説明

内燃機関の冷却構造

【課題】シリンダブロックのウォータジャケットの排気側に供給される冷却水流量をできるだけ多く確保することが可能な内燃機関の冷却構造を提供する。
【解決手段】内燃機関では、シリンダブロック10の一端側に備えられた冷却水導入口14から、シリンダボア壁12を囲むように設けられたウォータジャケット13へ冷却水が導入され、このシリンダブロック10のウォータジャケット13の吸気側の部分X2と排気側の部分X1とに分岐して冷却水が流通されるとともに、シリンダブロック10側からシリンダヘッド側へ冷却水が供給される。冷却水導入口14の近傍には、シリンダヘッド側に供給される冷却水の流れを規制する規制壁部23が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車用等の内燃機関を冷却水によって冷却するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関では、シリンダブロック側とシリンダヘッド側とに冷却液(冷却水)を流通させるためのウォータジャケットがそれぞれ設けられる。シリンダブロックのウォータジャケット(以下では、単に「ウォータジャケット」とも言う)は、シリンダボア壁を囲むように設けられる。このウォータジャケットには、シリンダブロックの壁部に形成された冷却水導入口から、ウォータポンプにより圧送される冷却水が導入される。冷却水導入口は、例えばシリンダブロックのシリンダボア列方向の一端側に形成される。そして、冷却水導入口から導入された冷却水を流通させて、燃焼室からの熱により加熱されたシリンダボア壁を冷却している。
【0003】
シリンダヘッドのウォータジャケットは、主として燃焼室周辺や排気ポート周辺に設けられる。シリンダヘッドのウォータジャケットは、シリンダブロックのウォータジャケットに連通されており、このシリンダヘッドのウォータジャケットには、シリンダブロックのウォータジャケット側から冷却水が流入される。この場合、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介在されるシリンダヘッドガスケットに形成されたガスケット孔(開口)を介して、シリンダブロック側からの冷却水がシリンダヘッド側へ流入される。
【0004】
従来では、シリンダブロックの一端側に形成された冷却水導入口から導入された冷却水をウォータジャケットの吸気側および排気側に分岐させてシリンダボア壁を冷却するようにした内燃機関の冷却構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、ウォータジャケットに、このウォータジャケットを内側通路と外側通路とに区画するスペーサを設けて、シリンダボア壁の冷却水導入口近傍の部分の冷やし過ぎの現象を抑制することが示されている。また、スペーサの冷却水導入口と向き合う部分に、その冷却水導入口からの冷却水がスペーサの上側または下側の端部から内側通路へ流れ込むことを規制する規制手段(閉塞部)を設けたことが示されている。
【特許文献1】特開2006−90193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような内燃機関の冷却構造において、シリンダボア壁の吸気側の部分と排気側の部分とが均一な温度分布になるようにするには、ウォータジャケットの吸気側に供給される冷却水流量よりも排気側に供給される冷却水流量を多くする必要がある。上記特許文献1に示される冷却構造では、スペーサに設けられた規制手段の左右両側の隙間(流路面積)を調整することによって、吸気側に供給される冷却水流量と排気側に供給される冷却水流量とを調整することが可能となっている。そして、吸気側に冷却水を導く隙間(流路面積)よりも排気側に冷却水を導く隙間(流路面積)を大きく設定することによって、吸気側よりも排気側への冷却水流量を多くすることが可能となっている。
【0006】
しかし、上記特許文献1の冷却構造では、冷却水導入口と規制手段との間で、シリンダヘッドのウォータジャケットに供給される冷却水が分流される構造となっているため、排気側に供給される冷却水流量が低下するという問題がある。この点について、図9の模式図を用いて具体的に説明する。
【0007】
図9に示すように、冷却水導入口aから導入される冷却水は、まず、シリンダブロックのウォータジャケットに供給される冷却水と、ガスケット孔dを介してシリンダヘッドのウォータジャケットに供給される冷却水とに分岐される。冷却水導入口aからの冷却水流量をQa、シリンダヘッドのウォータジャケットへの冷却水流量をQdとすれば、シリンダブロックのウォータジャケットに供給される冷却水流量は、[Qa−Qd]となる。なお、シリンダヘッドのウォータジャケットへの冷却水流量Qdは、ガスケット孔dの開口面積Sdを設定することによって調整される。
【0008】
次に、シリンダブロックのウォータジャケットに供給される冷却水は、上述した規制手段の両側の排気側および吸気側に冷却水を導く流路面積Sb,Scに応じて、シリンダブロックの排気側の部分bに供給される冷却水と、吸気側の部分cに供給される冷却水とに分岐される。したがって、排気側の部分bへの冷却水流量Qbは、冷却水導入口aからの冷却水流量Qaから、シリンダヘッドのウォータジャケットへの冷却水流量Qdおよび吸気側の部分cへの冷却水流量Qcを差し引いた流量に設定されることになる。つまり、[Qb=(Qa−Qd)−Qc]という関係が成り立つ。
