説明

内視鏡装置

【課題】 複数のユーザが同一の内視鏡を使用した場合でも、ユーザ毎の情報の記憶が可能である内視鏡装置を提供する。
【解決手段】 体腔内を撮像する内視鏡2は、内視鏡2からの撮像信号データを信号処理する画像処理装置3と接続される。画像処理装置3は、内視鏡2を使用するユーザの情報を入力するキーボード32が設けてある。内視鏡2には、キーボード32により入力された情報を記憶する不揮発性メモリ12が設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内に挿入され撮像等を行う内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための設定情報を、内視鏡側で記憶する手段を有する内視鏡装置が提案されている。
例えば、特開平9−113820号公報では、電子内視鏡側に、被観察画像の表示色に関する固有データを記憶するメモリを設け、コントロールユニット側で調整された固有データを前記電子内視鏡側にあるメモリに記憶する。
また、特公平8−22272号公報では、内視鏡本体に、少なくとも撮像して表示する際の設定条件として必要な諸情報を記憶する書き換え可能な記憶部を設け、ビデオプロセス側の記憶部制御手段により、前記諸情報の読み出し、書き込みを行う。
その他、内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための設定情報を信号処理装置側に記憶する内視鏡装置も、提案されている。
【特許文献1】特開平9−113820号公報
【特許文献2】特公平8−22272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、複数のユーザがいる病院施設においては、同一のスコープに対して複数のユーザが使用する事が多い。
ところが、複数のユーザが、内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための設定情報を、内視鏡側に記憶する場合、前述した従来例では、以下の手段を行う事ができない。
a.同一の内視鏡に、複数のユーザ毎に、前記設定情報を記憶すること。
b.前記内視鏡から、前記設定情報を、ユーザ毎に読み出すこと。
そのため、あるユーザが、1つの内視鏡に前記設定情報を記憶しても、別のユーザが同一のスコープを使う際には、前記設定情報を上書きして新しい設定情報を記憶してしまうため、ユーザは、各自で記憶した設定情報を読み出す事ができず、問題であった。
【0004】
(発明の目的)
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、複数のユーザが同一の内視鏡を使用した場合でも、ユーザ毎の情報の記憶が可能である内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、体腔内を撮像する内視鏡と、前記内視鏡からの撮像信号データを信号処理する信号処理装置を有し、前記内視鏡と信号処理装置は着脱可能である内視鏡装置において、
前記内視鏡を使用するユーザの情報を入力する入力手段と、
前記内視鏡に設けられ、前記入力手段により入力された前記ユーザの情報を記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数のユーザが同一の内視鏡を使用した場合でも、ユーザ毎の情報の記憶が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0008】
図1ないし図8は本発明の実施例1に係り、図1は実施例1を備えた内視鏡システムの構成図、図2は図1における通信機能を備えた画像処理装置を含む内視鏡装置の構成図、図3は内視鏡内の電源ON後の立ち上げ時の動作を示すフローチャート、図4は通信機能を有する画像処理装置又は洗浄装置からシリアルインターフェースで受信したデータの処理動作を示すフローチャート、図5は内視鏡の通電回数を累積する動作のフローチャート、図6は内視鏡からシリアルインターフェースで送信され、通信機能を有する画像処理装置に受信された受信データの処理動作を示すフローチャート、図7は通信機能を有する画像処理装置からシリアルインターフェースで送信する処理動作のフローチャート、図8は通電回数を判定する処理動作のフローチャートを示す。
【0009】
図1に示す内視鏡システム1は内視鏡2と、この内視鏡2に接続可能な周辺機器(周辺装置)として例えば、内視鏡2と通信する機能を有する画像処理装置3A、及び通信機能を有さない画像処理装置3B、内視鏡2と通信する機能を有する洗浄装置3Cと、画像処理装置3A或いは画像処理装置3Bに接続されるモニタ4とから構成され、内視鏡検査或いは内視鏡診断を行う場合には内視鏡2に画像処理装置3Aを接続し、この画像処理装置3Aにさらにモニタ4を接続した構成の内視鏡装置として或いは内視鏡2に画像処理装置3Bを接続し、この画像処理装置3Bにさらにモニタ4を接続した構成の内視鏡装置として行う。
また、内視鏡検査或いは診断を行った後には、内視鏡2に洗浄装置3Cを接続して内視鏡2を洗浄する。
【0010】
この内視鏡2は通信機能2aを有し、この通信機能2aにより、接続された周辺装置から送られた装置判別のデータ等から、装置判別機能2bによって内視鏡検査或いは診察時に使用される周辺装置であるか否かを判別し、内視鏡検査或いは診察時に使用される周辺装置であると判別した場合には記憶部2cで使用回数を1累積し、内視鏡検査或いは診察時以外で使用される周辺装置であると判別した場合には使用回数を変更しないようにする。
【0011】
具体的には、上記2つの画像処理装置3A、3Bは内視鏡検査或いは診断時に使用されるため、内視鏡2が2つの画像処理装置3A、3Bのいずれと接続された時にも、通電された回数は使用回数として累積するようにする。
【0012】
一方、洗浄装置3Cなどの通信機能を有する、画像処理装置3A以外の周辺装置では、内視鏡2から通電回数などのデータを受信するが、内視鏡検査或いは診断時以外に使用するため、その通電回数を使用回数として累積しない。
図2は、本発明の実施例1の内視鏡2と、これに接続された例えば通信機能を備えた画像処理装置3A及びモニタ4とからなる内視鏡装置5の具体的な構成を示す。
【0013】
内視鏡2は、被検体を撮像して電気信号に変換するために挿入部6の先端に配置された対物レンズ7及び固体撮像素子としてのCCD8、画像処理装置3A内のCCD駆動電源9から供給されたCCD駆動電圧を所望の電圧に変換するレギュレータ11、内視鏡2の種類・CCD8の種類・累積された通電回数などの内視鏡2に関連する複数のデータを記憶保持するEEPROM又はフラッシュROMなどの書き換え可能な不揮発性メモリ12、通電回数の累積を行う処理、前記複数のデータを画像処理装置3Aへシリアルインターフェースで送受信する通信処理、前記複数のデータを前記不揮発性メモリ12に書き込み又は読み出しを行う処理などの複数の演算処理を行い、ROM、RAM、ウォッチドッグタイマ(WDT)、シリアル通信コントローラ(SIO)、パラレル通信コントローラ(PIO)、カウンタ(CTC)などを内蔵したワンチップマイコンであるCPU13、前記複数のデータを1本の信号線で送受信を行なうために、CPU13によって制御され、送信側か受信側かを切替えるためのセレクタ15、CPU13及び不揮発性メモリ12の誤動作を防ぐため、電源電圧の変動、低下を検出してリセット信号を出力する電源電圧検出器16、及び着脱自在で接続するためのコネクタ17、照明光を伝送して先端面から出射する図示しないライトガイドなどから構成されている。
【0014】
又、画像処理装置3Aは、内視鏡2内のCCD8に電源を供給するためのCCD駆動電源9、前記CCD8により光電変換された映像信号の画像処理を行う映像信号処理回路18、複数の演算処理を行うCPU21、CPU21を動作させるプログラム及び前記内視鏡2からシリアルインターフェースで送信された複数のデータを記憶保持する書き換え可能なROM22、演算用メモリRAM23、内視鏡2に複数のデータをシリアルインターフェースで通信するために、前記複数のデータをシリアル変換して送受信を行なうシリアル通信コントローラ(SIO)24、パラレル通信コントローラ(PIO)25、CPU21の暴走を防止するためのウォッチドッグタイマ(WDT)26、カウンタタイマ(CTC)27、映像信号処理回路18により映像処理された内視鏡画像及び患者データ・日時・コメントなどの表示を制御する表示コントローラ28、表示コントローラ用メモリである表示メモリ29、映像信号処理回路18からの内視鏡画像と、表示コントローラ28から出力される患者データ・日時・コメントの表示データを切り替える映像信号切替回路30、映像信号切替回路30の切替え制御を行う制御信号生成回路31、患者データ・コメントなどを入力するキーボード32、前記画像処理装置3Aの操作を行う操作パネル33、LED34、ブザー35、コネクタ36及び図示しない調光制御部及び光源部等から構成される。
