説明

内視鏡装置

【課題】光源から内視鏡先端部の照明窓までの光路途中に発生する光伝送損失を、簡単かつ確実に検出する。
【解決手段】内視鏡装置100は、被検体内に挿入される内視鏡挿入部25の先端に、照明光を出射する複数の照明窓43A,43Bが配置されている。この内視鏡装置は、光源LDと、光源LDからの出力光を内視鏡挿入部25を通じて複数の照明窓43A,43Bのそれぞれに伝送する導光部材と、導光部材の光出射端と照明窓43A,43Bとの間にそれぞれ配置され、導光部材により伝送される光を波長変換する波長変換部材57A,57Bと、波長変換部材からの発熱を検出する単一の温度センサ63と、光源LDの点灯時に温度センサ63から出力される温度検出値の変化に基づいて、導光部材の光伝送損失の発生を検出する光伝送損失検出手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡装置は、被検体内に挿入する挿入部を有する内視鏡と、この内視鏡に照明光を供給する光源装置とを備え、内視鏡と光源装置とは別体に構成されている。光源装置の発光源としては、キセノンランプやメタルハライドランプ等の白色光ランプが広く使用されるが、ランプに代えてレーザ光源を用いて照明光を生成するものがある。例えば、特許文献1の内視鏡装置においては、光源装置に搭載された半導体レーザ光源からの光を、光ファイバを用いて内視鏡の挿入部先端まで伝送し、挿入部先端に設けた蛍光体を通して白色光を出射させる構成となっている。
【0003】
ところで、光源装置から内視鏡の挿入部先端までの間を単線の光ファイバ、又は少ない本数の光ファイバで照明光の伝送を行う場合、光ファイバの一部に断線が生じただけでも照明光に及ぼす光伝送損失の影響は大きくなり、照明光量を大きく低下させる。そのため、このような光ファイバの断線等の光伝送損失を検出する技術がある。例えば特許文献2には、光ファイバの出射端に配置される蛍光体がレーザ光の照射により昇温することを利用して、蛍光体の温度変化を観察することで光源からの光が蛍光体に達しているかを判断して、断線を検出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−73346号公報
【特許文献2】特開2008−122838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2の検出方法では、内視鏡挿入部の先端には撮像素子や電子回路基板等の発熱体が密集して配置されるため、検出される温度変化がレーザ光による蛍光体の発熱によるものなのか、他の発熱体からの熱によるものなのかが判別し難くなっている。そのため、内視鏡の照明光を伝送する光路途中に光伝送損失が生じたことを簡単な構成で正確に検出することは依然として困難な状況にある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、光源から内視鏡先端部の照明窓までの光路途中に発生する光伝送損失を、単一の温度センサにより簡単かつ確実に検出することができる内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記構成からなる。
被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端に、照明光を出射する複数の照明窓が配置された内視鏡装置であって、
駆動信号に応じて発光する光源と、
前記光源からの出力光を前記内視鏡挿入部を通じて前記複数の照明窓のそれぞれに伝送する導光部材と、
前記導光部材の光出射端と前記照明窓との間にそれぞれ配置され、前記導光部材により伝送される光を波長変換する波長変換部材と、
前記波長変換部材からの発熱を検出する単一の温度センサと、
前記光源の点灯時に前記温度センサから出力される温度検出値の変化に基づいて、前記導光部材の光伝送損失の発生を検出する光伝送損失検出手段と、
を備えた内視鏡装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の内視鏡装置によれば、光源から内視鏡先端部の照明窓までの光路途中で、光ファイバの断線等に起因する光伝送損失を単一の温度センサにより簡単かつ確実に検出することができる。これにより、内視鏡装置を常に必要十分な光量の照明光で使用でき、正確な内視鏡診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡及び内視鏡が接続される各装置を表す内視鏡装置の構成図である。
【図2】内視鏡装置の具体的な構成例を示す外観図である。
【図3】内視鏡先端部の拡大斜視図である。
【図4】光伝送損失確認用制御モードを実施する手順をフローチャートである。
【図5】温度センサによる温度検出値の時間変化の様子を示すグラフである。
【図6】観察対象に応じて逐次変化するレーザ光源の目標光量と、目標光量の変化に応じて温度センサからの温度検出値が変化する様子を示す説明図である。