【0009】
ここで、シリンダヘッドのウォータジャケットへの冷却水流量Qdについては、予め所定の流量を確保しておく必要がある。このため、その冷却水流量Qdを多く確保する必要がある場合には、排気側の部分bへの冷却水流量Qbが不足する状況が発生する可能性がある。その結果、シリンダボア壁の排気側の部分(特に、燃焼室近傍の上部)の冷却が不十分になることが懸念される。
【0010】
一方、排気側の部分bへの冷却水流量Qbを多くするには、冷却水導入口aからの冷却水流量Qaを増加させるか、吸気側の部分cへの冷却水流量Qcを低減させればよい。しかし、上記特許文献1の冷却構造では、冷却水導入口aからの冷却水流量Qaを増加させても、シリンダヘッドのウォータジャケットへの冷却水流量Qdも増加するため、排気側の部分bへの冷却水流量Qbの増加に対する寄与度が低減される。また、吸気側の部分cへの冷却水流量Qcを低減させても、シリンダヘッドのウォータジャケットへの冷却水流量Qdが多くなるため、排気側の部分bへの冷却水流量Qbの増加に対する寄与度が低減される。つまり、冷却水導入口aからの冷却水流量Qaの増加分や、吸気側の部分cへの冷却水流量Qcの低減分が、そのまま排気側の部分bへの冷却水流量Qbの増加分として寄与するわけではないので、依然として排気側の部分bへの冷却水流量Qbが不足する状況が発生する可能性がある。
【0011】
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、シリンダブロックのウォータジャケットの排気側に供給される冷却水流量をできるだけ多く確保することが可能な内燃機関の冷却構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、シリンダブロックの一端側に備えられた冷却水導入口から、シリンダボア壁を囲むように設けられたウォータジャケットへ冷却水が導入され、このシリンダブロックのウォータジャケットの吸気側の部分と排気側の部分とに分岐して冷却水が流通されるとともに、シリンダブロック側からシリンダヘッド側へ冷却水が供給されるように構成された内燃機関の冷却構造であって、上記冷却水導入口の近傍には、上記シリンダヘッド側に供給される冷却水の流れを規制する規制手段が備えられていることを特徴としている。ここで、上記規制手段は、シリンダブロックのウォータジャケットの内部を区画するスペーサに一体的に設けられていることが好ましい。なお、冷却水の流れを規制する構成としては、例えば、冷却水の流れをせき止める構成や、冷却水の流路を絞る構成が挙げられる。
【0013】
上記構成によれば、規制手段によりシリンダヘッド側に供給される冷却水の流れが規制されるため、シリンダブロックのウォータジャケットの排気側の部分への冷却水流量を多く確保することができる。これにより、シリンダブロックのウォータジャケットの排気側への冷却水流量が不足する状況を回避することができ、シリンダボア壁の排気側の部分(特に、燃焼室近傍の上部)の冷却性能を向上させることができる。
【0014】
本発明において、上記規制手段は、上記排気側の部分以外へ供給される冷却水の流れを1箇所で規制するように構成されていることが好ましい。ここで、排気側の部分以外へ供給される冷却水としては、シリンダブロックのウォータジャケットの吸気側の部分へ供給される冷却水と、シリンダヘッド側のウォータジャケットへ供給される冷却水があるが、これらの冷却水の流れを規制手段によって1箇所でまとめて規制するようにしている。
【0015】
この構成によれば、排気側の部分以外へ供給される冷却水の流れが1箇所で規制されるため、簡素な構成でありながらシリンダブロックのウォータジャケットの排気側の部分への冷却水流量を多く確保することができる。つまり、排気側の部分への冷却水流量の配分には、冷却水導入口からの冷却水流量のほとんど全てを寄与させることができるので、上記従来例(図9参照)と比べて、排気側の部分への冷却水流量を効果的に増大させることができる。この場合、シリンダヘッド側へ供給される冷却水流量については、予め所定の流量を確保する必要があるが、規制手段により排気側の部分以外への冷却水流量を低減させることによって、シリンダヘッド側への冷却水流量の大小に関係なく、排気側の部分への冷却水流量を多く確保することができる。したがって、シリンダヘッド側に必要な冷却水流量を確保しつつ、シリンダブロックのウォータジャケットの排気側の部分への冷却水流量を増大させることができる。これにより、排気側の部分への冷却水流量が不足する状況を回避することができ、シリンダボア壁の排気側の部分の冷却性能を向上させることができる。しかも、排気側の部分以外への冷却水流量が1箇所でまとめて設定されるため、排気側の部分への冷却水流量とそれ以外への冷却水流量との流量配分を容易に行うことができる。
【0016】