【0015】
前記映像信号切替回路30からの出力はモニタ4により表示され、内視鏡2と画像処理装置3Aはケーブル37により接続されている。
なお、前記図1の画像処理装置3B内の構成は、例えば前記画像処理装置3A内の構成のうち、内視鏡2とシリアルインターフェースで通信を行う部分を除いたものであり、また、洗浄装置3C内の構成は、例えば前記画像処理装置3A内の構成のうち、映像処理回路18など映像関連部分を除いたものであるが、両方とも、CCD駆動電源9は有し、内視鏡2に電源供給を行う。
【0016】
続いて、本発明の実施例1の動作について図3〜5の内視鏡2内の動作及び図6〜8の画像処理装置3A内の動作のフローチャートを参照して説明する。
まず、内視鏡2が画像処理装置3Aと接続してから電源ON時、又は内視鏡2が、電源ONしている画像処理装置3Aと接続する時には、図2に示す画像処理装置3A内のCCD駆動電源9からコネクタ17,36,ケーブル37を経由して内視鏡2側に電圧が供給され、CCD8により被検体の撮像が始まると共に、レギュレータ11で所望の電圧に変換された電圧がCPU13、不揮発性メモリ12、電源電圧検出器16、セレクタ15に供給され、CPU13の内部にあるROMに格納されたプログラムよりCPU13が起動する。
【0017】
CPU13は、前記プログラムにより、CPU13及びCPU13内部のSIO、PIO、WDT、CTCの初期化などの初期設定を行った後(図3のステップS1参照)、内視鏡2と接続された装置を判別するために、装置の判別データ要求コマンドをCPU13内のSIOからセレクタ15を経由して、画像処理装置3Aに送信し(図3のステップS2)、一定時間待機する(図3のステップS3)。
【0018】
画像処理装置3Aは、図2の構成により、内視鏡画像表示処理、画質調整処理、患者データ(ID.No,患者名、性別、生年月日、年齢など)及びコメントデータの管理(登録・読み出し)、キーボード32・操作パネル33・LED34・ブザー35の制御などを行っているが、内視鏡2から送信された判別データ要求コマンドが受信されると、図6のステップS19に示すように、判別データ要求コマンドであるかの判断で、判別データ要求コマンドである事を認識すると、接続されている装置が画像処理装置3Aである事を示す判別データを送信する(図6のステップS20)。
【0019】
内視鏡2は、画像処理装置3Aから送信された判別データを前記一定時間内に受信したかを判断し(図3のステップS4)、この一定時間内に判別データを受信すると、CPU13内のROM、RAM又は、不揮発性メモリ12に記憶しておく。
【0020】
次に、画像処理装置3Aから、図7に示すように内視鏡情報要求コマンドが内視鏡2に送信される(ステップS24)と共に、通電回数要求コマンドが内視鏡2に送信される(ステップS25)。
【0021】
前記コマンド(内視鏡情報&通電回数要求コマンド)を受信した内視鏡2は、図4に示すようにこのコマンドであることを判断し(ステップS9)、さらに(図3のステップS4により)前記受信した判別データから、接続装置が画像処理装置3Aである事を認識し(ステップS10)、内視鏡情報(内視鏡種類・CCD情報・内視鏡2のシリアルNoなど)及び累積した通電回数データを画像処理装置3Aに送信した後(ステップS12)、通電回数を+1累積して(ステップS13)データ受信の処理を終了する。
【0022】
なお、通電回数を累積する動作(ステップS13)は、前記内視鏡情報&通電回数データを送信する処理(つまりステップS12)の前に行ってもよく、図3で判別データを受信した(ステップS4)後に、判別データから画像処理装置3Aである事を認識し、通電回数を累積する動作を行っても良い。
【0023】
通電回数を累積するためには、図5に示すように、まず不揮発性メモリ12から、前回までの累積された通電回数を読み出し(ステップS15)、CPU13により、通電回数を+1累積した後(ステップS16)、不揮発性メモリ12に累積された通電回数を書き込む処理を行う(ステップS17)。
【0024】
内視鏡2より送出された、前記内視鏡情報及び通電回数データを受信した画像処理装置3Aは図6のステップS21に示すように受信したデータが内視鏡情報&通電回数データであるかを判断し、内視鏡情報&通電回数データであると判断すると、前記受信したデータより通電回数データ判定を行う(ステップS22)。
【0025】
この通電回数データ判定の処理は、図8に示すように前記受信した内視鏡情報から判定値を決定し、前記受信した通電回数と判定値との比較を行い(ステップS27)、例えば通電回数が前記判定値以上の場合には、図2の画像処理装置3A内にあるCPU21、表示コントローラ28、表示メモリ29、制御信号生成回路31及び映像信号切替回路30により、点検時期である事をモニタ4に表示し(ステップS28)、ブザー35を鳴らし(ステップS29)、LED34を点灯又は、点滅する(ステップS30)。
【0026】
これより、使用者は内視鏡2の点検時期を知る事が可能である。なお、前記点検時期を知らせる手段は、前記複数の手段の内1つ又は2つだけ行ってもよい。 また、内視鏡2から受信した通電回数データは、キーボード32又は操作パネル33からの指示により、CPU21、表示コントローラ28、表示メモリ29、制御信号生成回路31及び映像信号切替回路30を制御する事で、前記通電回数データをモニタ4に表示しても良い。
【0027】
一方、内視鏡2が洗浄装置3Cと接続された時には、洗浄装置3Cの電源ON後、画像処理装置3Aと接続した場合と同様に、洗浄装置3Cは、接続装置が洗浄装置3Cである事を示す判別データの送信を行う。その後、内視鏡2は、図4のステップS10で画像処理装置以外の装置である事を判別し、前記内視鏡情報及び通電回数データを装置36に送信し(ステップS11)、この場合には通電回数を累積しないでデータ受信の処理を終了する。
【0028】
なお、図4において、画像処理装置3A以外の装置である事を判別する動作(ステップS10)は、図3の、判別データ受信後に(ステップS4の後に)行っても良い。
【0029】
他方、内視鏡2が通信機能を有しない画像処理装置3Bと接続時には、内視鏡2は判別データ要求コマンドを送信する(ステップS2)が、前記画像処理装置3Bは判別データを送信する機能を有さないため、内視鏡2は判別データを受信しない。
【0030】
内視鏡2は、図2のステップS3で一定時間待機後、判別データが受信されなかった場合は(ステップS4)、くり返し回数nをダウンカウント後(ステップS6)、再び判別データ要求コマンドを送信し(ステップS2)、前記コマンド送信をn回行ってnが0になった時(ステップS5)、画像処理装置3Bと接続したとみなし、通信回数を累積する(ステップS7)。
【0031】
このように、本実施例によれば、比較的簡単な構成で、内視鏡2に接続された周辺装置を判別する事により、通電回数の累積をするかしないか決定し、これより内視鏡2が内視鏡診察(内視鏡検査)に使用された時のように使用の回数として積算(累積)しなければならないような所望とする使用時の回数を正確に求める事ができる。
【0032】
また、通信機能を有する画像処理装置3Aと接続時には、この画像処理装置3Aにおいて、累積された通電回数から点検時期を判別し、点検時期をモニタ4に表示、ブザー35、LED34或いはランプの点灯又は点滅等で知らせる事により、使用者は点検時期を知る事ができる。
【実施例2】
【0033】
次に、本発明の実施例2について説明する。図9〜13は、本発明の第2実施の形態の動作を示すフローチャートであり、図9,10,13は内視鏡2内の動作を示し、図9は内視鏡2内の電源ON後の立ち上げ動作を示すフローチャート、図10は画像処理装置3A又は装置3Cからシリアルインターフェースで受信した複数のデータ要求コマンドに対する処理動作を示すフローチャート、図13は通電回数を判別し判別結果を決定する処理動作を示すフローチャートである。
【0034】
図11、12は、画像処理装置3A内の動作を示し、図11は内視鏡2から送信された複数のデータをシリアルインターフェースで受信した時の前記複数のデータの処理動作を示すフローチャートであり、図12は、前記画像処理装置3Aから内視鏡2にシリアルインターフェースで送信する場合の処理動作を示すフローチャートである。
