説明

光電子デバイス用の基材

【課題】光電子デバイス用の汎用的基材であって、光学特性、特に、活性層と相互作用するための透過特性がより向上し、低い材料費および生産コストならびに高い再現性で簡単に製造することができ、特に、大量生産に適した基材を提供する。
【解決手段】本発明の光電子デバイス用の基材は、電極層を形成および/または支持するモノフィラメントおよび/またはポリマーの繊維の布帛を備える。繊維の繊維径は20μmから100μm、特には、30μmから80μmであり、布帛のメッシュの目開きにより、表面積の70〜85%に開口部が形成されている。布帛には、非導電性の透明なポリマー材のコーティング層が設けられており、繊維が少なくとも部分的にポリマー材によって取り囲まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載されているような、光電子デバイス(optoelektronische Vorrichitung)用の基材に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、光電子デバイス(例えば、太陽電池)用の支持層(基材)を実現するための様々な方法が知られている。まず、太陽電池の場合、いわゆる第一世代のシリコン基材が当該分野で知られており、広く使用されている。
【0003】
近年、特にこれらの製品は、電気効率および(大量)生産性のいずれの側面についても向上が見られるが、シリコン材料費も含め基本コストが依然として高価なため、この種の太陽電池のなおいっそうの普及を妨げている。
【0004】
いわゆる第二世代の太陽電池はもはやシリコンを必要としない。様々な堆積技術法、例えば、プラズマスパッタリング、CVDなどを、透明な基材、典型的には、ガラス板や可撓性ポリアミドに適用することにより、コスト面でより好適な基材を得ることができる。しかしながら、第二世代の基材にもコスト面で改善の余地が依然として残されているように思われる(ついでに言えば、使用時の可撓性に関しても改善の余地が残されているように思われる)。
【0005】
そのため、いわゆる第三世代の光起電技術では、それなりの効率(典型的に約10%)を実現しなければならない一方では、基材のコスト(大きなコスト要因)をなおいっそう減少させるための努力がなされている。これらの目的を達成するにあたって、一方では、能動素子(activen Komponenten)用の安価な基材(フィルムや布帛)、他方では、低温・常圧(デジタル印刷やスクリーン印刷のように)で、かつ高生産率で実行できる製造方法が重要な技術であるとみなされている。そのような目的を達成するポテンシャルがあると予測されるものとして、特に、有機太陽電池、タンデム型太陽電池、いわゆるDSC太陽電池(色素増感型ナノ構造太陽電池)などが期待されている。
【0006】
また、前述の第一世代のシリコン系太陽電池では半導体ベースの基材が依然として優位であるが、高効率な他の技術的選択肢として、半導体以外をベースにした基材も増えつつある。例えば、一部の非シリコン系の光起電材料は、低い入射光角度、低い光強度、または、たとえ偏光源であっても、電流を生成することができ(さらには、広い光スペクトルも利用することができ)、シリコンに比べて有利であることが判明している。また、各種使用環境に合わせて太陽電池を巻いたり畳んだり、またはその他の形状にできる融通性が求められる場合、可撓性の基材(例えば、フィルムや布帛の基材)も同様に有利である。しかしながら、太陽電池などの光電子デバイス用の、安価で効率的な基材材料、特に、簡単かつ確実に大量生産可能な基材材料は依然として出回っていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上を踏まえて、本発明の目的は、光電子デバイス用、特に、光電池(Photovoltaikzelle)や太陽電池(またはOLED)用の汎用的基材であって、光学特性、特に、活性層(aktive Schichten) と相互作用するための透過特性がより向上し、低い材料費および生産コストならびに高い再現性で簡単に製造することができ、特に、大量生産に適した基材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、主請求項の特徴部に記載された構成を備える基材によって達成される。本発明の他の有利な改良形態は、従属請求項に記載されている。本願書類からみて明らかな本発明の方法構成について、その構成の少なくとも2つの任意の組合せも、特許請求の範囲に含まれるものとする。つまり、そのような任意の組合せも本発明に属する。
【0009】
本発明において、好ましくは、本発明にかかる布帛の製造に用いられる繊維は、まず、繊維径が20μmから100μm、特には、30μmから80μmとなるように設定または選択される。典型的には、各実施形態の繊維の繊維径は一定である。また、好ましくは、本発明の枠組み内において、布帛は、織られた繊維間のメッシュの目開きにより表面積の約70%から約85%に開口が形成されるように構成される。すなわち、このことは、全表面積における残りの15%から30%は、繊維によって占められることを意味する。
