内視鏡用洗滌消毒システム
【課題】
内視鏡に設けられている各管路等の接続口に対する接続を容易にし、且つ、内視鏡本体のバッテリユニットに対して充電を行うことができ、内視鏡の各種機能チェックの精度が向上する内視鏡用洗滌消毒システムの提供。
【解決手段】
電力供給のためのバッテリ電源手段と、該バッテリ手段と接続される電気的に非接触状態にて電力を伝送する内視鏡側電力伝送手段と、を備える内視鏡本体と、前記内視鏡本体の洗滌及び消毒を行う内視鏡洗滌消毒装置と、を具備し、前記内視鏡洗滌消毒装置は、電気的に非接触状態にて電力を伝送する装置側電力伝送手段を有し、前記装置側電力伝送手段が前記内視鏡側電力伝送手段に非接触にて電力を伝送することにより前記バッテリ電源手段に電力が供給充電可能である内視鏡洗滌消毒システム。
内視鏡に設けられている各管路等の接続口に対する接続を容易にし、且つ、内視鏡本体のバッテリユニットに対して充電を行うことができ、内視鏡の各種機能チェックの精度が向上する内視鏡用洗滌消毒システムの提供。
【解決手段】
電力供給のためのバッテリ電源手段と、該バッテリ手段と接続される電気的に非接触状態にて電力を伝送する内視鏡側電力伝送手段と、を備える内視鏡本体と、前記内視鏡本体の洗滌及び消毒を行う内視鏡洗滌消毒装置と、を具備し、前記内視鏡洗滌消毒装置は、電気的に非接触状態にて電力を伝送する装置側電力伝送手段を有し、前記装置側電力伝送手段が前記内視鏡側電力伝送手段に非接触にて電力を伝送することにより前記バッテリ電源手段に電力が供給充電可能である内視鏡洗滌消毒システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みの内視鏡、特にバッテリユニットを備える内視鏡を自動的に洗滌消毒及びバッテリ充電する内視鏡用洗滌消毒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
体腔内の検査や治療の目的に使用される内視鏡は、体腔内に挿入する挿入部の外表面だけでなく、送気送水管路、吸引管路、或いは鉗子管路等の各内視鏡管路内にも汚物が付着する。そのため、使用済みの内視鏡は、必ず洗滌、消毒する必要がある。
【0003】
一般に、洗滌消毒装置を用いて内視鏡の洗滌処理、及び消毒処理を行う場合、例えば特許文献1(特開2002−263066号公報)に開示されているように、先ず、洗滌消毒槽内に使用済みの内視鏡を載置すると共に、洗滌消毒装置側と内視鏡に開口する管路接続口とを洗滌チューブを介して接続する。
次いで、処理開始スイッチをONする。すると、最初に洗滌工程が開始され、次いで消毒工程が開始される。
【0004】
洗滌工程では、先ず、洗滌消毒槽内に洗滌水が供給される。そして、この洗滌水が所定水位に達した後、洗滌が開始される。洗滌水は循環しており、その水流にて内視鏡の外表面が洗滌される。また、各内視鏡管路内は、洗滌消毒層内の洗滌液を循環ポンプで吸引し、循環ポンプからの吐出される水圧で洗滌が行われる。
【0005】
そして、洗滌工程が終了すると、消毒工程へ移行する前に、水道水により洗滌水を所定に洗い流した後、消毒工程へ移行する。消毒工程では、上述した洗滌工程において流した洗滌水に代えて、所定の濃度に薄めた消毒液を洗滌消毒槽に流すと共に、循環ポンプにより、洗滌消毒槽内の消毒液を吸引し、そこから吐出される水圧により内視鏡管内に消毒液を供給して消毒する。そして、消毒工程が所定に終了した後、水道水により消毒液を所定に洗い流した後、内視鏡をアルコールフラッシュなどして所定に乾燥させて、一連の工程が終了する。
【特許文献1】特開2002−263066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、内視鏡の洗滌、消毒は、内視鏡外表面のみならず、内視鏡管路内も行わなければならないため、内視鏡を洗滌消毒槽にセットするに際しては、内視鏡内の全ての管路全てに対して洗滌チューブを接続する必要がある。この洗滌チューブの接続は、内視鏡側に開口する各管路接続口に洗滌チューブの一方を各々接続され、この洗滌チューブの他方を、各管路接続口に対応して設けられている、洗滌消毒装置側の洗滌チューブコネクタに接続されなければならない。内視鏡が有する管路数が多い場合、洗滌チューブの接続に手間がかかり、洗滌消毒に要する時間が長くなる。そのため、内視鏡の稼働率が低くなる問題がある。更に、洗滌消毒を開始する前に、内視鏡外表面の漏水チェックを行う場合は、洗滌用チューブ以外に漏水検知用チューブの接続も必要となり、チューブの接続数が益々増加してしまう。洗滌チューブの接続作業は人手によるものであるため、接続するチューブ数が増加すれば、その分、接続忘れをなくすために接続作業が慎重になり、更には正確に接続されているか否かを点検する時間も必要となる。
【0007】
また、バッテリユニットを備える内視鏡本体においては、内視鏡検査中に内視鏡本体に内蔵される各種機器に十分な電力が供給されるように十分なバッテリユニットの充電が行われていなければならない。このバッテリユニットへの充電作業は、別体の充電器などに内視鏡本体を接続などして行わなければならない。充電器に内視鏡本体を接続する作業が必要とされ、且つ、充電時間も必要とされるため、内視鏡の稼働率が低くなる問題もある。
【0008】
更に、ユーザは、内視鏡の各種管路の詰り検出、内視鏡内部の漏水検出などの機能チェック、バッテリ充電量のチェックなどを手動によって行わなければならない。すなわち、内視鏡の各種機能チェックの精度は、ユーザに委ねられ、その精度は均一とされない問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、内視鏡に設けられている各管路等の接続口に対する接続を容易にし、且つ、内視鏡本体のバッテリユニットに対して充電を行うことができ、内視鏡の各種機能チェックの精度が向上する内視鏡用洗滌消毒システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明による内視鏡洗滌消毒システムは、電力供給のためのバッテリ電源手段と、該バッテリ手段と接続される電気的に非接触状態にて電力を伝送する内視鏡側電力伝送手段と、を備える内視鏡本体と、前記内視鏡本体の洗滌及び消毒を行う内視鏡洗滌消毒装置と、を具備し、前記内視鏡洗滌消毒装置は、電気的に非接触状態にて電力を伝送する装置側電力伝送手段を有し、前記装置側電力伝送手段が前記内視鏡側電力伝送手段に非接触にて電力を伝送することにより前記バッテリ電源手段に電力が供給充電可能であることを特徴とする内視鏡洗滌消毒システム。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、内視鏡に設けられている各管路等の接続口に対する接続を容易にし、且つ、内視鏡本体のバッテリユニットに対して充電を行うことができ、内視鏡の各種機能チェックの精度が向上する内視鏡用洗滌消毒システムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、内視鏡洗滌消毒システムの主に内視鏡洗滌消毒装置の構成を説明するための図である。図2は、内視鏡洗滌消毒装置の洗滌槽に内視鏡がセットされている図である。図3は、図3のI−I線に沿った洗滌槽の断面図である。図4は、図3のII−II線に沿った洗滌槽の断面図である。図5は、洗滌槽及びセットされた内視鏡の各コネクタ部を説明するための拡大図である。図6は、内視鏡の構成を説明するための図である。図7は、内視鏡の挿入部先端部分の拡大図である。図8は、装置本体内の装置側制御回路の構成を示すブロック図である。図9は、バッテリユニットと非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。図10及び図11は、内視鏡洗滌消毒装置の動作フローチャート図である。図12は、内視鏡本体の各種機能チェックの動作フローチャート図である。
【0013】
図1に示すように、内視鏡洗滌消毒システムは、被洗滌消毒対象物である内視鏡100の内視鏡本体101Aと、該内視鏡本体101を洗滌消毒するための内視鏡洗滌消毒装置2からなる。
内視鏡洗滌消毒装置2は、装置本体3と、その上部を開閉する洗滌カバー5とを有している。内視鏡洗滌消毒装置2は、洗滌消毒槽(以下、洗滌槽と略記)4に内視鏡本体101がセットされる。この洗滌槽4の底面には、複数の超音波振動子6が取り付けられている。これら超音波振動子6は、内視鏡100の洗滌消毒中の液体に超音波振動を与える振動発生手段である。洗滌槽4内において、内視鏡100を配置させない中央領域部には、内視鏡100に着脱される各種ボタンなどを入れるための洗滌ケース7が設けられている。また、洗滌槽4の底面には、洗滌槽4内の液体を加熱するためのヒータ8が設けられている。
【0014】
図1に示すように、装置本体3の内部には、液体洗剤を貯留する洗剤タンク11、所定濃度に希釈された消毒液を貯留する消毒液タンク12、アルコールを貯留するアルコールタンク13、水道栓80から供給される水道水を濾過する水フィルタ14、及びエアフィルタ15が配設されている。消毒液タンク12は装置本体3内に固定されており、また、洗剤タンク11、アルコールタンク13、水フィルタ14、エアフィルタ15は、各々トレー11a,13a〜15aに載置されている。各トレー11a,13a〜15aは、装置本体3の図示しない前面扉を開放することによって、前方へ引き出し自在にされており、所定に液体を補充、または、部品を交換することができる。また、水道栓80は、洗滌槽4の底面に設けられる給水管路消毒用コネクタ6Aとも逆止弁6aを介して連通されている。
【0015】
一方、消毒液タンク12は装置本体3内に固定されているため、この消毒液タンク12に消毒液を補充する際、装置本体3の前面扉を開放し、装置内部に固設されているボトルコネクタ16に対して、消毒液が充填されている消毒液ボトル17を接続することによって行う。また、その際、希釈弁18を介して、水フィルタ14によって濾過された水道水が消毒液タンク12に供給される。この水道栓80からの水道水は、給水弁14Aの内部の弁が開かれることにより水フィルタ14に送り込まれる。従って、消毒液タンク12には所定濃度に希釈された消毒液が貯留される。尚、図1においては、各トレー11a,13a〜15aが引き出された状態が示されている。
【0016】
また、洗滌槽4の上縁側の角部に洗剤ノズル22、消毒液ノズル23、給水・循環ノズル24が配設されている。洗剤ノズル22は、洗剤タンク11に洗剤ポンプ27を介して連通されており、消毒液ノズル23は薬液ポンプ28を介して消毒液タンク12に連通されている。更に、給水・循環ノズル24は三方切替弁29を介して水フィルタ14と流液ポンプ30とに選択的に連通自在にされている。給水・循環ノズル24が三方切替弁29を介して水フィルタ14側に接続された状態において、給水・循環ノズル24から水フィルタ14によって濾過された水道水が吐出される。一方、給水・循環ノズル24が三方切替弁29を介して流液ポンプ30に接続された状態において、循環口21から取り入れた洗滌槽4に貯留されている洗滌水または消毒水が吐出されて循環される。なお、図1には図示しないが給水・循環ノズル24と三方切替弁29との間に高圧ノズル19(図2参照)が高圧ポンプを介して接続されており、この高圧ノズル19からも給水・循環ノズル24と同様の液体(水道水、洗滌水など)が高圧により噴出される。この高圧ノズル19、及び給水・循環ノズル24から吐出される液体により、図2に示す洗滌槽4の収容凹部4a内に水流が発生し、この水流によって後述する内視鏡本体101の外表面が洗滌及び濯がれる。
【0017】
また、循環口21は、四方切替弁であるCH(チャンネル)ブロック31と連通されており、この連通路には循環口21から順に、CH(チャンネル)ポンプ32と、洗滌水または消毒水をCH(チャンネル)ポンプ32側へ流れないようにするための逆止弁33とが配設されている。このCHポンプ32の駆動によって、収容凹部4aに貯留されている洗滌水または消毒水は、CHブロック31側に供給される。このCHブロック31は、エアフィルタ15ともエア逆止弁35を介して連通している。このエア逆止弁35は、エアフィルタ15側に液体(水道水、洗滌水、消毒水)が流れないようにしている。エアフィルタ15はコンプレッサ34と連通しており、コンプレッサ34からの圧縮空気がエアフィルタ15を介してCHブロック31側に吐出される。
【0018】
更に、CHブロック31は、アルコールタンク13とも連通しており、その途中にはアルコールタンク13側からアルコールポンプ13A及びアルコール弁36が設けられている。このアルコールタンク13のアルコールがアルコールポンプ13Aによってアルコール弁36を介してCHブロック31に供給される。
【0019】
上述した、CHブロック31に供給される液体(水道水、洗滌水、消毒水)は、各種工程毎にCHブロック31を介して、洗滌槽4の側壁に設けられる管路/漏検用コネクタ37にCH(チャンネル)弁38を介して送り込まれる。
また、管路/漏検用コネクタ37は、漏水検知ポンプ39とも連通されており、その途中には漏水検知ポンプ39側から締切弁40と、漏検圧を調節するリリーフ弁41が設けられている。漏水検知ポンプ39からは、内視鏡100の内部の漏水を検査するための圧縮空気が管路/漏検用コネクタ37側に吐出される。更に、漏水検知ポンプ39は、過剰圧の圧縮空気を排気するための排気弁42aと連通されている。
【0020】
洗滌槽4の収容凹部4aの底面に排水口42が配設され、この排水口には切替弁43が設けられている。この切替弁43は、消毒液タンク12と連通しており、選択的に弁を切り変えられることによって洗滌槽4の収容凹部4aに貯留された消毒液を消毒液タンク12へ戻す。また、切替弁43は、外部へ洗滌水、濯ぎ水などを排出するため、排水管44aを介して外部の排水口82と連通している。切替弁43と排水管44aの途中には、洗滌槽4の洗滌槽4の収容凹部4aに貯留された洗滌水、濯ぎ水などを吸引して外部に送り出すための排水ポンプ44が設けられている。また、洗滌槽4の排水口42は、CHブロック31とも連通し、その途中にはバイパス弁45が設けられている。
消毒液タンク12に貯溜されて所定の濃度に希釈された消毒液は、所定の消毒工程回数毎に交換される。消毒液の交換に際しては、消毒液タンク12が消毒液ドレーン口48と連通しており、消毒液が消毒液ドレーン口48から外部へ排出される。
【0021】
また、上述した、各種ポンプ、各種弁、各種機器などは、装置本体3の内部に設けられる制御回路46によって各工程毎に制御されている。この制御回路46は、電源装置47を介して外部のコンセント81から電気ケーブルを介して電力が供給されている。
【0022】
図2には、装置本体3の洗滌槽4の上面が洗滌カバー5を外した状態で示されている。洗滌槽4は、内視鏡本体101が収容される収容凹部4aが横長の楕円状に形成されており、この収容凹部4aの外周壁面、及び内周壁面に複数の高圧ノズル19が所定の間隔毎に配設されている。また、収容凹部4aの底面に排水口20が設けられている。更に、収容凹部4aの外周壁面の一側に循環口21が設けられている。また、洗滌槽4の上縁の前面側に、操作パネル25、液晶装置などを用いたモニタ26が配設されている。
【0023】
図3は、図2におけるI−I線に沿った断面図である。また、図4は、図2におけるII−II線に沿った断面図である。
図3に示すように、洗滌槽4の上縁部に設けられている洗剤ノズル22、消毒液ノズル23及び給水・循環ノズル24は、各々の開口部が収容凹部4aに望むように略U字形状をしている。また、図4に示すように、洗滌槽4の収容凹部4aの中央領域部にある収容凸部4bは、収容凹部4a内の液体(水道水、洗滌水、消毒水)の貯溜量を少なくでき、内視鏡100の載置を規制すると共に、洗滌消毒の効率を高めるため液体の収容凹部4a内の循環性を高めている。
【0024】
ここで、図6、図7を参照して、本実施の形態において採用する内視鏡100の構成について説明する。
【0025】
