説明

入力装置、リモコン、現金自動取引機及び操作ボタン

【課題】操作者がタッチパネルの操作を行ったときに好適な操作感を与える入力装置等を提供する。
【解決手段】入力装置1は、仮想キー5を表示する表示部12と表示部12上に積層された感圧部13とを備える感圧式のタッチパネル4と、タッチパネル4の上方で表示部12に表示される仮想キー5に対応する位置に配置され、感圧部13を押圧可能な押圧部14を有する操作ボタン2と、を具備する。操作ボタン2は、アクリル樹脂やスチレン樹脂で形成され、タッチパネル4の表示部12に表示される仮想キー5が視認可能な透明性と適度な操作感が得られる硬さを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入力装置、リモコン、現金自動取引機及び操作ボタンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器はますます省スペース化する傾向にある。これに伴って、電子機器の操作キー等の入力部も小型化されることが望まれる。
【0003】
しかしながら、入力部を小型化する場合、例えば個々の操作キーが小さくなり、操作者が操作を行った場合でも、その操作感が得にくいという欠点がある。これを解決するものとして、特許文献1には、押圧部に応力発光材料や振動発生素子を設け、操作時に発光したり、振動したりするスイッチやボタン等の例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−146302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子機器の入力部にタッチパネルが用いられる場合がある。タッチパネルを入力部として用いることにより、直感的な操作が可能になるとともに、電子機器の省スペース化が図られる。しかしながら、タッチパネルを用いた場合、ほぼタッチパネルに触れるだけで、触れた個所に対応する操作が行われるので、操作時の抵抗感である操作感がほとんど得られないという欠点がある。
【0006】
一方で、入力部としてボタンが用いられる場合がある。この場合、タッチパネルのように直感的な操作を行うことはできないが、ボタンを押す際に抵抗感が得られ、操作感を向上させることができる。一般的にこのようなボタンは塩ビ材やウレタンで形成されることが多いが、塩ビ材は経年劣化により黄化して透明度が下がり、ウレタンはボタンとしてはやや柔らかいという欠点がある。以上の知見を踏まえ、操作者がタッチパネルの操作を行ったときに好適な操作感を与える入力装置等について検討を行った。
【0007】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、操作者がタッチパネルの操作を行ったときに好適な操作感を与える入力装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題を解決するための第1の発明は、仮想キーを表示する表示部と前記表示部上に積層された感圧部とを備える感圧式のタッチパネルと、前記タッチパネルの上方で前記表示部に表示される仮想キーに対応する位置に配置され、前記感圧部を押圧可能な押圧部を有し、アクリル樹脂もしくはスチレン樹脂で形成される操作ボタンと、を具備することを特徴とする入力装置である。
【0009】
前記操作ボタンはアクリル樹脂で形成され、前記アクリル樹脂は、アクリル酸n−ブチル重合体ブロックの両末端にメタクリル酸メチル重合体ブロックが結合した構造のトリブロック共重合体を含むアクリル系熱可塑性エラストマーであることが望ましい。
【0010】
前記押圧部は錐台形の形状を有し、前記押圧部の底面には突起部が設けられる。前記操作ボタンは、前記表示部に表示される仮想キーが視認可能な透明性を有する。
【0011】
上記の構成により、タッチパネルの上方に配置される操作ボタンの押圧部を押下することによりタッチパネルの操作がなされ、タッチパネルの操作時に適度な操作感が得られる入力装置を提供することができる。操作ボタンは適切な素材により形成され、透明性を有し、仮想キーが視認可能である。また、触覚を頼りに操作を行うことができるので、目の不自由な人が操作を行う助けにもなる。
【0012】
前述した目的を達するための第2の発明は、第1の発明の入力装置を具備することを特徴とするリモコンである。
【0013】
前述した目的を達するための第3の発明は、第1の発明の入力装置を具備することを特徴とする現金自動取引機である。
【0014】
前述した目的を達するための第4の発明は、仮想キーを表示する表示部と前記表示部上に積層された感圧部とを備える感圧式のタッチパネルの上方で、前記表示部に表示される仮想キーに対応する位置に配置され、前記感圧部を押圧可能な押圧部を有し、アクリル樹脂もしくはスチレン樹脂で形成されることを特徴とする操作ボタンである。
【0015】
前記操作ボタンは、アクリル酸n−ブチル重合体ブロックの両末端にメタクリル酸メチル重合体ブロックが結合した構造のトリブロック共重合体を含むアクリル系熱可塑性エラストマーであるアクリル樹脂で形成されることが望ましい。
