説明

内箱

【課題】形状や寸法の異なる製品に用いる内箱を共通化することが目的とされる。
【解決手段】本発明の実施の形態に係る内箱は、梱包用の外箱の内部に設置される内箱であって、当該外箱の底面101aから見たときの形状が四角形であり、底面101aに略垂直に立てられた4つ側壁部1〜4を備え、4つの側壁部1〜4によって4つの角11〜41が形成されている。そして、4つの角11〜41のうち、互いに隣接する少なくとも2つの角をそれぞれ形成する2つの側壁部は、当該角にて互いに連結されると共に、当該2つの側壁部には、当該角を跨いで少なくとも1つの切込みが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内箱に関し、特にデジタルカメラなどの製品の緩衝材として使用される内箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタルカメラなどの製品は、付属部品と共に1つの梱包箱に収納される。付属部品には、例えば充電池や充電器、AC(Alternating Current)コード、USB(Universal Serial Bus)ケーブル、AV(Audio-Visual)ケーブル、取扱説明書、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)などがある。
【0003】
製品及びその付属部品を収納した状態で梱包箱を揺らすと、梱包箱内で製品と付属部品とが接触し、延いては製品の破損を招くおそれがある。そこで従来から、製品と付属部品との接触を防止すべく、これらの間に内箱としての緩衝材を設けている。
【0004】
かかる緩衝材には、段ボールが用いられることが多い。具体的には、平板状の1枚の段ボールを所定の型に打ち抜いて、製品の周りが囲めるように折り曲げられる。
【0005】
なお、本発明に関連する技術を以下に示す。
【特許文献1】特開2000−142812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の緩衝材は、製品の形状や寸法に合わせて設計されていたため、製品の形状や寸法が異なる場合には、製品ごとに異なる設計で緩衝材を作製する必要があった。具体的に段ボール製の緩衝材では、製品ごとに異なる型で平板状の段ボールを打ち抜く必要があった。
【0007】
製品ごとに異なる設計で緩衝材を作製すると、製造工程が煩雑化し、更にはコストの増大を招く。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、形状や寸法の異なる製品に用いる内箱を共通化することが目的とされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る内箱は、梱包用の外箱の内部に設置される内箱であって、前記外箱の底面から見たときの形状が四角形であり、前記底面に略垂直に立てられた4つ側壁部を備え、前記4つの側壁部によって4つの角が形成されている。そして、前記4つの角のうち、互いに隣接する少なくとも2つの角をそれぞれ形成する2つの前記側壁部は、当該角にて互いに連結されると共に、前記2つの側壁部には、当該角を跨いで少なくとも1つの切込みが設けられている。
【0010】
具体的な態様において、前記切込みは、前記側壁部の前記底面とは反対側の上端縁に近いに位置に設けられている。
【0011】
また、前記側壁部には、前記切込みの両端付近から前記上端縁まで前記角と略平行に延びる第1の折り目が設けられている。
【0012】
更には、前記側壁部には、前記切込みの前記両端のそれぞれに設けられた前記第1の折り目の間の位置で、前記第1の折り目と略平行に前記切込みから延びる第2の折り目が更に設けられている。
【0013】
また、同じ前記角を形成する前記2つの前記側壁部には前記切込みが2つ設けられており、前記2つの切込みは、前記上端縁に近い位置にて上と下に1つずつ並んでいる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる内箱によれば、切込みの上側または下側の部分を内箱の内側へと折り込んで、折込み部分を設けることで、切込みの両端付近にそれぞれ角を形成することができる。角に折込み部分を設けた態様では、切込みの両端付近に形成された二つの角のいずれか一方に製品の角を合わせて、製品を収納することができる。他方、角に折込み部分を設けない態様では、当該角に製品の角を合わせて、製品を収納することができる。
