説明

入力行為数を応用したコンテンツ価値評価システム

【課題】テキストデータの入力や数字の入力だけでは表しきれない操作者の気持ちを汲み取るシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】連打数応用サーバは、操作者の気持ちに関する指標を入力する気持ち入力画面と、連打ボタンアイコン301の連打を受け付け、連打数をカウントし、カウントした連打数を入力結果として返信する入力行為計測プログラムを、利用者端末に送信する。確定ボタンアイコンがクリックされると、入力結果として連打数が連打数応用サーバへ送信される。また、連打ボタンアイコン301を連打すると、カウントされた連打数は連打数ゲージ305にも表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラウザに表示された画面上でのクリックボタンの連打回数もしくはキーの連打回数、または携帯端末の揺動回数などの入力行為数を応用してコンテンツ価値を評価するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2のように、インターネットショッピングにおいて、購入者が購入した商品に対するレビューを行い、他の利用者がその評価を閲覧するシステムが多数存在する。
【0003】
しかし、これらのレビューは自然語による表現(文章)、あるいは数字キーにより入力された数値を用いて、評価を表現することが一般的である。
【0004】
商品レビュー以外のブログの記事に対するコメントなどにおいても、同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−59256号公報
【特許文献2】特開2007−323169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、テキストデータの入力や数字の入力だけでは表しきれない操作者の気持ちを汲み取るシステムを提供することを課題とする。
【0007】
コピーアンドペーストのように、無機質な行為による外形のみの表現を排除し、実質的に感情表現を操作行為に反映した評価指標を取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明に係るコンテンツ価値評価サーバは、
インターネットを介して、ブラウザを有する利用者端末と接続するコンテンツ価値評価サーバであって、以下の要素を有することを特徴とする
(1)利用者端末から、操作者の気持ちに関する指標を入力する気持ち入力画面の要求を受信する気持ち入力画面要求受付部
(2)ブラウザで表示可能な前記気持ち入力画面を記憶する気持ち入力画面記憶部
(3)気持ち入力画面をブラウザにより表示した状態で、操作デバイスへの複数回の入力行為を受け付け、入力行為数をカウントし、カウントした入力行為数を入力結果として返信する入力行為計測プログラムを記憶する入力行為計測プログラム記憶部
(4)気持ち入力画面要求を受信した場合に、気持ち入力画面記憶部から気持ち入力画面を読み出し、入力行為計測プログラム記憶部から入力行為計測プログラムを読み出し、読み出した気持ち入力画面と入力行為計測プログラムを、利用者端末へ返信する気持ち入力画面送信部。
【0009】
更に、
(5)利用者端末から、気持ち入力画面に対する入力結果として返信される入力行為数を受信する入力結果受信部と
(6)受信した入力行為数を記憶する入力行為数記憶部を有することを特徴とする。
【0010】
更に、
(7)ログイン中のユーザを特定し、特定したユーザに対応付けて入力行為数を、入力行為数記憶部に記憶させる入力行為数登録部を有することを特徴とする。
【0011】
更に、
操作者のレビュー入力を受信してレビューを記憶するレビュー結果記憶部と、ユーザのブラウザに評価を表示させるレビュー表示部を有し、レビュー表示部がレビュー表示処理において、レビューとともに入力行為数を表示することを特徴とする。
【0012】
更に、
レビュー表示部は、入力行為数の平均を算出し、レビュー表示処理において、平均値ととともに、レビュー、レビューを入力したユーザ名および当該ユーザの入力行為数を表示することを特徴とする。
【0013】
更に、
気持ち入力画面は、連打ボタンアイコンを有し、入力行為計測プログラムは、連打ボタンアイコンへのクリックの連打数をカウントすることを特徴とする。
【0014】
更に、
入力行為計測プログラムは、連打ボタンアイコンへのクリックが所定間隔内で繰り返された回数を連打数としてカウントすることを特徴とする。
【0015】
更に、
入力行為計測プログラムは、特定キー対する押下の連打数をカウントすることを特徴とする。
【0016】
更に、
入力行為計測プログラムは、特定キー対する押下が所定間隔内で繰り返された回数を連打数としてカウントすることを特徴とする。
【0017】
更に、
入力行為計測プログラムは、連打数に対応するマークを気持ち入力画面に表示させることを特徴とする。
【0018】
更に、