【0016】
前記操作ボタンは、前記タッチパネルを備える電子機器と脱着可能に接続する接続部を更に有してもよい。また、前記押圧部は錐台形の形状を有し、前記押圧部の底面には突起部が設けられる。前記操作ボタンは前記表示部に表示される仮想キーが視認可能な透明性を有する。
【0017】
上記の構成により、タッチパネルの上方に配置される操作ボタンの押圧部を押下することによりタッチパネルの操作がなされ、タッチパネルの操作時に適度な操作感が得られる操作ボタンを提供することができる。操作ボタンは適切な素材により形成され、透明性を有し、仮想キーが視認可能である。また、触覚を頼りに操作を行うことができるので、目の不自由な人が操作を行う助けにもなる。さらに、操作ボタンを電子機器に対して脱着可能とする接続部を設けると、操作ボタンを必要に応じて電子機器に取り付けたり、電子機器から取り外したりすることができる。
【0018】
前述した目的を達するための第5の発明は、アクリル樹脂もしくはスチレン樹脂で形成され、押下可能な押圧部と、前記押圧部の周囲に配置される枠体と、前記押圧部と前記枠体とを連結する連結部と、を具備し、前記押圧部は錐台形の形状を有し、前記押圧部の底面には突起部が設けられることを特徴とする操作ボタンである。上記構成により、適切な素材により形成され、操作時に適度な操作感が得られる操作ボタンを提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、操作者がタッチパネルの操作を行ったときに好適な操作感を与える入力装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の入力装置等の第1の実施形態を示す斜視図
【図2】本発明の入力装置等の第1の実施形態を示す断面図
【図3】本体部に対する操作ボタンの脱着を示す図
【図4】操作ボタンの押圧部の押下を示す図
【図5】タッチパネルの表示部に表示される表示画面の例を示す図
【図6】本発明の入力装置等の第2の実施形態を示す斜視図
【図7】本発明の入力装置等の第2の実施形態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の入力装置等の実施形態について説明する。まず、図1、図2を参照しながら、本発明の入力装置の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の入力装置等の第1の実施形態を示す斜視図である。図2は、本発明の入力装置等の第1の実施形態を示す断面図であり、図2(a)は図1のA−A’における断面図、図2(b)は図1のB−B’における断面図である。第1の実施形態の入力装置は、電子機器であるリモコンに設けられる。
【0022】
図1に示すように、リモコン10は、本体部3に入力装置1、上部カバー7、取付部9等を取り付けて構成される。その他、不図示の制御部、通信部等が設けられる。リモコン10の入力装置1の操作により、DVD(Digital Versatile Disc)の再生、早送り等の操作を行ったり、テレビのチャンネル操作を行ったり、照明等の機器のON/OFFを行ったりすることができる。
【0023】
図1、図2に示すように、本体部3は全体が略直方体の形状を有する。本体部3の中央部分は平面が矩形状に窪んでおり、空間6が形成される。本体部3の縦方向(図1のB−B’方向に対応)の一方の端部の横方向(図1のA−A’方向に対応)の両端には、一対の取付部9が設けられる。上部カバー7は横方向の軸11を回転軸として取付部9に軸支され、横方向を軸として回転する。
【0024】
入力装置1は操作ボタン2とタッチパネル4を具備する。タッチパネル4は感圧式のもので、表示部12と感圧部13を備える。図2に示すように、タッチパネル4は、本体部3の空間6の底部で感圧部13が表示部12の上に積層するように配置される。表示部12と感圧部13は、リモコン10に設けられた制御部と電気的に接続する。表示部12は液晶ディスプレイなどの平面ディスプレイであり、図形や文字など、操作を行うための仮想キー5をタイル状に表示する。感圧部13は2つの透明電極が鉛直方向に空隙をあけて上下に対向して配置されたものである。上方の透明電極が押圧されることで2つの電極が接触して通電し、リモコン10に設けられた制御部により押圧(通電)位置の検出が行われる。表示部12に表示される画面は、透明な感圧部13を通して外部から認識可能である。
【0025】
図1、図2に示すように、操作ボタン2はタッチパネル4の上方に配置され、押圧部14、枠体15、連結部16、突起部17を有する。押圧部14は錐台形の形状を有し、縦方向および横方向に間隔をあけて配置される。枠体15は操作ボタン2の外周部および押圧部14の間に配置され、各押圧部14の周囲が枠体15で囲まれる。押圧部14と枠体15は、枠体15よりも厚みの小さい連結部16で連結される。押圧部14の底面には、下方に突出する突起部17が設けられる。
【0026】