【0015】
よって、製品ごとに形状や寸法が異なる場合であっても、その製品の形状や寸法に合った緩衝材を同じ内箱から得ることができる。このため、異なる製品において内箱を共通化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
【0017】
図1は、本発明に実施の形態に係る内箱を示した斜視図である。当該内箱は、梱包用の外箱の内部に設置される内箱であり、例えば梱包される製品の緩衝材として用いられる。なお外箱については、その底壁部101のみを図1に示している。
【0018】
内箱は、外箱の底面101aから見たときの形状が四角形であり、1枚の板材を折り曲げることで作製される。図2は、展開した状態の内箱の表(おもて)面を示した図である。
【0019】
まず、内箱の作製方法について図2を用いて説明する。なお、内箱の作製方法は、ステップ(a)〜(d)によって構成されている。以下では、板材の折り曲げ方に関して、板材の表面が谷となる折り方を「谷折り」と称し、板材の表面が山となる折り方を「山折り」と称す。
【0020】
ステップ(a);
まず、打ち抜き等によって、図2に示された形状を呈する板材を作製する。このとき、板材には、後述するステップ(b)〜(d)で折り曲げられる線、具体的にはA1線〜A4線、B11線〜B41線、G1線、G2線、H1線、H2線、I1線、I2線、J1線、及びJ2線に沿って、折り目が付けられる。これにより、板材を所定の位置で、容易に折り曲げることができる。
【0021】
そして、ステップ(b)〜(d)で折り曲げられる線の他に、C11線〜C41線、C12線〜C42線においても、これらの線に沿って折り目が付けられる。
【0022】
本ステップでは更に、板材に孔61,62及び切込みが設けられる。孔61,62に関しては、ステップ(e)で詳細に説明する。切込みに関しては具体的には、D1線〜D3線、H3線、H4線、J3線、及びJ4線のそれぞれに沿って設けられる。D1線は、A1線に繋がっており、A1線からA3線側へと迫り出している。D2線及びD3線は、A3線に繋がっており、A3線からA1線側へと迫り出している。
【0023】
H3線は、H1線に繋がっており、H1線と共に板状の一部である部分721を囲っている。H4線は、H2線に繋がっており、H2線と共に板状の一部である部分731を囲っている。J3線は、J1線に繋がっており、J1線と共に板状の一部である部分821を囲っている。J4線は、J2線に繋がっており、J2線と共に板状の一部である部分831を囲っている。
【0024】
板材には、切込みが設けられたD1線〜D3線、H3線、H4線、J3線、及びJ4線の他に、F1線〜F4線においても、これらの線に沿って切込みが設けられる。
【0025】
なお、C11線〜C41線、C12線〜C42線に沿って付けられた折り目、及びF1線〜F4線に沿って設けられた切込みの詳細については、後述する。
【0026】
ステップ(b);
図2に示されるA1線〜A4線にて板材を「谷折り」とし、板材の一部である部分1a、部分71、部分3a、及び部分81を、部分5aに対して垂直に立ち上げる。これにより、内箱の底壁部5(図1)が、部分5aによって形成される。そして、内箱の4つの側壁部1〜4(図1)のうち対向する2つの側壁面1,3が、部分1a,3aによって形成される。側壁部1,3は、外箱の底面101aから見たときの内箱の形状である四角形の辺のうち、対向する2つの辺を形成する。部分71及び部分81の役割については後述する。
【0027】
板材にはD1線〜D3線に沿って切込みが設けられている。このため、A1線での折り曲げによって、部分101が部分5aの裏側へと立ち上がり、A3線での折り曲げによって、部分301が部分5aの裏側へと立ち上がる。部分101,301は、内箱の脚部を形成する。
【0028】
