説明

光通信システム及び光通信方法

【課題】波長又は方路のグループ割り振りの変更に伴う通信断を考慮し、公平な帯域割当を実現できる光通信システム及び光通信方法を提供することを目的とする。
【解決手段】光通信システム301は、制御機が、通信断中の第1送受信機、通信断前の所定の期間に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用をした第1送受信機、或いは通信断中に通信断が無かった場合に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用が予想される第1送受信機について、少なくとも通信断前に過剰に割り当てたデータ量である過剰割当データ量が所定の範囲になるまでは過剰割当データ量の減衰を抑制し、目標データ量から過剰割当データ量を減じた理想割当データ量が負である送受信機への帯域割当を不実施とする、あるいは通信中の送受信機の内で理想割当データ量が大きい又は過剰割当データ量が小さい送受信機から優先的に帯域割当を実施することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信機を複数のグループに収容し、動的帯域割当方式を適用する光通信システム及び光通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットやイントラネットの急成長を背景に,大容量通信の需要が高まっており,高速光通信システムの普及が急ピッチで進んでいる中、経済的な高速光アクセスネットワークを実現するためのシステムとして、PON(Passive Optical Network)が知られている。また、PONに用いる受動素子(光スプリッタ等)の代わりに、光スイッチを備える光アクセスネットワークも多くの提案がなされている(例えば、非特許文献3を参照。)。
【0003】
高速光アクセスネットワークで従来用いられている安価なSiGe−BiCMOSプロセスを利用して強度変調−直接検波で時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)技術を上述の光アクセスネットワークに適用することを想定すると、電子デバイスの制約により10Gbit/sが上限と考えられている。
【0004】
そこで、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)や芯線多重を適用することで更なる高速化/広帯域化を実現する提案もなされている。しかし、ユーザ毎に異なる波長を用いるWDMを適用すると、局側装置であるOLT(Optical Line Terminal)には加入者側装置であるONU(Optical Network Unit)の数に応じた光送受信機が必要となる。これは既存のONUやOLTの更改を要し、コスト上昇という課題が発生する。また、芯線多重も、方路である芯線分だけ光送光受信機と方路が必要になるため、コスト上昇という課題が発生する。
【0005】
この課題に対して、ONU毎に異なる波長を用いる代わりに、ONUを複数のグループにグルーピングし、グループ間でWDMとグループ内でTDMを適用するWDM/TDM−PON(例えば、非特許文献1を参照。)がある。これは、波長を複数のONUで共用することで、総帯域拡張に伴うコスト上昇を抑えている。
【0006】
総帯域拡張のために新規の芯線と送受信機を備える代わりに、冗長構成のための予備芯線を現用芯線として利用する方式(例えば、非特許文献2を参照。)がある。この方式は、冗長芯線を活用することで、総帯域拡張に伴う芯線と送受信器追加によるコスト上昇という課題を解決している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4142045号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「総帯域拡張型WDM/TDM−PONと動的波長帯域割当の一提案」、吉野學、原一貴、中村浩崇、木村俊二、吉本直人、雲崎清美、2009年電子情報通信学会総合大会、通信講演論文集2、p.426、B−10−107
【非特許文献2】「ATM−PONのプロテクション方式及び動的帯域割当との連携動作の検討」、吉田俊和、向井宏明、岩崎充佳、浅芝慶弘、一番ケ瀬広、横谷哲也、2001年5月通信方式研究会電子情報通信学会技術研究報告vol.101(53):CS2001−21,pp.25−30
【非特許文献3】「光パケットスイッチを適用したアクセスネットワークにおける効率的なディスカバリ方法の提案」、上田裕巳、坪井利憲、河西宏之、2009年4月通信方式研究会電子情報通信学会技術研究報告Vol.109(4):CS2009−12,pp.69−74
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ONUを複数波長又は方路又はその組合せで識別されるグループに振り分けて収容する場合、帯域の利用効率や公平性の観点から、振り分けを変更する必要がある。
【0010】
各グループ内における帯域の割当方法として、例えば、特許文献1に示される方法がある。この方法では、ONU単位で周期毎に、例えば、ONU間に分配可能な全体の帯域を比例配分することにより目標データ量を算出し、過剰割当データ量を前周期までの各周期の割当データ量と目標データ量の差分の累積値により算出し、過剰割当データ量、帯域要求データ量に基づいて次周期の帯域割当を決定している。この方法では、目標データ量よりも帯域要求データ量が少なく、実際の送信データ量が目標データ量を下回り続けた場合に、周期毎に過剰割当データ量は減少し続け、負に発散してしまうことを防ぐために、過剰割当データ量を指数平滑移動平均する。具体的には、ONU単位で周期毎に1周期の割当データ量(allocatedj,k、j:ONU番号、k:周期)の目標となる、目標データ量(targetj,k)を帯域要求があるONUの保証帯域の総和に対する当該ONUの保証帯域に割当に使用可能な帯域を乗じて算出し、指数平滑移動平均(Exponentially Smoothed Moving Average、ESMA)の時定数をτとし、α=(τ−1)/(τ+1)又はOLTが送信許可を送出してから過剰割当データ量の補正を実際に反映させるまでの周期の数だけ(τ−1)/(τ+1)を乗じた値とし、
1周期あたりの過剰割当データ量(excessj,k)をexcessj,k=α・excessj,k−1+(1−α)・(allocatedj,k−targetj,k)により、理想割当データ量(idealj,k)をidealj,k=targetj,k−(α/(1−α))・excessj,k−1により算出し、
又は過剰割当データ量(excessj,k)をexcessj,k=α・(allocatedj,k−idealj,k)により、理想割当データ量(idealj,k)をidealj,k=targetj,k−excessj,k−1により算出し、
idealj,k<0ならば帯域割当を許可しないことで公平な帯域割当を実現している。
【0011】
この方法では、ONU毎の帯域割当に関する重みに応じた目標データ量での1回の割当データ量が概ね過剰割当データ量を超過した場合に帯域割当を抑制することで、割当データ量の指数平滑移動平均値の比がONU毎の重みに応じた比に漸近するようにしている。
【0012】