操作ボタン2の外周部の枠体15は、本体部3の空間6の外周部8に接続する。操作ボタン2の押圧部14はタッチパネル4の上方に、鉛直方向に空隙をあけて配置される。各押圧部14の平面位置はタッチパネル4の表示部12に表示される仮想キー5の平面位置に対応する。押圧部14を押下することにより、入力装置1のタッチパネル4の操作を行うことができる。
【0027】
操作ボタン2は、タッチパネル4の表示部12に表示される仮想キー5が視認可能な透明性と、押圧部14の押下時に適度な抵抗感があることにより適度な操作感が得られる硬さを有する。操作ボタン2は、アクリル樹脂やスチレン樹脂を素材として射出成型して形成される。より好ましくは、アクリル樹脂のうち、アクリル酸n−ブチル重合体ブロックの両末端にメタクリル酸メチル重合体ブロックが結合した構造のトリブロック共重合体からなるアクリル系熱可塑性エラストマーを素材として形成されればよい。より具体的には、例えばアクリル樹脂のうち前記のアクリル系熱可塑性エラストマーとして、株式会社クラレのLAポリマー等を用いることができる。特に、LAポリマーの1つであるLAB−730やLA4285を好適に用いることができる。また、例えば前記のスチレン樹脂として、スチレン・ブタジエンブロックコポリマーである旭化成ケミカルズ株式会社のアサフレックス(登録商標)等を用いることができる。
これにより、塩ビ材のように黄化により透明度が低下したり、ウレタンのようにボタンとして柔らかすぎることがなく、透明性とタッチパネルの操作時に適度な操作感が得られる硬さを有する操作ボタン2が形成できる。
【0028】
操作ボタン2は、前述のようにリモコン10の本体部3の空間6の外周部8に接続し、本体部3と一体となっていてもよいが、図3に示すように、空間6の外周部8の上面に嵌合穴部19を設けるとともに、操作ボタン2の外周部の枠体15の下面に嵌合穴部19と嵌合可能な形状を有する嵌合突起部20を接続部として設け、操作ボタン2をリモコン10の本体部3に対して脱着可能としてもよい。これにより、操作ボタン2を必要に応じてリモコン10に取り付けたり、リモコン10から取り外したりすることができる。
【0029】
タッチパネル4の操作を行う際は、図4に示すように、操作したい仮想キー5に対応する操作ボタン2の押圧部14の上面を指18で押下する。すると、押圧部14の底面の突起部17が感圧部13で表示部12に表示された仮想キー5に対応する位置を押圧する。リモコン10に設けられた制御部は押圧された感圧部13の位置を検出し、表示部12で当該位置に表示された仮想キー5に応じて、操作信号をリモコン10の通信部から操作対象機器に送信したり、表示部12の表示画面を変更したりする。
【0030】
リモコン10のタッチパネル4の表示部12では表示画面を変更して様々な仮想キー5の表示を行うことができ、仮想キー5に応じた様々な操作を行うことが可能である。図5はタッチパネル4の表示部12に表示される表示画面の例である。図5(a)や図1に示されているのは仮想キー5がDVDの再生、早送り等の操作に対応する例である。この状態において、例えば「DVD再生」の仮想キー5の操作を、図4に示したように対応する操作ボタン2の押圧部14を押下して行い、押圧部14の下方の突起部17がタッチパネル4の感圧部13を押圧すると、リモコン10に設けられた制御部は、感圧部13で突起部17が押圧した位置を検出し、当該位置が表示部12に表示される「DVD再生」の仮想キー5の位置に対応することに伴って、DVD再生を示す操作信号を通信部を介してDVDプレイヤー等の操作対象機器に送信する。
【0031】
また、例えば「MENU」の仮想キー5の操作を、図4に示したように対応する押圧部14の押下により行い、押圧部14の底面の突起部17が感圧部13を押圧すると、リモコン10に設けられた制御部は、感圧部13で突起部17が押圧した位置を検出し、当該位置が表示部12に表示される「MENU」の仮想キー5の位置に対応することに伴って、図5(b)に示すようなメニュー画面をタッチパネル4の表示部12に表示させる。このようにしてタッチパネル4の操作を行うことができる。この他、図5(b)のメニュー画面から図5(c)に示すようなテレビのチャンネル選択画面を表示したり、照明等その他の機器の操作を行ったりすることもできる。
【0032】
このように、第1の実施形態の入力装置1では、タッチパネル4の上方に操作ボタン2の押圧部14が配置され、各押圧部14の平面位置はタッチパネル4の表示部12に表示された仮想キー5の平面位置に対応する。押圧部14を押下することにより、押圧部14の底面に設けられた突起部17が、タッチパネル4の感圧部13で表示部12に表示された仮想キー5に対応する位置を押圧し、当該仮想キー5に対応する操作を行うことができる。操作ボタン2は塩ビ材やウレタンの代わりにアクリル樹脂やスチレン樹脂で形成される。従って、黄化により透明度が低下したりボタンとして柔らかすぎることがなく、タッチパネル4の表示部12に表示される仮想キー5が視認可能な透明性と、適度な操作感が得られる硬さを有するので、仮想キー5が視認可能であるとともに、タッチパネル4の操作(押圧部14の押下)時に好適な操作感を得ることができる。また、触覚を頼りに操作を行うことができるので、目の不自由な人が操作を行う助けとなる。