【0010】
さらに、本発明において、好ましくは、布帛の少なくとも一つの側には、非導電性のポリマーで構成された充填物(例えば、部分的な充填物)の形態の透明なコーティング層が設けられている。
【0011】
このようにして、本発明において、好ましくは、基材の第1の側(コーティングされていない側)は、前記ポリマーの透明なコーティングに影響されない導電性の繊維および/または布帛の導電性のコーティングにより導電性を有し、反対の側(コーティングされた第2の側)は、そのポリマー材の透明なコーティングによって電気的に絶縁される。
【0012】
前記ポリマー材は、さらに、ORMOCER、SiOx、またはその他の無機材料を含んでいてもよく、特には、ORMOCER、SiOx、またはその他の無機材料によって被覆されている。
【0013】
好ましくは、上記のように被覆された前記ポリマー材、または前記ポリマー材で構成された非導電性の透明なコーティングにより、基材(および基材上に形成された光電子デバイス)は、耐湿性および/または(例えば、UV吸収剤を適宜混合することによって)耐UV性を獲得する。また、さらなる好ましい改良形態において、このコーティング材は、耐酸化バリアとして機能する。
【0014】
コーティングの厚さについては、布帛の厚さよりも薄く設定され、典型的には、布帛の厚さの約70%から約80%であり、コーティングは少なくとも部分的に布帛に侵入している。これにより、コンパクトで、光学的かつ物理的に効果的であると共に、簡単にかつ低コストで製造可能な基材構造体を提供することができる。
【0015】
本発明のさらなる好ましい改良形態において、前記ポリマー材として選択される材料は、アクリル樹脂;シリコーン系材料;フルオロポリマー;またはPU、PEN、PI、PET、PAおよびEVAからなるグループから選択されたポリマーもしくはそれと同様な材料;であってもよいし、さらに好ましくは、熱硬化性もしくは照射硬化性材料である。なお、UV照射硬化性のコーティングが極めて好ましいと分かっている。
【0016】
本発明にかかる繊維について、まず、本発明は、基本的には、布帛を非導電性の繊維から製作した後、電極動作を実現するための導電性を繊維に付与することを包含している。適切な繊維は、特には、PA、PP、PET、PEEK、PI、PPS、またはこれらと同様素材の化学繊維の半透明のモノフィラメントである。
【0017】
好ましくは、本発明にかかる基材に用いられる布帛は、導電性を呈するように、表面抵抗率が50Ω/sq未満、好ましくは20Ω/sq未満、さらに好ましくは10Ω/sq未満とされる。本発明のさらなる改良形態では、布帛中に、金属で構成された繊維(金属繊維)または金属被覆構造体を担持する繊維が配される。金属繊維を構成する適切な金属として、例えば、Ti、Ag、Al、Cu、Au、Pa、Pt、Ni、W、Mo、Nb、Ba、Sn、Zrなどが挙げられる。なお、布帛の導電率(または表面抵抗率)は、そのような金属スレッドまたは金属被覆されたスレッドと非導電性のスレッドとの織り配列(Geometrie)によって適宜調節することができる。すなわち、本発明の好適な実施形態の枠組み内には、この種の導電性を呈したスレッドが、経糸および緯糸の選択において、補足または代替として、1:1、好ましくは、1:2、1:3またはそれ以上の割合とすることが含まれ、金属繊維または金属被覆された繊維が、導電率が調節されるように織りこまれる(特に好ましくは、緯糸方向および縦糸方向の両方に金属繊維または金属被覆された繊維が織り込まれる)。
【0018】
また、本発明の好ましい実施形態の枠組み内において、布帛(典型的に非導電性ポリマーの繊維のみで構成される)に金属被覆を施すことにより、導電性、すなわち、所望の低い表面抵抗率を付与するようにしてもよい(原則的には、この場合でも、金属繊維を織り込んでもよい)。布帛に対するこの種の金属被覆は、プラズマスパッタリング(例えば、Ag、Au、Ti、Mo、Cr、Cu、ITO、ZAOなど)、あるいは、蒸着(Al、Ag、Cuなど)によって布帛に適宜施されてもよいし、または電解法(例えば、Ag、Niなどを沈着させる)などの湿式化学法によって布帛に適宜施されてもよい。典型的に、この種の金属被覆を布帛に適用することにより、表面抵抗率が10Ω/sq未満の、極めて高い導電率を得ることができる。
【0019】
冒頭で述べたように、本発明の大きな利点は、本発明に基づいて形成される基材が高レベルの透明性または透過性を有することである。この利点は、本発明に従いメッシュの目開きを調節することにより、なおいっそう好ましくなる。なお、極めて有利なことに、このような調節を行うにあたって、当該技術分野において既知の、精密布帛(Prazisionsgeweben)の製造方法を利用することができる。本発明に従いメッシュの目開きを設定することで表面積の70%から85%に開口を形成するには、メッシュ幅を200μmから300μmに調節し、つまり、各メッシュの目開き(好ましくは、表面にわたって均一である)の面積を約80,000μmから約800,000μmに調節するのが特に好ましいと分かった。
