説明

入力指示装置

【課題】セグメント電極を指定するための入力指示装置を利用して、複数の入力指示を可能とした入力指示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数のセグメント電極(101〜112)を有するセンサ用電極パターン(100)と、複数のセグメント電極の何れが指示されたのかを検知する検知部(40)を有し、検知部は、複数のセグメント電極の何れかが単独に指示された場合には各セグメント電極に対応した入力指示がなされたと判別し、複数のセグメントが連続的に指示された場合には、各セグメント電極に対応した入力指示以外の他の入力指示がなされたと判別することを特徴とする入力指示装置(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力指示装置に関し、特に複数のセグメント電極を有する入力指示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のタッチスイッチを設け、複数のタッチスイッチに順次触れることによって、例えば照明装置の照度を変化させることができる制御機構が知られている(例えば、特許文献1)。また、特許文献1に示される制御機構では、ユーザの指が触れたスイッチを示すための表示用セグメント電極が設けられており、ユーザがタッチスイッチに触れると表示用セグメント電極が発光するように構成されている。
【0003】
しかしながら、複数のタッチスイッチの利用方法は一定であり、各タッチスイッチを複数の方法で利用することはできなかった。
【0004】
液晶表示装置と、液晶表示装置上に配置されたタッチパネルを利用して液晶表示装置上の選択位置情報を得る設定数値変更装置において、タッチパネル上でのユーザの指の移動を検出して液晶表示装置に表示される数値を変化させることが知られている(例えば、特許文献2)。
【0005】
しかしながら、タッチパネルはユーザの指の移動のみを検出し、タッチパネルを複数の方法で利用することはできなかった。また、タッチパネルは、液晶表示装置全体に渡って、例えばマトリックス状に配置されている必要があった。
【0006】
【特許文献1】特開昭58−44820号公報(第1図〜第4図)
【特許文献2】特開平11−338600号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題点を解決することを可能とする入力指示装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、複数のセグメント電極の何れかを指示するための入力指示装置を利用して、複数方法の入力指示を可能とした入力指示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る入力指示装置では、複数のセグメント電極を有するセンサ用電極パターンと、複数のセグメント電極の何れが指示されたのかを検知する検知部を有し、検知部は、複数のセグメント電極の何れかが単独に指示された場合には各セグメント電極に対応した入力指示がなされたと判別し、複数のセグメントが連続的に指示された場合には、各セグメント電極に対応した入力指示以外の他の入力指示がなされたと判別することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る入力指示装置では、検知部は、複数のセグメント電極が連続的に指示された場合には、連続的な指示のパターンに応じて入力指示内容を判別することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係る入力指示装置では、検知部は、1つのセグメント電極の検知から次のセグメント電極の検知までの検知間隔に応じて、単独の指示か連続的な指示かを判別することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る入力指示装置では、検知部は、各セグメント電極に対応した静電容量の変化に基づいて、複数のセグメント電極の何れが指示されたのかを検出することが好ましい。
【0013】
