフレクタに対して部分的に当接しているのみとなる。したがって、例えば、各板バネ、及びリフレクタが当接していない部分において、リフレクタに割れが発生した場合には、リフレクタの一部が脱落する場合があるという問題がある。
【0012】
本発明によれば、リフレクタには、光軸から離間する外側に向かって張り出す枠状の張出部が形成され、付勢部材は、この張出部のほぼ全周にわたり当接する当接部を備えるので、リフレクタに割れが発生した場合であってもリフレクタの一部が脱落することがなく、光源装置を好適に利用することができる。
なお、当接部は、Z軸方向において対向した状態で張出部に当接してもよく、X,Y軸方向において対向した状態で張出部に当接してもよい。また、当接部は、Z軸方向において対向した状態で張出部に当接する部分と、X,Y軸方向において対向した状態で張出部に当接する部分とを組み合わせることで全周にわたり張出部に当接してもよい。
【0013】
本発明のプロジェクタは、前述した光源装置と、前記光源装置から射出された光を、入力される画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置と、前記光変調装置にて形成された画像光を拡大投射する投射光学装置とを備えることを特徴とする。
本発明では、プロジェクタは、前述した光源装置を備えているので、前述した光源装置と同様の作用効果を享受できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの概略構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を示す模式図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光を画像情報に応じて変調してカラー画像(画像光)を形成し、このカラー画像をスクリーン等の投射面(図示略)上に拡大投射する。このプロジェクタ1は、図1に示すように、略直方体状の外装筐体2と、投射レンズ3と、光学ユニット4等を備える。
投射光学装置としての投射レンズ3は、複数のレンズを組み合わせた組レンズとして構成され、後述する光学ユニット4にて形成されたカラー画像をスクリーン等の投射面上に拡大投射する。
【0015】
なお、図1において、具体的な図示は省略したが、外装筐体2内における投射レンズ3、及び光学ユニット4以外の空間には、プロジェクタ1内部の各構成部材を冷却する冷却ファン等を備えた冷却ユニット、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、及びプロジェクタ1内部の各構成部材を制御する制御ユニット等が配置されている。
【0016】
光学ユニット4は、前述した制御ユニットによる制御の下、光源から射出された光を光学的に処理することで画像情報に応じたカラー画像を形成するユニットである。この光学ユニット4は、光源装置41と、照明光学装置42と、色分離光学装置43と、リレー光学装置44と、光学装置45と、これらの各光学部品41〜45を内部に設定された照明光軸Aに対する所定位置に配置する光学部品用筐体46とを備える。
【0017】
光源装置41は、光を射出する光源ランプ411、及び光源ランプ411から射出される光を一定の射出方向に揃えるリフレクタ412を有する光源装置本体41Aと、リフレクタ412にて射出方向が揃えられた光を平行化する平行化凹レンズ413とを備える。そして、平行化凹レンズ413にて平行化された光は、照明光学装置42に向けて射出される。
また、光源装置41は、光学部品用筐体46に接続するとともに、これらの各部材411〜413を収納するランプハウジング414を備える。そして、これらの各部材411〜413は、ランプハウジング414に収納配置されることで、光学部品用筐体46に対する所定位置(光源装置41から射出される光の光軸と光学部品用筐体46内に設定された照明光軸Aとが一致する位置)に位置決めされる。なお、光源装置41については後に詳述する。
【0018】
照明光学装置42は、第1レンズアレイ421、第2レンズアレイ422、偏光変換素子423、及び重畳レンズ424を備える。そして、光源装置41から射出された光は、第1レンズアレイ421によって複数の部分光に分割され、第2レンズアレイ422の近傍で結像する。第2レンズアレイ422から射出された各部分光は、その中心軸(主光線)が偏光変換素子423の入射面に垂直となるように入射し、偏光変換素子423にて略1種類の直線偏光として射出される。偏光変換素子423から直線偏光として射出され、重畳レンズ424を介した複数の部分光は、光学装置45の後述する3つの光変調装置451上で重畳する。
【0019】
色分離光学装置43は、2つのダイクロイックミラー431,432、及び反射ミラー433を備え、照明光学装置42から射出された複数の部分光を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有する。
