説明

入力装置及び再生方法

【課題】 特別なソフトウェアをコンピュータにインストールすることなく他の入力装置の入力やインターネットの各種機能入力が1つのホイールで切換選択可能な入力装置及び入力方法を得る。
【解決手段】 マウス本体20内に各種機能切換可能なCUP49及び機能選択用スイッチ42L、42Rを設け、ホストコンピュータ32のディスプレイ33に直接接続或いはデータ伝達可能とし、イメージ29を1つのホイール走査で制御可能な入力装置及び入力方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USB(Universal Serial Bus)プラグを有するマウスやポインテングデバイスの様な入力装置及び入力方法に係わり、特に、スクロールホイールの回転及び押圧の他に左右に揺動可能となし、キーボード等の他の入力装置が持つ複数の機能を出力できる様にしたスクロールホイールを有する入力装置及び入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マウスのハウジングに設けた、スクロールホイールの一部を突出させて、回動可能に収容してユーザが操作できるようにするために、このスクロールホイールをシャフトの周りにエンドレスに回動可能で、且つ、シャフトに直交する軸を中心にして揺動可能とし、このスクロールホイールの回動を検出するためのセンサと、シャフトに直交する軸上に設けた揺動センサからの信号に基づき、ディスプレイ上のイメージを、回動に応答して垂直スクロールし、揺動に応答して水平スクロールする様にした入力装置としてのマウスが特許文献1に開示されている。
【0003】
上述の特許文献1に開示されている構成によれば、図9に示す様にユーザがディスプレイ上のイメージを複数のY及びX軸に沿って複数の方向にスクロールしたい時は、ユーザがスクロールホイール1を回動させ、及び/又は、横方向に動かすと、夫々、縦方向及び/又は横方向にスクロールされる。ユーザがスクロールホイール1とシャフト2を回動させたとき、その回動が回動検出システム(図示せず)によって検出され、イメージがディスプレイのY軸方向に、すなわち上方または下方のいずれかにスクロールされる回動検出システムを使用することができる。この検出システムは周知のもので、光源と、エンコーダホイールと、光検出器とが含まれ、スクロールホイール1を回動させたとき、エンコーダホイール上のブレードが光線を周期的に遮断する。この光検出器はこの遮断を検出するものであり、コントローラに結合されており、信号を生成してその信号をホストコンピュータに中継し、ディスプレイ上のイメージをY方向に上下にスクロールしている。
【0004】
スクロールホイール1には、横方向動き検出システム3が含まれており、横方向動き検出システム3は少なくとも1つのセンサ4L、4Rを有し、このセンサ4L、4Rにより、スクロールホイール1がいつ横方向の動きをしたかを検出する。スクロールホイール1には、コントローラも含まれており、このコントローラにより、センサ4L、4Rからの出力が解釈され、その出力が信号に変換されて得られた信号がホストコンピュータ(図示せず)に供給される。
【0005】
コントローラには、マイクロプロセッサ5L、5Rが含まれ、このマイクロプロセッサ5L、5Rにはセンサ4L、4Rが接続してあり、このセンサ4L、4Rにより、スクロールホイール1の横方向の動きを表す信号のホストコンピュータ用信号が生成される。この生成された信号は、スクロールホイール1への横方向の応力を表しており、この信号によりディスプレイ上のイメージのX軸方向のスクロールが制御される。したがって、イメージは、応力の大きさと方向に応じて、スクロールされる。スクロールホイール1の横方向の動きには、ハウジング6に対するスクロールホイール1の直線移動(シャフト2の横方向の動き)と、スクロールホイール1の横方向へのチルト(tilt)即ち、揺動が含まれる。
【0006】
センサ4L、4Rは、図9に示すように、シャフト2の端部7L、7Rの近傍に配置することができる。或いは、センサ4L、4Rはスクロールホイール1の側面に接触するように、ハウジング6の内面に固定させることもできる。センサ4L、4Rは、接触センサか、歪みゲージか、又は付勢された圧力板(force plate)か、周知の圧力センサか、動きセンサの例えば光センサか、水銀スイッチ等を使用することもできる。