入力行為計測プログラムは、連打数に対応するゲージを気持ち入力画面に表示させることを特徴とする。
【0019】
本願発明に係るコンテンツ価値評価方法は、
インターネットを介して、ブラウザを有する利用者端末と接続し、
ブラウザで表示可能な気持ち入力画面を記憶する気持ち入力画面記憶部と、気持ち入力画面をブラウザにより表示した状態で、操作デバイスへの複数回の入力行為を受け付け、入力行為数をカウントし、カウントした入力行為数を入力結果として返信する入力行為計測プログラムを記憶する入力行為計測プログラム記憶部を有する
コンテンツ価値評価サーバによるコンテンツ価値評価方法であって、以下の要素を有することを特徴とする
(1)利用者端末から、操作者の気持ちに関する指標を入力する前記気持ち入力画面の要求を受信する気持ち入力画面要求受付工程
(2)気持ち入力画面要求を受信した場合に、気持ち入力画面記憶部から気持ち入力画面を読み出し、入力行為計測プログラム記憶部から入力行為計測プログラムを読み出し、読み出した気持ち入力画面と入力行為計測プログラムを、利用者端末へ返信する気持ち入力画面送信工程。
【0020】
本願発明に係るプログラムは、
インターネットを介して、ブラウザを有する利用者端末と接続し、
ブラウザで表示可能な気持ち入力画面を記憶する気持ち入力画面記憶部と、気持ち入力画面をブラウザにより表示した状態で、操作デバイスへの複数回の入力行為を受け付け、入力行為数をカウントし、カウントし入力行為数を入力結果として返信する入力行為計測プログラムを記憶する入力行為計測プログラム記憶部を有する
コンテンツ価値評価サーバとなるコンピュータに、以下の手順を実行させることを特徴とする
(1)利用者端末から、操作者の気持ちに関する指標を入力する前記気持ち入力画面の要求を受信する気持ち入力画面要求受付手順
(2)気持ち入力画面要求を受信した場合に、気持ち入力画面記憶部から気持ち入力画面を読み出し、入力行為計測プログラム記憶部から入力行為計測プログラムを読み出し、読み出した気持ち入力画面と入力行為計測プログラムを、利用者端末へ返信する気持ち入力画面送信手順。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、クリックボタンの連打、キーの連打、携帯端末の揺動回数という、通常の数値入力よりも労力が大きく、更に感情をぶつけやすい操作により、操作者自身の思いの高さや強さを表現させる。
【0022】
入力行為数により大きな数値を入力するためには、押下操作や揺動操作などの困難性ある動作の繰り返しが必須であり、操作者の執着の度合いを推し量ることができる。これにより、感情の高まりを直接的に反映した「気持ちの指標」を得ることができる。つまり、しつこさが故の信憑性を備えた数値の受付を実現することができる。
【0023】
また、操作者のレビューとともに入力行為数を表示することで、レビューの信憑性を推し量ることができる。同様に、複数の操作者の入力行為数平均値ととともに入力行為数を表示することで、当該操作者の相対的な思いの高さや強さを表現することができる。
【0024】
入力行為数に応じたマークを用いるので、マーク自体に操作労力的な価値を反映させ、マークに込められた思いに真剣味を持たせてアピールする効果が生まれる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、コンテンツ価値評価システムのネットワーク構成を示す図である。
【図2】図2は、コンテンツ価値評価システムのデータフローを示す図である。
【図3】図3は、気持ち入力画面(初期状態)の例を示す図である。
【図4】図4は、コンテンツ価値評価サーバの処理フローを示す図である。
【図5】図5は、コンテンツ価値評価サーバの構成を示す図である。
【図6】図6は、入力行為計測プログラム処理フローを示す図である。
【図7】図7は、連打判定(入力行為判定)処理フローを示す図である。
【図8】図8は、気持ち入力画面(連打判定中)の例を示す図である。
【図9】図9は、気持ち入力画面(連打判定後)の例を示す図である。
【図10】図10は、レビュー入力画面の例を示す図である。
【図11】図11は、実施の形態2に係入力行為計測プログラム処理フローを示す図である。
【図12】図12は、レビュー表示画面の例を示す図である。
【図13】図13は、コメント入力画面(初期状態)の例を示す図である。
【図14】図14は、マーク表示処理フローを示す図である。
【図15】図15は、コメント入力画面(連打判定中)の例を示す図である。
【図16】図16は、コメント表示画面の例を示す図である。
【図17】図17は、マーク変換処理に係る構成を示す図である。
【図18】図18は、実施の形態4に係る気持ち入力画面(初期状態)の例を示す図である。
【図19】図19は、実施の形態4に係る連打判定(入力行為判定)処理フローを示す図である。
【図20】図20は、ページアクセス履歴テーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施の形態1.
