説明

内燃機関および内燃機関の制御装置

【課題】 シリンダに隣接して設けられたウォータジャケットの下方において行われる放熱を抑制し、以って内燃機関の暖機性を向上させることができる内燃機関、および当該内燃機関について制御をする内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】 内燃機関10Aはシリンダブロック11Aとシリンダライナ12Aとを備えている。シリンダブロック11Aは、シリンダ111Aに隣接して設けられたウォータジャケット112Aを有している。シリンダライナ12Aは、ウォータジャケット112Aよりも下方に延伸するとともに外部に露出し、さらに中空部123Aが設けられた延伸部122Aを有している。中空部123Aは周方向に沿って一周に亘って設けられており、中空部123Aには空気が存在している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関および内燃機関の制御装置に関し、特にシリンダライナを備えた内燃機関、および当該内燃機関について制御をする内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリンダライナを備えた内燃機関が知られている。このシリンダライナには、例えばシリンダブロックに鋳込む場合に製造上の問題があることや、機関運転時に変形する問題があることが知られている。そしてこれらの問題に起因して、シリンダライナがピストンの摺動摩擦の大きさ(さらには内燃機関の燃費)やオイル消費量やブローバイガス量などを左右することが知られている。これに対して例えば特許文献1では、以下に示すシリンダライナの構造が開示されている。特許文献1が開示するシリンダライナの構造は、シリンダライナの外周面に中間部から上下の両端部に向かって滑らかな曲面部を形成することで、シリンダライナの肉厚を中間部から上下の両端部に向かって次第に大きくしている。特許文献1の開示技術によれば、シリンダライナの変形を抑制しつつ軽量化を図ることができる。
【0003】
また本発明に係る中空部に関連すると考えられる技術が例えば特許文献2または3で開示されている。特許文献2の開示技術は、シリンダライナに密閉空隙を設けるとともに、密閉空隙に低融点金属を封入している。特許文献3の開示技術は、シリンダライナとシリンダブロック本体との間に、シリンダライナのクランクケース側から、ウォータジャケットのクランクケース側端部を越える位置まで空隙を形成している。なお、特許文献2の開示技術は、密閉空隙に封入した低融点金属の作用に基づき、冷却水の冷却性能と両立させる形で内燃機関の暖機性向上を図る技術となっている。また特許文献3の開示技術は、空隙によってシリンダライナの歪みを抑制する技術となっている。このほかシリンダライナに関する技術は例えば特許文献4で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−159644号公報
【特許文献2】特開2002−256964号公報
【特許文献3】特開2007−196242号公報
【特許文献4】実開平6−1749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、シリンダライナを備えた内燃機関では例えば以下に示す問題もある。図6は一般的な内燃機関10Xの要部を断面で模式的に示す図である。内燃機関10Xはシリンダブロック11Xと、シリンダライナ12Xと、クランクケース13Xとを備えている。シリンダブロック11Xにはシリンダ111Xが設けられており、さらにシリンダ111Xに隣接してウォータジャケット112Xが設けられている。そしてシリンダブロック11Xは、ウォータジャケット112Xの下方に下方部分113Xを有している。ところが、この下方部分113Xは金属部分であり、また剛性を確保するために厚肉とされていることから熱容量が大きくなっている。このため内燃機関10Xでは、下方部分113Xを介して内部から外部への放熱が行われ、この結果、内燃機関の暖機性が損なわれているという問題があった。
【0006】
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、シリンダに隣接して設けられたウォータジャケットとクランクケースとの間において行われる放熱を抑制し、以って内燃機関の暖機性を向上させることができる内燃機関、および当該内燃機関について制御をする内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の内燃機関は、シリンダに隣接して設けられたウォータジャケットを有するシリンダブロックと、前記ウォータジャケットよりも下方に延伸するとともに外部に露出し、さらに中空部が設けられた延伸部を有するシリンダライナと、を備える。
