説明

光燃料電池

【課題】 光燃料電池のアノードの光触媒活性を向上させ、燃料物質の酸化分解作用を促進させて光電流変換効率を改善させる光燃料電池を提供する。
【解決手段】 カソード16と、光触媒15を電極材14aに備えるアノード14とを液相燃料20中に配置し、アノード14に光照射し液相燃料20中の燃料物質20aを光触媒15の作用により酸化分解して生じる電流を利用する光燃料電池10であって、アノード14に、燃料物質20aを吸着する吸着材15bにより修飾された光触媒15を用いることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は光燃料電池に関し、より詳細には光燃料電池のアノードの電極材料を特徴とする光燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
光燃料電池は、アノードの電極材料として光触媒を使用し、液相燃料中にアノードとカソードを配し、アノードとカソードとを電気的に接続して構成される(引用文献1)。光燃料電池の電池作用は、アノードに光照射することにより光触媒の作用によって燃料物質が酸化分解され、その際に生じる電子を外部回路に取り出し、カソードで酸素を還元することによってなされる。
【0003】
光燃料電池は、燃料として、糖類、セルロース、たんぱく質といったバイオマスや、畜産系あるいは食品系廃棄物を使用できることから、資源の有効活用を図ることができるという優れた利点を有する。また、液相燃料は燃料物質を水等の液体に混合して使用すればよく、燃料を精製するといった必要がない。また、太陽光等の光を照射するのみで発電できることから、発電に要するエネルギーコストが抑えられるという利点がある。
【0004】
光燃料電池による発電はアノードに設ける光触媒によって燃料物質を酸化分解する作用によるから、光電流変換効率を向上させるには光触媒による酸化分解作用を効率的に行わせる必要がある。引用文献1には、アノードとして紫外域における多孔質電導体、表面に水の酸化触媒を修飾した電極、多孔質電導体として多孔質酸化チタンを使用する例が記載されている。引用文献2には、プロトン透過膜により区画したカソード側の電解槽にレドックスメディエータを含ませることにより、光燃料電池の発電効率を向上させる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2006−095916号公報
【特許文献2】特開2008−218080号公報
【特許文献3】特開2011−50863号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】H.Nishikiori,K.Isomura,Y.Uesugi,T.Fujii Applied CatalysisB:Enviromental 106(2011)250-254
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、燃料電池のアノードにおける光触媒の酸化分解作用を検証するため、グルコースをドープした酸化チタンを備える電極と、グルコースをドープしていない通常の酸化チタンを備える電極とを、燃料物質としてグルコースを加えた電解液中にそれぞれ浸漬してI-V特性を測定する実験を行った(非特許文献1)。この実験によれば、グルコースをドープした酸化チタンを備える電極では光照射による電流増加が明らかに見られたのに対し、通常の酸化チタンを備える電極では光照射による有意な電流増加が認められなかった。この実験結果は、電極(光触媒)表面におけるグルコース(燃料物質)の濃度が光触媒の触媒作用に基く光電流の増加に寄与することを示唆している。
【0008】
本発明は、これらの知見に基いて、光燃料電池のアノードの光触媒活性を向上させることにより燃料物質の酸化分解作用を促進させ、これによって光電流変換効率を改善した光燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願に係る光燃料電池は、カソードと、光触媒を電極に備えるアノードとを液相燃料中に配置し、アノードに光照射し前記液相燃料中の燃料物質を前記光触媒の作用により酸化分解して生じる電流を利用する光燃料電池であって、前記アノードに、前記燃料物質を吸着する吸着材により修飾された光触媒を用いることを特徴とする。