本発明において、上記規制手段は、上記冷却水導入口からの冷却水を上記排気側の部分と上記排気側の部分以外とに分流し、且つ、上記排気側の部分以外への冷却水の流れを規制する壁部を備えていることが好ましい。ここで、上記壁部の好ましい構成として、上記壁部を、上記冷却水導入口とこの冷却水導入口に最も近傍のシリンダヘッド側への冷却水の供給部位との間に設ける構成が挙げられる。この場合、上記供給部位は、例えば、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介在されるシリンダヘッドガスケットに形成された開口とされる。
【0017】
この構成によれば、壁部により排気側の部分以外への冷却水の流れが規制されるため、排気側の部分への冷却水流量を多く確保することができる。これにより、排気側の部分への冷却水流量が不足する状況を回避することができ、シリンダボア壁の排気側の部分の冷却性能を向上させることができる。
【0018】
本発明において、上記壁部とシリンダブロックの壁部とによって、上記排気側の部分へ冷却水を供給する第1の供給口と、上記排気側の部分以外へ冷却水を供給する第2の供給口とが形成されることが好ましい。ここで、上記第2の供給口の好ましい構成として、上記第2の供給口を、上記吸気側の部分と、上記供給部位とに連通する構成が挙げられる。
【0019】
この構成によれば、冷却水導入口からの冷却水は、第1の供給口の流路面積と、第2の供給口の流路面積との面積比に応じて、シリンダブロックのウォータジャケットの排気側の部分への冷却水流量と、排気側の部分以外への冷却水流量とに配分される。これにより、簡素な構成でありながら、排気側の部分への冷却水流量とそれ以外への冷却水流量との
流量配分を容易に行うことができる。
【0020】
また、シリンダブロックのウォータジャケットの排気側の部分への冷却水流量には、冷却水導入口からの冷却水流量のほとんど全てを寄与させることができるので、上記従来例(図9参照)と比べて、排気側の部分への冷却水流量を効果的に増大させることができる。これにより、排気側の部分への冷却水流量が不足する状況を回避することができ、シリンダボア壁の排気側の部分の冷却性能を向上させることができる。
【0021】
本発明において、上記壁部の上記排気側の端部には、シリンダブロックの壁部との隙間が上部から下部にかけて漸増する形状の部位が設けられていることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、上記漸増する形状の部位に沿って冷却水が流れることで、冷却水がシリンダブロックのウォータジャケットの下部から上部へ容易に導かれるようになる。これにより、シリンダブロックのウォータジャケットの下部から上部への流量損失を抑制できるとともに、シリンダボア壁の排気側の部分の上部の冷却性能を向上させることができる。
【0023】
本発明において、上記第2の供給口の下流側には、上記吸気側の部分へ供給される冷却水の流れを規制する第2の規制手段が備えられていることが好ましい。ここで、上記第2の規制手段は、シリンダブロックのウォータジャケットの内部を区画するスペーサに一体的に設けられていることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、第2の規制手段によりシリンダブロックのウォータジャケットの吸気側の部分に供給される冷却水流量を低減することが可能になるため、排気側の部分への冷却水流量を効果的に増大させることができる。
【0025】
本発明において、上記規制手段には、冷却水中に混入した異物を捕集可能な異物捕集手段が一体的に設けられていることが好ましい。ここで、上記異物捕集手段は、上方が開放され、ほぼ鉛直な方向に沿って延びる穴であることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、異物が異物捕集手段としての穴に捕集され、その底部に堆積することで、冷却水中の異物を除去することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、規制手段によりシリンダヘッド側に供給される冷却水の流れが規制されるため、シリンダブロックのウォータジャケットの排気側の部分への冷却水流量を多く確保することができる。これにより、シリンダブロックのウォータジャケットの排気側への冷却水流量が不足する状況を回避することができ、シリンダボア壁の排気側の部分の冷却性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0029】
以下の実施形態では、本発明の内燃機関の冷却構造を直列4気筒内燃機関に適用した例について説明するが、本発明は、任意の形式や気筒数の内燃機関に適用可能である。
【0030】
図1は、実施形態に係る内燃機関(エンジン)におけるシリンダブロック10の概略構成を示す平面図(ウォータジャケット13の頂面に垂直な方向から見た図)である。図2は、図1のシリンダブロック10、スペーサ20を分解した状態を示す斜視図である。図1では、シリンダブロック10のエンジンのシリンダボア11およびその周辺部を示して
おり、シリンダブロック10におけるシリンダボア列、ウォータジャケット(冷却水通路)13、スペーサ20などの配置状態を示している(シリンダブロック10の外縁形状については省略している)。
【0031】