【0008】
また本発明は前記中空部を前記延伸部のみに設けた構成であってもよい。
【0009】
また本発明は前記中空部を前記延伸部から、シリンダ軸線方向において前記ウォータジャケットと所定の長さ重なる位置にかけて設けた構成であることが好ましい。
【0010】
また本発明は前記中空部に排気ガスを供給する供給装置がさらに設けられた構成であることが好ましい。
【0011】
また本発明の内燃機関の制御装置は、請求項4記載の内燃機関について制御をする内燃機関の制御装置であって、機関冷間時に前記中空部に排気ガスを供給するように前記供給装置を制御する制御手段を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によればシリンダに隣接して設けられたウォータジャケットとクランクケースとの間において行われる放熱を抑制し、以って内燃機関の暖機性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】内燃機関10Aの要部を断面で模式的に示す図である。
【図2】内燃機関10Bの要部を断面で模式的に示す図である。
【図3】ECU1Aとともに、供給装置30が設けられた内燃機関10Cの要部を断面で模式的に示す図である。
【図4】ECU1Aの動作をフローチャートで示す図である。
【図5】ECU1Bとともに、供給装置40が設けられた内燃機関10Cの要部を断面で模式的に示す図である。
【図6】一般的な内燃機関10Xの要部を断面で模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本実施例に係る内燃機関10Aの要部を断面で模式的に示す図である。内燃機関10Aはシリンダブロック11Aと、シリンダライナ12Aと、クランクケース13Aとを備えている。シリンダブロック11Aには、シリンダ111Aとウォータジャケット112Aとが設けられている。ウォータジャケット112Aはシリンダ111Aに隣接して設けられている。ウォータジャケット112Aは、シリンダブロック11Aの上面からクランクケース13Aに向かって、シリンダ軸線に沿って延伸するとともに、シリンダ111Aの周囲を囲むようにして設けられている。シリンダブロック11Aは、ウォータジャケット112Aの下方に下方部分113Aを有している。
【0016】
シリンダライナ12Aはシリンダブロック11Aに組み込まれている。シリンダライナ12Aはシリンダ部121Aと延伸部122Aとを有している。シリンダ部121Aはシリンダ111Aに収容されており、延伸部122Aはウォータジャケット112Aよりも下方に延伸した部分となっている。シリンダ部121Aおよび延伸部122Aはともに円筒状に形成されている。延伸部122Aの内径は、シリンダ部121Aの内径を加工する都合上、シリンダ部121Aの内径よりも大きく設定されている。延伸部122Aは外部に露出しており、さらに延伸部122Aには中空部123Aが設けられている。このため延伸部122Aはシリンダ部121Aよりも厚く設定されている。中空部123Aは周方向に沿って一周に亘って設けられており、中空部123Aには気体(ここでは空気)が存在している。クランクケース13Aは、延伸部122Aに連結されている。シリンダブロック11Aおよびクランクケース13Aの材質はアルミ合金となっており、シリンダライナ12Aの材質は鉄となっている。
【0017】
次に内燃機関10Aの作用効果について説明する。内燃機関10Aでは、前述した一般的な内燃機関10Xの下方部分113Xに対応する部分のうち、相当の部分が、中空部123Aが設けられた延伸部122Aによって構成されている。そして中空部123A内にある空気は断熱層として機能する。このため内燃機関10Aでは、ウォータジャケット112Aとクランクケース113Aとの間において放熱が行われることを抑制できる。また内燃機関10Aでは、延伸部122Aに中空部123Aを設けたことで、厚肉とした鋳造の下方部分113Xと同等の剛性を確保した場合であっても質量を軽減でき、これにより熱容量を低減できる。そしてこれらにより、内燃機関10Aの暖機性を向上させることができる。
【0018】
また機関冷間時には一般に暖機性向上のために燃料噴射量が増量されるところ、内燃機関10Aの暖機性を向上させることで、燃料噴射量増量期間を短縮することも可能になり、この結果、燃費を向上させることも可能になる。
