説明

内燃機関

【課題】クランクケースから押し出された作動流体に基づく二次爆発を回避できる内燃機関を提供する。
【解決手段】クランクケース(20)を有する内燃機関(1)は、当該クランクケースは、作動流体で充填すべきケース(20)の内室を画定する外壁(22)を有し、当該外壁内には貫通開口部(23,24a)が設けられ、貫通開口部はカバーで閉止され、当該カバー上に圧力逃がし弁(26)が設けられ、当該圧力逃がし弁はクランクケースの内室に生じる所定の圧力を超えた場合に開いて内室の圧力を逃がす。本発明は、クランクケースから押し出された作動流体に基づく二次爆発が確実に回避できる内燃機関を提供する。これは、外壁の内室に対向しない側に設けられた圧力逃がし弁の排出口に隣接して設けられた流体排出装置(40)を用いて、圧力逃がし弁が開く際に、保護流体を、排出口から出る作動流体と混合させるべく排出できることで実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1のおいて書き部に記載の内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の種類の内燃機関は例えば特許文献1から知られている。当該文献に記載されている内燃機関はクランクケースを有しており、当該クランクケースは外壁を有しており、当該外壁は作動流体(エンジンオイルなど)で充填すべきクランクケースの内室を画定しており、当該外壁内に少なくとも一つの貫通開口部が設けられている。当該貫通開口部はカバーで閉止されている。当該カバー上に圧力逃がし弁もしくは爆発安全弁が設けられている。当該圧力逃がし弁は、クランクケースの内室において生じる所定の圧力を超えた場合に開き、それによって当該内室の圧力を逃がすために設けられている。このような所定の圧力が達成されるのは、クランクケースにおいて、特に大型ディーゼルエンジン(例えば船舶用駆動機関など)において生じ得るように、駆動室爆発もしくはオイルミスト爆発が起こるときである。
【0003】
駆動室爆発の結果、例えば爆発安全蓋として形成されている圧力逃がし弁が作動する際、大量の作動流体が例えばクランクケースからの引火性のオイルミストの形で、内燃機関もしくは内燃エンジンから押し出される。当該オイルミストは非常に細かい霧状になっており、それによって引火性が非常に高く、そのために高温のエンジン部材(例えば排気部材)に付着しているオイルミストの引火により、内燃エンジンの外部において、危険な二次爆燃もしくは二次爆発を生じさせ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開2424357号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、請求項1のおいて書き部に記載の内燃機関であって、当該内燃機関においてクランクケースから押し出された作動流体に基づく二次爆発を確実に回避できる内燃機関を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は請求項1に記載の内燃機関によって達成される。本発明のさらなる構成は従属請求項において規定されている。
【0007】
本発明によれば、クランクケースを有する内燃機関が提供され、当該クランクケースは外壁を有しており、当該外壁は作動流体(エンジンオイルなど)で充填すべきクランクケースの内室を画定しており、当該外壁内に少なくとも一つの貫通開口部が設けられている。当該貫通開口部はカバーで閉鎖されており、該カバー上に少なくとも一つの圧力逃がし弁もしくは爆発安全弁が設けられている。当該単独もしくは複数の圧力逃がし弁は、クランクケースの内室において生じる所定の圧力を超えた場合、もしくは、クランクケースにおいて駆動室爆発もしくはオイルミスト爆発が生じた場合に開き、それによって内室の圧力を逃がすために設けられている。本発明に係る内燃機関は、以下の点を特徴とする。すなわち、外壁の、内室に対向しない側もしくは外側に隣接して設けられている圧力逃がし弁の排出口に隣接して流体排出装置が設けられており、それによって当該流体排出装置を用いて、圧力逃がし弁が開く際に、保護流体(例えば水または他の、冷却を行うとともに非引火性の流体)を排出可能であり、それによって、当該保護流体は排出口から出る作動流体(例えばオイルミストなど)と混合される。
【0008】
圧力逃がし弁の作動直後に、極めて細かい霧状に流出する作動流体が保護流体と混合されることにより、作動流体は引火性が低下されるとともに凝縮され、それによって、内燃機関の外部における二次爆発の危険がなくなる。
【0009】