【0033】
なお、本実施形態の操作ボタン2の押圧部14は錐台形の形状を有し、縦方向および横方向に配置され、各押圧部14の平面位置は表示部12にタイル状に表示された仮想キー5の平面位置に対応する。しかしながら、押圧部14の配置や形状はこれに限ることはなく、仮想キー5の表示位置や平面形状等に応じて様々に定めることができる。
また、操作ボタン2の形状も、押圧部14を有する限りにおいて様々に定めることができ、例えば錐台形の形状を有する複数の押圧部14が、その下部同士で接続しながら縦横に連続するようにすることも可能である。
【0034】
続いて、図6、図7を参照しながら、本発明の入力装置の第2の実施形態について説明する。図6は本発明の入力装置の第2の実施形態を示す斜視図である。図7は本発明の入力装置の第2の実施形態を示す断面図であり、図7(a)、図7(b)は図5のC−C’における断面図の例である。第2の実施形態の入力装置は、電子機器である現金自動取引機(以下、「ATM」(Automated Teller Machine)と称する)に設けられる。
【0035】
図6に示すように、ATM30は入力装置21、硬貨投入口32、紙幣投入口34、カード挿入口35、通帳挿入口36を有する。その他、不図示の制御部、通信部等が設けられる。ATM30の入力装置21の操作により、数値入力等を行うことができる。
【0036】
図6、図7(a)に示すように、入力装置21は、第1の実施形態と同様、操作ボタン22とタッチパネル23を具備する。タッチパネル23は感圧式のもので、表示部24と感圧部25を備える。タッチパネル23は、ATM30の外面で感圧部25が表示部24の上に積層するように配置される。表示部24と感圧部25は、ATM30に設けられた制御部と電気的に接続する。表示部24は液晶ディスプレイなどの平面ディスプレイであり、数値入力等の操作を行うためのテンキー等の仮想キー26をタイル状に表示する。感圧部25は2つの透明電極が鉛直方向に空隙をあけて上下に対向して配置されたものである。上方の透明電極が押圧されることで2つの電極が接触して通電し、ATM30に設けられた制御部により押圧(通電)位置の検出が行われる。表示部24に表示される画面は、透明な感圧部25を通して外部から認識可能である。
【0037】
図6、図7(a)に示すように、操作ボタン22は、第1の実施形態と同様、タッチパネル23の上方に配置され、押圧部27、枠体28、連結部29、突起部31を有する。押圧部27は錐台形の形状を有し、縦方向および横方向に間隔をあけて配置される。枠体28は操作ボタン22の外周部および押圧部27の間に配置され、各押圧部27の周囲が枠体28で囲まれる。押圧部27と枠体28は、枠体28よりも厚みの小さい連結部29で連結される。押圧部27の底面には、下方に突出する突起部31が設けられる。
【0038】
操作ボタン22の外周部の枠体28は他の部分に比べて下方に長く、下面がタッチパネル23に接する。操作ボタン22の押圧部27はタッチパネル23の上方に、鉛直方向に空隙をあけて配置される。各押圧部27の平面位置はタッチパネル23の表示部24に表示される仮想キー26の平面位置に対応する。押圧部27を押下することにより、入力装置21のタッチパネル23の操作を行うことができる。
【0039】
第1の実施形態と同様、操作ボタン22は、タッチパネル23の表示部24に表示される仮想キー26が視認可能な透明性と適度な操作感が得られる硬さを有する。第1の実施形態の操作ボタン2と同様の特性を有する素材で形成され、アクリル樹脂やスチレン樹脂を用いることができる。
【0040】
タッチパネル23の操作を行う際は、図4に示したものと同様、操作したい仮想キー26に対応する押圧部27の上面を押下する。すると、押圧部27の底面の突起部31が感圧部25で表示部24に表示された仮想キー26に対応する位置を押圧する。ATM30に設けられた制御部は押圧された感圧部25の位置を検出し、表示部24で当該位置に表示された仮想キー26に応じて、数値入力等が行われたと判断する。このようにしてタッチパネル23の操作を行うことができる。
【0041】
なお、図7(b)に示すように、タッチパネル23を囲むようにタッチパネル23の法線方向に突出する外枠33をATM30に設け、外枠33と操作ボタン22の外周部の枠体28が接するようにしてもよい。また、図3に示したように、外枠33の上面に嵌合穴部を設けると共に、操作ボタン22の外周部の枠体28の下面に嵌合穴部と嵌合可能な形状を有する嵌合突起部を接続部として設け、操作ボタン22をATM30に対して脱着可能としてもよい。これにより、操作ボタン22を必要に応じてATM30に取り付けたり、ATM30から取り外したりすることができる。
【0042】