【0020】
なお、本発明では、有利なことに、本発明に従い製造された基材の全体的な透過率(%)が、原則的に表面の開口領域における透過率(%)よりも高い。いわゆる正透過率(すなわち、目開きおよび透明な繊維を通過する光)に加えて、繊維上や繊維を介しての反射を考慮した拡散透過率(例えば、金属被覆された繊維の場合)もあるので、本発明に基づき表面の開口領域の面積を70%から85%とした場合、全体的な実効透過率は75%から95%に達する。
【0021】
以上を踏まえて、本発明により、数多くの用途に適した光電子デバイスを、おそらく簡単に、より的確に、かつ、低コストで製造することができる。本発明の主な用途は光起電分野であり、本発明にかかる基材は、特に、有機太陽電池、薄層型セル、DSCセル、タンデム型セルなどに適用することができるが、それだけでなく、他の種類の光電子デバイスも、同じく有利に形成可能であり、本発明に包含される。これら他種の光電子デバイスには、有機LED、他の表示装置技術、各種受動電子部品、さらには、大きい表面積を有する表面体(例えば、建築用途に用いられるもの)などが含まれる。
【0022】
本発明は、既知のTCO電極(透明電極として使用される透明導電酸化物)と比べて、数多くの利点、例えば、材料費および製造コストを大幅に減少できるといった利点を有するだけでなく、特別な真空設備を必要とせず(TCOは高真空下で製造されなければならない)、簡単な技術でより高い導電性を得ることができ、さらには、脆性を抑えることができ、かつ、基材の密着性を向上させることもできる。また、本発明にかかる基材を用いることでのみ、光電子デバイスとしての大きい表面積を有する可撓性の表面体、特には、光起電目的(およびOLED製造目的)の表面体を形成することができるという可能性も開かれる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の好ましい第1実施形態の基材を示す側面断面図である。
【図2】第2実施形態である、基材の他の実施形態を示す側面断面図である。
【図3】図1の第1実施形態の基材を用いて形成された有機太陽電池を示す概略断面図である。
【図4】布帛の両側に導電層が形成されるようにコーティングが施されていることにより、例えば、タンデム型の太陽電池を構築可能な、本発明のさらなる実施形態を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、図面を参照しながら行う、好ましい例示的な実施形態についての以下の説明から理解される。
【0025】
図1は、透明なPAの繊維10の布帛を概略的に示す側面断面図である。繊維10の太さは30μmから35μmの範囲内にある。緯糸方向(あるいは、経糸方向)の第2の繊維は、それぞれ、繊維10とほぼ同じ約30μmから約35μmの太さを有する、Alの金属スレッド12である。
【0026】
この布帛には、透明なポリマー(この例ではUV硬化性のアクリル系樹脂)のコーティング層14が設けられている。布帛の層厚の75%から85%に相当する、約60μmのコーティング層14により、布帛10,12の一つの側(図1の下側)に絶縁層が形成され、他方、上側領域の金属繊維12は少なくとも一部が露出するようにされているので、この構成は導電性であり、電極として機能することができる。コーティング層14は、布帛に部分的に侵入するように塗布されているため、このコーティング層の実効厚さは布帛の層厚と重複する。
【0027】
一般的に、非導電性繊維と導電性繊維との配列本数比が、図示の1:1(すなわち、1方向における各2番目のスレッドは金属スレッドである)の場合には、表面抵抗率5Ω/sqが得られ、あるいは、1:2の配列本数比または1:3の配列本数比とし、すなわち、非金属製(非導電性)の繊維10に対する金属スレッド12の比を1:2または1:3とすることにより、表面抵抗率をさらに低下させることができる。
【0028】
コーティング材(例えば、アクリル系樹脂)は、流動状態で布帛に導入され、例えば、図1に示すように含浸または部分的な侵入を生じるように行われる。これは、例えば、布帛を液状樹脂の薄層に適用した後、樹脂を架橋させることによっても達成することができる。本発明に包含される一変形例として、コーティング材をフィルムまたはこれと同様の固体状態で用意した後、プリント、加熱、または加圧を伴う方法(例えば、ラミネート法)によって布帛と接触させることによって図1の構造体を得ることもできる。
【0029】