【0007】
図9に示す例では、マウスのハウジング6内ではなくキーボードのハウジング内に置いた場合であるが、シャフト2の各端部7L、7R近傍にセンサ4L、4Rが配置してある。スクロールホイール1が誤って横方向に微小に動かされても、シャフト2がこれら接触センサ4L、4Rのどれにも接触しないようにするため、これらセンサ4L、4Rをシャフト2の端部7L、7Rから離して配置している。又、シャフト2のハウジング6内の最大許容動きに対応する位置に、これらセンサ4L、4Rを配置しても良い。
【0008】
シャフト2の端部7L、7Rか、スクロールホイール1の側面か、又はスクロールホイール1若しくはシャフト2から延在させた他の構造物例えばフランジがこれらセンサ4L、4Rに接触すると、センサ4L、4Rにより信号が生成され、この信号がマイクロプロセッサ5L、5Rを介して、ホストコンピュータに中継される。そこで、ユーザがイメージをX軸方向に移動させたいときは、ユーザは、所望の水平スクロール方向と一致する横方向に、スクロールホイール1を動かすことでシャフト2がいずれかのセンサ4L、4Rに接触するまでスライドさせる。図9に示した構成では、シャフト2の端部7L、7Rがセンサ4L、4Rのいずれかと接触した後に、ディスプレイ画面内イメージのスクロールが開始される様に成されている。
【0009】
又、マウスハウジングの上面に設けたボール又はホイールの他にマウスハウジングの左右側面にスクロールホイールを設け、左右ホイールの回転動作情報を利用して、コンユータの画面上の表示内容をスクロールしたり、ズームしたり、イメージを回転する様なプログラムを構成したスクロールマウスが特許文献2に開示されている。
【0010】
図10は特許文献2に開示されたマウスに設けられたこれらのボールマウスの斜視図を示すものであり、図10に於いて、10はマウス本体、11は上面のスクロール用ボール或いはホイール、12Lは左側面のホイール、12Rは右側面のホイールである。これらのボールやホイールはその回転動作をコンピュータに伝えることができ、コンピュータソフトウェアがその情報を利用して、コンピュータ画面上の表示内容をスクロールしたりズームしたり、画面上の表示物を回転する。この様なマウス本体10に設けられたボール11や各ホイール12L、12Rの回転動作情報の利用例が以下(イ)乃至(ハ)の様に示されている。
【0011】
(イ) テキスト編集の場合の上面ボール11は上下と左右方向にスクロールし、画像編集の場合は任意方向にスクロールし、左側面ホイール12Lはズームする。
(ロ) 上面ボール11は水平面内の任意軸のまわりに表示物を回転し、左側面ホイール12Lは鉛直軸のまわりに表示物を回転し、右側面ホイール12Rはズームする。
(ハ) 上面ホイール11は上下にスクロールし、左側面ホイール12Lは左右にスクロールし、右側面ホイール12Rはズームする。
【0012】
上述の構成によれば、上面ボール11の回転により任意方向へのスクロールや表示物の任意方向への回転が可能になる。又、左右側面のホイール12L、12Rを夫々回転することにより、キーボード上のキーを押さずともマウス本体10を持つ手だけで、コンピュータ画面の表示内容をスクロール或いはズームすることができる旨の記載がある。
【0013】
上記した、特許文献1及び特許文献2に記載の入力装置やマウスの構成によると、シャフト2付のスクロールホイール1や左右側面ホイール12L、12R等をマウスに付加して、他の機能を動作させるためにはこれ等の機能動作を行なうためのソフトウェアを用意し、コンピュータ上にインストールした後にマウスを使用する煩わしさがあった。
【0014】
又、従来の一般的に使用されているマウスでは専用のソフトウェアが無い場合は左右釦、スクロール、スクロール釦、カーソル移動のみをコンピュータに入力していたために、入力装置としてはマウスとキーボードとを併用しなければならない煩わしさがあった。
【特許文献1】特開2004−38947号公報
【特許文献2】特開2001−344068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、本発明が解決しようとする第1の目的は、キーボード上で複数のキー操作を行なうと共にマウス操作をしなければならないキーボード上の操作の一部をマウスのみで入力可能な入力装置及び入力方法を提供するものである。
【0016】