シリンダブロック10は、アルミニウム合金製であって、このシリンダブロック10の頂面には、シリンダヘッドガスケット30(図2に2点鎖線で示す)を介して、図示しないシリンダヘッドがヘッドボルトにより締結される。シリンダブロック10は、互いに隣り合うシリンダボア11の外周壁同士が結合されたサイアミーズ型に構成されている。この実施形態では、シリンダボア11のシリンダボア壁12が直列に4つ結合されている。なお、シリンダボア11内面は、シリンダブロック10に一体的に鋳込まれる鋳鉄製等のシリンダライナによって形成される。
【0032】
また、シリンダブロック10は、オープンデッキ型に構成されている。つまり、シリンダヘッドの組み付け面であるシリンダブロック10の頂面にウォータジャケット13が開放されている。
【0033】
ウォータジャケット13は、シリンダブロック10の外壁とシリンダボア壁12との間に形成されている。ウォータジャケット13は、4つのシリンダボア11を外側から囲むように設けられており、シリンダボア壁12の外周面に沿って延びている。ウォータジャケット13には、シリンダブロック1のシリンダボア列方向の一端側(図1における左端側)に形成された冷却水導入口14から、ウォータポンプにより圧送された冷却水が導入される。この際、冷却水は、まず冷却水導入口14の近傍に設けられる冷却水導入部13aに供給される。冷却水導入部13aは、シリンダブロック10の外壁を冷却水導入口14側へ窪ませて形成された部分であって、この冷却水導入部13aに後述する規制部材22が配置される。
【0034】
冷却水は、次に冷却水導入部13aからシリンダボア壁12の外周に送られる。これにより、シリンダブロック10が冷却される。この際、冷却水は、ウォータジャケット13の排気側の部分X1と吸気側の部分X2とに分流される。そして、冷却水は、シリンダブロック1の他端側(図1における右端側)に設けられる冷却水流出口(図示略)から流出されるようになっている。
【0035】
ウォータジャケット13には、合成樹脂製のスペーサ20が収容されている。スペーサ20は、シリンダボア壁12を囲むように設けられる筒状の部材である。スペーサ20は、上方からウォータジャケット13内に挿入され、ウォータジャケット13内の所定位置に配置されている。詳細には、スペーサ20は、薄肉の円筒状部が直列に4つ連結されたスペーサ本体20aを備えた構成となっている。このスペーサ本体20aによりシリンダボア壁12が取り囲まれている。スペーサ本体20aの高さは、冷却水導入口14近傍の部分20bを除いてウォータジャケット13の深さよりも短くなっており、その下端がウォータジャケット13の底面あるいはその近傍まで達しているのに対し、その上端はウォータジャケット13の頂面には達していない。
【0036】
スペーサ20により、ウォータジャケット13の内部が区画される。具体的には、ウォータジャケット13は、シリンダボア壁12とスペーサ本体20aの内周面との間の内側通路13bと、シリンダブロック10の外壁とスペーサ本体20aの外周面との間の外側通路13cとに区画される。冷却水導入部13aからの冷却水は、まず外側通路13cに供給され、続いて内側通路13bへ流通される。このようなスペーサ20を用いることによって、シリンダボア壁12の冷却水導入口14近傍の部分をそれ以外の部分よりも冷やし過ぎてしまう現象を改善することができる。
【0037】
スペーサ本体20aには、規制部材22が一体的に設けられている。規制部材22は、スペーサ本体20aの冷却水導入口14近傍の部分20bの外側に突出して形成されている。この規制部材22は、シリンダヘッド側のウォータジャケットに供給される冷却水の流れをせき止めたりすることによって規制するために設けられている。より具体的には、規制部材22は、冷却水導入口14から導入された冷却水が、ウォータジャケット13の排気側の部分X1以外、ここでは、吸気側の部分X2およびガスケット孔31を介してシリンダヘッド側のウォータジャケットに供給されることを規制するために設けられている。
【0038】
スペーサ本体20aのうち、規制部材22が設けられる部分(冷却水導入口14近傍の部分)20bの高さは、ウォータジャケット13の深さとほぼ同じになっており、規制部材22が設けられる部分20bは、ウォータジャケット13の底面から頂面にわたって設けられている。つまり、規制部材22が設けられる部分20bは、スペーサ本体20aの他の部分よりも高くなっている。なお、規制部材22の詳細については後述する。
【0039】
シリンダブロック10と、その上側に組み付けられるシリンダヘッドとの間に介在されるシリンダヘッドガスケット30の複数箇所には、シリンダブロック10のウォータジャケット13からシリンダヘッドのウォータジャケットに冷却水を供給するガスケット孔(開口)31が形成されている。したがって、ウォータジャケット13を流通する冷却水の一部が、ガスケット孔31を介してシリンダヘッド側のウォータジャケットに送られる。つまり、冷却水導入口14からウォータジャケット13に導入された冷却水がシリンダヘッド側へ分流されるようになっている。なお、図2では、冷却水導入口14に最も近傍のガスケット孔31aのみを図示している。このガスケット孔31aは、ウォータジャケット13の冷却水導入部13aに臨む位置に設けられている(図4参照)。
【0040】