リレー光学装置44は、入射側レンズ441、リレーレンズ443、及び反射ミラー442,444を備え、色分離光学装置43にて分離された各色光を、光学装置45の後述する各光変調装置451まで導く機能を有する。
【0020】
光学装置45は、入射した光を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものである。この光学装置45は、3つの光変調装置451(赤色光側の光変調装置を451R、緑色光側の光変調装置を451G、青色光側の光変調装置を451Bとする)と、各光変調装置451の光路前段側に配置される入射側偏光板452と、各光変調装置451の光路後段側に配置される射出側偏光板453と、クロスダイクロイックプリズム454とを備える。
【0021】
各入射側偏光板452は、偏光変換素子423で揃えられた偏光方向と略同一の偏光方向を有する光のみ透過させ、その他の光を吸収するものであり、透光性基板上に偏光膜が貼付されて構成されている。
各光変調装置451は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、前述した制御ユニットからの駆動信号によって液晶の配向状態が制御されることで入射側偏光板452から射出された光の偏光方向を変調する。
各射出側偏光板453は、入射側偏光板452と略同様の機能を有し、光変調装置451にて変調された光のうち、一定の偏光方向を有する光を透過し、その他の光を吸収する。
【0022】
クロスダイクロイックプリズム454は、各射出側偏光板453から射出された各色光を合成してカラー画像を形成する。このクロスダイクロイックプリズム454は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これらの誘電体多層膜は、光変調装置451Gから射出され射出側偏光板453を介した色光を透過し、光変調装置451R,451Bから射出され射出側偏光板453を介した各色光を反射する。このようにして、各色光が合成されてカラー画像が形成される。そして、クロスダイクロイックプリズム454で形成されたカラー画像は、前述した投射レンズ3にて拡大投射される。
【0023】
〔光源装置の詳細構成〕
図2は、光源装置41を斜め前方側から見た分解斜視図である。図3は、光源装置41を斜め後方側から見た分解斜視図である。なお、図2、及び図3では、照明光軸A(図1参照)をZ軸とし、このZ軸に直交する2軸をそれぞれX軸、及びY軸として説明する。以下の図面についても同様である。
光源装置本体41Aは、前述した光源ランプ411、及びリフレクタ412の他、図2、及び図3に示すように、光源ランプ411における各リード線411Aと接続する略直方体状のコネクタ415を備える。
コネクタ415は、電力の供給を受けるためのものであり、光源装置41を光学部品用筐体46(図1参照)に取り付けることで光学部品用筐体46に設けられたコネクタ(図示略)と接続され、接続されることで前述した電源ユニットから光源ランプ411に電力が供給される。
【0024】
光源装置用筐体としてのランプハウジング414は、図2、及び図3に示すように、光源装置本体41Aによる光の射出方向B側(+Z軸方向側)に配設される第1ハウジング5と、射出方向Bとは反対側(−Z軸方向側)に配設される第2ハウジング6と、第1ハウジング5、及び第2ハウジング6の間に介在配置される付勢部材7とを備える。
第1筐体としての第1ハウジング5は、略角筒状に形成され、光源装置本体41Aの前方側(+Z軸方向側)を覆う部材である。この第1ハウジング5における前面(+Z軸方向側の面)には、図2に示すように、略円形状の開口部51が形成され、この開口部51には、平行化凹レンズ413が嵌め込まれて固定されている。
【0025】
また、第1ハウジング5における上面(+Y軸方向側の面)前方側には、上方側(+Y軸方向側)に向かって延出した後、前方側に向かって延出する2つの延出部52がX軸方向の両端にそれぞれ形成されている。そして、各延出部52の上面には、略中央部分に挿通孔(図示略)が形成され、光源装置本体41Aは、この挿通孔に挿通されたネジ53を光学部品用筐体46に設けられたネジ孔(図示略)に螺合させることで光学部品用筐体46に固定される。
さらに、第1ハウジング5における後方側(−Z軸方向側)の端部には、図3に示すように、略矩形枠状の開口部54が形成されている。この開口部54の四隅部分には、第2ハウジング6に固定される第1固定部541がそれぞれ設けられている。そして、各第1固定部541には、Z軸方向に沿ってネジ孔541Aがそれぞれ形成されている。
【0026】
第2筐体としての第2ハウジング6は、断面略コ字状に形成され、光源装置本体41Aの上方側、下方側(−Y軸方向側)、及び後方側を覆う部材である。この第2ハウジング6における前方側の端部には、図3に示すように、第1ハウジング5に固定される第2固定部61が各第1固定部541に対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、各第2固定部61には、各ネジ孔541Aに対応する位置に、孔61Aがそれぞれ形成されている。