【0035】
まず、内視鏡2が画像処理装置3Aと接続時には、実施例1と同様に、画像処理装置3A内のCCD駆動電源9から電源を供給された内視鏡2は、図9に示すように初期設定後(ステップS31)、一定時間待機する(ステップS32)。
【0036】
画像処理装置3Aは、内視鏡2のコネクタ17にある図示しない複数のスコープ検知ピンにより、内視鏡2が画像処理装置側と接続した事を検知した後、前記一定時間内に、カウント要求コマンド、内視鏡情報要求コマンド、通電回数要求コマンド、データ判定結果要求コマンドなどのコマンドデータを送信する(ステップS53)。
【0037】
なお、装置側が、内視鏡2と接続した事を検知する手段は、コネクタ17にある検知ピンとケーブル37及びコネクタ36との機械的接触によるものでも良く、検知ピンからケーブル37を経由してコネクタ36に供給される電圧レベルにより検知しても良い。
【0038】
コマンドデータを受信した内視鏡2は接続している装置が、通信機能を有する装置(3A又は3C)である事を判断する。そして受信したコマンドデータが、カウント要求コマンドの場合(ステップS37)は、画像処理装置3Aと接続したと判断し、通電回数を累積する(ステップS38)。
【0039】
また、受信したコマンドデータが内視鏡情報又は通電回数要求コマンドの場合(ステップS39)は、内視鏡情報又は通電回数データを送信し、(ステップS40)、通電回数判定結果要求コマンドの場合(ステップS41)は通電回数の判定処理(ステップS42)の後、判定結果データを送信する(ステップS43)。この通電回数を累積する方法は実施例1の図5のフローチャートと同じである。
【0040】
ステップS42の通電回数を判定する動作は図13に示され、不揮発性メモリ12から通電回数を読み出し(ステップS57)、その通電回数を内視鏡の種類、CCD種類及びスコープ個々の特性により決定される判定値と比較し(ステップS58)、例えば通電回数が判定値以上の場合は、判定結果を1とし(ステップS60)、点検時期である事を示す。
一方、例えば判定値未満の場合は、判定結果を0とし(ステップS59)、点検時期でない事を示す。
【0041】
内視鏡2から送信された前記内視鏡情報、通電回数データ、及び判定結果は画像処理装置3Aに受信され、図11に示すように内視鏡情報又は通電回数データであるかの判断(ステップS45)の後、これに該当する場合にはROM22又はRAM23などのメモリに記憶される(ステップS46)。
【0042】
また、判定結果データの判断(ステップS47)により、判定結果データである場合には、判定結果が1かの判断(ステップS48)を行い、判定結果が1である場合は、第1実施の形態と同様に、点検時期である事をモニタに表示(ステップS49)、ブザー35を鳴らし(ステップS50)、LED34を点灯又は、点滅する(ステップS51)。
【0043】
これより、使用者は内視鏡2の点検時期を知る事が可能である。なお、前記点検時期を知らせる手段は、前記複数の手段の内1つ又は2つだけ行ってもよい。
【0044】
なお、前記通電回数データ判定処理は、前記内視鏡2から判定結果データを送信する方法の他、実施例1の図8に示すように、内視鏡2から受信した通電回数データにより、画像処理装置3A側で判定処理すべてを行う方法でも良い。
【0045】
また、画像処理装置3Aから送信されるカウント要求コマンド&内視鏡情報&通電回数要求コマンド、及び判定結果要求コマンドデータは、いずれか1つだけ送信してもよい。 一方、内視鏡2が洗浄装置3Cと接続時には、画像処理装置3Aと接続した場合と同様に、洗浄装置3Cは接続装置が洗浄装置3Cは内視鏡情報要求コマンド、通電回数要求コマンド、データ判定結果要求コマンド等のコマンドデータを送信するが、カウント要求コマンドは、送信しない。
【0046】
コマンドデータを受信した内視鏡2は、接続している装置が、通信機能を有する装置である事を判断すると共に、カウント要求コマンドを受信しない事から(ステップS37)、洗浄装置3Cと接続したと判断し、通電回数の累積は行わない。その他のコマンドデータに対する処理は実行する(ステップS39〜S43)。
【0047】
他方、内視鏡2が通信機能を有しない画像処理装置3Bと接続時には、内視鏡2は電源ON後、一定時間待機するが(図9のステップS32)、この画像処理装置3Bはデータを送信する機能を有さないため、内視鏡2は、一定時間待機後のデータ受信の判断(ステップS33)の際にデータが受信されず、接続装置が画像処理装置3Bとみなし、一定時間経過後(ステップS34)、通電回数を累積する(ステップS35)。
【0048】
このように、本実施例によれば、内視鏡2に接続された周辺装置を判別する事により、通電回数の累積をするかしないか決定し、これより所望の内視鏡2の使用回数を知る事ができる。
【0049】
また、通電回数の累積を一定時間経過後に行う事により、例えば前記内視鏡2と接続した周辺装置の動作確認を行うため前記周辺装置とを電源ON後すぐに電源OFFするような場合には、前記一定時間以内に電源OFFになるため、通電回数を累積しない。
【0050】
また、通信機能を有する画像処理装置3Aと接続時には、内視鏡2において、累積された通電回数から点検時期を判別して、判定結果を画像処理装置3Aに送信し、画像処理装置3Aにおいて、前記判定結果から点検時期をモニタ4に表示、ブザー35、LED34又はランプの点灯又は点滅等で知らせる事により、使用者は点検時期を知る事ができる。 なお、前記実施例1及び実施例2において、内視鏡2及び画像処理装置3Aが前記複数のデータ及びコマンドを送受信する場合、正常に送信が行われた事を確認する方法として、前記データ及びコマンドを受信した側が、正常に送信されたかを示すために、何らかの応答コマンドを送信側に送り返してもよい。
【0051】
また、接続装置を判別する手段は、前記接続装置が前記データを内視鏡2に送信する方法の他、接続装置側のコネクタの形状によって接続装置の判別を行ってもよく、前記2つの判別方法を併用してもよい。
【0052】
また、内視鏡2内のCPU13、レギュレータ11、電源電圧検出器16、不揮発性メモリ12、セレクタ15に電圧を供給するための電源は、CCD駆動電源9の他、前記内視鏡2と接続する複数の装置内に独自の電源を用意してもよい。
また、内視鏡2は、電子内視鏡の他、イメージガイドを使用した光学式内視鏡(ファイバスコープ)であってもよい。
【0053】
以上説明したように、第1及び実施例2によれば、内視鏡2と接続した周辺装置を判別する手段により、特定の周辺装置を判別した場合のみ、通電回数を累積し、内視鏡2側に設けた不揮発性メモリ12に記憶する。
【0054】
一方、前記内視鏡2の点検時期に関する情報と前記内視鏡2側の不揮発性メモリ12に記憶された通電回数から点検時期を判定し、判定結果を表示、警報、点灯、又は点滅して、点検時期を知らせる。
【0055】
これより、構成が容易であり、かつ、例えば内視鏡2が診察時に使用された時のみ、使用回数を累積可能であるため、所望の使用状態時の回数を正確に得る事ができ、よって所望の点検時期を正確に知る事ができる。
【実施例3】
【0056】
図14は、本発明の実施例3を備えた内視鏡装置5′における内視鏡2及び画像処理装置3の詳細な構成を示すブロック図である。
この内視鏡2は、被検体を撮像して電気信号に変換するために挿入部6の先端に配置された対物レンズ7及びその結像位置に配置された固体撮像素子として例えばCCD8を有する電子内視鏡であり、この内視鏡2はさらに、画像処理装置3内のCCD駆動電源9から供給されたCCD駆動電圧を所望の電圧に変換するレギュレータ11、複数のデータを記憶保持するEEPROM又はフラッシュROMなどの書き換え可能な不揮発性メモリ12、前記複数のデータを画像処理装置3へシリアルインターフェースで送受信する通信処理、前記複数のデータを前記不揮発性メモリ12に書き換え又は読み出しを行う処理などの複数の演算処理を行い、ROM、RAM、ウォッチドッグタイマ(WDT)、シリアル通信コントローラ(SIO)、パラレル通信コントローラ(PIO)、カウンタ(CTC)などを内蔵したワンチップマイコンであるCPU13、前記複数のデータを1本の信号線14の送受信を行なうために、CPU13によって制御され、送信側か受信側かを切替えるためのセレクタ15、CPU13及び不揮発性メモリ12の誤動作を防ぐため、電源電圧の変動、低下を検出してリセット信号を出力する電源電圧検出器16、及びコネクタ17、図示しないライトガイドなどから構成されている。