光燃料電池では、燃料物質を液体に混合(溶解)して液相で使用する。液相燃料とは、燃料物質を液相として使用することを意味する。液相燃料に使用される液体は水溶液に限らず、有機媒体であってもかまわない。燃料物質としては、糖類、セルロース、たんぱく質、リグニン等のバイオマスや、畜産分野、食品分野から排出される廃棄物の他に、グルコース、アミノ酸、有機酸、アルコール、油等の有機化合物、高分子化合物、窒素化合物が使用できる。
【0010】
アノードに使用する光触媒は、光触媒作用を奏する物質であればよく、とくに限定されるものではない。光触媒のうち酸化チタンは光触媒作用が強く、アノードに設ける光触媒として好適に使用することができる。なお、本発明においては、液相燃料に含まれる燃料物質を吸着する吸着材によって修飾した光触媒をアノードに使用する。吸着材により修飾した光触媒を使用する理由は、液相燃料中の燃料物質を吸着材に引き付け、光触媒に近接した位置に燃料物質をとどまらせて燃料物質に光触媒の酸化分解作用を集中して作用させ、燃料物質の酸化分解作用を促進させることにある。光触媒に吸着材を修飾させることにより、光触媒に燃料物質を接触させるようにすることができ、これによって光触媒の酸化分解作用が効果的に燃料物質に作用するようになる。吸着材に吸着された燃料物質は酸化分解されると二酸化炭素と水になって散逸する。こうして、吸着材は液相燃料中の燃料物質を次々と吸着し、光触媒による酸化分解作用が促進される。
【0011】
吸着材は液相燃料中の燃料物質を吸着する作用をなすものであればとくに物質が限定されるものではないが、粘土鉱物のアロフェンは、数nmといった微細な物質であり、多孔質状であることから吸着対象を問わず吸着性にすぐれ、無害であり、燃料物質の吸着材として好適に利用することができる。
光触媒を修飾する吸着材は、光触媒による酸化分解作用と光伝導作用を阻害しないように用いる必要がある。光燃料電池のアノードに使用する酸化チタンの結晶サイズは20nm〜50nm程度である。アロフェンは数nm程度の球状の物質であり、酸化チタンの1/10程度の大きさであるから、酸化チタンに修飾した場合も、酸化チタンに対する光照射を妨げることなく、酸化チタンの光触媒作用と光伝導作用を阻害せずに燃料物質を酸化分解することができる。このように、吸着材により光触媒を修飾する場合は、光触媒に対する光照射を妨げないように吸着材を設ける必要がある。吸着材はアノードの電極表面上において光触媒を被覆しないようにある程度間隔をあけて設ければよいから、酸化チタンと同程度のサイズの吸着材であっても、吸着材の添加量を調節する等により使用することが可能である。
【0012】
粘土鉱物のアロフェンを使用する理由は、吸着性にすぐれるとともに酸化チタンにくらべて微小な材料であることにある。したがって、酸化チタンよりも微小な、たとえばイモゴライト等の粘土鉱物を使用することができる。吸着材は光触媒とのかねあいで選択できるから、光触媒の種類や使用する燃料物質に合わせて適宜吸着材を使用することができる。吸着材としては、粘土鉱物の他にシリカゲル(微細化したもの)、活性炭、カーボンナノチューブ等が使用できる。吸着材により光触媒を修飾するという意味は、カーボンナノチューブを吸着材とする場合のように、光触媒と吸着材とを混合し、カーボンナノチューブを光触媒の外面から一部露出させて取り込むような場合を含む概念である。
【0013】
光触媒の光触媒作用が太陽光によって得られれば、光燃料電池としての利用価値が高くなる。このため、金属の不純物を光触媒にドープして紫外光よりも長波長の光(可視光)で光触媒作用を生じさせるといった試みがなされている。
上述したアノードに用いる光触媒には、このような不純物をドープして太陽光による光触媒作用を有する光触媒であってももちろん使用することができる。燃料物質を吸着する吸着材の作用は、このような光触媒を使用した場合も同様に作用する。
【0014】
また、光燃料電池に用いるアノードの製作方法としては、ゾルゲル法を利用してアノードの電極表面に吸着材により修飾された光触媒を被着する方法が利用できる。すなわち、光触媒材を含むゾルを調製し、このゾルに吸着材を加えて撹拌して吸着材が均一に混合された複合ゾルを調製した後、この複合ゾルを電極表面に付着させ、焼成することにより、吸着材により修飾された光触媒が電極表面に被着したアノードが得られる。
