説明

内視鏡システム

【課題】内視鏡への電力供給及び被検体への照明のオン/オフを一度の操作で行うことを可能とする。
【解決手段】プロセッサ装置11は、光源部28、プロセッサ部29、メインスイッチ12、検査・点灯スイッチ13、主電源回路30が設けられ、電子内視鏡10に接続されてている。電子内視鏡10は、CCD23を備える。主電源回路30は、メインスイッチ12がオンされると、光源部28の光源ドライバ33及び光源側CPU36、プロセッサ部29の撮像部用電源回路39及びプロセッサ側CPU40に、電源電圧を供給する。検査・点灯スイッチ13が長押し操作されると、光源ドライバ33が光源31の点灯をオン/オフするとともに、撮像部用電源回路39からCCD23への電力供給がオン/オフされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの照明光で、被検体内を照明しつつ、被検体内を内視鏡で撮影し、これにより得られた画像をプロセッサ装置のモニタに表示する内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡、プロセッサ装置、及び光源装置からなる内視鏡システムでは、内視鏡への電力供給をオン/オフする検査スイッチがプロセッサ装置に設けられ、光源の点灯をオン/オフする点灯スイッチが光源装置に設けられている。撮像素子を内蔵する電子内視鏡の場合、検査スイッチ及び点灯スイッチをオンすると、撮像素子が起動するとともに、光源から照明光が発せられて撮像素子による被検体の撮像が開始される。そして、内視鏡の撮像素子で撮像された画像がモニタに表示され、被検体内を観察可能となる。
【0003】
特許文献1では、内視鏡のコネクタが抜けないようにロックするスコープロックレバーと、このスコープロックレバーのロック状態を検出する検出手段をプロセッサ装置に設けており、検査スイッチをオンした時に、点灯スイッチがオン、またはスコープロックレバーがロックかのいずれかの状態であれば、光源を点灯させる制御を行っている。
【特許文献1】特開2007−14452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の内視鏡システムでは、被検体内の観察を行う際、検査スイッチと点灯スイッチとの両方をオン操作する必要がある。さらに、上記特許文献1の場合でも、検査スイッチのオン操作と、スコープロックレバーのロック操作という2種類の操作が必要であり、数多くの検査を実施するときや、緊急の手術時などに、2つのスイッチオン操作、又はスイッチオン操作とロック操作とをすることが面倒であった。さらに、スイッチを2つ設ける必要があること、上記特許文献1の場合は、スイッチの他にロックレバーの検出手段を設けることがローコスト化の妨げとなっていた。
【0005】
また、点灯スイッチをオンするのを忘れ、検査スイッチのみをオンすると、被検体内は暗いままなので正常な画像が表示されないため、故障や接続不良と間違えることがある。あるいは、点灯スイッチがオフであることに気が付くまで被検体内を観察することができず、その間に被検体の状況が変わる可能性もあった。
【0006】
さらにまた、検査終了時などに、点灯スイッチをオフするのを忘れてオンしたまま、検査スイッチのみをオフして、内視鏡のコネクタを光源装置のソケットから外すと、光源からの強い光がソケットの開口部を通して外部に照射されてしまう。このとき、光源装置の付近にいる患者や医師の目に光源からの光が入ると検査の妨げになり、好ましくなかった。あるいは、点灯スイッチと、検査スイッチとがほぼ同時にオンされると、光源点灯時の放電による高周波のノイズが、内視鏡の撮像素子に影響を与えるため、画像の出力が安定しないことがある。
【0007】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、内視鏡への電力供給及び被検体への照明のオン/オフを一度の操作で行うことを可能とする内視鏡システムをローコストに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被検体を撮像する撮像素子及び前記被検体内を照明する照明光を導光するライトガイドを有する内視鏡と、前記ライトガイドを介して被検体を照明する照明光を発する光源を備えた光源装置と、前記内視鏡へ電力供給するプロセッサ装置とからなる内視鏡システムにおいて、前記光源装置及び前記プロセッサ装置の少なくとも一方は、前記内視鏡への電力供給、及び前記光源の点灯をともにオン/オフする操作部材を有することを特徴とする。
