説明

内燃機関のカムシャフト構造

【課題】カムシャフトがバルブスプリングの反力による曲げモーメントでカムシャフトのジャーナル部或いは軸受部と偏当たして偏磨耗が生じることを防止したエンジンのカムシャフト構造を提供する。
【解決手段】内燃機関の機関本体に軸支され、端部で内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して回転し、内燃機関の各気筒に配設され吸気バルブ又は排気バルブ18を開閉するカムを備えたカムシャフト5において、吸気バルブ又は排気バルブ18を閉塞するバルブスプリング9の閉塞力に抗してバルブ開放時にカムシャフト5に作用する反力によって各気筒間を連結する気筒間カム軸部8に生じる変形を吸収するように、気筒間カム軸部8に貫通孔(凹部)16を形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多気筒エンジンの吸気バルブ及び排気バルブを開閉するカムシャフトのジャーナル部がバルブスプリングの反力により曲げモーメントを受け偏当りするのを防止するためのエンジンのカムシャフト構造に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、多気筒エンジンにおいては、クランクシャフトに連動してカムシャフトを回転させ、エンジンの吸気バルブ及び排気バルブを開閉させる。このように各バルブが開閉されることにより、エンジンの燃焼室には外気が導入され、或いは燃焼室から排気ガスが排出される。通常、各バルブの開閉タイミングや、バルブ開閉のオーバラップ量等のいわゆるバルブ開閉特性はカムの形状によって一義的に決定される。
【0003】
そこで、図5に4バルブエンジン001(1気筒に吸気バルブ2個、排気バルブ2個)の吸気側カムシャフト002による吸気バルブ004が開閉される構造の概略図を示す。各吸気バルブ004はエンジン001のシリンダブロック008の上部に固定されたシリンダヘッド006に装着されている。図5のE−E矢視に表されているようにカムシャフト002が矢印の方向に回転するとカム003がバルブスプリング005を圧縮しながら吸気バルブ004を下方に移動させて吸気孔0010を開く。吸気孔0010はエアクリーナ(図示省略)に連結している。
【0004】
ところが、吸気バルブ004と吸気孔0010との密閉性を良くすると共に、エンジン001の高速回転時にバルブスプリング005の確実な開閉動作を確保するためバルブスプリング005の圧縮反力は大きくしてある。カムシャフト002はカムシャフト002のジャーナル部009をシリンダヘッド006にカムキャップ0011によって回転可能に保持されている。そのため、カムシャフト002がエンジン001のクランクシャフトから伝達される回転力でカム003が吸気バルブ004を下方に押圧するとその反力でカムシャフト002のジャーナル部009の保持部を支点にして上方へ曲げモーメントが作用して、ジャーナル部009を回転可能に保持しているカムキャップ0011が偏磨耗し、同偏磨耗による回転抵抗の増大が生じる。
一方特開平10―141017号にあるような構造とすることで、偏磨耗及び、偏磨耗による回転抵抗の増大を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10―141017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記文献は図6に示すように吸気側カムシャフト06を示す。
吸気側カムシャフト06には吸気バルブ(図示略)を開閉するカム08が1気筒あたり2個ずつ形成されている。吸気側カムシャフト06の略中央にある2のジャーナル06aに挟まれた部分には、他の部分よりも径が細くなった縮径部030が形成されている。
また、吸気側カムシャフト06の端部には可変バルブタイミング機構(以下VVT機構)023が配設されている。VVT機構はドリブンギア021に連結されている。
ドリブンギア021はエンジン(図示略)のクランクシャフト(図示略)の回転に同期して駆動される。VVT機構は油圧により駆動され、エンジンの回転数、負荷等により吸気バルブ(図示略)の開閉タイミングを早めたり、遅らせたりしてエンジン出力を最適な状態にコントロールする。
【0007】