クランクケースの外壁は複数の貫通開口部を有しているのが好ましい。当該貫通開口部のカバーはそれぞれ少なくとも一つの圧力逃がし弁によって閉止されており、個々の圧力逃がし弁には、本発明に係る流体排出装置が設けられている。
【0010】
本発明の実施の形態によれば、内燃機関は制御装置と、当該制御装置に接続されている単独または複数のセンサを有しており、当該単独または複数のセンサは対応する圧力逃がし弁に設けられている。個々のセンサは、付属する圧力逃がし弁が開くことを検出し、続いて開放信号を制御装置に出力するために設けられており、制御装置は個々の流体排出装置と接続されているとともに、開放信号に応じて単独または複数の流体排出装置を作動させ、それによって保護流体を排出させるために設けられている。
【0011】
制御装置と、単独または複数のセンサを設けることにより、個々の圧力逃がし弁が開くことが確実に検出され、かつ、保護流体を排出させるためのコマンドに変換され得る。
【0012】
本発明のさらなる実施の形態によれば、個々のセンサは電気機械的または電子工学的なスイッチを有しており、当該スイッチは付属する圧力逃がし弁が開くことを機械的または電子工学的に検出するとともに、開放信号を電気信号の形で制御装置に出力するために設けられている。
【0013】
電気機械的なスイッチは、簡単かつ廉価なセンサの構成を可能にする。個々の圧力逃がし弁が実際に開くことを機械的に検出することにより、単独または複数の流体排出装置の機能不全もしくは誤作動が回避され得る。
【0014】
本発明のさらなる実施の形態によれば、制御装置は、開放信号に応じて視覚的および/または聴覚的な警告メッセージを発生させるための警告信号を出力するために設けられている。
【0015】
このような方法で、内燃機関の操作者に対して、迅速に、かつ、場合により遠く離れた所からも、クランクケースにおいて駆動室爆発もしくはオイルミスト爆発が発生したことを認識させることができる。これにより、さらなる故障または破損に対して迅速に対抗措置を取ることができる。
【0016】
また本発明のさらなる実施の形態によれば、流体排出装置は少なくとも一つの噴霧器ノズルを有しており、当該噴霧器ノズルは保護流体を強力な保護流体ミストの形で排出するために設けられている。
【0017】
保護流体を細かく噴霧して保護流体ミストにすることにより、当該保護流体の冷却効果は向上し、保護流体と、細かな霧として流出する作動流体との混合も改善される。従って、作動流体がオイルであり、保護流体が水である場合、駆動室爆発もしくはオイルミスト爆発の際に出てくるオイルミストは、水ミストによって迅速かつ安全に、全く無害なオイルと水との混合物に凝縮される。
【0018】
本発明の実施形態によれば、流体排出装置は、保護流体が互いに対向する二つの排出箇所から、互いに反対かつ衝突する方向にもしくは流体の流れとして排出可能であるように設けられており、圧力逃がし弁は二つの排出箇所の間に設けられている。二つの排出箇所にはそれぞれ噴霧器ノズルが設けられているのが好ましく、それによって、保護流体は個々の排出箇所において、保護流体ミストの形で排出される。
【0019】
二つの流体流れを逆に排出し、それによって当該二つの流体流れが衝突することにより、保護流体の望ましくない分散が最大限に低減される。圧力逃がし弁が二つの排出箇所の間にあるために、流出する作動流体は二つの保護流体流れの間である程度挟撃され、それによってさらに効果的に保護流体と混合されるとともに凝縮される。
【0020】
本発明のさらなる実施の形態によれば、内燃機関は個々の圧力逃がし弁に対してフードを有しており、当該フードは外壁の、内室に対向しない側を起点として圧力逃がし弁に載置されているとともに、圧力を逃がすための、もしくは作動流体を吐き出すための、好ましくは側方に設けられた少なくとも一つの吐き出し開口部を有している。このとき流体排出装置は、作動流体がフードの個々の吐き出し開口部内に直接的に排出されるように設けられている。
【0021】
フードおよび当該フードの単独または複数の吐き出し開口部によって、流出する作動流体流れもしくは作動流体ミストは(例えば、ほぼ90°屈曲されて)、近くにいる人や物が、作動流体流もしくは作動流体ミストを原因とする危険にできる限り曝されないようにガイドされる。作動流体をフードの単独あるいは複数の吐き出し開口部内に直接的に排出もしくは噴霧することによって、意図しない保護流体の分散はさらに少なくなり、流出する作動流体はさらに効率的に保護流体と混合され、大部分はすでにフード内部で凝縮される。
【0022】