図6に示すように、内視鏡100は、内視鏡本体101とユニバーサルコード103とによって構成されている。この内視鏡本体101とユニバーサルコード103は、分割自在に構成されている。ユニバーサルコード103はディスポーザブルタイプであり、内視鏡検査終了毎に廃棄処分される。従って、洗滌、消毒を要する部分は内視鏡本体101のみとなる。
【0026】
内視鏡本体101は、手元側の操作部104と、この操作部104から延出する挿入部105とを備えている。また、挿入部105の手元側にはスコープコネクタ部105aが設けられており、このスコープコネクタ部105aに、ユニバーサルコード103の基端に設けられているコード側コネクタ部103aが接合される。尚、図示しないが、両コネクタ部105a,103aは、例えば、電磁石などによって接合される。すなわち、接合に際しては、スコープコネクタ部105aにコード側コネクタ部103aを所定に位置決めした状態によってセットした後、内視鏡本体101に設けた接合スイッチをONする。すると、電磁石が励磁され、両コネクタ部105a,103aが吸着固定される。なお、両コネクタ部105a,103aとの接続は、電磁石以外の機械的な接合方法でも良い。
【0027】
図7に示すように、内視鏡本体101の挿入部105には、内視鏡管路を代表する送気送水管路106、副送水管路108、吸引管路109等が、スコープコネクタ部105aから先端側へ配設されて、先端面(内視鏡先端面)に開口されている。なお、送気管路107は、送気送水管路106と挿入部105内部にて連通している。
【0028】
図6に示すように、スコープコネクタ部105aには、各管路106〜109の基端に連通する口金106a〜109aが設けられている。この各口金106a〜109aに、ユニバーサルコード103のコード側コネクタ部103aに配設されて各管路106b〜109bが接続される。この各管路106b〜109bはユニバーサルコード103内を通り、延出端側に設けられているコネクタ部103bに開口されている。尚、コード側コネクタ部103aには、吸引管路109bに分岐接続する鉗子口109Bが開口されており、この鉗子口109Bが鉗子栓109Aで閉塞自在にされている。
【0029】
ユニバーサルコード103に設けたコネクタ部103bは、図示しない内視鏡制御ユニットに接続される。内視鏡制御ユニットには、送気送水管路106(106b)に送気或いは送水するための切換バルブ、吸引管路109に負圧を供給するためのバルブ、副送水管路108(108b)に送水するためのバルブ等が設けられている。
【0030】
一方、図7に示すように、内視鏡100の先端面には、CCD等の撮像素子110、LED等の照明素子111が配設されている。この両素子110,111が、操作部104に設けた内視鏡側制御回路112(図6参照)に接続されている。内視鏡側制御回路112は電源回路を内蔵しており、照明素子111に発光用電源を供給する。更に、内視鏡側制御回路112は、撮像素子110によって撮像した画像信号を受信する受信部、及び操作信号入力部等を有している。
また、操作部104には、内視鏡側制御回路112と接続され、各種機器に駆動電力を供給するためのバッテリ電源手段であるバッテリユニット150が内蔵されている。このバッテリユニット150は、電力伝送手段である送受信コイル151を有している。このバッテリユニット150は、送受信コイル151の一面が操作部104の一側面に並設されるように操作部104に内蔵される。
操作部104の外周には、内視鏡先端部を湾曲操作するトラックボール113、送気・送水を代表とする各種操作を行うスコープスイッチ114a,114b,114c等の各操作スイッチ類が配設されており、この各操作スイッチ類からの操作信号が、内視鏡側制御回路112に設けた操作信号入力部に入力される。
【0031】
内視鏡側制御回路112は、撮像素子110で撮像した画像信号、及び各操作スイッチ類から出力される操作信号に対応する信号を、操作部104に内蔵する電気的無接点による情報伝達手段である送受信アンテナ115を介して、内視鏡制御ユニットに無線送信する。内視鏡制御ユニットでは、内視鏡側制御回路112から送信された信号に基づき、外部機器であるモニタ(図示せず)に内視鏡像を表示すると共に、各操作信号に対応して、各管路106(106b)〜108(108b)に連通するバルブを動作させて、送気・送水等の制御動作を行う。
【0032】
このように、各管路106(106b)〜108(108b)に対する送気・送水等の制御動作は、内視鏡制御ユニットに設けたバルブによって行われるため、内視鏡本体101に配設されている各管路106〜108には、バルブなどを動作させる機構が内蔵されておらず、各管路106〜108は略ストレートに配設されている。
【0033】
また、スコープコネクタ部105aには漏水検知用口金118が設けられている。この漏水検知用口金118は内視鏡本体101内に連通されており、漏水検知用口金118からエアを送り込むことによって、内視鏡本体101の外表面に孔、亀裂などが発生しているか否かを調べることができる。また、操作部104内に圧力センサ120が配設されている。内視鏡側制御回路112では圧力センサ120によって検出された内視鏡本体101の内圧に基づいて、内視鏡本体101内に漏水が発生しているか否かを調べる。
【0034】
更に、各管路106〜109に管路センサ121が配設されている。管路センサ121は、流量センサ、圧力センサ及び透明度センサの総称であり、各センサにより各管路106〜109内を流れる流体の流量、圧力及び透明度を検出する。
【0035】
また、図7に示すように、内視鏡本体101の挿入部105の先端外周には、接触センサ105Aが配設されている。この接触センサ105Aは、例えば体腔壁との挿入部105の先端側の当接圧などを検知するものである。更に、挿入部105の先端部分には、操作部104のトラックボール113の操作に合わせて挿入部105の先端部を湾曲動作させるEPAM(エレクトロアクティブポリマ)からなるアングル用部材105Bが配設されている。
図6に戻って、内視鏡本体101の挿入部105は、その可撓性を自在に可変できるようにEPAMからなる硬度可変部材105Cが配設されている。また、内視鏡本体101の電源制御手段である内視鏡側制御回路112には、図示していないが、メモリ素子を有しており、このメモリ素子には内視鏡本体101の各種情報、各種認識情報などが記録されている。
【0036】
一方、図2に示すように、内視鏡洗滌消毒装置2に設けた洗滌槽4の一側部に、内視鏡本体101に設けたスコープコネクタ部105aに接続する管路/漏検用コネクタ37が配設されている。更に、図5に示すように、内視鏡本体101に設けた送受信アンテナ115からの信号を受信、または、この送受信アンテナ115に対して送信する装置側送受信アンテナ52が洗滌槽4に設けられている。
【0037】
管路/漏検用コネクタ37は、基本的に、上述したユニバーサルコード103に設けられているコード側コネクタ部103aと同様の構成を有している。詳細には、図5に示すように、管路/漏検用コネクタ37の先端面に口金56a〜59aが配設されている。この各56a〜59aは、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aに設けられている、各管路106〜109の基端に連通する口金106a〜109aに対応した位置に配設されており、スコープコネクタ部105aを管路/漏検用コネクタ37に接続すると、スコープコネクタ部105aの口金56a〜58aが管路/漏検用コネクタ37に接合される。なお、図5に示すように、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aは、管路/漏検用コネクタ37に設けられる電磁石ユニット51の磁力によって、管路/漏検用コネクタ37に吸着して固定される。
【0038】
更に、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aの漏水検知用口金118は、管路/漏検用コネクタ37に配設される装置側漏水検知用口金53に接合される。この装置側漏水検知用口金53は、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aの漏水検知用口金118に対応する管路/漏検用コネクタ37の位置に設けられているものである。
【0039】
又、管路/漏検用コネクタ37の一側部には、電力伝送手段である送受信コイル55aを有する非接触電源送受信ユニット55が配設されている。この送受信コイル55aは、内視鏡本体101の操作部104に設けられるバッテリユニット150の送受信コイル151に対応した位置に配設されている。このとき、内視鏡本体101の送受信コイル151と管路/漏検用コネクタ37の送受信コイル55aは、内視鏡本体101と管路/漏検用コネクタ37の夫々の外装を挟むように対向している。内視鏡側制御回路112に設けた電源回路に対する電力は、バッテリユニット150により供給されるが、内視鏡洗滌消毒装置2の洗滌槽4に内視鏡本体101がセットされた際、すなわち、スコープコネクタ部105aが管路/漏検用コネクタ37と接続された状態において、送受信コイル55aが送受信コイル151に対して電磁誘導結合する。従って、電源回路に対しては内視鏡制御ユニット側から電力が非接触式によって供給される。
【0040】
次に、図8を参照し、内視鏡洗滌消毒装置2側の制御回路46の回路構成について説明する。図8は、内視鏡洗滌消毒装置2の回路構成を説明するためのブロック図である。
図8に示すように、制御回路46は、CPU基板であり、センサ制御回路61、映像処理回路及びスコープメモリR/W(RECORD/WRITING)回路63が配設されている。スコープメモリR/W回路63にはメモリ素子を有している。この制御回路46は、装置側送受信アンテナ52に各種信号を授受する電気的無接点による情報伝達手段である送受信ユニット53aが接続されている。装置側送受信アンテナ52は、洗滌槽4に配設され、内視鏡本体101の各種情報信号を内視鏡本体101の送受信アンテナ115から受信する。この各種情報信号は、送受信ユニット53aを介して制御回路46のセンサ制御回路に供給される。
【0041】
また、制御回路46は、洗滌槽4のモニタ26及び管路/漏検用コネクタ37の電磁石ユニット51に磁力を発生させるスコープ着脱制御回路54とが接続されている。モニタ26は、映像処理回路62に供給された内視鏡本体101の撮像素子110によって撮像された内視鏡画像を表示する。また、モニタ26は、内視鏡本体101の各種認識信号、例えば、管路センサ121からの管路情報などを表示することもできる。なお、内視鏡本体101からの各種認識信号である内視鏡情報は、スコープメモリR/W回路63に記録される。この各種内視鏡情報は、操作パネル25のパネル操作によってモニタ26に適宜、呼び出し可能である。なお、内視鏡本体101の各種内視鏡情報は、例えば、画像情報、センサ情報、スコープ個体情報などである。
【0042】
制御回路46は、電源装置47(図1参照)と接続されており、洗滌槽4の操作パネル25からの各種信号を受け、出力側の駆動系である各種ポンプ、各種電磁弁などへ駆動電力を供給する。更に、制御回路46には、入力側のセンサ系である各種センサ類(圧力センサ、水位センサ、位置検知センサなど)からの各種検知信号が供給され、それら各種検知信号の情報に基づいて、適宜、駆動系を制御している。なお、各種センサ類(圧力センサ、水位センサ、位置検知センサ)は、図示していないが、洗滌槽4に設けられているものである。
【0043】
また、制御回路46は、非接触電源送受信ユニット55とも接続されている。非接触電源送受信ユニット55は、制御回路46からの電力を送受信コイル55aに供給する。こうして、送受信コイル55aは、電磁誘導されるバッテリユニット150の送受信コイル151に電力を供給する。
【0044】
次に図9を参照し、内視鏡洗滌消毒装置2の非接触電源送受信ユニット55及び内視鏡本体101のバッテリユニット150について詳細に説明する。
図9に示すように、非接触電源送受信ユニット55は、AC入力56と、ノイズフィルタであるEMI(Electro Magnetic Interference)フィルタと、整流/平滑回路58と、充電制御回路59と、装置側磁石55bとが内蔵されている。充電制御回路59は、装置側マグネットスイッチ59aと送受信コイル55aに接続されている。
【0045】
また、図9に示すように、バッテリユニット150は、切替制御回路151aと充電回路151bを備えるバッテリ電源制御手段である電源回路151Aと、バッテリ側磁石150bが内蔵されている。電源回路151Aは、バッテリ側マグネットスイッチ150aと接続されている。なお、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aが洗滌槽4の管路/漏検用コネクタ37にセットされた状態において、装置側マグネットスイッチ59aとバッテリ側磁石150bが対応した位置、バッテリ側マグネットスイッチ150aと装置側磁石55bが対応した位置に夫々が配設されている。
【0046】
非接触電源送受信ユニット55の充電制御回路59は、バッテリユニット150のバッテリ側磁石150bが近接することにより磁力を受けて装置側マグネットスイッチ59aが作動する。装置側マグネットスイッチ59aからのON信号を受けた充電制御回路59は、AC入力56からの電力を送受信コイル55aに供給する。この送受信コイル55aに供給された電力は、バッテリユニット150の送受信コイル151と非接触電源送受信ユニット55の送受信コイル55aとが電磁誘導結合され、非接触式に送受信コイル151に供給される。こうして、送受信コイル151の電力は、電源回路151Aに電磁誘導により供給される。
【0047】
また、電源回路151Aの切替制御回路151aは、バッテリ側マグネットスイッチ150aが非接触電源送受信ユニット55の装置側磁石55bと近接することにより磁力を受けてバッテリ側マグネットスイッチ150aが作動する。バッテリ側マグネットスイッチ150aからのON信号を受けた切替制御回路151aは、バッテリユニット150の貯蓄電圧により充電動作にするか内視鏡本体101の内部へ給電するかを切替制御する。
【0048】
なお、モニタ26には、内視鏡像、スコープ個体情報などの他、洗滌/消毒残時間などの内視鏡本体101の洗滌及び消毒に関する情報が表示される。また、操作パネル25には、スタートスイッチ以外に、モード選択スイッチなどの各種設定スイッチ類が配設されている。
【0049】
次に、このように構成された本実施の形態の内視鏡洗滌消毒システムによる内視鏡本体101の洗滌及び消毒する動作について説明する。
内視鏡検査の終了後、ユーザは、内視鏡100の内視鏡本体101からユニバーサルコード103を取り外す。このユニバーサルコード103は所定に廃棄処分される。次に、ユーザは、内視鏡本体101を患者が寝かされていたベッドサイドにて簡易な予備洗滌を行う。そして、ユーザは、流し台にて内視鏡を本洗滌する。こうして、本洗滌された内視鏡本体101は、内視鏡洗滌消毒装置2の洗滌槽4にセットされる。
【0050】
先ず、ユーザは、内視鏡洗滌消毒装置2の洗滌カバー5を開け、装置本体の上面に設けられる洗滌槽4に内視鏡本体101をセットする。なお、洗滌消毒槽4の収容凹部4aの底面には、図示しない保持網が敷設されている。
【0051】
このとき、ユーザは、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aを洗滌槽4の壁面に設けられている管路/漏検用コネクタ37に対設させる。管路/漏検用コネクタ37は、基本的にユニバーサルコード103のコード側コネクタ部103aと同一の構成を有しており、夫々、互いに接合可能な構造となっている。
【0052】
そして、ユーザは、洗滌槽4内に内視鏡本体101を所定にセットし、内視鏡本体101を洗滌消毒する各種プログラムを操作パネルにより設定して、電源スイッチをONする。すると、装置本体3に内蔵されている制御回路46に電源が投入され、内視鏡洗滌消毒装置2は、内視鏡本体101の洗滌消毒を開始する。
【0053】