本発明の第2の目的はマウス等の入力装置に付加するソフトウェアを用意する必要が無く、マウスにUSBプラグを設け直接コンピュータに接続するだけで各種機能動作可能な入力装置及び入力方法を提供するものである。
【0017】
本発明の第3の目的はマウス等の入力装置に切換手段を付加することで複数の機能動作をマウス本体に持たせ複数の各種機能を切換動作可能な入力装置及び入力方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の入力装置は、画面表示装置の画面上に映出したイメージを制御するように成した入力装置に於いて、入力装置のハウジング上に設けられ、ハウジングの垂直方向の押圧及び垂直方向と直交する水平方向に揺動可能と成されたスクロール用の回動手段と、ハウジングの側面或いは底面に設けられた複数の機能切換用の切換手段と、複数の機能を切換え動作させるコンピュータと、を具備し、機能切換用の切換手段の機能切換に応じてスクロール用の回動手段の水平方向の揺動により所定の機能を画面表示手段に出力するように成したものである。
【0019】
本発明の再生方法は、画面表示手段の画面上に映出したイメージを制御するように成した入力装方法に於いて、この入力方法に用いられるハウジング上に設けられたスクロール用の回動手段をハウジングの垂直方向の押圧及び垂直方向と直交する水平方向に揺動させるステップと、ハウジングの側面或いは底面に設けられた複数の機能切換用の切換手段を切換えるステップと、コンピュータにより複数の機能の一つを切換えたステップに対応した動作を出力させるステップと、を有し、機能切換用の切換ステップの機能切換に応じてスクロール用の回動手段の左右方向の揺動ステップにより所定の機能を画面表示手段に出力するように成したものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、キーボード上で複数のキー操作を行なうと共にマウス操作をしなければならないキーボード上の操作の一部をマウスのみで入力可能な入力装置及び入力方法を得ることが出来る。
【0021】
本発明によると、マウス等の入力装置に付加するソフトウェアを用意する必要が無く、マウスにUSBプラグを設け直接コンピュータに接続するだけで各種動作可能な入力装置及び入力方法を得ることが出来る。
【0022】
本発明によると、マウス等の入力装置に切換手段及び各種機能切換制御可能なハードウエア或いはソフトウェアICを付加することで複数の機能動作をマウス本体に持たせ複数の各種機能を切換動作可能な入力装置及び入力方法得ることが出来る。
【0023】
本発明によると、キーボード上からは複数のキーを使用して入力していた動作がマウス上のマルチファンクションホイールの1種類の動作に置き換えることが可能な入力装置及び入力方法を得ることが出来る。
【0024】
本発明によると、従来の11種類の機能をマウスに設けた2個のスイッチで兼用可能な入力装置及び入力方法を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の1形態例の入力装置及入力方法を図1乃至図8によって説明する。図1は本発明の入力装置の1形態例を示す系統図、図2は本発明の入力装置の1形態例を示す回路図、図3は本発明の1形態例のコンピュータ及び入力装置の表面側の外観斜視図、図4は本発明の1形態例の入力装置の裏面側の外観斜視図、図5は本発明の1形態入力装置の組み立て状態を示す斜視図、図6は本発明の1形態例の入力装置のホイールアッセンブリの斜視図、図7は本発明の1形態例の入力装置のホイールアッセンブリのスイッチ配置を示す平面図、図8は本発明の入力装置に用いるマルチフリクションホイールの機能説明図である。
【0026】
以下、図1乃至図8に於いて、本発明の入力装置をマウスに適用した場合の機構的構成を図3乃至図5によって説明する。図3(A)(B)は本発明の入力装置に接続されるコンピュータ及びディスプレイの斜視図と、入力装置としてのマウスの外観表面図を、図4(A)はマウスの外観背面図を、図4(B)はスライド用のスイッチの拡大平面図を、図5はマウス本体の組み立て状態を示す斜視図である。マウス本体20は図4(A)及び図5の組立状態図に示す様な略瓢箪型の合成樹脂で成型した底板21と底面が瓢箪型で垂直方向(高さ方向)の前後に大きなRを取ったドーム形状のカバー22で構成されている。
【0027】