しかし、この方法は、割り振り変更に伴う通信断は考慮していない。このため、割り振り変更に伴う通信断における割当帯域の不足を補填するどころか更に通信再開後に割当帯域が過剰に減少することがある。本来は、要求があるのに割当がされない場合、過剰割当データ量は負の値として積算されるべきである。従って、通信断前の過剰割当データ量が正の値であった場合、通信断中の割当周期の回数に目標割当データ量を乗じたデータ量が概ね減ぜられるべきである。しかし、この方法では、割り振り変更に伴い通信断が発生すると、帯域要求ができないので割当帯域が零となり、通信断のONUからの要求帯域がOLTに伝わらなくなる。このため、通信断中の割当周期において目標データ量が零となり、過剰割当データ量は通信断中の割当周期の回数だけαが乗ずる形にしかならない。具体的には、過剰割当データ量が通信断前に正であったONUは、通信再開後に、通信断中の割当周期の回数だけαを乗じた過剰割当データ量分の割当が削減される。過剰割当データ量が通信断前に負であったONUは、通信再開後に、通信断中の割当周期の回数だけαを乗じた比で割り引かれたデータ量しか割当てられない。
【0013】
図6は、OLTに4つのONUを収容する光通信システムにおける割当データ量、過剰割当データ量及び理想割当データ量を説明する図である。各列とも1行目が割当データ量、2行目が過剰割当データ量、3列目が理想割当データ量である。A列は、従来の光通信システムで通信断がない場合の各データ量を示している。B列は、従来の光通信システムで通信断がある場合の各データ量を示している。C列は、後述する本発明に係る光通信システムで通信断がある場合の各データ量を示している。図6は、4周期で目標割当データ量に到達し、過剰割当データ量が零のときに、8周期通信断となる例である。図6のB列が示すように、通信断分の割当が不足している。
【0014】
すなわち、特許文献1に示される方法では、波長又は方路のグループ割り振りの変更に伴う通信断を考慮していないため、通信断による直接的な割当帯域が減少するだけでなく、そのONUへの負の過剰割当データ量分として通信回復後に補填されるべきである割当量も減少し、ユーザに割り当てられる帯域(割当帯域)の不公平が拡大するという課題がある。
【0015】
この不公平性の課題はグループに収容替えをする場合以外にも、通信断が発生する場合全般に存在する。例えば、OLTのパッケージ入れ替えや、ONUの信号光を集約したファイバの強制切り替えに伴いONUを再起動する場合である。この場合、ONU毎に起動するまでの時間が異なるため、ONUへの割当帯域は再起動までの待ち時間の長さに応じて減少することになる。また、省電力等のためにONUがスリープを行う場合も同様である。この場合は、ONU毎にスリープ時間が異なり、特にスリープ機能を有するONUと有さないONUの間で割当帯域が不公平となる。スリープの場合、再起動する場合と比べて頻繁に発生するので割当帯域のONU間差が大きくなる。
【0016】
そこで、本発明は、波長又は方路のグループ割り振りの変更やONUの支障移転時の再起動やスリープ等に伴う通信断を考慮し、公平な帯域割当を実現できる光通信システム及び光通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明に係る光通信システム及び光通信方法は、グループ割り振りの変更等に伴う通信断で帯域要求がOLTに伝わらないONUの過剰割当データ量を補正することとした。
【0018】
本発明に係る光通信システムは、1又は複数のグループに割り振られる複数の第1送受信機と、前記第1送受信機と信号光をグループ毎に送受する第2送受信機と、前記第1送受信機が周期毎に送信可能なデータ量である割当データ量の目標となる、目標データ量を前記第1送受信機毎に決定し、前記目標データ量に基づいて前記第1送受信機に帯域割当を行う制御機と、を備えており、前記制御機は、通信断中の前記第1送受信機、通信断前の所定の期間に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用をした前記第1送受信機、或いは通信断中に通信断が無かった場合に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用が予想される前記第1送受信機について、少なくとも通信断前に過剰に割り当てたデータ量である過剰割当データ量が所定の範囲になるまでは過剰割当データ量の減衰を抑制し、前記目標データ量から前記過剰割当データ量を減じた理想割当データ量が負である前記送受信機への帯域割当を不実施とする、あるいは通信中の前記送受信機の内で前記理想割当データ量が大きい又は前記過剰割当データ量が小さい前記送受信機から優先的に帯域割当を実施することを特徴とする。
【0019】
本発明に係る光通信方法は、1又は複数のグループに割り振られる複数の第1送受信機と信号光を複数の第2送受信機で前記グループ毎に送受信する光通信方法であって、前記第1送受信機が周期毎に送信可能なデータ量である割当データ量の目標となる、目標データ量を前記第1送受信機毎に決定し、前記目標データ量に基づいて前記第1送受信機に帯域割当を行っており、通信断中の前記第1送受信機、通信断前の所定の期間に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用をした前記第1送受信機、或いは通信断中に通信断が無かった場合に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用が予想される前記第1送受信機について、少なくとも通信断前に過剰に割り当てたデータ量である過剰割当データ量が所定の範囲になるまでは過剰割当データ量の減衰を抑制し、前記目標データ量から前記過剰割当データ量を減じた理想割当データ量が負である前記送受信機への帯域割当を不実施とする、あるいは通信中の前記送受信機の内で前記理想割当データ量が大きい又は前記過剰割当データ量が小さい前記送受信機から優先的に帯域割当を実施することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る光通信システム及び光通信方法は、通信断がなかった場合に通信断の最中に帯域要求がありそうなONUについて過剰割当データ量の減衰を抑制する。通信断がなかった場合に通信断の最中に帯域要求がありそうなONUとは、現在要求分の割当が未了のONU、丁度割当が終わっているが直前まで割当があったONU、及び通信断の間に割当がありそうなONU(例えば、PONの帯域に比べて帯域要求が少なく、数〜数10周期に1回割当要求するような場合)である。また、過剰割当データ量の減衰を抑制する手段としては、当該ONUの目標データ量を、少なくとも過剰割当データ量が零になるまでは正の値とすることが挙げられる。本発明は、通信断に伴う目標データ量を零とはしないため、通信断のために割当てられなかった割当帯域分で正の過剰割当データ量を清算でき、通信再開後に通信断前の過剰割当データ量分だけ割当データ量が減らされるといった割当帯域の過剰な減少を軽減することができる。すなわち、図6のC列が示すように、通信断のときも過剰割当データ量を積上げるので通信断分の帯域割当が不足しない。
【0021】
従って、本発明は、波長又は方路のグループ割り振りの変更等に伴う通信断を考慮し、公平な帯域割当を実現できる光通信システム及び光通信方法を提供することができる。
【0022】
具体的には、本発明に係る光通信システム及び光通信方法は、前記過剰割当データ量及び、理想割当データ量の算出を数式1又は数式2で行うことを特徴とする。
(数式1)
excessj,k=α・excessj,k−1+(1−α)・(allocatedj,k−targetj,k)、
idealj,k=targetj,k−(α/(1−α))・excessj,k−1
(数式2)
excessj,k=α・(allocatedj,k−idealj,k)、
idealj,k=targetj,k−excessj,k−1
但し、jは送受信機番号、kは周期、allocatedj,kは前記割当データ量であり、targetj,kは前記目標データ量、係数αは(τ−1)/(τ+1)の値、又は前記送受信機に送信許可を送出してから過剰割当データ量の補正を反映させるまでの周期の数だけ(τ−1)/(τ+1)を乗じた値であり、τは指数平滑移動平均の時定数である。
【0023】