次に、図10〜図12のフローチャート図を使って、内視鏡洗滌消毒装置2の各種工程について説明する。
図10に示す、ステップS1では、スタートスイッチの入力待ち状態となり、スタートスイッチがONされたとき、ステップS2へ進む。
【0054】
ステップS2では、管路/漏検用コネクタ37に設けられる電磁石ユニット51に通電され、電磁石ユニット51が励磁される。すなわち、電磁石ユニット51に発生する磁力により、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aが管路/漏検用コネクタ37に吸着され、接続される。そして、スコープコネクタ部105aに設けられている各管路口金106a〜109aと管路/漏検用コネクタ37に設けられる各口金56a〜59aが自動的に接合される。
【0055】
従って、本実施の形態において、ユーザは、内視鏡本体101を洗滌槽4にセットする際、内視鏡本体の各管路106〜109と内視鏡洗滌消毒装置2側の洗滌消毒用管路とをチューブなどを用いて接続する必要がない。よって、チューブなどの接続に要する時間を大幅に短縮できると共に、チューブの接続ミス及び接続不良が発生せず、確実に内視鏡本体101の各管路106〜109と内視鏡洗滌消毒装置2側の各洗滌消毒用管路とを接続することができる。
【0056】
また、ステップS2において、内視鏡本体101に設けられるバッテリユニット150への充電が開始される。洗滌槽4の非接触電源送受信ユニット55から、内視鏡本体101のバッテリユニット150へ電力が非接触式によって供給される。すなわち、非接触電源送受信ユニット55の送受信コイル55aからバッテリユニット150の送受信コイル151に電磁誘導によって電力が供給される。詳しくは、非接触電源送受信ユニット55の充電制御回路59は、バッテリユニット150のバッテリ側磁石150bが近接することにより磁力を受けて装置側マグネットスイッチ59aが作動する。送受信コイル55aに供給された電力は、バッテリユニット150の送受信コイル151と非接触電源送受信ユニット55の送受信コイル55aとが電磁誘導結合され、非接触式に送受信コイル151に供給される。こうして、送受信コイル151の電力は、電源回路151Aに電磁誘導により供給される。このとき、電源回路151Aの切替制御回路151aは、バッテリ側マグネットスイッチ150aが非接触電源送受信ユニット55の装置側磁石55bと近接することにより磁力を受けてバッテリ側マグネットスイッチ150aが作動する。切替制御回路151aは、バッテリユニット150の貯蓄電圧により充電動作にするか内視鏡本体101の内部へ給電するかを切替制御している。この充電動作は、所定の貯蓄電圧値が保たれたと切替制御回路151aが判断するまで続けられる。
【0057】
従って、内視鏡本体101が洗滌消毒されている間において、内蔵されるバッテリユニット150の充電が行われるため、ユーザは、充電作業のための各種作業を行わなくて済む。そのため、バッテリユニット150の充電に要する時間が削減できる。
【0058】
次に、ステップS4に進み、バッテリユニット150の切替制御回路151aにより内視鏡本体101の所定周波数の電源が有効となる。すると、内視鏡側制御回路112と装置本体3に内蔵される制御回路46とが、内視鏡本体101の送受信アンテナ115と洗滌槽4に設けられる装置側送受信アンテナ52によって相互に無線通信可能となる。
【0059】
次いで、ステップS5へ進み、内視鏡側制御回路112のメモリ素子に記憶されている内視鏡本体101の機種番号等のスコープ個体情報、修理履歴、洗滌回数等の各種履歴情報を、送受信アンテナ115及び装置側送受信アンテナ52を介して無線通信により読込み、装置本体3に設けた制御回路46を介してスコープメモリR/W回路63に記憶する。
【0060】
その後、ステップS6へ進み、給水弁14Aを開き水道栓から給水を開始する。給水を開始するに際しては、先ず、三方切替弁29を動作させ、給水・循環ノズル24を水フィルタ14側に接続させる。すると、水フィルタ14にて濾過された水道水が、給水・循環ノズル24から洗滌消毒槽4に供給される。ステップS7では、洗滌消毒槽4の水位を、図示しない水位センサ等で検出し、給水の終了時期を監視する。そして、洗滌消毒槽4に貯留される水位が設定水位に達したとき、三方切替弁29を再び動作させ、給水・循環ノズル24と水フィルタ14側との接続を遮断して、給水を終了し、ステップS8へ進む。
【0061】
ステップS8では、内視鏡本体101の各種機能チェックを行う。機能チェック項目は、基本項目と機種別項目とがある。基本項目は洗滌消毒の対象となる内視鏡本体101の機種に関係なく、一律に実行される項目であり、一方、機種別項目は、読込んだ機種番号に基づいて、内視鏡100毎に対応するチェック項目が自動的に設定される。基本項目としては、例えば漏水チェック、管路詰まりチェックがある。
【0062】
漏水チェックは、先ず、装置本体3に内蔵されている締切弁40を開放し、漏水検知ポンプ39からのエアを、図5に示す装置側漏水検知用口金53に接合されている、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aに設けた漏水検知用口金118から内視鏡本体101内に供給して、内視鏡本体101内を加圧する。そして、所定圧に達したとき、締切弁40を閉じ、内視鏡本体101内の圧力変化を測定する。そして、このときの圧力変化が大きい場合、内視鏡本体101の外表面に孔が開いており、エアが漏れていると判断する。又、圧力変化が小さい場合は正常であると判断する。
【0063】
又、管路詰まりチェックは、先ず、CHブロック31を動作させて管路/漏検用コネクタ37へ、洗滌消毒槽4に開口されている循環口21を連通させ、CHポンプ32の駆動により、洗滌消毒槽4に貯留されている水道水を、管路/漏検用コネクタ37に供給する。そして管路/漏検用コネクタ37を介して、内視鏡本体101の各管路106〜109に水道水が供給されて、水道水が循環される。そして、このときの各管路106〜109内を流通する水道水の流量を管路センサ121によって測定し、その値と基準値とを比較して、流量が基準値以下のときは、管路詰まりと判断する。一方、流量が基準値以上のときは正常と判定する。
【0064】
一方、機種別項目は機種毎に相違しており、例えば本形態のように、照明手段として内視鏡本体101先端に照明素子111を備えるものでは、内視鏡側制御回路112から照明素子111に照明用駆動信号を出力し、そのときの内視鏡像をモニタ26に表示させる。ユーザは、モニタ26の内視鏡像の明るさから照明素子111が点灯している否かを調べる。この場合、人為的な判断になるが、例えば撮像素子110によって受光した光量と基準値とを比較することにより、発光素子が点灯しているか否かを自動的に検出しても良い。又、内視鏡挿入部105の先端部をEPAMによるアングル用部材105Bによって湾曲動作させる内視鏡本体101では、内視鏡側制御回路112からアングル用部材105Bに対してアングル動作信号を出力し、そのときの内視鏡像をモニタ26に表示させる。ユーザは、内視鏡像が動いているか否かによって正常に動作しているかどうかを調べる。この場合も人為的な判断になるが、例えば撮像素子110で撮像した内視鏡像のある特定の画素領域における画像の連続的な移動を検知し、この移動とアングル用部材105Bに出力した駆動信号とを比較し、ほぼ対応しているか否かでアングル用部材105Bが正常か否かを自動的に調べても良い。
【0065】
更に、内視鏡本体101に内蔵されるバッテリユニット150の電源回路151Aからの充電圧情報が制御回路46により判別され、バッテリ充電が完了しているか否かのチェックが行われている。
【0066】
そして、ステップS9へ進み、機能チェックの結果、1つでも異常と判定された場合は、ステップS10へ分岐し、内視鏡本体101が異常であることをモニタ26に表示させる等して、異常の告知を行った後、ステップS11へ進み、内視鏡洗滌消毒装置2の洗滌消毒工程が停止される。この場合、ユーザは、内視鏡本体101に異常が生じていると容易に判断でき、異常個所の状況を製造会社に報告などして、修理依頼を行うことができる。
【0067】
一方、機能チェック項目の全てが正常と判定されたときは、図11に示すステップS12へ進み、洗滌工程を開始する。本実施形態では、自動運転されるため、洗滌カバー5は閉じられている。
【0068】
洗滌工程が開始されると、先ず、洗剤ポンプ27の駆動により洗剤タンク11に貯留されている液体洗剤を洗剤ノズル22から適量吐出させ、洗滌消毒槽4に貯留されている水道水に混入させて洗滌水が生成される。洗滌工程では、内視鏡本体101を収容凹部4aの外周壁面、及び内周壁面に設けた高圧ノズル19から、洗滌消毒槽4に貯留されている洗滌水が高圧噴出されて洗滌消毒槽4内に水流が生成される。更に、この水流は、超音波振動子6の駆動により振動される。その結果、内視鏡本体101の外表面が洗滌水の水流と振動とにより洗滌される。
【0069】
又、三方切替弁29とCHブロック31とを動作させて、循環口21と給水・循環ノズル24、及び管路/漏検用コネクタ37とが連通させる。その結果、給水・循環ノズル24から流液ポンプ30の駆動により、洗滌水が吐出されて循環される。同時に、管路/漏検用コネクタ37を経て、内視鏡本体101の各管路106〜109にCHポンプ32の吐出圧により洗滌水が供給され、各管路106〜109内が洗滌される。
【0070】
本形態で採用する内視鏡本体101の各管路106〜109には、バルブやこれを動作させる機構が内蔵されていないため、ほぼストレート状に配管されているため、流路抵抗が少なく、洗滌水をスムーズに流すことができ、各管路106〜109内が満遍なく洗滌される。
【0071】
そして、ステップS13へ進み、洗滌工程が終了したか否かを設定時間に達したか否かで判断し、設定時間に達するまで洗滌工程を継続して行う。そして、設定時間に達したとき、洗滌終了と判定し、ステップS14へ進み、洗滌水を排水する。洗滌水の排水は、洗滌消毒槽4の底部に開口されている排水口42に設けた切替弁43が動作されて、排水口42と外部排水口82とを連通させ、排水ポンプ44を駆動させて、強制的に排水させる。
【0072】
そして、排水が所定に終了した場合、切替弁43が動作されて排水口42が閉塞され、更に三方切替弁29が動作されて循環口21と給水・循環ノズル24とを遮断した後、ステップS15へ進み、消毒工程が開始される。
【0073】
消毒工程が開始されると、先ず、薬液ポンプ28の駆動により、消毒液タンク12に貯留されている消毒液が消毒液ノズル23に送給され、この消毒液ノズル23から洗滌槽4に消毒液が供給される。この状態では、循環口21と管路/漏検用コネクタ37とが連通されているため、CHポンプ32の駆動により、洗滌槽4に貯留されている消毒液が、内視鏡本体101の各管路106〜109に注入される。そして、洗滌消毒槽4に供給された消毒液の水位が設定水位に達した後、消毒液を設定時間だけ循環させる。
【0074】
その後、設定時間に達したとき、CHポンプ32の駆動が停止され、設定時間だけ内視鏡本体101が消毒液に浸漬される。この場合も、本形態による内視鏡本体101の各管路106〜109は、略ストレート状に配管されているため、消毒液が満遍なく管路内部行き渡る。
【0075】
次いで、ステップS16においては、内視鏡本体101の浸漬時間を計測し、浸漬時間が設定時間に達したとき、消毒終了と判定し、ステップS17へ進む。ステップS17では消毒液の回収が行われる。消毒液は、ある回数繰り返し使用されるため、切替弁43が動作されて、排水口42が消毒液タンク12に連通され、洗滌消毒槽4に貯留されている消毒液が消毒液タンク12内に回収される。
【0076】
消毒液が消毒液タンク12に所定に回収された後、ステップS18へ進み、すすぎ工程が開始される。すすぎ工程が開始されると、先ず、三方切替弁29が駆動され、給水・循環ノズル24が水フィルタ14側に連通され、給水・循環ノズル24から水フィルタ14によって濾過された水道水が洗滌槽4に供給される。そして、水道水が所定の水位に達した後、三方切替弁29が閉じられ、洗滌工程と同様、洗滌消毒槽4に貯留されている水道水を循環させる。そして、設定時間が経過した後、排水する。
【0077】
ステップS19では、すすぎの回数Nが計数され、すすぎの回数Nが設定回数に達したとき、すすぎ工程が終了と判定される。そして、最後のすすぎ工程において使用した水道水が所定に排水された後、ステップS20へ進み、送気工程が開始される。送気工程が開始されると、CHブロック31が駆動されて、コンプレッサ34と管路/漏検用コネクタ37とを連通し、内視鏡本体101の各管路106〜109に圧縮空気を送気し、各管路106〜109内を除水、乾燥させる。
【0078】
ステップS21では、コンプレッサ34による送気時間を計時し、設定時間に達したとき送気工程が終了と判断され、コンプレッサ34が停止された後、ステップS22へ進む。
【0079】
ステップS22では、アルコールフラッシュ工程が開始される。アルコールフラッシュ工程では、先ず、CHブロック31を駆動させて、アルコールタンク13と管路/漏検用コネクタ37とを連通させ、アルコールポンプ13Aの駆動により、アルコールタンク13に貯留されているアルコールを少量だけ、内視鏡本体101の各管路106〜109へ送液する。次いで、CHブロック31が再び駆動され、管路/漏検用コネクタ37がコンプレッサ34に連通され、コンプレッサ34の駆動により、圧縮空気が内視鏡本体101の各管路106〜109に送気される。
【0080】
そして、圧縮空気と共にアルコールが内視鏡本体101の各管路106〜109へ供給され、アルコールにより、各管路106〜109に残留する僅かな水分の蒸発が促され、各管路106〜109内は早期に乾燥される。
【0081】
ステップS23では、圧縮空気の送気時間を計時し、設定時間に達したとき、アルコールフラッシュ工程の終了と判定され、すべての工程が終了する。
【0082】
このように、本形態では、使用済みの内視鏡本体101を洗滌消毒するに際し、内視鏡本体101に形成されているスコープコネクタ部105aを装置本体3の管路/漏検用コネクタ37にワンタッチで装着することで、接続を完了させることができるので、煩雑な接続作業が不要となり、作業効率を向上させることができる。又、作業効率が向上したので、洗滌消毒に要する時間が短縮され、その分、内視鏡100の稼働効率を向上させることができる。更に、内視鏡本体101と装置本体3とは、各管路106〜109、及び漏水検知用口金118が接合される部位以外は、全て非接触式であるため、洗滌消毒中に洗滌水、消毒液等の液体が内視鏡本体101内に浸入することがなく、良好な防水性を得ることができる。
【0083】
ところで、図10に示す内視鏡洗滌消毒装置2による内視鏡本体101の洗滌消毒工程前のステップS8で実行される各種機能チェックにおいては、基本項目に加え、機種別項目のチェックも行っているが、機種別項目は、洗滌工程から消毒工程までの一連の処理工程中におけるバックグラウンドにおいて、行うようにしても良い。
【0084】
図12にバックグラウンドにおいて実行される内視鏡本体101の各種機能チェック工程の一例を示す。
【0085】
この工程では、先ず、ステップS31において、アングル用部材105Bによって動作される先端部のアングル動作チェックが行われる。アングル動作のチェックは、内視鏡側制御回路112からアングル用部材105Bに対してアングル動作信号が出力され、そのときの内視鏡像をモニタ26に表示させて、内視鏡像が動いているか否かによって正常に動作しているかどうかを調べる。
【0086】
ステップS32では、内視鏡側制御回路112から照明素子111に対して点灯信号が出力され、そのときの内視鏡像がモニタ26に表示される。ユーザは、モニタ26により所定の明るさが得られているかどうかを調べる。又、ステップS33では、ユーザは、モニタ26に表示されている内視鏡像を確認して、撮像素子110が正常に動作しているか否かを調べる。
【0087】