例えば、図3に示すように、この種の構造体上に光電子デバイスが設けられる(同図では、図1の基材が、図1とは逆さまの状態で、コーティングによって封止された外表面を上に向けながら、同図の上側に配置されている)。矢印16は、透明な層14に対する光の入射を示す。光は、この透明な層14のポリマー材および透明な繊維10(または介在する目開き)を通って、導電性の繊維12に接する下側の活性層18に侵入する。この活性層は、例えば、PEDOT+P3HT、PCBM/C60(有機太陽電池用)、またはTiO/色素/電解質(DSC用)によって構成され、反対の側が、対向電極20によって封止されている。原則的に、この対向電極は、本発明にかかる基材を用いて形成されてもよい。
【0030】
約80%の面積を占める開口領域(例えば、メッシュ幅の適切な選択によって得られる)およびこの開口領域により達成される約90%の光の透過率により、好適な電気的特性が得られるだけでなく、材料費の大幅な減少と製造方法の大いなる簡略化とで、これにより、既知の太陽電池に比べて、大幅なコスト節約が実現され、さらには、劇的な効率化の可能性が開かれた有機またはDSC太陽電池の提供を可能にする。
【0031】
図2は、図1の基材の他の実施形態である本発明の第2の実施形態を示す図である。ここでは、まず、モノフィラメント(PA;繊維の太さ30μmから35μm)で構成される布帛を製造した後、例えば、プラズマスパッタリングによってAgを布帛に適用することにより、金属被覆が施される。図2の断面図に、Agの薄膜(0.5μm)を担持する繊維―布帛構造体30を示す。必要に応じて、この繊維―布帛構造体30にTiの薄いコーティングをさらに施すことにより、安定化を図ることができる。
【0032】
この構造体は、次に、図1の実施形態と同様の手順により、非導電性の透明なポリマーが設けられる。このポリマーによって構造体の片側(図2の下側)は完全に封止され、他方、コーティングの厚さの適宜な選択により、上側領域の繊維は露出し、導電性を呈する。ここでも、コーティングの他の実施形態などにより、10Ω/sq未満の表面抵抗率にカスタマイズすることが可能であり、また、図3と同様のアプローチに基づき、その布帛上に太陽電池、有機LED、またはその他の種類の光電子デバイスを構築することができる。
【0033】
本発明は、図示の実施形態や、上記で選択した組成物または材料群に限定されない。むしろ、適宜の設計事項の枠組み内で、基材の適切な強度、可撓性および負荷容量と、所望の導電特性とを、目的の用途に合わせて適宜に組み合わせ可能であり、前述の構成および本発明の枠組み内において、使用する繊維の材料、太さ、およびメッシュ幅は、適宜選択または変更されてよい。また、電極動作を実現するために、導電性を有する繊維(金属繊維または金属被覆された繊維)を適切な比で織り込んだり、および/または上述したように布帛に適切な金属被覆を施したりしてもよい。
【0034】
本発明の枠組み内において、非導電性で透明なコーティングにより一つの側を非導電性の表面とする構成の代わりに、そのコーティングを基材のコア領域に設け、コアの両側の繊維または繊維の一部をポリマーから露出させることにより、基材の両側に導電層を形成してもよい(例えば、図4を参照のこと)。この種の構成により、例えば、基材の両側に太陽電池を構築して二重の太陽電池とすることができる(タンデム型太陽電池)。
【0035】
以上により、本発明にかかる基材は、材料の使用効率および基材の製造効率を劇的に向上させることができるので、光起電技術やOLED技術(さらには、その他の光電分野)において、新たに数多くの用途を開拓できるものと期待される。
【符号の説明】
【0036】
10,12,30 繊維(布帛)
14 非導電性のコーティング
16 光
18 活性層
20 対向電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極層を形成および/または支持するモノフィラメントおよび/またはポリマー繊維の布帛を備える、光電子デバイス用の基材において、
前記繊維の繊維径が、20μmから100μm、特には、30μmから80μmであり、
前記布帛のメッシュの目開きにより、表面積の70〜85%に開口が形成されており、
前記布帛には、非導電性の透明なポリマー材のコーティング層が設けられ、前記繊維が少なくとも部分的に前記ポリマー材によって取り囲まれていることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項2】
請求項1において、当該基材の片面または両面において、繊維または繊維片が前記コーティング層から露出するように、前記コーティング層が設けられていることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項3】
