説明

内側寸法測定器

【課題】小口径シリンダゲージにも適用可能で、構成が単純で且つ高精度な内側寸法測定を可能にする。
【解決手段】被測定物に接触する複数の接触部110と、該複数の接触部110の内側に配置されて自身の内側に空間136を有すると共に、該複数の接触部110間の距離の変化で変形する空間136を内部に有する有底筒状部材120と、該空間136を密閉するように有底筒状部材120の開口部120Aに取付けられると共に、該空間136の変形で生じる自身の撓み量を検出する変位センサ140と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側寸法測定器に係り、特に、小口径シリンダゲージプローブなどの狭い間隙部に組込み可能な高分解能な内側寸法測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
被測定物の孔径や溝幅等を測定する内側寸法測定器として、シリンダゲージが知られている。従来の小口径シリンダゲージは、被測定物の内壁の直径方向の変位をメカ機構を用いて直交方向に変換し伝達する方法を用いている。例えば、特許文献1では、一対の接触子間の変位量をカムを介して、その一対の接触子が配置されている方向と直交する方向に配置されたロッドに変位量を伝達して、その変位量を表示器で表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−28603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示されるような内側寸法測定器は、その構造上複雑であり、例えば直径が数mm以下の小口径シリンダゲージに適用する場合には、接触子、カム、及びロッドそれぞれにおけるガタや摩擦の影響が相対的に大きくなり、精度の高い測定が困難となる。同時に、用いられる接触子には高い加工精度が必要とされ、且つその作製が困難で、コスト高になるといったことが問題として挙げられる。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、構成が単純で小口径シリンダゲージにも適用可能で、且つ高精度な内側寸法測定を可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1に係る発明は、被測定物に接触する複数の接触部と、該複数の接触部の内側に配置されると共に、該複数の接触部間の距離の変化で変形する空間を内部に有する有底筒状部材と、前記空間を密閉するように該有底筒状部材の開口部に取付けられると共に、該空間の変形で生じる自身の撓み量を検出する変位センサと、を備えたことにより、前記課題を解決したものである。
【0007】
本願の請求項2に係る発明は、前記有底筒状部材の外周に凸形状の複数の弾性部を備え、該複数の弾性部を前記複数の接触部それぞれの内側に点で当接させたものである。
【0008】
本願の請求項3に係る発明は、少なくとも前記変位センサをMEMSプロセスにより製作したものである。ここで、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスとは、主にシリコン基板に対して行うフォトリソグラフィ技術、薄膜成形技術、及びエッチング技術などの半導体微細加工技術により機械・電子・光・化学などの複合機能を一体化した微小構造体を製作するためのプロセスをいう。
【0009】
又、本願の請求項4に係る発明は、前記変位センサを、SOI基板で形成すると共に、前記空間の変形で生じる自身の撓み量を静電容量の変化として検出するとしたものである。ここで、SOI(Silicon On Insulator)基板とは、基材層上の絶縁層の上に活性層である単結晶シリコンを備える基板をいう。
【0010】
又、本願の請求項5に係る発明は、前記有底筒状部材に温度センサを設けたものである。
【0011】
又、本願の請求項6に係る発明は、前記有底筒状部材の開口部を、前記複数の接触部が配置される方向と直交する方向に設けたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、構成が単純で且つ高精度な内側寸法測定が可能となる。このため、高性能な内側寸法測定器を低コストで提供することが可能となる。そして、少なくとも変位センサがMEMSプロセスにより製作された場合には、特に小口径シリンダゲージ用として高精度な内側寸法測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る内側寸法測定器である内径測定器の概略斜視図
【図2】同じく内径測定器の縦断面模式図
【図3】同じく内径測定器の横断面模式図
【図4】同じく内径測定器の接触部の模式図