次に、規制手段としての規制部材22について、図1〜図5を参照して詳しく説明する。図3は、スペーサ20を示す斜視図、図4は、規制部材22およびその周辺部を示す平面図、図5は、規制部材22およびその周辺部を示す正面図(冷却水導入口14から導入される冷却水の流れにほぼ平行な方向から見た図)である。
【0041】
上述したように、この実施形態では、規制部材22は、スペーサ20のスペーサ本体20aに一体的に設けられている。規制部材22は、スペーサ本体20aの外周面から外側へ突出して形成された部分となっており、ここでは、規制部材22は、冷却水導入口14側へ向けて突出されている。規制部材22は、ウォータジャケット13の冷却水導入部13aに配設されている。
【0042】
規制部材22は、冷却水導入口14に最も近傍のガスケット孔31a(図4に2点鎖線で示す)への冷却水の流入を規制することが可能な形状に形成されている。具体的に、規制部材22には、シリンダヘッド側への冷却水の流れをせき止めて規制するための規制壁部23が備えられている。また、この規制壁部23には、異物捕集部24が一体的に設けられている。
【0043】
規制壁部23には、図4、図5に示すように、スペーサ本体20aの外周面からほぼ垂直な方向(法線方向)に延びる接続部分23bと、この接続部分23bの先端部から折れ曲がりほぼ垂直な方向に延びるせき止め部分23aとが備えられている。
【0044】
せき止め部分23aは、冷却水導入口14から導入された冷却水の流れ方向に対しほぼ垂直な方向に延びる部分であり、冷却水導入口14から導入された冷却水をせき止めて左右両側へ分散(分流)させる部分となっている。このせき止め部分23aは、冷却水導入口14から導入された冷却水の流れ方向の前方に位置しており、冷却水導入口14に最も
近傍のガスケット孔31aよりもその流れ方向の上流側に設けられている。つまり、せき止め部分23aは、冷却水導入口14とガスケット孔31aとの間に設けられている。このせき止め部分23aにより、冷却水がガスケット孔31aの上流側でせき止められ、ガスケット孔31aへ直接流入することが妨げられる。
【0045】
そして、ウォータジャケット13の頂面に垂直な方向から見ると、図4に示すように、ウォータジャケット13の頂面付近では、規制壁部23と、シリンダブロック10の外壁と、スペーサ本体20aの冷却水導入口14近傍の部分20bとによって、冷却水導入口14に最も近傍のガスケット孔31aのほぼ全周囲が囲まれる。言い換えれば、ウォータジャケット13の頂面付近では、規制壁部23と、シリンダブロック10の外壁と、スペーサ本体20aの冷却水導入口14近傍の部分20bとによって囲まれる部分の内側に、ガスケット孔31aが納まるようになっている。なお、規制壁部23の上面は、シリンダヘッドガスケット30を介してシリンダヘッドの下面の中実部分に接触するようになっている。
【0046】
規制壁部23のせき止め部分23aは、ウォータジャケット13の底面から頂面にわたって設けられている。そして、せき止め部分23aのウォータジャケット13の排気側の部分X1側の排気側端部23cは、図5に示すように、シリンダブロック10の外壁と対向しており、このシリンダブロック10の外壁との間に隙間C1が設けられている。この隙間C1は、ウォータジャケット13の排気側の部分X1に冷却水を供給する流入口(供給口)となっており、排気側の部分X1への冷却水の供給はその隙間C1からしか行えないようになっている。ここで、排気側端部23cの上部23eおよび下部23gは、シリンダブロック10の外壁とほぼ平行に延びている。そして、シリンダブロック10の外壁との隙間C1は、上部23eでは狭く、下部23gでは広くなっている。また、排気側端部23cの中間部23fは傾斜しており、シリンダブロック10の外壁との隙間C1は、上方になるにつれて次第に狭くなっている。
【0047】
また、せき止め部分23aのウォータジャケット13の吸気側の部分X2側の吸気側端部23dは、図5に示すように、シリンダブロック10の外壁と対向しており、このシリンダブロック10の外壁とほぼ平行に延びている。そして、吸気側端部23dとシリンダブロック10の外壁との間の隙間C2は、ウォータジャケット13の底面から頂面にわたってほぼ一定の幅となっている。この場合、その隙間C2は、上述した排気側端部23cとシリンダブロック10の外壁との隙間C1の最も狭い部分よりも狭くなっている。この隙間C2は、ウォータジャケット13の吸気側の部分X2およびシリンダヘッド側のウォータジャケットに冷却水を供給する流入口(供給口)となっており、吸気側の部分X2およびシリンダヘッド側のウォータジャケットへの冷却水の供給はその隙間C2からしか行えないようになっている。
【0048】
規制壁部23の接続部分23bは、せき止め部分23aをスペーサ本体20aに接続する部分となっている。この接続部分23bは、ウォータジャケット13の頂面から底面にわたって設けられている。そして、この接続部分23bにより、ウォータジャケット13の排気側の部分X1と吸気側の部分X2との間での冷却水の流通が遮られるようになっている。
【0049】
