説明

内視鏡フィルムカセット

【課題】 簡単な構造でフィルムの種類を識別することができ、組立作業性、製造コスト面で有利な内視鏡フィルムカセットを提供する。
【解決手段】 カセット本体21のブリッジ部22の底面に、矩形の凹部に形成されたチップ抵抗保持部23を設ける。このチップ抵抗保持部23に、該チップ抵抗保持部23と略同形の矩形の板状に形成され、左右両端に電極26,26を備えたチップ抵抗25を接着固定する。ここで、電極26,26を、カメラの接点ピンと電気的に接続される接点として兼用する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、内視鏡カメラに装着されて写真撮影に使用される内視鏡フィルムカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡観察像の撮影に用いる内視鏡カメラには、カートリッジ方式の内視鏡フィルムカセットが使用されている。
【0003】ところで、近年、内視鏡撮影装置が専門的に発達し、内視鏡挿入部先端部に固体撮像素子を配置して高画質を実現する電子内視鏡や、安価で小型なタングステンタイプの光源を用いた光源装置など装置の改良が図られ、内視鏡写真撮影においても装置の特性を生かした最高の画質のものが要求されている。
【0004】このため、撮影時においては、上記内視鏡撮影装置の特性に応じて、用いるフィルムの粒子の粗さ、感度、色温度タイプ等を使い分ける必要がある。
【0005】また、撮影者の用途に応じて、上記フィルムの枚数や、そのフィルムがリバーサルフィルムであるかネガフィルムであるか等も変える必要がある。
【0006】従って、内視鏡カメラに使用されるフィルムは、該フイルムの粒子の粗さ、感度、色温度タイプ、枚数、そのフィルムがリバーサルフィルムであるかネガフィルムであるか、等の組み合わせによって様々な種類のものがあることになる。
【0007】そして、フィルムの種類が増加すると、該フィルムの種類誤認防止のため、カメラ側でフィルムカセットに設けられている情報を自動的に識別し、撮影条件を自動で切り換えることが要求される。
【0008】この自動識別が可能な内視鏡フィルムカセットの従来例を図17を参照して説明する。このフィルムカセットは、内部にフィルムが巻装されたフィルム供給部3と、撮影後のフィルムが巻き取られるフィルム巻上部4と、このフィルム巻上部4と上記フィルム供給部3とを連結する板状のブリッジ部5と、が一体に構成されたカセット本体1の上記ブリッジ部5の底面に、各種のフィルム情報が設定されたROMや発振器等の電気素子6を備えた基盤8が設けられている。
【0009】上記基盤8には、3つの接点9,10,11が設けられており、これらの接点は、図示しないカメラ本体に設けられた電源、CPU、及び、GNDにそれぞれ接続される。そして、上記CPUは、上記ROMからの信号を読み込み、カメラを制御する。
【0010】しかし、このようなフィルムカセットは、ROMや発振器等を必要するため、高価なものとなってしまう。
【0011】これに対処し、本出願人は、特許番号第2647296号公報に、ROMや発振器に代えて、フィルムの種類に応じて特有の抵抗値が設定された固定抵抗を搭載した基盤をカセット本体のブリッジ部の底面に設けた内視鏡フィルムカセットを開示している。この技術によれば、カメラ本体のCPUは、固定抵抗の抵抗値の違いを読みとってフィルムの種類を識別し、カメラを制御する。
【0012】このフィルムカセットによれば、ROMや発振器を必要としないため、コストの低減を図ることができ、また、GNDを必要としないため、基盤に設ける接点も2つですむ。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特許番号第2647296号公報に示されているフィルムカセットにおいても、固定抵抗をカセット本体に取り付けるための基盤を必要としている。この基盤は、固定抵抗をはんだ付けするパターンや、カメラにフィルム情報を出力するためのパターン等が必要となるため、このフィルムカセットにおいても、依然、コストの低減を充分に図れたものとは言い難い。