本発明に係る光通信システム及び光通信方法において、前記グループを変更中である、通信断中の前記第1送受信機、通信断前の所定の期間に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用をした前記第1送受信機、或いは通信断中に通信断が無かった場合に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用が予想される前記第1送受信機について、変更前あるいは変更後の前記グループに所属中の前記第1送受信機として、前記目標データ量を、1周期に割当可能な全データ量を当該周期で帯域要求の有る前記第1送受信機の帯域割当の重みの比の総和に対する重みの比、あるいは該総和に前記グループを変更中である前記第1送受信機の重みの比を加えた値に対する該第1送受信機の重みの比で比例配分した値とすることを特徴とする。切り替え中の通信断による割当不足をより適正に補填し公平な帯域割当を提供することができる。
【0024】
本発明に係る光通信システム及び光通信方法において、前記グループは、波長、方路、又は波長と方路の組合せで識別されるグループであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、波長又は方路のグループ割り振りの変更等に伴う通信断を考慮し、公平な帯域割当を実現できる光通信システム及び光通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る光通信システムを説明するブロック図である。
【図2】本発明に係る光通信システムを説明するブロック図である。
【図3】本発明に係る光通信システムを説明するブロック図である。
【図4】本発明に係る光通信システムを説明するブロック図である。
【図5】本発明に係る光通信方法を説明するフローチャートである。
【図6】OLTに4つのONUを収容する光通信システムにおける割当データ量、過剰割当データ量及び理想割当データ量を説明する図である。
【図7】本発明に係る光通信システムの効果を説明する図である。横軸は通信中であるONU数、縦軸は理想的な割当帯域に対する割当帯域の最悪値の比である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0028】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の光通信システム301を説明する概念図である。図1の光通信システム301はONU側に波長の可変機能を付与した例である。光通信システム301は、複数のONU100と、光伝送路50と、ONU100との間で信号光を送受するOLT200と、ONU100の送信機17又は受信機16の波長を割振る制御装置(不図示)を備える。対向して信号光を送受するOLT200内の送受信機毎に、ONU100はグループ化されている。
【0029】
ONU100は、光伝送路50でOLT200と接続され、OLT200との間で信号光を送受する送受信機と、を有する。図1及び以降の図では、送受信機を送信機17及び受信機16で示している。送信機17は、送信波長として選択可能な波長のうちの1波長の信号光を送信する。ここで、選択可能な波長のうちの1波長とは、例えば、同一の波長グリッドを透過する波長である。波長グリッドは、規格毎に波長幅が異なる。例えば、CWDMは20nm間隔で、あるDWDMは100GHz間隔(1550nm帯で0.8nm相当)である。従って、CWDMの1波長には複数のDWDMの波長が含まれる。選択可能な波長のうちの1波長にはCWDMの波長グリッドに従うものであれば、DWDMの異なる波長が含まれる。
【0030】
さらに、ONU100は、光合分波器15と、フィルタ18を有する。光合分波器15は、光伝送路50からの下り信号光を受信機16に結合し、送信機17からの上り信号光を光伝送路50に結合する。フィルタ18は、受信波長として選択可能な波長のうちの1波長の信号光を選択して透過させる。そして、フィルタ18は、透過させる信号光の波長を調整することができる。このため、ONU100は、受信波長として選択可能な波長から所定の波長の信号を選択して受信できる。
【0031】
なお、送信機の波長可変性とフィルタの波長可変性の代わりに複数の送信機と受信機を波長に備え、いずれかの送信機といずれかの受信機を使用することとしてもよい。このことは本実施形態の他の光通信システムの構成でも同様である。
【0032】
OLT200は、光伝送路50からの光を波長で分波する光合分波器25と、光合分波器25からの信号光をそれぞれ受光する複数の受信機26と、それぞれ異なる波長の信号光を送信する複数の送信機27を有する。光合分波器25は、例えば、波長フィルタであり、送信機27からの信号光を光伝送路50へ出力し、光伝送路50からの信号光を受信機26に結合する。受信機26は、例えば、フォトダイオードである。
【0033】
光伝送路50は、送信機17からの信号光を合波して受信機26に結合し、送信機27からの信号光を分岐して受信機16に結合する。
【0034】
ここで、OLT200は、光合分波器25で分波して波長毎に受信機26で受信するため、異なる波長として分波される信号光をそれぞれ異なる受信機26にて同時に受信するが、同一波長として分波される異なる送信機17からの信号光を同一の受信機26にて同時に受信しない。なお、信号光が2値の強度信号の場合も、送信機毎に受信機26に到着する強度が異なり、複数信号光の重なった入力を異なる値の多値信号として受信できる場合は同時に受信しても良い。
【0035】
このため、光通信システム301は、同一波長として受信する異なる送信機17からの信号光が同時に受信機26に到着しないように、送信機17に対して波長を切り替える、あるいは送信可能時間を指定する。上述のように光通信システム301は、制御機が送信機17に対して信号光を送出できる波長と時間として帯域を割り当て、送信機からの信号光を波長分割多重且つ時分割多重する。
【0036】
図2は、実施形態1の光通信システム302を説明する概念図である。図2の光通信システム302はOLT側に波長の可変機能を付与した例である。光通信システム302は、複数のONU100と、光伝送路50と、ONU100との間で信号光を送受するOLT200と、OLT200の送信機27からの信号光の波長を割り振ることでONU100の受信機16に信号光を、OLT200の受信機26への波長を割り振ることでONU100の送信機17からの信号光を受信機26に割り振る制御装置(不図示)を備える。対向して信号光を送受するOLT200内の送信機27毎及び受信機26毎に、ONU100はグループ化されている。
【0037】
ONU100は、光伝送路50でOLT200と接続され、OLT200との間で信号光を送受する送受信機と、を有する。送信機17は、選択可能な波長のうちの1波長を予め設定され、その波長の信号光を出力する。
【0038】
さらに、ONU100は、光合分波器15と、フィルタ18を有する。光合分波器15は、光伝送路50からの下り信号光を受信機16に結合し、送信機17からの上り信号光を光伝送路50に結合する。フィルタ18は、受信波長として選択可能な波長のうちの1波長のうちの予め設定された信号光を選択して透過させる。そして、フィルタ18は、透過させる信号光の波長を調整することができる。このため、ONU100は、受信波長として選択可能な波長から所定の波長の信号を選択して受信できる。
【0039】
なお、フィルタ18はONU100が有するとしたが、同等の機能が光伝送路50中、例えばスプリッタ55に備えている場合はONU100が備えなくてもよい。例えば、スプリッタ55がフィルタ18で選択する波長をONU100に接続するAWG等の光合分波器である場合である。また、送信機17も、その送信した信号光が光伝送路50中で波長選択性のある光合分波器等により選択されるのであれば、選択可能な波長のうちの予め設定された1波長の信号光を出力する代りに選択可能な複数の波長を含む広帯域な光を送出する光源であってもよい。