図1は、コンテンツ価値評価システムのネットワーク構成を示す図である。コンテンツ価値評価サーバ101と利用者端末102は、インターネットを介して接続している。コンテンツ価値評価サーバ101は、利用者端末102で入力された連打数などの入力行為数を気持ちのバロメータに応用するサーバである。利用者端末102は、コンテンツ価値評価サーバ101から配信された入力行為計測プログラムを起動して、利用者の気持ちを連打や揺動動作など(以下、「連打」)により表現するための端末である。利用者端末102は、HTML画面を表示させ、JavaScript(ジャヴァスクリプト、スクリプト言語の例、Javaは登録商標)やFlashで記述されたプログラムを動作させ、操作に応じてHTML画面を遷移させ、返り値を返信させることができるWebブラウザを有している。
【0027】
図2は、コンテンツ価値評価システムのデータフローを示す図である。利用者端末102から、ユーザIDとパスワードを含むログイン要求を送信する。そして、コンテンツ価値評価サーバ101はログイン処理し、セッションを確立する。ログイン中に、利用者端末102はコンテンツ価値評価サーバ101の所定URLを指定することにより気持ち入力画面要求をコンテンツ価値評価サーバ101に送信し、コンテンツ価値評価サーバ101から気持ち入力画面と入力行為計測プログラムを利用者端末102に返信する。利用者端末102のWebブラウザで起動された気持ち入力画面と入力行為計測プログラムにより、受け付けた連打数(又は取消ステータス)をコンテンツ価値評価サーバ101に返信する。コンテンツ価値評価サーバ101は、連打数を利用者の気持ちの指標として利用する。また、利用者端末102からログアウト要求を受信した場合には、ログアウト処理し、セッションを解除する。
【0028】
図3は、気持ち入力画面(初期状態)の例を示す図である。連打ボタンアイコン301は、連打モードにおいて連打されるボタンアイコンである。開始ボタンアイコン302は、連打モードに切り替えを指示するためのボタンアイコンである。取消ボタンアイコン303は、連打数の送信を行わずに終了させるための指示を受け付けるボタンアイコンである。確定ボタンアイコン304は、連打数の送信を行い終了させるための指示を受け付けるボタンアイコンである。連打数ゲージ305は、連打数をバー長で表示するためのゲージである。初期状態において、連打ボタンアイコン301は、網掛け表示等により選択できないことを示すように表示されている。また、連打ボタンアイコン301をクリックしても、イベントが発生しないように設定されている。
【0029】
図4は、コンテンツ価値評価サーバの処理フローを示す図である。コンテンツ価値評価サーバ101は、図2に示したデータフローを制御するために、以下のように動作する。ログイン処理(S401)で、利用者端末102からのログイン要求に応じてログインさせ、気持ち入力画面要求受付処理(S402)で、利用者端末102から気持ち入力画面要求を受け付け、気持ち入力画面送信処理(S403)で、利用者端末102に気持ち入力画面と入力行為計測プログラムを送信し、入力結果受信処理(S404)で、入力結果として連打数(又は取消ステータス)を受信し、ログアウト処理(S405)で、利用者端末102からのログアウト要求を受信したとき、あるいはタイムアウトにより、ログアウトさせる。
【0030】
コンテンツ価値評価サーバ101の処理について詳述する。図5は、コンテンツ価値評価サーバの構成を示す図である。ログイン部501は、ログイン処理(S401)で、ユーザIDとパスワードを含むログイン要求を受信すると、利用者テーブル502からユーザIDとパスワードの組合せを取得し、ログイン要求に含まれるユーザIDとパスワードに一致する組合せがある場合に、ログイン成功として、利用者端末102とセッションを確立する。一致する組合せがない場合には、ログイン失敗として、以下の処理を受け付けないように動作する。