本発明のさらなる実施の形態によれば、内燃機関は当該内燃機関に取り付けられた保護流体タンクを有しており、当該保護流体タンクは個々の流体導管を介して流体排出装置と接続されており、それによって、保護流体タンクに貯蔵されている保護流体は、制御装置によって制御された状態で、選択的に個々の流体排出装置に供給可能となっている。
【0023】
内燃機関に取り付けられた保護流体タンクによって、保護流体の排出を介して実現される保護作用は、他の媒体接続部から独立して提供可能であり、それによって、内燃機関の動作安全性はいかなる動作環境においても保証可能となる。さらに、保護流体のための別個の媒体接続部を設ける必要がない。これによって、内燃機関の取り付けコストが低減される。
【0024】
また本発明のさらなる実施の形態によれば、保護流体タンクは、保護流体を大気圧に対して高められた圧力で貯蔵するために設けられており、それによって、流体排出装置に供給される保護流体は、高められた所定の圧力下で排出可能である。
【0025】
言い換えれば、保護流体タンクは圧力容器として形成されており、当該圧力容器は保護流体を噴霧するために必要な圧力を独自に提供する。
【0026】
本発明のさらなる実施の形態によれば、内燃機関は例えば船舶への応用または発電施設への応用を行うための大型ディーゼルエンジンとして形成されている。
【0027】
本発明が、請求項の明示的な引用から生じる特徴の組み合わせによっては得られないような実施の形態にも及んでいるのは明らかである。従って本発明に開示されている特徴は、技術的に有意義である限り、互いに任意に組み合わせられてよい。
【0028】
以下に本発明を好ましい実施の形態に基づくとともに、添付された図面を参照しながらより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態による内燃機関の側面を示す図である。
【図2】図1の内燃機関における領域Xを拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1および2は大型ディーゼルエンジンとして形成された内燃機関1を示している。
【0031】
内燃機関1は複数の燃焼シリンダ10とクランクケース20を有しており、当該クランクケース内にクランクシャフト21が回転自在に軸受けされている。
【0032】
クランクケース20は外壁22を有しており、当該外壁は作動流体としてのエンジンオイルで充填されたクランクケース20の内室(図示せず)を画定している。外壁22には、それぞれが当該外壁22を貫通している多数の貫通開口部23が設けられているが、当該貫通開口部の個々の位置はほぼ燃焼シリンダ10に一致している。
【0033】
個々の貫通開口部23は、駆動室蓋24で閉止されており、当該駆動室蓋は留め具25を介して着脱可能に外壁22に取り付けられており、当該駆動室蓋を介してクランクケース20の内室にアクセス可能である。個々の駆動室蓋24には、貫通開口部24aが設けられており、当該貫通開口部は駆動室蓋24に固定された圧力逃がし弁もしくは爆発安全弁26によって閉止されている。
【0034】
個々の圧力逃がし弁26は、クランクケース20の内室において生じる所定の圧力を超えた場合、すなわち、クランクケース20において駆動室爆発もしくはオイルミスト爆発が生じた場合に開き、それによってクランクケース20の内室の圧力を逃がすために設けられている。圧力逃がし弁もしくは爆発安全弁の例は、特許文献1に記載されているが、圧力逃がし弁26は例えば安全蓋の形で実施されていてもよい。
【0035】
外壁22の内室に対向しない側(外側)に設けられた個々の圧力逃がし弁26の排出口(図示せず)に隣接して、流体排出装置40が設けられており、それによって、当該流体排出装置を用いて、圧力逃がし弁26が開く際に、水としての保護流体を排出可能であり、それによって水ミストとしての保護流体は、付属する圧力逃がし弁26の排出口から流出する非常に細かい霧状にされた作動流体(オイルミスト)と混合され、それによって当該作動流体を冷却するとともに、結合させ、かつ、凝縮させる。
【0036】
複数の流体排出装置40は保護装置30に属しており、当該保護装置は流体排出装置40のほかに、制御装置50と、個々の圧力逃がし弁26に対するセンサ60と、保護流体タンク70を有している。
【0037】
個々の流体排出装置40は、保護流体が二つの互いに対向する排出箇所40a,40bから、互いに逆であるとともに衝突する方向もしくは流体流れにおいて排出可能であるように設けられており、このとき付属する圧力逃がし弁26は、二つの排出箇所40a,40bの間に設けられている。該当する流体排出装置40の個々の排出箇所40a,40bには噴霧器ノズル41が設けられている。当該噴霧器ノズルは、保護流体を保護流体ミストとして、すなわち水ミストとして排出するために設けられている。