異物捕集部24は、冷却水中に混入した異物を捕集するために設けられる。この実施形態では、スペーサ本体20aから外側に突出して設けられた規制部材22の一部分を異物捕集部24として利用している。具体的には、異物捕集部24は、スペーサ本体20aと規制壁部23とに挟まれた部分に設けられている。また、異物捕集部24は、冷却水導入口14に最も近傍のガスケット孔31aの下方に設けられている。この異物捕集部24には、上方が開放され、ほぼ鉛直な方向に延びる有底の異物捕集穴24aが形成されている

【0050】
この実施形態では、スペーサ本体20aに外側に突出して設けられた規制部材22により、ガスケット孔31aを介してシリンダヘッド側のウォータジャケットに供給される冷却水の流れが規制されるため、簡素な構成でありながらウォータジャケット13の排気側の部分X1に供給される冷却水流量を効果的に増加させることができる。この点について、図6を参照して説明する。
【0051】
図6は、この実施形態において、冷却水導入口14から導入される冷却水のエンジンの各部への配分を模式的に示す図である。図6に示すように、冷却水導入口14からウォータジャケット13の冷却水導入部13aに流入した冷却水(この冷却水流量をQ0とする)は、まず、その流れ方向の前方(正面)に位置する規制部材22の規制壁部23のせき止め部分23aによってせき止められ、左右両側へ分散される。つまり、規制部材22により、一方側(図4、図5では右方側)に流れ、ウォータジャケット13の排気側の部分X1へ流入される冷却水と、他方側(図4、図5では左方側)に流れ、排気側の部分X1以外へ流入される冷却水とに分岐される。
【0052】
詳細には、一方側に分流された冷却水は、規制壁部23の排気側端部23cとシリンダブロック10の外壁との隙間C1を通って、ウォータジャケット13の排気側の部分X1に供給される(この冷却水流量をQ1とする)。ここで、排気側の部分X1では、スペーサ本体20aとシリンダブロック10の外壁との隙間、つまり、外側通路13cが、上記隙間C1よりも狭くなっており、外側通路13cの流路面積S1が上記隙間C1の流路面積よりも小さくなっている。このため、排気側の部分X1への冷却水流量Q1は、外側通路13cの流路面積S1に応じて決定される。そして、排気側の部分X1への冷却水流量Q1は、冷却水導入口14からの冷却水流量Q0から、排気側の部分X1以外への冷却水流量Q2を差し引いた流量[Q0−Q2]に設定される。
【0053】
また、他方側に分流された冷却水は、規制壁部23の吸気側端部23dとシリンダブロック10の外壁との隙間C2を通って、ウォータジャケット13の吸気側の部分X2およびガスケット孔31aを介してシリンダヘッド側のウォータジャケットに供給される。この場合、排気側の部分X1以外への冷却水流量Q2は、上記隙間C2の流路面積S2に応じて決定される。
【0054】
隙間C2を通過した冷却水は、ガスケット孔31aを介してシリンダヘッド側のウォータジャケットに供給される冷却水と、吸気側の部分X2に供給される冷却水に分岐される。シリンダヘッド側のウォータジャケットへの冷却水流量Q3は、ガスケット孔31aの開口面積S3に応じて決定される。吸気側の部分X2への冷却水流量は、上記排気側の部分X1以外への冷却水流量Q2から、シリンダヘッド側のウォータジャケットへの冷却水流量Q3を差し引いた流量[Q2−Q3]に設定される。
【0055】
以上のように、この実施形態では、シリンダヘッド側のウォータジャケットへの冷却水が分岐する部位よりも上流側の部位で、規制部材22によって排気側の部分X1への冷却水を分岐させている。そして、その上流側の部位で規制部材22によって排気側の部分X1以外への冷却水の流れが規制され、冷却水が流れにくくなっている。これにより、上記従来例(図9参照)と比べると、排気側の部分X1への冷却水流量Q1を多く確保することができる。この場合、シリンダヘッド側のウォータジャケットへの冷却水流量Q3については、予めガスケット孔31aの開口面積S3を調整して所望の流量を確保する必要があるが、排気側の部分X1以外への冷却水流量Q2を低減させることによって、その冷却水流量Q3の大小に関係なく、排気側の部分X1への冷却水流量Q1を多く確保することができる。したがって、シリンダヘッド側のウォータジャケットに必要な冷却水流量Q3
を確保しつつ、排気側の部分X1への冷却水流量Q1を増大させることができる。
【0056】
ここで、冷却水導入口14からの冷却水は、外側通路13cの流路面積S1と、上記隙間C2の流路面積S2との面積比に応じて、排気側の部分X1への冷却水流量Q1と、排気側の部分X1以外への冷却水流量Q2とに配分される。したがって、排気側の部分X1への冷却水流量Q1の配分には、冷却水導入口14からの冷却水流量Q0のほとんど全てを寄与させることができるので、排気側の部分X1への冷却水流量Q1を効果的に増大させることができる。これにより、ウォータジャケット13の排気側の部分X1への冷却水流量Q1が不足する状況を回避することができ、シリンダボア壁12の排気側の部分(特に、燃焼室近傍の上部)の冷却性能を向上させることができる。
【0057】
また、規制部材22によりウォータジャケット13の排気側の部分X1以外への冷却水流量Q2が1箇所でまとめて設定されるようになっているので、簡素な構成でありながら、排気側の部分X1への冷却水流量Q1とそれ以外への冷却水流量Q2との流量配分を容易に行うことができる。より具体的には、排気側の部分X1の冷却水流量Q1とそれ以外への冷却水流量Q2との流量配分は、規制部材22の規制壁部23の吸気側端部23dとシリンダブロック10の外壁との隙間C2を調整するだけで行うことができる。
