説明

内服薬

【課題】 寝たきりの人とか嚥下障害のある人であっても容易に服用できる内服薬を提供する。
【解決手段】 内服薬1は、フィルム状あるいはシート状を呈する。この内服薬1は、薬物を含有する薬物含有層2aからなる薬剤層2と、その薬剤層2の両面を被う可食性の被膜層3、3とを備えている。そして、被膜層3は、人の消化器官としての胃または腸で溶け、かつ、水とか唾液を吸収し得るようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、口腔内に投与して服用する内服薬に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、口腔内に投与して服用する薬剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤、あるいは、カプセル剤といった様々な剤形のものがあった。これらの薬剤は、一般に、水と一緒にのみ込まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、寝たきりの人とか嚥下障害のある人にとっては、水と一緒に飲み込むことは容易ではない。すなわち、従来の薬剤は、寝たきりの人とか嚥下障害のある人にとっては、容易に服用できるものではなかった。
【0004】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、寝たきりの人とか嚥下障害のある人であっても容易に服用できる内服薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る内服薬は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。
【0006】
すなわち、請求項1に記載の発明に係る内服薬は、フィルム状あるいはシート状を呈する、または、粒状、錠剤状、カプセル状等の固形状を呈する、内服薬であって、薬物を含有する薬物含有部を有する薬剤部と、その薬剤部の少なくとも一部を被うとともに人の消化器官としての胃または腸で溶ける、可食性の被膜層とを備える。そして、前記被膜層は、水とか唾液を吸収し得ることを特徴とする。これによれば、内服薬を口腔内に入れると、薬剤部を被う被膜層が、口腔内の唾液を吸収して柔軟になるので、この内服薬は、喉を通り易いものとなる。そして、喉を通った内服薬は、胃または腸に運ばれると、薬剤部を被っていた被膜層が、胃または腸で溶ける。そこで、薬剤部の中の薬物は、胃または腸に直接作用したり、あるいは、胃または腸から体内に吸収される。なお、口腔内の唾液の量は人それぞれ異なるものであるので、口腔内の唾液量が少ない人が服用する場合には、内服薬を予め水に浸して、被膜層に水を吸収させ、その後、口腔内に入れるようにしても構わない。
【0007】
また、請求項2に記載の発明に係る内服薬のように、請求項1に記載の内服薬において、前記被膜層は、前記水とか唾液を収容する空隙を有していてもよい。これによれば、水とか唾液が被膜層の空隙内に収容されることで、被膜層は、前記水とか唾液を吸収することができる。
【0008】
請求項3に記載の発明に係る内服薬のように、請求項1または2に記載の内服薬において、前記薬剤部は、前記薬物含有部と、その薬物含有部を被うとともに胃で溶けることなく腸で溶ける腸溶性を備えた可食性素材が用いられた、保護層とを備えていてもよい。
【0009】
請求項4に記載の発明に係る内服薬は、フィルム状あるいはシート状を呈する、または、粒状、錠剤状、カプセル状等の固形状を呈する、内服薬であって、薬物を含有する薬物含有部を有する薬剤部と、その薬剤部の少なくとも一部を被うとともに人の消化器官としての胃または腸で溶ける、可食性の被膜層とを備える。そして、被膜層は、その表面部が水とか唾液によって溶けることを特徴とする。これによれば、内服薬を口腔内に入れると、薬剤部を被う被膜層の表面部が、口腔内の唾液によって溶けて滑らかとなるので、この内服薬は、喉を通り易いものとなる。そして、喉を通った内服薬は、胃または腸に達すると、薬剤部を被っていた被膜層が胃または腸で溶ける。そこで、薬剤部の中の薬物は、胃または腸に直接作用したり、あるいは、胃または腸から体内に吸収される。なお、口腔内の唾液の量は人それぞれ異なるものであるので、口腔内の唾液量が少ない人が服用する場合には、内服薬を予め水に浸して、被膜層の表面部を溶かし、その後、口腔内に入れるようにしても構わない。
【0010】
また、請求項5に記載の発明に係る内服薬のように、請求項4に記載の内服薬において、前記被膜層は、前記薬剤部側の第1の被膜層と、その第1の被膜層の表面を被う第2の被膜層とを備え、前記第1の被膜層は、水とか唾液に対して不溶あるいは難溶な可食性素材が用いられ、前記第2の被膜層は、水とか唾液で溶ける可食性素材が用いられてもよい。これによれば、第2の被膜層が水とか唾液で溶けることで、被膜層の表面部が水とか唾液で溶けることとなる。