【0057】
又、画像処理装置3は、内視鏡2内のCCD8に電圧を供給するためのCCD駆動電源9、前記CCD8により光電変換された映像信号の画像処理を行なう映像信号処理回路18、複数の演算処理を行うCPU21、CPU21を動作させるプログラム及び前記内視鏡2からシリアルインターフェースで送信された複数のデータを記憶保持する書き換え可能なROM22、演算用メモリRAM23、内視鏡2に複数のデータをシリアルインターフェースで通信するために、前記複数のデータをシリアル変換して送受信を行うシリアル通信コントローラ(SIO)24、パラレル通信コントローラ(PIO)25、CPU21の暴走を防止するためのウォッチドッグタイマ(WDT)26、カウンタタイマ(CTC)27、映像信号処理回路18により映像処理された内視鏡画像及びユーザ名・患者データ・日時・コメントなどの表示を制御する表示コントローラ28、表示コントローラ用メモリである表示メモリ29、映像信号処理回路18からの内視鏡画像と、表示コントローラ28から出力されるユーザ名・患者データ・日時・コメントの表示データを切り替える映像信号切替回路30、映像信号切替回路30の切替え制御を行う制御信号生成回路31、ユーザ名・患者データ・コメントなどを入力するキーボード32、ユーザ名表示スイッチ・表示設定パラメータ記憶スイッチ、表示設定パラメータリードスイッチ・表示設定選択スイッチなどの前記画像処理装置3の操作を行うスイッチ及び、画像のR及びBのゲイン調整スイッチ・画像拡大率切り替えスイッチ・画像強調レベル切り替えスイッチ・子画面表示スイッチなど映像信号を適切に表示するために必要な、表示設定パラメータの設定を行うためのスイッチを有する操作パネル33、LED34、ブザー35、コネクタ36及び図示しない調光制御部及び光源部から構成される。
前記映像信号切替回路30からの信号はモニタ4に出力され、内視鏡2と画像処理装置3はケーブル37により接続されている。
【0058】
図15は、本実施例における映像処理回路18の詳細を示すブロック図である。内視鏡2から伝送された映像信号は、A/D変換部40により、A/D変換した後、拡大部41で、内視鏡画像の拡大処理を行い、画像処理部42で、例えば、映像信号のR及びBのゲイン調整、又は、輪郭強調などの、色調調整及び強調処理を行う。
【0059】
その後、子画面合成部43で、内視鏡画像の子画面を作成して合成を行い、D/A変換部44により、D/A変換を行う。また、映像処理回路18内の各画像処理手段(つまり拡大部41,画像処理部42,子画面合成部43)は、CPU21からの制御信号により制御され、RAM23に格納された拡大率・R及びBのゲイン・画像強調・子画面表示ON/OFFなどの各表示設定パラメータに基づき、表示画面の設定が行われる。
【0060】
図16は、操作パネル33にある複数の表示設定パラメータのうち、映像信号のR及びB信号のゲイン調整を行うためのスイッチの一例を示す。45,46はR(赤の色信号)のゲインを増加及び減少させるためのスイッチ、47,48は、B(青の色信号)のゲインを増加及び減少させるためのスイッチであり、49,50は、それぞれR及びBの増減を表示するためのLEDである。
【0061】
スイッチ45〜48が1回押されると、PIO25を経由してCPU21に入力され、CPU21は、RAM23に格納されている、R又はBのゲインパラメータを1だけ変更して、再びRAM23に格納すると共に、映像信号処理回路18を制御して、R又はBのゲインをパラメータを1つ分、調整する。
【0062】
また、PIO25を通じて、操作パネル33のLED49又は50の表示を1だけ変更する。なお、前記R及びBゲイン調整スイッチの他、画像拡大率切り替えスイッチ・画像強調レベル切り替えスイッチ・子画面表示スイッチなど、その他の映像信号の表示設定パラメータの設定を行うためのスイッチについても、R,Bゲイン調整スイッチと同様に、PIO25を経由して、CPU21に入力される。
【0063】
そしてCPU21は、RAM23内にある各パラメータを変更すると共に、映像信号処理回路18を調整する事により、モニタ4に表示される画面の表示設定を行う。
【0064】
続いて、本実施例の動作について説明する。図17〜19は、モニタ4の表示画面を示す。図17,18は、ユーザ名表示画面4aを示し、それぞれユーザ名の入力前及び入力後を示す。図19は、内視鏡2で撮像された内視鏡画像の表示画面4bを示す。
【0065】
図20〜25は、本実施例の動作を示すフローチャート及び内視鏡2内にある不揮発性メモリ12のメモリマップを示す。より具体的には図20、21は、画像処理装置3及び内視鏡2内での表示設定パラメータの記憶処理を示すフローチャート、図22は、表示設定パラメータの記憶処理中における、不揮発性メモリ12のメモリマップを示す。図23,24は、画像処理装置3及び内視鏡2内での表示設定パラメータの読み出し処理を示すフローチャート、図25は、表示設定パラメータの読み出し処理中における、不揮発性メモリ12のメモリマップを示す。
【0066】
始めに、各表示設定パラメータの記憶処理について図20及び図21を参照して説明する。
まず、内視鏡2を、画像処理装置3に接続後、操作パネル33にある、図示しないユーザ名表示スイッチをONする(図20のステップS61)。このON信号は、PIO25を経由して、CPU21に入力される。CPU21は、前記ON信号により、表示コントローラ28及び映像信号切替回路30を、制御する事により、モニタ4にユーザ名表示画面4a(図17)を表示する。
【0067】
表示後、キーボード32によりユーザ名の文字を入力する(ステップS62)。入力された文字信号はSIO24を経由して、CPU21に入力される。CPU21は、表示コントローラ28を制御する事により、モニタ4に文字を表示する(図18)と共に、ユーザ入力文字が決定された場合、(例えばキーボード32からRETURNキーが入力された場合)RAM23に前記ユーザ入力文字を格納する。
【0068】
そして、ユーザ名表示スイッチをOFFした(ステップS63)後、OFF信号は、PIO25を経由して、CPU21に入力され、CPU21は、映像信号切替回路30を制御する事により、モニタ4に内視鏡画像の表示画面4b(図19)を表示する。
【0069】
表示後、モニタ4の画面を確認しながら、操作パネル33にある各表示設定パラメータスイッチを押す事により、PIO25を経由して、CPU21に入力され、CPU21は、前記スイッチによって設定された各表示設定パラメータをRAM23に格納すると共に、映像信号処理回路18を制御することにより、表示画面の設定を行う(ステップS64)。
【0070】
前記表示設定パラメータを設定後、操作パネル33にある図示しない記憶スイッチをONする(ステップS65)。そのON信号は、PIO25を経由して、CPU21に入力される。
【0071】
CPU21は、まずRAM23に格納されたユーザ名を読み出し、ユーザ名記憶コマンドと共に、SIO24を経由して、内視鏡2に送信する(ステップS66)。内視鏡2側では、CPU13が、前記ユーザ名を受信後(図21のステップS70)、ユーザ名を不揮発性メモリ12に記憶する(ステップS71)。
【0072】
図22は、表示設定パラメータの記憶処理における不揮発性メモリ12のメモリマップを示す。ユーザ名(例えば「USER1」)を不揮発性メモリ12の例えば00h番地に記憶し、次の01番地には、前記ユーザ名に関連付けて記憶する表示設定パラメータを格納するアドレス番地データ(例えば80h)を格納する。
【0073】
前記ユーザ名を不揮発性メモリ12に記憶後、画像処理装置3に応答コマンドを送信する(図21のステップS72)。画像処理装置3側では、SIO24を経由して、応答コマンドを受信後(図20のステップS67)、RAM23に格納された各表示設定パラメータを読み出し、表示設定パラメータ記憶コマンドと共に、SIO24を経由して内視鏡2に送信する(ステップS68)。
【0074】
内視鏡2側では、前記各表示設定パラメータを受信し(図21のステップS73)、不揮発性メモリ12の80h番地に記憶し、前もって記憶したユーザ名に関連づけて記憶する(ステップS74)。
【0075】
CPU13は、前記パラメータを不揮発性メモリ12に記憶後、画像処理装置3に、応答コマンドを送信し(ステップS75)、画像処理装置3では、SIO24を経由して、応答コマンドを受信して、記憶処理を終了する(図20のステップS69)。
【0076】
