説明

内視鏡の鉗子栓

【課題】略キャップ状の蓋体の開口端付近に形成された内方突起が鉗子栓本体の外周部に形成された大径部を確実に乗り越えて、蓋体を鉗子栓本体に対しスムーズに取り付けることができる内視鏡の鉗子栓を提供すること。
【解決手段】蓋体12が鉗子栓本体11に取り付けられる動作の途中において、鉗子栓本体11側に形成されている円錐面31に当接する蓋体12側の内方突起23の端面が円錐孔面32状に形成されて、その円錐孔面32の頂角δ2が円錐面31の頂角δ1より大きく形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルを通じて体内汚液等が内視鏡外に噴出しないように処置具挿通チャンネルの入口部分を弾力的にシールするための内視鏡の鉗子栓に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡の鉗子栓は一般に、例えば図8に示されるように、基部が内視鏡の処置具挿通チャンネル100の入口部分に取り付けられる鉗子栓本体91と、その鉗子栓本体91に対し被さった状態に着脱自在に取り付けられる略キャップ状の蓋体92とが共に弾力性のある材料により形成されて、処置具挿通チャンネル100に挿通される処置具により押し開かれるスリット93又は小孔94が形成された閉鎖膜が蓋体92と鉗子栓本体91とに設けられている。
【0003】
そして、鉗子栓本体91の外周部の全周に外周溝95が形成されて、その外周溝95に対して係脱自在な環状の内方突起96が蓋体92の開口端付近の内周部全周から内方に向けて突出形成されている。
【0004】
その結果、蓋体92が上方から押し込まれて鉗子栓本体91に被さった状態に取り付けられる際には、蓋体92の内方突起96部分が、鉗子栓本体91の外周部に沿って押し広げられて弾性変形した状態でスライドしてから外周溝95に係合する(例えば、特許文献1)。
【0005】
しかし、上述のような内視鏡の鉗子栓においては、図9に示されるように、体内から処置具挿通チャンネル100内を通ってくる体内汚液等の突発的な圧力上昇(いわゆる水撃作用)等により、外周溝95に対する内方突起96の係合が外れて蓋体92が鉗子栓本体91から外れ、汚液が周囲に飛散してしまう場合がある。
【0006】
その対策としては、内方突起96と外周溝95との係合力を非常に大きくして、内方突起96が外周溝95から容易に外れないようにすればよいが、単純にそのようにすると鉗子栓本体91に対する蓋体92の着脱が困難になって、着脱時に蓋体92を破損し易くなる等の問題が生じる。
【0007】
そこで、本件の発明者は、図10に示されるように、鉗子栓本体91の外周面97を頂部側から基部側へ次第に径が窄まった逆テーパ状に形成すると共に、その部分と外周溝95との間の部分に周囲より外径の大きな大径部98を形成することで、使用時には蓋体92が水撃作用等で簡単に外れることがなく、しかも蓋体92を鉗子栓本体に91に対し比較的容易に着脱することができる内視鏡の鉗子栓を発明して、先に特許出願してある(特願2006−337792)。
【特許文献1】特開2001−218732
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特願2006−337792に記載された発明では、蓋体92を鉗子栓本体91に被さった状態に取り付ける動作の途中において、蓋体92の内方突起96部分が大径部98に引っ掛かってしまわないよう、大径部98の両端面のうちの頂部側端面99を円錐面状に形成して(以下、「円錐面99」という)、内方突起96がスムーズに大径部98を乗り越えることができるように配慮してある。
【0009】
図11は、蓋体92を上方から押し込んで鉗子栓本体91に被せていく途中で、蓋体92の内方突起96が鉗子栓本体91の円錐面99に差しかかった状態を示しており、円錐面99に当接する内方突起96側の端面も円錐面99に対向する円錐孔面状に形成されている。
【0010】