なお、A1線及びA3線での板材の折り曲げに伴って、部分1aに繋がっている部分2a及び部分4a、並びに部分3aに繋がっている部分2b及び部分4bも立ち上がる。A2線及びA4線での板材の折り曲げに伴って、部分71に直接または間接的に繋がっている部分72,73、並びに部分81に直接または間接的に繋がっている部分82,83も立ち上がる。
【0029】
ステップ(c);
ステップ(b)を実行した後、図2に示されるB21線及びB31線のそれぞれにて板材を「谷折り」とし、部分2a及び部分2bのそれぞれの表面を、部分71の裏(うら)面に対向させる。
【0030】
部分2a,2bのそれぞれには、切込み201,202が設けられている。切込み201と切込み202とを噛み合わせることで、部分2aと部分2bとが連結されて、内箱の側壁部2(図1)が形成される。側壁部2は、側壁部1及び側壁部3に隣接し、外箱の底面101aから見たときの内箱の形状である四角形の1辺を形成する。
【0031】
これにより、側壁部2と側壁部1とによって内箱の角21(図1)が形成され、側壁部2と側壁部3とによって内箱の角31(図1)が形成される。角21は「谷折り」とされたB21線に沿い、角31は「谷折り」とされたB31線に沿う。
【0032】
同様に、B11線及びB41線のそれぞれにて板材を「谷折り」し、部分4a及び部分4bのそれぞれの表面を、部分81の裏面に対向させる。
【0033】
部分4a,4bのそれぞれには、切込み401,402が設けられている。切込み401と切込み402とを噛み合わせることで、部分4aと部分4bとが連結されて、内箱の側壁部4(図1)が形成される。側壁部4は、側壁部1及び側壁部3に隣接し、外箱の底面101aから見たときの内箱の形状である四角形の残りの1辺を形成する。
【0034】
これにより、側壁部4と側壁部1とによって内箱の角11(図1)が形成され、側壁部4と側壁部3とによって内箱の角41(図1)が形成される。角11は「谷折り」とされたB11線に沿い、角41は「谷折り」とされたB41線に沿う。
【0035】
ステップ(d);
ステップ(c)を実行した後、図2に示されるG1線及びG2線のそれぞれにて、板材を「山折り」とし、部分73の裏面を側壁部2(部分2a,2b)の裏面に対向させる。
【0036】
このとき、H1線でも「山折り」としておくことで、H3線とH1線とで囲まれる部分721の表面を、側壁部2の裏面に接触させることができる。部分721を側壁部2の裏面に接触させることで、側壁部2を部分71に押し付けることができる。部分71は、ステップ(e)で説明するように固定されるので強度が高く、以って部分71に押し付けられた側壁部2の強度も高まる。
【0037】
同様に、I1線及びI2線のそれぞれにて板材を「山折り」とし、部分83の裏面を側壁部4(部分4a,4b)の裏面に対向させる。このとき、J1線でも「山折り」としておくことで、J3線とJ1線とで囲まれた部分821の表面を、側壁面4の裏面に接触させることができる。よって、側壁部2と同様に、側壁部4の強度も高まる。
【0038】
ステップ(e);
板材には孔61,62がそれぞれ、A2線及びA4線の中央付近の位置に設けられている。
【0039】
ステップ(d)を実行した後、図2に示されるH2線にて板材を「山折り」とする。これにより、H4線とH2線とで囲まれた部分731が裏側へと折り曲がる。そして、部分731の先端731aを孔61へと導く。このとき部分731は、側壁部2の下側を通る。
【0040】
孔61まで導かれた先端731aは、孔61に差し込まれる。孔61には切込み611が設けられており、先端731aを孔61に差し込む際に先端731aが折れ曲ることを防止している。
【0041】
先端部731aを孔61に差し込むことで、部分71と部分73との間に側壁部2を挟みつつ、部分71〜73を、コの字に折れ曲った状態で固定することができる。よって、側壁部2の強度が高まる。
【0042】
同様に、J2線にて板材を「山折り」とする。これにより、J4線とJ2線とで囲まれた部分831が裏側へと折り曲がる。そして、部分831の先端831aを孔62へと導く。このとき部分831は、側壁部4の下側を通る。
【0043】
孔62まで導かれた先端831aは、孔62に差し込まれる。孔62には、孔61と同様に、切込み621が設けられている。先端部831aを孔62に差し込むことで、部分81と部分83との間に側壁部4を挟みつつ、部分81〜83を、コの字に折れ曲った状態で固定することができる。よって、側壁部4の強度が高まる。