気持ち入力画面要求受付部503は、気持ち入力画面要求受付処理(S402)で、ログインしている利用者端末102からの所定URLに対するアクセスにより、気持ち入力画面要求を受信する。そして、気持ち入力画面送信部504は、気持ち入力画面送信処理(S403)で、HTMLで記述された気持ち入力画面と、気持ち入力画面を制御する入力行為計測プログラムをログイン中の利用者端末102に返信する。気持ち入力画面記憶部505は、気持ち入力画面のデータを記憶している。気持ち入力画面送信部504は、気持ち入力画面記憶部505から気持ち入力画面のデータを読み取る。また、入力行為計測プログラム記憶部506は、JavaScript(Javaは登録商標)あるいはFlashなどで記述された入力行為計測プログラムを記憶している。気持ち入力画面送信部504は、入力行為計測プログラム記憶部506から入力行為計測プログラムを読み取る。入力結果受信部507は、入力結果受信処理(S404)で、ログイン中の利用者端末102から入力結果として、連打数(又は取消ステータス)を受信し、連打数を受信した場合には、連打数を連打数記憶部508に記憶させ、取消ステータスを受信した場合には、連打数記憶部508に連打数を記憶しない。また、ログアウト部509は、ログアウト処理(S405)で、ログイン中の利用者端末102とのセッションを解消する。
【0031】
気持ち入力画面のHTML文書中にスクリプトを記述する場合には、実装上は気持ち入力画面が入力行為計測プログラムを内包することになり、気持ち入力画面記憶部505が入力行為計測プログラム記憶部506を含む構成となる。そして、気持ち入力画面送信部504は、気持ち入力画面記憶部505から入力行為計測プログラムを内包する気持ち入力画面を読み出して、その気持ち入力画面を送信することになる。つまり、気持ち入力画面と入力行為計測プログラムは一体として、記憶され、読み出され、送信される。
【0032】
他の方法として、気持ち入力画面のHTML文書からリンクすることにより、別ファイルの入力行為計測プログラムを読み出すこともできる。その場合には、気持ち入力画面送信部504は、先のステップで気持ち入力画面のHTML文書ファイルを利用者端末102に送信し、利用者端末102のブラウザによるHTML文書ファイルの展開中に生じる入力行為計測プログラムファイルの要求を受信し、次のステップでその要求に応じて入力行為計測プログラム記憶部506から入力行為計測プログラムファイルを読み出して利用者端末102に送信する。つまり、気持ち入力画面HTML文書に、入力行為計測プログラムファイルを読み出すためのリンク条件を記述しておき、利用者端末102からの2段階の要求に従って、気持ち入力画面と入力行為計測プログラムを段階的に読み出して送信する。
【0033】
連打数の記憶に関して、連打数登録部(図示せず)を設け、入力結果受信した後に、ログイン中(セッションが確立している状態)のユーザIDを、ログイン部501から取得し、受信した連打数とユーザIDを対応付けて連打数記憶部508に記憶させることも有効である。
【0034】
入力行為計測プログラムについて説明する。図6は、入力行為計測プログラム処理フローを示す図である。まず、イベント取得(S601)で、利用者端末102のWebブラウザ上に表示された気持ち入力画面に対する操作により発生するイベント(アイコンに対するクリックやキー押下など)を取得する。そして、取得したイベントを判定する(S602)。開始ボタンアイコンに対する指示(例えば、マウスのような操作デバイスのクリックボタンによるクリック)の場合には、連打判定処理(S603)に移行し、連打を促し、連打数をカウントする。一方、取得したイベントが確定ボタンアイコンに対する指示(クリック)の場合には、カウントした連打数をコンテンツ価値評価サーバ101へ送信する(S604)。例えば、入力結果受信部507のURLにパラメータとして連打数を付加して転送する。他方、取得したイベントが取消ボタンアイコンに対する指示(クリック)の場合には、取消ステータスをコンテンツ価値評価サーバ101へ送信する(S605)。例えば、入力結果受信部507のURLにパラメータとして取消ステータスを付加して転送する。