さらに、本発明に係る入力指示装置では、センサ電極パターンの下に配置された液晶パネルを更に有し、液晶パネルは一対の透明基板と前記一対の透明基板間に挟持された液晶層と、液晶層を駆動するための透明電極パターンとを有し、透明電極パターンはセンサ用電極パターンが有するセグメント電極と略同一のセグメント電極を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る入力指示装置によれば、複数のセグメント電極への連続的な指示及びそのパターンを利用して、各セグメント電極に対応した入力指示以外の他の入力指示を行えるため、簡単な構成で多数の入力指示を行うことが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図面を参照して、本発明に係る入力指示装置について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0016】
図1は、本発明に係る入力指示装置1の概略断面図である。
【0017】
入力指示装置1は、タッチパネル10、液晶パネル20及びバックライト30等から構成される。入力指示装置1は、例えば、携帯電話の入力指示装置として携帯電話の外枠構造内に配置されることができるが、図1においては、携帯電話の外枠構造等は省略している。
【0018】
タッチパネル10は、所謂静電容量方式のタッチパネルであって、ガラスやプラスチック基板等より構成される透明保護層11、センサ用電極パターン100及び後述する検知回路40等を有している。
【0019】
センサ用電極パターン100は、透明保護層11上に、それぞれスパッタリング法によって厚さ約0.03μmのITOから構成された透明導電膜を蒸着し、その後エッチングによって不要な部分を除去することによって複数のセグメント電極にパターン化されている。
【0020】
液晶パネル20は、偏光板(図示せず)、第1透明基板21、第2透明基板26、シール部材29、第1及び第2透明基板間21及び26の間隔を保持するために複数配置されたスペーサ28、第1及び第2透明基板21及び26とシール部材29間に封入された液晶層27等を有している。
【0021】
第1透明基板21上には透明電極パターン200及び第1配向膜23が形成され、第2透明基板26上にはコモン電極25及び第2配向膜24が形成されている。なお、説明のために、縮尺が実際と異なる場合がある点に留意されたい。
【0022】
液晶層17には、TN(ツイステッドネマティック)液晶等が用いられる。
【0023】
第1及び第2透明基板21及び26は、可撓性であって、厚さ100μmのポリカーボネイト樹脂によって形成されている。しかしながら、第1及び第2透明基板21及び26は、これに限定されるものではなく、変性アクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ノルボルテン樹脂、ガラス等であっても良く、また厚さも50μm〜700μmとすることができる。
【0024】
透明電極パターン200及びコモン電極25は、第1及び第2透明基板21及び26上に、それぞれスパッタリング法によって厚さ約0.03μmのITOから構成された透明導電膜を蒸着し、その後エッチングによって不要な部分を除去することによってパターン化されている。
【0025】
バックライト30は、EL発光層、導光板及びLED等から構成されている。
【0026】
タッチパネル10は、液晶パネル20の視認側に配置されており、したがって、ユーザはタッチパネル10側から液晶パネル20を観察することとなる。液晶パネル20では、透明電極パターン200及びコモン電極25間に所定の交番電圧が印加されることによって、液晶層27を透過モードと非透過モードに切り替えて制御している。例えば、透明電極パターン200における所定のセグメント電極の部分に対応する液晶層27のみを透過モードで駆動し、他の部分を非透過モードで駆動して、バックライト30を点灯させることによって、セグメント電極の形状に対応した部分のみをバックライト30の光によって浮き上がらせることができる。
【0027】
図2は、センサ用電極パターン100のパターンの一例を示す図である。
【0028】
センサ電極パターン100には、「アプリ」の文字形状をした第1セグメント電極101、上向きの矢印の形状をした第2セグメント電極102、カメライメージさせるイラスト形状をした第3セグメント電極103、左向きの矢印の形状をした第4セグメント電極104、長方形、正方形及び直角三角形の形状を組み合わせた形状をした第5セグメント電極、右向きの矢印の形状をした第6セグメント電極106、受話器が傾いた形状をした第7セグメント電極107、下向きの矢印の形状をした第8セグメント電極108、受話器の形状をした打9セグメント電極109、手帳の形状をした第10セグメント電極110、「CLR」の文字形状をした第11セグメント電極111、「PWR」の文字形状をした第11セグメント電極112の計12個のセグメント電極が配置されている。