【0040】
OLT200は、光伝送路50からの光を合分岐する光合分岐器25’と、光合分岐器25’からの信号光を制御機が指定した選択可能な波長を選択するフィルタ18を介してそれぞれ受光する複数の受信機26と、制御機が指定した選択可能な波長の信号光をそれぞれ送信する複数の送信機27を有する。光合分波器25’は、例えば、パワースプリッタであり、送信機27からの同一のあるいは異なる波長として分波される信号光を光伝送路50へ出力し、光伝送路50からの送信機17からの同一のあるいは異なる波長として分波される信号光を、フィルタ18に出力し、フィルタ18を介して受信機26に結合する。受信機26は、例えば、フォトダイオードである。
【0041】
光伝送路50は、送信機17からの信号光を合波して受信機26に結合し、送信機27からの信号光を分岐して受信機16に結合する。ここで、OLT200の送信機27は複数のONU100の受信機16へ信号光を送信するが、OLT−ONU間の利用効率向上の観点からそれぞれ同時に同一のONU100と通信しない。
【0042】
そこで、制御機は同一波長として受信する信号光が同時に受信機16に到着しないように、送信機27に対して波長を切り替えるあるいは送信可能時間を指定する。なお、利用効率は低下するが、冗長化を目的として複数の送信機27からの信号光が、受信機16において同一の情報が位相を揃えて到着する場合は、複数の送信機27から同一波長として受信する信号光が同時に同一の受信機16に到着してもよい。また制御機は複数の送信機17からの信号光が同時に受信機26に到着しないように、送信機17に対して送信可能時間を指定する。なお、利用効率は低下するが、冗長化を目的として複数の受信機26が、単一の送信機17からの信号光を同時に受信しても良い。上述のように光通信システム302は、制御機が送受信機(26、27)に対して信号光を送出する波長と時間としてそれぞれのONU100に帯域を割り当て、送信機17からの信号光を波長分割多重且つ時分割多重する。
【0043】
図1の光通信システム301と図2の光通信システム302を組み合わせた光通信システムの構成としてもよい。この光通信システムの構成は、波長の可変性をONUとOLTの両方で有している構成である。このため、波長の可変性の制限等の関係から波長の可変範囲や同一波長として分波する波長の範囲に違いがあるとしても、ONUの構成は光通信システム301の構成と同様であり、OLTの構成は光通信システム302の構成と同様である。ONUと対向して信号光を送受するOLT内の送受信機毎に、ONUはグループ化されている。その他は光通信システム301及び光通信システム302の構成と同様である。
【0044】
図5は光通信システム301が行う帯域割当について説明するフローチャートである。制御機は、特許文献1に記載される帯域割当と同様の帯域割当を行うが、通信断に伴い、帯域要求がOLTに伝わらないONUの過剰割当データ量の減衰を抑制するように過剰割当データ量を補正する点で異なる。具体的には、制御機は、過剰割当データ量の補正のため、通信断の際の目標データ量を変更する。なお、例えば、本願実施形態4のように通信断の前後でグループが同一であってもよい。更に、通信断の前から過剰割当データ量が非負の値で、通信断がなかった場合に通信断の最中に帯域要求がないと想定されるONUに関しては過剰割当データ量の減衰を抑制しなくてもよい。逆に、通信断がなかった場合に通信断の最中に帯域要求がありそうなONUについては、特に過剰割当データ量の減衰を抑制する必要がある。通信断がなかった場合に通信断の最中に帯域要求がありそうなONUとは、現在要求分の割当が未了のONU、丁度割当が終わっているが直前まで割当があったONU、及び通信断の間に割当がありそうなONU(例えば、PONの帯域に比べて帯域要求が少なく、数〜数10周期に1回割当要求するような場合で丁度通信断のときに割当要求する周期となるONU)である。
【0045】
以下、目標データ量として特許文献1と同様にONUで分配可能な帯域、すなわちある周期でONUに分配可能な全データ量を帯域要求のあるONU間で、その分配の重み、例えば、保証帯域比で分配した値を例にとって説明するが、分配可能な全データ量が固定的な帯域分を減じたデータ量を分配する計算でも、優先度に応じて完全優先や、ONUの重みに更に優先度に応じた重みを乗じた重みの比で分配する計算でも、通信断がない場合に適用されるその他の計算方法に従う目標データ量の計算であってもよい。このことはこれ以降に説明する実施形態でもあっても同様である。
まず、変更する目標データ量の範囲として2通りある。第1の範囲は通信断中のONUの目標データ量のみを変更の範囲とし、第2の範囲は、通信断中のONUに加えてグループを構成する他のONUの目標データ量も変更の範囲とする。第1の範囲では、変更対象が通信断のONUに限定されるため、変更が軽微であり、図5のフローチャートのままとなる。但し、補正が限定的である。第2の範囲では、通信断時間が長い場合、通信断ではないONUの過剰割当データ量が正の方向に積み増しされ、その結果理想割当データ量が負の値となり、図5のフローチャートでは通信断でないどのONUも割当の対象外となり、PONの帯域をどのONUも使わない時間が発生しうる。従って割当の対象外となる条件を変更する必要がある。例えば、過剰割当データ量が少ない順に割り当てをする。または少ない順に大量のデータ量を割当する。ここで、過剰割当データ量がある所定の範囲内にある場合は同じ順位として、同順位内では巡回的に少ない順とみなして割当してもよい。所定の範囲は、例えば、通信断に起因する過剰割当データ量の積み上がりの程度の差の範囲である。
【0046】
第1の範囲では、目標データ量の計算の仕方は例えば以下である。
(1) 各周期における通信中のONUの重みの総和又は総和に該当する通信断中のONUの重みを加えた値に対する当該ONUの重みで、ONU間で分配可能な帯域を分配した目標データ量を用いる。ここで、割当または要求の上限で割当が頭打ちするONUの割当分の未割当帯域の再分配は考慮してもよいし、しなくてもよい。また、目標データ量の計算で用いるグループは、通信断前のグループでもよいし通信断後のグループでもよく、通信断の途中で一方から他方に切り替えてもよい。また、この通信断中の目標データ量の計算は、少なくとも当該ONUの過剰割当データ量が負の値、零、十分小さな値、又はグループの他のONUと同等の値になるまでで、その後は特許文献1又は後述の(3)と同等でもよい。同等の値とは、例えば、通信断がない場合に過剰割当データ量がとりうる値の範囲又はその平均値、十分小さな値とは、例えば、通信断がない場合に過剰割当データ量がとりうる正の値又は全値の平均値の1/10である。目標データ量の計算で用いるグループの切替も、例えば当該ONUの過剰割当データ量が負の値又は零又は十分小さな値になるまででよい。特許文献1と同等とは、帯域要求のないONUの目標データ量を零とすることである。
(2) 以下のいずれかを当該目標データ量を通常算出に用いる時間で除し、通常算出に用いる時間に通信断の時間を加えた時間を乗じた目標データ量を用いる。通常計算に用いる時間とは、例えば、図6の割当周期である。
i)通信断前の目標データ量
ii)所定の期間におけるその平均値
iii)通信断前の割当データ量
iv)所定の期間におけるその平均値
v)通信断前の帯域要求データ量
vi)所定の期間におけるその平均値
vii)通信断前の使用帯域
viii)所定の期間におけるその平均値
ix)通信断後の目標データ量
x)通信断後の帯域要求データ量
ここで平均値としては、単純な平均、最頻値、中央値、指数平滑移動平均等のいずれを用いてもよいが、当該過剰割当データの算出に用いるのと同等の平均であることが望ましい。同等の指数平滑移動平均である場合、収束の仕方が同等となる。又、要求帯域、割当帯域、使用帯域を用いる場合、所定の期間の平均値であることが望ましい。これは、要求帯域、割当帯域、使用帯域が周期毎で通常変動するためである。また、(1)と同様に、この通信断中の目標データ量の計算は、当該ONUの過剰割当データ量が負の値又は零又は十分小さな値になるかグループの他のONUと同等の値になるまでで、その後は特許文献1又は後述の(3)と同等でもよい