底板21には図4(A)(B)に示す様に各種機能を切換るためのファンクション切換用のスライドスイッチ(以下SWと記す)23のノブ24を矢印A,B方向にスライドさせる為の楕円形状の窪み25と楕円孔(図示せず)が形成されている。図4(B)の場合はノブ24をスライドすることで1乃至4の4段階の機能(ファンクション)切換が出来る様に構成されている。又、底板21には、窪み25と並設してLEDの様な光学センサ27用の光路となる透孔26が穿たれている。図4(A)では、このSW23は底板21に取り付けたがユーザがマウス本体20を握持する際に親指及び小指が接触しないカバー22の側壁等に取り付けても良い。
【0028】
カバー22内の前面には図5及び図6に示す様なスクロールホイールアセンブリ(以下HAと記す)が配設されている。このHAは回動手段30を構成するもので、スクロール用のホイール28を有する。回動手段30のホイール28は、図3(A)に示すコンピュータ32のディスプレイ33の画面31上のイメージ(画像や文字列やカーソル等も含む)29を、複数のX軸及びY軸方向にスクロールするホストコンピュータやインターネットアプライアンスの入力装置であって、この回動手段30はマウス本体20だけでなくキーボードや他の周辺機器や情報携帯端末など内に配設させる様にしても良い。
【0029】
マウス本体20の前面側から導出されたワイヤ34の先端には、USB用のプラグ35が接続され、コンピュータ32に設けたUSBソケット36に挿入可能と成されている。勿論、無線送受信装置等を介してワイヤレスに接続する様にしても良い。特に、本発明の回動手段30はディスプレイ33の画面31上のイメージ29を垂直方向(Y軸方向)にスクロールのための通常の回動操作に加えて、左右横方向に操作して、ディスプレイ33上の画面31のイメージ29を水平方向(X軸方向)にスクロールすることが出来る。
【0030】
回動手段30の動きに於いて、本発明で「水平方向」とは、回動手段30が、マウス本体20のカバー22に穿たれた開口部22a内での左右両側壁方向への動きであり、回動手段30のホイール28の回動方向と直交する軸の方向への動き、又は、回動手段30のホイール28の回動面が、マウス本体20の開口部22aの左右両側壁を結ぶ方向に対して、ある角度をなして左右に傾斜した状態で水平移動が行われる様な揺動をも含めて、以下「水平方向」への揺動と記して説明を進める。
【0031】
図3(B)に示すように、マウス20のカバー22の縦長の開口部22a内に配設された円盤状のスクロール用のホイール28は、その一部がマウス本体20のカバー22の開口部22aの外面から突出され、その突出部の先端のホイール28の円周部をユーザが触れて操作出来る様になっている。
【0032】
以下、図5及び図6によって、マウス20内の大略構成を説明する。図5に示す様に、カバー22はユーザが手の平を載せるドーム状の合成樹脂成型されたドーム状部22bと、金属製の開口部エスカッション36Cと、金属製の左右枠部材36L、36Rと、これらドーム状部22bと、開口部エスカッション36Cと、金属製の左右枠部材36L、36Rとが被せられるドーム部37と、このドーム部37と一体化されたユーザの親指と小指で握持する合成樹脂成型された括れ部38とで構成されている。
【0033】
上述の金属製の開口部エスカッション36Cはドーム状部22bの開口部22aの縁に嵌め合わされ固定される。又、左右枠部材36L、36Rはカバー本体22cのドーム部37と左右の括れ部38間に形成した凹部には嵌め込まれ、ビス40a、40bで固定され図3(B)に示すカバー22が構成される。
【0034】
図5において、底板21に穿った透孔26上には光学センサ27に至るレンズ等の光学系アッセンブリ45が載置固定されると共にマウス用のプリント回路基板46に設けた溝48を底板21に立設した左右支持部47L、47Rが貫通する様にマウス用プリント回路基板46を載置固定している。
【0035】
マウス用プリント回路基板46には光学センサ27及び機能切換用のスライド用のSW23並びに各種機能を切換え動作させるコンピュータ(CPU)49を含でいる。尚、50L、50Rはマウス本体20の左右クリック作動時に動作するスイッチ、42Cは回動手段30の押圧操作時に画面31のY軸方向に自動的にスクロール動作するセンサとして機能するスイッチを示している。
【0036】