【0035】
連打判定処理(S603)について詳述する。図7は、入力行為数判定処理フローを示す図である。開始ボタンアイコン、取消ボタンアイコン、及び確定ボタンアイコンを無効化する(S701)。これにより、開始ボタンアイコン302、取消ボタンアイコン303、及び確定ボタンアイコン304は網掛け表示等により選択できないことを示すように表示されている。また、開始ボタンアイコン302、取消ボタンアイコン303、及び確定ボタンアイコン304をクリックしても、イベントが発生しないように設定される。次に、連打ボタンを有効化する(S702)。これにより、連打ボタンアイコン301は網掛け表示等を解除し、選択できることを示すように表示される。また、連打ボタンアイコン301をクリックすると、イベントが発生するように設定される。そして、連打数カウンタを初期化する(S703)。連打数カウンタは、入力行為計測プログラム内の記憶領域に設けられる。連打数の初期値として0をセットする。そして、連打数とゲージを表示する(S704)。連打数の数値と「回」を表示し、更に連打数を所定比率のバー長に変換してゲージ表示する。これにより、図8に示した状態となる。図8は、気持ち入力画面(連打判定中)の例を示す図である。
【0036】
続いて、Webブラウザに表示された気持ち入力画面上でのクリックあるいはキー押下により発生するイベントを取得する(S705)。クリックは、例えばマウスのような操作デバイスのクリックボタンの押下による。イベントを取得すると、前回の連打ボタンクリックの発生時から所定時間が経過しているか判定する(S706)。初回においては、前回の連打ボタンクリックがまだ発生していないので、所定時間が経過していないと判定し、S707に移行する。取得したイベントが連打ボタンクリックではない場合には、S705に戻る。一方、取得したイベントが連打ボタンクリックである場合には、連打ボタンの発生時刻を得て一時的に記憶する(S708)。例えば、利用者端末102の内部時計から現在時刻を取得する。あるいは、入力行為計測プログラム内部に処理時間の経過をカウントする時計モジュールを設けて、その時計モジュールから時刻を取得するようにすることもできる。そして、連打数カウンタに1加算し(S709)、前述と同様に連打数とゲージを表示する(S710)。つまり、連打数とゲージの表示を更新する。そして、S705に戻る。2回目以降のループのS706の判定で、前回の連打ボタンクリックの発生時から所定時間が経過していない場合には、前述と同様にS707に移行し、所定時間が経過している場合には、S711に移る。開始ボタンアイコン、取消ボタンアイコン、及び確定ボタンアイコンを有効化する(S711)。これにより、開始ボタンアイコン302、取消ボタンアイコン303、及び確定ボタンアイコン304の網掛け表示は解除され、選択できることを示すように表示される。また、開始ボタンアイコン302、取消ボタンアイコン303、及び確定ボタンアイコン304をクリックすると、イベントが発生するように設定される。連打ボタンを無効化する(S712)。これにより、連打ボタンアイコン301は網掛け表示等により選択できないことを示すように表示される。また、連打ボタンアイコン301をクリックしても、イベントが発生しないように設定される。S712後の状態を図9に示す。図9は、気持ち入力画面(連打判定後)の例を示す図である。
【0037】
上述の所定時間は、連打行為時の前のクリック(押下)と後のクリック(押下)の時間的間隔についての最大許容値である。つまり、操作者が繰り返すクリックやキー操作において、連続入力を意図して繰り返していると想定される入力動作の間隔である。操作デバイスの反応性能にも依存するが、通常は、0.3〜1.0秒程度であると思われる。
【0038】
実施の形態2.