このように、第2の実施形態の入力装置21においても、タッチパネル23の上方に操作ボタン22の押圧部27が配置され、各押圧部27の平面位置はタッチパネル23の表示部24に表示された仮想キー26の平面位置に対応する。押圧部27を押下することにより、押圧部27の底面に設けられた突起部31が、タッチパネル23の感圧部25で表示部24に表示された仮想キー26に対応する位置を押圧し、当該仮想キー26に対応する数値入力等の操作を行うことができる。操作ボタン22は第1の実施形態の操作ボタン2と同様、塩ビ材やウレタンの代わりにアクリル樹脂やスチレン樹脂で形成される。従って、黄化により透明度が低下したりボタンとして柔らかすぎることがなく、タッチパネル23の表示部24に表示される仮想キー26が視認可能な透明性と、適度な操作感が得られる硬さを有するので、仮想キー26が視認可能であるとともに、タッチパネル23の操作(押圧部27の押下)時に好適な操作感を得ることができる。また、触覚を頼りに操作を行うことができるので、目の不自由な人が操作を行う助けとなる。
【0043】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る入力装置等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本発明の操作ボタンは、タッチパネルの上方に配置するものでなくともよく、押圧部を押下することにより操作が行われる他の入力装置の一部として使用することも可能である。
【符号の説明】
【0044】
1、21………入力装置
2、22………操作ボタン
4、23………タッチパネル
5、26………仮想キー
10………リモコン
12、24………表示部
13、25………感圧部
14、27………押圧部
15、28………枠体
16、29………連結部
17、31………突起部
19………嵌合穴部
20………嵌合突起部
30………ATM(現金自動取引機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想キーを表示する表示部と前記表示部上に積層された感圧部とを備える感圧式のタッチパネルと、
前記タッチパネルの上方で前記表示部に表示される仮想キーに対応する位置に配置され、前記感圧部を押圧可能な押圧部を有し、アクリル樹脂もしくはスチレン樹脂で形成される操作ボタンと、
を具備することを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記操作ボタンはアクリル樹脂で形成され、前記アクリル樹脂は、アクリル酸n−ブチル重合体ブロックの両末端にメタクリル酸メチル重合体ブロックが結合した構造のトリブロック共重合体を含むアクリル系熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記押圧部は錐台形の形状を有し、前記押圧部の底面には突起部が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記操作ボタンは、前記表示部に表示される仮想キーが視認可能な透明性を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の入力装置を具備することを特徴とするリモコン。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の入力装置を具備することを特徴とする現金自動取引機。
【請求項7】
仮想キーを表示する表示部と前記表示部上に積層された感圧部とを備える感圧式のタッチパネルの上方で、前記表示部に表示される仮想キーに対応する位置に配置され、前記感圧部を押圧可能な押圧部を有し、アクリル樹脂もしくはスチレン樹脂で形成されることを特徴とする操作ボタン。
【請求項8】
アクリル酸n−ブチル重合体ブロックの両末端にメタクリル酸メチル重合体ブロックが結合した構造のトリブロック共重合体を含むアクリル系熱可塑性エラストマーであるアクリル樹脂で形成されることを特徴とする請求項7に記載の操作ボタン。
【請求項9】
前記タッチパネルを備える電子機器と脱着可能に接続する接続部を更に有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の操作ボタン。
【請求項10】
前記押圧部は錐台形の形状を有し、前記押圧部の底面には突起部が設けられることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の操作ボタン。
【請求項11】
前記表示部に表示される仮想キーが視認可能な透明性を有することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の操作ボタン。
【請求項12】
アクリル樹脂もしくはスチレン樹脂で形成され、
押下可能な押圧部と、前記押圧部の周囲に配置される枠体と、前記押圧部と前記枠体とを連結する連結部と、を具備し、
前記押圧部は錐台形の形状を有し、前記押圧部の底面には突起部が設けられることを特徴とする操作ボタン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−8392(P2011−8392A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149662(P2009−149662)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】