しかし、その状態からさらに蓋体92が鉗子栓本体91に押し付けられると、図12に内方突起96部分が拡大図示されるように、内方突起96側の斜面が大径部98側の円錐面99にピッタリ当接してその部分に大きな摩擦抵抗が発生するため(A)、蓋体92を上方からさらに強く込んでも、内方突起96の斜面が大径部98側の円錐面99に摩擦係合した状態になり(B)、蓋体92が弾性変形するだけで内方突起96が大径部98を乗り越えることができない場合があった。
【0011】
本発明は、略キャップ状の蓋体の開口端付近に形成された内方突起が鉗子栓本体の外周部に形成された大径部を確実に乗り越えて、蓋体を鉗子栓本体に対しスムーズに取り付けることができる内視鏡の鉗子栓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の鉗子栓は、基部が内視鏡の処置具挿通チャンネル(3)の入口部分に取り付けられる鉗子栓本体(11)と、その鉗子栓本体(11)に対し被さった状態に着脱自在に取り付けられる略キャップ状の蓋体(12)とが共に弾力性のある材料により形成されて、処置具挿通チャンネル(3)に挿通される処置具により押し開かれる閉鎖膜(16,17)が鉗子栓本体(11)と蓋体(12)とに設けられた内視鏡の鉗子栓であって、鉗子栓本体(11)の外周部の周方向に外周溝(21)が形成されて、その外周溝(21)に対して係脱自在な環状の内方突起(23)が蓋体(12)の開口端部に内方に向けて突出形成されると共に、鉗子栓本体(11)の外周面が頂部(11a)側から基部側へ次第に径が窄まる逆テーパ状に形成されて、その部分と外周溝(21)との間の部分に頂部(11a)より外径の大きな大径部(26)が形成され、大径部(26)の両端面のうちの頂部側端面が円錐面(31)状に形成されると共に、蓋体(12)が鉗子栓本体(11)に取り付けられる際には、蓋体(12)の内方突起(23)が、鉗子栓本体(11)の円錐面(31)に当接してから太径部(26)を乗り越えて外周溝(21)に係合するように構成された内視鏡の鉗子栓において、蓋体(12)が鉗子栓本体(11)に取り付けられる動作の途中において円錐面(31)に当接する内方突起(23)の端面が円錐孔面(32)状に形成されて、その円錐孔面(32)の頂角(δ2)が、鉗子栓本体(11)の大径部(26)の頂部側端面に形成された円錐面(31)の頂角(δ1)より大きく形成されているものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、蓋体が鉗子栓本体に取り付けられる動作の途中において鉗子栓本体側の円錐面に当接する蓋体側の内方突起の端面が円錐孔面状に形成されて、その円錐孔面の頂角が、鉗子栓本体側の円錐面の頂角より大きく形成されていることにより、内方突起が、円錐面に沿って滑って広がる状態にスムーズに弾性変形するので、蓋体の開口端付近に形成された内方突起が鉗子栓本体の外周部に形成された大径部を確実に乗り越えて、蓋体を鉗子栓本体に対しスムーズに取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
基部が内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に取り付けられる鉗子栓本体と、その鉗子栓本体に対し被さった状態に着脱自在に取り付けられる略キャップ状の蓋体とが共に弾力性のある材料により形成されて、処置具挿通チャンネルに挿通される処置具により押し開かれる閉鎖膜が鉗子栓本体と蓋体とに設けられた内視鏡の鉗子栓であって、鉗子栓本体の外周部の周方向に外周溝が形成されて、その外周溝に対して係脱自在な環状の内方突起が蓋体の開口端部に内方に向けて突出形成されると共に、鉗子栓本体の外周面が頂部側から基部側へ次第に径が窄まる逆テーパ状に形成されて、その部分と外周溝との間の部分に頂部より外径の大きな大径部が形成され、大径部の両端面のうちの頂部側端面が円錐面状に形成されると共に、蓋体が鉗子栓本体に取り付けられる際には、蓋体の内方突起が、鉗子栓本体の円錐面に当接してから太径部を乗り越えて外周溝に係合するように構成された内視鏡の鉗子栓において、蓋体が鉗子栓本体に取り付けられる動作の途中において円錐面に当接する内方突起の端面が円錐孔面状に形成されて、その円錐孔面の頂角が、鉗子栓本体の大径部の頂部側端面に形成された円錐面の頂角より大きく形成されている。