【図7】撮影画像の模式図と撮影画像の輝度分布のグラフとを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡及び内視鏡が接続される各装置を表す内視鏡装置の構成図、図2は内視鏡装置の具体的な構成例を示す外観図である。
内視鏡装置100は、図1に示すように、内視鏡11と、制御装置13と、モニタ等の表示部15と、制御装置13に情報を入力するキーボードやマウス等の入力部17とを備えている。制御装置13は、光源装置19と、撮像画像の信号処理を行うプロセッサ21とを有して構成される。
【0011】
内視鏡11は、本体操作部23と、この本体操作部23に連設され被検体(体腔)内に挿入される挿入部25とを備える。本体操作部23には、ユニバーサルコード27が接続される。このユニバーサルコード27の先端は、光源装置19にライトガイド(LG)コネクタ29Aを介して接続され、また、ビデオコネクタ29Bを介してプロセッサ21に接続されている。
【0012】
図2に示すように、内視鏡11の本体操作部23には、挿入部25の先端側で吸引、送気、送水を実施するためのボタンや、撮像時のシャッターボタン、詳細を後述する光伝送損失確認ボタン30等の各種操作ボタン31が併設されると共に、一対のアングルノブ33が設けられている。
【0013】
挿入部25は、本体操作部23側から順に軟性部35、湾曲部37、及び先端部(内視鏡先端部)39で構成される。湾曲部37は、本体操作部23のアングルノブ33を回動することによって遠隔的に湾曲操作されて、これにより先端部39を所望の方向に向けることができる。
【0014】
図1、及び内視鏡先端部39の拡大斜視図である図3に示すように、内視鏡先端部39には、撮像光学系の観察窓41と、照明光学系の照明窓43A,43Bが配置されている。これら照明窓43A,43Bは観察窓41を挟んだ両脇側に配置されている。各照明窓43A,43Bから照射される照明光による被検体からの反射光は、観察窓41を通じて撮像素子45(図1参照)で撮像される。撮像された観察画像は、プロセッサ21に接続された表示部15に表示される。
【0015】
撮像光学系は、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の撮像素子45と、撮像素子45に観察像を結像させるレンズ等の光学部材47とを有する。撮像素子45の受光面に結像されて取り込まれる観察像は、電気信号に変換されて信号ケーブル51を通じてプロセッサ21の撮像信号処理部53に入力され、この撮像信号処理部53で映像信号に変換される。
【0016】
一方、照明光学系は、光源装置19と、光源装置19に接続される一対の光ファイバ55A,55Bと、光ファイバ55A,55Bの光出射端にそれぞれ配置した波長変換部材57A,57Bとを有する。光源装置19は、半導体発光素子であるレーザ光源LDと、レーザ光源LDを駆動制御する光源制御部59と、レーザ光源LDからの出射光を光ファイバ55A,55Bに同じ光強度に分配する光カプラ61とを有する。
【0017】
レーザ光源LDは、中心波長445nmの青色発光の半導体レーザである。このレーザ光源LDとしては、例えばブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが使用できる。
【0018】
光源制御部59は、レーザ光源LDの出力光強度や点灯タイミング等を制御する。レーザ光源LDの出力光は、コネクタ29Aを介して、光ファイバ55A,55Bに導入される。そして、光ファイバ55A,55Bによって内視鏡挿入部25を通じて内視鏡先端部39まで伝送され、波長変換部材57A,57Bに照射される。そして、波長変換部材57A,57Bは、レーザ光源からの出力光と、波長変換部材57A,57Bにより波長変換された発光光とを照明窓43A,43Bに出射する。つまり、照明窓43A,43Bからは、光源制御部59によるレーザ光源LDの制御により、任意のタイミングで任意の強度の光出射が可能となっている。
【0019】
波長変換部材57A,57Bは、レーザ光源LDから出射される青色レーザ光の一部を吸収して緑色〜黄色に励起発光する複数種の蛍光体(例えばYAG系蛍光体、或いはBAM(BaMgAl10O37)等を含む蛍光体等)を含んで構成される。これら波長変換部材57A,57Bにより、レーザ光源LDからの青色レーザ光と、この青色レーザ光が波長変換された緑色〜黄色の励起光とが合成された白色光が生成される。
【0020】
ここで、本明細書でいう白色光とは、厳密に可視光の全ての波長成分を含むものに限らず、例えば、基準色であるR(赤),G(緑),B(青)等、特定の波長帯の光を含むものであればよく、例えば、緑色から赤色にかけての波長成分を含む光や、青色から緑色にかけての波長成分を含む光等も広義に含むものとする。
【0021】