【0009】
なお、前記操作部材をオンしたとき、前記光源を点灯してから、一定時間経過後に、前記内視鏡への電力供給を開始させる遅延回路を備えたことが好ましい。前記一定時間は、50ms以上、2s以下であることが好ましい。また、前記操作部材をオフしたとき、前記光源の点灯、及び前記内視鏡への電力供給を同時にオフすることが好ましい。
【0010】
前記操作部材は、第1の操作がされたときに、前記内視鏡への電力供給、及び前記光源の点灯のオン/オフを切り替え、前記内視鏡への電力供給、及び前記光源の点灯がオンされた状態で、前記第1の操作とは異なる第2の操作がされたときに、前記光源の点灯のみをオン/オフすることが好ましい。また、前記第1の操作は、前記操作部材を所定時間以上押圧操作する長押し操作、前記第2の操作は、前記操作部材を所定時間未満押圧操作する短押し操作であることが好ましい。前記プロセッサ装置及び前記光源装置は一体型であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の内視鏡システムによれば、内視鏡への電力供給、及び光源の点灯をともにオン/オフする操作部材を、光源装置及びプロセッサ装置の少なくとも一方に有しているので、内視鏡への電力供給及び被検体への照明のオン/オフを一度の操作で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1において、電子内視鏡システム2は、電子内視鏡10と、一体型の光源装置兼プロセッサ装置(以下、プロセッサ装置と略す。)11とから構成される。プロセッサ装置11の前面には、プロセッサ装置11の電源をオン/オフするためのメインスイッチ12と、電子内視鏡10への電力供給、及び光源31(図2参照)の点灯をともにオン/オフする検査・点灯スイッチ(操作部材)13とが設けられている。電子内視鏡10は、体腔内に挿入される可撓性の挿入部14と、挿入部14の基端部分に連設された操作部15と、プロセッサ装置11に接続される光源用コネクタ16及び通信用コネクタ17と、操作部15とコネクタ16,17とを繋ぐユニバーサルコード18とを備えている。
【0013】
挿入部14の先端には、体腔内撮影用のCCD23(図2参照)などが内蔵された先端部14aが連設されている。先端部14aの後方には、複数の湾曲駒を連結した湾曲部14bが設けられている。湾曲部14bは、操作部15に設けられたアングルノブ19が操作されて、挿入部14内に挿設されたワイヤが押し引きされることにより、上下左右方向に湾曲動作する。これにより、先端部14aが体腔内の所望の方向に向けられる。
【0014】
図2において、先端部14aには、観察窓20、照明窓21が設けられている。観察窓20の奥には、被検体内の像光を取り込むための光学系22が取り付けられ、さらに光学系22の奥には、CCD23が取り付けられている。CCD23は、例えばインターライントランスファ型のCCDからなる。CCD23には、ユニバーサルコード18を介してプロセッサ装置11との各種信号の遣り取りを媒介するための信号ライン23,24と、電力供給のための電力供給ライン25が接続されている。信号ライン23,24及び電力供給ライン25は、ユニバーサルコード18及び通信用コネクタ17を介してプロセッサ装置11に接続される。
【0015】
一方、照明窓21の奥には、照射レンズ26が設けられる。この照射レンズ26には、ライトガイド27の出射端が面している。ライトガイド27は、挿入部14、操作部15、ユニバーサルコード18、及び光源用コネクタ16の内部を通っており、光源用コネクタ16からライトガイド27の入射端27aが露呈する。ライトガイド27は、多数の光ファイバー(例えば、石英からなる)を束ねて形成されたものである。
【0016】