更に、ステップS34では、内視鏡本体101に内蔵されているバッテリユニット150の充電圧値の情報信号が電源回路151Aから出力され、制御回路46により所定の充電圧値が判別されることによって、バッテリ充電が完了しているか否かを調べる。所定のバッテリ充電圧値が検出されると、そのままステップS35に進む。
【0088】
ここで、内視鏡本体101のバッテリユニット150の所定の充電圧値が検出されない場合は、所定の充電圧値が検出されるまでバッテリユニット150への充電動作が行われる。そして、所定のバッテリ充電圧値が制御回路46に検出されると、ステップS35に進む。
【0089】
そして、ステップS35では、全ての動作が正常と判定されたときは、そのまま各種機能チェックを終了する。一方、1つでも異常が検出されたときは、ステップS36へ分岐し、異常の告知を行った後、ステップS37へ進み、現在の処理工程を停止させるか否かの入力待ちとなる。また、処理工程を停止させない場合は、そのまま各種機能チェックが終了される。一方、処理工程を停止させる場合は、ステップS37へ進み、現在の処理工程を停止させて、各種機能チェックが終了される。
【0090】
このように、内視鏡本体101の機種別項目が内視鏡洗滌消毒装置2の各処理工程中のバックグラウンドとして行うことができ、且つ、内視鏡本体101のバッテリユニット150の充電がされているか否かのチェック及びバッテリ充電動作が各処理工程中に行うことができる。そのため、内視鏡本体101単体でのバッテリ充電作業を行わなくてよい。以上の結果、内視鏡本体101の洗滌消毒に要する時間をより一層短縮することができ、相対的に内視鏡100の稼働効率を向上させることかできる。
【0091】
(第2の実施の形態)
本実施の形態においては、第1の実施の形態の内視鏡100の構成が異なる内視鏡100aに対応した内視鏡洗滌消毒システムであり、以下、図面に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態にて既に記述した内視鏡洗滌消毒装置2及び内視鏡100と同じ構成、作用、効果については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成、作用、効果のみを主に説明する。
【0092】
図13は、本実施の形態に係る内視鏡洗滌消毒装置の洗滌槽に内視鏡がセットされている図である。図14は、内視鏡の構成を説明するための図である。図15は、洗滌槽及び内視鏡の各コネクタ部を説明するための拡大図である。図16は、装置本体内の装置側制御回路の構成を示すブロック図である。図17は、スコープ側電源制御回路と非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。図18は、バッテリユニットと非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【0093】
図13に示すように、第1の実施の形態と同様に内視鏡洗滌消毒装置2の洗滌槽4に内視鏡本体101Aがセットされている。
洗滌槽4の管路/漏検用コネクタ37には、電力伝送手段である送受信コイル55aを有する非接触電源送受信ユニット55が配設されている。この非接触電源送受信ユニット55は、内視鏡本体101Aに電力を非接触的に供給している。
【0094】
また、洗滌槽4の中央領域部の収容凸部4bには、後述する内視鏡本体101Aに着脱自在なバッテリ電源手段であるバッテリユニット250が着脱可能に設置できるバッテリ収容部4Bが設けられている。このバッテリ収容部4Bには、図示していないが、電磁石ユニットが配設され、電磁石が励磁されてバッテリユニット250を所定に吸着固定している。このバッテリ収容部4Bにも非接触電源送受信ユニット220が配設され、バッテリユニット250を充電するための電力を非接触的な電磁誘導により供給している。
【0095】
先ず、図14に基づいて、内視鏡100Aの構成を説明する。尚、本実施形態における内視鏡100Aは、以下に説明する構成以外について第1の実施の形態の内視鏡100と同じ構成を有しているため、その説明を省略する。
内視鏡100Aは、第1の実施の形態と同様に、内視鏡本体101Aとユニバーサルコード103とが分離可能とされる。更に、内視鏡本体101Aは、着脱自在なバッテリユニット250を有している。このバッテリユニット250は、電力伝送手段である送受信コイル253と、バッテリ側電源制御回路252と、バッテリ251とを有している。すなわち、バッテリユニット250は、内視鏡本体101Aにおけるバッテリ電源手段である。
【0096】
また、内視鏡本体101Aの操作部104には、内視鏡側制御回路112に電源を供給するためのスコープ側電源制御回路260が内蔵されている。このスコープ側電源制御回路260は、送受信コイル261と接続されており、バッテリユニット250の送受信コイル253から電磁誘導により非接触に電力が供給されるようになっている。電源制御回路260は、バッテリユニット250からの電力を所定に整流し、内視鏡側制御回路112に供給する。
【0097】
次に、内視鏡本体101Aのスコープコネクタ部105aと管路/漏検用コネクタ37、バッテリユニット250と収容凸部4bのバッテリ収容部4Bの接合について説明する。
図15に示す、内視鏡本体101Aのスコープコネクタ部105aと管路/漏検用コネクタ37との接合は、基本的にユニバーサルコード103のコード側コネクタ部103aと同一の構成を有しており、夫々、互いに接合可能な構造となっている。このとき、管路/漏検用コネクタ37の非接触電源送受信ユニット55は、送受信コイル55aからスコープコネクタ部105aのスコープ側電源制御回路260の送受信コイル261へ電磁誘導により電力を非接触に供給する。送受信コイル261が受けた電力は、スコープ側電源制御回路260に供給される。
【0098】
内視鏡本体101Aから離脱されたバッテリユニット250とバッテリ収容部4Bとの接合は、基本的に内視鏡本体101Aのスコープコネクタ部105aの一部と同一の構成を有しており、夫々、互いに接合可能な構造となっている。このとき、バッテリ収容部4Bの非接触電源送受信ユニット220は、送受信コイル221からバッテリユニット250のバッテリ側電源制御回路252の送受信コイル253へ電磁誘導により電力を非接触に供給する。送受信コイル261が受けた電力は、スコープ側電源制御回路260に供給される。詳しくは、図16に示すように、制御回路46は、内視鏡本体101Aの給電用の送受信コイル55aを有する非接触電源送受信ユニット55と、バッテリユニット250の充電用の送受信コイル221を有する非接触電源送受信ユニット220と接続されている。従って、内視鏡本体101Aのスコープ側電源制御回路260の送受信コイル261は、制御回路46からの電力を送受信コイル55aにより非接触に供給される。また、バッテリ収容部4Bのバッテリユニット250の送受信コイル253は、制御回路46からの電力を送受信コイル221により非接触に供給される。
【0099】
次に図17及び図18を参照し、内視鏡本体101Aへの給電及びバッテリユニット250への充電動作について詳細に説明する。
先ず、内視鏡本体101Aへの電源供給について図17を使って説明する。
図17に示すように、スコープ側電源制御回路260は、電源制御IC260aなど電子部品から構成され、送受信コイル261と接続されている。スコープ側磁石265は、装置側マグネットスイッチ59aが対応した内視鏡本体101Aの位置に配設されている。非接触電源送受信ユニット55の充電制御回路59は、スコープ側磁石265が近接することにより磁力を受けた装置側マグネットスイッチ59aが作動したON信号を受けて、電力を送受信コイル55aに供給する。この送受信コイル55aに供給された電力は、スコープ側電源制御回路260の送受信コイル261に電磁誘導により、非接触式に送受信コイル261に供給される。
【0100】
そして、送受信コイル261に給電された電力は、スコープ側電源制御回路260により所定の電源電圧に整流され、内視鏡側制御回路112に供給される。内視鏡側制御回路112は、制御線を介して、内視鏡本体101Aの各種駆動系の機器に駆動信号を供給する。尚、内視鏡側制御回路112には、各種スイッチSW1,SW2などが配設されている。
【0101】
次に、バッテリユニット250は、バッテリ収容部4Bに設置された際の充電について、図18を使って説明する。
図18に示すように、バッテリユニット250は、バッテリ側磁石257と、充電用マグネットスイッチ256と、送受信コイル253と、給電用マグネットスイッチ255と、バッテリ側電源制御回路252と、バッテリ251を構成する各種電子部品から構成されている。バッテリ側磁石257は、非接触電源送受信ユニット220の装置側マグネットスイッチ59aと、充電用マグネットスイッチ256は、非接触電源送受信ユニット220の装置側磁石225と夫々が対応した位置に配設されている。
【0102】
なお、給電用マグネットスイッチ255は、内視鏡本体101Aにバッテリユニット250が接合されたときに、図17に示すスコープ側磁石265と対応した位置に配設され、スコープ側磁石265が近接することにより磁力を受けて作動するスイッチである。この給電用マグネットスイッチ255の作動により、バッテリユニット250が内視鏡本体101Aに電力を給電し、内視鏡本体101Aの各種機器に電源が供給される。
バッテリ側電源制御回路252は、SW(スイッチ)回路252aと充電回路252bを有しており、給電用マグネットスイッチ255及び充電用マグネットスイッチ256に接続されている。
【0103】
バッテリユニット250への充電動作については、非接触電源送受信ユニット220の装置側磁石225が充電用マグネットスイッチ256と近接することにより磁力を受けて作動し、ON信号をバッテリ側電源制御回路252の充電回路252bに供給される。そして、バッテリ側電源制御回路252は、SW回路252aをバッテリ251側に電力が供給されるように切りかえる。このとき、非接触電源送受信ユニット220の充電制御回路59の装置側マグネットスイッチ59aがバッテリ側磁石257に近接することにより磁力をうけON信号により、充電制御回路59から送受信コイル221に電力が供給される。そして、送受信コイル221の電力は、バッテリユニット250の送受信コイル253へ電磁誘導により供給される。次に、送受信コイル253に供給された電力がバッテリ側電源制御回路252を介してバッテリ251に所定の電圧だけ充電される。
【0104】
次に、このように構成された本実施の形態の内視鏡洗滌消毒システムによる内視鏡本体101Aの洗滌及び消毒する動作については、第1の実施の形態において説明したフローチャート図(図10〜図12)と同様に行われる。
なお、図10に示すステップS3において、洗滌槽4のバッテリ収容部4Bに設けられるバッテリユニット250への充電が開始され、ステップS4において、内視鏡本体101Aのスコープ側電源制御回路260により内視鏡本体101Aの所定周波数の電源が有効となる。図12におけるステップS34のバッテリ充電チェックは、バッテリユニット250の充電チェックがされるものである。
【0105】
以上、このように構成された本実施形態の内視鏡洗滌消毒装置2は、第1の実施の形態の効果に加え、着脱式のバッテリユニット250を備える内視鏡100Aに対応が可能である。また、バッテリユニット250は、洗滌槽4のバッテリ収容部4Bに設置されるため、充電動作と共に、洗滌及び消毒が可能となる。
【0106】
なお、第1、第2実施形態において、内視鏡洗滌消毒装置2は、バッテリユニット150、250のみを充電動作する機能を設けても良く、この充電機能は操作パネル25が操作されて開始されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】第1実施形態の内視鏡洗滌消毒システムの主に内視鏡洗滌消毒装置の構成を説明するための図である。
【図2】内視鏡洗滌消毒装置の洗滌槽に内視鏡がセットされている図である。
【図3】図3のI−I線に沿った洗滌槽の断面図である。
【図4】図3のII−II線に沿った洗滌槽の断面図である。
【図5】洗滌槽及び内視鏡の各コネクタ部を説明するための拡大図である。
【図6】内視鏡の構成を説明するための図である。
【図7】内視鏡の挿入部先端部分の拡大図である。
【図8】装置本体内の装置側制御回路の構成を示すブロック図である。
【図9】バッテリユニットと非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【図10】内視鏡洗滌消毒装置の動作フローチャート図である。
【図11】内視鏡洗滌消毒装置の動作フローチャート図である。
【図12】内視鏡本体の各種機能チェックの動作フローチャート図である。
【図13】第2実施形態の内視鏡洗滌消毒装置の洗滌槽に内視鏡がセットされている図である。
【図14】内視鏡の構成を説明するための図である。
【図15】洗滌槽及び内視鏡の各コネクタ部を説明するための拡大図である。
【図16】装置本体内の装置側制御回路の構成を示すブロック図である。
【図17】スコープ側電源制御回路と非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【図18】バッテリユニットと非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0108】
106a〜109a・・・管路口金、56a〜59a・・・口金、4・・・洗滌消毒槽、19・・・高圧ノズル、25・・・操作パネル、26・・・モニタ、37・・・管路/漏検用コネクタ、51・・・電磁石ユニット、52・・・装置側送受信アンテナ、53・・・装置側漏水検知用口金、55a・・・送受信コイル、55・・・非接触電源送受信ユニット、101・・・内視鏡本体、104・・・操作部、105a・・・スコープコネクタ部、106・・・送気送水管路、107・・・副送水管路、108・・・吸引管路、109・・・鉗子管路、112・・・内視鏡側制御回路、113・・・トラックボール、115・・・送受信アンテナ、118・・・漏水検知用口金、120・・・圧力センサ、150・・・バッテリユニット、151・・・送受信コイル
代理人 弁理士 伊 藤 進
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みの内視鏡、特にバッテリユニットを備える内視鏡を自動的に洗滌消毒及びバッテリ充電する内視鏡用洗滌消毒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
体腔内の検査や治療の目的に使用される内視鏡は、体腔内に挿入する挿入部の外表面だけでなく、送気送水管路、吸引管路、或いは鉗子管路等の各内視鏡管路内にも汚物が付着する。そのため、使用済みの内視鏡は、必ず洗滌、消毒する必要がある。
【0003】
一般に、洗滌消毒装置を用いて内視鏡の洗滌処理、及び消毒処理を行う場合、例えば特許文献1(特開2002−263066号公報)に開示されているように、先ず、洗滌消毒槽内に使用済みの内視鏡を載置すると共に、洗滌消毒装置側と内視鏡に開口する管路接続口とを洗滌チューブを介して接続する。
次いで、処理開始スイッチをONする。すると、最初に洗滌工程が開始され、次いで消毒工程が開始される。
【0004】
洗滌工程では、先ず、洗滌消毒槽内に洗滌水が供給される。そして、この洗滌水が所定水位に達した後、洗滌が開始される。洗滌水は循環しており、その水流にて内視鏡の外表面が洗滌される。また、各内視鏡管路内は、洗滌消毒層内の洗滌液を循環ポンプで吸引し、循環ポンプからの吐出される水圧で洗滌が行われる。
【0005】
そして、洗滌工程が終了すると、消毒工程へ移行する前に、水道水により洗滌水を所定に洗い流した後、消毒工程へ移行する。消毒工程では、上述した洗滌工程において流した洗滌水に代えて、所定の濃度に薄めた消毒液を洗滌消毒槽に流すと共に、循環ポンプにより、洗滌消毒槽内の消毒液を吸引し、そこから吐出される水圧により内視鏡管内に消毒液を供給して消毒する。そして、消毒工程が所定に終了した後、水道水により消毒液を所定に洗い流した後、内視鏡をアルコールフラッシュなどして所定に乾燥させて、一連の工程が終了する。