【0014】また、上記フィルムカセットは、組立時において、固定抵抗の基盤へのはんだ付け、基盤のフィルムカセットへの固定等の工程が必要であり、組立工数の点でも、依然、コストアップとならざるを得ない。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造でフィルムの種類を識別することができ、組立作業性、製造コスト面で有利な内視鏡フィルムカセットを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明による内視鏡フィルムカセットは、カメラに装着自在で、かつ内部にフィルムを収納してなるカセット本体と、このカセット本体に設けられ複数のフィルム情報を設定してなる固定抵抗と、この固定抵抗で設定されたフィルム情報を前記カメラ側に出力するための接点と、を具備した内視鏡用フィルムカセットにおいて、前記固定抵抗はチップ抵抗であり、前記接点は前記チップ抵抗の電極であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図4は本発明の実施の一形態に係わり、図1は内視鏡フィルムカセットの底面図、図2は上記内視鏡フィルムカセットの一部断面図を含む背面図、図3は上記内視鏡フィルムカセットがカメラに収納された状態を示す図、図4は上記カメラのフィルム識別情報出力用の接点構造を示す図、である。
【0018】図1及び図2は例えば内視鏡カメラのフィルムカセットを示し、このフィルムカセットのカセット本体21は、内部にフィルム27が巻装されたフィルム供給部3と、撮影後のフィルム27が巻き取られるフィルム巻上部4と、このフィルム巻上部4と上記フィルム供給部3とを連結する板状のブリッジ部22とを備え、これらが一体に構成されている。
【0019】上記ブリッジ部22の底面には、該ブリッジ部22の略中央位置に、矩形の凹部に形成されたチップ抵抗保持部23が設けられている。また、このチップ抵抗保持部23の左右辺には、円弧状の凹部に形成された逃げ部24,24が上記チップ抵抗保持部23と一体に設けられている。
【0020】上記チップ抵抗保持部23には、該チップ抵抗保持部23と略同形の矩形の板状に形成され、左右両端に電極26,26を備えたチップ抵抗25が接着固定されている。
【0021】このチップ抵抗25は、図2に示すように、電極26,26を有する面が上記ブリッジ部22の底面と略同一面となり、かつ上記電極26,26が外部に露呈されるよう、上記チップ抵抗保持部23に固定されている。このとき、上記逃げ部24,24は、それぞれ、上記電極26,26の近傍に位置する。
【0022】ここで、上記カセット本体21のブリッジ部22には、フィルム供給部3内部に巻装されるフィルム27の種類に応じて予め設定された抵抗値のチップ抵抗が接着固定されるようになっている。すなわち、上記カセット本体21に設けられるチップ抵抗25の抵抗値は、このカセット本体21に巻装されたフィルム27の粒子の粗さ、感度、色温度タイプ、枚数、及び、そのフィルムがリバーサルフィルムであるかネガフィルムであるか、等からなるフィルムの種類に対応して予め設定されている。
【0023】図3に示すように、フィルムカセットが適用される内視鏡カメラ40は、上記フィルムカセットを収容可能な筐体41と、この筐体41に取り付けられた結像レンズ42と、上記筐体41を開閉自在な蓋体43と、この蓋体43に設けられフィルムカセット装填時にフィルム27を押圧して固定するフィルム圧板装置44と、を有している。
【0024】さらに、上記カメラ40は、フィルムカセット装填時に、上記チップ抵抗25の電極26,26にそれぞれ電気的に接続自在な接点ピン45,45を有している(図4参照)。
【0025】上記接点ピン45,45は、上記筐体41の底面に設けられたケース47に保持され、該接点ピン45,45の先端部は、上記ケース47から突出されて筐体41内部の電極26,26位置にそれぞれ臨まされている。また、上記接点ピン45,45には、上記ケース47内部で、コイルスプリング46,46がそれぞれ巻装され、このコイルスプリング46,46によって上記接点ピン45,45が上記筐体41内部側に付勢されている。
【0026】また、上記接点ピン45,45の基端側は、カメラ40の制御部(図示せず)に接続されている。
【0027】フィルムカセットがカメラ40に装填されると、図4に示すように、チップ抵抗25の電極26,26は、直接、カメラ40の接点ピン45,45にそれぞれ電気的に接続される。
【0028】上記カメラ40の制御部は、上記接点ピン45,45を介して上記チップ抵抗25の抵抗値をフィルム識別情報として読み込み、フィルムの種類を識別することにより、カメラ40をフィルム27の種類に応じて制御する。
【0029】ここで、上記チップ抵抗25の電極26,26を有する面が、ブリッジ部22の底面に対して多少の高低差を持って取り付けられた場合でも、逃げ部24,24によって上記接点ピン45,45の動きが規制され、該接点ピン45,45がブリッジ部22の底面に接触されることなく確実に上記電極26,26に接触される。
【0030】このように、この実施の形態による内視鏡用フィルムカセットは、フィルム供給部3に巻装されたフィルムの種類に応じて予め設定された固有の抵抗値のチップ抵抗25をブリッジ部22に設け、このチップ抵抗25の抵抗値をフィルム識別情報としてカメラ40に出力するので、簡単な構成で確実にカメラ40にフィルムの種類を識別させることができる。