内視鏡先端部39の波長変換部材57A,57Bの近傍には、波長変換部材57A,57Bからの発熱を検出する1つの温度センサ63が設けてある。温度センサ63は、レーザ光の照射による波長変換の際に発生する熱を検出し、この検出した熱を温度検出値として信号線65を通じて内視鏡制御部69に出力する。この温度センサ63としては、サーミスタ、熱電対、測温抵抗体が使用可能である。また、温度センサ63は、波長変換部材57A,57Bの双方にできるだけ近い位置に設けることが好ましく、各波長変換部材57A,57Bから互いに略等しい熱伝達係数となる位置に設けることが望ましい。
【0022】
プロセッサ21は、内視鏡制御部69と、映像信号を生成する撮像信号処理部53と、撮像信号や各種情報を保存する記憶手段としてのメモリ71と、画像処理部73とを備えている。内視鏡制御部69は、撮像信号処理部53から出力される観察画像の画像データに対して、画像処理部73により適宜な画像処理を施して表示部15に映出させる。また、光源装置19の光源制御部59に制御信号を出力して、各照明窓43A,43Bから所望の光量の照明光を出射させる。この内視鏡制御部69は、図示しないLAN等のネットワークに接続されて、画像データを含む情報を配信する等、内視鏡装置100全体を制御する。
【0023】
上記構成の内視鏡装置100は、内視鏡制御部69により、内視鏡観察を行うための通常制御モードと、光ファイバ55A,55Bの断線等で生じる光伝送損失を確認するための光伝送損失確認制御モードとに切り替えできる。通常制御モードでは、レーザ光源LDからの青色レーザ光による照明光を所定の光量で照射して観察画像を取得し、表示させる制御を行う。光伝送損失確認用制御モードでは、図1に示すレーザ光源LDから照明窓43A,43Bまでの間の導光部材、即ち、光ファイバ55A,55B、コネクタ29A、光源装置19内の光路及び光カプラ61の各部材の光伝送損失を検出するための制御を行う。
【0024】
なお、ここでの光伝送損失は、光ファイバ55A,55Bの断線をその代表して説明するが、これに限らず、コネクタ29Aの故障又は汚れや異物等による光伝送損失、光源装置19内の光路及び光カプラ61の光伝送損失を含むものとする。即ち、以下に記す断線の検出は、上記の各光伝送損失である可能性も含んでいる。
【0025】
以下、光伝送損失確認用制御モードについて説明する。
図4に光伝送損失確認用制御モードを実施する手順をフローチャートに示した。
光伝送損失確認用制御モードを実施するタイミングとしては、制御装置13の電源スイッチをオンにしたタイミング、術者が内視鏡11の本体操作部23に設けられた光伝送損失確認ボタン30を押下したタイミング、入力部17からの指示があったタイミング等、任意に設定できる。
【0026】
光伝送損失確認用制御モードがスタートすると、内視鏡制御部69(図1参照)は、撮像素子45から出力される撮像信号の輝度情報に基づき、照明光の光量を適正化する露光制御を行う。この露光制御により、内視鏡制御部69はレーザ光源LDの目標光量を設定し(S1)、この目標光量にする制御信号を光源制御部59に出力する。光源制御部59は、入力された制御信号に基づいてレーザ光源LDの出力光強度を目標光量に制御する(S2)。
【0027】
目標光量で駆動されるレーザ光源LDからの出力光は、光ファイバ55A,55Bに同じ光量に分配されて波長変換部材57A,57Bに照射される。すると波長変換部材57A,57Bは、照射された青色レーザ光を波長変換すると共に発熱する。この発熱は内視鏡先端部39内で伝播され、内視鏡先端部39内に収容された各部材を昇温させる。この温度変化を温度センサ63で検出する(S3)。
【0028】
このときの温度センサ63による温度検出値の時間変化の様子を図5に示した。光ファイバ55A,55Bが断線を生じていない場合は、温度検出値の時間変化率がαとなる。光ファイバ55A,55Bのいずれかが断線した場合、光伝送損失により波長変換部材への光照射量が減少し、温度検出値の時間変化率が低下する。片方の光ファイバからの導光が殆ど断たれた場合には、時間変化率αは正常値の時間変化率αの約1/2となる。
【0029】
断線等の光伝送損失がない場合の波長変換部材57A,57Bの温度の時間変化特性は、レーザ光源LDの種類、出力強度、及び波長変換部材57A,57Bの性状や種類に応じた吸収・発光特性等の条件によって解析的に求めることができる。
【0030】
そこで、本構成においては、波長変換部材57A,57Bの温度の時間変化特性を解析的に求め、温度変化情報として記憶手段であるメモリ71に予め記憶させておく。また、温度の時間変化率αを正常時の基準値としてメモリ71に記憶させておく。記憶させる各温度情報は、波長変換部材57A,57B自体の温度であってもよく、温度センサ63の位置での温度であってもよい。波長変換部材57A,57Bの温度である場合は、温度センサ63の温度検出値と比較する際に、必要に応じて適宜な補正処理を行えばよい。
【0031】
内視鏡制御部69は、温度センサ63が測定した温度検出値の時間変化率を求め、求めた時間変化率をメモリ71に記憶された基準値と比較する(S4)。比較の結果、測定により求めた温度変化率が基準値より小さい場合、いずれかの光ファイバ55A,55Bに断線が生じたと判定する(S5)。また、基準値と同等である場合は正常と判定して光伝送損失確認制御モードを終了する。