ゾルゲル法を利用してアノードを作製する方法は、吸着材により光触媒を修飾する操作が容易にできること、光触媒に添加する吸着材の分量が容易に調節できること、吸着材を備える光触媒を容易に電極表面に被着させることができる等の利点を有する。
【0015】
光燃料電池のアノードの電極として透明電極を使用し、透明電極の一方の面に前記吸着材により修飾された光触媒を設けることにより、効率的に光電流を増大させることができ光燃料電池の効率向上を図ることができる。透明電極を使用する場合は、光触媒を設けた面とは反対側の面から光を投射する。これにより、電極表面に接する光触媒(内面側に位置する)が励起され、電極に近接した位置において光触媒作用が生じることにより、電極を介して効率的に集電することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る光燃料電池によれば、アノードの電極として燃料物質を吸着する吸着材により修飾した光触媒を使用することにより、光触媒により燃料物質を効率的に酸化分解することができ、光燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】光燃料電池の構成を模式的に示す説明図である。
【図2】酸化チタンをアロフェン粒子により修飾した光触媒の構成を示す説明図である。
【図3】アロフェンにより修飾した酸化チタンを被着した電極と、酸化チタンのみを被着した電極を使用した場合の、紫外線照射によるI-V特性を測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(光燃料電池の構成)
図1は、本発明に係る光燃料電池の構成を模式的に示したものである。
光燃料電池10は、液相燃料20を収容する電解槽12と、電解槽12内に配置したアノード14と、電解槽12内においてアノード14と対置したカソード16と、アノード14とカソード16とを電気的に接続する外部回路18とを備える。
【0019】
本実施形態の光燃料電池10において特徴的な構成はアノード14の構成である。光燃料電池ではアノードの電極表面に光触媒を被着させ、光触媒に光を照射して電池作用を発揮させるようにする。本実施形態においては、アノード14を構成する導電性を有する透明電極14aの表面に、吸着材により修飾した光触媒15を被着させる。光触媒15としては、例として酸化チタンにアロフェンを修飾したものを使用する。アロフェンにより修飾した酸化チタンは、後述するように、たとえばゾルゲル法によって得られる。
【0020】
図1においては、透明電極14aの表面に球状の光触媒15がポーラス状に積み重なるように被着した状態を示す。光触媒15は数十nm程度の大きさ(ナノサイズ)であり、巨視的にはアノード14の表面に薄い層として(厚さ数百nm〜数μm)形成される。図1では、光触媒15を構成する酸化チタン15aを球により示し、酸化チタン15aの表面を修飾するアロフェン粒子15bを点によって示した。
【0021】
図2は、酸化チタン15aの表面をアロフェン粒子15bにより修飾した光触媒15を模式的に示したものである。酸化チタン15aはアロフェン粒子15bと比較して10倍程度も大きいから、複数個の酸化チタン15aに対してアロフェン粒子15が1個付着する程度とすれば、酸化チタン15aには部分的に(とびとびに)アロフェン粒子15bが付着する。酸化チタン15aの表面が部分的にアロフェン粒子15bによって修飾された状態で光触媒15に光照射すれば、酸化チタン15aに確実に光が照射され、酸化チタン15aによる光触媒作用を的確に作用させることができる。
【0022】
本実施形態においては、酸化チタン15aとアロフェン粒子15bとをあわせて光触媒15と称し、透明電極14aと光触媒15とをあわせてアノード14と称する。アノード14の電極に透明電極14aを使用すれば透明電極14aを透過して光触媒15に光を照射し、光触媒15の触媒作用を発現させることができる。酸化チタン15aとアロフェン粒子15bを複合した光触媒15が透明電極14a上にポーラス状に被着するから、燃料は内側の光触媒15にまで進入して光触媒15と接触し、光触媒15による効果的な酸化分解作用がなされる。