吸気側カムシャフト06には上述のVVT機構が装着されており、吸気側カムシャフト06のドリブンギア021と噛合い吸気側カムシャフト06を駆動する排気側カムシャフトのドライブギアとの噛合い周期と同期した周期的な力(噛合起振力)が外力として作用する。吸気側カムシャフト06はVVT機構が装着されていることにより、吸気側カムシャフト06全体の質量が排気側カムシャフトより大きいため、固有振動数が排気側カムシャフトより低くなる。
このため、噛合起振力の振動数と、吸気側振動系の固有振動数が一致して、共振現象が発生する恐れがある。その対応策として吸気側カムシャフト06の中間部で非軸支部分の所定の場所に縮径部030を設けて、縮径部030を振動モードの節とすることにより固有振動数を高くして、噛合起振力の振動数による共振を回避させている。
【0008】
ところが、吸気側カムシャフト06の中間部で非軸支部分の所定の場所に縮径部030を設けたことにより、振動モードの節とすることにより固有振動数を高くしているため、
振動による曲げモーメント発生の変形は縮径部030だけで吸収する構造のため、当該部に高応力が発生することが予測される。
更に、カムシャフトの気筒間のカム軸部にはバルブスプリングによる曲げモーメントが作用しており、カムシャフト06のジャーナル部06a或いは軸受部に偏磨耗をまねく問題がある。
【0009】
本願発明はこのような実情に鑑み、カムシャフトがバルブスプリングの反力による曲げモーメントでカムシャフトのジャーナル部或いは軸受部と偏当たして偏磨耗が生じることを防止したエンジンのカムシャフト構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はかかる目的を達成するもので、内燃機関の機関本体に軸支され、端部で前記内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して回転し、前記内燃機関の各気筒に配設され吸気バルブ又は排気バルブを開閉するカムを備えたカムシャフトにおいて、前記吸気バルブ又は排気バルブを閉塞するバルブスプリングの閉塞力に抗してバルブ開放時にカムシャフトに作用する反力によって各気筒間を連結する気筒間カム軸部に生じる変形を吸収するように、前記気筒間カム軸部に凹部を形成したことを特徴とする。
【0011】
このような構成によって、吸気バルブ又は排気バルブを内燃機関のシリンダヘッドの吸気ポート又は、排気ポートに押圧して、該吸気ポート又は、排気ポートの機密を保持しているバルブスプリングの反力により、気筒間カム軸部に変形が生じても、該カム軸部に凹部を形成して、該凹部で曲げ剛性を低減させて変形を吸収させることにより、隣接のカム軸受部への影響を排除させて、カム軸受部の偏当りによる偏摩耗、偏摩耗による回転フリクション増加を防止することができる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、前記気筒間カム軸部と該気筒間カム軸部の両側に配置されたカムの端面との接続部にはコーナR部を形成し、前記カム軸部上の前記R部末部から前記凹部に滑らかに接続するよう形成するとよい。
【0013】
このような構成によると、カムとカム軸との接続部には角R部を形成し、更に、曲げ剛性を低減させた凹部を形成しているので、接続部の応力集中を緩和できる。
【0014】
また、本発明において好ましくは、前記気筒間カム軸部と該気筒間カム軸部の両側に配置されたカムの端面との接続部にはコーナR部を形成し、前記凹部は前記R部にかからない位置に配設するとよい。
【0015】
このような構成によると、応力軽減用R部を避けた位置に曲げ変形を吸収する凹部を配設したので、R部への応力集中発生を防止し、カムシャフトとしての耐久性が確保できる。
【0016】
また、本発明において好ましくは、前記凹部は前記カムの頂点と前記カム軸の軸心とを結ぶ線と同じ方向に中心線を有するように配設するとよい。
【0017】
バルブスプリングの反力が一番強く作用する方向に凹部を配設することにより、カム軸の変形吸収が多くなり、隣接のカム軸受部への影響を少なくできる。
【0018】
また、本発明において好ましくは、前記凹部は前記カム軸の軸心に対し対称位置に配設するとよく、このような構成によると、バルブスプリング反力による変形の吸収量が更に多くなる。
【0019】