【0032】
なお、断線の判定基準としては、上記正常時の時間変化率α、又は時間変化率αより所定の割合分だけ低い値を基準値として判定する以外にも、正常時の時間変化率αの1/2値への近似度を検出して、片側断線を特性することでもよい。また、上記の基準値との比較の他に、温度検出値の絶対値の比較で判定することも可能である。その場合、内視鏡制御部69は、メモリ71に記憶された波長変換部材57A,57Bの温度の時間変化特性から正常時の基準温度を参照して、この正常時の基準温度を比較対象とする。
【0033】
内視鏡制御部69は、断線が生じたと判定した場合に、光源制御部59へレーザ光源LDを消灯させる制御信号を出力し、レーザ光源LDを消灯させる(S6)。これにより、通常の露光制御のまま、レーザ光源LDが無駄に制御されることを防止する。
【0034】
即ち、通常の露光制御では、撮像素子45から出力される撮像信号の輝度情報を適正輝度レベルと比較し、その過不足に応じてレーザ光源LDの出力が増減制御されている。断線が生じた場合は照明窓43A,43Bからの照明光が不足し、撮像信号の輝度が低下するので、この輝度の低下分を適正レベルにするため、レーザ光源LDの目標光量が増加制御される。しかし、断線が生じた場合は目標光量を増加しても照明光の不足した状態が続き、更にレーザ光源LDの目標光量を増加させるといった不正なロジックとなってしまう。そのため、断線検出時にはレーザ光源LDを消灯させることで、無駄な露光制御を防止できる。
【0035】
次に、内視鏡制御部69は、断線が発生した旨を表示部15にメッセージを表示する等して術者に通知する(S7)表示部15への表示以外にも、例えば、アラーム音を発生させる報知や、本体操作部23や制御装置13等に設けたランプの点灯により報知を行っても良い。
【0036】
上記構成の内視鏡装置100によれば、レーザ光源LDから内視鏡先端部39の照明窓43A,43Bまでの光路途中で、光ファイバ55A,55Bの断線等に起因する光伝送損失を、単一の温度センサ63により簡単かつ確実に検出することができる。しかも、温度の時間変化率に基づいて正常か異常かを判定するため、温度検出値の絶対値によらず、他の撮像素子45等の加熱部材によるノイズの影響を受けにくい判定が可能となる。これにより、内視鏡装置を常に必要十分な光量の照明光で使用でき、正確な内視鏡診断を行うことができる。また、1つの温度センサ63で複数の照明窓への光路に対する光伝送損失を検出できるため、内視鏡先端部39の小径化を妨げることがない。
【0037】
上記の説明では、光伝送損失確認用制御モードによる制御を内視鏡装置100の電源投入後、直ちに開始する場合を示しているが、開始タイミングは内視鏡装置100の運転開始後の任意のタイミングで行うことができる。
【0038】
図6に観察対象に応じて逐次変化するレーザ光源LDの目標光量と、目標光量の変化に応じて温度センサ63からの温度検出値が変化する様子を示した。目標光量は撮像素子45から出力される撮像信号の輝度情報に応じて増減制御される。この目標光量に応じてレーザ光源LDを駆動すると、温度センサ63からの温度検出値は、光ファイバ55A,55Bに断線が生じていない場合、図中点線で示すように目標光量に対して応答遅れを有して増減する。ところが、いずれかの光ファイバ55A,55Bに断線が生じた場合、図中実線で示すように温度検出値は断線が生じていない場合の約1/2となる。また、応答性も遅れ、昇温の時間変化率も約1/2となる。
【0039】
このように、温度検出値の変化は断線の有無により明らかな差を生じるため、任意のタイミングで温度センサ63により測定しても、得られた温度検出値の変化と、予め定めた基準値(断線のない場合の解析値)とを比較することにより、光ファイバ55A,55Bに生じる断線を随時正確に検出することができる。
【0040】
次に、上記内視鏡装置100の他の構成例を説明する。
上記の断線検出には温度検出値の変化を判定基準に用いていたが、この温度検出値の変化に加えて、更に他のパラメータを判定基準の一つとして組み合わせることで、光ファイバの断線検出精度をより高めることができる。以下に、他のパラメータを用いた断線検出方法について説明する。
【0041】
図1に示す内視鏡制御部69は、前述したように、光源制御部59に目標光量にする制御信号(光量指示値)を出力して、レーザ光源LDを所望の光強度で駆動させる。このときの温度センサ63から得られる温度測定値の時間変化率と、予め定めた基準の時間変化率とを比較して、双方に差があるときに光ファイバに断線が生じたと判定する。このとき、温度センサ63からの温度測定値が、予め定めた基準の温度と比較して、適正範囲か否かを判定してもよい。
【0042】
上記の時間変化率の判定基準に加えて、撮像光学系により撮影された画像の明るさ(例えば、各画素の輝度平均値等)を検出し、この撮影画像の明るさが、設定された光量指示値に対応する明るさに相当するかで判定することができる。この場合、設定された光量指示値に対応する明るさに満たないときに、光ファイバに断線が生じたと判定する。