プロセッサ装置11は、光源部28、プロセッサ部29、メインスイッチ12、検査・点灯スイッチ13、主電源回路30が設けられている。主電源回路30は、メインスイッチ12がオンされると、後述する光源ドライバ33、光源側CPU36、撮像部用電源回路39、及びプロセッサ側CPU40に、電源電圧を供給する。
【0017】
光源部28は、光源31、集光レンズ32、光源ドライバ33、空冷ファン34、モータドライバ35、及びこれらを制御する光源側CPU36を備える。なお、光源側CPU36は、後述するプロセッサ側CPU40に接続され、CPU36とCPU40との間でデータ通信が可能となっている。光源31は、キセノンランプが使用される。なお、光源31は、これに限らず、他の放電ランプや、LED(発光ダイオード)、LD(レーザーダイオード)、またはハロゲンランプなどを用いてもよい。集光レンズ32は、光源用コネクタ16がプロセッサ装置11に接続されたとき、ライトガイド27の入射端27aと、光源31との間に位置し、光源31から発せられた照明光を入射端27aへ集光する。集光レンズ32で集光された照明光は、入射端27aからライトガイド27によって照射レンズ26まで導かれ、照明窓21を通して被検体内へ照射される。
【0018】
空冷ファン34は、羽根34a及びこの羽根34aを回転させるモータ(図示せず)が内蔵され、モータドライバ35からの駆動信号によって駆動される。光源側CPU36は、光源31の点灯がオンしたとき、モータドライバ35を制御して空冷ファン34を駆動させる。この空冷ファン34は、羽根34aの回転により風を起こし、光源31の点灯によって発生した熱を排出して光源31及びのその周辺の部品を冷却する。
【0019】
光源ドライバ33は、主電源回路30からの電源電圧を変圧し、検査・点灯スイッチ13のオン/オフ操作に伴う光源側CPU36からの点灯信号及び消灯信号に応じて、光源31の点灯をオン/オフする。光源31は、上述したキセノンランプが用いられるため、光源側CPU36から点灯信号が入力されたとき、光源ドライバ33は、光源31にトリガ電圧(例えば30kV)を印加して、アーク放電による発光を開始させた後、トリガ電圧より低い定常電圧(例えば12V)を印加して発光電流を流す。
【0020】
検査・点灯スイッチ13から光源側CPU36への入力は、第1の操作と、この第1の操作とは異なる第2の操作で行われる。本実施形態では、第1の操作は、検査・点灯スイッチ13を所定時間以上(例えば、3秒以上)押圧した場合の長押し操作で、第2の操作は、検査・点灯スイッチ13を所定時間未満(例えば、3秒未満)押圧した場合の短押し操作とする。なお、これに限らず、例えば、第1の操作は短押し操作で、第2の操作は長押し操作としてもよく、あるいは、第1の操作は1回のみの押圧操作、第2の操作は連続して2回の押圧操作とするなど、第1の操作と、この第1の操作と異なる第2の操作の組合せは適宜変更可能である。
【0021】
図3において、検査・点灯スイッチ13が長押し操作されたとき、光源側CPU36は、光源31の点灯をオン/オフする点灯信号及び消灯信号を光源ドライバ33に出力するとともに、電子内視鏡10への電力供給及び電力供給停止を指示する電力供給指示信号及び電力供給停止信号をプロセッサ側CPU40へ出力する。一方、電子内視鏡10への電力供給、及び光源31の点灯がオンされた状態で、検査・点灯スイッチ13が短押し操作されたとき、光源側CPU36は、点灯信号及び消灯信号のみを出力して光源31の点灯のみをオン/オフさせる。
【0022】
さらに、光源側CPU36は、タイマー36aを備えており、検査・点灯スイッチ13が長押し操作でオンされたとき、点灯信号を出力するとともに、タイマー36aによる計時を行って、一定時間T(図3参照)が経過してから電力供給指示信号をプロセッサ側CPU40へ出力する遅延回路として機能する。上述したように光源31としてキセノンランプなどの放電ランプを用いている場合、光源31にトリガ電圧を印加してから発光電流が安定して流れるまでの間は高周波ノイズが発生し、CCD23の駆動や信号処理に影響を与えるため、正常な画像が出力されないことがある。そこで、図3に示すように、光源31点灯時のアーク放電による高周波ノイズが無くなるまでの時間、すなわち、検査・点灯スイッチ13の操作入力信号のチャタリングが収まる時間t1と、点灯信号を出力してから光源31に発光電流が安定して流れる時間t2とを考慮して、光源側CPU36が、点灯信号が入力されたときから電力供給指示信号を出力するまで遅延させる一定時間Tは、50ms以上とし、また間隔が空きすぎると使用者が違和感を覚えるため、2s以下に設定されている。
