説明

内部電圧生成回路

【課題】温度および外部電源電圧(あるいはアレイ電圧)に依存した参照電圧を生成し、データの誤検出を抑制することができる内部電圧生成回路を提供する。
【解決手段】内部電圧生成回路は、半導体メモリに格納されたデータを検出するために用いられる参照電圧を生成する内部電圧生成回路であって、半導体メモリに供給される外部電圧を第1のデジタル値に変換する第1のADコンバータと、半導体メモリの温度に応じて変化する温度特性電圧を第2のデジタル値に変換する第2のADコンバータと、参照電圧を指定する参照電圧トリミングアドレスと、第1のデジタル値と、第2のデジタル値とを受け取り、該参照電圧トリミングアドレス、該第1のデジタル値および該第2のデジタル値を重み付け加算した第3のデジタル値を出力する加算器と、第3のデジタル値に応じた前記参照電圧を出力するドライバとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部電圧生成回路に係わり、例えば、半導体記憶装置の内部電圧生成回路に関する。
【背景技術】
【0002】
1T(Transistor)−1C(Capacitor)型の強誘電体メモリにおいては、センスアンプがデジタルデータを検出するために、データ“0”とデータ“1”との中間電位に参照電圧VDCを設定する必要がある。データ“0”およびデータ“1”を伝達するビット線の電位は、温度およびアレイ電圧VAAの両方に依存することが知られている。従って、データ“0”とデータ“1”との中間電位も温度およびアレイ電圧VAAの変化に伴い変化する。アレイ電圧VAAは、データ読出しあるいは書込み時に、ビット線およびプレート線に印加される電圧である。
【0003】
しかし、従来、参照電圧VDCは、温度およびアレイ電圧VAAの両方には依存していなかった。特に、近年、メモリセルの微細化によってデータのセンスマージンが厳格化されている。また、メモリセルの微細化によって、外部電源電圧VDDが低電圧化されており、外部電源電圧VDDをそのままアレイ電圧VAAとして用いることが考えられている。外部電源電圧VDDは、或る程度の幅をもって変化する電圧である。従って、参照電圧VDCが一定である場合、温度および外部電源電圧VDD(アレイ電圧VAA)の変化によって、参照電圧VDCがデータ“0”とデータ“1”との中間電位から外れ、結果的にセンスアンプがデータを誤って検出する可能性が高くなる。
【0004】
さらに、温度および外部電源電圧VDD(アレイ電圧VAA)に対する参照電圧VDCの依存度(依存量)は、今まで考慮されていなかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】H.Banba et al., “A CMOS bandgap reference circuit with sub-1-V operation”IEEE J.Solid-State Circuits,vol.34, pp.670-674, May 1999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
温度および外部電源電圧(あるいはアレイ電圧)に依存した参照電圧を生成し、データの誤検出を抑制することができる内部電圧生成回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る実施形態に従った内部電圧生成回路は、半導体メモリに格納されたデータを検出するために用いられる参照電圧を生成する内部電圧生成回路であって、前記半導体メモリに供給される外部電圧を第1のデジタル値に変換する前記第1のADコンバータと、前記半導体メモリの温度に応じて変化する温度特性電圧を第2のデジタル値に変換する第2のADコンバータと、前記参照電圧を指定する参照電圧トリミングアドレスと、前記第1のデジタル値と、前記第2のデジタル値とを受け取り、該参照電圧トリミングアドレス、該第1のデジタル値および該第2のデジタル値を重み付け加算した第3のデジタル値を出力する加算器と、前記第3のデジタル値に応じた前記参照電圧を出力するドライバとを備えている。
【0008】
本発明に係る実施形態に従った内部電圧生成回路は、半導体メモリに格納されたデータを検出するために用いられる参照電圧を生成する内部電圧生成回路であって、前記半導体メモリに供給される外部電圧、および、前記半導体メモリの温度に応じて電圧が変化する温度特性電圧をデジタル値に変換するADコンバータと、前記参照電圧を指定する参照電圧トリミングアドレスおよび前記デジタル値を受け取り、該参照電圧トリミングアドレスと該デジタル値とを重み付け加算した加算結果を出力する加算器と、前記加算結果に応じた電圧値を有する前記参照電圧を出力するドライバと、前記温度特性電圧を生成する温度特性電圧発生回路とを備え、