【0043】
具体的には、断線のない正常時の駆動信号の強度と、撮像信号の基準輝度(特定の撮影条件下における輝度値)との関係を表す輝度変化情報を予め求めてメモリ71に記憶させておく。内視鏡制御部69は、設定された光量指示値に応じて光源制御部59から所定強度の駆動信号をレーザ光源LDに出力する。すると、照明窓43A,43Bから照明光が出射された状態で、被検体が撮像素子45により撮影される。これにより被検体の撮影画像が得られる。
【0044】
内視鏡制御部69は、上記撮影して得た撮像信号の輝度と、メモリ71に輝度変化情報として記憶された基準輝度とを比較して、撮像信号の輝度が基準輝度より低い場合に、光伝送損失が発生したと判定する。このように、温度検出値の変化による判定基準に上記の基準輝度と比較する判定基準を組み合わせることで、より正確な光伝送損失の検出が行える。
【0045】
また、光量指示値と撮影画像の明るさとの関係により光ファイバの断線検出を行う他にも、撮影画像の画面内における明るさ分布に極端な偏りが生じているかを検出して、偏りが生じている場合に光ファイバの断線が発生したと判定することもできる。図7に撮影画像の模式図と撮影画像の輝度分布のグラフを示した。この判定基準を用いる場合には、内視鏡制御部69は、撮影画像の輝度分布を求め、撮影画像の一部に低輝度領域となる輝度ムラの検出を行う。例えば、撮影画像の輝度分布における画面片側半分が低輝度である場合、低輝度側に配置される照明窓に接続される光ファイバに断線が生じたと判定する。
【0046】
上記のように撮影画像の輝度分布を用いて断線検出する場合には、複数の照明窓に繋がる光路のうち、どの光路に光伝送損失があったかを容易に特定することができる。
【0047】
更に、光源制御部49に入力された光量指示値と、レーザ光源LDへの駆動信号の強度との関係から光ファイバの断線発生を検出することもできる。前述しように、光源制御部49は、入力された光量指示値に対応するレーザ光源LDへの駆動信号を、予め光源駆動特性としてメモリ71に記憶させている対応テーブルや演算式等で規定された基準強度に設定している。そこで、最終的に設定された駆動信号の強度が、予め定めた基準強度と異なる場合に、光ファイバの断線が生じたと判断する。
【0048】
具体的には、光源制御部59は、入力された光量指示値に応じた基準強度の駆動信号を生成し、この駆動信号をレーザ光源LDに出力している。出力された駆動信号によるレーザ光源LDからのレーザ光は、所望の明るさの照明光となり被検体に照射される。撮像光学系は光照射された被検体を撮影して撮影画像を出力する。ここで得られた撮影画像の輝度が、設定された目標輝度に満たない場合、光源制御部49は駆動信号強度を増加制御して、照明光量を増加させる。ところが、光ファイバに断線が生じると、レーザ光源LDからレーザ光が出力されても撮影画像の輝度に寄与されず、光量不足の状態が続く。その結果、光源制御部59は駆動信号強度を更に増加制御し、ついには駆動信号が予め定めた最大設定値に達して、この最大設定値で駆動されるようになる。
【0049】
このとき、光源制御部59では、最初に入力された光量指示値(目標輝度が得られる光量)に対する駆動信号の強度とは異なり、予め定めた基準強度を超える強度(最大設定値)にまで補正されている。この駆動信号の強度と、予め定めた基準強度とを比較することで、断線検出の有無が判定できる。このように、光源の出力光量が撮像信号の輝度によりフィードバック制御される場合であっても、設定された目標輝度に対して、光源がより高い強度の駆動信号で駆動されているか否かで光伝送損失の発生を判定できる。
【0050】
次に、上記内視鏡装置100の変形例を説明する。
<変形例1>
前述の内視鏡装置100の構成では、内視鏡先端部39に温度センサ63を配置したが、撮像光学系として配置される撮像素子45を温度センサをとして機能させることもできる。暗電流は、撮像素子45の温度が高いほど電流レベルが増加する。本変形例では、温度に対する暗電流のレベルを予めメモリ71に記憶させておき、内視鏡制御部69が、暗視野で撮影して得られる撮像素子45からの暗電流値に対応する温度値を、メモリ71を参照して求める。そして、この温度値を温度検出値とみなして前述の光伝送損失の検出処理を行う。
【0051】
この構成によれば、温度センサを別体として設ける必要がなくなり、内視鏡先端部39の細径化に寄与できる。
【0052】
<変形例2>
変形例2の構成では、レーザ光源LDが、撮像素子45により検出される波長帯である有感度波長帯域の波長光ではなく、有感度波長帯域以外の波長光を出射して、前述の光伝送損失の検出処理を行う。つまり、青〜緑〜赤の可視波長帯光を避けた他の波長帯域の光、即ち、近紫外光、紫外光、近赤外光、赤外光を波長変換部材57A,57Bに照射して、前述同様に波長変換部材57A,57Bの温度変化を検出する。この場合、波長変換部材57A,57Bを励起発光させるレーザ光源LDと、有感度波長帯域以外の波長光を出力する光源とを別々に設け、各光源からの出力光をコンバイナで合波、光カプラで分波して各光ファイバ55A,55Bに導入する構成とすればよい。
