説明

入金機における入金混入防止方式

【課題】多テナント店で利用され、投入口にシャッタ機能がついてなくても、入金の混入防止を可能にする入金機を提供する。
【解決手段】貨幣を計数する計数部20や貨幣を収納する金庫部30を有する入金機1において、入金操作にて、操作しているのが本人であることを確認するため、入金操作開始時に、カードリーダ部11で読み込んだ非接触ICカードのレジ番号と、計数開始操作/金庫収納動作/ジャム等の装置内の貨幣の除去操作/計数キャンセル操作/確定操作の前に再度カードリーダ部11で読み込んだ非接触ICカードのレジ番号の一致チェックを行い、レジ番号が一致したカードを使用した人のみ操作が継続可能であると判定する入金管理部55を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多テナント店で利用する入金機において、入金の混入防止技術に関する。
【背景技術】
【0002】
入金機の入金操作では、操作開始時に磁気カードや非接触ICカードを読み込み、読み込んだレジ番号を識別番号として金庫に収納した売上金情報を管理していた。また、入金機は、投入口にシャッタ機構はついていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
入金操作にて、操作途中で本人が何らかの理由に入金機から離れたとき、入金機が空いている状態であるので、別レジの人が継続操作し入金してしまい、操作途中で離れていたレジ番号の人の売上金に加算されてしまう問題があった。
【0004】
入金操作での混入を防ぐためには、投入口にシャッタ機構をつけて動作中はシャッタを閉めることで解決できるが、入金機では動作中での継ぎ足入金を許可することで大量入金を可能としているため、投入口のシャッタ機構をつけることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
入金操作にて、操作しているのが本人であることを確認するため、入金操作開始時に、非接触ICカードで読み込んだレジ番号と、計数開始操作/金庫収納動作/ジャム等の装置内の貨幣の除去操作/計数キャンセル操作/確定操作の前に再度非接触ICカードを読み込んだレジ番号の一致チェックを行い、レジ番号が一致したカードを使用した人のみ操作が継続できる様にする。
【0006】
各操作前のレジ番号の一致チェックにより、該当レジ番号の非接触ICカードしか操作出来ないので、別レジの人との売上金の混入を防ぐことができる。また、該当レジ番号の非接触ICカードを持っている人がいない場合や該当レジ番号の非接触ICカードを紛失した場合に入金操作ができない救済措置として、管理者しか取り扱うことができない管理者カードを設けて返却操作を有効することで、他店舗の人の入金操作をできる様にする。
【発明の効果】
【0007】
以上により、本発明によれば、入金機の投入口のシャッタ機構をつけなくても売上金の混入を防ぐことが可能となる。
【0008】
また、非接触ICカードを利用しカードリーダを載せたままにすることで、今まで操作の延長で売上金の混入を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施例による入金機の構成例を示す図。
【図2】計数した貨幣を金庫に収納する処理フローを示すフローチャート。
【図3】計数した貨幣の入金キャンセルを行う処理フローを示すフローチャート。
【図4】ジャム発生時の装置内の貨幣の除去を行う処理フローを示すフローチャート。
【図5】入金計数中の電源断発生時の装置内の貨幣の返却を行う処理フローを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1は、本実施例による入金機1の構成例を示す。
【0012】
入金機1は、入出力部10、計数部20、金庫部30、返却部40及び制御部50を有する。計数部20は、計数した貨幣を一時保管する一時貯留部を有している。入金操作は、カードリーダ部11にて非接触ICカードで読み、操作可能なカードならば、ボタン部12で「スタート」ボタンが押されたことを検出した契機に、計数部20で貨幣を計数して一時貯留部に保管され、ボタン部12で「確定」ボタンが押されたことを検出した契機に、一時貯留部に保管された貨幣を金庫部30に収納される。
【0013】
図2は計数した貨幣を金庫に収納する処理フローを示している。
【0014】
入金機1は、カードリーダ部11にて非接触ICカードで読み込んだレジ番号を記憶部56の非揮発メモリに記憶し(S11)、貨幣の計数を開始させる「スタート」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S12)に、再度カードリーダ部11にて非接触ICカードで読み込み(S13)、読み込んだレジ番号と開始時に記憶部56に記憶していたレジ番号を比較し(S14)、一致であれば、計数部20で貨幣を計数する(S15)。
【0015】
不一致であれば、読み込んだカードが管理者カードかをチェックし(S16)、管理者カード以外ならば貨幣の計数に入ることはできない(S1X)。管理者カードならば、表示部13に管理者カードの受付を表示させ(S17)、「スタート」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S18)に入金操作を終了させることができ(S1A)、「キャンセル」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S19)には再度カード読込み待ちに戻る(S1Y)。
【0016】
計数終了後、入金金額を確定させる「確定」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S21)に、再度カードリーダ部11にて非接触ICカードで読み込み(S22)、読み込んだレジ番号と開始時に記憶部56に記憶していたレジ番号を比較し(S23)、一致であれば、貨幣を金庫部30に収納することができる(S24)。
【0017】
不一致であれば、読み込んだカードが管理者カードかをチェックし(S26)、管理者カード以外ならば貨幣を金庫に収納することはできない(S2X)。管理者カードならば、表示部13に管理者カードの受付を表示させ(S27)、「スタート」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S28)に、計数部20内の貨幣を返却部40へ返却するとができ(S2A)、「キャンセル」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S29)には再度カード読込み待ちに戻る(S2Y)。