【特許文献1】特開2002−263066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、内視鏡の洗滌、消毒は、内視鏡外表面のみならず、内視鏡管路内も行わなければならないため、内視鏡を洗滌消毒槽にセットするに際しては、内視鏡内の全ての管路全てに対して洗滌チューブを接続する必要がある。この洗滌チューブの接続は、内視鏡側に開口する各管路接続口に洗滌チューブの一方を各々接続され、この洗滌チューブの他方を、各管路接続口に対応して設けられている、洗滌消毒装置側の洗滌チューブコネクタに接続されなければならない。内視鏡が有する管路数が多い場合、洗滌チューブの接続に手間がかかり、洗滌消毒に要する時間が長くなる。そのため、内視鏡の稼働率が低くなる問題がある。更に、洗滌消毒を開始する前に、内視鏡外表面の漏水チェックを行う場合は、洗滌用チューブ以外に漏水検知用チューブの接続も必要となり、チューブの接続数が益々増加してしまう。洗滌チューブの接続作業は人手によるものであるため、接続するチューブ数が増加すれば、その分、接続忘れをなくすために接続作業が慎重になり、更には正確に接続されているか否かを点検する時間も必要となる。
【0007】
また、バッテリユニットを備える内視鏡本体においては、内視鏡検査中に内視鏡本体に内蔵される各種機器に十分な電力が供給されるように十分なバッテリユニットの充電が行われていなければならない。このバッテリユニットへの充電作業は、別体の充電器などに内視鏡本体を接続などして行わなければならない。充電器に内視鏡本体を接続する作業が必要とされ、且つ、充電時間も必要とされるため、内視鏡の稼働率が低くなる問題もある。
【0008】
更に、ユーザは、内視鏡の各種管路の詰り検出、内視鏡内部の漏水検出などの機能チェック、バッテリ充電量のチェックなどを手動によって行わなければならない。すなわち、内視鏡の各種機能チェックの精度は、ユーザに委ねられ、その精度は均一とされない問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、内視鏡に設けられている各管路等の接続口に対する接続を容易にし、且つ、内視鏡本体のバッテリユニットに対して充電を行うことができ、内視鏡の各種機能チェックの精度が向上する内視鏡用洗滌消毒システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明による内視鏡洗滌消毒システムは、電力供給のためのバッテリ電源手段と、該バッテリ手段と接続される電気的に非接触状態にて電力を伝送する内視鏡側電力伝送手段と、を備える内視鏡本体と、前記内視鏡本体の洗滌及び消毒を行う内視鏡洗滌消毒装置と、を具備し、前記内視鏡洗滌消毒装置は、電気的に非接触状態にて電力を伝送する装置側電力伝送手段を有し、前記装置側電力伝送手段が前記内視鏡側電力伝送手段に非接触にて電力を伝送することにより前記バッテリ電源手段に電力が供給充電可能であることを特徴とする内視鏡洗滌消毒システム。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、内視鏡に設けられている各管路等の接続口に対する接続を容易にし、且つ、内視鏡本体のバッテリユニットに対して充電を行うことができ、内視鏡の各種機能チェックの精度が向上する内視鏡用洗滌消毒システムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、内視鏡洗滌消毒システムの主に内視鏡洗滌消毒装置の構成を説明するための図である。図2は、内視鏡洗滌消毒装置の洗滌槽に内視鏡がセットされている図である。図3は、図3のI−I線に沿った洗滌槽の断面図である。図4は、図3のII−II線に沿った洗滌槽の断面図である。図5は、洗滌槽及びセットされた内視鏡の各コネクタ部を説明するための拡大図である。図6は、内視鏡の構成を説明するための図である。図7は、内視鏡の挿入部先端部分の拡大図である。図8は、装置本体内の装置側制御回路の構成を示すブロック図である。図9は、バッテリユニットと非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。図10及び図11は、内視鏡洗滌消毒装置の動作フローチャート図である。図12は、内視鏡本体の各種機能チェックの動作フローチャート図である。
【0013】
図1に示すように、内視鏡洗滌消毒システムは、被洗滌消毒対象物である内視鏡100の内視鏡本体101Aと、該内視鏡本体101を洗滌消毒するための内視鏡洗滌消毒装置2からなる。
内視鏡洗滌消毒装置2は、装置本体3と、その上部を開閉する洗滌カバー5とを有している。内視鏡洗滌消毒装置2は、洗滌消毒槽(以下、洗滌槽と略記)4に内視鏡本体101がセットされる。この洗滌槽4の底面には、複数の超音波振動子6が取り付けられている。これら超音波振動子6は、内視鏡100の洗滌消毒中の液体に超音波振動を与える振動発生手段である。洗滌槽4内において、内視鏡100を配置させない中央領域部には、内視鏡100に着脱される各種ボタンなどを入れるための洗滌ケース7が設けられている。また、洗滌槽4の底面には、洗滌槽4内の液体を加熱するためのヒータ8が設けられている。
【0014】
図1に示すように、装置本体3の内部には、液体洗剤を貯留する洗剤タンク11、所定濃度に希釈された消毒液を貯留する消毒液タンク12、アルコールを貯留するアルコールタンク13、水道栓80から供給される水道水を濾過する水フィルタ14、及びエアフィルタ15が配設されている。消毒液タンク12は装置本体3内に固定されており、また、洗剤タンク11、アルコールタンク13、水フィルタ14、エアフィルタ15は、各々トレー11a,13a〜15aに載置されている。各トレー11a,13a〜15aは、装置本体3の図示しない前面扉を開放することによって、前方へ引き出し自在にされており、所定に液体を補充、または、部品を交換することができる。また、水道栓80は、洗滌槽4の底面に設けられる給水管路消毒用コネクタ6Aとも逆止弁6aを介して連通されている。
【0015】
一方、消毒液タンク12は装置本体3内に固定されているため、この消毒液タンク12に消毒液を補充する際、装置本体3の前面扉を開放し、装置内部に固設されているボトルコネクタ16に対して、消毒液が充填されている消毒液ボトル17を接続することによって行う。また、その際、希釈弁18を介して、水フィルタ14によって濾過された水道水が消毒液タンク12に供給される。この水道栓80からの水道水は、給水弁14Aの内部の弁が開かれることにより水フィルタ14に送り込まれる。従って、消毒液タンク12には所定濃度に希釈された消毒液が貯留される。尚、図1においては、各トレー11a,13a〜15aが引き出された状態が示されている。
【0016】
また、洗滌槽4の上縁側の角部に洗剤ノズル22、消毒液ノズル23、給水・循環ノズル24が配設されている。洗剤ノズル22は、洗剤タンク11に洗剤ポンプ27を介して連通されており、消毒液ノズル23は薬液ポンプ28を介して消毒液タンク12に連通されている。更に、給水・循環ノズル24は三方切替弁29を介して水フィルタ14と流液ポンプ30とに選択的に連通自在にされている。給水・循環ノズル24が三方切替弁29を介して水フィルタ14側に接続された状態において、給水・循環ノズル24から水フィルタ14によって濾過された水道水が吐出される。一方、給水・循環ノズル24が三方切替弁29を介して流液ポンプ30に接続された状態において、循環口21から取り入れた洗滌槽4に貯留されている洗滌水または消毒水が吐出されて循環される。なお、図1には図示しないが給水・循環ノズル24と三方切替弁29との間に高圧ノズル19(図2参照)が高圧ポンプを介して接続されており、この高圧ノズル19からも給水・循環ノズル24と同様の液体(水道水、洗滌水など)が高圧により噴出される。この高圧ノズル19、及び給水・循環ノズル24から吐出される液体により、図2に示す洗滌槽4の収容凹部4a内に水流が発生し、この水流によって後述する内視鏡本体101の外表面が洗滌及び濯がれる。
【0017】
また、循環口21は、四方切替弁であるCH(チャンネル)ブロック31と連通されており、この連通路には循環口21から順に、CH(チャンネル)ポンプ32と、洗滌水または消毒水をCH(チャンネル)ポンプ32側へ流れないようにするための逆止弁33とが配設されている。このCHポンプ32の駆動によって、収容凹部4aに貯留されている洗滌水または消毒水は、CHブロック31側に供給される。このCHブロック31は、エアフィルタ15ともエア逆止弁35を介して連通している。このエア逆止弁35は、エアフィルタ15側に液体(水道水、洗滌水、消毒水)が流れないようにしている。エアフィルタ15はコンプレッサ34と連通しており、コンプレッサ34からの圧縮空気がエアフィルタ15を介してCHブロック31側に吐出される。
【0018】
更に、CHブロック31は、アルコールタンク13とも連通しており、その途中にはアルコールタンク13側からアルコールポンプ13A及びアルコール弁36が設けられている。このアルコールタンク13のアルコールがアルコールポンプ13Aによってアルコール弁36を介してCHブロック31に供給される。
【0019】
上述した、CHブロック31に供給される液体(水道水、洗滌水、消毒水)は、各種工程毎にCHブロック31を介して、洗滌槽4の側壁に設けられる管路/漏検用コネクタ37にCH(チャンネル)弁38を介して送り込まれる。
また、管路/漏検用コネクタ37は、漏水検知ポンプ39とも連通されており、その途中には漏水検知ポンプ39側から締切弁40と、漏検圧を調節するリリーフ弁41が設けられている。漏水検知ポンプ39からは、内視鏡100の内部の漏水を検査するための圧縮空気が管路/漏検用コネクタ37側に吐出される。更に、漏水検知ポンプ39は、過剰圧の圧縮空気を排気するための排気弁42aと連通されている。
【0020】
洗滌槽4の収容凹部4aの底面に排水口42が配設され、この排水口には切替弁43が設けられている。この切替弁43は、消毒液タンク12と連通しており、選択的に弁を切り変えられることによって洗滌槽4の収容凹部4aに貯留された消毒液を消毒液タンク12へ戻す。また、切替弁43は、外部へ洗滌水、濯ぎ水などを排出するため、排水管44aを介して外部の排水口82と連通している。切替弁43と排水管44aの途中には、洗滌槽4の洗滌槽4の収容凹部4aに貯留された洗滌水、濯ぎ水などを吸引して外部に送り出すための排水ポンプ44が設けられている。また、洗滌槽4の排水口42は、CHブロック31とも連通し、その途中にはバイパス弁45が設けられている。
消毒液タンク12に貯溜されて所定の濃度に希釈された消毒液は、所定の消毒工程回数毎に交換される。消毒液の交換に際しては、消毒液タンク12が消毒液ドレーン口48と連通しており、消毒液が消毒液ドレーン口48から外部へ排出される。
【0021】
また、上述した、各種ポンプ、各種弁、各種機器などは、装置本体3の内部に設けられる制御回路46によって各工程毎に制御されている。この制御回路46は、電源装置47を介して外部のコンセント81から電気ケーブルを介して電力が供給されている。
【0022】
図2には、装置本体3の洗滌槽4の上面が洗滌カバー5を外した状態で示されている。洗滌槽4は、内視鏡本体101が収容される収容凹部4aが横長の楕円状に形成されており、この収容凹部4aの外周壁面、及び内周壁面に複数の高圧ノズル19が所定の間隔毎に配設されている。また、収容凹部4aの底面に排水口20が設けられている。更に、収容凹部4aの外周壁面の一側に循環口21が設けられている。また、洗滌槽4の上縁の前面側に、操作パネル25、液晶装置などを用いたモニタ26が配設されている。
【0023】
図3は、図2におけるI−I線に沿った断面図である。また、図4は、図2におけるII−II線に沿った断面図である。
図3に示すように、洗滌槽4の上縁部に設けられている洗剤ノズル22、消毒液ノズル23及び給水・循環ノズル24は、各々の開口部が収容凹部4aに望むように略U字形状をしている。また、図4に示すように、洗滌槽4の収容凹部4aの中央領域部にある収容凸部4bは、収容凹部4a内の液体(水道水、洗滌水、消毒水)の貯溜量を少なくでき、内視鏡100の載置を規制すると共に、洗滌消毒の効率を高めるため液体の収容凹部4a内の循環性を高めている。
【0024】
ここで、図6、図7を参照して、本実施の形態において採用する内視鏡100の構成について説明する。
【0025】
図6に示すように、内視鏡100は、内視鏡本体101とユニバーサルコード103とによって構成されている。この内視鏡本体101とユニバーサルコード103は、分割自在に構成されている。ユニバーサルコード103はディスポーザブルタイプであり、内視鏡検査終了毎に廃棄処分される。従って、洗滌、消毒を要する部分は内視鏡本体101のみとなる。
【0026】
内視鏡本体101は、手元側の操作部104と、この操作部104から延出する挿入部105とを備えている。また、挿入部105の手元側にはスコープコネクタ部105aが設けられており、このスコープコネクタ部105aに、ユニバーサルコード103の基端に設けられているコード側コネクタ部103aが接合される。尚、図示しないが、両コネクタ部105a,103aは、例えば、電磁石などによって接合される。すなわち、接合に際しては、スコープコネクタ部105aにコード側コネクタ部103aを所定に位置決めした状態によってセットした後、内視鏡本体101に設けた接合スイッチをONする。すると、電磁石が励磁され、両コネクタ部105a,103aが吸着固定される。なお、両コネクタ部105a,103aとの接続は、電磁石以外の機械的な接合方法でも良い。
【0027】
図7に示すように、内視鏡本体101の挿入部105には、内視鏡管路を代表する送気送水管路106、副送水管路108、吸引管路109等が、スコープコネクタ部105aから先端側へ配設されて、先端面(内視鏡先端面)に開口されている。なお、送気管路107は、送気送水管路106と挿入部105内部にて連通している。
【0028】
図6に示すように、スコープコネクタ部105aには、各管路106〜109の基端に連通する口金106a〜109aが設けられている。この各口金106a〜109aに、ユニバーサルコード103のコード側コネクタ部103aに配設されて各管路106b〜109bが接続される。この各管路106b〜109bはユニバーサルコード103内を通り、延出端側に設けられているコネクタ部103bに開口されている。尚、コード側コネクタ部103aには、吸引管路109bに分岐接続する鉗子口109Bが開口されており、この鉗子口109Bが鉗子栓109Aで閉塞自在にされている。
【0029】
ユニバーサルコード103に設けたコネクタ部103bは、図示しない内視鏡制御ユニットに接続される。内視鏡制御ユニットには、送気送水管路106(106b)に送気或いは送水するための切換バルブ、吸引管路109に負圧を供給するためのバルブ、副送水管路108(108b)に送水するためのバルブ等が設けられている。
【0030】
一方、図7に示すように、内視鏡100の先端面には、CCD等の撮像素子110、LED等の照明素子111が配設されている。この両素子110,111が、操作部104に設けた内視鏡側制御回路112(図6参照)に接続されている。内視鏡側制御回路112は電源回路を内蔵しており、照明素子111に発光用電源を供給する。更に、内視鏡側制御回路112は、撮像素子110によって撮像した画像信号を受信する受信部、及び操作信号入力部等を有している。
また、操作部104には、内視鏡側制御回路112と接続され、各種機器に駆動電力を供給するためのバッテリ電源手段であるバッテリユニット150が内蔵されている。このバッテリユニット150は、電力伝送手段である送受信コイル151を有している。このバッテリユニット150は、送受信コイル151の一面が操作部104の一側面に並設されるように操作部104に内蔵される。
操作部104の外周には、内視鏡先端部を湾曲操作するトラックボール113、送気・送水を代表とする各種操作を行うスコープスイッチ114a,114b,114c等の各操作スイッチ類が配設されており、この各操作スイッチ類からの操作信号が、内視鏡側制御回路112に設けた操作信号入力部に入力される。