【0029】
また、第1セグメント電極101〜第12セグメント電極112は、それぞれ第1配線121〜第12配線132によって、検知回路40と接続されている。
【0030】
図3は、図2に示すセンサ電極パターン上に指が触れた場合の静電容量を示す図である。
【0031】
図3に示すように、例えば、第2セグメント電極102が配置された部分に対応する透明保護層11上にユーザの指2が置かれると、第2セグメント電極102と指の間の静電容量と指を介した人体の静電容量の総和Chが発生する。検知回路40では、この静電容量Chを検知することによって、何れのセグメント電極に対応した透明保護層11上にユーザの指2が置かれたのかを検知することができる。
【0032】
図4は、第2セグメント電極102に対する検知回路の概略構成を示す図である。
【0033】
検知回路40は、電源電圧VDD、第2セグメント電極102、第2セグメント電極102と指2との間に発生する静電容量と指を介した人体の静電容量の総和Ch、静電容量Chと並列に配置された固定静電容量Cs、定電流源41、スイッチSW42、比較回路43、PWMユニット44、タイマユニット45、タイマユニット用の発振器46、及びCPU、ROM及びRAM等を含んで構成される制御部47等から構成されている。検知回路40は、静電容量結合方式による容量変化によって、第2セグメント電極102上に指2が置かれたか否かを検出する。
【0034】
第2セグメント電極102に対応する透明保護層11上にユーザの指2が置かれない場合には、静電容量Chが存在しないので、定電流源41で充電する静電容量は固定静電容量Csのみであるが、ユーザの指2が置かれた場合には、静電容量Chが存在することとなり、定電流源41で充電する静電容量は、Cs+Chとなる。
【0035】
初期状態は、SW42はOFFしており、固定静電容量Csの端子電圧はOVであって、比較回路43の出力はLOWであるものとする。すると、定電流源41によって固定静電容量Cs(又はCs+Ch)が充電されて、Csの端子電圧Viが上昇する。端子電圧Viは基準電圧Vrefと比較回路43において常時比較されており、端子電圧Viが基準電圧Vref以上となると、比較回路43の出力はHIGHへ切り替る。比較回路43の出力がHIGHとなることによって、SW42がONされるので、固定静電容量Cs(又はCs+Ch)に充電された電荷はSW42を介して放電し、固定静電容量Csの端子電圧Viは0Vに復帰する。したがって、比較回路43の出力はLOWに戻ることとなる。即ち、比較回路43は所定のタイミングで、LOWとHIGHの出力を繰り返し行うこととなる。
【0036】
PWMユニット44は、比較回路43の出力がLOWからHIGHに変化するまでの間隔に対応したパルス幅を有する信号を出力する。タイマユニット45は、発振器46からの発振パルスに基づいて、PWMユニット44が出力する信号のパルス幅に対応したパルス数を計測して、計測結果を制御部47へ出力する。制御部47では、計測結果に基づいて、第2セグメント電極102に対応する透明保護層11上にユーザの指2が配置されたか否かの判断を行う。
【0037】
図4では、第2セグメント電極102上にユーザの指2が配置されたか否かの検知を行うための検知回路40の一例を示しているが、実際には第1セグメント電極101〜第12セグメント電極112の全てに対して同様の回路が検知回路40に実装されているものとする。また、少なくとも、制御部47は、全てのセグメント電極の検知に兼用されるものとし、制御部47のRAMには、少なくとも検知されたセグメント電極、検知順序及び検知間隔が記録されるものとする。さらに、図4に示す静電容量の変化を検知する回路構成は一例であって、他の回路構成を採用することも可能である。
【0038】
図5は、固定静電容量Csの端子電圧Viの一例を示す図である。
【0039】
図5(a)はユーザの指2が置かれ、合計の静電容量がCs+Chである場合を示し、図5(b)はユーザの指2が置かれず、合計の静電容量がCsのみ場合を示している。図5(a)及び(b)において、縦軸はCsの端子電圧Viを示し、横軸は時間Tを示している。
【0040】
図に示すように、ユーザの指2が置かれた場合には、合計の静電容量が大きいため、比較回路43の出力がLOWからHIGHへ切り替わる期間T1が、ユーザの指が置かれなかった場合の期間T2より長くなる。したがって、制御部47は、タイマユニット45からの計測結果に基づいて、ユーザの指がセンサ電極パターン上に置かれたか否かを判別することが可能となる。