【実施例】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図5において、1は、可撓性を有する内視鏡の挿入部、2は、挿入部1の基端に連結された操作部である。
【0016】
挿入部1内には、図示されていない処置具を挿通するための処置具挿通チャンネル3が全長にわたり挿通配置されていて、操作部2の下端部付近に配置された処置具挿通チャンネル3の入口開口部には、処置具挿通チャンネル3を通って逆流する体内汚液等が外方に吹き出さないようにするための鉗子栓10が取り付けられている。11は鉗子栓本体、12と14は、後述する蓋体と連結帯状部材である。
【0017】
図1と図2は、蓋体12が鉗子栓本体11から外された状態の鉗子栓10の縦断面図と斜視図であり、図3と図4は、蓋体12が鉗子栓本体11に取り付けられた状態の鉗子栓10の縦断面図と斜視図である。
【0018】
図3に示されるように、鉗子栓10は、処置具挿通チャンネル3の入口口金3aに着脱自在に取り付けられる略円筒状に形成された鉗子栓本体11と、鉗子栓本体11の頂部11aの処置具挿入口15側から鉗子栓本体11に対し被さった状態に着脱自在に取り付けられる略円筒キャップ状の蓋体12とを備えていて、全体が弾力性のあるゴム材等によって構成されている。
【0019】
鉗子栓本体11の内面の基端寄りの部分には、処置具挿通チャンネル3の入口口金3aに対して係脱自在な括れ部13が形成されており、括れ部13を弾性変形させて、入口口金3aを締め付ける状態に取り付け及び取り外すことができる。
【0020】
蓋体12は、鉗子栓本体11及び蓋体12と一体に形成された連結帯状部材14で鉗子栓本体11の基部と連結されていて、蓋体12が鉗子栓本体11から取り外されてもその近くにぶら下げられた状態になるようになっている。
【0021】
鉗子栓本体11内と蓋体12には、各々閉鎖膜16,17が形成されていて、鉗子栓本体11内の閉鎖膜16には、処置具挿通チャンネル3に挿通される処置具により押し開かれる小孔18が形成され、蓋体12の閉鎖膜17には、処置具挿通チャンネル3に挿通される処置具により押し開かれるスリット19が形成されている。ただし、小孔18とスリット19の組合せ等は適宜でよい。
【0022】
その結果、蓋体12が鉗子栓本体11に取り付けられて処置具が使用されない図3に示される状態では、蓋体12の閉鎖膜17に形成されたスリット19により、処置具挿通チャンネル3内から体内汚液等が噴出しないように封止される。
【0023】
そして、図示されていない処置具が処置具挿通チャンネル3に挿脱されると、小孔18とスリット19により処置具の外周部との間がシールされ、注射器で処置具挿通チャンネル3内に薬液等を送り込む場合には、蓋体12の入口部に形成された小径部20が注射筒の先端部分を締め付けることにより、注射器の支持とシールが行われる。
【0024】
鉗子栓本体11の基端寄りの位置の外周部には、外周溝21が全周にわたって凹んだ状態に円周方向に形成されている。そして、鉗子栓本体11の外周を囲む状態に、蓋体12側に環状壁22が形成され、外周溝21に対して全周にわたり係合させることができる環状の内方突起23が、環状壁22の開口端部22bの内周部全周から内方(径方向において内方)に向けて突出形成されている。
【0025】
内方突起23は、環状壁22を弾性変形させて外周溝21に対し係脱させることができ、内方突起23を外周溝21に係合させることで、蓋体12が鉗子栓本体11から外れるのを阻止する抜け止めになる。
【0026】
鉗子栓本体11の外周部の上半部は、頂部11a側から次第に径が窄まった逆テーパ筒部29になっていて、その逆テーパ筒部29に被さる蓋体12の内周面(即ち、環状壁22の内周面の上半部)が、鉗子栓本体11の頂部11aでは鉗子栓本体11を締め付けず、逆テーパ筒部29では頂部11aから遠ざかるにしたがって鉗子栓本体11に対する締め付け量が大きくなる逆テーパ孔部30になっている。
【0027】
そのようにするために、図1に示されるように、蓋体12の逆テーパ孔部30の頂部の内径Dが、鉗子栓本体11の頂部11aの外径dと等しいか大きく形成され、逆テーパ孔部30のテーパ角θ2が、逆テーパ筒部29のテーパ角θ1より大きく形成されている。即ち、D≧d、且つθ2>θ1である。