【0031】
内視鏡側制御回路112は、撮像素子110で撮像した画像信号、及び各操作スイッチ類から出力される操作信号に対応する信号を、操作部104に内蔵する電気的無接点による情報伝達手段である送受信アンテナ115を介して、内視鏡制御ユニットに無線送信する。内視鏡制御ユニットでは、内視鏡側制御回路112から送信された信号に基づき、外部機器であるモニタ(図示せず)に内視鏡像を表示すると共に、各操作信号に対応して、各管路106(106b)〜108(108b)に連通するバルブを動作させて、送気・送水等の制御動作を行う。
【0032】
このように、各管路106(106b)〜108(108b)に対する送気・送水等の制御動作は、内視鏡制御ユニットに設けたバルブによって行われるため、内視鏡本体101に配設されている各管路106〜108には、バルブなどを動作させる機構が内蔵されておらず、各管路106〜108は略ストレートに配設されている。
【0033】
また、スコープコネクタ部105aには漏水検知用口金118が設けられている。この漏水検知用口金118は内視鏡本体101内に連通されており、漏水検知用口金118からエアを送り込むことによって、内視鏡本体101の外表面に孔、亀裂などが発生しているか否かを調べることができる。また、操作部104内に圧力センサ120が配設されている。内視鏡側制御回路112では圧力センサ120によって検出された内視鏡本体101の内圧に基づいて、内視鏡本体101内に漏水が発生しているか否かを調べる。
【0034】
更に、各管路106〜109に管路センサ121が配設されている。管路センサ121は、流量センサ、圧力センサ及び透明度センサの総称であり、各センサにより各管路106〜109内を流れる流体の流量、圧力及び透明度を検出する。
【0035】
また、図7に示すように、内視鏡本体101の挿入部105の先端外周には、接触センサ105Aが配設されている。この接触センサ105Aは、例えば体腔壁との挿入部105の先端側の当接圧などを検知するものである。更に、挿入部105の先端部分には、操作部104のトラックボール113の操作に合わせて挿入部105の先端部を湾曲動作させるEPAM(エレクトロアクティブポリマ)からなるアングル用部材105Bが配設されている。
図6に戻って、内視鏡本体101の挿入部105は、その可撓性を自在に可変できるようにEPAMからなる硬度可変部材105Cが配設されている。また、内視鏡本体101の電源制御手段である内視鏡側制御回路112には、図示していないが、メモリ素子を有しており、このメモリ素子には内視鏡本体101の各種情報、各種認識情報などが記録されている。
【0036】
一方、図2に示すように、内視鏡洗滌消毒装置2に設けた洗滌槽4の一側部に、内視鏡本体101に設けたスコープコネクタ部105aに接続する管路/漏検用コネクタ37が配設されている。更に、図5に示すように、内視鏡本体101に設けた送受信アンテナ115からの信号を受信、または、この送受信アンテナ115に対して送信する装置側送受信アンテナ52が洗滌槽4に設けられている。
【0037】
管路/漏検用コネクタ37は、基本的に、上述したユニバーサルコード103に設けられているコード側コネクタ部103aと同様の構成を有している。詳細には、図5に示すように、管路/漏検用コネクタ37の先端面に口金56a〜59aが配設されている。この各56a〜59aは、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aに設けられている、各管路106〜109の基端に連通する口金106a〜109aに対応した位置に配設されており、スコープコネクタ部105aを管路/漏検用コネクタ37に接続すると、スコープコネクタ部105aの口金56a〜58aが管路/漏検用コネクタ37に接合される。なお、図5に示すように、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aは、管路/漏検用コネクタ37に設けられる電磁石ユニット51の磁力によって、管路/漏検用コネクタ37に吸着して固定される。
【0038】
更に、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aの漏水検知用口金118は、管路/漏検用コネクタ37に配設される装置側漏水検知用口金53に接合される。この装置側漏水検知用口金53は、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aの漏水検知用口金118に対応する管路/漏検用コネクタ37の位置に設けられているものである。
【0039】
又、管路/漏検用コネクタ37の一側部には、電力伝送手段である送受信コイル55aを有する非接触電源送受信ユニット55が配設されている。この送受信コイル55aは、内視鏡本体101の操作部104に設けられるバッテリユニット150の送受信コイル151に対応した位置に配設されている。このとき、内視鏡本体101の送受信コイル151と管路/漏検用コネクタ37の送受信コイル55aは、内視鏡本体101と管路/漏検用コネクタ37の夫々の外装を挟むように対向している。内視鏡側制御回路112に設けた電源回路に対する電力は、バッテリユニット150により供給されるが、内視鏡洗滌消毒装置2の洗滌槽4に内視鏡本体101がセットされた際、すなわち、スコープコネクタ部105aが管路/漏検用コネクタ37と接続された状態において、送受信コイル55aが送受信コイル151に対して電磁誘導結合する。従って、電源回路に対しては内視鏡制御ユニット側から電力が非接触式によって供給される。
【0040】
次に、図8を参照し、内視鏡洗滌消毒装置2側の制御回路46の回路構成について説明する。図8は、内視鏡洗滌消毒装置2の回路構成を説明するためのブロック図である。
図8に示すように、制御回路46は、CPU基板であり、センサ制御回路61、映像処理回路及びスコープメモリR/W(RECORD/WRITING)回路63が配設されている。スコープメモリR/W回路63にはメモリ素子を有している。この制御回路46は、装置側送受信アンテナ52に各種信号を授受する電気的無接点による情報伝達手段である送受信ユニット53aが接続されている。装置側送受信アンテナ52は、洗滌槽4に配設され、内視鏡本体101の各種情報信号を内視鏡本体101の送受信アンテナ115から受信する。この各種情報信号は、送受信ユニット53aを介して制御回路46のセンサ制御回路に供給される。
【0041】
また、制御回路46は、洗滌槽4のモニタ26及び管路/漏検用コネクタ37の電磁石ユニット51に磁力を発生させるスコープ着脱制御回路54とが接続されている。モニタ26は、映像処理回路62に供給された内視鏡本体101の撮像素子110によって撮像された内視鏡画像を表示する。また、モニタ26は、内視鏡本体101の各種認識信号、例えば、管路センサ121からの管路情報などを表示することもできる。なお、内視鏡本体101からの各種認識信号である内視鏡情報は、スコープメモリR/W回路63に記録される。この各種内視鏡情報は、操作パネル25のパネル操作によってモニタ26に適宜、呼び出し可能である。なお、内視鏡本体101の各種内視鏡情報は、例えば、画像情報、センサ情報、スコープ個体情報などである。
【0042】
制御回路46は、電源装置47(図1参照)と接続されており、洗滌槽4の操作パネル25からの各種信号を受け、出力側の駆動系である各種ポンプ、各種電磁弁などへ駆動電力を供給する。更に、制御回路46には、入力側のセンサ系である各種センサ類(圧力センサ、水位センサ、位置検知センサなど)からの各種検知信号が供給され、それら各種検知信号の情報に基づいて、適宜、駆動系を制御している。なお、各種センサ類(圧力センサ、水位センサ、位置検知センサ)は、図示していないが、洗滌槽4に設けられているものである。
【0043】
また、制御回路46は、非接触電源送受信ユニット55とも接続されている。非接触電源送受信ユニット55は、制御回路46からの電力を送受信コイル55aに供給する。こうして、送受信コイル55aは、電磁誘導されるバッテリユニット150の送受信コイル151に電力を供給する。
【0044】
次に図9を参照し、内視鏡洗滌消毒装置2の非接触電源送受信ユニット55及び内視鏡本体101のバッテリユニット150について詳細に説明する。
図9に示すように、非接触電源送受信ユニット55は、AC入力56と、ノイズフィルタであるEMI(Electro Magnetic Interference)フィルタと、整流/平滑回路58と、充電制御回路59と、装置側磁石55bとが内蔵されている。充電制御回路59は、装置側マグネットスイッチ59aと送受信コイル55aに接続されている。
【0045】
また、図9に示すように、バッテリユニット150は、切替制御回路151aと充電回路151bを備えるバッテリ電源制御手段である電源回路151Aと、バッテリ側磁石150bが内蔵されている。電源回路151Aは、バッテリ側マグネットスイッチ150aと接続されている。なお、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aが洗滌槽4の管路/漏検用コネクタ37にセットされた状態において、装置側マグネットスイッチ59aとバッテリ側磁石150bが対応した位置、バッテリ側マグネットスイッチ150aと装置側磁石55bが対応した位置に夫々が配設されている。
【0046】
非接触電源送受信ユニット55の充電制御回路59は、バッテリユニット150のバッテリ側磁石150bが近接することにより磁力を受けて装置側マグネットスイッチ59aが作動する。装置側マグネットスイッチ59aからのON信号を受けた充電制御回路59は、AC入力56からの電力を送受信コイル55aに供給する。この送受信コイル55aに供給された電力は、バッテリユニット150の送受信コイル151と非接触電源送受信ユニット55の送受信コイル55aとが電磁誘導結合され、非接触式に送受信コイル151に供給される。こうして、送受信コイル151の電力は、電源回路151Aに電磁誘導により供給される。
【0047】
また、電源回路151Aの切替制御回路151aは、バッテリ側マグネットスイッチ150aが非接触電源送受信ユニット55の装置側磁石55bと近接することにより磁力を受けてバッテリ側マグネットスイッチ150aが作動する。バッテリ側マグネットスイッチ150aからのON信号を受けた切替制御回路151aは、バッテリユニット150の貯蓄電圧により充電動作にするか内視鏡本体101の内部へ給電するかを切替制御する。
【0048】
なお、モニタ26には、内視鏡像、スコープ個体情報などの他、洗滌/消毒残時間などの内視鏡本体101の洗滌及び消毒に関する情報が表示される。また、操作パネル25には、スタートスイッチ以外に、モード選択スイッチなどの各種設定スイッチ類が配設されている。
【0049】
次に、このように構成された本実施の形態の内視鏡洗滌消毒システムによる内視鏡本体101の洗滌及び消毒する動作について説明する。
内視鏡検査の終了後、ユーザは、内視鏡100の内視鏡本体101からユニバーサルコード103を取り外す。このユニバーサルコード103は所定に廃棄処分される。次に、ユーザは、内視鏡本体101を患者が寝かされていたベッドサイドにて簡易な予備洗滌を行う。そして、ユーザは、流し台にて内視鏡を本洗滌する。こうして、本洗滌された内視鏡本体101は、内視鏡洗滌消毒装置2の洗滌槽4にセットされる。
【0050】
先ず、ユーザは、内視鏡洗滌消毒装置2の洗滌カバー5を開け、装置本体の上面に設けられる洗滌槽4に内視鏡本体101をセットする。なお、洗滌消毒槽4の収容凹部4aの底面には、図示しない保持網が敷設されている。
【0051】
このとき、ユーザは、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aを洗滌槽4の壁面に設けられている管路/漏検用コネクタ37に対設させる。管路/漏検用コネクタ37は、基本的にユニバーサルコード103のコード側コネクタ部103aと同一の構成を有しており、夫々、互いに接合可能な構造となっている。
【0052】
そして、ユーザは、洗滌槽4内に内視鏡本体101を所定にセットし、内視鏡本体101を洗滌消毒する各種プログラムを操作パネルにより設定して、電源スイッチをONする。すると、装置本体3に内蔵されている制御回路46に電源が投入され、内視鏡洗滌消毒装置2は、内視鏡本体101の洗滌消毒を開始する。
【0053】
次に、図10〜図12のフローチャート図を使って、内視鏡洗滌消毒装置2の各種工程について説明する。
図10に示す、ステップS1では、スタートスイッチの入力待ち状態となり、スタートスイッチがONされたとき、ステップS2へ進む。
【0054】
ステップS2では、管路/漏検用コネクタ37に設けられる電磁石ユニット51に通電され、電磁石ユニット51が励磁される。すなわち、電磁石ユニット51に発生する磁力により、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aが管路/漏検用コネクタ37に吸着され、接続される。そして、スコープコネクタ部105aに設けられている各管路口金106a〜109aと管路/漏検用コネクタ37に設けられる各口金56a〜59aが自動的に接合される。
【0055】
従って、本実施の形態において、ユーザは、内視鏡本体101を洗滌槽4にセットする際、内視鏡本体の各管路106〜109と内視鏡洗滌消毒装置2側の洗滌消毒用管路とをチューブなどを用いて接続する必要がない。よって、チューブなどの接続に要する時間を大幅に短縮できると共に、チューブの接続ミス及び接続不良が発生せず、確実に内視鏡本体101の各管路106〜109と内視鏡洗滌消毒装置2側の各洗滌消毒用管路とを接続することができる。
【0056】
また、ステップS2において、内視鏡本体101に設けられるバッテリユニット150への充電が開始される。洗滌槽4の非接触電源送受信ユニット55から、内視鏡本体101のバッテリユニット150へ電力が非接触式によって供給される。すなわち、非接触電源送受信ユニット55の送受信コイル55aからバッテリユニット150の送受信コイル151に電磁誘導によって電力が供給される。詳しくは、非接触電源送受信ユニット55の充電制御回路59は、バッテリユニット150のバッテリ側磁石150bが近接することにより磁力を受けて装置側マグネットスイッチ59aが作動する。送受信コイル55aに供給された電力は、バッテリユニット150の送受信コイル151と非接触電源送受信ユニット55の送受信コイル55aとが電磁誘導結合され、非接触式に送受信コイル151に供給される。こうして、送受信コイル151の電力は、電源回路151Aに電磁誘導により供給される。このとき、電源回路151Aの切替制御回路151aは、バッテリ側マグネットスイッチ150aが非接触電源送受信ユニット55の装置側磁石55bと近接することにより磁力を受けてバッテリ側マグネットスイッチ150aが作動する。切替制御回路151aは、バッテリユニット150の貯蓄電圧により充電動作にするか内視鏡本体101の内部へ給電するかを切替制御している。この充電動作は、所定の貯蓄電圧値が保たれたと切替制御回路151aが判断するまで続けられる。
【0057】
従って、内視鏡本体101が洗滌消毒されている間において、内蔵されるバッテリユニット150の充電が行われるため、ユーザは、充電作業のための各種作業を行わなくて済む。そのため、バッテリユニット150の充電に要する時間が削減できる。
【0058】
次に、ステップS4に進み、バッテリユニット150の切替制御回路151aにより内視鏡本体101の所定周波数の電源が有効となる。すると、内視鏡側制御回路112と装置本体3に内蔵される制御回路46とが、内視鏡本体101の送受信アンテナ115と洗滌槽4に設けられる装置側送受信アンテナ52によって相互に無線通信可能となる。
【0059】