この実施の形態では、商品やサービスのレビュー(評価)に、本発明を応用する例を示す。
【0039】
旅行代理業における宿泊施設のサービスに対するレビューの例を示す。図10は、レビュー入力画面の例を示す図である。この画面では、連打ボタンアイコン301、開始ボタンアイコン302、取消ボタンアイコン303、確定ボタンアイコン304、及び連打数ゲージ305に加えて、レビュー対象である宿泊施設の写真や名称の他、レビューコメントを文字列として入力するための本文エリアが設けられている。
【0040】
本実施の形態における入力行為計測プログラムは、レビュー入力プログラムとなる。図11は、実施の形態2に係る入力行為計測プログラム処理フローを示す図である。取得したイベントが本文エリアへのクリックなどによる選択を示す場合には(S1102)、本文入力処理(S1103)で本文エリアへの文字列の入力を受け付けるように動作する。また、S1106では、連打数の他に本文に相当する文字列データも送信するように動作する。
【0041】
コンテンツ価値評価サーバ101では、評価者毎に、連打数と本文を受信し、評価者に対応付けてレビュー結果記憶部(図示せず)に記憶する。そして、レビュー表示の処理のおいては、連打数の平均を算出し、連打数の平均を「みんなの気持ち」として、数値及びバー表示する。また、各評価者のレビュー内容として、連打数を「気持ち」として数値で表示し、本文も表示する。
【0042】
図12は、レビュー表示画面の例を示す図である。この表示画面は、評価者ではなく第三者に対して表示する。表示画面は、評価者本人のユーザ名「太郎さん」、連打数「150回」およびレビュー「食事も美味しく、大満足です」を含む。また、複数のレビューを受信している場合には、表示画面は、レビュー件数「20件」および平均値「123回」を含む。
【0043】
連打数とともにユーザ名およびレビューを表示することにより、ユーザ名で特定される評価者のレビューに対する評価が実現できる。また、連打数とともに平均値を表示することにより、レビューに対する相対的な評価が実現できる。
【0044】
実施の形態3.
この実施の形態では、ブログのコメント入力に応用する例について説明する。特に、連打数により示される「気持ち」をマークで表示する特徴を有している。
【0045】
この例では、連打数を層別して、予め各層毎に対応するマークを設定しておき、連打数に応じて対応するマークを表示する。つまり、気持ちの重さを複数のレベルに分け、レベルを連打数の範囲で規定し、そのレベルに適したレベルマークを関連付けて用いる。
【0046】
図13は、コメント入力画面(初期状態)の例を示す図である。前述と同様に、連打ボタンアイコン301、開始ボタンアイコン302、取消ボタンアイコン303、及び確定ボタンアイコン304を有している。但し、前述の連打数ゲージ305に代えて、レベルマーク表示エリア1301が設けられている。レベルマーク表示エリア1301には、連打数により特定されたレベルのマークが表示される。
【0047】
その為、図7の連打判定処理のS704とS710では、ゲージの表示に代えて、マークの表示を行う。図14は、マーク表示処理フローを示す図である。連打数が、第一レベル範囲(0〜99回)に含まれる場合には(S1401)、第一レベルマークを表示する(S1402)。同様に、第二レベル範囲(100〜199回)に含まれる場合には(S1403)、第二レベルマークを表示し(S1404)、第三レベル範囲(200〜299回)に含まれる場合には(S1405)、第三レベルマークを表示し(S1406)、第四レベル範囲(300〜399回)に含まれる場合には(S1407)、第四レベルマークを表示する(S1408)。尚、レベルマークは、レベルマーク記憶部(図示せず)から読み出される。レベルマーク記憶部は、レベル毎にレベル範囲に対応付けてマークの画像データを記憶するように構成されている。レベルが大きくなるに従って、気持ちが激しく表現されるようにマーク画像を設定することが望ましい。
【0048】
更に、コメント入力画面は名前も入力できるように構成されている。その為、図11のS1102でイベントとして名前エリアが選択されると、名前の文字列を受け付けるように処理する。
【0049】
図15は、コメント入力画面(連打判定中)の例を示す図である。この例では、連打数が300回に達した時点で、第四レベルマークが表示された状態を示している。
【0050】
また、コメントを閲覧する際にも、同様に連打数により特定されるレベルに応じたマークが表示される。図16は、コメント表示画面の例を示す図である。
【0051】
コメント閲覧に関するコンテンツ価値評価サーバ101の動作について説明する。図17は、マーク変換処理に係る構成を示す図である。入力結果受信部507は、入力結果として、利用者端末102から連打数と名前と本文を受信し、連打数をコメント記憶部1701の連打数記憶部508に記憶させ、名前と本文をコメント記憶部1701の名前・本文記憶部1702に記憶させる。そして、閲覧を希望するユーザ端末から閲覧要求を受信した場合には、コメント画面生成部1703で、連打数からレベルを特定し、レベルに対応するマークをレベルマーク記憶部(図示せず)から読み出し、コメント画面に組み込む。また、連打数の数値表示(「回」の前)を設定し、更に名前と本文を名前・本文記憶部1702から読み出し、コメント画面に設定する。そして、コメント画面送信部1704を要求したユーザ端末に返信する。
【0052】
実施の形態4.