また内燃機関10Aの暖機性を向上させることで、車両に用いられる図示しないヒータの作動の早期化を図ることもでき、特に冬季に有効となる。
また内燃機関10Aでは、下方部分113Xに対応する部分のうち、相当の部分を延伸部122Aで構成したことで、スラスト側・反スラスト側の剛性をより均等にすることもできる。そしてこれにより、ボアの変形が少なくなることから、ピストンの摺動摩擦を低減でき、以って燃費や信頼性を向上させることもできる。
また内燃機関10Aでは、下方部分113Xに対応する部分のうち、相当の部分を延伸部122Aで構成したことで、ヘッドボルト軸力のシリンダブロック11A下面デッキへの伝達性を向上させることもできる。
このように内燃機関10Aは、シリンダ111Aに隣接して設けられたウォータジャケット112Aとクランクケース113Aとの間において行われる放熱を抑制し、以って内燃機関10Aの暖機性を向上させることなどができる。
【実施例2】
【0019】
図2は本実施例に係る内燃機関10Bの要部を断面で模式的に示す図である。内燃機関10Bは、シリンダブロック11Aの代わりにシリンダブロック11Bを備えている点と、シリンダライナ12Aの代わりにシリンダライナ12Bを備えている点以外、内燃機関10Aと実質的に同一のものとなっている。シリンダライナ12Bは、中空部123Aの代わりに中空部123Bを備えており、またこれに伴いシリンダ部121Aの代わりにシリンダ部121Bを、延伸部122Aの代わりに延伸部122Bをそれぞれ備えている。中空部123Bは、延伸部122Bのみならず、延伸部122Bからさらにシリンダ部121Bにかけて設けられている。このためシリンダ部121B下部の外径は、他の部分と比較して大きく設定されている。そしてシリンダ部121B下部と同じ幅で連続するように延伸部122Bが設けられている。
【0020】
また、このように構成されたシリンダライナ12Bに適合させるため、シリンダブロック11Bはシリンダ111Aの代わりにシリンダ111Bを、ウォータジャケット112Aの代わりにウォータジャケット112Bを、下方部分113Aの代わりに下方部分113Bをそれぞれ備えている。シリンダ111Bは、下部の内径が他の部分と比較して大きく設定されている。またウォータジャケット112Bの下部の幅は、他の部分と比較して小さく設定されている。また下方部分113Bはこれらに適合する形で設けられている。
【0021】
中空部123Bは、さらに具体的には延伸部122Bから、シリンダ軸線方向においてウォータジャケット112Bと所定の長さ重なる位置にかけて設けられている。この所定の長さはすくなくともゼロ以上であればよく、ウォータジャケット112Bを流通する冷却水の冷却性能との両立を考慮した上で、適宜の長さに設定することができる。この点、所定の長さ重なる位置は図示しないピストンの摺動部に含まれ、且つ燃焼室から十分離れた位置であることが好ましい。
次に内燃機関10Bの作用効果について説明する。内燃機関10Bでは、中空部123Bがシリンダ軸線方向においてウォータジャケット112Bと所定の長さ重なっていることから、さらに下方部分113Bを介した放熱を抑制できる。
このように内燃機関10Bは内燃機関10Aと比較してさらに放熱を抑制することができる。
【実施例3】
【0022】
図3は内燃機関の制御装置であるECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)1Aとともに、供給装置30が設けられた本実施例に係る内燃機関10Cの要部を断面で模式的に示す図である。内燃機関10Cは、シリンダライナ12Bの代わりにシリンダライナ12Cを備えている点と、供給装置30がさらに設けられている点以外、内燃機関10Bと実質的に同一のものとなっている。シリンダライナ12Cは、延伸部122Bの代わりに延伸部122Cを備えるとともに、中空部123Bの代わりに中空部123Cを備えている。延伸部122Cはシリンダ部121B下部と内外径がともに等しく設定されており、中空部123Cはシリンダ軸線方向に沿って幅が等しく設定されている。すなわち、実施例2で前述したシリンダライナ12Bの代わりに、例えばこのように延伸部122Bおよび中空部123Cを設けたシリンダライナ12Cを適用することもできる。またシリンダライナ12Cには、さらに排気ガス導入部124および排気ガス排出部125が設けられている。そしてこれらの点以外、シリンダライナ12Cはシリンダライナ12Bと実質的に同一のものとなっている。