(3) 通信断中に過剰割当データ量が負の場合はα=1とする。この場合、過剰割当データ量の所定の値と零であり、所定の値に到達するまで処理を継続する。この場合は、過剰割当データ量は通信断の間一定の値となり、通信断の間は継続して過剰割当データ量の減衰を抑制することとなる。
【0047】
第1の範囲、即ち通信断のONUの目標データの計算を変更する場合、(1)(2)で
当該ONUの過剰割当データ量が負の値、零、十分小さな値、又はグループの他のONUと同等の値に到達した後に特許文献1又は(3)と同等としない場合、通信断のONUのみ過剰割当データ量が負に積み上がる。この積みあがった過剰割当データ量が指数平滑移動平均によって平滑化する前に優先的に割当てると、通信断の有無によるONU間の割当帯域の不公平が改善する。但し、通信断後の過剰割当データ量の総和及びその平均が、通信断で負に積みあがった過剰割当データ量のために負の方向にずれ平衡が崩れる。
【0048】
これに比べ、(1)(2)で、当該ONUの過剰割当データ量が負の値、零、十分小さな値、又はグループの他のONUと同等の値に到達した後に特許文献1又は(3)と同等とする場合は、負に積みあがった過剰割当データ量の積み上がりを抑制するため、平衡が崩れる課題はない。この場合、通信断前の過剰割当分を通信断中に解消するため、通信断前の過剰割当分があるONUに対する通信再開後に割当が減らされる割当帯域の過剰な減少の問題の解決となる。但し、通信断中の割当不足の補填はなされない。
【0049】
(3)では、通信断前の割当が過小であり過剰割当データが負であったONUの過剰割当データ量が指数平滑移動平均によって縮小することが無いので、通信再開後に通信断前の負の過剰割当データ分を通信再開後に割当できるため、不公平性の問題は部分的にではあるが解決しているのは、(1)(2)で途中から特許文献1と同等とする場合と同様である。
【0050】
(1)(2)で、当該ONUの過剰割当データ量が負の値、零、十分小さな値、又はグループの他のONUと同等の値に到達した後に特許文献1又は(3)と同等とする場合及び(3)は通信断時間が通信断のない場合にONU間での割当量がおおむね平準化できる程度の場合、すなわちONUの台数相当の割当に関する周期より長く、指数平滑移動平均で忘却しないほど短い場合に適している。
【0051】
第2の範囲では、即ち通信断のONUと通信断でないONUの両方の目標データの計算を変更する場合の通信断とならないONUの計算は、以下である。
【0052】
(1)第1の範囲の(1)と同様、すなわち、各周期における通信中のONU及び該当する通信断中のONUの重みの総和に対する当該ONUの重みでONU間で分配可能な帯域を分配した目標データ量を用いる。第2の範囲で計算するグループは、通信断のONUの過剰割当データ量が、通信断しない場合に積み上がる変動量程度の範囲であり、通信断時間が、通信断しない場合に積み上がる変動量が積み上がるに要する時間よりも十分大きければ、通信再開後のグループであることが望ましく、通信断時間が、通信断しない場合に積み上がる変動量が積み上がるに要する時間と同等かそれ以下であれば、過剰割当データ量の積みあがった値が積み上がるに要する時間だけ通信断前のグループで計算し、その後に通信再開後のグループで計算することが望ましい。
また、通信断中のONUの目標データ量を特許文献1又は後述の(3)と同等とする際には、通信断しないONUも目標データ量を特許文献1と同様に計算すればよい。
【0053】
(2)通信断のないONUの目標データ量は、ONU間に分配可能な帯域から通信断のONUの通信断前の目標データ量又は所定の期間におけるその平均値又は通信断前の割当データ量又は所定の期間におけるその平均値又は通信断前の帯域要求データ量又は所定の期間におけるその平均値又は通信断前の使用帯域又は所定の期間におけるその平均値又は通信断後の目標データ量又は通信断後の帯域要求データ量のいずれかを通常算出に用いる時間で除し、通常算出に用いる時間に通信断の時間を加えた時間を乗じた値を減じた帯域を、ONU間に分配可能な帯域を分配する計算方法で計算する。通信断のONUの目標データ量は第1の範囲の(2)と同様である。通信断中のONUの目標データ量を減じて計算するグループの判断と通信断のONUの目標データ量の積み上げを途中でやめる場合のやめる判断は第2の範囲の(1)と同様であり、通信断のONUの目標データ量の積み上げをしない又はやめた場合はそれ以外のONUで分配可能な帯域を分配して目標データ量を計算すればよい。
【0054】
第2の範囲、即ち通信断のONUおよびそのONUのグループのONUの目標データ量の計算を変更する場合、通信断のONUの通信断で負に積み上がった過剰割当データ量分を、通信断中にその他のONUに割当てている形となるので、通信断後の過剰割当データ量の総和及びその平均が、負の方向にずれ平衡が崩れる課題は無くなる。但し、通信断の間に、通信断のONUの帯域を他のONUが使用している形となるので、通信断時間が長いと、通信断でないONUの過剰割当データ量が過大となり図5のフローでは、通信断でない全ONUへの割当が停止してしまう可能性がある。このため、例えば、過剰割当データ量が少ない順に割り当てをする。または少ない順に大量のデータ量を割当するようにフローを変更する。
【0055】
なお、本実施例では、通信断及び通信断から通信再開したONUに対する過剰割当データ量は、特にその値が負の場合に、要求帯域が充足された時点や要求がなくなった時点等で、所定の値、例えば零とはしない。少なくとも、通信断中及び通信断中の割当不足の補正に要する時間は、そのまま指数平滑移動平均等での計算を継続する。
【0056】
このようにすることで、本発明は、通信断に伴う目標データ量を零とはしないため、通信断のために割当てられなかった割当帯域分で正の過剰割当データ量を清算でき、通信再開後に通信断前の過剰割当データ量分だけ割当データ量が減らされるといった割当帯域の過剰な減少を軽減することができる。すなわち、図6のC列が示すように、通信断のときも過剰割当データ量を積上げるので通信断分の帯域割当が不足しない。
【0057】
以下、図5を用いて説明する。
【0058】
制御機は、送信機17が周期毎に送信可能なデータ量である割当データ量(allocatedj,k、j:送信機番号、k:周期)の目標となる、目標データ量(targetj,k)を送信機17毎に且つ周期毎に決定し、前記目標データ量に基づいて送信機17に帯域割当を行う。
【0059】
この際に、制御機は、前記目標データ量を、次のように決定する(ステップS11)。
(1)あるグループに所属中である送信機17について、1周期に割当可能な全データ量を当該周期で帯域要求した送信機17間の所定の重み、例えば保証帯域の比で比例配分した値とする。
(2)グループを変更中で通信断かつ帯域要求した帯域の割り当てが未完了である等の通信断の最中に帯域要求がありそうな送信機17について、少なくとも過剰割当データ量が零になるまでは正の値とする。過剰割当データ量とは、当該周期前に過剰に割り当てたデータ量である。なお、上述した「零になるまで」の判断はグループ切替前から引き継いでいる過剰割当データ量で判断する。
【0060】
制御機は、目標データ量を決定した後、1周期あたりの前記過剰割当データ量(excessj,k)の補正及び、理想割当データ量(idealj,k)の算出を数式1又は数式2で行い(ステップS12)、前記理想割当データ量が負である送信機17への帯域割当を不実施とする(ステップS13〜S15)。
(数式1)
excessj,k=α・excessj,k−1+(1−α)・(allocatedj,k−targetj,k)、