【0053】
この構成によれば、撮像素子45の有感度波長帯以外の波長光を光伝送損失の検出処理に用いるため、撮影画像に何ら影響を及ぼすことなく光伝送損失の検出が可能となる。
【0054】
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。上記では2箇所の照明窓に光ファイバで導光する構成を説明したが、3箇所以上の照明窓に光ファイバで導光する構成としてもよく、その場合も各照明窓の波長変換部材の温度変化を1つの温度センサで検出すればよい。また、光源からの出力光を複数の光路に分配する光カプラは、この他にも光路を分岐する機能を有する光学部材であれば利用可能である。更に、各照明窓に導光する複数本の光ファイバに対して、それぞれ個別に光源を設けた構成としてもよい。複数の照明窓と同じ数だけ用意された各光源からの出力光をそれぞれ個別に光ファイバに導入すれば、各照明窓からの出射光量の個別制御が容易に可能となる。
【0055】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端に、照明光を出射する複数の照明窓が配置された内視鏡装置であって、
駆動信号に応じて発光する光源と、
前記光源からの出力光を前記内視鏡挿入部を通じて前記複数の照明窓のそれぞれに伝送する導光部材と、
前記導光部材の光出射端と前記照明窓との間にそれぞれ配置され、前記導光部材により伝送される光を波長変換する波長変換部材と、
前記波長変換部材からの発熱を検出する単一の温度センサと、
前記光源の点灯時に前記温度センサから出力される温度検出値の変化に基づいて、前記導光部材の光伝送損失の発生を検出する光伝送損失検出手段と、
を備えた内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、光源から内視鏡先端部の照明窓までの導光部材で発生する発生する光伝送損失を、単一の温度センサから出力される温度検出値の変化から簡単かつ確実に検出することができる。
【0056】
(2) (1)の内視鏡装置であって、
前記光源がレーザ光源であり、前記導光部材がそれぞれ単線の光ファイバからなる内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、断線が生じた場合に照明光量が大きく低下する単線の光ファイバでレーザ光を導光する構成であっても、光伝送損失を簡単かつ確実に検出できる。このため、内視鏡の術者は内視鏡検査前に光伝送損失の検査を実施しやすくなり、光伝送損失の発生をより確実に検出できる。
【0057】
(3) (1)又は(2)の内視鏡装置であって、
前記光伝送損失検出手段が、前記温度センサから出力される温度検出値の時間変化率が、予め定めた基準の時間変化率より低い場合に前記導光部材に光伝送損失が発生したと判定する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、温度センサから出力される温度検出値の時間変化率に基づいて光伝送損失の発生が判定されるため、温度の絶対値で判定する場合と比較して、環境温度や他の発熱部材からの熱等の外乱の影響を受けにくくなり、検出精度が向上する。
【0058】
(4) (3)の内視鏡装置であって、
前記駆動信号の強度に対する前記波長変換部材の温度の時間変化率を含む温度変化情報を記憶する記憶手段を備え、
前記光伝送損失検出手段が、前記光源に入力した駆動信号の強度に対応する前記基準の時間変化率を、前記記憶手段の温度変化情報を参照して求める内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、光源の駆動信号の強度に応じた波長変換部材の温度の時間変化特性が予め記憶手段に記憶されるため、時々刻々変化する目標光量に駆動される光源からの出力光によって、波長変換部材の発熱の度合いを簡単に求めることができる。その結果、光源の出力光量に応じたきめ細かな判定処理が可能となる。
【0059】
(5) (4)の内視鏡装置であって、
前記内視鏡挿入部の先端から撮影した被検体の撮像信号を出力する撮像素子を備え、
前記記憶手段が、前記光源に入力される駆動信号の強度に対する前記撮像信号の基準輝度を含む輝度変化情報を記憶し、
前記光伝送損失検出手段が、前記光源に入力した駆動信号の強度に対応する前記基準輝度を、前記記憶手段の輝度変化情報を参照して求め、前記撮像信号の輝度が前記基準輝度より低い場合に前記導光部材に光伝送損失が発生したと判定する機能を更に有する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、予め駆動信号強度に対する基準輝度を記憶しておき、撮像素子から出力される撮像信号の輝度が、光源に入力した駆動信号の強度に対応する基準輝度より低いかを判定することで、光伝送損失の発生を判定することができる。これにより、温度検出値の変化の検出と組み合わせることで、より正確な光伝送損失の検出が行える。