【0023】
供給装置30はEGRガスを流通させるEGR配管31(31a、31bおよび31c)と、EGR配管31aおよび31bの間に設けられたEGRクーラ32と、EGRクーラ32をバイパスする形でEGR配管31に接続されたバイパス配管33(33aおよび33b)と、EGR配管31bの終端、バイパス配管33bの終端およびEGR配管31cの基端を接続するバルブ34とを備えている。供給装置30は、中空部123Cに排気ガスを供給するための構成であり、バイパス配管33aの終端は排気ガス導入部124に、バイパス配管33bの基端は排気ガス排出部125にそれぞれ接続されている。バルブ34は電磁弁であり、EGR配管31bとEGR配管31cとを連通する場合と、バイパス配管33bとEGR配管31cとを連通する場合とを切替可能な三方弁となっている。
【0024】
ECU1AはCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータ(図示省略)を備えている。ECU1Aは主に内燃機関10Cを制御するように構成されている。この点、ECU1Aは具体的には例えば図示しない燃料噴射弁を制御するように構成されている。このほかECU1Aは、例えばバルブ34を制御するように構成されている。バルブ34は制御対象としてECU1Aに電気的に接続されている。またECU1Aには水温センサ51などの各種のSW・センサ類が接続されている。内燃機関10Cの冷却水の水温THWは水温センサ51の出力に基づき検出される。
【0025】
ROMはCPUが実行する種々の処理が記述されたプログラムやマップデータなどを格納するための構成である。CPUがROMに格納されたプログラムに基づき、必要に応じてRAMの一時記憶領域を利用しつつ処理を実行することで、ECU1Aでは各種の制御手段や判定手段や検出手段や算出手段などが機能的に実現される。この点、本実施例では機関冷間時に中空部123Cに排気ガスを供給するように供給装置30(より具体的にはバルブ34)を制御する制御手段がECU1Aで機能的に実現される。
【0026】
次にECU1Aの動作を図4に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本フローチャートは内燃機関10Cが始動した際に開始され、ごく短い間隔で繰り返し実行される。ECU1Aは、機関冷間時であるか否かを判定する(ステップS1)。機関冷間時であるか否かは例えば水温THWが所定値(例えば75℃)以下であるか否かを判定することで判定できる。ステップS1で肯定判定であれば、ECU1Aは中空部123Cに排気ガスを供給するように(バイパス配管33bとEGR配管31cとを連通するように)バルブ34を制御する(ステップS2)。これにより中空部123Cに排気ガスが供給される。一方、ステップS1で肯定判定であれば、機関温間時であると判断される。このときECU1Aは中空部123Cに排気ガスが供給されないように(EGR配管31bとEGR配管31cとを連通するように)バルブ34を制御する(ステップS3)。
【0027】
次に供給装置30が設けられた内燃機関10CおよびECU1Aの作用効果について説明する。内燃機関10CおよびECU1Aでは、機関冷間時に排気ガスを中空部123Cに供給することから、排気熱でボアを温めることができる。このため内燃機関10CおよびECU1Aでは、これによりボア面のオイル粘度を低下させることができ、以ってピストンの摺動摩擦低減を図ることができる。またオイルを温めることができることから、内燃機関10CおよびECU1Aではオイルよって潤滑される内燃機関10C各部の摺動摩擦も低減することができる。そして内燃機関10CおよびECU1Aでは、これら摺動摩擦の低減に基づき燃費を向上できる。
このように、供給装置30が設けられた内燃機関10CおよびECU1Aは、内燃機関10Bと比較してさらに機関冷間時に内燃機関10Cの摺動摩擦を低減できるとともに、これに基づく燃費の向上を図ることができる。
【0028】
なお、供給装置30の代わりに例えば次に示すように構成された供給装置40を設けることもできる。図5はECU1Bとともに、供給装置40が設けられた内燃機関10Cの要部を断面で模式的に示す図である。
供給装置40は排気管41と、分岐管42(42aおよび42b)と、バルブ43とを備えている。分岐管42aは基端が排気管41に接続されるとともに、終端が排気ガス導入部124に接続されている。分岐管42bは基端が排気ガス排出部125に接続されるとともに、終端が排気管41のうち、分岐管42aが接続されている部分よりも下流側の部分に接続されている。バルブ43は分岐管42bに設けられており、分岐管42bを連通、遮断可能な電磁弁となっている。