【0023】
また、検査・点灯スイッチ13が長押し操作でオフされるとき、光源側CPU36は、遅延回路として機能せず、光源ドライバ33への消灯信号と、プロセッサ側CPU40への電力供給停止信号を同時に出力する。
【0024】
プロセッサ部29には、タイミング/ドライバ回路37、信号処理部38、撮像部用電源回路39、及びこれらを制御するプロセッサ側CPU40が設けられている。電子内視鏡10の通信用コネクタ17がプロセッサ装置11に接続されたとき、CCD23は信号ライン23を介してタイミング/ドライバ回路37に接続され、信号ライン24を介して信号処理部38に接続され、電力供給ライン25を介して撮像部用電源回路39に接続される。タイミング/ドライバ回路37は、プロセッサ側CPU40からの指令によって生成したタイミング信号(クロックパルス)により、CCD23の蓄積電荷の読み出しタイミング、CCD23の電子シャッタのシャッタ速度などを制御する。CCD23から出力された撮像信号は、信号ライン24によって信号処理部38へ入力され、信号処理部38で増幅、A/D変換などの各種画像処理が施されて映像信号とされ、プロセッサ装置11にケーブル接続されたモニタ41(図1も参照)に内視鏡画像として表示される。
【0025】
撮像部用電源回路39は、主電源回路30からの電源電圧を変圧して、電力供給ライン25を介して電子内視鏡10のCCD23に、電力供給ライン42を介してタイミング/ドライバ回路37に、それぞれ撮像部用電源電圧を供給する。プロセッサ側CPU40は、光源側CPU36から電力供給指示信号が入力されたとき、撮像部用電源回路39に電力供給指示信号を出力する。電力供給指示信号が入力されたことに応答して、撮像部用電源回路39は、CCD23及びタイミング/ドライバ回路37への電力供給を開始する。また、光源側CPU36から電力供給停止信号が入力されたときは、プロセッサ側CPU40は、撮像部用電源回路39へ電力供給停止信号を入力して、CCD23及びタイミング/ドライバ回路37への電力供給を停止させる。
【0026】
また、プロセッサ側CPU40は、メインスイッチ12のオン操作でオンになり、且つ光源側CPU36からの電力供給指示信号が入力されていないときは、信号処理部38を動作させて、検査・点灯スイッチ13の長押し操作を指示するメッセージをモニタ41に表示させる。さらにまた、プロセッサ側CPU40は、検査・点灯スイッチ13が長押し操作でオフされ、光源側CPU36から電力供給停止信号が入力され、撮像部用電源回路39からCCD23及びタイミング/ドライバ回路37への電力供給を停止させたとき、信号処理部38を動作させて、検査終了を示すメッセージをモニタ41に表示させる。
【0027】
上記構成の作用について、図4のフローチャートを参照して説明する。電子内視鏡システム2で検査を行う際には、電子内視鏡10のコネクタ16,17をプロセッサ装置11にそれぞれ接続した後、メインスイッチ12をオンする。メインスイッチ12がオンされると、主電源回路30が光源ドライバ33、光源側CPU36、撮像部用電源回路39、及びプロセッサ側CPU40へ、電源電圧を供給する。電源電圧が供給された光源側CPU36は、検査・点灯スイッチ13の操作を監視する。そして、プロセッサ側CPU40は、検査・点灯スイッチ13の長押し操作を指示するメッセージをモニタ41に表示させる。術者は、検査・点灯スイッチ13を長押し操作でオンする。
【0028】
検査・点灯スイッチ13が長押し操作でオンされると、光源側CPU36は、光源ドライバ33へ点灯信号を出力する。点灯信号が入力されると、光源ドライバ33は、先ず光源31にトリガ電圧を印加して放電を開始させた後、トリガ電圧よりも低い定常電圧を光源31に印加する。点灯が完了した光源31から発せられた照明光は、ライトガイド27、照射レンズ26、照明窓21を介して被検体内へ照明される。
【0029】