次いで、ステップS5へ進み、内視鏡側制御回路112のメモリ素子に記憶されている内視鏡本体101の機種番号等のスコープ個体情報、修理履歴、洗滌回数等の各種履歴情報を、送受信アンテナ115及び装置側送受信アンテナ52を介して無線通信により読込み、装置本体3に設けた制御回路46を介してスコープメモリR/W回路63に記憶する。
【0060】
その後、ステップS6へ進み、給水弁14Aを開き水道栓から給水を開始する。給水を開始するに際しては、先ず、三方切替弁29を動作させ、給水・循環ノズル24を水フィルタ14側に接続させる。すると、水フィルタ14にて濾過された水道水が、給水・循環ノズル24から洗滌消毒槽4に供給される。ステップS7では、洗滌消毒槽4の水位を、図示しない水位センサ等で検出し、給水の終了時期を監視する。そして、洗滌消毒槽4に貯留される水位が設定水位に達したとき、三方切替弁29を再び動作させ、給水・循環ノズル24と水フィルタ14側との接続を遮断して、給水を終了し、ステップS8へ進む。
【0061】
ステップS8では、内視鏡本体101の各種機能チェックを行う。機能チェック項目は、基本項目と機種別項目とがある。基本項目は洗滌消毒の対象となる内視鏡本体101の機種に関係なく、一律に実行される項目であり、一方、機種別項目は、読込んだ機種番号に基づいて、内視鏡100毎に対応するチェック項目が自動的に設定される。基本項目としては、例えば漏水チェック、管路詰まりチェックがある。
【0062】
漏水チェックは、先ず、装置本体3に内蔵されている締切弁40を開放し、漏水検知ポンプ39からのエアを、図5に示す装置側漏水検知用口金53に接合されている、内視鏡本体101のスコープコネクタ部105aに設けた漏水検知用口金118から内視鏡本体101内に供給して、内視鏡本体101内を加圧する。そして、所定圧に達したとき、締切弁40を閉じ、内視鏡本体101内の圧力変化を測定する。そして、このときの圧力変化が大きい場合、内視鏡本体101の外表面に孔が開いており、エアが漏れていると判断する。又、圧力変化が小さい場合は正常であると判断する。
【0063】
又、管路詰まりチェックは、先ず、CHブロック31を動作させて管路/漏検用コネクタ37へ、洗滌消毒槽4に開口されている循環口21を連通させ、CHポンプ32の駆動により、洗滌消毒槽4に貯留されている水道水を、管路/漏検用コネクタ37に供給する。そして管路/漏検用コネクタ37を介して、内視鏡本体101の各管路106〜109に水道水が供給されて、水道水が循環される。そして、このときの各管路106〜109内を流通する水道水の流量を管路センサ121によって測定し、その値と基準値とを比較して、流量が基準値以下のときは、管路詰まりと判断する。一方、流量が基準値以上のときは正常と判定する。
【0064】
一方、機種別項目は機種毎に相違しており、例えば本形態のように、照明手段として内視鏡本体101先端に照明素子111を備えるものでは、内視鏡側制御回路112から照明素子111に照明用駆動信号を出力し、そのときの内視鏡像をモニタ26に表示させる。ユーザは、モニタ26の内視鏡像の明るさから照明素子111が点灯している否かを調べる。この場合、人為的な判断になるが、例えば撮像素子110によって受光した光量と基準値とを比較することにより、発光素子が点灯しているか否かを自動的に検出しても良い。又、内視鏡挿入部105の先端部をEPAMによるアングル用部材105Bによって湾曲動作させる内視鏡本体101では、内視鏡側制御回路112からアングル用部材105Bに対してアングル動作信号を出力し、そのときの内視鏡像をモニタ26に表示させる。ユーザは、内視鏡像が動いているか否かによって正常に動作しているかどうかを調べる。この場合も人為的な判断になるが、例えば撮像素子110で撮像した内視鏡像のある特定の画素領域における画像の連続的な移動を検知し、この移動とアングル用部材105Bに出力した駆動信号とを比較し、ほぼ対応しているか否かでアングル用部材105Bが正常か否かを自動的に調べても良い。
【0065】
更に、内視鏡本体101に内蔵されるバッテリユニット150の電源回路151Aからの充電圧情報が制御回路46により判別され、バッテリ充電が完了しているか否かのチェックが行われている。
【0066】
そして、ステップS9へ進み、機能チェックの結果、1つでも異常と判定された場合は、ステップS10へ分岐し、内視鏡本体101が異常であることをモニタ26に表示させる等して、異常の告知を行った後、ステップS11へ進み、内視鏡洗滌消毒装置2の洗滌消毒工程が停止される。この場合、ユーザは、内視鏡本体101に異常が生じていると容易に判断でき、異常個所の状況を製造会社に報告などして、修理依頼を行うことができる。
【0067】
一方、機能チェック項目の全てが正常と判定されたときは、図11に示すステップS12へ進み、洗滌工程を開始する。本実施形態では、自動運転されるため、洗滌カバー5は閉じられている。
【0068】
洗滌工程が開始されると、先ず、洗剤ポンプ27の駆動により洗剤タンク11に貯留されている液体洗剤を洗剤ノズル22から適量吐出させ、洗滌消毒槽4に貯留されている水道水に混入させて洗滌水が生成される。洗滌工程では、内視鏡本体101を収容凹部4aの外周壁面、及び内周壁面に設けた高圧ノズル19から、洗滌消毒槽4に貯留されている洗滌水が高圧噴出されて洗滌消毒槽4内に水流が生成される。更に、この水流は、超音波振動子6の駆動により振動される。その結果、内視鏡本体101の外表面が洗滌水の水流と振動とにより洗滌される。
【0069】
又、三方切替弁29とCHブロック31とを動作させて、循環口21と給水・循環ノズル24、及び管路/漏検用コネクタ37とが連通させる。その結果、給水・循環ノズル24から流液ポンプ30の駆動により、洗滌水が吐出されて循環される。同時に、管路/漏検用コネクタ37を経て、内視鏡本体101の各管路106〜109にCHポンプ32の吐出圧により洗滌水が供給され、各管路106〜109内が洗滌される。
【0070】
本形態で採用する内視鏡本体101の各管路106〜109には、バルブやこれを動作させる機構が内蔵されていないため、ほぼストレート状に配管されているため、流路抵抗が少なく、洗滌水をスムーズに流すことができ、各管路106〜109内が満遍なく洗滌される。
【0071】
そして、ステップS13へ進み、洗滌工程が終了したか否かを設定時間に達したか否かで判断し、設定時間に達するまで洗滌工程を継続して行う。そして、設定時間に達したとき、洗滌終了と判定し、ステップS14へ進み、洗滌水を排水する。洗滌水の排水は、洗滌消毒槽4の底部に開口されている排水口42に設けた切替弁43が動作されて、排水口42と外部排水口82とを連通させ、排水ポンプ44を駆動させて、強制的に排水させる。
【0072】
そして、排水が所定に終了した場合、切替弁43が動作されて排水口42が閉塞され、更に三方切替弁29が動作されて循環口21と給水・循環ノズル24とを遮断した後、ステップS15へ進み、消毒工程が開始される。
【0073】
消毒工程が開始されると、先ず、薬液ポンプ28の駆動により、消毒液タンク12に貯留されている消毒液が消毒液ノズル23に送給され、この消毒液ノズル23から洗滌槽4に消毒液が供給される。この状態では、循環口21と管路/漏検用コネクタ37とが連通されているため、CHポンプ32の駆動により、洗滌槽4に貯留されている消毒液が、内視鏡本体101の各管路106〜109に注入される。そして、洗滌消毒槽4に供給された消毒液の水位が設定水位に達した後、消毒液を設定時間だけ循環させる。
【0074】
その後、設定時間に達したとき、CHポンプ32の駆動が停止され、設定時間だけ内視鏡本体101が消毒液に浸漬される。この場合も、本形態による内視鏡本体101の各管路106〜109は、略ストレート状に配管されているため、消毒液が満遍なく管路内部行き渡る。
【0075】
次いで、ステップS16においては、内視鏡本体101の浸漬時間を計測し、浸漬時間が設定時間に達したとき、消毒終了と判定し、ステップS17へ進む。ステップS17では消毒液の回収が行われる。消毒液は、ある回数繰り返し使用されるため、切替弁43が動作されて、排水口42が消毒液タンク12に連通され、洗滌消毒槽4に貯留されている消毒液が消毒液タンク12内に回収される。
【0076】
消毒液が消毒液タンク12に所定に回収された後、ステップS18へ進み、すすぎ工程が開始される。すすぎ工程が開始されると、先ず、三方切替弁29が駆動され、給水・循環ノズル24が水フィルタ14側に連通され、給水・循環ノズル24から水フィルタ14によって濾過された水道水が洗滌槽4に供給される。そして、水道水が所定の水位に達した後、三方切替弁29が閉じられ、洗滌工程と同様、洗滌消毒槽4に貯留されている水道水を循環させる。そして、設定時間が経過した後、排水する。
【0077】
ステップS19では、すすぎの回数Nが計数され、すすぎの回数Nが設定回数に達したとき、すすぎ工程が終了と判定される。そして、最後のすすぎ工程において使用した水道水が所定に排水された後、ステップS20へ進み、送気工程が開始される。送気工程が開始されると、CHブロック31が駆動されて、コンプレッサ34と管路/漏検用コネクタ37とを連通し、内視鏡本体101の各管路106〜109に圧縮空気を送気し、各管路106〜109内を除水、乾燥させる。
【0078】
ステップS21では、コンプレッサ34による送気時間を計時し、設定時間に達したとき送気工程が終了と判断され、コンプレッサ34が停止された後、ステップS22へ進む。
【0079】
ステップS22では、アルコールフラッシュ工程が開始される。アルコールフラッシュ工程では、先ず、CHブロック31を駆動させて、アルコールタンク13と管路/漏検用コネクタ37とを連通させ、アルコールポンプ13Aの駆動により、アルコールタンク13に貯留されているアルコールを少量だけ、内視鏡本体101の各管路106〜109へ送液する。次いで、CHブロック31が再び駆動され、管路/漏検用コネクタ37がコンプレッサ34に連通され、コンプレッサ34の駆動により、圧縮空気が内視鏡本体101の各管路106〜109に送気される。
【0080】
そして、圧縮空気と共にアルコールが内視鏡本体101の各管路106〜109へ供給され、アルコールにより、各管路106〜109に残留する僅かな水分の蒸発が促され、各管路106〜109内は早期に乾燥される。
【0081】
ステップS23では、圧縮空気の送気時間を計時し、設定時間に達したとき、アルコールフラッシュ工程の終了と判定され、すべての工程が終了する。
【0082】
このように、本形態では、使用済みの内視鏡本体101を洗滌消毒するに際し、内視鏡本体101に形成されているスコープコネクタ部105aを装置本体3の管路/漏検用コネクタ37にワンタッチで装着することで、接続を完了させることができるので、煩雑な接続作業が不要となり、作業効率を向上させることができる。又、作業効率が向上したので、洗滌消毒に要する時間が短縮され、その分、内視鏡100の稼働効率を向上させることができる。更に、内視鏡本体101と装置本体3とは、各管路106〜109、及び漏水検知用口金118が接合される部位以外は、全て非接触式であるため、洗滌消毒中に洗滌水、消毒液等の液体が内視鏡本体101内に浸入することがなく、良好な防水性を得ることができる。
【0083】
ところで、図10に示す内視鏡洗滌消毒装置2による内視鏡本体101の洗滌消毒工程前のステップS8で実行される各種機能チェックにおいては、基本項目に加え、機種別項目のチェックも行っているが、機種別項目は、洗滌工程から消毒工程までの一連の処理工程中におけるバックグラウンドにおいて、行うようにしても良い。
【0084】
図12にバックグラウンドにおいて実行される内視鏡本体101の各種機能チェック工程の一例を示す。
【0085】
この工程では、先ず、ステップS31において、アングル用部材105Bによって動作される先端部のアングル動作チェックが行われる。アングル動作のチェックは、内視鏡側制御回路112からアングル用部材105Bに対してアングル動作信号が出力され、そのときの内視鏡像をモニタ26に表示させて、内視鏡像が動いているか否かによって正常に動作しているかどうかを調べる。
【0086】
ステップS32では、内視鏡側制御回路112から照明素子111に対して点灯信号が出力され、そのときの内視鏡像がモニタ26に表示される。ユーザは、モニタ26により所定の明るさが得られているかどうかを調べる。又、ステップS33では、ユーザは、モニタ26に表示されている内視鏡像を確認して、撮像素子110が正常に動作しているか否かを調べる。
【0087】
更に、ステップS34では、内視鏡本体101に内蔵されているバッテリユニット150の充電圧値の情報信号が電源回路151Aから出力され、制御回路46により所定の充電圧値が判別されることによって、バッテリ充電が完了しているか否かを調べる。所定のバッテリ充電圧値が検出されると、そのままステップS35に進む。
【0088】
ここで、内視鏡本体101のバッテリユニット150の所定の充電圧値が検出されない場合は、所定の充電圧値が検出されるまでバッテリユニット150への充電動作が行われる。そして、所定のバッテリ充電圧値が制御回路46に検出されると、ステップS35に進む。
【0089】
そして、ステップS35では、全ての動作が正常と判定されたときは、そのまま各種機能チェックを終了する。一方、1つでも異常が検出されたときは、ステップS36へ分岐し、異常の告知を行った後、ステップS37へ進み、現在の処理工程を停止させるか否かの入力待ちとなる。また、処理工程を停止させない場合は、そのまま各種機能チェックが終了される。一方、処理工程を停止させる場合は、ステップS37へ進み、現在の処理工程を停止させて、各種機能チェックが終了される。
【0090】
このように、内視鏡本体101の機種別項目が内視鏡洗滌消毒装置2の各処理工程中のバックグラウンドとして行うことができ、且つ、内視鏡本体101のバッテリユニット150の充電がされているか否かのチェック及びバッテリ充電動作が各処理工程中に行うことができる。そのため、内視鏡本体101単体でのバッテリ充電作業を行わなくてよい。以上の結果、内視鏡本体101の洗滌消毒に要する時間をより一層短縮することができ、相対的に内視鏡100の稼働効率を向上させることかできる。
【0091】
(第2の実施の形態)
本実施の形態においては、第1の実施の形態の内視鏡100の構成が異なる内視鏡100aに対応した内視鏡洗滌消毒システムであり、以下、図面に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態にて既に記述した内視鏡洗滌消毒装置2及び内視鏡100と同じ構成、作用、効果については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成、作用、効果のみを主に説明する。
【0092】
図13は、本実施の形態に係る内視鏡洗滌消毒装置の洗滌槽に内視鏡がセットされている図である。図14は、内視鏡の構成を説明するための図である。図15は、洗滌槽及び内視鏡の各コネクタ部を説明するための拡大図である。図16は、装置本体内の装置側制御回路の構成を示すブロック図である。図17は、スコープ側電源制御回路と非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。図18は、バッテリユニットと非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【0093】
図13に示すように、第1の実施の形態と同様に内視鏡洗滌消毒装置2の洗滌槽4に内視鏡本体101Aがセットされている。
洗滌槽4の管路/漏検用コネクタ37には、電力伝送手段である送受信コイル55aを有する非接触電源送受信ユニット55が配設されている。この非接触電源送受信ユニット55は、内視鏡本体101Aに電力を非接触的に供給している。
【0094】
また、洗滌槽4の中央領域部の収容凸部4bには、後述する内視鏡本体101Aに着脱自在なバッテリ電源手段であるバッテリユニット250が着脱可能に設置できるバッテリ収容部4Bが設けられている。このバッテリ収容部4Bには、図示していないが、電磁石ユニットが配設され、電磁石が励磁されてバッテリユニット250を所定に吸着固定している。このバッテリ収容部4Bにも非接触電源送受信ユニット220が配設され、バッテリユニット250を充電するための電力を非接触的な電磁誘導により供給している。