ECU1Bはバルブ34の代わりにバルブ43が制御対象として電気的に接続されるとともに、制御手段が機関冷間時に中空部123Cに排気ガスを供給するよう、供給装置30の代わりに供給装置40(より具体的にはバルブ43)を制御するように実現される点以外、ECU1Aと実質的に同一のものとなっている。
そしてかかる供給装置40が設けられた内燃機関50CおよびECU1Bでも、機関冷間時にオイルを温めることができることから、供給装置30が設けられた内燃機関50CおよびECU1Aと同様の効果を得ることができる。
【0029】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例1および2では、断熱効果が高いことから中空部123に空気が存在する場合について詳述した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、中空部には例えば空気以外の気体が存在していてもよく、またグラスウールや発泡樹脂などを設けてもよい。
また例えば上述した実施例3では、高い昇温効果が得られることから、EGR配管31を流通する排気ガスの全部を中空部123Cに供給する排気ガスとした場合について詳述した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、中空部に供給する排気ガスは例えば流通する排気ガスの一部であってもよい。
また例えば上述した実施例3では、供給装置30が設けられた内燃機関10Cに対してECU1Aを適用した場合について詳述した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、供給装置が設けられた内燃機関は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、ECU1Aが行う制御以外の適宜の制御が行われてもよい。
【0030】
また制御手段は、主に内燃機関10を制御するECU1で実現することが合理的であるが、例えばその他の電子制御装置や専用の電子回路などのハードウェアやこれらの組み合わせによって実現されてもよい。この点、本発明の内燃機関の制御装置は、例えば複数の電子制御装置や、電子回路等のハードウェアや、電子制御装置と電子回路等のハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。同様に本発明の内燃機関の制御装置で機能的に実現される各種の手段も複数の電子制御装置や、電子回路等のハードウェアや、電子制御装置と電子回路等のハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 ECU
10 内燃機関
11 シリンダブロック
111 シリンダ
112 ウォータジャケット
12 シリンダライナ
121 シリンダ部
122 延伸部
123 中空部
30、40 供給装置
34、43 バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダに隣接して設けられたウォータジャケットを有するシリンダブロックと、
前記ウォータジャケットよりも下方に延伸するとともに外部に露出し、さらに中空部が設けられた延伸部を有するシリンダライナと、を備えた内燃機関。
【請求項2】
請求項1記載の内燃機関であって、
前記中空部を前記延伸部のみに設けた内燃機関。
【請求項3】
請求項1記載の内燃機関であって、
前記中空部を前記延伸部から、シリンダ軸線方向において前記ウォータジャケットと所定の長さ重なる位置にかけて設けた内燃機関。
【請求項4】
請求項3記載の内燃機関であって、
前記中空部に排気ガスを供給する供給装置がさらに設けられた内燃機関。
【請求項5】
請求項4記載の内燃機関について制御をする内燃機関の制御装置であって、
機関冷間時に、前記中空部に排気ガスを供給するように前記供給装置を制御する制御手段を備えた内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−169049(P2010−169049A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13950(P2009−13950)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】