【0018】
図3は計数した貨幣の入金キャンセルを行う処理フローを示している。
【0019】
貨幣の計数操作(S11)〜(S15)した後に、入金キャンセルさせる「キャンセル」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S31)に、再度カードリーダ部11にて非接触ICカードで読み込み(S32)、読み込んだレジ番号と開始時に記憶部56に記憶していたレジ番号を比較し(S33)、一致であれば、計数部20内の貨幣を返却部40へ返却することができる(S34)。
不一致であれば、読み込んだカードが管理者カードかをチェックし(S36)、管理者カード以外ならば貨幣の返却を行うことはできない(S3X)。管理者カードならば、表示部13に管理者カードの受付を表示させ(S37)、「スタート」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S38)に、計数部20内の貨幣を返却部40へ返却するとができ(S34)、「キャンセル」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S39)には再度カード読込み待ちに戻る(S3Y)。
【0020】
図4はジャム発生時の装置内の貨幣の除去を行う処理フローを示している。
【0021】
貨幣の計数操作(S11)〜(S15)して貨幣の計数中にジャムを検出した場合、計数部20の開放を行う前に、再度カードリーダ部11にて非接触ICカードで読み込み(S42)、読み込んだレジ番号と開始時に記憶部56に記憶していたレジ番号を比較し(S43)、一致であれば、計数部20を開放しジャム要因である貨幣の除去することができる(S44)。
【0022】
不一致であれば、読み込んだカードが管理者カードかをチェックし(S46)、管理者カード以外ならば計数部20の開放しないのでジャム除去することはできない(S4X)。管理者カードならば、表示部13に管理者カードの受付を表示させ(S47)、「スタート」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S48)に、計数部20を開放しジャム要因である貨幣の除去することができ(S44)、「キャンセル」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S49)には再度カード読込み待ちに戻る(S4Y)。
貨幣除去後に装置の回復させる「リセット」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S51)に、装置回復動作を行い(S52)、装置回復動作終了後、再度カードリーダ部11にて非接触ICカードで読み込み(S53)、読み込んだレジ番号と開始時に記憶部56に記憶していたレジ番号を比較し(S54)、一致であれば、計数部20内に残留している貨幣を返却部40へ返却することができる(S55)。
【0023】
不一致であれば読み込んだカードが管理者カードかをチェックし(S56)、管理者カード以外ならば貨幣を金庫に収納することはできない(S5X)。管理者カードならば、表示部13に管理者カードの受付を表示させ(S57)、「スタート」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S58)に、計数部20内に残留している貨幣を返却部40へ返却することができ(S55)、「キャンセル」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S59)には再度カード読込み待ちに戻る(S5Y)。
【0024】
図5は入金計数中の電源断発生時の装置内の貨幣の返却を行う処理フローを示している。
貨幣の計数操作(S11)〜(S15)して貨幣の計数中に電源断された場合、その後の装置の電源スイッチON(S61)されると、装置初期動作を行い(S62)、装置初期動作終了後、入金計数動作開始時に記憶部56に記憶していた動作ステータスが入金計数中または計数部20内の貨幣の残留検出したならば(S63)、カードリーダ部11にて非接触ICカードで読み込み(S71)、読み込んだレジ番号と電源断前の入金操作開始時に記憶部56に記憶していたレジ番号を比較し(S72)、一致であれば、計数部20内の貨幣を返却部40へ返却することができる(S73)。
不一致であれば、読み込んだカードが管理者カードかをチェックし(S76)、管理者カード以外ならば貨幣の返却を行うことはできない(S7X)。管理者カードならば、表示部13に管理者カードの受付を表示させ(S77)、「スタート」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S78)に、計数部20内の貨幣を返却部40へ返却することができ(S73)、「キャンセル」ボタンが押されたのをボタン部12が検出した時(S79)には再度カード読込み待ちに戻る(S7Y)。
【符号の説明】
【0025】
1…入金機、 10…入出力部、 11…カードリーダ部、 12…ボタン部、 13…表示部、 20…計数部、 30…金庫部、 40…返却部、 50…制御部、 51…入出力制御部、 52…計数制御部、 53…金庫制御部、 54…返却制御部、 55…入金管理部、 56…記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多テナント店で利用され、投入口にシャッタ機能のついていない入金機において、入金操作開始時に、非接触ICカードで読み込んだレジ番号と、各操作前に再度非接触ICカードを読み込んだレジ番号の一致チェックを行い、レジ番号が一致したカードを使用した人のみ操作が継続できることを特徴とする入金機における入金混入防止方式。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−65130(P2013−65130A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202554(P2011−202554)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】