また、本発明において好ましくは、前記凹部は貫通孔であることが望ましく、このような構成によると、加工が容易で、加工の際に生成される切子が残り、内燃機関に悪影響を与える確立が少なくなりすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本願のカムシャフト構造によれば、内燃機関の各気筒に配設された吸気バルブ又は排気バルブを開閉するカム備えたカムシャフトは、各気筒のカム間を連結する気筒間カム軸部にバルブスプリングによるカム軸の断面剛性を軽減する凹部を形成したので、発生する曲げ変形を吸収できる。
従って、変形量を隣接する気筒間のカム軸で吸収するので、他の気筒に影響が及ばないので、カムシャフトを支軸するジャーナル部のカム軸とカムキャップとが偏当りして、カムシャフト回転のフリクション増大や、偏摩耗の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】発明の実施形態に係るカムシャフトと吸気バルブとの関係を示す全体概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るカムシャフト外観図を示し、(a)は全体の構成図であり、(b)は(a)のA部拡大説明図であり、(c)は(b)の側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る他の凹部形状拡大説明図である。
【図4】本発明の第3実施形態で、(a)は他の凹部形状であり、(b)はC−C矢視の説明図である。
【図5】従来技術に係るカムシャフトと吸気バルブとの関係概略図を示し、(a)は全体構成図であり、(b)は(a)のE−E矢視図である。
【図6】先行技術に係るカムシャフト外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明によるカムシャフト構造の実施形態を図面に基づいて説明する。
ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定の記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明にすぎない。
【0023】
(第1実施形態)
図1は発明の実施形態に係るカムシャフトと吸気バルブとの関係を示す全体概略図である。
また、図1は多気筒(シリンダ1個=1気筒)の4バルブエンジン1(1気筒に吸気バルブ2個、排気バルブ2個)の吸気側カムシャフト5による吸気バルブ18が開閉される構造の概略図を示す。
尚、本実施形態の説明では、吸気バルブ用のカムシャフトと、排気バルブ用のカムシャフトとは同じ考え方なので、吸気バルブ用のカムシャフトで説明する。
内燃機関であるエンジン1(以下エンジン1と記す)の上部は、シリンダブロック3にシリンダライナー13が嵌入され、その上部にシリンダヘッド2が載置され。シリンダヘッド2とシリンダライナー13とシリンダライナー13内を上下に往復行程をするピストン12の上面とで燃焼室14を形成している。
シリンダヘッド2の上面にはエンジン1のクランクシャフト(図示省略)に連動して回転するカムシャフト5が配設されている。カムシャフト5は端部にクランクシャフトと連動するための装置(図示省略)例えばギヤトレイン等で連動している。
また、本カムシャフト5は鍛造成型した素材を機械加工したものを図示している。
【0024】
カムシャフト5は上述の通り、1気筒に対して2個の吸気バルブ18を同時に開閉動作させるため、同位相のカム6を1気筒に対して2個対で配設している。カムシャフト5のシリンダヘッド2への取付けは、2個対のカム6の間であるジャーナル部10をシリンダヘッド2から突出したカム軸受11と、該カム軸受11に対向し、ジャーナル部10を上側から回動自在に保持し、ボルト(図示省略)にてカム軸受11に締結されるカムキャップ7とで行う。
【0025】
また、図2(a)及び(b)に示すように、カム6の側面17と気筒間カム軸部8との連結部には断面剛性変化が大きすぎるために応力集中が発生しやすいので、応力緩和処置としてR部19が設けてある。該R部19を避けた(離れた)位置には断面剛性低減部となる凹部である貫通孔16が設けられている。貫通孔16はカム6の頂点と気筒間カム軸部8の中心とを結ぶ線と略同じ方向に中心線を有している。該中心線は必ずしも、カム6の頂点と気筒間カム軸部8の中心とを結ぶ線と略同じ方向にする必要はなく、カム6のプロフィールにより若干の傾斜を有してもよい。
【0026】