【0041】
上述したように、タッチパネル10では、第1セグメント電極101〜第12セグメント電極112のどのセグメント電極に対応する透明保護層11上にユーザの指2が置かれたのかを検知することが可能である。
【0042】
図6は、液晶パネル20の透明電極パターン200の一例を示す図である。
【0043】
第1透明電極パターン200は、図2に示すセンサ用電極パターン100に配置されたセグメント電極と同様な第1セグメント電極201〜第12セグメント電極212を有している。また、各セグメント電極には、電圧を印加するための第1配線221〜第12配線232が接続されている。
【0044】
液晶パネル20では、所望のセグメント電極(第1セグメント電極201〜第12セグメント電極212)とコモン電極25との間に、不図示の駆動部から所定の交番電圧を印加して、電極間の液晶層の透過・非透過を制御することによってセグメント電極の表示を行うことができる(パッシブ駆動)。
【0045】
図7は、タッチパネル10における第1の入力指示パターン例を示した図である。
【0046】
図7に示したセンサ用電極パターン100では、説明の便宜上、図2に示した第1配線121〜第12配線132を省略して示している。
【0047】
図7に示す第1の入力指示パターンは、タッチパネル10の保護層11上を、ユーザの指2が、図面上において左下方から右上方に移動した場合と定義する。即ち、検知回路40の制御部47は、第7セグメント電極107→第5セグメント電極105→第3セグメント電極103の順(矢印70参照)、第10セグメント電極110→第8セグメント電極108→第6セグメント電極106の順(矢印71参照)、又は第10セグメント電極110→第8セグメント電極108→第5セグメント電極105→第3セグメント電極103の順(矢印72)で、ユーザの指2がそれぞれのセグメント電極に対応する透明保護層11上で連続的に検出された場合に、第1の入力指示がなされたと判断する。
【0048】
第1の入力指示があった場合には、不図示の携帯電話の制御機構では、例えば、携帯電話をデジタルカメラの撮影モードに切り替えるように動作させることができる。
【0049】
図8は、タッチパネル10における第2の入力指示パターン例を示した図である。
【0050】
図8に示したセンサ用電極パターン100では、説明の便宜上、図2に示した第1配線121〜第12配線132を省略して示している。
【0051】
図8に示す第1の入力指示パターンは、タッチパネル10の保護層11上を、ユーザの指2が、図面上において右上方から左下方に移動した場合と定義する。即ち、検知回路40の制御部47は、第3セグメント電極103→第5セグメント電極105→第7セグメント電極107の順(矢印80参照)、第6セグメント電極106→第8セグメント電極108→第10セグメント電極110の順(矢印81参照)、又は第3セグメント電極103→第5セグメント電極105→第8セグメント電極108→第10セグメント電極110の順(矢印82)で、ユーザの指2がそれぞれのセグメント電極に対応する透明保護層11上で連続的に検出された場合に、第2の入力指示がなされたと判断する。
【0052】
第2の入力指示があった場合には、不図示の携帯電話の制御機構では、例えば、携帯電話を記録されている楽曲データを再生する楽曲再生モードに切り替えるように動作させることができる。
【0053】
図9は、タッチパネル10における第3の入力指示パターン例を示した図である。
【0054】
図9に示したセンサ用電極パターン100では、説明の便宜上、図2に示した第1配線121〜第12配線132を省略して示している。
【0055】
図9に示す第1の入力指示パターンは、タッチパネル10の保護層11上を、ユーザの指2が、図面上において左側から右側に移動した場合と定義する。即ち、検知回路40の制御部47は、第1セグメント電極101→第2セグメント電極102→第3セグメント電極103の順(矢印90参照)、第4セグメント電極104→第5セグメント電極105→第6セグメント電極106の順(矢印91参照)、第7セグメント電極107→第8セグメント電極108→第9セグメント電極109の順(矢印92参照)、又は第10セグメント電極110→第11セグメント電極111→第12セグメント電極112の順(矢印93参照)で、ユーザの指2がそれぞれのセグメント電極に対応する透明保護層11上で連続的に検出された場合に、第3の入力指示がなされたと判断する。
【0056】