【0027】
付勢部材7は、略矩形枠状に形成され、光源装置本体41Aを第1ハウジング5に対して付勢する部材である。この付勢部材7の四隅部分には、第1固定部541、及び第2固定部61にて挟持される被挟持部71がそれぞれ設けられている。そして、各被挟持部71には、各ネジ孔541A、及び孔61Aに対応する位置に、孔71Aがそれぞれ形成されている。
そして、第1ハウジング5、第2ハウジング6、及び付勢部材7は、4つのネジ419(図6参照)を各孔61A、及び各孔71Aを介して各ネジ孔541Aに螺合することで一体化される。
【0028】
〔光源装置本体、及びランプハウジングの位置決め構造〕
図4は、リフレクタ412を前方側から見た斜視図である。
リフレクタ412は、図4に示すように、略半球状に形成され、光源ランプ411から射出される光を反射することで一定の射出方向に揃える反射部416と、反射部416における前方側の端部に形成され、リフレクタ412から射出される光の光軸(Z軸)から外側に向かって張り出す略矩形枠状の張出部417と、Z軸に略直交する前面418Aを有し、反射部416と、張出部417の四隅部分との間を接続する接続部418とを備える。前面418Aはリフレクタ412における光軸方向の基準面である。
また、張出部417は、前面417Aと、前面417AからZ軸に沿って後方側にそれぞれ延出する内側面417B、及び外側面417Cとを有している。内側面417Bのうち、417Bx,417Byは、それぞれリフレクタ412におけるX方向、及びY方向の基準面である。
【0029】
図5は、第1ハウジング5を後方側から見た斜視図である。
第1ハウジング5は、図3、及び図5に示すように、リフレクタ412の張出部417に対向し、開口部54に沿って設けられる対向部55を備える。この対向部55の四隅部分には、断面略台形状の突出部551がそれぞれ設けられている。
各突出部551は、リフレクタ412側(−Z軸方向側)に突出した形状とされ、各突出部551の突出量は、張出部417の内側面417BにおけるZ軸方向の長さ以上に設定されている。また、各突出部551は、Z軸に略直交して形成される光軸方向基準面551Aを有し、図5中左側の2つの突出部551は、X軸に略直交して形成されるX軸方向基準面551Bをそれぞれ有し、図5中下側の2つの突出部551は、Y軸に略直交して形成されるY軸方向基準面551Cをそれぞれ有している。なお、各X軸方向基準面551B、及び各Y軸方向基準面551Cは、各光軸方向基準面551Aに略直交するとともに、互いに略直交している。
【0030】
図6は、第1ハウジング5、第2ハウジング6、及び付勢部材7を一体化させた状態を示す図である。ここで、図6(A)は、光源装置41を後方側から見た図であり、図6(B)は、図6(A)におけるT−Tでの縦断面図である。
各光軸方向基準面551Aは、図6に示すように、リフレクタ412における光軸方向の基準面である前面418Aに当接することで第1ハウジング5に対する光源装置本体41AのZ軸方向の位置決めがなされる。なお、各突出部551の突出量は、張出部417の内側面417B(図4参照)におけるZ軸方向の長さ以上に設定されているので、各光軸方向基準面551A、及び前面418Aが当接した状態において、第1ハウジングの対向部55と、リフレクタ412の張出部417とは互いに非接触となる。
【0031】
図7は、第1ハウジング5にリフレクタ412を当接させた状態を示す図である。なお、図7では、図5中左下側の突出部551の近傍部分を拡大して示し、他の突出部551の図示を省略している。
直交方向基準面としての各X軸方向基準面551B、及び各Y軸方向基準面551Cは、図7に示すように、リフレクタ412におけるX方向、及びY方向の基準面である417Bx,417Byに当接することで第1ハウジング5に対する光源装置本体41AのX軸、及びY軸の2軸方向の位置決めがなされる。
【0032】
図8は、付勢部材7を前方側から見た平面図である。図9は、付勢部材7を光源装置本体41Aに当接させた状態を斜め後方側から見た斜視図である。
付勢部材7は、前述した各被挟持部71の他、図2、及び図8に示すように、対向する2箇所の被挟持部71に形成される2つの光軸方向押圧部72と、光軸方向押圧部72が形成された各被挟持部71とは異なる被挟持部71に形成される直交方向押圧部73と、各被挟持部71の間に配置され、後方側に向かって延出する略矩形板状の4つの延出部74とを備える。
【0033】
各光軸方向押圧部72は、図2に示すように、前方側に向かって突出して形成される板バネ状の部分である。
直交方向押圧部73は、図2、及び図9に示すように、斜め後方側に向かって延出して形成される板バネ状の部分である。また、直交方向押圧部73は、図2、及び図8に示すように、付勢部材7の略中央に向かって延出して形成される。