点灯信号が出力されてから、光源側CPU36は、遅延回路として機能し、点灯信号の入力から一定時間経過後にプロセッサ側CPU40へ電力供給指示信号を出力する。プロセッサ側CPU40は、電力供給指示信号が入力されたことに応答して、撮像部用電源回路39を制御してCCD23及びタイミング/ドライバ回路37への電力供給を開始させる。CCD23及びタイミング/ドライバ回路37への電力供給が開始されると、駆動電力及び駆動パルスがCCD23へ供給されて、撮像が開始される。これにより、光源31からの照明光で被検体が照明され、CCD23で撮像された被検体内の画像をモニタ41で観察可能となる。
【0030】
CCD23への電力供給と、光源31の点灯がオンとなり、検査を行っている際に、被検体の状況などを考慮して一時的に観察を中止することがある。このとき、術者は、検査・点灯スイッチ13を短押し操作でオフする。CCD23への電力供給、及び光源31の点灯がオンされているとき、検査・点灯スイッチ13が短押し操作でオフされると、光源側CPU36は、光源ドライバ33への消灯信号のみを出力する。消灯信号が入力された光源ドライバ33は、光源31への電圧の印加を停止して光源31を消灯させる。これにより光源31からの照明が停止するため、観察を一時中止することができる。そして、一時中止後再度観察を再開するときは、術者は、検査・点灯スイッチ13を短押し操作でオンする。
【0031】
検査・点灯スイッチ13が短押し操作でオンされると、光源側CPU36は、光源ドライバ33への点灯信号のみを出力する。点灯信号が入力された光源ドライバ33は、光源31にトリガ電圧を印加して放電開始させ、続いて定常電圧を印加して光源31を再度点灯させる。そして、検査が終了すると、術者は検査・点灯スイッチ13を長押し操作してオフする。
【0032】
検査・点灯スイッチ13が長押し操作でオフされると、光源側CPU36は、光源ドライバ33への消灯信号と、プロセッサ側CPU40への電力供給停止信号を同時に出力する。電力供給停止信号が入力されたプロセッサ側CPU40は、撮像部用電源回路39へ電力供給停止信号を入力してCCD23及びタイミング/ドライバ回路37への電力供給を停止させる。また、消灯信号が入力された光源ドライバ33は、光源31への電圧の印加を停止して光源31を消灯させる。なお、検査・点灯スイッチ13が長押し操作でオフされたときに、検査・点灯スイッチ13の短押し操作により既に光源31が消灯しているときは、光源側プロセッサ36は、光源ドライバ33へ消灯信号を出力しなくてもよい。そして、CCD23及びタイミング/ドライバ回路37への電力供給を停止させた後、プロセッサ側CPU40は、検査終了を示すメッセージをモニタ41に表示させる。
【0033】
このように、検査・点灯スイッチ13の一度の操作で、電子内視鏡10への電力供給、及び光源31の点灯をともにオン/オフさせることができる。さらに従来の内視鏡システムに比べて、スイッチの数やロックレバーなどを減らすことができるため、ローコスト化を図ることができる。また、光源31の点灯開始後、一定時間後に電子内視鏡10への電力供給を開始させているので、光源点灯時の放電による高周波のノイズが、内視鏡の撮像素子に影響を与えることが無い。
【0034】
上記実施形態では、検査中に検査・点灯スイッチ13の短押し操作で光源31の点灯をオン/オフする例を示したが、製品出荷時の性能試験等においても光源31のみをオン/オフすることがあるため、検査・点灯スイッチ13の短押し操作で光源31の点灯をオン/オフすることは、検査中に限らず、有用である。
【0035】
なお、上記実施形態においては、撮像部用電源回路39から電子内視鏡10への電力供給は、CCD23のみを例示しているが、これに限らず、電力供給が指示されたとき、撮像部用電源回路39から電子内視鏡10の各部へ電力供給するようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施形態においては、光源側CPU36とプロセッサ側CPU40とを別々に設けているが、これらを1つのCPUで構成してもよい。この場合、光源部28及びプロセッサ部29を1つのCPUで制御し、検査・点灯スイッチの操作がこのCPUに入力され、さらにこのCPUから光源ドライバへ点灯信号及び消灯信号が、撮像部用電源回路39へ電力供給指示信号及び電力供給停止信号がそれぞれ入力される。