【0058】
また、せき止め部分23aの排気側端部23cの中間部23fが、上述したように傾斜しているため、この傾斜に沿って冷却水が流れることで、冷却水がウォータジャケット13の下部から上部へ容易に導かれるようになる。これにより、ウォータジャケット13の下部から上部への流量損失を抑制できるとともに、シリンダボア壁12の排気側の部分の上部の冷却性能を向上させることができる。なお、せき止め部分23aの排気側端部23cの形状は、冷却水の流れを妨げないような形状であれば、上述した形状以外であってもよい。この場合、排気側端部23cに、シリンダブロック10の外壁との隙間C1が上部から下部にかけて漸増するような部位を設けることが好ましい。
【0059】
また、上記隙間C2から流入された冷却水が異物捕集穴24aの近傍を流れる際、冷却水に混入した異物が冷却水の流れにより異物捕集穴24aに入り込んだり、自重により異物捕集穴24aに落ち込む。そして、異物捕集穴24aの内部は冷却水が流れにくく、一旦捕集された異物が拡散しにくい構造となっている。このため、異物捕集穴24aの底部に異物が堆積することで、冷却水中の異物を除去することができる。また、異物捕集穴24aは、冷却水の流量が比較的多い上記隙間C2の近傍に設けられており、しかも、冷却水の流れが比較的遅くなるスペーサ本体20aと規制壁部23とに挟まれた部分に設けられているので、冷却水中の異物を効率的に除去することができる。
【0060】
−他の実施形態−
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態はさまざまに変形することが可能である。
【0061】
規制部材の構成は、上記実施形態の構成に限定されることはなく、シリンダブロックの冷却水導入口の近傍で、シリンダヘッドのウォータジャケットに供給される冷却水の流れを規制することが可能であればいかなる構成であってもよい。なお、冷却水の流れを規制する構成としては、例えば、冷却水をせき止める構成や、冷却水の流路を絞る構成などが挙げられる。
【0062】
上記実施形態の構成に、シリンダブロックのウォータジャケットの吸気側の部分への冷却水流量を設定するための構成を追加してもよい。この構成としては、例えばシリンダブロックのウォータジャケットの吸気側の部分への流路を絞る構成が挙げられる。具体的には、図7に示すように、スペーサ20’のスペーサ本体20aの外周面に設けられた突起
(リブ)25により、シリンダブロック10のウォータジャケット13の吸気側の部分X2への流路が絞られている。図7に示すスペーサ20’は、図3に示すスペーサ20に上述のリブ25を追加した構成となっている。この場合、リブ25は、ウォータジャケット13の頂面から底面にわたって設けられているが、リブ25のスペーサ本体20aからの突出長さやウォータジャケット13の深さ方向に対する高さを調整することで、リブ25が設けられた部分の流路面積S4が設定される。
【0063】
そして、この構成では、図8に示すように、冷却水導入口14から導入される冷却水が各部へ配分される。図6の上記実施形態と異なる点は、リブ25により絞られた流路面積S4に応じてシリンダブロック10のウォータジャケット13の吸気側の部分X2に供給される冷却水流量Q4を調整可能な点である。例えば、流路面積S4を小さくすることで、吸気側の部分X2への冷却水流量Q4を低減することが可能になる。そして、これにともない、排気側の部分X1への冷却水流量Q1を効果的に増大させることができる。つまり、吸気側の部分X2に必要な冷却水流量Q4を確保しつつ、排気側の部分X1への冷却水流量Q1を増大させることができる。
【0064】
以上では、シリンダブロックのシリンダボア壁を囲むように設けられる筒状のスペーサに規制部材を設けた例を挙げたが、それ以外の形状のスペーサに規制部材を設ける構成としてもよい。また、スペーサと一体的に規制部材を設ける必要はなく、スペーサとは別々に規制部材を設ける構成としてもよい。さらに、スペーサを用いない場合にも、規制部材を設けることは可能である。要するに、スペーサの有無や形状に関係なく、シリンダブロックの冷却水導入口の近傍に、シリンダヘッドのウォータジャケットに供給される冷却水の流れを規制する規制部材を設ける構成とすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施形態に係る内燃機関におけるシリンダブロックの概略構成を示す平面図である。
【図2】図1のシリンダブロック、スペーサを示す分解斜視図である。
【図3】図1のスペーサを示す斜視図である。
【図4】図1のスペーサに設けられた規制部材およびその周辺部を示す平面図である。
【図5】図1のスペーサに設けられた規制部材およびその周辺部を示す正面図である。
【図6】実施形態において、冷却水導入口から導入される冷却水の内燃機関の各部への配分を模式的に示す図である。
【図7】他の実施形態に係るスペーサを示す斜視図である。
【図8】他の実施形態において、冷却水導入口から導入される冷却水の内燃機関の各部への配分を模式的に示す図である。