複数のユーザ各々について、各表示設定パラメータを不揮発性メモリ12に記憶する場合は、前記記憶処理を繰り返し行う。その時、内視鏡2内の不揮発性メモリ12内のメモリマップは、ユーザ名+ユーザ名に対応した表示設定パラメータを記憶するアドレス番地データを、アドレス02、04番地…と順に記憶し、各ユーザ名に対応した表示設定パラメータを84,88…番地に記憶する(図25参照)。
【0077】
なお、前記記憶処理では、ユーザ名設定後に、各表示設定パラメータを設定しているが、その順番に制限はなく、先に前記設定パラメータを設定後、ユーザ名を設定してもよい。
【0078】
次に、各表示設定パラメータの読み出し処理について説明する。
まず、内視鏡2を画像処理装置3に接続後、操作パネル33内にある、図示しないユーザ名表示スイッチをONする(図23のステップS76)。このON信号は、PIO25を経由して、CPU21に入力される。CPU21は、前記ON信号により、表示コントローラ28及び映像信号切替回路30を、制御する事により、モニタ4にユーザ名表示画面4a(図17)を表示する。
【0079】
表示後、キーボード32によりユーザ名の文字を入力する(ステップS77)。入力された文字信号はSIO24を経由して、CPU21に入力される。CPU21は、表示コントローラ28を制御する事により、モニタ4に文字を表示すると共に(図18)、ユーザ入力文字が決定した場合、(例えばキーボード32からRETURNキーが入力された場合)RAM23に前記ユーザ入力文字を格納する。
【0080】
ユーザ名表示スイッチをOFFすると(ステップS78)、OFF信号は、PIO25を経由して、CPU21に入力され、CPU21は、映像信号切替回路30を制御する事により、モニタ4に内視鏡画像の表示画面4b(図19)を表示する。表示後、操作パネル33内にある図示しない読み出しスイッチをONする(ステップS79)。
【0081】
ON信号は、PIO25を経由して、CPU21に入力される。CPU21は、まずRAM23に格納されたユーザ名を読み出し、表示設定パラメータ読み出しコマンドと共に、SIO24を経由して、内視鏡2に送信する(ステップS80)。内視鏡2側では、CPU13が、前記ユーザ名を受信後(図24のステップS85)、ユーザ名に対応した表示設定パラメータを読み出す。
【0082】
図25は、表示設定パラメータの読み出し処理中における不揮発性メモリ12のメモリマップを示す。まず、不揮発性メモリ12の、00h番地に格納されているユーザ名を読み出し(図24のステップS86)、受信したユーザ名と一致するか確認する(ステップS87)。
【0083】
一致した場合は、01番地に記憶された前記ユーザ名に関連付けて記憶されている表示設定パラメータを格納するアドレス番地を読み出して、ユーザ名に対応した表示設定パラメータを読み出し(ステップS88)、画像処理装置3に送信する(ステップS89)。 画像処理装置3側では、SIO24を経由して、前記表示設定パラメータを受信する(図23のステップS81)。CPU21は、受信した表示設定パラメータをRAM23に格納すると共に、映像信号処理回路18を制御して、モニタ4の表示画面の設定を行う(ステップS83)。
【0084】
一方、内視鏡2側において、受信したユーザ名と00h番地にあるユーザ名が一致しなかった場合は、不揮発性メモリ12からユーザ名を読み出すためのアドレス値を+02(h)し(図24のステップS90)、次のユーザ名を読み出し、受信したユーザ名と一致するか確認する(ステップS87)。
【0085】
一致した場合は、前記読み出し処理と同様に、不揮発性メモリ12から、前記ユーザ名に対応した表示設定パラメータを読み出した後に、画像処理装置3に送信する。しかし、アドレス値が、例えば(最後のユーザ名のアドレス値としての)1Ehを超えた場合は(ステップS91)、不揮発性メモリ12に記憶された全てのユーザ名と一致しないと判断し、No Dataコマンドを送信する(ステップS92)。
【0086】
画像処理装置3では、SIO24を経由して、前記コマンドを受信し、No Dataコマンドであるかの判断(図23のステップS82)により、これに該当することを確認した後、入力したユーザ名に対応した表示設定パラメータが、内視鏡2内の不揮発性メモリ12にない事を示すため、表示コントローラ28及び映像信号切替回路30を制御して、No Dataである事をモニタに表示する(ステップS84)。
【0087】
なお、前記読み出し処理では、操作パネル33にあるユーザ名表示スイッチをOFF後に、読み出しスイッチを押しているが、ユーザ名表示スイッチをOFFする前に押してもよい。
【0088】
また、本実施例において、操作パネル33の各スイッチは、各スイッチがONの場合は、各スイッチに対応した図示しないLEDを点灯するように制御してもよく、また、操作パネル33の各スイッチは、キーボード側にあってもよい。
【0089】
このように、本実施例では、ユーザ名を入力する事により、ユーザ毎の表示設定パラメータの記憶及び読み出し処理が可能となり、よってユーザ毎の表示画面の設定が容易に行える。
【実施例4】
【0090】
続いて、本発明の実施例4について図26ないし図32を参照して説明する。本実施例のハードウェアの構成は図14と同様である。
【0091】
図26,28,30,31,32は、本発明の第4実施の形態の動作を示すフローチャート及び内視鏡2内にある不揮発性メモリ12のメモリマップを示す。
具体的には、図26,28は、画像処理装置3及び内視鏡2内での表示設定パラメータの記憶処理を示すフローチャート、図30は、表示設定パラメータの記憶処理中における不揮発性メモリ12のメモリマップである。図31,32は、画像処理装置3及び内視鏡2内での表示設定パラメータの読み出し処理を示すフローチャートである。また、図27は選択スイッチの1例を示し、図29は選択番号とこれに対応した不揮発性メモリ12のアドレス番地との対応テーブルを示す。
【0092】
始めに、各表示設定パラメータの記憶処理について説明する。
まず、モニタ4に内視鏡画像の表示画面4b(図19)を確認しながら、操作パネル33にある表示設定パラメータスイッチを押す事により、CPU21は、RAM23に格納された各表示設定パラメータを変更して、再び格納すると共に、映像信号処理回路18を調整することで、モニタ4の表示画面を設定する(図26のステップS93)。
【0093】
前記表示画面設定後、操作パネル33にある選択スイッチにより、内視鏡2の不揮発性メモリ12の、例えば3つの記憶領域から1つを選択するための選択番号を選択する(ステップS94)。
【0094】
図27は前記選択スイッチの一例を示す。選択スイッチ52を押す毎に、PIO25を経由してCPU21に入力され、記憶領域番号を1→2→3→1…と変更してRAM23に記憶すると共に、PIO25を経由して、LED53を制御し、選択した領域番号を点灯する。
【0095】
なお、前記選択番号は、ユーザ毎に割り当てられるものであるため、前記選択スイッチ52により、選択番号を選択する事で、ユーザ毎に表示設定パラメータの記憶及び読み出し処理が可能となる。
前記選択スイッチ52による選択後、操作パネル33内の記憶スイッチをONすると(図26のステップS95)、PIO25を経由して、CPU21に入力される。
【0096】
CPU21は、RAM23に格納され、選択番号及び各表示設定パラメータを読み出し、SIO24を経由して、表示設定パラメータ記憶コマンドと共に、内視鏡2に送信する(ステップS96)。内視鏡2側では、CPU13が、前記選択番号及び表示設定パラメータを受信後(図28のステップS98)、まず前記選択番号に対応したアドレスを読み出す(ステップS99)。
【0097】
図29は、CPU13内のROMに格納された、選択番号に対応した不揮発性メモリ12のアドレス番地を表すテーブルを示す。選択番号の1,2,3の番号を受信した場合は、CPU13により、内部のROMから、それぞれ00h,04h,08hを読み出す。 前記読み出したアドレスより、例えば、アドレス値が00hの時は、不揮発性メモリ12のアドレス00h番地に表示設定パラメータを記憶し(ステップS100)、画像処理装置3に応答コマンドを送信する(ステップS101)。画像処理装置3では、応答コマンドを受信し(図26のステップS97)、記憶処理を終了する。
【0098】
続いて、各表示設定パラメータの読み出し処理について説明する。
まず、内視鏡2を画像処理装置3に接続後、操作パネル33内にある選択スイッチを押して選択する事(図31のステップS102)により、PIO25を経由して、CPU21に入力され、RAM23に選択された選択番号が格納される。