【0011】
また、請求項6に記載の発明に係る内服薬のように、請求項5に記載の内服薬において、前記第1の被膜層は、水とか唾液を収容する空隙を有していてもよい。これによれば、第2の被膜層が水とか唾液によって溶けることで、被膜層の表面が滑らかになるだけでなく、第1の被膜層が水とか唾液を吸収することで、被膜層が柔軟になるので、この内服薬は、さらに喉を通り易いものとなる。
【0012】
また、請求項7に記載の発明に係る内服薬のように、請求項5または6に記載の内服薬において、前記第2の被膜層には、薬物が含有されていてもよい。これによれば、第2の被膜層が溶けることによって、その第2の被膜層中の薬物は、口腔内に直接作用したり、あるいは、口腔内から吸収される。さらに、この内服薬は、胃または腸まで達し、薬剤部を被っていた第1の被膜層が溶ける。そこで、薬剤部の中の薬物は、胃または腸に直接作用するか、あるいは、胃または腸から体内に吸収される。
【0013】
また、請求項8に記載の発明に係る内服薬のように、請求項1、2、4、5、6、7のいずれか1項に記載の内服薬において、前記薬剤部は、前記薬物含有部と、その薬物含有部を被うとともに胃で溶けることなく腸で溶ける腸溶性を備えた可食性素材が用いられた、保護層と、その保護層の表面に形成される、薬物を含有する他の薬物含有部とを備え、かつ、前記被膜層は、前記胃で溶けてもよい。これによれば、内服薬は、胃まで達したところで、被膜層が溶けて、保護層の表面に形成された他の薬物含有部に含有された薬物が、胃に直接作用するか、あるいは、胃から吸収される。さらに、この内服薬の、保護層に被われた薬物含有部が、胃を通過して腸まで達すると、保護層が溶けて、薬物含有部に含有された薬物が腸に直接作用するか、あるいは、腸から吸収される。
【0014】
また、請求項9に記載の発明に係る内服薬のように、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の内服薬において、前記内服薬は、フィルム状あるいはシート状を呈し、前記薬剤部は、薬剤層からなり、前記被膜層は、前記薬剤層の片面または両面を被ってもよい。これによれば、内服薬がフィルム状あるいはシート状を呈することで、この内服薬は、一層喉を通り易いものとなる。
【0015】
また、請求項10に記載の発明に係る内服薬のように、請求項1または2に記載の内服薬において、前記内服薬は、フィルム状あるいはシート状を呈し、前記薬剤部は、薬剤層からなり、その薬剤層は、前記薬物含有部としての薬物含有層からなり、その薬物含有層には、主な基剤としてゼラチンが用いられ、また、前記被膜層は、前記薬物含有層の両面を被い、その被膜層には、主な基剤としてカラギーナンおよびトレハロースが用いられてもよい。これによれば、内服薬がフィルム状あるいはシート状を呈することで、この内服薬は、一層喉を通り易いものとなる。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る内服薬によれば、次の効果がある。
【0017】
請求項1から3に記載された内服薬によれば、薬剤部を被う被膜層が、口腔内の唾液を吸収して柔軟になることで、内服薬は、喉を通り易いものとなるので、容易に服用することができる。
【0018】
請求項4から6に記載された内服薬によれば、薬剤部を被う被膜層の表面部分が水とか唾液によって溶けて、滑らかになることで、内服薬は喉を通り易いものとなるので、容易に服用することができる。
【0019】
また、請求項7および8に記載された内服薬によれば、加えて、目的の異なる複数種の薬物を含有させることができる。
【0020】
また、請求項9および10に記載された内服薬によれば、加えて、フィルム状あるいはシート状を呈することで、内服薬は、一層喉を通り易いものとなり、一層容易に服用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明に係る内服薬を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態を示す。図中符号1は、内服薬、特に、フィルム状あるいはシート状の内服薬であって、例えば、矩形状を呈している。この内服薬1は、薬剤部としての薬剤層2と、その薬剤層2の少なくとも一部(図示実施の形態においては、薬剤層2の両面であって、図2において、上面および下面)を被うとともに人の消化器官としての胃または腸で溶ける、可食性の被膜層3、3とを備えている。そして、被膜層3は、水とか唾液を吸収し得るようになっている。
【0023】