idealj,k=targetj,k−(α/(1−α))・excessj,k−1
(数式2)
excessj,k=α・(allocatedj,k−idealj,k)、
idealj,k=targetj,k−excessj,k−1
但し、係数αは(τ−1)/(τ+1)の値、又は前記送信機に送信許可を送出してから過剰割当データ量の補正を反映させるまでの周期の数だけ(τ−1)/(τ+1)を乗じた値であり、τは指数平滑移動平均の時定数である。
【0061】
ここで、上記(2)の送信機17について、前記目標データ量を、上記の第1の範囲及び第2の範囲で示した方法で計算する。例えば、直前の周期における目標データ量としてもよい。また、上記(2)の送信機17について、全ONUが通信中のときの目標データ量でも良いし、固定値であっても良い。このように目標データ量を過剰割当データ量が零になるまでは正の値とすることで、波長変更が完了し、通信を再開した通信機は、本来なくなっているはずの過剰割当データ量分の割当量の不足を解消することができる。この目標データ量は、過剰割当データ量が零になった後も正の値としても良い。その場合、通信断による割当不足を積算することになるので、通信再開後に補填することができる。
【0062】
図3のステップS13〜S15では、理想割当データ量が負である送信機17への帯域割当を不実施としたが、通信中の前記送信機の内で前記理想割当データ量が大きい又は過剰割当データ量が小さい送信機から優先的に帯域割当を実施するとしてもよい。なお、通信断中のONUが多い場合、通信中のONUの過剰割当データ量が積み上がって割当できなくなるので、このような場合は理想割当データ量が大きなONUへの割当を先に行うことが好ましい。更に、ONU間で帯域割当の重みの比の差が大きい場合は、過剰割当データ量が小さいONUへの割当を先に行うことが好ましい。
【0063】
以上、固定周期での割当を前提に説明を加えたが、可変周期の割当であってもよい。
まず、従来の可変周期の割当について説明する。最も一般的な方法として、Interleaved polling with adaptive cycle time (IPACT)と呼ばれる方法がある。IPACTでは、OLTは送信時間を申告の到着順に割当する。許可時間の決定法には、Fixed service、Limited service、Constant Credit service、Linear Credit service、Elastic serviceの5つがある。ここでは、特性がよいとされるLimited serviceを例にとる。Limited serviceでは、ONUの申告する帯域要求データ量に申告に要するデータ量Wreqを加えた値が最大バースト長(maximum transmission window; MTW)を超過している場合はMTWを、帯域要求データ量が超過していない場合は申告した帯域要求データ量にWreqを加えた値を割当てる。帯域要求データ量の申告が零の場合は申告に要するデータ量Wreqを割当てる。ここでONUiの最大バースト長MTWi又はMTWiからWreqを減じた値は、それぞれの割当に関する重みに比例した値である。ONUの申告と許可が一巡するとまた初めのONUに戻って動作を繰り返す。IPACTでは、送信許可時間の中にフラグメント防止のために使用できない時間を含む課題があり、その課題を解決するために、DRRスケジューリング(Deficit Round−Robin Scheduling)を用いた方法が提案されている。この方法では、ONUiは、各許可の際に送信可能な目標バースト長wiを保持する。ここで目標バースト長wi又はwiからWreqを減じた値は、それぞれの割当に関する重みに比例した値である。ONUiのdeficit counterの値Siの初期値は最大バースト長wiである。
【0064】
ONUの要求する最大データ量又はONUの要求する帯域要求データ量にWreqを加えた値がSiの値より小さいとき、ONUは要求する帯域要求データ量を分割無に送信を許可される。送信しても蓄積データが残っている場合はSiに(wi−帯域要求データ量)を加える。帯域要求データ量の申告が零の場合は申告に要するデータ量Wreqを許可する。ONUの申告と許可が一巡するとまた初めのONUに戻って動作を繰り返す。但し、deficit counterの値Siは、送信によりONUの蓄積データ又は入力データ量が零又は所定の値以下となる場合はSiの値を初期値に戻すかSiに上限又は下限を規定する。この初期値に戻す動作もせずSiに上限又は下限を設定しない場合、異常値となる恐れがある。これは、入力データ量が少なく蓄積データ量が少ない状態が継続する場合である。このような場合、Siの値は周期毎に(wi−帯域要求データ量)が積算されて無限大まで増大する。これは、Siはフラグメントのために発生する割当不足を次周期の割当許可に持ち越すことで解消するためのものであり、入力データ量の不足を次周期に持ち越すためのものではないからである。例えば所定の値として、Siから帯域要求データ量を減じた値がフレーム最大長(Ethernet(登録商標)’s maximum frame length (Fmax)以下となる場合である。上限の例として例えばFmax未満となる値、例えばバイト単位で処理する場合Fmaxから1バイト減じた値とすればよい。
【0065】
なお、この例でもSiとSiの初期値との間で所定の比例えば固定周期で用いたαと(1−α)の比での平均をとる或いはSiとSiの初期値との残差と周期毎の(wi−帯域要求データ量)を指数平滑平均していけば、Siを初期値に戻す動作やSiに上限又は下限を設定せずとも異常値は解消する。
【0066】
この従来例に本願を適用する。まず、本願の用語に対応する値を示す。
目標データ量=最大バースト長wi
過剰割当データ量=Si − wi
理想割当データ量=Si
【0067】
以下に本願を適用した2つの方法を示す。
(第1の方法)
通信断に応じて、通信断時に割当てられるべきであった値を過剰割当データ量に加算する。但し、理想割当データ量相当のSiに加算することで、実効的に過剰割当データ量に加算する。以下の説明でも同様である。固定周期との差異は、固定周期の場合は通信断時間に対する周期の回数は輻輳状態によらず一定であり、可変周期の場合は周期の回数が輻輳によって変化することにある。
【0068】
この差異に基づき加算する値として、例えば通信断以前又は通信再開後の所定の期間の割当周期の平均値で通信断時間を除した回数に目標データ量又は通信前の要求帯域又は割当帯域又は使用帯域又はそれらの平均値のいずれかを乗じた値としてもよい。
【0069】
ここで、加算した場合一時的に従来の例で規定するSiの値の上限又は下限の値から逸脱するが、上限又は下限の値を超過した場合に初期化する方法であっても、通信断に起因する場合は上限又は下限の値を超過した状態で初期化せずに少なくとも所定の間保持する。所定の間として、通信断による割当不足が解消するに要する時間、例えば、通信断時間以上とするのが望ましい。
【0070】
また通信断に伴うSiの値の変更は、ONU及びOLTの双方が認識する必要がある。認識するためには、ONU−OLT間でデータやOAMやExtend MPCP等の何らかの方法で通知するか、通信断の回数又は通信断時間に応じた所定の値で変更する。所定の値として、例えば通信断以前又は通信再開後の所定の期間の割当周期の平均値で通信断時間を除した回数に目標データ量を乗じた値としてもよいし、目標データ量に比例した固定的な値としてもよい。
【0071】
(第2の方法)
通信断に応じて通信断前又は後又はその組合せのWiを変更することによって過剰割当データ量を変更する。例えば通信断時間が、OLTからの割当が1巡又は2巡する間である場合はそれぞれ2倍、3倍の値とする。Wiの値の変更は、通信断前後の一回の割当の際にまとめて変更しても良いし、何回かに分けて変更しても良い。例えば1巡又は2順する間である場合、それぞれそれを10回に分けて、その10回分は1.1倍又は1.2倍としてもよい。但し、Wiの値の変更はフレームサイズに対して十分大きな値であることが望ましい。