【0099】
操作パネル33内にある図示しない読み出しスイッチをONすると(ステップS103)、PIO25を経由してCPU21に入力される。CPU21は、RAM23に格納された前記選択番号を読み出し、SIO24を経由して、表示設定パラメータ読み出しコマンドと共に、内視鏡2に送信する(ステップS104)。
【0100】
内視鏡2側では、CPU13が、前記選択番号を受信後(図32のステップS107)、CPU13内のROMに格納されたテーブル(図29)により、前記選択番号に対応したアドレスを読み出し(ステップS108)、不揮発性メモリ12の前記アドレス番地に格納された表示設定パラメータを読み出す(ステップS109)。その後、読み出した表示設定パラメータを画像処理装置3に送信する(ステップS110)。
【0101】
画像処理装置3では、前記表示設定パラメータがSIO24を経由してCPU21に入力されると(図31のステップS105)、CPU21は、受信した表示設定パラメータをRAM23に格納すると共に、映像信号処理回路18を制御して、表示設定パラメータの設定を行う(ステップS106)。
【0102】
このように、実施例4では、選択スイッチ52により、ユーザ毎に割り当てられた選択番号を選択する事で、ユーザ毎に表示設定パラメータの記憶及び読み出し処理が可能となり、ユーザ毎の表示画面の設定が容易に行える。
【0103】
以上説明したように、第3及び実施例4によれば、内視鏡装置5′は、同一の内視鏡2において、撮像信号を適切に表示するための複数の設定情報を、ユーザ毎に記憶し、かつユーザ毎に読み出す事が可能であるため、同一の内視鏡2においてユーザは、一度、設定情報を設定すれば、再設定が不要となる。
【0104】
また、前記設定情報を記憶する記憶部を内視鏡側に設けたので、画像処理装置側に、以下の(a),(b)の手段を設ける必要がない。
(a) 内視鏡を識別する手段
(b)接続する全ての内視鏡において、ユーザ毎に設定される設定情報を、記憶する記憶部
従って、構成を簡単化できる。
【実施例5】
【0105】
次に本発明の実施例5を説明する。
図33は実施例5の内視鏡装置の概略ブロック図である。この内視鏡装置60は患者の体腔内患部に挿入されるスコープ部8内視鏡部)61と、このスコープ部61がコネクタ62,63によって接続されるプロセッサ本体部64と、患者データ等を入力するキーボード65で構成されている。また、表示用のモニタ66のほかにファイリング装置などの外部記憶装置67が接続可能になっている。
【0106】
スコープ部61は挿入部の先端部にCCD等の固体撮像素子68を有し、この固体撮像素子68によって体腔内患部画像を撮像するようになっている。この撮像素子からの出力信号は信号線とコネクタ62,63を介してプロセッサ本体部64の映像信号処理回路70に入力され、この映像信号処理回路70から更にも文字信号重畳回路71を介してモニタ66に出力される。
【0107】
そして、スコープ部61の先端部の固体撮像素子68で撮像された患部の画像信号はプロセッサ本体部64内において映像信号処理されるとともに、患者データを重畳してモニタ66に表示されるようになっている。
【0108】
また、スコープ部61には記憶部72が設けられ、この記憶部72はコネクタ62を介してプロセッサ本体部64内に設けられているCPU73に接続されている。
【0109】
記憶部72は修理・点検時の管理に必要なデータを記憶する。この記憶されるデータとしては、使用者の施設名,所属部署等や修理点検の来歴等があり、納品時直後のスコープ部61内の記憶部72に施設名,所属部署の情報がない場合はプロセッサ本体部64に接続されたキーボード65より施設名,所属部署を入力し、入力された施設名,所属部署等のデータはCPU73によってスコープ部61内の記憶部72に書き込まれる。
更にスコープ部61内の記憶部72に書き込まれているデータはCPU73を経由して外部記憶装置67に情報を転送する。
【0110】
図34は修理・点検時における実施の形態を示す概略ブロック図である。スコープ部61内の記憶部72はアダプタ・ケーブル75のコネクタ77をコネクタ62に接続することによりパソコン76に接続される。そして、修理点検時には使用者の施設名,所属部署等のユーザ情報を記憶部72から読み出し、修理・点検終了後に修理・点検の来歴を記憶部72に書き込む。
【0111】
図35は記憶部72の実施の形態を示す概略ブロック図である。記憶部72はEEPROM77等の書き込み可能な不揮発性メモリで構成されており、接続されるプロセッサ内のCPU等によって制御される。
【0112】
図36は記憶部72の他の実施の形態を示す概略ブロック図であり、記憶部72内にEEPROM77等の書き込み可能な不揮発性メモリの他に、さらにCPU78を設けたもので、このCPU78を介して通信することでデータのやり取りを行うことができるようにしても良い。
【0113】
本実施例の内視鏡装置60によれば、記憶部72に使用者の施設名、所属部署等のユーザ情報や修理・点検の来歴を記憶されるので、例えば遠隔地の施設に対する配慮や誤った使用法による故障などが把握でき、サービスの向上に寄与することができる。また、データを外部記憶装置67に転送することで、記憶部72のメモリ容量を大きくすることなく、更新される来歴データに対して対応が可能となる。
【0114】
[付記]
1−0.被検体内に挿入されると共に周辺機器に接続される内視鏡において、
接続された前記周辺機器を判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果に基づき、前記周辺機器による前記内視鏡の通電回数を積算する積算手段と、
前記積算手段の積算結果を記憶する記憶手段と、
を設けたことを特徴とする内視鏡。
【0115】
1−0−1.前記内視鏡は接続された周辺機器に対し、送信及び受信する通信機能を有し、前記判別手段は通信機能により、接続された周辺機器に対し、機器判別の情報を送るように送信した際の応答結果から、接続された周辺機器の判別を行う付記1−0の内視鏡。1−0−2.前記記憶手段は前記通電回数を書き換え可能なメモリである付記1−0の内視鏡。
【0116】
1−1.体腔内を撮像する内視鏡と、前記内視鏡と接続可能であり内視鏡検査時に不可欠で使用される特定周辺装置を含む複数の周辺装置とを備えた内視鏡装置において、
前記内視鏡は、該内視鏡と接続した周辺装置を判別する手段と、
前記内視鏡と接続した周辺装置の通電された回数を累積する手段と、
前記累積した通電回数を前記接続した周辺装置に送信する手段と、
前記累積した通電回数を記憶する記憶手段とを内視鏡側に設け、
前記記憶手段は前記累積された通電回数を書き換え可能である事を特徴とする内視鏡装置。
【0117】
1−2.前記通電された回数を累積する手段は、前記内視鏡と接続した周辺装置を判別する手段により、前記内視鏡と接続可能な複数の周辺装置の内、特定周辺装置を判別した場合のみ、前記特定周辺装置を判別後に通電回数の累積を行う事を特徴とする付記1−1の内視鏡装置。
【0118】
1−3.前記内視鏡の点検時期に関する情報を記憶する手段と、前記累積した通電回数と前記点検時期に関する情報から点検時期を判定する手段とを、内視鏡側又は前記特定周辺装置側に具備し、かつ前記点検時期を判定する手段によって判定された判定結果を表示、警報、点灯、又は点滅する手段を、前記特定周辺装置側に具備する事を特徴とする付記1−2の内視鏡装置。
【0119】
1−4.前記内視鏡及び、前記内視鏡と接続可能な複数の周辺装置のうち一部の周辺装置は、シリアルインターフェースで通信する手段を有し、かつ、前記内視鏡が、前記内視鏡と接続した前記一部の周辺装置を判別する手段は、前記一部の周辺装置からシリアルインターフェースで送信された前記一部の周辺装置に関する判別情報により、判別を行う事を特徴とする付記1−3の内視鏡装置。
1−5.前記内視鏡は、挿入部の先端側に固体撮像素子を配設している電子内視鏡である事を特徴とする付記1−4の内視鏡装置。
【0120】
2−1.体腔内を撮像する内視鏡と、前記内視鏡と着脱可能な周辺装置を有する内視鏡装置において、
内視鏡を使用するために必要不可欠な複数の情報を記憶するための記憶部を内視鏡側に設け、かつ前記記憶部は、書き換え可能である事を特徴とする内視鏡装置。
【0121】
2−2.体腔内を撮像する内視鏡と、前記内視鏡からの撮像信号データを信号処理する信号処理装置を有し、前記内視鏡と信号処理装置は着脱可能である内視鏡装置において、