図5に於いて、41はRF用のプリント回路基板を示し、このプリント回路基板41には前部に形成した切溝の左右端に回転手段30のホイール28を水平方向に揺動させた時に動作する左右スイッチ42L、42Rが取り付けられ、底板21に立設した左右支柱43L、43Rと中央支柱43C並びに断面L字状の左右枠44L、44R上に載置され中央支柱43Cにプリント回路基板41はビスを介して固定されている。
【0037】
底板21に立設した左右支持部47L、47Rには図5及び図6並び図7に示すHAを構成する回動手段30が片持ち状態で底板21に枢着され、下方向(図6の矢印C方向)と左右方向(図6の矢印D、E方向)の水平方向に揺動可能に傾斜した状態で左右支持部47L、47Rに枢着させている。
【0038】
回動手段30は図6に示す様に略舟型に形成された合成樹脂等で成型したホイールカバー51内にホイール28の中心に軸52を挿入して固定したホイール軸52を回動可能に枢着する。ホイールカバー51の先端にはプリント回路基板41に取り付けられている左右スイッチ42L、42Rを「オン」「オフ」制御する図6及び図7に示すような略直方体状の係合子53が設けられている。従って、回動手段30を水平方向の左右に揺動させることで、プリント回路基板41に取り付けられた左右SW42L、42Rのアクチュエータは係合子53の左右側面で押圧されて「オン」状態にすることが出来る。又、ホイールカバー51の下端にはSW42Cを押圧する3角形状の舌片58が設けられている。
【0039】
ホイール軸52にはマウスで通常広く利用されているホイールエンコーダ55が取り付けられると共にホイールカバー51の下端には回転方向、左右方向(水平方向:X軸方向)、下方向(垂直方向:Y軸方向)の4方向に回転、揺動、押圧可能な断面略U字状のベースケース56が取り付けられ、このベースケース56に固定された軸57を底板21に立設し左右支持部47L、47Rに少なくとも左右方向(D、Eの水平方向)上下方向(Cn垂直方向)に揺動可能に枢着してある。
【0040】
上記した構成の入力装置としてのマウス20の本発明の系統図及び回路図を図1及び図2によって詳記する。図1は、本発明の機能的系統図を示すものでマウス本体20内にはCPUのソフトウェア或いはハードェアによって、キーボード上のキー操作に伴う出力データやインターネット・エクスプローラ制御、ネットスケープ・ナビゲータ制御等の操作に伴う出力データを出力する様に成されている。
【0041】
図1に於いて、CPU49(ソニー製・CY7C63743IC)内ではマウス本体20の回動手段30のホイール28を左右の水平方向の及び下方向に押下(垂直方向)させた場合、複数のファンクション(機能)のポジション1乃至ポジション4で示す後述する複数の機能に応じた出力データを出力切換部59に出力する。出力切換部59の出力はポジション制御切換スライドのSW23によってポジション1乃至ポジション4のいずれかを出力する様に選択される。
【0042】
出力切換部59の出力端子はプリント回路基板41に設けた左右SW42L、42R及びプリント回路基板46に設けたSW42Cを介してワイヤ34に接続されたUSBプラグ35が外部のコンピュータ32のUSBソケット36に挿入されてディスプレイ33の画面31の所定のイメージ29を制御する。
【0043】
次に、図2にマウス本体20の全体的回路を示す。以下、図2に於いて図1との対応部分には同一符号を付して説明する。23はポシション1乃至ポシション4制御用の図4(B)で説明したスライド切換用のSWであり可動接点aは接地電位に落とされ、固定接点b〜eはCPU49の夫々の端子18、17、7、8に接続されている。
【0044】
60は回動手段30によって切換選択されるホイールスイッチを示すもので、50L、50Rは図5に示す左右クリック用のSW、42L、42RはRFプリント回路基板41上の左右SW、42Cはマウス用プリント回路基板46上の押圧用SWであり、SW50L、50R、42L、42R、42Cの1端は夫々接地電位に落とされ、夫々の他端はCPU49の端子3、4、20、2、1に接続されている。
【0045】
61はホイール28のスクロール時に時計或いは反時計方向に回転する際に動作するSWを示し、双投型のSWの可動接点a、b側は接地電位に落とされ、固定接点c、d側は抵抗R3、R4と1端が接地されたコンデンサC3、C4を介しCPU49の端子24、23に接続されている。