【0031】この際、上記チップ抵抗25は、電気基盤等を介さずに直接ブリッジ部22に接着固定されるので、部品点数、組立工数を削減し、コストの低減を図ることができる。
【0032】また、上記チップ抵抗25の電極26,26を接点ピン45,45との接点として兼用し、上記電極26,26に直接接点ピン45,45が接触可能な構成としたので、フィルムカセットのさらなる簡素化を図ることができる。
【0033】また、電極26,26の近辺に逃げ部24,24を設けることにより、ブリッジ部22の底面とチップ抵抗25の取付位置とに多少の誤差がある場合でも接点ピン45,45を電極26,26に確実に接触させることができる。従って、上記チップ抵抗25の取付にあまり精度を必要とせず、さらに、組立性を向上させることができる。
【0034】次に、図5乃至図7は本発明の第2の実施の形態に係り、図5は内視鏡フィルムカセットの底面図、図6はチップ抵抗保持部を示す説明図、図7はチップ抵抗を保持した状態を示す説明図、である。なお、本実施の形態はチップ抵抗保持部の構成が上述の第1の実施の形態と異なる。その他、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0035】図示のように、ブリッジ部22の底面にはチップ抵抗保持部28が設けられ、このチップ抵抗保持部28は、チップ抵抗25と略同形に形成され該チップ抵抗25を保持可能な矩形の保持穴29と、この保持穴29の長手側の側辺に沿って形成された細長の穴部30,30とを有している。
【0036】上記保持穴29と穴部30,30との間は弾性ブリッジ31,31として形成され、この弾性ブリッジ31,31には、上記保持穴29側に内向した凸部32,32が設けられている。
【0037】図7に示すように、上記保持穴29には、チップ抵抗25が嵌合されている。このチップ抵抗25の保持穴29への嵌合によって凸部32,32は外方に押圧され、これに伴い弾性ブリッジ31,31が穴部30,30側に弾性変形される。
【0038】そして、上記チップ抵抗25は、この弾性変形された弾性ブリッジ31,31の復元力により押圧されて上記保持穴29に固定される。
【0039】ここで、上記弾性ブリッジ31,31が押し広げられた際の歪みは、穴部30,30によって吸収される。
【0040】このように、本実施の形態による内視鏡用フィルムカセットは、弾性ブリッジ31,31の復元力によってチップ抵抗25を保持するので、カセット本体21にチップ抵抗25を接着する工程を必要とせず、上述の第1の実施の形態よりもさらに組立工程の簡素化を図ることができる。
【0041】なお、上述の第1の実施の形態と同様、保持穴29に逃げ部を設けても良いことは勿論である。
【0042】次に、図8乃至図10は本発明の第3の実施の形態に係り、図8は内視鏡フィルムカセットの底面図、図9はチップ抵抗保持部を示す説明図、図10はチップ抵抗を保持した状態を示す説明図、である。なお、本実施の形態はチップ抵抗保持部の構成が上述の第1の実施の形態と異なる。その他、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0043】図示のように、ブリッジ部22の底面には、チップ抵抗25と略同形の矩形の凹部に形成されたチップ抵抗保持部33が設けられている。
【0044】また、上記ブリッジ部22の底面には、上記チップ抵抗保持部33の長手側の側辺に近接してピン34,34が設けられている。ここで、このピン34,34は、上記ブリッジ部22と一体に形成されている。
【0045】図10に示すように、上記チップ抵抗保持部33には、チップ抵抗25が嵌合されている。こチップ抵抗保持部33に嵌合されたチップ抵抗25は、熱変形されたピン34,34によって固定されている。すなわち、フィルムカセットの組立時に、上記ピン34,34は、加熱されながら押圧され、熱変形されることによって、上記チップ抵抗25を両側から押さえつけて固定する。
【0046】このように、本実施の形態によれば、ピン34,34をブリッジ部22と一体に形成し、このピン34,34を熱変形させることによってチップ抵抗25を固定するので、上記チップ抵抗25を固定するための部品点数、組立工数を削減し、コストの低減を図ることができる。
【0047】なお、上記チップ抵抗25を固定するためのピン34の数は、2本に限定されるものではなく、3本以上設けてもよい。
【0048】また、上述の第1の実施の形態と同様、チップ抵抗保持部33に逃げ部を設けても良いことは勿論である。
【0049】次に、図11乃至図14は本発明の第4の実施の形態に係り、図11は内視鏡フィルムカセットの底面図、図12は上記内視鏡フィルムカセットの一部断面図を含む背面図、図13は上記内視鏡フィルムカセットがカメラに収納された状態を示す図、図14は上記カメラのフィルム識別情報出力用の接点構造を示す図、である。なお、この実施の形態は、チップ抵抗に代えてリード線付の固定抵抗を用いた点が、上述した第1乃至第3の実施の形態と異なる。その他、同様の構成については、同符号を付して説明を省略する。