第3の入力指示があった場合には、不図示の携帯電話の制御機構では、例えば、不図示のスピーカの出力音声を1ステップ分アップさせるように動作させることができる。
【0057】
図10は、タッチパネル10における第4の入力指示パターン例を示した図である。
【0058】
図10に示したセンサ用電極パターン100では、説明の便宜上、図2に示した第1配線121〜第12配線132を省略して示している。
【0059】
図10に示す第1の入力指示パターンは、タッチパネル10の保護層11上を、ユーザの指2が、図面上において左側から右側に移動した場合と定義する。即ち、検知回路40の制御部47は、第3セグメント電極103→第2セグメント電極102→第1セグメント電極101の順(矢印94参照)、第6セグメント電極106→第5セグメント電極105→第4セグメント電極104の順(矢印95参照)、第9セグメント電極109→第8セグメント電極108→第7セグメント電極107の順(矢印96参照)、又は第12セグメント電極112→第11セグメント電極111→第10セグメント電極110の順(矢印97参照)で、ユーザの指2がそれぞれのセグメント電極に対応する透明保護層11上で連続的に検出された場合に、第4の入力指示がなされたと判断する。
【0060】
第4の入力指示があった場合には、不図示の携帯電話の制御機構では、例えば、不図示のスピーカの出力音声を1ステップ分ダウンさせるように動作させることができる。
【0061】
また、上述した4つの入力指示パターンは一例であって、2つ以上の連続するセグメント電極の検知によって、任意の指示内容を設定することができる。
【0062】
さらに、上述した4つの入力指示パターンによる指示内容も一例であって、他の指示内容、例えば、第1の入力指示パターンが検知された場合には、カメラの撮影モードではなく、TVを視聴するモードに切り替えるようにしても良い。
【0063】
図11は、検知処理フローの一例を示す図である。
【0064】
図11に示す処理フローは、制御部47のROM等に予め記憶されたプログラムにしたがって、制御部47のCPUによって実行される。図11に示される一連の処理は、所定時間毎に自動的に繰り返し実行される。
【0065】
最初に、第1セグメント電極101〜第12セグメント電極112の何れかによる検知がなされたか否かが判断され(S10)、検知がなされていない場合には、一連の処理を終了する。
【0066】
S10において、検知がなされた場合には、それが単独の指示なのか、連続的な指示なのかが判断される(S11)。制御部47では、第1セグメント電極101〜第12セグメント電極112の何れかによる検知がなされた場合には、制御部47のRAM等に検知がなされたセグメント電極の種類と検知間隔が自動的に連続的に記録されるように構成されており、S11は、制御部47のRAMの記録内容に応じて判断する。
【0067】
単独の指示か連続的な指示かは、検知間隔が閾値以下か否かによって判別する。例えば、検知間隔が0.5秒以下の場合には、連続的な指示であると判断することができる。なお、閾値となる0.5秒は一例であって、検知回路の検知に必要な時間や経験則等に基づいて最適な他の値を閾値として利用することも可能である。
【0068】
S11において、単独の指示であると判別された場合には、各セグメント電極に対応した指示入力がなされたものと判別して(S16)、一連の処理を終了する。各セグメント電極に対応した指示入力とは、例えば、第1セグメント電極101がアプリケーションプログラムの実行であり、第3セグメント電極がカメラのシャッターボタンONというものである。
【0069】
S11において、連続的な指示であると判別された場合には、予め制御部47のROM等に記録されている第1の入力指示パターン(図7参照)と検知された連続的な指示が一致するか否かが判別される(S12)。S12において、第1の入力指示パターンと一致した場合には、カメラの撮影モードへの変更指示であると判別して(S17)、一連の処理を終了する。
【0070】
S12において、第1の入力指示パターンと一致しない場合には、予め制御部47のROM等に記録されている第2の入力指示パターン(図8参照)と検知された連続的な指示が一致するか否かが判別される(S13)。S13において、第2の入力指示パターンと一致した場合には、楽曲再生モードへの変更指示であると判別して(S18)、一連の処理を終了する。
【0071】
S13において、第2の入力指示パターンと一致しない場合には、予め制御部47のROM等に記録されている第3の入力指示パターン(図9参照)と検知された連続的な指示が一致するか否かが判別される(S14)。S14において、第3の入力指示パターンと一致した場合には、ボリュームUPの入力指示であると判別して(S19)、一連の処理を終了する。