【0072】
ここで通信断に伴うWiの変更は、ONU及びOLTの双方が認識する必要がある。認識するためには、ONU−OLT間でデータやOAMやExtend MPCP等の何らかの方法で通知するか、通信断の回数又は通信断時間に応じた所定の値で変更する。所定の値として、例えば通信断以前又は通信再開後の所定の期間の割当周期の平均値で通信断時間を除した回数に目標データ量を乗じた値がWiを増加した合計としてもよいし、目標データ量に比例した固定的な値としてもよい。
【0073】
この第2の方法でWiの値を明示的にONUiに通知する場合は、ONU側でSiをカウントするカウンタを有さずとも良いので、本実施例と同様の方法をdeficit counterをONUに具備しないIPACTに適用することも可能である。
【0074】
以上2つの方法で、過剰割当データ量をカウントし、通信断に応じた不足分の割当をその前後で行うこと方法を示したが、その他の方法により、実効的に通信断に応じて過剰割当データ量をカウントし、目標データ量又はその平均値を変更し、目標データ量の平均値を通信断がなかった場合と同様としてもよい。
【0075】
以上、光通信システム301のONU100からOLT200への上りの信号光に即して説明を加えたが、OLT200からONU100への下りの信号光及び、光通信システム302及び光通信システム301との光通信システム302を組み合わせた光通信システムの構成でも同様である。
【0076】
なお、光通信システム301及び302は、ONU100の数およびONU100とOLT200の送受信機(16、17、26、27)の数が増減してもよいし、波長分割多重する波長の数も任意である。また、送受信機とグループの関係は明記していないが、ONUの送信機が所属するグループの組合せと、ONUの受信機が所属するグループの組合せは一致していなくてもよい。また、ONU毎の送受する波長はそれぞれ1波長としたが、複数波長としてもよい。以上の説明では、光通信システム301及び302をPONとして説明したが、光スイッチを備える光通信システムでも、1対N接続ではない1対1接続の光通信システムであってもよい。これは以降の実施形態でも同様である。
【0077】
(実施形態2)
図3は、実施形態2の光通信システム303を説明する概念図である。光通信システム303と図1の光通信システム301との違いは、光通信システム301が波長分割多重していることに対して光通信システム302が芯線多重していることにある。このため、光通信システム303のONU100は、送信機17の波長可変性と受信機16の前段で複数の下り波長から受信対象の波長を選択する波長可変のフィルタ18の代替として光スイッチ31を有する。図1の光通信システム301の波長を方路に読み替えれば、光通信システム303の動作及び効果は実施形態1と同様である。なお、光合分波器15は上り下りの波長を合分波する光合分岐器であり、上り波長同士、下り波長同士の波長間での分波はしない。また、光スイッチ31の代りに複数の送信機と受信機を方路毎に備え、いずれかの送信機といずれかの受信機を使用することとしてもよい。このことは本実施形態の他の光通信システムの構成でも同様である。
【0078】
図4は、実施形態2の光通信システム304を説明する概念図である。光通信システム303はONU100側に方路の可変機能を付与した例であるが、光通信システム304はOLT側に方路の可変機能を付与した例である。光通信システム304と図2の光通信システム302との違いは、光通信システム302が波長分割多重していることに対して、芯線多重していることにある。このため、光通信システム304のOLT200は、送信機27の波長可変性と受信機26の前段で複数の上り波長から受信対象の波長を選択する波長可変のフィルタ18の代替として光スイッチ31を有する。図2の光通信システム302の波長を方路に読み替えれば、光通信システム304の動作及び効果は実施形態1と同様である。なお、この構成の場合、方路が3以上の場合に特に有効である。即ち、1:N切替又はN:M切替用に芯線が設置されている場合に適する。
【0079】
実施形態2の第3の構成は、図3の光通信システム303と図4の光通信システム304の組合せであり、方路の可変性をONU100とOLT200の両方で有している構成である。従って、ONU100の構成は光通信システム303と同様であり、OLT200の構成は光通信システム304と同様である。その他は光通信システム303及び光通信システム304と同様である。
【0080】
なお、実施形態2では、すでに実施形態1で説明した部分と同一あるいは略同一である部分の説明を省略する。また、光通信システム303又は304は、ONU100の数およびONU100とOLT200の送受信機(16、17、26、27)の数が増減してもよいし、芯線多重する方路の数も任意である。また、ONU毎の送受する芯線はそれぞれ1芯線としたが、複数芯線としてもよい。
【0081】
(実施形態3)
実施形態3の光通信システムは、図3又は4の光通信システム303又は4の構成においてさらに波長分割多重も行う。図1の光通信システム301及び図2の光通信システム302の波長を波長と方路の組合せに読み替えれば、本通信システムの動作及び効果は実施形態1と同様である。
【0082】
本光通信システムは、ONU100の数およびONU100とOLT200の送受信機(16、17、26、27)の数が増減してもよいし、波長多重する波長の数も芯線多重する方路の数も任意である。また、送受信機とグループの関係は明記していないが、ONUの送信機が所属するグループの組合せと、ONUの受信機が所属するグループの組合せは一致していなくてもよい。また、ONU毎の送受する波長及び芯線はそれぞれ1波長1芯線としたが、複数波長複数芯線としてもよい。
【0083】
(実施形態4)
実施形態4の光通信システムと実施形態1の光通信システムとの違いは、OLTとONUの構成にある。本光通信システムでは、全ONUは同一グループであり、送信機17は同一の波長として扱われる波長を出力し、単一グループであるのでグループ別に信号光を分波するフィルタ18は備えず、送信機27はそれぞれ単一であり、25は伝送路50からの信号光を26に出力し、27からの信号光を伝送路50に出力する。又グループは一つであるので制御機はONUをグループに割り振らない。即ち、GE−PON等の通常の時分割多重のPONである。本光通信システムではグループは一つであるので通信断前と後でグループは同一である。その他の動作については実施形態1の光通信システムと同様である。本光通信システムでの通信断は例えば、支障移転、パッケージの交換、バージョンアップ等でONUの再起動が伴う場合やONUの休止等で発生する。本実施形態では、これらの通信断による割当帯域の不公平が是正できる効果がある。本実施形態での効果を図7に示す。図7は、本実施携帯を適用しない場合の帯域割当の例である。32ONUが10Gbit/sのPONに32ONUが接続し、固定割当周期で帯域を割当し、割当周期は1ms、閾値は最大フレーム長、通信中のONUはリンクリートを要求する場合の例である。
【0084】
(他の実施形態)
なお、以上説明した実施態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本発明に含まれるものである。
【0085】
例えば、光通信システムは1つの受信機で1グループのONU群の信号を受信しているが、受信機は複数とすることもできる。 さらに、通信システムは波長分割多重、芯線多重及び波長分割多重と芯線多重の組合せであったが、他の分割多重の技術、例えば、光符号、OFDMの一つのビン、偏波、位相であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、光通信システム関連の技術分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0087】