具体的には、薬剤層2は、薬物を含有する薬物含有部としての薬物含有層2aを有する。図示実施の形態においては、前記薬物含有層2aが、薬剤層2の全体を構成している。ここで、本発明に用いられる薬物としては、経口投与することができるものであれば特に限定されない。
【0024】
被膜層3は、図示実施の形態においては、水とか唾液を吸収することができるように、それら水とか唾液を収容する空隙3a、3aを有した多孔質のものである。この空隙3a、3aは、被膜層3の表面に開口するもの(図2において、符号3bで示す。)や、被膜層3の中に気泡状に内在するもの(図2において、符号3cで示す。)があり、また、その大きさは一定でない。この被膜層3は、水とか唾液によって溶けることがないように(あるいは容易に溶けることがないように)、水に対して不溶あるいは難溶で、かつ、胃あるいは腸で溶ける可食性の素材が用いられて形成されるのが好ましい。もっとも、被膜層3は、内服薬1が胃あるいは腸に達する前に、その被膜層3が口腔内等で溶けて崩壊してしまわなければよいわけであるから、その被膜層3に、水とか唾液を吸収することにより、その表面部から徐々に溶け始めるも崩壊までに時間的ずれを生じさせることができるような、胃溶性あるいは腸溶性の可食性の素材が用いられて、前記被膜層3が形成されてもよい。
【0025】
被膜層3を形成するのに利用できる可食性素材(以下、被膜層3用の可食性素材と称する。)としては、例えば、セルロースの二塩基酸類モノエステル類(セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートサクシネート、セルロースベンゾエートフタレート、メチルセルロースフタレート、エチルハドロキシエチルセルロースフタレート、セルロースアセテートマレエート等)とか、デンプンや糖類多価アルコール類の二塩基酸モノエステル類(酢酸デンプンフタレート、酢酸アミロースフタレート、デキストリン、ラクトース、サッカロース、グルコース、ガラクトース、フラクトース、ソルボース、ラムノース、キシロース、マンニトール、ソルビトール等のフタール酸モノエステル類等)とか、ポリビニルアルコールおよびその誘導体の二塩基酸モノエステル類(ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルプロピオネートフタレート、ポリビニルブチレートブタレート、ポリビニルアセトアセタールフタレート、ポリビニルアセトアセタールサクシネート等)とか、無水マレイン酸と、ビニルアセテート、スチレン、ビニルメチルエーテル等のビニルモノマーとの共重合体(酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルブチルエーテル−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、ブチルアクリレート−スチレン−無水マレイン酸共重合体等)とか、アクリル酸、メタクリル酸と他のビニルモノマーとの共重合体(スチレン−アクリル酸共重合体、メチルアクリレート−アクリル酸共重合体、メチルアクリレート−メチルアクリル酸共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ブチルアクリレート−スチレン−アクリル酸共重合体等)とか、有機溶媒溶解性の高分子(ポリエチレン、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリブチレン、塩化ビニリデン等)とか、可食性ロウ(パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ等)とか、不溶性多糖類(アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カルシウムカゼイン等)とか、カラギーナン(例えば、イオタカラギーナン)、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、ポリエチレングリコール、小麦タンパク(グルテニン、グリアジン)、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェインとかを挙げることができる。このうち、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セラック、ツェインは、胃で溶けることなく腸で溶ける腸溶性を備える。なお、被膜層3用の可食性素材としては、水溶性高分子物を硬化剤にて不溶化したものを使用することができる。水溶性高分子物を硬化剤にて不溶化する方法としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチ、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子物を適当な金属塩にて架橋させる方法、アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、ペクチンナトリウムを酸処理する方法、キトサンをアルカリ処理する方法、プルランをホルマリン、グリオキサール等によって架橋する方法等が挙げられる。