【図5】同じく内径測定器の筒部の分解模式図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の第1実施形態に係る内側寸法測定器である内径測定器の概略斜視図、図2は同じく内径測定器の縦断面模式図、図3は同じく内径測定器の図2のIII−III線に沿う横断面模式図、図4は同じく内径測定器の接触部の模式図、図5は同じく内径測定器の筒部の分解模式図、である。なお、各図は、必ずしも構成要素の大きさを正確に表したものではない。
【0016】
最初に、本実施形態の構成について説明する。
【0017】
内径測定器100は、主に図1〜図3に示す如く、被測定物(の内壁)に直接接触する接触部材(接触子)102と、接触部材102を介して伝えられた変位を電気信号に変えるセンサ部材111と、接触部材102とセンサ部材111とを一体的に固定するベース部材172と、を有する。更に、センサ部材111は、接触部材102の内側に配置される有底筒状部材120と、メンブレン構造部(膜状構造部)150を有する変位センサ140と、主に変位センサ140の出力を増幅する電装セル170と、を備える。内径測定器100の大きさは、本実施形態では、縦横幅方向でいずれの寸法も1mm以下である。しかし、本発明は、必ずしも各方向で1mm以下に制限されるものではない。
【0018】
接触部材102は、図4に示す如く、支持部104、ビーム部106、カバー部108、及び接触部110を有する。支持部104は、図2に示す如く、複数のビーム部106を介してそれぞれのカバー部108に設けられた接触部110を変位センサ140に固定している。図2に示す如く、本実施形態では、支持部104は、周方向で連続するリング形状を有して、カバー部108と共に、全てのビーム部106(本実施形態では2つ)と一体的に成形されている。即ち、接触部110を除き、接触部材102は円筒形状の部材から一体的に容易に成形することができる。支持部104は、ベース部材172の外周に固定されている。
【0019】
ビーム部106は、図4に示す如く、周方向で幅が狭く(本実施形態ではカバー部108よりも狭い幅)成形されて、中心軸O方向で各カバー部108を支持している。このため、中心軸O方向への力Fv(図2)が加わっても、カバー部108の内側に力を伝えないように、カバー部108を支持することができる。同時に、中心軸Oに向かう方向(半径方向と称する)への力Fh(図2)に対しては高い感度で、カバー部108を変位させることができる。
【0020】
カバー部108は、図4に示す如く、それぞれビーム部106と一体に成形されて、周方向に等間隔で複数(本実施形態では2つ)並べられている。なお、必ずしもカバー部108の周方向の幅がビーム部106の周方向の幅よりも広い必要はない。カバー部108は、有底筒状部材120の弾性部126が変形した際にその接触する領域が点から面へと拡がっても、その面の領域をそのカバー部108の内側に確保でき、且つ接触部110を安定して支持できれば、ビーム部106と同等以下の幅であってもよい。
【0021】
接触部110は、図4に示す如く、カバー部108に各々設けられている。そして、接触部110の外側表面は、被測定物の中空部表面(内壁)に接触する部分となる。接触部110の形は球形であり、その表面の一点で被測定物と接触するので、高い感度で正確に変位することができる。接触部110には、耐摩耗性に優れた超硬合金球(主成分はタングステンカーバイト)を用いるのが好ましい。
【0022】
このような接触部材102の構成により、接触部110に中心軸O方向の力(図2で矢印Fv)が作用していても、その力Fvは支持部104で受けることとなり、接触部110の内側に配置された有底筒状部材120に伝わることを防止することができる。同時に、半径方向の変位のみ(図2で矢印Fh)を有底筒状部材120に正確に伝えることができる。即ち、接触部材102は、簡単な構造でありながら、接触部110の半径方向の位置変化を高い感度で正確に有底筒状部材120に伝えて、有底筒状部材120の破損や磨耗損を防止して、有底筒状部材120の長寿命化を図ることができる。
【0023】
有底筒状部材120は、図1に示す如く、主に筒部122と弾性部126と底部128とから構成されている。筒部122は、外径600μm程度の円筒中空パイプであり、その側面には接触部110の位置に対応して、凸形状の弾性部126を外周に突出させるための弾性部用孔124(図2、図5)が複数(本実施形態では2つ)等間隔で設けられている。図5に示す如く、弾性部126は、シリコーンゴムなどの変形性に富む材料でできており、凸部126Aとその外周部126Bとを有する。凸部126Aの先端部分は、接触部110(厳密には接触部110を支持するカバー部108)の内側に点で接触する構成とされている。そして、凸部126Aの内側は、その外形に倣う形で凹形状に成形されている(必ずしも凹形状でなくてよい)。外周部126Bは弾性部用孔124よりも大きく、筒部122の内側から外周部126Bを接着固定することで、筒部122の内側の空間136の密封性が確保される。このため、接触部110の半径方向の変位が高い感度で正確に弾性部126へ伝わり、空間136の密封性を保持しつつ、弾性部126が変形する。