本実施の形態では、特定キーの連打により連打数をカウントする例について説明する。図18は、実施の形態4に係る気持ち入力画面(初期状態)の例を示す図である。連打ボタンアイコン301に代えて、上矢印キー(特定キーの例)の連打を促す指示が表示されている。特定キーとして、他の矢印キー、文字キー、数値キー、ファンクションキーなどを用いることもできる。
【0053】
図19は、実施の形態4に係る連打判定処理フローを示す図である。イベントが上矢印キーダウンであると判定し(S1906)、続けてイベントを取得し(S1907)、そのイベントが上矢印キーアップであると判定した場合に(S1908)、上矢印キーの一回の押下と判定し、連打数をカウントする(S1910)。
【0054】
実施の形態5.
連打以外にも、利用者(操作者)の気持ちを把握する方法として、ページのアクセス数や、ページの表示時間を用いることも考えられる。
【0055】
特定ページへのアクセス要求を受け付ける都度、当ページアクセス日時を記憶し、更に次に他のページへのアクセス要求を受け付けたときの次ページアクセス日時を記憶するページアクセス履歴テーブルを生成する。
【0056】
図20は、ページアクセス履歴テーブルの例を示す図である。特定ページへのアクセス要求の単位で、ユーザID、ページID,当ページアクセス日時、次ページアクセス日時を記憶している。
【0057】
ページアクセス履歴テーブルを用いて、特定ページへのアクセス回数や、ページの表示時間を算出し、利用者の気持ちの指標として用いることが考えられる。
【0058】
コンテンツ価値評価サーバ101は、コンピュータであり、各要素はプログラムにより処理を実行することができる。また、プログラムを記憶媒体に記憶させ、記憶媒体からコンピュータに読み取られるようにすることができる。
【符号の説明】
【0059】
101 コンテンツ価値評価サーバ
102 利用者端末
301 連打ボタンアイコン
302 開始ボタンアイコン
303 取消ボタンアイコン
304 確定ボタンアイコン
305 連打数ゲージ
501 ログイン部
502 利用者テーブル
503 気持ち入力画面要求受付部
504 気持ち入力画面送信部
505 気持ち入力画面記憶部
506 入力行為計測プログラム記憶部
507 入力結果受信部
508 連打数記憶部
509 ログアウト部
1301 レベルマーク表示エリア
1701 コメント記憶部
1702 名前・本文記憶部
1703 コメント画面生成部
1704 コメント画面送信部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介して、ブラウザを有する利用者端末と接続するコンテンツ価値評価サーバであって、以下の要素を有することを特徴とするコンテンツ価値評価サーバ
(1)利用者端末から、操作者の気持ちに関する指標を入力する気持ち入力画面の要求を受信する気持ち入力画面要求受付部
(2)ブラウザで表示可能な前記気持ち入力画面を記憶する気持ち入力画面記憶部
(3)気持ち入力画面をブラウザにより表示した状態で、操作デバイスへの複数回の入力行為を受け付け、入力行為数をカウントし、カウントした入力行為数を入力結果として返信する入力行為計測プログラムを記憶する入力行為計測プログラム記憶部
(4)気持ち入力画面要求を受信した場合に、気持ち入力画面記憶部から気持ち入力画面を読み出し、入力行為計測プログラム記憶部から入力行為計測プログラムを読み出し、読み出した気持ち入力画面と入力行為計測プログラムを、利用者端末へ返信する気持ち入力画面送信部。
【請求項2】
更に、
(5)利用者端末から、気持ち入力画面に対する入力結果として返信される入力行為数を受信する入力結果受信部と
(6)受信した入力行為数を記憶する入力行為数記憶部を有することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ価値評価サーバ。
【請求項3】
更に、
(7)ログイン中のユーザを特定し、特定したユーザに対応付けて入力行為数を、入力行為数記憶部に記憶させる入力行為数登録部を有することを特徴とする請求項2記載のコンテンツ価値評価サーバ。
【請求項4】
更に、
操作者のレビュー入力を受信してレビューを記憶するレビュー結果記憶部と、ユーザのブラウザに評価を表示させるレビュー表示部を有し、レビュー表示部がレビュー表示処理において、レビューとともに入力行為数を表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンテンツ価値評価サーバ