【0026】
そして、必要によっては、前記被膜層3用の可食性素材以外に、例えば、安定剤、界面活性剤、可塑剤、滑沢剤、甘味剤、懸濁剤、抗酸化剤、着香剤・香料、消泡剤、着色剤,pH調節剤、乳化剤、発泡剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、崩壊補助剤、芳香剤、防腐剤、保存剤、無痛化剤、溶剤、溶解剤、剥離剤等の添加剤の1種または2種以上も配合されて、被膜層3が形成される。
【0027】
この内服薬1は、以下のように製造される。まず、溶媒に、前述した被膜層3用の可食性素材のうちのいずれか一つ、あるいは、複数の素材を添加し、空気を含ませるように十分に攪拌して、塗工液を作製する。次に、図3(a)に示すように、塗工液中に空気が含まれた状態のまま、すなわち、塗工液を脱泡することなく、その塗工液を、例えば、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等の合成樹脂フィルムからなるベース材4上に、塗布し、温風または遠赤外線によって、乾燥させる。これにより、ベース材4上に塗布された塗工液は、空隙3a、3aを有する、被膜層3となる。ここで、塗工液中に含まれた空気の気泡が前記空隙3a、3aを形成することになる。ところで、前記溶媒としては、水または湯(温水)、エタノール、イソプロパノール、アセトン、塩化メチレン、セロソルブ等のうちのいずれか一つ、あるいは、複数を混合したものを使用することができる。また、塗工液を塗布するには、コンマコーター機、ナイフコーター機等の各種コーター機を用いて塗布したり、グラビア印刷、シルク印刷、その他周知の印刷方法を用いて塗布してもよい。
【0028】
次に、図3(b)に示すように、被膜層3上に、薬物含有層2aからなる薬剤層2を積層する。ここで、薬物含有層2a(薬剤層2)を積層するには、フィルム形成能を備える可食性の素材と、前記薬物とを含有した塗工液を、被膜層上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。なお、前記薬物は、一種類のみが含有されていてもよいし、複数種類が混ざって含有されていてもよい。ここで、フィルム形成能を備える可食性の素材としては、前述の被膜層3用の可食性素材の他に、例えば、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、アミロース、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラントガム、トラカントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物等の水溶性の可食性素材を使用することができる。
【0029】
そして、必要によっては、薬物およびフィルム形成能を備える可食性の素材以外に、例えば、安定剤、界面活性剤、可塑剤、滑沢剤、甘味剤、懸濁剤、抗酸化剤、着香剤・香料、消泡剤、着色剤,pH調節剤、乳化剤、発泡剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、崩壊補助剤、芳香剤、防腐剤、保存剤、無痛化剤、溶剤、溶解剤、剥離剤等の添加剤の1種または2種以上も配合されて、薬物含有層2a(薬剤層2)が形成される。
【0030】
さらに、図3(c)に示すように、薬物含有層2a(薬剤層2)上に、被膜層3を積層する。この積層の方法は、ベース基材4上に被膜層3を形成したときと同様である。こうして、ベース基材4上に、下から順に、被膜層3、薬物含有層2a(薬剤層2)、被膜層3と積層された、内服薬1が形成される。最後に、このフィルム状あるいはシート状の内服薬1は、ベース材4から剥がすようにして巻き取られ、さらに一定の大きさにカットされる(図1、図2参照)。カットした形は、図示実施の形態においては、矩形状であるが、これに限られるわけでなく、例えば、円形、菱形、三角形など矩形状以外の形状であっても勿論構わない。なお、図2、図3は、内服薬1と、ベース材4との位置関係を示すものであって、厚さについては、正確には示していない。
【0031】