【0028】
鉗子栓本体11の外周部の中間部分には、逆テーパ筒部29と外周溝21との間の位置に、周囲より外径の大きな大径部26が形成されている。大径部26の外径eは鉗子栓本体11のその周囲の外径及び頂部11aの外径dより大きく、図1においてe>dである。
【0029】
そして、大径部26の両端面のうちの頂部側端面31が、上方が窄まった円錐面状に形成されており(以下、「円錐面31」という)、その円錐面31の頂角を、図1に示されるようにδ1とする。また、円錐面31の外径=大径部26の外径eである。
【0030】
また、蓋体12が鉗子栓本体11に取り付けられる動作の途中において円錐面31に当接する蓋体12側の内方突起23の開口部端面(即ち、環状壁22の下端面の内周縁部)には、全周に、上方が窄まったすり鉢状の円錐孔面状に形成されており(以下、「円錐孔面32」という)、その頂角を図1に示されるようにδ2とする。
【0031】
そのように形成された円錐孔面32の頂角δ2は、円錐面31の頂角δ1より大きく形成されている。即ち、δ2>δ1である。また、円錐孔面32の開口端部の内径Eが、円錐面31の外径eより大きく形成されている。即ちE>eである。
【0032】
なお、大径部26の外周部の一箇所又は複数箇所には、蓋体12の内方突起23部分が弾性変形してスライドする際に鉗子栓本体11の外周部と蓋体12の環状壁22とで囲まれた空間を外部と連通させる通気溝27が形成されている。
【0033】
このように構成された実施例の内視鏡の鉗子栓10は、図3に示されるように、蓋体12が鉗子栓本体11に取り付けられた状態においては、内方突起23が外周溝21に係合して鉗子栓本体11に対する蓋体12の抜け止めになり、また、鉗子栓本体11の逆テーパ筒部29が蓋体12の逆テーパ孔部30で締め付けられて、その部分が確実にシールされた状態になっている。
【0034】
そして、鉗子栓10が処置具挿通チャンネル3の入口口金3aに取り付けられた使用状態において、処置具挿通チャンネル3を経由する水撃作用等により蓋体12内の圧力が急上昇すると、蓋体12を鉗子栓本体11に対し上方から引っ張りあげようとする強い力が作用するが、それによって、鉗子栓本体11の逆テーパ筒部29に対する蓋体12の逆テーパ孔部30の締め付け量が益々大きくなる。
【0035】
その結果、鉗子栓本体11から蓋体12が抜け出すのを阻止する抜け止め力として、外周溝21と内方突起23との係合力だけでなく、逆テーパ筒部29に対する逆テーパ孔部30の締め付け力の増大分が直接作用し、蓋体12が鉗子栓本体11から外れない。したがって、水撃作用があっても鉗子栓10から体内汚液等が噴出しない。
【0036】
そして、図6に示されるように、蓋体12が上方から押し込まれて鉗子栓本体11に取り付けられる動作の途中において、蓋体12側の円錐孔面32が鉗子栓本体11側の円錐面31に当接した状態においては、その部分を拡大図示する図7に示されるように、円錐孔面32が円錐面31に密着せず、その間に角度差Δが生じる。Δ=(δ2−δ1)/2である(A)。
【0037】
したがって、蓋体12側の円錐孔面32と鉗子栓本体11側の円錐面31との間に発生する摩擦抵抗が小さいので、さらに上方から蓋体12が鉗子栓本体11に押し付けられると、内方突起23が円錐面31に沿って滑って広がる状態にスムーズに弾性変形していき(B)、次の瞬間には、内方突起23が大径部26を乗り越えて図3に示されるように外周溝21に係合する状態になる。このようにして、蓋体12が鉗子栓本体11に対しスムーズに取り付けられる。
【0038】
なお、蓋体12を鉗子栓本体11単体から取り外す際は、蓋体12を上方から引っ張りあげるのではなく、下端部の内方突起23側から押しあげるようにすれば、環状壁22が樽状に膨らんで容易に取り外すことができ、鉗子栓本体11が処置具挿通チャンネル3の入口口金3aに取り付けられた状態では、蓋体12の鍔状部分を引きあげて外すか、環状壁22を側方から押すことにより、内方突起23が支点となってモーメントが働き、鉗子栓本体11と蓋体12が共に弾性変形して容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓の蓋体が鉗子栓本体から取り外された状態の縦断面図である。