【0050】図示のように、ブリッジ部22の底面には、矩形の凹部に形成された固定抵抗保持部50が設けられている。また、この固定抵抗保持部50の左右側には、凹条のリード線受部51,51が、上記固定抵抗保持部50に対して所定の段差を有して一体に設けられている。
【0051】ここで、上記リード線受部51,51の深さは、後述するリード線53の線径と略同径に形成されている。また、上記リード線受部51,51は、図13に示すように、内視鏡カメラ40に設けられたピン45,45の取付位置にそれぞれ対応する位置に設けられている。
【0052】上記固定抵抗保持部50には、両端にリード線53,53を備えたリード線付固定抵抗52が収納され、接着固定されている。
【0053】また、上記リード線53,53は、下方に屈曲された後外向して屈曲され、上記リード線受部51,51に収納保持されている。
【0054】フィルムカセットがカメラ40に装填されると、図13,図14に示すように、リード線付固定抵抗52のリード線53,53は、カメラ40の接点ピン45,45にそれぞれ電気的に接続される。
【0055】上記カメラ40の制御部は、上記接点ピン45,45を介して上記リード線付固定抵抗52の抵抗値をフィルム識別情報として読み込み、フィルムの種類を識別することにより、カメラ40をフィルムの種類に応じて制御する。
【0056】この実施の形態においても、上述の第1の実施の形態と略同様に、リード線付固定抵抗52は、電気基盤等を介さずに直接ブリッジ部22に接着固定されるので、部品点数、組立工数を削減し、コストの低減を図ることができる。
【0057】また、上記リード線付固定抵抗52のリード線53,53を、直接、接点ピン45,45との接点として兼用したので、フィルムカセットのさらなる簡素化を図ることができる。
【0058】次に、図15,図16は本発明の第5の実施の形態に係り、図15は内視鏡フィルムカセットの底面図、図16は上記内視鏡フィルムカセットの一部断面図を含む背面図、である。なお、この実施の形態は、固定抵抗保持部の構成が上述の第4の実施の形態と異なる。その他、同様の構成については、同符号を付して説明を省略する。
【0059】図示のように、ブリッジ部22の上面には、矩形の凹部に形成された固定抵抗保持部57が設けられている。また、この固定抵抗保持部57の左右端には、上記ブリッジ部22の上面側と底面側とを連通するリード線孔58,58が穿設されている。さらに、上記ブリッジ部22の底面には、上記固定抵抗保持部57と重畳する位置に、リード線受部60,60が設けられ、これらリード線受部60,60は上記リード線孔58,58と連設されている。
【0060】ここで、上記リード線受部60,60の深さは、リード線53の線径と略同径に形成されている。
【0061】上記固定抵抗保持部57には、リード線付固定抵抗52が収納され、このリード線付固定抵抗52のリード線53,53は、下方に屈曲され上記リード線孔58,58に挿通された後内向して屈曲されて上記リード線受部60,60に収納保持されている。
【0062】このように、上記リード線付固定抵抗52は、リード線53,53をブリッジ部22の上面側からリード線孔58,58に挿通しさらに内方に屈曲させることにより、上記固定抵抗保持部57に固定保持される。
【0063】従って、本実施の形態によるフィルムカセットは、カセット本体21にリード線付固定抵抗52を接着する工程を必要とせず、上述の第4の実施の形態よりもさらに組立工程の簡素化を図ることができる。
【0064】[付記]以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0065】(1)カメラに着脱自在で、かつ内部にフィルム情報を収納してなるカセット本体と、このカセット本体に設けられフィルム情報を設定してなる固定抵抗と、この固定抵抗で設定されたフィルム情報を前記カメラ側に出力するための接点とを具備した内視鏡フィルムカセットにおいて、前記固定抵抗はチップ抵抗であり、前記接点は前記チップ抵抗の電極であることを特徴とする内視鏡フィルムカセット。
【0066】(2)付記1項において、前記チップ抵抗は、前記カセット本体のブリッジ部底面に設けられた凹状のチップ抵抗保持部に、直接、接着固定されていることを特徴とする内視鏡フィルムカセット。
【0067】(4)付記1項において、前記カセット本体のブリッジ部底面に、前記チップ抵抗と略同形の保持穴と、前記保持穴に内向した凸部と、を設け、前記保持穴の少なくとも前記凸部が設けられた部位の近傍を弾性変形可能に形成し、前記チップ抵抗は、前記保持穴を弾性変形させて該チップ抵抗を嵌合した際の復元力によって前記凸部に押圧保持されていることを特徴とする内視鏡フィルムカセット。