【0046】
USBプラグ35の1乃至3の端子はCPU49の端子14、(VCC)、15(−D)、16(+D)に接続され、VCCラインはコンデンサC1、C2を介し1端を接地し、+DラインはコンデンサC7を介して接地され、−DラインはCPU49の端子15と端子11間に抵抗R1が接続されている。USBプラグ35の端子4は接地電位に落とされ、端子5はインダクタンスL1を介し接地されている。
【0047】
63は光学センサICを示すもので、図4(A)や図5で説明したLED等の光学センサ27や光学アッセンブリ45を制御するもので、LED1に加えたVCC電圧は光学センサIC63のXYLED端子6に接続されている。又、端子7、8にはコンデンサC5とC6の並列回路を介して参照用電圧REFA、REFBが供給され、18.48MHZの水晶発振器X1が端子9、11間に接続され、端子10、12は接地されている。VCC電圧は1端が接地されたコンデンサC8を介し端子13に接続されてVDD電圧を得ている。又端子14には抵抗R2を介し接地されている。更に、光学センサIC63の端子1、16,15はCPU49の端子22、21、5に接続されている。尚、CPU49の端子9,10は接地電位に落とされる。
【0048】
上述の図1の系統図及び図2の回路図に基づき図8の表により本発明1実施例の動作を詳記する。本発明の回動手段は図9の従来例と同様にユーザが図3(A)に示すディスプレイ33上のイメージ29を複数のY及びX軸に沿って複数の方向にスクロールしたい時は、ユーザがスクロール用のホイール28を回動させ、及び/又は、横方向に動かすと、夫々、縦方向(Y軸)の及び/又は横方向(X軸)にスクロールされる。ユーザがホイール28を回動させたとき、その回動がホイールエンコーダ55等の回動検出システムによって検出され、イメージ29がディスプレイ33のY軸方向に、即ち、上方または下方のいずれかにスクロールされる回動検出システムを使用することができる。又、ホイール28を押下させた場合には文字列などから構成されるイメージ29を自動的にY軸方向にスクロールする。
【0049】
図8に示す図表枠71の縦方向は図4(B)に示すSW23のノブ24をスライドさせてファンクション(機能)1乃至機能4を選択する機能選択欄を示す。ここで、枠72に示す様にマウス本体20の回動手段30のホイール28を矢印Dの様に左方向に揺動させるとSW42Rが「オン」して、機能1は図1に示したキーボード65に於いて、画面31内のイメージ29を左方向に移動させる「←キー」66と同一の機能を出力する。
【0050】
又、ホイール28を垂直状態にして枠73に示す様に反時計(CCW)或いは時計(CW)方向の回転、並びに矢印C方向の押圧を行なった時には通常のホイール38と同一の動作がなされる。即ち、ホイール28の押下により舌片58はSW42Cを押圧し、文字列等のイメージ29を自動的に所定速度でY軸方向にスクロールする。又、ホイール28をCCW,CW方向に回転させた場合は文字列等をホイール28の回転速度に応じてホイールエンコーダ55を介してY軸方向にスクロール可能となる。
【0051】
更に、枠74に示す様にマウス本体20の回動手段30のホイール28を矢印Eの様に右方向に揺動させるとSW42Lが「オン」して、機能1は図1に示したキーボード65に於いて、画面31内のイメージ29を右方向に移動させる「→キー」67と同一の機能を出力する。
【0052】
機能2はワード等の文章作成時の機能であり、枠72に示す様にマウス本体20の回動手段30のホイール28を矢印Dの様に左方向に揺動させるとSW42Rが「オン」して、機能2は図1に示したキーボード65に於いて、画面31内のイメージ29をコピーする「Ctrlキー」68と[Cキー]69を同時に押圧するのと同一の機能を出力する。
【0053】
又、ホイール28を垂直状態にして枠73に示す様に矢印C方向の押圧を行なった時に「は元に戻す」の動作がなされる。即ち、ホイール28の押下により舌片58はSW42Cを押圧して、機能2は図1に示したキーボード65に於いて、画面31内のイメージ29を「元に戻す」ための「Ctrlキー」68と[Zキー]70を同時に押圧するのと同一の機能を出力する。
【0054】
更に、枠74に示す様にマウス本体20の回動手段30のホイール28を矢印Eの様に右方向に揺動させるとSW42Lが「オン」して、機能2は図1に示したキーボード65に於いて、画面31内のイメージ29を「貼り付け」る「Ctrlキー」68と[Vキー]75を同時に押圧するのと同一の機能を出力する。