カム6の下側にはシリンダヘッド2に開口し、エアクリーナ(図示省略)に連結した吸気ポート15を開閉する傘状の開閉部を有した吸気バルブ18が配置されている。吸気バルブ18は圧縮した状態で装着されているバルブスプリング9の反力によって吸気ポート15を閉塞すると共に吸気バルブ18の上端部をカム6の摺動面に押圧するようにしてある。このバルブスプリング9はエンジン1の高速回転時に、カム6の動作に吸気バルブ18(及び排気バルブ)を確実に追従させると共に、バルブスプリング9自体の共振を防止するため、バネ定数を高くしてある。
上述の通り、カム6は吸気バルブ18を下方に押し下げて、吸気ポート15を開く動作をするとバルブスプリング9の強い反力(バネ定数を高くしてある)を受け、上方への曲げ力になって変形する。その変形量がジャーナル部10を支点として隣接する気筒のジャーナル部10にレバー比状に大きく影響する。
【0027】
しかし、隣接する気筒間の気筒間カム軸部8の部分に、部分的に剛性の弱い凹部を1〜複数個配設することにより、上述の変形量を1〜複数個所で吸収または少しずつ吸収させるようにして応力の集中を防止すると共に、隣接するジャーナル部10の偏磨耗を防止して、回転フリクションの増加を防ぐ効果を有している。
尚、本実施形態の場合、吸気バルブ18を下方に押し下げている気筒のジャーナル部10は両隣のカム6と距離が少なく、同位相のカムプロフィールなので、バルブスプリング9による反力が同じように作用するため偏磨耗が発生しがたい。
【0028】
また、凹部である貫通孔16は各カム6の近傍に夫々1個記載してあるが、貫通孔16の径及び、数についてはエンジン1の仕様等により適宜調整することでよい。
更に、貫通孔16の位置は各気筒間中心部とカム6のR形状部19の末端部を含まない部分から各気筒間中心部までの間とするとよい。
これは、貫通孔16の位置がカム6の側面から離れるとその分、ジャーナル部10を支点としてレバー比的に変形量が大きくなり、吸収量が大きくなる。
従って、貫通孔16の位置はカム6の側面のR部19を避けた、カム6の側面に近い方が効果的である。
【0029】
(第2実施形態)
本発明によるカムシャフト構造の第2実施形態を図3に基づいて説明する。
図3はカムシャフト20のカム21と凹部である孔23の部分拡大図を示し、中実状のカムシャフト20のカム軸部22にカム21の側面からカム軸部22に連結するR部25から少し離れた位置(R部を避けた位置またはR部にかからない位置)には孔23が配設されている。
また、本カムシャフト20は鍛造成型した素材を機械加工したものを図示している。
孔23はカム21の頂点とカム軸22の中心とを結ぶ線と略同じ方向に中心線を有している。しかし、孔23はカムシャフト20の中途までの円筒状の孔で、カム軸22の中心に対し対象に設けられ、軸線方向でずれた構造としてある。
更に、孔23の位置は各気筒間中心部とカム21のR部25の末端部を含まない部分から各気筒間中心部までの間とし、図3では上下2個だが必要に応じて増減するとよい。
【0030】
孔23(凹部)をカム軸22の中心に対し対象に設けられ、軸線方向でずれた構造としたので、カムシャフト20の断面剛性低減部が長くなり、変形の吸収量が大きくなり応力集中の防止がさらに図りやすくなる。
更に、隣接するジャーナル部24の偏磨耗を防止して、回転フリクションの増加を防ぐ効果を有している。
【0031】
(第3実施形態)
本発明によるカムシャフト構造の第3実施形態を図4に基づいて説明する。
図4の(a)は他の凹部形状であり、(b)はC−C矢視の説明図である。
カムシャフト30のカム27と溝(凹部)28の部分拡大図を示し、中空状のカムシャフト30をバルジ加工等で成形する場合の形状を示す。
バルジ加工とはパイプの中側(中空部)に油圧等をかけて、外型の形状に沿わせるように成形する方法で、気筒間カム軸部26の外周部に弦方向に形成された切欠部または溝28を形成すると共に、中空管に外嵌したカム27を中空管に固定する方法である。
【0032】
溝28はカム27の側面からラジアル方向に拡大した気筒間カム軸部26に連続するR部31から少し離れた位置(R部31を避けた位置)に配設されている。
図4の(b)にC−C矢視で示すように、溝28は気筒間カム軸部26のカム27の頂点側位置と、気筒間カム軸部26の軸心を中心としたカム27の頂点と反対側の底辺側位置に、カム27の頂点と気筒間カム軸部26の中心とを結ぶ線と気筒間カム軸部26の軸心を含む面に対し略直角の方向に溝28が設けられている。