【0068】(5)付記1項において、前記カセット本体のブリッジ部底面に、凹状のチップ抵抗保持部と、このチップ抵抗保持部に近接した複数のピンと、を設け、前記チップ抵抗は、該チップ抵抗を前記チップ抵抗保持部に収容した後、熱変形させた前記ピンで前記チップ抵抗を押さえつけることによって保持されていることを特徴とする内視鏡フィルムカセット。
【0069】(6)付記1項乃至付記5項において、前記カセット本体のブリッジ部底面であって、前記電極の回りに、カメラ側接点と前記ブリッジ部底面との接触を防止する逃げ部を設けたことを特徴とする内視鏡フィルムカセット。
【0070】(7)カメラに着脱自在で、かつ内部にフィルム情報を収納してなるカセット本体と、このカセット本体に設けられ複数のフィルム情報を設定してなる固定抵抗と、この固定抵抗で設定されたフィルム情報を前記カメラ側に出力するための接点とを具備した内視鏡フィルムカセットにおいて、前記固定抵抗はリード線付固定抵抗であり、前記接点は前記リード線付固定抵抗のリード線であることを特徴とする内視鏡フィルムカセット。
【0071】(8)付記7項において、前記リード線付固定抵抗は、前記カセット本体のブリッジ部底面に設けられた凹状の固定抵抗保持部に、直接、接着固定されていることを特徴とする内視鏡フィルムカセット。
【0072】(9)付記7項において、前記カセット本体のブリッジ部上面に、凹状の固定抵抗保持部と、この固定抵抗保持部に穿設され前記ブリッジ部の上面側と底面側とを連通するリード線孔と、を設け、前記リード線付固定抵抗は、該リード線付固定抵抗を前記固定抵抗保持部に収容した後、前記リード線を前記リード線孔に挿通し前記ブリッジ部の底面側で折り曲げることにより保持されていることを特徴とする内視鏡フィルムカセット。
【0073】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、簡単な構造でフィルムの種類を識別することができ、組立作業性、製造コスト面で有利な内視鏡フィルムカセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図4は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は内視鏡フィルムカセットの底面図、
【図2】内視鏡フィルムカセットの一部断面図を含む背面図、
【図3】内視鏡フィルムカセットがカメラに収納された状態を示す図、
【図4】カメラのフィルム識別情報出力用の接点構造を示す図、
【図5】図5乃至図7は本発明の第2の実施の形態に係り、図5は内視鏡フィルムカセットの底面図、
【図6】チップ抵抗保持部を示す説明図、
【図7】チップ抵抗を保持した状態を示す説明図、
【図8】図8乃至図10は本発明の第3の実施の形態に係り、図8は内視鏡フィルムカセットの底面図、
【図9】チップ抵抗保持部を示す説明図、
【図10】チップ抵抗を保持した状態を示す説明図、
【図11】図11乃至図14は本発明の第4の実施の形態に係り、図11は内視鏡フィルムカセットの底面図、
【図12】内視鏡フィルムカセットの一部断面図を含む背面図、
【図13】内視鏡フィルムカセットがカメラに収納された状態を示す図、
【図14】カメラのフィルム識別情報出力用の接点構造を示す図、
【図15】図15,図16は本発明の第5の実施の形態に係り、図15は内視鏡フィルムカセットの底面図、
【図16】内視鏡フィルムカセットの一部断面図を含む背面図、
【図17】従来の内視鏡フィルムカセットの底面図、
【符号の説明】
21 … カセット本体
25 … チップ抵抗
26 … 電極
27 … フィルム
40 … カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 カメラに装着自在で、かつ内部にフィルムを収納してなるカセット本体と、このカセット本体に設けられフィルム情報を設定してなる固定抵抗と、この固定抵抗で設定されたフィルム情報を前記カメラ側に出力するための接点と、を具備した内視鏡用フィルムカセットにおいて、前記固定抵抗はチップ抵抗であり、前記接点は前記チップ抵抗の電極であることを特徴とする内視鏡フィルムカセット。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2000−19687(P2000−19687A)
【公開日】平成12年1月21日(2000.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−180996
【出願日】平成10年6月26日(1998.6.26)
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】