【0060】
(6) (4)の内視鏡装置であって、
前記内視鏡挿入部の先端から撮影した被検体の撮像信号を出力する撮像素子を備え、
前記光伝送損失検出手段が、前記撮像信号により生成される撮影画像の一部が低輝度領域となる輝度ムラを検出した場合に、前記導光部材に光伝送損失が発生したと判定する機能を更に有する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、いずれかの照明窓からの照明光量が低下することで生じる撮像画面の輝度ムラを検出することで、複数の導光部材のうち、光伝送損失が生じた導光部材を特定することができる。
【0061】
(7) (4)の内視鏡装置であって、
前記内視鏡挿入部の先端から撮影した被検体の撮像信号を出力する撮像素子を備え、
前記撮像素子から出力される撮像信号の輝度が、設定された目標輝度となるように、前記光源に入力する駆動信号の強度を補正する光源制御手段と、を備え、
前記記憶手段が、前記目標輝度と前記光源に入力される駆動信号の強度との関係を表す光源駆動特性の情報を記憶し、
前記光伝送損失検出手段が、前記設定された目標輝度に対応する前記駆動信号の基準強度を前記記憶手段の光源駆動特性から求め、前記光源に入力した駆動信号の強度が前記基準強度より高い場合に前記導光部材に光伝送損失が発生したと判定する機能を更に有する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、光源の出力光量が撮像信号の輝度によりフィードバック制御される場合であっても、設定された目標輝度に対して、光源がより高い強度の駆動信号で駆動されているか否かで光伝送損失の発生を判定できる。
【0062】
(8) (7)の内視鏡装置であって、
前記光伝送損失検出手段が、前記導光部材の光伝送損失の発生を検出した場合に前記光源を消灯させる内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、光伝送損失が発生した場合に、光源制御手段によって光源が無駄に光量制御されることを防止できる。
【0063】
(9) (1)〜(8)のいずれか1つの内視鏡装置であって、
前記光源からの出力光を複数の光路に分配する光カプラを備え、
前記導光部材が、前記光カプラにより分配された光を前記内視鏡挿入部を通じて前記複数の照明窓のそれぞれに伝送する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、光源からの出力光を光カプラにより複数の導光部材に分配して、各照明窓からそれぞれ同じ光量の照明光を出射させることができる。
【0064】
(10) (1)〜(9)のいずれか1つの内視鏡装置であって、
前記光源が、前記複数の照明窓と同じ数だけ具備された内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、各照明窓からの照明光をそれぞれ個別に調整することが可能となる。
【0065】
(11) (1)〜(4)のいずれか1つの内視鏡装置であって、
前記内視鏡挿入部の先端から撮影した被検体の撮像信号を出力する撮像素子を備え、
前記撮像素子が、暗電流値を温度検出値として出力し、前記温度センサとして機能する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、温度センサを別体として設ける必要がなくなり、内視鏡先端部の細径化に寄与できる。
【0066】
(12) (1)〜(4)のいずれか1つの内視鏡装置であって、
前記内視鏡挿入部の先端から撮影した被検体の撮像信号を出力する撮像素子を備え、
前記光源が、前記撮像素子の有感度波長帯域以外の波長光を出射する機能を有し、
前記光伝送損失検出手段が、前記光源から前記有感度波長帯域以外の波長光を出力したときの前記温度検出値の変化に基づいて、前記光伝送損失の発生を検出する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、撮像素子の有感度波長帯以外の波長光を光伝送損失の検出処理に用いるため、撮像画像に何ら影響を及ぼすことなく光伝送損失の検出が可能となる。
【符号の説明】
【0067】
11 内視鏡
13 制御装置
15 表示部
17 入力部
19 光源装置
21 プロセッサ
23 本体操作部
25 挿入部
29A コネクタ
30 光伝送損失確認ボタン
39 内視鏡先端部
41 観察窓
43A,43B 照明窓
45 撮像素子
53 撮像信号処理部
55A,55B 光ファイバ
57A,57B 波長変換部材
59 光源制御部
61 光カプラ
63 温度センサ
65 信号線
69 内視鏡制御部
71 メモリ
100 内視鏡装置
LD レーザ光源
α 温度検出値の時間変化率
α 温度検出値の時間変化率