【図9】従来例において、冷却水導入口から導入される冷却水の内燃機関の各部への配分を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0066】
10 シリンダブロック
11 シリンダボア
12 シリンダボア壁
13 ウォータジャケット
14 冷却水導入口
20 スペーサ
20a スペーサ本体
22 規制部材
23 規制壁部
23a せき止め部分
24 異物捕集部
24a 異物捕集穴
30 シリンダヘッドガスケット
31a ガスケット孔
X1 ウォータジャケットの排気側の部分
X2 ウォータジャケットの吸気側の部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダブロックの一端側に備えられた冷却水導入口から、シリンダボア壁を囲むように設けられたウォータジャケットへ冷却水が導入され、このシリンダブロックのウォータジャケットの吸気側の部分と排気側の部分とに分岐して冷却水が流通されるとともに、シリンダブロック側からシリンダヘッド側へ冷却水が供給されるように構成された内燃機関の冷却構造であって、
上記冷却水導入口の近傍には、上記シリンダヘッド側に供給される冷却水の流れを規制する規制手段が備えられていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の冷却構造において、
上記規制手段は、上記排気側の部分以外へ供給される冷却水の流れを1箇所で規制するように構成されていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の内燃機関の冷却構造において、
上記規制手段は、上記冷却水導入口からの冷却水を上記排気側の部分と上記排気側の部分以外とに分流し、且つ、上記排気側の部分以外への冷却水の流れを規制する壁部を備えていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項4】
請求項3に記載の内燃機関の冷却構造において、
上記壁部は、上記冷却水導入口とこの冷却水導入口に最も近傍のシリンダヘッド側への冷却水の供給部位との間に設けられていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の内燃機関の冷却構造において、
上記壁部とシリンダブロックの壁部とによって、上記排気側の部分へ冷却水を供給する第1の供給口と、上記排気側の部分以外へ冷却水を供給する第2の供給口とが形成されることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項6】
請求項5に記載の内燃機関の冷却構造において、
上記第2の供給口は、上記吸気側の部分と、上記供給部位とに連通されていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却構造において、
上記供給部位は、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介在されるシリンダヘッドガスケットに形成された開口であることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却構造において、
上記壁部の上記排気側の端部には、シリンダブロックの壁部との隙間が上部から下部にかけて漸増する部位が設けられていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却構造において、
上記第2の供給口の下流側には、上記吸気側の部分へ供給される冷却水の流れを規制する第2の規制手段が備えられていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却構造において、
上記規制手段は、シリンダブロックのウォータジャケットの内部を区画するスペーサに一体的に設けられていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項11】
請求項9に記載の内燃機関の冷却構造において、
上記第2の規制手段は、シリンダブロックのウォータジャケットの内部を区画するスペ
ーサに一体的に設けられていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却構造において、
上記規制手段には、冷却水中に混入した異物を捕集可能な異物捕集手段が一体的に設けられていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
【請求項13】
請求項12に記載の内燃機関の冷却構造において、
上記異物捕集手段は、上方が開放され、ほぼ鉛直な方向に沿って延びる穴であることを特徴とする内燃機関の冷却構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−264286(P2009−264286A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115933(P2008−115933)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】