【0024】
有底筒状部材120の底部128は、図2に示す如く、筒部122と共に変形せずに空間136の密封状態を維持する。このため、底部128は、筒部122と同質の剛性の高い材料から構成されて、筒部122の下部に接着されている。筒部122の外周には、薄膜状の温度センサ130(図1)が形成されている。このため、温度センサを別に用意することなく、内径測定器100として使用環境温度を測定することが可能となる。即ち、内径測定器100として、構成部材の各熱膨張率に対して補正を行うと共に、空間136内の温度変化も測定できるので、高精度な寸法測定が可能となる。なお、温度センサ130を筒部122の外周に直接形成してもよいし、別体で形成後の温度センサ130を後から筒部122に貼付けてもよい。
【0025】
図2に示す如く、有底筒状部材120の開口部120Aにシール部材134を介して変位センサ140が取付けられる。そして、有底筒状部材120の内部の空間136が密閉される。なお、空間136には、空気もしくは作動油(流体で、反応性が低くシール能力を長寿命化可能なものが好ましい)などが充填されて、リークがないように各部材は接着剤などで厳重にシーリングされる。
【0026】
変位センサ140は、図2に示す如く、SOI(Silicon On Insulator)基板142とガラス基板160とを備えて、MEMSプロセスで製作される。MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスとは、主にシリコン基板に対して行うフォトリソグラフィ技術、薄膜成形技術、及びエッチング技術などの半導体微細加工技術により機械・電子・光・化学などの複合機能を一体化した微小構造体を製作するためのプロセスである。SOI基板142は、シリコンの基材層144と、絶縁層146と、活性層148とからなる。
【0027】
図2で示す変位センサ140の製作について以下に説明する。フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて、活性層148に凹部152を形成する。又、基材層144から絶縁層146までを、凹部152よりも若干狭い幅の範囲で除去してメンブレン構造部150を成形する。なお、凹部152の深さは、ガラス基板160を接合した際に、メンブレン構造部150の対向面(図2でメンブレン構造部150の上側面)と電極膜162との間隔Gが2〜3μmとなるように形成する。ガラス基板160の表面のうち凹部152に対峙した領域に、電極膜162が薄膜成形技術により成形される。そして、電極膜162をメンブレン構造部150に対向させた状態で、活性層148とガラス基板160とを陽極接合する。ここで、貫通孔164は電極膜162と、貫通孔166、168は活性層148と、にそれぞれ導通を取るために設けられている。即ち、変位センサ140は、貫通孔164〜168を介して中心軸O方向のメンブレン構造部150(変位センサ140)の撓み量を電気容量の変化という形で検出することが可能となる。
【0028】
ガラス基板160のもう一方の面(図2で上面)に電装セル170が取付けられている。電装セル170は、外形が円筒形状であり、内側に変位センサ140の出力を増幅するプリアンプや、温度センサ130への配線などを収納している(図2では省略)。
【0029】
電装セル170は、接触部材102と共に、図2の上側でベース部材172に固定されている。ベース部材172には取付ピン174が設けられている。取付ピン174により、内径測定器100が取付けられる測定子への機械的固定がなされる。同時に、電装セル170との電気的接続がなされる。
【0030】
次に、内径測定器100の動作について説明する。
【0031】
内径測定器100全体を、被測定物である、例えば元々内径測定器100の接触部110の外径よりも小さい内径の小口径ワークに挿入する。すると、小口径ワークの内壁で接触部110が押される。接触部110は内側に移動して、2つの接触部110間の距離が狭まる。このとき、接触部110は先端の一点で被測定物と接触するので、接触部110で得られる変位は、複数の点で被測定物と接触する場合に比べて、より正確且つ高感度となる。
【0032】