次に、以上の構成からなる内服薬1の作用効果について説明する。この内服薬1によれば、薬剤層2を被う被膜層3、3が空隙3a、3aを有するので、それら空隙3a、3aに水とか唾液が収容されることで、被膜層3、3は、水とか唾液を吸収することができる。これにより、内服薬1を口腔内に入れると、被膜層3、3が、口腔内の唾液を吸収することにより柔軟になるので、この内服薬1は、喉を通り易いものとなる。したがって、この内服薬1は、寝たきりの人とか嚥下障害のある人であっても容易に服用することができる。また、この内服薬1は、一般の内服薬に比して、僅かな水分で服用することができるので、例えば、水分の摂取が制限されている病人等が服用する内服薬として好適である。しかも、この内服薬1は、服用を容易にするための嚥下補助ゼリー等を利用する必要もなく、取り扱いが容易である。図示実施の形態においては、内服薬1は、フィルム状あるいはシート状を呈している。このため、内服薬1は、一層喉を通り易いものとなり、この内服薬1を一層容易に服用することができる。口腔内の唾液の量は人それぞれ異なるものであるので、口腔内の唾液量が少ない人が服用する場合には、内服薬1を予め水に浸して、被膜層3、3に水を吸収させ、その後、口腔内に入れるようにしても構わない。
【0032】
そして、喉を通った内服薬1は、胃または腸に運ばれると、薬剤層2(薬物含有層2a)を被っていた被膜層3、3が、胃または腸で溶ける。そこで、薬剤層2(薬物含有層2a)の中の薬物は、胃または腸に直接作用したり、あるいは、胃または腸から体内に吸収されることとなる。
【0033】
ところで、被膜層3、3を、前述した腸溶性を備えた可食性の素材を用いて形成すれば、被膜層3、3は、胃で溶けることがないので、内服薬1は、腸まで運ばれる。そして、腸で被膜層3、3が溶けるので、薬剤層2(薬物含有層2a)の中の薬物は、腸に直接作用したり、あるいは、腸から体内に吸収されるこことなる。なお、薬剤層2の中の薬物を、腸に直接作用させたり、あるいは、腸から体内に吸収させるようにするには、上述のように、被膜層3を、胃で溶けることなく腸で溶ける素材を用いて形成する以外に、図4に示すように、薬剤部としての薬剤層2を、薬物含有部としての薬物含有層2aと、その薬物含有層2aを被う(例えば、薬物含有層2aの両面を被う)保護層2b、2bとで構成するとともに、それら保護層2bを、胃で溶けることなく腸で溶ける腸溶性を備える可食性の素材を用いて形成してもよい。この腸溶性を備える可食性の素材としては、前述した被膜層3用の可食性素材のうち、腸溶性を備えるもの、すなわち、例えば、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セラック、ツェイン等を使用することができる。なお、必要によっては、この保護層2bは、前記腸溶性を備える可食性の素材以外に、前記被膜層3と同様に、例えば、安定剤、界面活性剤、可塑剤、滑沢剤、甘味剤、懸濁剤、抗酸化剤、着香剤・香料、消泡剤、着色剤,pH調節剤、乳化剤、発泡剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、崩壊補助剤、芳香剤、防腐剤、保存剤、無痛化剤、溶剤、溶解剤、剥離剤等の添加剤の1種または2種以上がさらに配合されて形成されてもよい。
【0034】
図5は、この発明の第2の実施の形態を示す。図中符号11は、この発明に係る内服薬、特に、フィルム状あるいはシート状の内服薬である。この内服薬11は、薬剤部としての薬剤層12と、その薬剤層12の少なくとも一部(図示実施の形態においては、薬剤層12の両面)を被うとともに人の消化器官としての胃または腸で溶ける、可食性の被膜層13、13とを備えている。そして、被膜層13は、その表面部が水とか唾液によって溶ける。
【0035】
具体的には、薬剤層12は、薬物含有部としての薬物含有層2aと、その薬物含有層2aを被う(例えば、薬物含有層2aの両面を被う)保護層12b、12bと、それらの保護層12b、12bの表面に形成される、薬物を含有する他の薬物含有部としての他の薬物含有層12a、12aとを有する。薬物含有層2aと他の薬物含有層12aとには、それぞれ異なった薬物が含有されている。薬物含有層2aには、腸に直接作用するか、あるいは、腸から吸収されることが望まれる薬物が含有され、他の薬物含有層12aには、胃で直接作用するか、あるいは、胃から吸収されることが望まれる薬物が含有されている。保護層12bは、胃で溶けることなく腸で溶ける腸溶性を備えた可食性の素材を用いて形成される。腸溶性を備えた可食性の素材としては、前述のとおり、例えば、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セラック、ツェイン等を挙げることができる。そして、必要によっては、保護層12bおよび他の薬物含有層12aも、前記被膜層3と同様に、例えば、安定剤、界面活性剤、可塑剤、滑沢剤、甘味剤、懸濁剤、抗酸化剤、着香剤・香料、消泡剤、着色剤,pH調節剤、乳化剤、発泡剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、崩壊補助剤、芳香剤、防腐剤、保存剤、無痛化剤、溶剤、溶解剤、剥離剤等の添加剤の1種または2種以上がさらに配合されて形成されてもよい。