【0072】
S14において、第3の入力指示パターンと一致しない場合には、予め制御部47のROM等に記録されている第4の入力指示パターン(図10参照)と検知された連続的な指示が一致するか否かが判別される(S15)。S15において、第4の入力指示パターンと一致した場合には、ボリュームDOWNの入力指示であると判別して(S20)、一連の処理を終了する。
【0073】
S15において、第4の入力指示パターンと一致しない場合には、入力指示が不明であると判別して、所定動作(例えば、警報、警告表示等)を行って、一連の処理を終了する。
【0074】
図11に示したような処理フローに従って、入力指示の判別を行うので、各セグメント電極に対応した入力指示のみならず、連続的な指示による他の入力指示をも判別することができるようになった。したがって、セグメント電極のみを利用したタッチパネル(入力指示装置)において、セグメント電極に対応していない入力指示を行うことも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る表示装置1の概略断面図である。
【図2】センサ電極パターン100のパターンの一例を示す図である。
【図3】図2に示すセンサ電極パターン上に指が触れた場合の静電容量を示す図である。
【図4】第2セグメント電極102に対する検知回路の概略構成を示す図である。
【図5】固定静電容量Csの端子電圧Viの一例を示す図である。
【図6】液晶パネル20の第1透明電極パターン200の一例を示す図である。
【図7】タッチパネル10における第1の入力指示パターン例を示した図である。
【図8】タッチパネル10における第2の入力指示パターン例を示した図である。
【図9】タッチパネル10における第3の入力指示パターン例を示した図である。
【図10】タッチパネル10における第4の入力指示パターン例を示した図である。
【図11】検知処理フローの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 表示装置
10 タッチパネル
11 保護層
20 液晶パネル
40 検知回路
47 制御部
100 センサ電極パターン
101〜112 セグメント電極
200 透明電極パターン
201〜212 セグメント電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセグメント電極を有するセンサ用電極パターンと、
前記複数のセグメント電極の何れが指示されたのかを検知する検知部と、を有し、
前記検知部は、前記複数のセグメント電極の何れかが単独に指示された場合には各セグメント電極に対応した入力指示がなされたと判別し、前記複数のセグメントが連続的に指示された場合には、各セグメント電極に対応した入力指示以外の他の入力指示がなされたと判別する、
ことを特徴とする入力指示装置。
【請求項2】
前記検知部は、前記複数のセグメント電極が連続的に指示された場合には、連続的な指示のパターンに応じて入力指示内容を判別する、請求項1に記載の入力指示装置。
【請求項3】
前記検知部は、1つのセグメント電極の検知から次のセグメント電極の検知までの検知間隔に応じて、単独の指示か連続的な指示かを判別する、請求項1又は2に記載の入力指示装置。
【請求項4】
前記検知部は、各セグメント電極に対応した静電容量の変化に基づいて、前記複数のセグメント電極の何れが指示されたのかを検出する、請求項1〜3の何れか一項に記載の入力指示装置。
【請求項5】
前記センサ電極パターンの下に配置された液晶パネルを更に有し、
前記液晶パネルは、一対の透明基板と前記一対の透明基板間に挟持された液晶層と、前記液晶層を駆動するための透明電極パターンとを有し、
前記透明電極パターンは、前記センサ用電極パターンが有するセグメント電極と略同一のセグメント電極を有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の入力指示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−230539(P2009−230539A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76318(P2008−76318)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】