【0033】
本実施形態では溝28が設けられている位置を、カム27の側面からの距離を同一位置にしたが、どちらかを気筒間カム軸部26の軸線方向にずらすことも可能である。
また、溝28の位置は各気筒間中心部とカム27のR部30の末端部を含まない部分から各気筒間中心部までの間とし、図4では上下2個だが必要に応じて増減するとよい。
【0034】
本実施形態によれば、中空状のカムシャフト30をバルジ加工で成形するため、カム27にカムシャフト30を結合すると同時に、溝28を形成することができるため、簡単に溝28を有したカムシャフト30を形成できる。
しかも、溝28を気筒間カム軸部26の外周部で、カム27の頂点と気筒間カム軸部26の中心とを結ぶ線と気筒間カム軸部26の軸心を含む面に対し略直角の方向に、気筒間カム軸部26の軸心を中心としたカム27の頂点と反対側の底辺側位置に設けたので、カムシャフト25の断面剛性低減部の変形がより容易となり、変形の吸収量が大きくなり応力集中の防止がさらに図りやすくなる。
更に、隣接するジャーナル部29の偏磨耗を防止して、回転フリクションの増加を防ぐ効果については、実施形態1、2と同様に有している。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明では、4バルブ式エンジンのカムシャフトの偏磨耗を防止し、駆動フリクションを低減することができるので、4バルブ式エンジンおよび他形式のエンジンのカムシャフトにも使用するのに適している。
【符号の説明】
【0036】
1 エンジン本体(内燃機関)
2 シリンダヘッド
5、20、30 カムシャフト
6、21、27 カム
7 カムキャップ
8、22、26 気筒間カム軸部
9 バルブスプリング
10 ジャーナル部
11 カム軸受
14 燃焼室
15 吸気ポート
16 貫通穴(凹部)
23 孔(凹部)
28 溝(凹部)
18 吸気バルブ
19、25、31 R部
24、29 ジャーナル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の機関本体に軸支され、端部で前記内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して回転し、前記内燃機関の各気筒に配設され吸気バルブ又は排気バルブを開閉するカムを備えたカムシャフトにおいて、
前記吸気バルブ又は排気バルブを閉塞するバルブスプリングの閉塞力に抗してバルブ開放時にカムシャフトに作用する反力によって各気筒間を連結する気筒間カム軸部に生じる変形を吸収するように、前記気筒間カム軸部に凹部を形成したことを特徴とする内燃機関のカムシャフト構造。
【請求項2】
前記気筒間カム軸部と該気筒間カム軸部の両側に配置されたカムの端面との接続部にはコーナR部を形成し、前記カム軸部上の前記R部末部から前記凹部に滑らかに接続したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のカムシャフト構造。
【請求項3】
前記気筒間カム軸部と該気筒間カム軸部の両側に配置されたカムの端面との接続部にはコーナR部を形成し、前記凹部は前記R部にかからない位置に配設したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のカムシャフト構造。
【請求項4】
前記凹部は前記カムの頂点と前記カム軸の軸心とを結ぶ線と同じ方向に中心線を有するように配設したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のカムシャフト構造。
【請求項5】
前記凹部は前記カム軸の軸心に対し対称位置に配設されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃機関のカムシャフト構造。
【請求項6】
前記凹部は貫通孔であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃関のカムシャフト構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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