【0095】
先ず、図14に基づいて、内視鏡100Aの構成を説明する。尚、本実施形態における内視鏡100Aは、以下に説明する構成以外について第1の実施の形態の内視鏡100と同じ構成を有しているため、その説明を省略する。
内視鏡100Aは、第1の実施の形態と同様に、内視鏡本体101Aとユニバーサルコード103とが分離可能とされる。更に、内視鏡本体101Aは、着脱自在なバッテリユニット250を有している。このバッテリユニット250は、電力伝送手段である送受信コイル253と、バッテリ側電源制御回路252と、バッテリ251とを有している。すなわち、バッテリユニット250は、内視鏡本体101Aにおけるバッテリ電源手段である。
【0096】
また、内視鏡本体101Aの操作部104には、内視鏡側制御回路112に電源を供給するためのスコープ側電源制御回路260が内蔵されている。このスコープ側電源制御回路260は、送受信コイル261と接続されており、バッテリユニット250の送受信コイル253から電磁誘導により非接触に電力が供給されるようになっている。電源制御回路260は、バッテリユニット250からの電力を所定に整流し、内視鏡側制御回路112に供給する。
【0097】
次に、内視鏡本体101Aのスコープコネクタ部105aと管路/漏検用コネクタ37、バッテリユニット250と収容凸部4bのバッテリ収容部4Bの接合について説明する。
図15に示す、内視鏡本体101Aのスコープコネクタ部105aと管路/漏検用コネクタ37との接合は、基本的にユニバーサルコード103のコード側コネクタ部103aと同一の構成を有しており、夫々、互いに接合可能な構造となっている。このとき、管路/漏検用コネクタ37の非接触電源送受信ユニット55は、送受信コイル55aからスコープコネクタ部105aのスコープ側電源制御回路260の送受信コイル261へ電磁誘導により電力を非接触に供給する。送受信コイル261が受けた電力は、スコープ側電源制御回路260に供給される。
【0098】
内視鏡本体101Aから離脱されたバッテリユニット250とバッテリ収容部4Bとの接合は、基本的に内視鏡本体101Aのスコープコネクタ部105aの一部と同一の構成を有しており、夫々、互いに接合可能な構造となっている。このとき、バッテリ収容部4Bの非接触電源送受信ユニット220は、送受信コイル221からバッテリユニット250のバッテリ側電源制御回路252の送受信コイル253へ電磁誘導により電力を非接触に供給する。送受信コイル261が受けた電力は、スコープ側電源制御回路260に供給される。詳しくは、図16に示すように、制御回路46は、内視鏡本体101Aの給電用の送受信コイル55aを有する非接触電源送受信ユニット55と、バッテリユニット250の充電用の送受信コイル221を有する非接触電源送受信ユニット220と接続されている。従って、内視鏡本体101Aのスコープ側電源制御回路260の送受信コイル261は、制御回路46からの電力を送受信コイル55aにより非接触に供給される。また、バッテリ収容部4Bのバッテリユニット250の送受信コイル253は、制御回路46からの電力を送受信コイル221により非接触に供給される。
【0099】
次に図17及び図18を参照し、内視鏡本体101Aへの給電及びバッテリユニット250への充電動作について詳細に説明する。
先ず、内視鏡本体101Aへの電源供給について図17を使って説明する。
図17に示すように、スコープ側電源制御回路260は、電源制御IC260aなど電子部品から構成され、送受信コイル261と接続されている。スコープ側磁石265は、装置側マグネットスイッチ59aが対応した内視鏡本体101Aの位置に配設されている。非接触電源送受信ユニット55の充電制御回路59は、スコープ側磁石265が近接することにより磁力を受けた装置側マグネットスイッチ59aが作動したON信号を受けて、電力を送受信コイル55aに供給する。この送受信コイル55aに供給された電力は、スコープ側電源制御回路260の送受信コイル261に電磁誘導により、非接触式に送受信コイル261に供給される。
【0100】
そして、送受信コイル261に給電された電力は、スコープ側電源制御回路260により所定の電源電圧に整流され、内視鏡側制御回路112に供給される。内視鏡側制御回路112は、制御線を介して、内視鏡本体101Aの各種駆動系の機器に駆動信号を供給する。尚、内視鏡側制御回路112には、各種スイッチSW1,SW2などが配設されている。
【0101】
次に、バッテリユニット250は、バッテリ収容部4Bに設置された際の充電について、図18を使って説明する。
図18に示すように、バッテリユニット250は、バッテリ側磁石257と、充電用マグネットスイッチ256と、送受信コイル253と、給電用マグネットスイッチ255と、バッテリ側電源制御回路252と、バッテリ251を構成する各種電子部品から構成されている。バッテリ側磁石257は、非接触電源送受信ユニット220の装置側マグネットスイッチ59aと、充電用マグネットスイッチ256は、非接触電源送受信ユニット220の装置側磁石225と夫々が対応した位置に配設されている。
【0102】
なお、給電用マグネットスイッチ255は、内視鏡本体101Aにバッテリユニット250が接合されたときに、図17に示すスコープ側磁石265と対応した位置に配設され、スコープ側磁石265が近接することにより磁力を受けて作動するスイッチである。この給電用マグネットスイッチ255の作動により、バッテリユニット250が内視鏡本体101Aに電力を給電し、内視鏡本体101Aの各種機器に電源が供給される。
バッテリ側電源制御回路252は、SW(スイッチ)回路252aと充電回路252bを有しており、給電用マグネットスイッチ255及び充電用マグネットスイッチ256に接続されている。
【0103】
バッテリユニット250への充電動作については、非接触電源送受信ユニット220の装置側磁石225が充電用マグネットスイッチ256と近接することにより磁力を受けて作動し、ON信号をバッテリ側電源制御回路252の充電回路252bに供給される。そして、バッテリ側電源制御回路252は、SW回路252aをバッテリ251側に電力が供給されるように切りかえる。このとき、非接触電源送受信ユニット220の充電制御回路59の装置側マグネットスイッチ59aがバッテリ側磁石257に近接することにより磁力をうけON信号により、充電制御回路59から送受信コイル221に電力が供給される。そして、送受信コイル221の電力は、バッテリユニット250の送受信コイル253へ電磁誘導により供給される。次に、送受信コイル253に供給された電力がバッテリ側電源制御回路252を介してバッテリ251に所定の電圧だけ充電される。
【0104】
次に、このように構成された本実施の形態の内視鏡洗滌消毒システムによる内視鏡本体101Aの洗滌及び消毒する動作については、第1の実施の形態において説明したフローチャート図(図10〜図12)と同様に行われる。
なお、図10に示すステップS3において、洗滌槽4のバッテリ収容部4Bに設けられるバッテリユニット250への充電が開始され、ステップS4において、内視鏡本体101Aのスコープ側電源制御回路260により内視鏡本体101Aの所定周波数の電源が有効となる。図12におけるステップS34のバッテリ充電チェックは、バッテリユニット250の充電チェックがされるものである。
【0105】
以上、このように構成された本実施形態の内視鏡洗滌消毒装置2は、第1の実施の形態の効果に加え、着脱式のバッテリユニット250を備える内視鏡100Aに対応が可能である。また、バッテリユニット250は、洗滌槽4のバッテリ収容部4Bに設置されるため、充電動作と共に、洗滌及び消毒が可能となる。
【0106】
なお、第1、第2実施形態において、内視鏡洗滌消毒装置2は、バッテリユニット150、250のみを充電動作する機能を設けても良く、この充電機能は操作パネル25が操作されて開始されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】第1実施形態の内視鏡洗滌消毒システムの主に内視鏡洗滌消毒装置の構成を説明するための図である。
【図2】内視鏡洗滌消毒装置の洗滌槽に内視鏡がセットされている図である。
【図3】図3のI−I線に沿った洗滌槽の断面図である。
【図4】図3のII−II線に沿った洗滌槽の断面図である。
【図5】洗滌槽及び内視鏡の各コネクタ部を説明するための拡大図である。
【図6】内視鏡の構成を説明するための図である。
【図7】内視鏡の挿入部先端部分の拡大図である。
【図8】装置本体内の装置側制御回路の構成を示すブロック図である。
【図9】バッテリユニットと非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【図10】内視鏡洗滌消毒装置の動作フローチャート図である。
【図11】内視鏡洗滌消毒装置の動作フローチャート図である。
【図12】内視鏡本体の各種機能チェックの動作フローチャート図である。
【図13】第2実施形態の内視鏡洗滌消毒装置の洗滌槽に内視鏡がセットされている図である。
【図14】内視鏡の構成を説明するための図である。
【図15】洗滌槽及び内視鏡の各コネクタ部を説明するための拡大図である。
【図16】装置本体内の装置側制御回路の構成を示すブロック図である。
【図17】スコープ側電源制御回路と非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【図18】バッテリユニットと非接触電源送受信ユニットの回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0108】
106a〜109a・・・管路口金、56a〜59a・・・口金、4・・・洗滌消毒槽、19・・・高圧ノズル、25・・・操作パネル、26・・・モニタ、37・・・管路/漏検用コネクタ、51・・・電磁石ユニット、52・・・装置側送受信アンテナ、53・・・装置側漏水検知用口金、55a・・・送受信コイル、55・・・非接触電源送受信ユニット、101・・・内視鏡本体、104・・・操作部、105a・・・スコープコネクタ部、106・・・送気送水管路、107・・・副送水管路、108・・・吸引管路、109・・・鉗子管路、112・・・内視鏡側制御回路、113・・・トラックボール、115・・・送受信アンテナ、118・・・漏水検知用口金、120・・・圧力センサ、150・・・バッテリユニット、151・・・送受信コイル
代理人 弁理士 伊 藤 進
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給のためのバッテリ電源手段と、該バッテリ手段と接続される電気的に非接触状態にて電力を伝送する内視鏡側電力伝送手段と、を備える内視鏡本体と、
前記内視鏡本体の洗滌及び消毒を行う内視鏡洗滌消毒装置と、
を具備し、
前記内視鏡洗滌消毒装置は、電気的に非接触状態にて電力を伝送する装置側電力伝送手段を有し、
前記装置側電力伝送手段が前記内視鏡側電力伝送手段に非接触にて電力を伝送することにより前記バッテリ電源手段に電力が供給充電可能であることを特徴とする内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項2】
前記バッテリ電源手段への前記供給充電は、前記内視鏡洗滌消毒装置の洗滌工程及び消毒工程の工程中に行うことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項3】
前記内視鏡側電力伝送手段は、前記バッテリ電源手段へ充電された電力を制御するバッテリ電源制御手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内視鏡内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項4】
さらに、前記内視鏡本体は、バッテリ側電力伝送手段を有する着脱自在な前記バッテリ電源手段を有し、
前記内視鏡洗滌消毒装置は、離脱された前記バッテリ電源手段を設置できる収容部を有し、
前記装置側電力伝送手段が前記バッテリ側電力伝送手段に非接触にて電力を伝送し、前記バッテリ電源手段に前記電力が供給充電可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項5】
離脱された前記バッテリ電源手段は、単体で充電可能であることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項6】
前記内視鏡本体と前記内視鏡洗滌消毒装置との双方に、
双方向無線通信可能な情報伝達手段が備えられ、
前記内視鏡洗滌消毒装置は、前記内視鏡本体の前記情報伝達手段からの各種情報信号により、洗滌工程及び消毒工程の工程中に、前記内視鏡本体の各種機能チェック及び前記バッテリ電源手段の充電チェックを行うことを特徴とする請求項1から請求項5に記載の内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項1】
電力供給のためのバッテリ電源手段と、該バッテリ手段と接続される電気的に非接触状態にて電力を伝送する内視鏡側電力伝送手段と、を備える内視鏡本体と、
前記内視鏡本体の洗滌及び消毒を行う内視鏡洗滌消毒装置と、
を具備し、
前記内視鏡洗滌消毒装置は、電気的に非接触状態にて電力を伝送する装置側電力伝送手段を有し、
前記装置側電力伝送手段が前記内視鏡側電力伝送手段に非接触にて電力を伝送することにより前記バッテリ電源手段に電力が供給充電可能であることを特徴とする内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項2】
前記バッテリ電源手段への前記供給充電は、前記内視鏡洗滌消毒装置の洗滌工程及び消毒工程の工程中に行うことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項3】
前記内視鏡側電力伝送手段は、前記バッテリ電源手段へ充電された電力を制御するバッテリ電源制御手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内視鏡内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項4】
さらに、前記内視鏡本体は、バッテリ側電力伝送手段を有する着脱自在な前記バッテリ電源手段を有し、
前記内視鏡洗滌消毒装置は、離脱された前記バッテリ電源手段を設置できる収容部を有し、
前記装置側電力伝送手段が前記バッテリ側電力伝送手段に非接触にて電力を伝送し、前記バッテリ電源手段に前記電力が供給充電可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項5】
離脱された前記バッテリ電源手段は、単体で充電可能であることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡洗滌消毒システム。
【請求項6】
前記内視鏡本体と前記内視鏡洗滌消毒装置との双方に、
双方向無線通信可能な情報伝達手段が備えられ、
前記内視鏡洗滌消毒装置は、前記内視鏡本体の前記情報伝達手段からの各種情報信号により、洗滌工程及び消毒工程の工程中に、前記内視鏡本体の各種機能チェック及び前記バッテリ電源手段の充電チェックを行うことを特徴とする請求項1から請求項5に記載の内視鏡洗滌消毒システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−6569(P2006−6569A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186956(P2004−186956)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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