【0055】
次の機能3はインターネットを開いた時の機能で、枠72に示す様にマウス本体20の回動手段30のホイール28を矢印Dの様に左方向に揺動させるとSW42Rが「オン」して、Webブラウザの画面31のイメージ29に「戻る」と同一の機能を出力する。
【0056】
ホイール28を垂直状態にして枠73に示す様に矢印C方向の押圧を行なった時には、ホイール28の押下により舌片58はSW42Cを押圧して、の画面31のイメージ29を「ホーム」の状態にする。
【0057】
更に、枠74に示す様にマウス本体20の回動手段30のホイール28を矢印Eの様に右方向に揺動させるとSW42Lが「オン」して、Webブラウザの機能3では画面31内のイメージ29を「進む」の機能として出力する。
【0058】
機能4はコントロールパネルの「サラウンドとオーディオデバイス」のオーデオボリューム調整に用いる機能であり、枠72に示す様にマウス本体20の回動手段30のホイール28を矢印Dの様に左方向に揺動させるとSW42Rが「オン」して、画面31のイメージ29として表示されたオーデオボリューム76の音量を「上げた」76状態にして出力する。
【0059】
ホイール28を垂直状態にして枠73に示す様に矢印C方向の押圧を行なった時には、ホイール28の押下により舌片58はSW42Cを押圧して、画面31のイメージ29として表示されたオーデオボリューム76の音量を「ミュート」77の状態にして出力する。
【0060】
更に、枠74に示す様にマウス本体20の回動手段30のホイール28を矢印Eの様に右方向に揺動させるとSW42Lが「オン」して、画面31のイメージ29として表示されたオーデオボリューム76の音量を「下げた」78状態にして出力する。
【0061】
本発明によれば、キーボード上で複数のキー操作を行なうと共にマウス操作をしなければならないキーボード上の操作の一部をマウスのみで入力可能な入力装置及び入力方法が得られる。
【0062】
本発明によれば、入力装置に付加するソフトウェアを用意する必要が無く、マウスにUSBプラグを設け直接コンピュータに接続するだけで各種機能動作可能な入力装置及び入力方法が得られる。
【0063】
本発明によれば、マウス等の入力装置に切換手段を付加することで複数の機能動作をマウス本体に持たせ複数の各種機能を切換動作可能な入力装置及び入力方法が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
上述の構成では機能1乃至機能4について説明したが、これら、機能としては種々のものが考えられる、例えば、回動手段30のホイール20の図8に示すD方向、C方向、E方向の揺動、押圧操作に応じて下記の1乃至7の様に組み合わせを選択して切換出力しても良い。
1、PLAY/一時停止/STOP
2、PLAY/FF/STOP
3、PLAY/FR/STOP
4、終了(Alt+F4)/ENTER/スタンバイ(Alt+F4→S)
5、WIN用キー/ENTER/↑キー
6、←キー/エクスプローラー/→キー
7、半角・全角漢字キー/無変換キー/変換キー
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の入力装置の1形態例を示す系統図である。
【図2】本発明の入力装置の1形態例を示す回路図である。
【図3】本発明の入力装置の表面外観図及びコンピュータ並びにディスプレイの1形態例を示す斜視図と平面図である。
【図4】本発明の入力装置の裏面外観図及びスライドスイッチの拡大平面図である。
【図5】本発明の入力装置の組み立て状態を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の入力装置に用いる回転手段の斜視図である。
【図7】本発明の入力装置に用いる回転手段の要部平面図である。
【図8】本発明の入力装置の機能スイッチの切換状態に対応する回転手段のホールの水平方向動作時の機能説明用表である。
【図9】従来の入力装置の回動手段の動作説明用正面図である。
【図10】従来の入力装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