接触部110の内側への変位によって、弾性部126が半径方向で中心軸O側に押されて、空間136が変形する。空間136は密閉されているので、空間136の変形で空間136内の圧力が変化する。この圧力変化で、2つの接触部110の配置される方向と直交する中心軸O方向に取付けられた変位センサ140のメンブレン構造部150が押されてメンブレン構造部150の中央部が撓む。なお、各弾性部126はカバー部108(接触部110)それぞれの内側に一点で当接するので、メンブレン構造部150の撓み量が、接触部110間の距離の変化を、複数の点で当接するよりも正確且つ高感度に反映する。
【0033】
メンブレン構造部150の中央部の撓みにより、中心軸O方向においてメンブレン構造部150と電極膜162との距離の変化が生じるので、メンブレン構造部150と電極膜162との間の静電容量が変化することとなる。このときのメンブレン構造部150と電極膜162との距離の変化による静電容量の変化は微小であるが、変位センサ140に隣接する電装セル170において静電容量の変化が増幅される。このため、電装セル170では、ノイズの影響を最小限に増幅することができる。ここで、静電容量の変化量が接触部110の変化量にほぼ比例するので、取付ピン174からの出力である増幅された静電容量の変化量を調べることで、接触部110間の距離の変化をノイズの影響が少ない状態(誤差の少ない状態)で求めることができる(変位センサ140による自身の撓み量の検出)。
【0034】
このように、変位センサ140は、MEMSプロセスを用いて製造されるので、変位センサ140は小型で一括加工でき、低コストで特性ばらつきを少くすることが可能である。更に、SOI基板142を用いた静電容量型の変位センサ140なので、メンブレン構造部150を少ない工数で容易に形成でき、変位センサ140を歩留り高く製作でき、且つその特性をより安定させることができる。このため、変位センサ140を組み込んだ内径測定器100は小型化が容易であり、同時に高性能化を図ることができる。
【0035】
又、変位センサ140は、接触部110が配置される方向と直交する方向(中心軸O方向)に設けられた有底筒状部材120の開口部120Aに取付けられているので、仮に変位センサ140の厚みが厚くても、接触部110間の距離には影響を与えずに小さくできて、1mm以下という極めて小さな隙間の内径であっても測定することを可能とする。
【0036】
又、環境温度が変化した場合であっても、温度センサ130からの出力により温度変化による静電容量の変動を補正することで、温度補正しない場合に比べて、より高精度な測定を行うことが可能となる。又、温度センサ130が一体化されているので、小型の寸法測定が可能である。
【0037】
従って、本発明によれば、内径測定器100の構成が単純でありながら且つ高精度・高分解能な内側寸法測定が可能となる。このため、内側寸法測定器として高性能な内径測定器100を低コストで提供することが可能となる。そして、変位センサ140がMEMSプロセスにより製作されているので、特に小口径シリンダゲージに適用して高精度な内側寸法測定が可能である。
【0038】
本発明について上記実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでもない。
【0039】
本実施形態においては、小口径シリンダゲージを対象としたが、本発明はこれに限定されずに、大きな口径に対して適用してもよい。
【0040】
又、本実施形態においては、接触部110と弾性部126とはそれぞれ2つであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、それぞれ3つ以上設けてもよい。その場合には、内径の測定を更に正確に行うことが可能となる。
【0041】
又、本実施形態においては、複数の弾性部126が複数の接触部110それぞれの内側に点で当接していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、面で当接してもよいし、支持する部分を持たずに弾性部の表面に膜状の接触部を直接成形してもよい。この場合には、更に構成が簡素で低コストの内側寸法測定器を提供することができる。
【0042】
又、本実施形態においては、変位センサ140がMEMSプロセスにより製作されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、内側寸法測定器の構成全てをMEMSプロセスで製作すれば、更に大量に均質な内側寸法測定器を提供できる。又、MEMSプロセスを全く用いなくても、構成が簡素であることからある程度の小型にすることもでき、従来よりも低コストで高精度な内側寸法測定器を提供することができる。
【0043】