【0044】
図1に戻って、1枚の板材から作製された内箱について説明する。図1に示されるように、内箱の角11〜41には切込み12〜42がそれぞれ設けられている。切込み12〜42はそれぞれ、上記ステップ(a)においてF1線〜F4線に沿って設けた切込みに相当する。
【0045】
具体的には、板材においてF1線は、部分1aから部分4aへとB11線を横切って延びている(図2)。よって、内箱において切込み12は、角11を形成する隣接した側壁部1,4に、角11を跨いで設けられる(図1)。
【0046】
そして図1では切込み12は、側壁部1,4の上端縁14,44に近い位置に設けられている。ここで上端縁14,44はそれぞれ、側壁部1,4の縁のうち外箱の底面101aとは反対側に位置する縁である。
【0047】
図1に示されるように側壁部4,1のそれぞれには、切込み12の両端から、側壁部4,1の上端縁44,41まで角11に略平行に延びた折り目131,132が設けられている。折り目131,132は、上記ステップ(a)においてC11線及びC12線(図2)に付けられた折り目に相当する。
【0048】
同様に、切込み22は、角21を形成する隣接した側壁部1,2に、角21を跨いで設けられている。そして、側壁部1,2のそれぞれには、切込み22の両端から上端縁14,24まで角21に略平行に延びた折り目231,232が設けられている。
【0049】
切込み32は、角31を形成する隣接した側壁部2,3に、角31を跨いで設けられている。そして、側壁部2,3のそれぞれには、切込み32の両端から上端縁24,34まで角31に略平行に延びた折り目331,332が設けられている。
【0050】
切込み42は、角41を形成する隣接した側壁部3,4に、角41を跨いで設けられている。そして、側壁部3,4のそれぞれには、切込み42の両端から上端縁34,44まで角41に略平行に延びた折り目431,432が設けられている。
【0051】
上述した内箱によれば、切込み12と上端縁14,44との間の部分15を内側へと折り込むことで、角11の上端の位置に折込み部分を設けることができる。
【0052】
そして、折り目131,132が付けられているので、部分15を内側へと折り込むと、折り目131,132にて側壁部4,1のそれぞれが「谷折り」となる。このとき、「谷折り」となっていたB11線のうち、切込み12と上端縁14,44との間の部分が、「山折り」となる。
【0053】
同様に、切込み22〜42のそれぞれと上端縁14〜44との間の部分25〜45を内側へと折り込むことで、角21〜41のそれぞれの上端の位置に折込み部分を設けることができる。そして、部分25〜45をそれぞれ内側へと折り込むと、折り目231〜431,232〜432にて側壁部1〜4のそれぞれが「谷折り」となる。
【0054】
つまり、角11〜14に折込み部分を設けることで、切込み12〜42の両端にそれぞれ角が形成される。具体的には、角11に折込み部分を設けると、折り目131,132に沿って2つの角が形成される。角12〜14に折込み部分を設けた場合も同様に、折り目231〜431,232〜432に沿って角が形成される。
【0055】
よって、製品ごとに形状や寸法が異なる場合であっても、その製品の形状や寸法に合った緩衝材を同じ内箱から得ることができる。このため、異なる製品において内箱を共通化することができる。
【0056】
異なる製品において内箱が共通化できることを明確にすべく、上述した内箱の使用方法を、図3〜図8を用いて具体的に説明する。図3〜5は、内箱の使用状態を示した斜視図であり、図6〜図8はそれぞれ、図3〜図5に示される内箱を上から見た図である。
【0057】
図3及び図6は、角11と角14とに折込み部分を設けた場合を示す。角11,14に折込み部分を設けた内箱には、図6に示されるように、形状の異なる2種類の製品を収納することができる。図6では、収納できる製品の2種類の形状8A,8Bを、それぞれ実線及び破線で示している。
【0058】
具体的には、形状8Aを呈する製品の角は、折り目132,431のそれぞれに沿って形成された2つの角と、角21,31とに合う。形状8Bを呈する製品の角は、折り目131,432に沿って形成された2つの角に合う。