20・・・入力装置(マウス本体)、21・・・底板、22・・・カバー22a・・・開口部、・・・、22c・・・カバー本体、23・・・スライドSW、24・・・ノブ、25・・・窪み、27・・・光学センサ、29・・・イメージ、32・・・コンピュータ、33・・・ディスプレイ、35・・・USBプラグ、36・・・USBソケット、36L、36R・・・左右枠部材、41・・・RFプリント回路基板、42L、42R、・・・左右SW、42C・・・下方SW、46・・・マウス用プリント回路基板、・・・、49・・・CPU、50L、50R・・・スクロール用SW

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面表示手段の画面上に映出したイメージを制御するように成した入力装置に於いて、
前記入力装置のハウジング上に設けられ、該ハウジングの垂直方向の押圧及び該垂直方向と直交する水平方向に揺動可能と成されたスクロール用の回動手段と、
前記ハウジングの側面或いは底面に設けられた複数の機能切換用の切換手段と、
前記複数の機能を切換え動作させるコンピュータと、
を具備し、
前記機能切換用の切換手段の機能切換に応じて前記スクロール用の回動手段の前記水平方向の揺動により所定の機能を前記画面表示手段に出力するように成したことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記回動手段の一方の水平方向の揺動時に複数の一つの機能は前記イメージを一方の水平方向に移動させ、他方向の揺動時には該イメージを他方に移動させ、該回動手段を押圧した状態では通常の動作をする様に成したことを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記回動手段の一方の水平方向の揺動時に複数の一つの機能であるワード機能等の前記イメージをコピーし、他方向の揺動時には該イメージを貼り付け、該回動手段を押圧した状態では元の状態に戻る様に成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
前記回動手段の一方の水平方向の揺動時に複数の一つの機能はウエブブラウザ機能等の前記イメージを元に戻し、他方向の揺動時には該イメージを進め、該回動手段を押圧した状態ではホーム画面に戻る様に成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のいずれか1項記載の入力装置。
【請求項5】
前記回動手段の一方の水平方向の揺動時に複数の一つの機能としてのコントロールパネル機能の等の前記イメージの音量をダウンさせ、他方向の揺動時には該イメージの音量をアップし、該回動手段を押圧した状態では該イメージの音量をミュートする様に成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のいずれか1項記載の入力装置。
【請求項6】
前記回転手段がマルチファンクションホイールであることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のいずれか1項記載の入力装置。
【請求項7】
前記入力装置がコンピュータ用のマウスであることを特徴とする請求項1乃至請求項6記載のいずれか1項記載の入力装置。
【請求項8】
画面表示手段の画面上に映出したイメージを制御するように成した入力方法に於いて、
前記入力方法に用いるハウジング上に設けたスクロール用の回動手段を該ハウジングの垂直方向の押圧及び該垂直方向と直交する水平方向に揺動させるステップと、
前記ハウジングの側面或いは底面に設けられた複数の機能切換用の切換手段を切換えるステップと、
コンピュータにより前記複数の機能の一つを切換えたステップに対応した動作を出力させるステップと、
を有し、
前記機能切換用の切換ステップの機能切換に応じて前記スクロール用の回動手段の前記水平方向の揺動ステップにより所定の機能を前記画面表示手段に出力するように成したことを特徴とする入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−86912(P2007−86912A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272428(P2005−272428)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】