複数のユーザ毎に設定される、前記内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための複数の設定情報と、
前記ユーザを識別する識別情報とを記憶するための記憶部とを、内視鏡側に設け、
前記内視鏡装置に具備する操作部より、前記複数の設定情報及び前記識別情報を入力する手段と、
前記操作部より入力された複数の設定情報を、操作部より入力された識別情報に関連付けて、前記内視鏡側の記憶部に記憶すると共に、前記操作部より入力された前記複数の設定情報より、内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための制御手段と、
前記内視鏡側に設けられた記憶部から、前記識別情報に関連付けて、前記複数の設定情報を読み出す手段と、
前記読み出された設定情報により、内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための制御手段と、
を有する事を特徴とする内視鏡装置。
【0122】
2−3.前記ユーザを識別する識別情報は、モニタに表示可能である事を特徴とする付記2−2の内視鏡装置。
2−4.前記ユーザ毎に設定される複数の設定情報は、前記撮像信号の色調を調整するパラメータを含む事を特徴とする付記2−2の内視鏡装置。
2−5.前記ユーザ毎に設定される複数の設定情報は、前記撮像信号のRGB信号のゲインを調整するパラメータを含む事を特徴とする付記2−2の内視鏡装置。
【0123】
2−6.前記ユーザ毎に設定される複数の設定情報は、撮像信号より得られる内視鏡画像の拡大率に関するパラメータを含む事を特徴とする付記2−2の内視鏡装置。
2−7.前記ユーザ毎に設定される複数の設定情報は、撮像信号より得られる内視鏡画像の子画面表示に関するパラメータを含む事を特徴とする付記2−2の内視鏡装置。
2−8.前記ユーザ毎に設定される複数の設定情報は、撮像信号より得られる内視鏡画像の画像強調レベルに関するパラメータを含む事を特徴とする付記2の内視鏡装置。
【0124】
(付記2−1〜2−8の背景)
(従来の技術)
近年、内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための設定情報を、内視鏡側で記憶する手段を有する内視鏡装置が提案されている。
例えば、特開平9−113820では、電子内視鏡側に、被観察画像の表示色に関する固有データを記憶するメモリを設け、コントロールユニット側で調整された固有データを前記電子内視鏡側にあるメモリに記憶する。
【0125】
また、特公平8−22272では、内視鏡本体に、少なくとも撮像して表示する際の設定条件として必要な諸情報を記憶する書き換え可能な記憶部を設け、ビデオプロセス側の記憶部制御手段により、前記諸情報の読み出し、書き込みを行う。
その他、内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための設定情報を信号処理装置側に記憶する内視鏡装置も、提案されている。
【0126】
(解決しようとする課題)
しかし、複数のユーザがいる病院施設においては、同一のスコープに対して複数のユーザが使用する事が多い。
ところが、複数のユーザが、内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための設定情報を、内視鏡側に記憶する場合、前述した従来例では、以下の手段を行う事ができない。
a.同一の内視鏡に、複数のユーザ毎に、前記設定情報を記憶。
b.前記内視鏡から、前記設定情報を、ユーザ毎に読み出す。
そのため、あるユーザが、1つの内視鏡に前記設定情報を記憶しても、別のユーザが同一のスコープを使う際には、前記設定情報を上書きして新しい設定情報を記憶してしまうため、ユーザは、各自で記憶した設定情報を読み出す事ができず、問題であった。
【0127】
一方、複数の内視鏡を有する施設においては、内視鏡を着脱する信号処理装置側に、前記設定情報を記憶する場合、それぞれの内視鏡ごとに、前記設定情報を記憶しておく必要があるため、以下の手段が必要である。
c.内視鏡側に、内視鏡を識別する識別部を設ける。
d.信号処理装置には、前記内視鏡毎にある識別部より、それぞれの内視鏡を識別するための、識別手段。
又、信号処理装置側は、ユーザが使用する全ての内視鏡について、前記設定情報を記憶しなければならず、機器の大型化につながり、問題であった。
【0128】
(目的)
これらの事情にかえりみてなされたもので、複数のユーザが同一のスコープを使用した場合でも、ユーザ毎の設定情報の記憶及び読み出しが可能であり、かつ構成が容易な内視鏡装置を提供する事を目的とする。
【0129】
(課題を解決するための手段および作用)
(手段)
この内視鏡装置は、体腔内を撮像する内視鏡と、前記内視鏡と着脱可能な装置を有する内視鏡装置において、内視鏡を使用するために必要不可欠な複数の情報を記憶するための記憶部を内視鏡側に設け、かつ前記記憶部は、書き換え可能である事を特徴とする。
また、体腔内を撮像する内視鏡と、前記内視鏡からの撮像信号データを信号処理する信号処理装置を有し、前記内視鏡と信号処理装置は着脱可能である内視鏡装置において、複数のユーザ毎に設定される、前記内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための複数の設定情報と、前記ユーザを識別する識別情報とを記憶するための記憶部を、内視鏡側に設け、前記内視鏡装置に具備する操作部より、前記複数の設定情報及び前記識別情報を入力する手段と、前記操作部より入力された複数の設定情報を、操作部より入力された識別情報に関連付けて、前記内視鏡側の記憶部に記憶すると共に、前記操作部より入力された前記複数の設定情報より、内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための制御手段と、前記内視鏡側に設けられた記憶部から、前記識別情報に関連付けて、前記複数の設定情報を読み出す手段と、前記読み出された設定情報により、内視鏡からの撮像信号を適切に表示するための制御手段を有する事も特徴とする。
また、前記ユーザを識別する識別情報は、モニタに表示可能である事も特徴とする。
【0130】
一方、前記ユーザ毎に設定される複数の設定情報は、前記撮像信号の色調を調整するパラメータ、前記撮像信号のRGB信号のゲインを調整するパラメータ、撮像信号より得られる内視鏡画像の拡大率に関するパラメータ、撮像信号より得られる内視鏡画像の子画面表示に関するパラメータ、又は撮像信号を得られる内視鏡画像の画像強調レベルに関するパラメータを含む事を特徴とする。
【0131】
(作用)
前記内視鏡装置は、同一の内視鏡において、撮像信号を適切に表示するための複数の設定情報を、ユーザ毎に記憶し、かつユーザ毎に読み出す事を可能であるため、同一スコープにおいて、ユーザは、一度、設定情報を設定すれば、再設定が不要となる。
また、前記設定情報を記憶する記憶部を内視鏡側に設けたので、信号処理装置側に、以下の手段を設ける必要がない。
【0132】
a.内視鏡を識別する手段
b.接続する全ての内視鏡において、ユーザ毎に設定される設定情報を、記憶する記憶部
よって、構成を容易にできる。
【0133】
3−1.スコープと内視鏡装置とが着脱自在の電子内視鏡装置において、スコープ側に不揮発性記憶部を設け、前記記憶部に施設名,所属部署等の情報を書き込むことを特徴とする電子内視鏡。
3−2.スコープと内視鏡装置を接続後、スコープ内の記憶部に施設名,所属部署等の情報が記憶されていない場合は、内視鏡装置等で施設名,所属部署を入力、スコープ内の不揮発性記憶部に書き込むことを特徴とする付記3−1に記載の電子内視鏡装置。
【0134】
3−3.スコープと内視鏡装置とが着脱自在の電子内視鏡装置において、スコープ側に不揮発性記憶部を設け、前記記憶部に修理,点検記録等の情報を書き込むことを特徴とする電子内視鏡。
3−4.スコープと内視鏡装置とが着脱自在の電子内視鏡装置において、スコープ側に不揮発性記憶部を設け、前記記憶部に施設名,所属部署等の情報及び修理,点検記録等の情報を読み出すことを特徴とする電子内視鏡。
3−5.スコープと内視鏡装置とが着脱自在かつ外部記憶装置が接続可能の電子内視鏡装置において、スコープ側に不揮発性記憶部を設け、修理,点検記録等の情報を読み出し、外部記憶装置に前記情報を転送すること特徴とする電子内視鏡。
【0135】
(付記3−1〜3−5の背景)
(従来の技術)
近年、電荷結合素子(CCDと記す。)等の固体撮像素子を用いた電子内視鏡が広く用いられるようになった。