【0036】
被膜層13は、薬剤層12側の第1の被膜層13a、13a(図示実施の形態においては、第1の被膜層13aは、他の薬物含有層12aの表面を被うように積層形成されている。)と、それら第1の被膜層13a、13aの表面を被う第2の被膜層13b、13bとからなっている。第1の被膜層13aは、水とか唾液で溶けることがないように、(あるいは容易に溶けることがないように)、水に対して不溶あるいは難溶であって、胃で溶ける可食性の素材が用いられて形成されるのが好ましい。もっとも、この第1の被膜層13aは、内服薬11が胃に達する前に、その第1の被膜層13aが口腔内等で溶けて崩壊してしまわなければよいわけであるから、その第1の被膜層13aに、水とか唾液を吸収することにより、その表面部から徐々に溶け始めるも崩壊までに時間的ずれを生じさせることができるような、胃溶性の可食性の素材が用いられて、前記第1の被膜層13aが形成されてもよい。また、第2の被膜層13bは、水とか唾液で溶ける可食性素材からなっている。このように、被膜層13は、胃で溶けるようになっているが、口腔内で溶ける部分と、胃に達するまでは溶けてしまわない部分との複層構造となっている。
【0037】
ここで、第1の被膜層13aを形成するのに利用できる可食性の素材としては、前述の被膜層3用の可食性素材のうち、腸溶性を備えた可食性の素材(メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セラック、ツェイン等)を除いたものを使用することができる。また、第2の被膜層13bを形成する素材、すなわち、水とか唾液で溶ける可食性の素材としては、前述のデンプン、α化デンプン等を始めとする水溶性の可食性素材を挙げることができる。なお、これら第1の被膜層13aおよび第2の被膜層13bについても、前記被膜層3と同様に、必要によっては、例えば、安定剤、界面活性剤、可塑剤、滑沢剤、甘味剤、懸濁剤、抗酸化剤、着香剤・香料、消泡剤、着色剤,pH調節剤、乳化剤、発泡剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、崩壊補助剤、芳香剤、防腐剤、保存剤、無痛化剤、溶剤、溶解剤、剥離剤等の添加剤の1種または2種以上がさらに配合されて形成されてもよい。
【0038】
次に、以上の構成からなる内服薬11の作用効果を説明する。これによれば、内服薬11を口腔内に入れると、薬剤層12を被う被膜層13、13の表面部、詳しくは、第2の被膜層13b、13bが、口腔内の唾液によって溶けて滑らかとなるので、この内服薬11は、喉を通り易いものとなる。したがって、この内服薬11は、寝たきりの人とか嚥下障害のある人であっても容易に服用することができる。また、この内服薬11は、一般の内服薬に比して、僅かな水分で服用することができるので、例えば、水分の摂取が制限されている病人等が服用する内服薬として好適である。しかも、この内服薬11は、服用を容易にするための嚥下補助ゼリー等を利用する必要もなく、取り扱いが容易である。図示実施の形態においては、内服薬11は、フィルム状あるいはシート状を呈している。このため、内服薬11は、一層喉を通り易いものとなり、この内服薬11を一層容易に服用することができる。なお、口腔内の唾液の量は人それぞれ異なるものであるので、口腔内の唾液量が少ない人が服用する場合には、内服薬11を予め水に浸して、被膜層13、13の表面部、詳しくは、第2の被膜層13b、13bを溶かし、その後、口腔内に入れるようにしても構わない。
【0039】
そして、喉を通った内服薬11は、胃まで達したところで、被膜層13、13、詳しくは、第1の被膜層13a、13aが溶けて、保護層12b、12bの表面に形成された他の薬物含有層12a、12aに含有された薬物が、胃で直接作用するか、あるいは、胃から吸収される。さらに、この内服薬11の、保護層12b、12bに被われた薬物含有層2aが、胃を通過して腸まで達すると、保護層12b、12bが溶けて、薬物含有層2aに含有された薬物が腸に直接作用するか、あるいは、腸から吸収される。したがって、一つの内服薬11に、目的の異なる複数種の薬物を含有させることができる。
【0040】
なお、この発明に係る内服薬は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。
【0041】
例えば、第1の実施の形態において、薬剤層2を、第2の実施の形態で示した薬剤層12と同一の構成とし、被膜層3を、胃で溶ける胃溶性を備えた可食性の素材を用いて形成してもよい。また、第2の実施の形態において、他の薬物含有層12aと、保護層12bを省略しても構わない。この場合において、第1の被膜層13a、13aは、胃で溶ける胃溶性あるいは胃で溶けることなく腸で溶ける腸溶性を備えた可食性の素材のいずれを用いて形成してもよい。