【0038】
流体排出装置40のそれぞれの排出箇所40a,40bは、二つの流体管(集合管)42a,42bを介して保護流体タンク70と接続されている。制御装置50、例えば電子工学的な計算ユニットは、内燃機関1に取り付けられた保護流体タンク70に直接的に取り付けられており、当該制御装置によって電気的に作動可能な流体弁51を有しており、当該流体弁は保護流体タンク70からの保護流体の流れを、流体管42a,42bを介して流体排出装置40に対して、選択的に開放および遮断することができる。
【0039】
保護流体タンク70は圧力容器として実施されており、それによって、保護流体は大気圧に対して高められた圧力で、当該保護流体タンク内に貯蔵され得、もしくは貯蔵されており、それによって流体排出装置40に供給される保護流体は所定の(大気圧に対して高められた)圧力下で、細かい霧状にされて排出可能となっている。
【0040】
センサ60は個々の導線61を介してそれぞれ制御装置50と接続されている。個々のセンサ60は当該センサに対応する圧力逃がし弁26に設けられているとともに、当該圧力逃がし弁26が開くことを検出し、続いて開放信号を制御装置50に出力するために設けられている。
【0041】
流体排出装置40と接続されている制御装置50は、開放信号に応じて流体排出装置40を作動し、それによって保護流体を排出させるために、すなわち、流体弁51を開くために設けられており、それによって、保護流体は保護流体タンク70から集合管42a,42bを介して流体排出装置40へと流れることができる。
【0042】
センサ60は好ましくはそれぞれ電気機械的なスイッチとして形成されており、付属する圧力逃がし弁26が開くことを機械的に検出するとともに、開放信号を電気信号の形で個々の導線61を介して制御装置50に出力するために設けられている。
【0043】
制御装置50はまた、開放信号に応じて視覚的および/または聴覚的な警告メッセージ、例えば表示装置上のテキスト情報またはサイレン音を発生させるための警告信号を出力するために設けられている。
【0044】
図2から明らかな通り、個々の圧力逃がし弁26にはフード27が設けられており、当該フードは外壁22の、内室に対向しない側を起点として個々の圧力逃がし弁26に載置されているとともに、圧力を逃がすための、もしくは作動流体を吐き出すための、側方に設けられた二つの吐き出し開口部28a,28bを有している。
【0045】
個々の流体排出装置40の二つの噴霧器ノズル41,41は、保護装置30の作動時に、二つの噴霧器ノズル41,41のそれぞれが、当該噴霧器ノズルの保護流体を、フード27の側方に設けられた二つの吐き出し開口部28a,28bのうちの一つの中に直接的に吐き出すように設けられている。
【0046】
結論として、本発明に係る保護作用は、簡単な電気機械的なスイッチ(センサ60)を全ての圧力逃がし弁もしくは爆発安全弁26に設けることによって得られる。このとき個々のスイッチは駆動室爆発の際の、圧力逃がし弁26の作動を検出する。電気的な信号は、一般的な警告メッセージを生じさせるほか、内圧がかかっている保護流体タンクもしくは水容器70に設けられた流体弁51を開かせる。圧力下にある保護流体タンク70の水内容物はその後、流体管42a,42bを介して直接的に圧力逃がし弁26に導かれ、当該圧力逃がし弁において噴霧器ノズル41,41を介して細かく噴霧され、個々の圧力逃がし弁26の上方に設けられているフード27の吐き出し開口部28a,28b内に直接的にガイドされる。流出するオイルミストに水ミストを直接的に噴霧することによって、当該オイルミストは水と油の混合物として完全に無害に凝縮される。当該凝縮物はもはや爆発性のものではないため、内燃機関もしくは内燃エンジン1の外部でのいかなる二次爆発の危険も回避される。
【符号の説明】
【0047】
1 内燃機関
10 燃焼シリンダ
20 クランクケース
21 クランクシャフト
22 外壁
23 貫通開口部
24 駆動室蓋
24a 貫通開口部
25 留め具
26 圧力逃がし弁
27 フード
28a 吐き出し開口部
28b 吐き出し開口部
30 保護装置
40 流体排出装置
40a 排出箇所
40b 排出箇所
41 噴霧器ノズル
42a 流体管
42b 流体管
50 制御装置
51 流体弁
60 センサ
61 導線
70 保護流体タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクケース(20)を有する内燃機関(1)であって、当該クランクケースは外壁(22)を有しており、当該外壁は作動流体で充填すべき前記クランクケース(20)の内室を画定しており、当該外壁内に少なくとも一つの貫通開口部(23,24a)が設けられており、