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端に、照明光を出射する複数の照明窓が配置された内視鏡装置であって、
駆動信号に応じて発光する光源と、
前記光源からの出力光を前記内視鏡挿入部を通じて前記複数の照明窓のそれぞれに伝送する導光部材と、
前記導光部材の光出射端と前記照明窓との間にそれぞれ配置され、前記導光部材により伝送される光を波長変換する波長変換部材と、
前記波長変換部材からの発熱を検出する単一の温度センサと、
前記光源の点灯時に前記温度センサから出力される温度検出値の変化に基づいて、前記導光部材の光伝送損失の発生を検出する光伝送損失検出手段と、
を備えた内視鏡装置。
【請求項2】
請求項1記載の内視鏡装置であって、
前記光源がレーザ光源であり、前記導光部材がそれぞれ単線の光ファイバからなる内視鏡装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の内視鏡装置であって、
前記光伝送損失検出手段が、前記温度センサから出力される温度検出値の時間変化率が、予め定めた基準の時間変化率より低い場合に前記導光部材に光伝送損失が発生したと判定する内視鏡装置。
【請求項4】
請求項3記載の内視鏡装置であって、
前記駆動信号の強度に対する前記波長変換部材の温度の時間変化率を含む温度変化情報を記憶する記憶手段を備え、
前記光伝送損失検出手段が、前記光源に入力した駆動信号の強度に対応する前記基準の時間変化率を、前記記憶手段の温度変化情報を参照して求める内視鏡装置。
【請求項5】
請求項4記載の内視鏡装置であって、
前記内視鏡挿入部の先端から撮影した被検体の撮像信号を出力する撮像素子を備え、
前記記憶手段が、前記光源に入力される駆動信号の強度に対する前記撮像信号の基準輝度を含む輝度変化情報を記憶し、
前記光伝送損失検出手段が、前記光源に入力した駆動信号の強度に対応する前記基準輝度を、前記記憶手段の輝度変化情報を参照して求め、前記撮像信号の輝度が前記基準輝度より低い場合に前記導光部材に光伝送損失が発生したと判定する機能を更に有する内視鏡装置。
【請求項6】
請求項4記載の内視鏡装置であって、
前記内視鏡挿入部の先端から撮影した被検体の撮像信号を出力する撮像素子を備え、
前記光伝送損失検出手段が、前記撮像信号により生成される撮影画像の一部が低輝度領域となる輝度ムラを検出した場合に、前記導光部材に光伝送損失が発生したと判定する機能を更に有する内視鏡装置。
【請求項7】
請求項4記載の内視鏡装置であって、
前記内視鏡挿入部の先端から撮影した被検体の撮像信号を出力する撮像素子を備え、
前記撮像素子から出力される撮像信号の輝度が、設定された目標輝度となるように、前記光源に入力する駆動信号の強度を補正する光源制御手段と、を備え、
前記記憶手段が、前記目標輝度と前記光源に入力される駆動信号の強度との関係を表す光源駆動特性の情報を記憶し、
前記光伝送損失検出手段が、前記設定された目標輝度に対応する前記駆動信号の基準強度を前記記憶手段の光源駆動特性から求め、前記光源に入力した駆動信号の強度が前記基準強度より高い場合に前記導光部材に光伝送損失が発生したと判定する機能を更に有する内視鏡装置。
【請求項8】
請求項7記載の内視鏡装置であって、
前記光伝送損失検出手段が、前記導光部材の光伝送損失の発生を検出した場合に前記光源を消灯させる内視鏡装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記光源からの出力光を複数の光路に分配する光カプラを備え、
前記導光部材が、前記光カプラにより分配された光を前記内視鏡挿入部を通じて前記複数の照明窓のそれぞれに伝送する内視鏡装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記光源が、前記複数の照明窓と同じ数だけ具備された内視鏡装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記内視鏡挿入部の先端から撮影した被検体の撮像信号を出力する撮像素子を備え、
前記撮像素子が、暗電流値を温度検出値として出力し、前記温度センサとして機能する内視鏡装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記内視鏡挿入部の先端から撮影した被検体の撮像信号を出力する撮像素子を備え、
前記光源が、前記撮像素子の有感度波長帯域以外の波長光を出射する機能を有し、
前記光伝送損失検出手段が、前記光源から前記有感度波長帯域以外の波長光を出力したときの前記温度検出値の変化に基づいて、前記光伝送損失の発生を検出する内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−143366(P2012−143366A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3500(P2011−3500)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】