そして、第1ハウジング5、第2ハウジング6、及び付勢部材7を一体化するに際しては、図6に示すように、第1ハウジング5の各光軸方向基準面551Aと、リフレクタ412における接続部418の前面418Aとを当接させるとともに、光源装置本体41Aの後方側から付勢部材7、及び第2ハウジング6を嵌合させた状態で一体化される。
【0034】
ここで、第1ハウジング5、第2ハウジング6、及び付勢部材7を一体化すると、図9に示すように、付勢部材7は、光源装置本体41Aに当接する。
具体的に、各光軸方向押圧部72は、それぞれ張出部417に後方側から当接する。この際、各光軸方向押圧部72は、前方側、すなわち各光軸方向基準面551A(図6参照)に向けて押圧する。
また、直交方向押圧部73は、反射部416に後方側から当接する。この際、直交方向押圧部73は、反射部416を押圧し、リフレクタ412を+X軸方向側、及び+Y軸方向側、すなわち、各X軸方向基準面551B、及び各Y軸方向基準面551C(図7参照)に向けて押圧する。
さらに、各被挟持部71は、Z軸方向において対向した状態で張出部417に当接し、延出部74は、X,Y軸方向において対向した状態で外側面417Cに当接する。すなわち、本実施形態では、当接部は、被挟持部71、及び延出部74で構成され、張出部417のほぼ全周にわたり当接している。
【0035】
以上のような本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)付勢部材7は、被挟持部71と、光軸方向押圧部72とを備えるので、光源装置41に衝撃が加わっても位置が移動したり、脱落したりすることがない。また、光源装置本体41Aは、光軸方向押圧部72にて付勢され、リフレクタ412における接続部418の前面418Aが各光軸方向基準面551Aに当接することでランプハウジング414に対してZ軸方向に位置決めされる。したがって、光源装置本体41Aをランプハウジング414に対して確実に位置決めすることができる。
【0036】
(2)光源装置本体41Aは、直交方向押圧部73にて付勢され、リフレクタ412における張出部417の内側面417Bが各X軸方向基準面551B、及び各Y軸方向基準面551Cに当接することでランプハウジング414に対してX軸方向、及びY軸方向に位置決めされる。すなわち、光源装置本体41Aは、ランプハウジング414に対してX,Y,Z軸の3軸方向に位置決めされる。したがって、光源装置本体41Aをランプハウジング414に対して更に確実に位置決めすることができる。
(3)リフレクタ412には、張出部417が形成され、付勢部材7は、この張出部417のほぼ全周にわたり当接する被挟持部71、及び延出部74を備えるので、リフレクタ412に割れが発生した場合であってもリフレクタ412の一部が脱落することがなく、光源装置41を好適に利用することができる。
【0037】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、付勢部材7は、各光軸方向押圧部72、及び直交方向押圧部73を備えていたが、光軸方向押圧部のみを備える構成としてもよい。しかしながら、光源装置本体は、光源装置用筐体に対してX,Y,Z軸の3軸方向に位置決めされることが望ましく、付勢部材は、光軸方向押圧部、及び直交方向押圧部を備える本発明の構成が好ましい。
前記実施形態では、付勢部材7において、光軸方向押圧部72、及び直交方向押圧部73は、板バネ状に形成されていたが、他の形状とされていてもよい。さらには、基板上にバネ部材を固定する等して付勢部材を構成してもよい。要するに、付勢部材は、第1筐体、及び第2筐体の間に介在配置され、光源装置本体を付勢する部材であればよい。
【0038】
前記実施形態では、直交方向押圧部73は、斜め後方側に向かって延出して形成され、押圧方向を調整することでリフレクタ412を各X軸方向基準面551B、及び各Y軸方向基準面551Cに向けて押圧していた。これに対して、例えば、各直交方向基準面に向けてそれぞれ押圧する2つの直交方向押圧部を備える構成としてもよい。要するに、直交方向押圧部は、リフレクタを各直交方向基準面に向けて押圧することができればよい。
前記実施形態では、付勢部材7は、Z軸方向において対向した状態で張出部417に当接する各被挟持部71と、X,Y軸方向において対向した状態で外側面417Cに当接する延出部74とを備え、各被挟持部71と、各延出部74とで当接部を構成していた。これに対して、例えば、付勢部材は、Z軸方向においてのみ対向した状態で張出部に当接する当接部を備えていてもよい。要するに、付勢部材は、張出部の全周にわたり当接する当接部を備えていればよい。なお、付勢部材は、当接部を備えていなくてもよい。
【0039】
前記実施形態では、プロジェクタ1は、3つの光変調装置451を備えていたが、光変調装置を2つ備えるプロジェクタや、光変調装置を4つ以上備えるプロジェクタとして構成してもよい。