【0042】
また、第2の実施の形態において、第1の被膜層13a、13aを、第1の実施の形態の被膜層3のように、空隙3a、3aを有する多孔質のものとしてもよい。これによれば、第2の被膜層13b、13bが水とか唾液によって溶けることで、被膜層13の表面が滑らかになるだけでなく、第1の被膜層13a、13aが水とか唾液を吸収することで、被膜層13が柔軟になるので、内服薬11は、さらに喉を通り易いものとなる。
【0043】
また、第2の実施の形態において、第2の被膜層13b、13bには、薬物が含有されていてもよい。これによれば、第2の被膜層13b、13bが溶けることによって、その第2の被膜層13b、13b中の薬物は、口腔内に直接作用したり、あるいは、口腔内から吸収される。このように、第2の被膜層13b、13bに薬物が含有される場合においては、第2の被膜層13b、13bに、甘味料等の香味剤を含有するようにしてもよい。これによれば、第2の被膜層13b、13bが口腔内で溶けたときに、薬物の苦味を少なくすることができる。なお、第2の被膜層13b、13bに薬物が含有されない場合であっても、第2の被膜層13b、13bに、甘味料等の香味剤を含有するようにしてもよい。
【0044】
また、第2の実施の形態に示されるような内服薬において、被膜層13は、第1の被膜層13aのみからなってもよく、この場合、第1の被膜層13aのみからなる被膜層13は、その被膜層13に、水とか唾液を吸収することにより、その表面部から徐々に溶け始めるも崩壊までに時間的ずれを生じさせることができるような、胃溶性の可食性の素材が用いられて形成される。
【0045】
また、第2の実施の形態において、薬剤層12は、薬物含有層2aの他に、保護層12bと他の薬物含有層12aとを備えているが、薬物含有層2aのみからなっていてもよく、このような場合には、被膜層13は、胃で溶けるものであってよく、腸で溶けるものであってもよい。
【0046】
また、被膜層3、13は、薬剤層2、12の両面を被うように設けられなくとも、片面を被うように設けられてもよく、また、両面に加えて側面を含む全周を被うように設けられても構わない。
【0047】
また、この発明に係る内服薬は、フィルム状あるいはシート状を呈するものでなくとも、粒状、錠剤状、カプセル状等の固形状を呈するものであってもよい。すなわち、この発明に係る内服薬は、錠剤、丸薬、顆粒剤、カプセル剤等であってもよく、その形状は、円盤状、凸レンズ状、球状、卵状、カプセル形状等、どのような形状であっても構わない。なお、内服薬がカプセル剤の場合には、その内服薬は、薬剤部としての、薬物が充填されたカプセル(ハードカプセルもしくはソフトカプセル)部と、そのカプセル部の少なくとも一部(全部を含む)を被うとともに人の消化器官としての胃または腸で溶ける、可食性の被膜層とを備えるものである。そして、この被膜層は、既述した被膜層3、13と同様に、水とか唾液を吸収し得るようになっているか、あるいは、その表面部が水とか唾液によって溶けるようになっている。いずれにしても、フィルム状あるいはシート状を呈する内服薬について記述した事項は、カプセル状の内服薬のみならず、粒状、錠剤状その他の固形状を呈する内服薬についても当て嵌まることとなる。
【実施例】
【0048】
前述の第1の実施の形態に示す内服薬の実施例を以下に示す。もっとも、この実施例においては、第1の実施の形態とは異なり、被膜層を形成する塗工液と、薬物含有層(薬剤層)を形成する塗工液とを、ベース材上に、重ねるように塗布して内服薬を製造するのではなく、被膜層を形成する塗工液と、薬物含有層(薬剤層)を形成する塗工液とを、それぞれ、ベース材となるガラス板等に塗布(コート)することで、別々に、被膜層と薬物含有層(薬剤層)とを形成し、その後に、それら被膜層と薬物含有層(薬剤層)とを貼り合わせることで、内服薬を製造している。
【0049】
この内服薬における、薬物含有層(薬剤層)の添加成分を表1に、そして、被膜層(乾燥ゼリー層、乾燥ゲル層)の添加成分を表2に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
この実施例においては、薬物含有層(薬剤層)には、主な基剤として、フィルム形成能を備える可食性の素材である、ゼラチンが用いられる。そして、被膜層には、主な基剤として、ゲル化剤としてのカラギーナン(イオタカラギーナン)および賦形剤としてのトレハロースが用いられる。ここにおいて、内服薬の形状および寸法の一例を挙げると、直径10mmの円形シート状であって、薬物含有層(薬剤層)が、厚さ0.53mm、被膜層が、それぞれ厚さ1.25mmである。この内服薬は、水を少量添加することによって、崩壊することなく、被膜層が膨潤ゲル化した。なお、図6と図7に、この内服薬における、薬物含有層(薬剤層)の調整方法と、被膜層(乾燥ゼリー層、乾燥ゲル層)の調整方法を示す。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の第1の実施の形態の、内服薬の平面図である。