【請求項5】
更に、
レビュー表示部は、入力行為数の平均を算出し、レビュー表示処理において、平均値ととともに、レビュー、レビューを入力したユーザ名および当該ユーザの入力行為数を表示することを特徴とする請求項4記載のコンテンツ価値評価サーバ。
【請求項6】
更に、
気持ち入力画面は、連打ボタンアイコンを有し、入力行為計測プログラムは、連打ボタンアイコンへのクリックの連打数をカウントすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンテンツ価値評価サーバ。
【請求項7】
更に、
入力行為計測プログラムは、連打ボタンアイコンへのクリックが所定間隔内で繰り返された回数を連打数としてカウントすることを特徴とする請求項6記載のコンテンツ価値評価サーバ。
【請求項8】
更に、
入力行為計測プログラムは、特定キー対する押下の連打数をカウントすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンテンツ価値評価サーバ。
【請求項9】
更に、
入力行為計測プログラムは、特定キー対する押下が所定間隔内で繰り返された回数を連打数としてカウントすることを特徴とする請求項8記載のコンテンツ価値評価サーバ。
【請求項10】
更に、
入力行為計測プログラムは、連打数に対応するマークを気持ち入力画面に表示させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のコンテンツ価値評価サーバ。
【請求項11】
更に、
入力行為計測プログラムは、連打数に対応するゲージを気持ち入力画面に表示させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のコンテンツ価値評価サーバ。
【請求項12】
インターネットを介して、ブラウザを有する利用者端末と接続し、
ブラウザで表示可能な気持ち入力画面を記憶する気持ち入力画面記憶部と、気持ち入力画面をブラウザにより表示した状態で、操作デバイスへの複数回の入力行為を受け付け、入力行為数をカウントし、カウントした入力行為数を入力結果として返信する入力行為計測プログラムを記憶する入力行為計測プログラム記憶部を有する
コンテンツ価値評価サーバによるコンテンツ価値評価方法であって、以下の要素を有することを特徴とするコンテンツ価値評価方法
(1)利用者端末から、操作者の気持ちに関する指標を入力する前記気持ち入力画面の要求を受信する気持ち入力画面要求受付工程
(2)気持ち入力画面要求を受信した場合に、気持ち入力画面記憶部から気持ち入力画面を読み出し、入力行為計測プログラム記憶部から入力行為計測プログラムを読み出し、読み出した気持ち入力画面と入力行為計測プログラムを、利用者端末へ返信する気持ち入力画面送信工程。
【請求項13】
インターネットを介して、ブラウザを有する利用者端末と接続し、
ブラウザで表示可能な気持ち入力画面を記憶する気持ち入力画面記憶部と、気持ち入力画面をブラウザにより表示した状態で、操作デバイスへの複数回の入力行為を受け付け、入力行為数をカウントし、カウントし入力行為数を入力結果として返信する入力行為計測プログラムを記憶する入力行為計測プログラム記憶部を有する
コンテンツ価値評価サーバとなるコンピュータに、以下の手順を実行させるためのプログラム
(1)利用者端末から、操作者の気持ちに関する指標を入力する前記気持ち入力画面の要求を受信する気持ち入力画面要求受付手順
(2)気持ち入力画面要求を受信した場合に、気持ち入力画面記憶部から気持ち入力画面を読み出し、入力行為計測プログラム記憶部から入力行為計測プログラムを読み出し、読み出した気持ち入力画面と入力行為計測プログラムを、利用者端末へ返信する気持ち入力画面送信手順。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−123779(P2011−123779A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282344(P2009−282344)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】