又、本実施形態においては、変位センサ140が、SOI基板142に形成されると共に、空間136の変形で生じるメンブレン構造部150(変位センサ140)の撓み量を静電容量の変化として検出していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、MEMSプロセスを用いても、SOI基板を用いない場合には、基板コストを低減できるので、低コストの変位センサを提供できる。又、変位センサは、静電容量の変化を用いなくても、例えば、撓みを抵抗変化で測定するということを利用する変位センサであってもよい。
【0044】
又、本実施形態においては、有底筒状部材120に温度センサ130が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、温度センサを設けない場合には、更に低コストとすることができ、内側寸法測定器とは別体に温度センサを配置して温度による補正を行うことも可能である。
【0045】
又、本実施形態においては、変位センサ140は、接触部110が配置される方向と直交する方向(中心軸O方向)に設けられた有底筒状部材120の開口部120Aに取付けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、開口部120Aの方向が、接触部の配置される方向であってよいし、又直交しないいずれの方向であってもよい。
【0046】
又、本実施形態においては、接触部材102は円筒形状の部材から成形されたものであり、筒部122は円筒中空パイプであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、これらが多角形の断面を有する中空部材であってよい。
【0047】
又、本実施形態においては、図2に示す如く変位センサ140はほぼ円形であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、多角形などであってもよい。その場合には、変位センサの成形が容易であり、SOI基板上のレイアウトの工夫で、SOI基板からの取り個数を増やすことができる。
【符号の説明】
【0048】
100…内径測定器
102…接触部材
104…支持部
106…ビーム部
108…カバー部
110…接触部
111…センサ部材
120…有底筒状部材
122…筒部
124…弾性部用孔
126…弾性部
128…底部
130…温度センサ
134…シール部材
136…空間
140…変位センサ
142…SOI基板
144…基材層
146…絶縁層
148…活性層
150…メンブレン構造部
152…凹部
160…ガラス基板
162…電極膜
164、166、168…貫通孔
170…電装セル
172…ベース部材
174…取付ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物に接触する複数の接触部と、
該複数の接触部の内側に配置されると共に、該複数の接触部間の距離の変化で変形する空間を内部に有する有底筒状部材と、
前記空間を密閉するように該有底筒状部材の開口部に取付けられると共に、該空間の変形で生じる自身の撓み量を検出する変位センサと、
を備えることを特徴とする内側寸法測定器。
【請求項2】
前記有底筒状部材の外周に凸形状の複数の弾性部を備え、該複数の弾性部が前記複数の接触部それぞれの内側に点で当接することを特徴とする請求項1に記載の内側寸法測定器。
【請求項3】
少なくとも前記変位センサがMEMSプロセスにより製作されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内側寸法測定器。
【請求項4】
前記変位センサは、SOI基板に形成されると共に、前記空間の変形で生じる自身の撓み量を静電容量の変化として検出することを特徴とする請求項3に記載の内側寸法測定器。
【請求項5】
前記有底筒状部材に温度センサが設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内側寸法測定器。
【請求項6】
前記有底筒状部材の開口部は、前記複数の接触部が配置される方向と直交する方向に設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内側寸法測定器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−243350(P2010−243350A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92896(P2009−92896)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】