当該貫通開口部(23,24a)はカバーで閉止されており、当該カバー上に少なくとも一つの圧力逃がし弁(26)が設けられており、当該圧力逃がし弁(26)は、前記クランクケース(20)の前記内室において生じる所定の圧力を超えた場合に開き、それによって前記内室の圧力を逃がすために設けられている内燃機関において、
前記外壁(22)の、前記内室に対向しない側に設けられている前記圧力逃がし弁(26)の排出口に隣接して、流体排出装置(40)が設けられており、それによって当該流体排出装置を用いて、前記圧力逃がし弁(26)が開く際に、保護流体を、前記排出口から出る作動流体と混合させるために排出可能であることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
制御装置(50)と、当該制御装置(50)と接続されたセンサ(60)とを有する請求項1に記載の内燃機関(1)であって、当該センサ(60)は前記圧力逃がし弁(26)に設けられているとともに、前記圧力逃がし弁(26)が開くことを検出し、続いて前記制御装置(50)に開放信号を出力するために設けられており、前記制御装置(50)は前記流体排出装置(40)に接続されているとともに、前記開放信号に応じて、前記流体排出装置(40)を作動させ、それによって保護流体を排出させるために設けられている、内燃機関。
【請求項3】
請求項2に記載の内燃機関(1)であって、前記センサ(60)は電気機械的なスイッチを有しており、当該スイッチは、前記圧力逃がし弁(26)が開くことを機械的に検出するとともに、前記開放信号を電気信号の形で出力するために設けられている、内燃機関。
【請求項4】
請求項2または3に記載の内燃機関(1)であって、前記制御装置(50)は、前記開放信号に応じて、視覚的および/または聴覚的な警告メッセージを発生させるための警告信号を出力するために設けられている、内燃機関。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関(1)であって、前記流体排出装置(40)は少なくとも一つの噴霧器ノズル(41)を有しており、当該噴霧器ノズルは、前記保護流体を保護流体ミストの形で排出するために設けられている、内燃機関。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関(1)であって、前記流体排出装置(40)は、前記保護流体が二つの互いに対向する排出箇所(40a,40b)から、互いに逆であるとともに衝突する方向に排出可能であるように設けられており、前記圧力逃がし弁(26)は、前記二つの排出箇所(40a,40b)の間に設けられている、内燃機関。
【請求項7】
フード(27)を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の内燃機関(1)であって、前記フードは前記外壁(22)の、前記内室に対向しない側を起点として前記圧力逃がし弁(26)に載置されているとともに、圧力を逃がすための、好ましくは側方に設けられた少なくとも一つの吐き出し開口部(28a,28b)を有しており、前記流体排出装置(40)は、保護流体の排出が、前記フード(27)の側方に設けられた個々の吐き出し開口部(28a,28b)内に直接的に行われるように設けられている、内燃機関。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関(1)であり、当該内燃機関に取り付けられた保護流体タンク(70)を有する内燃機関であって、当該保護流体タンクは、流体管(42a,42b)を介して前記流体排出装置(40)と接続されており、それによって、前記保護流体タンク(70)内に貯蔵された保護流体は、前記制御装置(50)によって制御された状態で、選択的に前記流体排出装置(40)に供給可能である、内燃機関。
【請求項9】
請求項8に記載の内燃機関であって、前記保護流体タンク(70)は、前記保護流体を大気圧に対して高められた圧力で貯蔵し、それによって前記流体排出装置(40)に供給される保護流体は、所定の高められた圧力下で排出可能である、内燃機関。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の内燃機関(1)であって、当該内燃機関(1)は大型ディーゼルエンジンとして形成されている、内燃機関。

【図1】
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【図2】
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