【0059】
図4及び図7は、角31と角41とに折込み部分を設けた場合を示す。角31,41に折込み部分を設けた内箱には、図7に示されるように、形状の異なる2種類の製品を収納することができる。図7では、収納できる製品の2種類の形状8C,8Dを、それぞれ実線及び破線で示している。
【0060】
具体的には、形状8Cを呈する製品の角は、折り目331,432のそれぞれに沿って形成された2つの角と、角11,21とに合う。形状8Dを呈する製品の角は、折り目332,431のそれぞれに沿って形成された2つの角に合う。
【0061】
図5及び図8は、角11〜41のすべてに折込み部分を設けた場合を示す。角11〜41のすべてに折込み部分を設けた内箱には、図8に示されるように、形状の異なる2種類の製品を収納することができる。図8では、収納できる製品の2種類の形状8E,8Fを、それぞれ実線及び破線で示している。
【0062】
具体的には、形状8Eを呈する製品の角は、折り目131,232,331,432のそれぞれに沿って形成された4つの角に合う。形状8Fを呈する製品の角は、折り目132,231,332,431のそれぞれに沿って形成された4つの角に合う。
【0063】
よって、形状8A〜8Fの異なる6種類の製品に合った緩衝材を、1つの内箱から得ることができる。更に、いずれの角11〜41にも折込み部分を設けない場合を含めると、形状の異なる7種類の製品に合った緩衝材を、同じ内箱から得ることができる。
【0064】
上述した内箱では、内側へと折り込むための部分15〜45が、角11〜41の上端の位置に設けられている(図1及び図3〜図5)。部分15〜45は、例えば角11〜41の中央付近や下端などに設けても良いが、上端に設けることで次の効果が得られる。つまり、内箱の上端開口部側からの折込み部分の形成が容易となる。しかも、角11〜41の上端の位置に折込み部分を設ける場合、角11〜41のそれぞれに切込み12〜42を1つ設けるだけで良いので、内箱の製造、特に上述したステップ(a)での板材の作製が簡略化される。
【0065】
また、上述した内箱では、折り目131〜431,132〜432が設けられているので、折込み部分を設ける者にとって、折り込む部分15〜45が認識しやすい。なお、折込み部分を設ける者が、折り込む部分15〜45を予め認識している場合には、折り目を設けずに切込み12〜42だけを設けても良い。
【0066】
変形例1;
上述した内箱では、角11〜41のすべてに、内側へと折り込むための部分15〜45が設けられているが、4つの角11〜41のうち少なくともいずれか2つの角に部分15〜45を設けておけば、形状の異なる少なくとも2種類の製品に合った緩衝材を、同じ内箱から得ることができる。
【0067】
角11〜41のうち2つの角に部分15〜45を設ける場合には、当該部分を設ける角は隣接していることが好ましい。なぜなら、部分15〜45を内側へと折り込んで形成された折込み部分で製品を挟むことができ、以って緩衝材としての内箱の機能が高まるからである。
【0068】
変形例2;
図9は、本変形例に係る内箱を示した斜視図である。本変形例に係る内箱では、側壁部1〜4のそれぞれに、折り目131〜431,132〜432とは異なる折り目151〜451,152〜452が設けられている。
【0069】
具体的には、折り目151,152は、切込み12の両端に設けられた折り目131,132の間の位置で、折り目131,132に略平行に、切込み12から上端縁44,14まで延びている。
【0070】
同様に、折り目251,252は、折り目231,232の間の位置で、折り目231,232に略平行に、切込み22から上端縁14,24まで延びている。折り目351,352は、折り目331,332の間の位置で、折り目331,332に略平行に、切込み32から上端縁24,34まで延びている。折り目451,452は、折り目431,432の間の位置で、折り目431,432に略平行に切込み42から上端縁34,44まで延びている。
【0071】