【0136】
上記電子内視鏡では光電変換する撮像手段を有するため、その出力信号に対し、信号処理とかVTRとか画像ファイリング装置等で記録することが容易である。
【0137】
電子内視鏡は、例えば体腔内患部に挿入して使用されるため、定期的な点検保守管理が必要とされる。
【0138】
ところで電子スコープにおいても目的部位に応じて長さの長短や細径のものから太径のものまで多種類のものまであり、用途に応じて使い分けられており、複数の種類のの電子スコープに対し、1台の処理装置で使用する場合や複数台の電子スコープ対して複数台の処理装置で使用する場合がある。
【0139】
(解決しようとする課題)
内視鏡は体腔内に挿入され、使用される特殊性のため、安全性を確保する必要がある。そのため定期的な点検等を必要とする。またユーザの使用前点検等で異常が発見時には、保守修理を行うこととなっている。
しかし現状での修理・点検時の管理において、スコープ毎の識別は製造番号のみで管理している。そのためスコープ本体からは修理・点検の来歴やユーザ側の情報を検索をすることはできず、製造番号のみの管理では製造番号毎にデータ・ベースを構築して管理するしかなく、非常に煩わしい。
【0140】
(課題を解決するための手段および作用)
(手段)
スコープと内視鏡装置とが着脱自在の電子内視鏡において、スコープ側に不揮発性記憶部を設け、前記記憶部に使用者の施設名,所属部署等の情報や点検・修理の来歴等の情報を書き込み、そして読み出すことを特徴とする。
【0141】
(作用)
本発明の内視鏡装置によれば、スコープ側に設けられた。記憶部から使用者の施設名,所属部署等の情報や点検・修理の来歴を読み出し点検・修理時の管理情報として使用することにより管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明の実施例1を備えた内視鏡システムの構成図。
【図2】図1における通信機能を備えた画像処理装置を含む内視鏡装置の構成図。
【図3】内視鏡内の電源ON後の立ち上げ時の動作を示すフローチャート図。
【図4】通信機能を有する画像処理装置又は洗浄装置からシリアルインターフェースで受信したデータの処理動作を示すフローチャート図。
【図5】内視鏡の通電回数を累積する動作のフローチャート図。
【図6】内視鏡からシリアルインターフェースで送信され、通信機能を有する画像処理装置に受信された受信データの処理動作を示すフローチャート図。
【図7】通信機能を有する画像処理装置からシリアルインターフェースで送信する処理動作のフローチャート図。
【図8】本発明の実施例2における通電回数を判定する処理動作のフローチャート図。
【図9】内視鏡内の電源ON後の立ち上げ動作を示すフローチャート図。
【図10】画像処理装置等からシリアルインターフェースで受信した複数のデータ要求コマンドに対する処理動作を示すフローチャート図。
【図11】内視鏡から送信された複数データをシリアルインターフェースで受信した時の複数データの処理動作を示すフローチャート図。
【図12】画像処理装置等から内視鏡にシリアルインターフェースで送信する場合の処理動作を示すフローチャート図。
【図13】通電回数を判別し判別結果を決定する処理動作を示すフローチャート図。
【図14】本発明の実施例3の内視鏡及び画像処理装置の詳細な構成を示すブロック図。
【図15】映像信号処理回路の構成を示すブロック図。
【図16】操作パネルにおける複数の表示設定パラメータのうち、映像信号のR及びB信号のゲイン調整を行うためのスイッチの一例を示す図。
【図17】ユーザ名表示画面を示す図。
【図18】ユーザ名表示画面を示す図。
【図19】内視鏡で撮像された内視鏡画像の表示画面を示す図。
【図20】画像処理装置内での表示設定パラメータの記憶処理を示すフローチャート図。
【図21】内視鏡内での表示設定パラメータの記憶処理を示すフローチャート図。
【図22】表示設定パラメータの記憶処理中における不揮発性メモリのメモリマップを示す図。
【図23】画像処理装置内での表示設定パラメータの読み出し処理を示すフローチャート図。
【図24】内視鏡内での表示設定パラメータの読み出し処理を示すフローチャート図。
【図25】表示設定パラメータの読み出し処理中における不揮発性メモリのメモリマップを示す図。
【図26】本発明の実施例4における画像処理装置内での表示設定パラメータの記憶処理を示すフローチャート図。
【図27】選択スイッチの具体例を示す図。
【図28】内視鏡内での表示設定パラメータの記憶処理を示すフローチャート図。
【図29】選択番号とこれに対応した不揮発性メモリのアドレス番地との対応テーブルを示す図。
【図30】表示設定パラメータの記憶処理中における不揮発性メモリのメモリマップを示す図。
【図31】画像処理装置内での表示設定パラメータの読み出し処理を示すフローチャート図。
【図32】内視鏡内での表示設定パラメータの読み出し処理を示すフローチャート図。
【図33】本発明の実施例5を備えた内視鏡装置の全体構成図。
【図34】修理・点検時の構成を示す図。
【図35】記憶部の構成例を示す図。
【図36】記憶部の他の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0143】
1…内視鏡システム
2…内視鏡
2a…通信機能
2b…装置判別機能
2c…記憶部
3A…通信機能を有する画像処理装置
3B…通信機能を有さない画像処理装置
3C…通信機能を有する洗浄装置
4…モニタ
5…内視鏡装置
6…挿入部
7…対物レンズ
8…CCD
9…CCD駆動電源
11…レギュレータ
12…不揮発性メモリ
13…CPU
15…セレクタ
16…電源電圧検出器
17…コネクタ
21…CPU
22…ROM
23…RAM
24…SIO
25…PIO
26…WDT
28…表示コントローラ
29…表示メモリ
30…映像信号切替回路
31…制御信号生成回路
32…キーボード
33…操作パネル
34…LED
35…ブザー
36…コネクタ
37…ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内を撮像する内視鏡と、前記内視鏡からの撮像信号データを信号処理する信号処理装置を有し、前記内視鏡と信号処理装置は着脱可能である内視鏡装置において、
前記内視鏡を使用するユーザの情報を入力する入力手段と、
前記内視鏡に設けられ、前記入力手段により入力された前記ユーザの情報を記憶する記憶部と、
を備えることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記入力手段は、前記内視鏡を利用するユーザを識別するための識別情報及び、前記内視鏡からの撮像信号を、前記ユーザ毎に設定される内容に基づいて信号処理を行うための設定情報を入力し、前記記憶部は、前記識別情報と前記設定情報とを関連付けて前記情報として記憶することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記記憶部に記憶された前記識別情報の中から所望のユーザに関連する識別情報を読み出す読み出し手段と、
前記読み出し手段により読み出された前記識別情報に対応する前記設定情報に基づき、前記内視鏡からの撮像信号に対して信号処理を行うように制御する制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記入力手段は、前記内視鏡を使用する前記ユーザの情報または点検及び修理の来歴情報の少なくとも一方を入力し、
前記記憶部は、前記ユーザの情報および前記来歴情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記記憶部に前記ユーザの情報が記憶されているか否かを確認し、記憶されていない場合には、前記入力手段から入力された前記ユーザの情報を前記記憶部に記憶するように制御する記憶制御手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2006−34985(P2006−34985A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−232140(P2005−232140)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【分割の表示】特願平10−237507の分割
【原出願日】平成10年8月24日(1998.8.24)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】