前記実施形態では、光変調装置451は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入され、入射光を透過する構成を採用していたが、これに限らず、入射光を反射する構成の液晶パネル、あるいは、DMD(Digital Micromirror Device)(米国テキサスインスツルメント社の商標)等を採用してもよい。
前記実施形態では、光源装置41を備えるプロジェクタ1を例示したが、例えば、本発明の光源装置をリアプロジェクタ等の他の光学機器に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、光源装置に利用でき、特に、プロジェクタに用いられる光源装置に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】プロジェクタの概略構成を示す模式図。
【図2】光源装置を斜め前方側から見た分解斜視図。
【図3】光源装置を斜め後方側から見た分解斜視図。
【図4】リフレクタを前方側から見た斜視図。
【図5】第1ハウジングを後方側から見た斜視図。
【図6】第1ハウジング、第2ハウジング、及び付勢部材を一体化させた状態を示す図。
【図7】第1ハウジングにリフレクタを当接させた状態を示す図。
【図8】付勢部材を前方側から見た平面図。
【図9】付勢部材を光源装置本体に当接させた状態を斜め後方側から見た斜視図。
【符号の説明】
【0042】
1…プロジェクタ、3…投射レンズ(投射光学装置)、5…第1ハウジング(第1筐体)、6…第2ハウジング(第2筐体)、7…付勢部材、41…光源装置、41A…光源装置本体、551A…光軸方向基準面、551B…X軸方向基準面(直交方向基準面)、551C…Y軸方向基準面(直交方向基準面)、61…第2固定部、71…被挟持部、72…光軸方向押圧部、73…直交方向押圧部、74…延出部(当接部)、411…光源ランプ、412…リフレクタ、414…ランプハウジング(光源装置用筐体)、417…張出部、451…光変調装置、541…第1固定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源ランプ、及び前記光源ランプから射出される光を一定の射出方向に揃えるリフレクタを有する光源装置本体と、前記光源装置本体を収納する光源装置用筐体とを備える光源装置であって、
前記光源装置用筐体は、
前記射出方向側に配設される第1筐体と、
前記射出方向とは反対側に配設される第2筐体と、
前記第1筐体、及び前記第2筐体の間に介在配置され、前記光源装置本体を付勢する付勢部材とを備え、
前記第1筐体は、
前記リフレクタから射出される光の光軸に略直交し、前記リフレクタに当接することで前記光源装置用筐体に対する前記光源装置本体の前記光軸方向の位置決め基準とされる光軸方向基準面と、
前記第2筐体に固定される第1固定部とを備え、
前記第2筐体は、
前記第1固定部に固定されることで前記第1筐体、及び前記第2筐体を一体化する第2固定部を備え、
前記付勢部材は、
前記第1固定部、及び前記第2固定部にて挟持される被挟持部と、
前記リフレクタを前記光軸方向基準面に向けて押圧する光軸方向押圧部を備えることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光源装置において、
前記第1筐体は、
前記光軸方向基準面に略直交するとともに、互いに略直交し、前記リフレクタに当接することで前記光源装置用筐体に対する前記光源装置本体の前記光軸に直交する2軸方向の位置決め基準とされる2つの直交方向基準面を備え、
前記付勢部材は、
前記リフレクタを前記各直交方向基準面に向けて押圧する直交方向押圧部を備えることを特徴とする光源装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光源装置において、
前記リフレクタには、前記光軸から離間する外側に向かって張り出す枠状の張出部が形成され、
前記付勢部材は、前記張出部に応じた枠状に形成され、前記張出部のほぼ全周にわたり当接する当接部を備えることを特徴とする光源装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光源装置と、前記光源装置から射出された光を、入力される画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置と、前記光変調装置にて形成された画像光を拡大投射する投射光学装置とを備えることを特徴とするプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−211974(P2009−211974A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54503(P2008−54503)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】