15、25、25’:光合分波器
16、26:受信機
17、27:送信機
18:フィルタ
31:光スイッチ
50、50(H1)、50(H2):光伝送路
55:光スプリッタ
H1、H2:方路
100:ONU
200:OLT
301、302、303、304:光通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のグループに割り振られる複数の第1送受信機と、
前記第1送受信機と信号光をグループ毎に送受する第2送受信機と、
前記第1送受信機が周期毎に送信可能なデータ量である割当データ量の目標となる、目標データ量を前記第1送受信機毎に決定し、前記目標データ量に基づいて前記第1送受信機に帯域割当を行う制御機と、
を備えており、
前記制御機は、
通信断中の前記第1送受信機、通信断前の所定の期間に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用をした前記第1送受信機、或いは通信断が無かった場合に通信断中に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用が予想される前記第1送受信機について、少なくとも通信断前に過剰に割り当てたデータ量である過剰割当データ量が所定の範囲になるまでは過剰割当データ量の減衰を抑制し、
前記目標データ量から前記過剰割当データ量を減じた理想割当データ量が負である前記送受信機への帯域割当を不実施とする、あるいは通信中の前記送受信機の内で前記理想割当データ量が大きい又は前記過剰割当データ量が小さい前記送受信機から優先的に帯域割当を実施する
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項2】
前記過剰割当データ量(excessj,k)及び、前記理想割当データ量(idealj,k)の算出を数式1又は数式2で行うことを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。
(数式1)
excessj,k=α・excessj,k−1+(1−α)・(allocatedj,k−targetj,k)、
idealj,k=targetj,k−(α/(1−α))・excessj,k−1
(数式2)
excessj,k=α・(allocatedj,k−idealj,k)、
idealj,k=targetj,k−excessj,k−1
但し、jは送受信機番号、kは周期、allocatedj,kは前記割当データ量であり、targetj,kは前記目標データ量、係数αは(τ−1)/(τ+1)の値、又は前記送受信機に送信許可を送出してから過剰割当データ量の補正を反映させるまでの周期の数だけ(τ−1)/(τ+1)を乗じた値であり、τは指数平滑移動平均の時定数である。
【請求項3】
前記制御機は、
前記グループを変更中である、通信断中の前記第1送受信機、通信断前の所定の期間に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用をした前記第1送受信機、或いは通信断が無かった場合に通信断中に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用が予想される前記第1送受信機について、
変更前あるいは変更後の前記グループに所属中の前記第1送受信機として、前記目標データ量を、1周期に割当可能な全データ量を当該周期で帯域要求の有る前記第1送受信機の帯域割当の重みの比の総和に対する重みの比、あるいは該総和に前記グループを変更中である前記第1送受信機の重みの比を加えた値に対する該第1送受信機の重みの比で比例配分した値とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光通信システム。
【請求項4】
前記グループは、波長、方路、又は波長と方路の組合せで識別されるグループであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光通信システム。
【請求項5】
1又は複数のグループに割り振られる複数の第1送受信機と信号光を複数の第2送受信機で前記グループ毎に送受信する光通信方法であって、
前記第1送受信機が周期毎に送信可能なデータ量である割当データ量の目標となる、目標データ量を前記第1送受信機毎に決定し、前記目標データ量に基づいて前記第1送受信機に帯域割当を行っており、
通信断中の前記第1送受信機、通信断前の所定の期間に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用をした前記第1送受信機、或いは通信断が無かった場合に通信断中に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用が予想される前記第1送受信機について、少なくとも通信断前に過剰に割り当てたデータ量である過剰割当データ量が所定の範囲になるまでは過剰割当データ量の減衰を抑制し、
前記目標データ量から前記過剰割当データ量を減じた理想割当データ量が負である前記送受信機への帯域割当を不実施とする、あるいは通信中の前記送受信機の内で前記理想割当データ量が大きい又は前記過剰割当データ量が小さい前記送受信機から優先的に帯域割当を実施する
ことを特徴とする光通信方法。
【請求項6】
前記過剰割当データ量及び、前記理想割当データ量の算出を数式1又は数式2で行うことを特徴とする請求項5に記載の光通信方法。
(数式1)
excessj,k=α・excessj,k−1+(1−α)・(allocatedj,k−targetj,k)、
idealj,k=targetj,k−(α/(1−α))・excessj,k−1
(数式2)
excessj,k=α・(allocatedj,k−idealj,k)、
idealj,k=targetj,k−excessj,k−1
但し、jは送受信機番号、kは周期、allocatedj,kは前記割当データ量であり、targetj,kは前記目標データ量、係数αは(τ−1)/(τ+1)の値、又は前記送受信機に送信許可を送出してから過剰割当データ量の補正を反映させるまでの周期の数だけ(τ−1)/(τ+1)を乗じた値であり、τは指数平滑移動平均の時定数である。
【請求項7】
前記グループを変更中である、通信断中の前記第1送受信機、通信断前の所定の期間に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用をした前記第1送受信機、或いは通信断中に通信断が無かった場合に帯域要求又は帯域割当又は帯域使用が予想される前記第1送受信機について、
変更前あるいは変更後の前記グループに所属中の前記第1送受信機として、前記目標データ量を、1周期に割当可能な全データ量を当該周期で帯域要求の有る前記第1送受信機の帯域割当の重みの比の総和に対する重みの比、あるいは該総和に前記グループを変更中である前記第1送受信機の重みの比を加えた値に対する該第1送受信機の重みの比で比例配分した値とすることを特徴とする請求項5又は6に記載の光通信方法。
【請求項8】
前記グループは、波長、方路、又は波長と方路の組合せで識別されるグループであることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の光通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−254256(P2011−254256A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126185(P2010−126185)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】