【0023】
前述したように、光触媒15は酸化チタンをアロフェンにより複合した材料に限定されるものではない。光触媒としては酸化チタン以外の光触媒作用を有するものが使用でき、不純物をドープして太陽光による光触媒作用を奏する光触媒材料を使用することもできる。アロフェンは液相燃料20に含まれる燃料物質20aを吸着するものであれば、適宜吸着材を使用することができる。この吸着材は、光触媒の光触媒作用を阻害しないように、光触媒を部分的に修飾する(付着する)ようにして使用することが好ましい。
【0024】
(光燃料電池の作用)
光燃料電池10のアノード14に光照射すると、アノード14の表面に被着した光触媒15の光触媒作用(電荷分離)により、液相燃料20に含まれている燃料物質20aが酸化分解され、その際に生じた電子がアノード14に取り込まれる。アノード14に取り込まれた電子はカソード16に流れ、酸素を還元して水にする。こうして、アノード14の表面における光触媒作用によって燃料物質20を酸化分解する作用により発電される。
【0025】
本実施形態においては、アノード14に設けた光触媒15が燃料物質20aを吸着する吸着材(アロフェン粒子15b)によって修飾されているから、アノード14に液相燃料20が接触すると液相燃料20に含まれる燃料物質20aがアロフェン粒子15bに吸着される。光触媒15に光が照射されることにより、アロフェン粒子15bに吸着された燃料物質20aは光触媒(酸化チタン15a)による酸化分解作用を直接的に受けて分解する。アロフェン粒子15bは燃料物質20aを引き付けて、酸化チタン15aの光触媒作用を効果的に発揮させる。
【0026】
なお、本実施形態の光燃料電池ではアノードとして透明電極14aを使用し、アノード14の光触媒15が被着していない面(外面)から光を投射して、アノード14の表面に近い側から光触媒15を励起して光電流を発生させている。この方法によれば電極に近い位置で光触媒15を励起することにより、効率的に光電流を発生させることができる。なお、アノードには透明電極に限らず適宜導電材料を使用することが可能である。図1に示す光燃料電池10では、透明電極14aの外面側から光を照射するため透明電極14の一方の面に光触媒15を被着したが、電極の両面に光触媒を被着してアノードとすることもできる。
【0027】
(アロフェン−酸化チタン複合光触媒の作用)
アロフェンにより修飾した酸化チタンの光触媒作用を検証するため、透明ガラス電極の表面にアロフェン−酸化チタン複合光触媒を被着した電極と、比較例として透明ガラス電極に酸化チタンのみを被着した電極を作製し、燃料物質を加えた電解液に電極を浸漬し、紫外線を照射してI-V特性を測定した。
【0028】
アロフェン−酸化チタン複合光触媒を被着した電極は、以下のように、ゾルゲル法によって作製した。
まず、チタンアルコキシド、硝酸、純粋、エタノールを混合してチタニアのゾル溶液を調製する。実施例では、チタンアルコキシドとしてチタンテトライソプロポキシドを使用し、チタンテトライソプロポキシドの水溶液にエタノールを加え、酸触媒として硝酸を加えてチタンゾル溶液を調製した。
次いで、このチタンゾル溶液に、チタンに対してアロフェンを0.1mol%加え、アロフェンが均一に分散するように超音波振動を加えながら攪拌して、チタン−アロフェンゾル溶液を調製した(複合ゾルの調製工程)。
【0029】
次に、透明ガラス電極を、チタンゾル溶液に3回、ディップコーティングし、500℃で30分焼成した。この操作により、透明ガラス電極の表面にポーラス状に酸化チタンが被着形成された。
次いで、酸化チタンを被着形成した電極を、チタン−アロフェンゾル溶液に3回、ディップコーティングし、500℃で30分焼成して、アロフェン−酸化チタン複合光触媒が被着した電極を作製した。
比較例の電極は、チタンゾル溶液に3回、ディップコーティングし、500℃で30分焼成して酸化チタンを被着形成した電極を、さらにチタンゾル溶液に3回、ディップコーティングし、500℃で30分焼成して作製した。
【0030】