請求項1または2において、当該基材の表面のコーティングされていない第1の側が導電性を有しており、当該基材の表面のコーティングされた第2の側が非導電性であるようにコーティングが行われていることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項において、前記コーティング層が耐UV性を有するように、および/または前記コーティングによって当該基材の耐UV性を増進するように、前記ポリマー材が形成および/または選択されていることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項において、前記ポリマー材が、照射硬化性を有しており、特には、UV架橋結合性または熱硬化性を有していることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項において、前記コーティング層が当該基材の少なくとも一つの側の水蒸気バリアおよび/または耐酸化バリアとして機能するように、前記ポリマー材が形成および/または塗布されていることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項において、前記ポリマー材が、アクリル系樹脂、シリコーン重合体、フルオロポリマー、PU、PEN、PI、PET、PA、EVA、およびこれらの混合物からなる群から選択され、特には、SiOx、ORMOCER、またはその他の無機材料を含むことを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項において、前記コーティング層の厚さが前記布帛の厚さよりも薄く、特には、前記コーティング層の厚さが前記布帛の厚さの70%から85%であることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項において、前記繊維が、PA、PP、PET、PEEK、PI、PPS、PBTおよびPENからなる群から選択された材料で構成され、および/または半透明もしくは透明のモノフィラメントとして形成されていることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項において、前記メッシュの目開きのメッシュ幅が200μm〜300μmの範囲内にあり、および/またはメッシュの目開きの面積が80,000μm〜800,000μmの範囲内にあることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項において、前記繊維が、前記布帛中に、金属被覆された繊維および/または金属繊維を部分的に含んでおり、好ましくは、一定の間隔で含んでいることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項12】
請求項11において、前記金属繊維が、Ti、Mo、W、Cr、Cu、Ag、Al、またはAuで構成されていることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項13】
請求項11または12において、前記金属繊維が、非導電性の繊維の布帛の中に経糸方向または緯糸方向に織り込まれており、前記布帛はそれ以外の金属被覆構造体を有していないことを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項において、前記布帛が、当該布帛にコーティングとして適用された金属被覆構造体を有していることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項15】
請求項14において、前記金属被覆構造体が、スパッタリング、特には、プラズマスパッタリング、蒸着によって前記布帛に適用され、および/または湿式化学法、特には、電解法によって前記布帛に適用されていることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項において、前記布帛の表面抵抗率が、50Ω/sq未満、好ましくは20Ω/sq未満、さらに好ましくは10Ω/sq未満であることを特徴とする、光電子デバイス用の基材。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の光電子デバイス用の基材の使用であって、前記光電子デバイスが太陽電池、特には、有機太陽電池、薄膜太陽電池、DSC太陽電池、またはタンデム型太陽電池である、使用。
【請求項18】
請求項1から16のいずれか一項に記載の光電子デバイス用の基材の使用であって、前記光電子デバイスがOLED、表示エレメント、建築用表面体エレメント、または受動電子部品として形成されている、使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−507841(P2012−507841A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533620(P2011−533620)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007894
【国際公開番号】WO2010/051976
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(502369414)ゼファー・アクチエンゲゼルシャフト (7)
【氏名又は名称原語表記】SEFAR AG
【Fターム(参考)】