【図2】本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓の蓋体が鉗子栓本体から取り外された状態の外観斜視図である。
【図3】本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓の蓋体が鉗子栓本体に取り付けられた状態の縦断面図である。
【図4】本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓の蓋体が鉗子栓本体に取り付けられた状態の外観斜視図である。
【図5】本発明の実施例の内視鏡の全体構成を示す側面図である。
【図6】本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓の蓋体が鉗子栓本体に取り付けられる途中の状態を示す縦断面図である。
【図7】本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓の蓋体が鉗子栓本体に取り付けられる途中の状態の部分拡大断面図である。
【図8】従来の内視鏡の鉗子栓の縦断面図である。
【図9】従来の内視鏡の鉗子栓に水撃が作用した状態の縦断面図である。
【図10】先願発明の内視鏡の鉗子栓の縦断面図である。
【図11】先願発明の内視鏡の鉗子栓の蓋体が鉗子栓本体に取り付けられる途中の状態を示す縦断面図である。
【図12】先願発明の内視鏡の鉗子栓の蓋体が鉗子栓本体に取り付けられる途中の状態の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0040】
3 処置具挿通チャンネル
10 鉗子栓
11 鉗子栓本体
11a 頂部
12 蓋体
16 閉鎖膜
17 閉鎖膜
21 外周溝
23 内方突起
26 大径部
31 円錐面
32 円錐孔面
δ1 円錐面の頂角
δ2 円錐孔面の頂角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部が内視鏡の処置具挿通チャンネル(3)の入口部分に取り付けられる鉗子栓本体(11)と、その鉗子栓本体(11)に対し被さった状態に着脱自在に取り付けられる略キャップ状の蓋体(12)とが共に弾力性のある材料により形成されて、上記処置具挿通チャンネル(3)に挿通される処置具により押し開かれる閉鎖膜(16,17)が上記鉗子栓本体(11)と上記蓋体(12)とに設けられた内視鏡の鉗子栓であって、
上記鉗子栓本体(11)の外周部の周方向に外周溝(21)が形成されて、その外周溝(21)に対して係脱自在な環状の内方突起(23)が上記蓋体(12)の開口端部に内方に向けて突出形成されると共に、上記鉗子栓本体(11)の外周面が頂部(11a)側から基部側へ次第に径が窄まる逆テーパ状に形成されて、その部分と上記外周溝(21)との間の部分に上記頂部(11a)より外径の大きな大径部(26)が形成され、
上記大径部(26)の両端面のうちの頂部側端面が円錐面(31)状に形成されると共に、上記蓋体(12)が上記鉗子栓本体(11)に取り付けられる際には、上記蓋体(12)の内方突起(23)が、上記鉗子栓本体(11)の円錐面(31)に当接してから上記太径部(26)を乗り越えて上記外周溝(21)に係合するように構成された内視鏡の鉗子栓において、
上記蓋体(12)が上記鉗子栓本体(11)に取り付けられる動作の途中において上記円錐面(31)に当接する上記内方突起(23)の端面が円錐孔面(32)状に形成されて、その円錐孔面(32)の頂角(δ2)が、上記鉗子栓本体(11)の大径部(26)の頂部側端面に形成された円錐面(31)の頂角(δ1)より大きく形成されていることを特徴とする内視鏡の鉗子栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−278906(P2008−278906A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122982(P2007−122982)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】