【0037】
さらにまた、上記実施形態においては、プロセッサ装置及び光源装置を一体型にした構成を例に上げているが、本発明はこれに限らず、プロセッサ装置と光源装置とを別体にした構成としてもよい。なお、この場合、電子内視鏡10への電力供給、及び光源31の点灯をともにオン/オフする検査・点灯スイッチ(操作部材)13をプロセッサ装置及び光源装置の少なくとも一方に設ければよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】電子内視鏡システムの構成を示す図である。
【図2】電子内視鏡及びプロセッサ装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】電子内視鏡への電力供給及び光源の点灯をオン/オフするタイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】電子内視鏡システムによる被検体検査の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
2 電子内視鏡システム
10 電子内視鏡
11 プロセッサ装置
13 検査・点灯スイッチ(操作部材)
23 CCD(撮像素子)
27 ライトガイド
30 主電源回路
31 光源
33 光源ドライバ
36 光源側CPU
36a タイマー
39 撮像部用電源回路
40 プロセッサ側CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を撮像する撮像素子及び前記被検体内を照明する照明光を導光するライトガイドを有する内視鏡と、前記ライトガイドを介して被検体を照明する照明光を発する光源を備えた光源装置と、前記内視鏡へ電力供給するプロセッサ装置とからなる内視鏡システムにおいて、
前記光源装置及び前記プロセッサ装置の少なくとも一方は、前記内視鏡への電力供給、及び前記光源の点灯をともにオン/オフする操作部材を有することを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
前記操作部材をオンしたとき、前記光源を点灯してから、一定時間経過後に、前記内視鏡への電力供給を開始させる遅延回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記一定時間は、50ms以上、2s以下であることを特徴とする請求項2記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記操作部材をオフしたとき、前記光源の点灯、及び前記内視鏡への電力供給を同時にオフすることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記操作部材は、第1の操作がされたときに、前記内視鏡への電力供給、及び前記光源の点灯のオン/オフを切り替え、前記内視鏡への電力供給、及び前記光源の点灯がオンされた状態で、前記第1の操作とは異なる第2の操作がされたときに、前記光源の点灯のみをオン/オフすることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記第1の操作は、前記操作部材を所定時間以上押圧操作する長押し操作、前記第2の操作は、前記操作部材を所定時間未満押圧操作する短押し操作であることを特徴とする請求項5記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記プロセッサ装置及び前記光源装置は一体型であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の内視鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−247826(P2009−247826A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103227(P2008−103227)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】