図3は、アロフェン−酸化チタン複合光触媒を被着した電極と、酸化チタンのみを被着した電極を、0.2MのNaOH水溶液に0.28Mのグルコースを加えた電解液に浸漬し、紫外線(波長300〜350nm)を照射して測定したI-V特性を示す。図3中で、アロフェン有とあるのは、アロフェン−酸化チタン複合光触媒を被着した電極(実施例)を使用した場合であり、アロフェン無とあるのは、酸化チタンのみを被着した電極(比較例)を使用した場合である。なお、グルコース無とあるのは、グルコースを加えないNaOH水溶液のみを電解液とした場合の測定結果を示す。
【0031】
グルコースを加えた電解液は、光燃料電池に用いる液相燃料の燃料物質としてグルコースを使用した場合に相当する。図3に示すように、アロフェン−酸化チタン複合光触媒を電極として使用した場合は、酸化チタンのみを被着した電極と比較して短絡電流が20%程度改善され、最大出力についても大きく上回っていることがわかる。すなわち、アロフェン−酸化チタン複合光触媒を使用することにより、燃料物質であるグルコースがアロフェンに吸着され、酸化チタンの光触媒作用が効率的にグルコースに作用してグルコースが酸化分解され、発電効率を向上させたものと考えられる。
【0032】
グルコースを加えていない電解液の場合も、紫外線照射による光触媒の作用により水が分解されて電流が生じている。しかしながら、グルコースを加えた場合と比較して発電効率ははるかに劣る。この結果は、燃料物質を加えて光触媒による燃料物質を酸化分解させる作用を生じさせることによって発電効率が効果的に向上することを示す。
また、グルコースを加えていない電解液の場合、アロフェン−酸化チタン複合光触媒を電極とすると酸化チタンを単独で使用する電極と比較して、逆に短絡電流値が下がり、出力が劣っている。燃料物質を含まない電解液の場合は、アロフェンが酸化チタンに付着することで、酸化チタンに光が照射されることをアロフェンが妨げ、結果として酸化チタンの光触媒作用を阻害するように作用したものと考えられる。
【0033】
上述した実験結果は、光燃料電池のアノードに設ける光触媒として、液相燃料に含まれる燃料物質を吸着する吸着材により修飾した光触媒を使用することが発電効率を向上させる上で有効であることを示している。また、光触媒に吸着材を修飾する際には、光触媒の光触媒作用を損なわない程度に吸着材の修飾量を調節することが重要であることを示している。液相燃料に含まれる燃料物質にはきわめて多種類のものが想定され、光触媒の材料や吸着材の材料にも種々のものが適用可能である。したがって、これら材料の組み合わせや処理方法によって、光燃料電池の発電効率をさらに向上させることが可能と考えられる。
【符号の説明】
【0034】
10 光燃料電池
12 電解槽
14 アノード
14a 透明電極
15 光触媒
15a 酸化チタン
15b 吸着材
16 カソード
18 外部回路
20 液相燃料
20a 燃料物質


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソードと、光触媒を電極に備えるアノードとを液相燃料中に配置し、アノードに光照射し前記液相燃料中の燃料物質を前記光触媒の作用により酸化分解して生じる電流を利用する光燃料電池であって、
前記アノードに、前記燃料物質を吸着する吸着材により修飾された光触媒を用いることを特徴とする光燃料電池。
【請求項2】
前記光触媒として酸化チタンを用いることを特徴とする請求項1記載の光燃料電池。
【請求項3】
前記吸着材として粘土鉱物であるアロフェンを使用することを特徴とする請求項1または2記載の光燃料電池。
【請求項4】
前記アノードの電極として透明電極を使用し、該透明電極の一方の面に前記吸着材により修飾された光触媒を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の光燃料電池。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−98075(P2013−98075A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241107(P2011−241107)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(504180239)国立大学法人信州大学 (759)
【Fターム(参考)】