【図2】同じく、内服薬の断面図である。
【図3】同じく、内服薬の製造過程を示す断面図である。
【図4】この発明の第1の実施の形態の変形例を示す、内服薬の断面図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態の、内服薬の断面図である。
【図6】この発明の第1の実施の形態の実施例における、薬剤層の調整方法の流れ図である。
【図7】同じく、被膜層の調整方法の流れ図である。
【符号の説明】
【0054】
1、11 内服薬
2、12 薬剤層(薬剤部)
2a 薬物含有層(薬物含有部)
12a 他の薬物含有層(他の薬物含有部)
2b、12b 保護層
3、13 被膜層
13a 第1の被膜層
13b 第2の被膜層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状あるいはシート状を呈する、または、粒状、錠剤状、カプセル状等の固形状を呈する、内服薬であって、
薬物を含有する薬物含有部を有する薬剤部と、その薬剤部の少なくとも一部を被うとともに人の消化器官としての胃または腸で溶ける、可食性の被膜層とを備え、
前記被膜層は、水とか唾液を吸収し得ることを特徴とする、内服薬。
【請求項2】
前記被膜層は、前記水とか唾液を収容する空隙を有することを特徴とする、請求項1に記載の内服薬。
【請求項3】
前記薬剤部は、前記薬物含有部と、その薬物含有部を被うとともに胃で溶けることなく腸で溶ける腸溶性を備えた可食性素材が用いられた、保護層とを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の内服薬。
【請求項4】
フィルム状あるいはシート状を呈する、または、粒状、錠剤状、カプセル状等の固形状を呈する、内服薬であって、
薬物を含有する薬物含有部を有する薬剤部と、その薬剤部の少なくとも一部を被うとともに人の消化器官としての胃または腸で溶ける、可食性の被膜層とを備え、
前記被膜層は、その表面部が水とか唾液によって溶けることを特徴とする、内服薬。
【請求項5】
前記被膜層は、前記薬剤部側の第1の被膜層と、その第1の被膜層の表面を被う第2の被膜層とを備え、
前記第1の被膜層は、水とか唾液に対して不溶あるいは難溶な可食性素材が用いられ、
前記第2の被膜層は、水とか唾液で溶ける可食性素材が用いられることを特徴とする、請求項4に記載の内服薬。
【請求項6】
前記第1の被膜層は、水とか唾液を収容する空隙を有することを特徴とする、請求項5に記載の内服薬。
【請求項7】
前記第2の被膜層には、薬物が含有されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の内服薬。
【請求項8】
前記薬剤部は、前記薬物含有部と、その薬物含有部を被うとともに胃で溶けることなく腸で溶ける腸溶性を備えた可食性素材が用いられた、保護層と、その保護層の表面に形成される、薬物を含有する他の薬物含有部とを備え、かつ、
前記被膜層は、前記胃で溶けることを特徴とする、請求項1、2、4、5、6、7のいずれか1項に記載の内服薬。
【請求項9】
前記内服薬は、フィルム状あるいはシート状を呈し、
前記薬剤部は、薬剤層からなり、前記被膜層は、前記薬剤層の片面または両面を被うことを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の内服薬。
【請求項10】
前記内服薬は、フィルム状あるいはシート状を呈し、
前記薬剤部は、薬剤層からなり、その薬剤層は、前記薬物含有部としての薬物含有層からなり、その薬物含有層には、主な基剤としてゼラチンが用いられ、
前記被膜層は、前記薬物含有層の両面を被い、その被膜層には、主な基剤としてカラギーナンおよびトレハロースが用いられることを特徴とする、請求項1または2に記載の内服薬。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−70344(P2007−70344A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206725(P2006−206725)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年3月29日に社団法人日本薬学会第126年会にてポスター発表
【出願人】(591091043)株式会社ツキオカ (38)
【出願人】(304019399)国立大学法人岐阜大学 (289)
【Fターム(参考)】