本変形例に係る内箱によれば、形状や寸法の異なるより多くの製品に合った緩衝材を、同じ内箱から得ることができる。角11に折込み部分を設ける場合について具体的に説明すると、折り目131,132と折り目151,152とは位置が異なるので、折り目131,132に沿って角を設けた場合と、折り目151,152に沿って角を設けた場合とで、合わすことのできる製品の形状または寸法が異なる。角21〜41に折込み部分を設ける場合も同様である。
【0072】
変形例3;
図10は、本変形例に係る内箱を示した斜視図である。本変形例に係る内箱では、切込み12〜42とは異なる切込み121〜421が側壁部1〜4に設けられている。具体的には、切込み12と切込み121とは、同じ角11に設けられており、上端縁14,44に近いに位置にて上と下に1つずつ並んでいる。
【0073】
同様に、切込み22と切込み221とは、同じ角21に設けられており、上端縁14,24に近いに位置にて上と下に1つずつ並んでいる。切込み32と切込み321とは、同じ角31に設けられており、上端縁24,34に近いに位置にて上と下に1つずつ並んでいる。切込み42と切込み421とは、同じ角41に設けられており、上端縁34,44に近いに位置にて上と下に1つずつ並んでいる。
【0074】
本変形例に係る内箱によれば、同じ角11〜41の上端の位置に、折込み部分を2段で設けることができる。よって、高さ方向についても製品の形状や寸法に合わせることができる。
【0075】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係る内箱を示した斜視図である。
【図2】展開した状態の内箱の表(おもて)面を示した図である。
【図3】内箱の使用状態を示した斜視図である。
【図4】内箱の使用状態を示した斜視図である。
【図5】内箱の使用状態を示した斜視図である。
【図6】図3に示される内箱の平面図である。
【図7】図4に示される内箱の平面図である。
【図8】図5に示される内箱の平面図である。
【図9】変形例2に係る内箱を示した斜視図である。
【図10】変形例3に係る内箱を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0077】
1〜4 側壁部
11〜41 角
12〜42,121〜421 切込み
131〜431,132〜432 折り目(第1の折り目)
14〜44 上端縁
151〜451,152〜452 折り目(第2の折り目)
101a 外箱の底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包用の外箱の内部に設置される内箱であって、前記外箱の底面から見たときの形状が四角形であり、前記底面に略垂直に立てられた4つ側壁部を備え、前記4つの側壁部によって4つの角が形成されている内箱において、
前記4つの角のうち、互いに隣接する少なくとも2つの角をそれぞれ形成する2つの前記側壁部は、当該角にて互いに連結されると共に、前記2つの側壁部には、当該角を跨いで少なくとも1つの切込みが設けられていることを特徴とする、内箱。
【請求項2】
前記切込みは、前記側壁部の前記底面とは反対側の上端縁に近いに位置に設けられている、請求項1に記載の内箱。
【請求項3】
前記側壁部には、前記切込みの両端付近から前記上端縁まで前記角と略平行に延びる第1の折り目が設けられている、請求項2に記載の内箱。
【請求項4】
前記側壁部には、前記切込みの前記両端のそれぞれに設けられた前記第1の折り目の間の位置で、前記第1の折り目と略平行に前記切込みから延びる第2の折り目が更に設けられている、請求項3に記載の内箱。
【請求項5】
同じ前記角を形成する前記2つの前記側壁部には前記切込みが2つ設けられており、前記2つの切込みは、前記上端縁に近い位置にて上と下に1つずつ並んでいる、請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載の内箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−208825(P2009−208825A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55470(P2008−55470)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】