該温度特性電圧発生回路は、前記外部電圧および前記半導体メモリの温度に依存せず、ワード線の電位を生成するための昇圧回路から得た安定電位がソースに印加される第1および第2のトランジスタと、前記外部電圧がソースに印加される第3のトランジスタと、前記第1のトランジスタのドレインと低電位源との間に並列に接続された第1のダイオードおよび第1の抵抗部と、前記第2のトランジスタのドレインに一端が接続された第2の抵抗部と、前記第2の抵抗の他端と前記低電位源との間に接続され、前記第1のダイオードのn倍(n>1)の面積を有する第2のダイオードと、前記第2のトランジスタのドレインと前記低電位源との間に接続された第3の抵抗部と、前記第3のトランジスタのドレインと前記低電位源との間に接続された第4の抵抗部と、前記第1のトランジスタのドレイン電圧と前記第2のトランジスタのドレイン電圧とを入力し、前記第1のトランジスタのドレイン電圧と前記第2のトランジスタのドレイン電圧との電圧差を前記第1から第3のトランジスタのゲートに出力するオペアンプとを含み、前記第3のトランジスタのドレイン電圧を前記温度特性電圧として出力することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る実施形態に従った内部電圧生成回路は、半導体メモリに格納されたデータを検出するために用いられる参照電圧を生成する内部電圧生成回路であって、前記半導体メモリに供給される外部電圧を第1のデジタル値に変換する第1のADコンバータと、温度特性トリミングアドレスおよび前記第1のデジタル値を受け取り、該温度特性トリミングアドレスと該第1のデジタル値とを重み付け加算した加算結果を出力する第1の加算器と、前記加算結果を受け取り、前記加算結果によって決定される温度特性のもとで前記半導体メモリの温度に応じて変化する温度特性電圧を第2のデジタル値に変換する第2のADコンバータと、前記参照電圧を指定する参照電圧トリミングアドレスと前記第2のデジタル値とを重み付け加算した第3のデジタル値を出力する第2の加算器と、前記第3のデジタル値に応じた前記参照電圧を出力するドライバとを備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、内部電圧生成回路温度および外部電源電圧(あるいはアレイ電圧)に依存した参照電圧を生成し、データの誤検出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1の実施形態に従った強誘電体メモリの構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態による内部電圧生成回路を示すブロック図。
【図3】温度特性電圧VBGRtempの生成回路を示す回路図。
【図4】第2の抵抗部R22の構成をより詳細に示す回路図。
【図5】加算器ADRの構成を示す図。
【図6】メモリチップの温度Tおよび参照電圧VDCの関係を示すグラフ。
【図7】本発明に係る第2の実施形態に従った内部電圧生成回路を示すブロック図。
【図8】温度特性電圧VBGRTEMP,VDDの生成回路を示す回路図。
【図9】ポンプ回路PUMP1およびPUMP2の構成を示す図。
【図10】本発明に係る第3の実施形態に従った内部電圧生成回路を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る第1の実施形態に従った強誘電体メモリの構成を示すブロック図である。本実施形態による強誘電体メモリは、セルトランジスタ(T)のソース−ドレイン間にキャパシタ(C)の両端をそれぞれ接続し、これをユニットセル(以下、メモリセルMCともいう)とし、このユニットセルを複数直列に接続した「TC並列ユニット直列接続型強誘電体メモリ」でよい。
【0014】
尚、本実施形態は、TC並列ユニット直列接続型強誘電体メモリに限らず、それ以外の強誘電体メモリにも適用可能である。さらに、本実施形態は、強誘電体メモリに限らず、参照電圧を必要とする他のメモリにも適用可能である。
【0015】
メモリセルアレイ1は、強誘電体キャパシタとセルトランジスタとからなる複数のメモリセルMCを含み、これらを二次元配置することによって構成されている。メモリセルMCは、ビット線BLとワード線WLとの各交差部(ビット線BLとプレート線PLとの各交差部)に対応して配置されている。
【0016】
ロウデコーダ2は、複数のワード線WLのうち、選択されたワード線WLを駆動する。プレート線デコーダ3は、複数のプレート線PLのうち、選択されたプレート線PLを駆動する。ロウ制御回路81は、外部から受けたロウアドレスに応じて或る行のワード線WLおよびプレート線PLを選択し、これらを駆動するために、ロウデコーダ2およびプレート線デコーダ3を制御する。
【0017】
カラムデコーダ6は、カラムゲート5を介して複数のビット線BLのうち、或るビット線BLを選択する。センスアンプSAは、選択されたビット線BLを介してメモリセルMCに格納されたデータを読み出し、あるいは、メモリセルMCへデータを書き込むように構成されている。センスアンプSAがデータを検出するときに、参照電圧VDCが用いられる。カラム制御回路82は、外部から受けたカラムアドレスに応じて或るカラムのビット線BLを選択するようにカラムデコーダ6を制御する。
【0018】
データバッファ7は、センスアンプSAが検出した読出しデータを一時的に格納し、I/O回路を介してこの読出しデータをメモリチップの外部へ出力するように構成されている。あるいは、データバッファ7は、I/O回路を介して外部から入力される書込みデータを、選択カラムのセンスアンプSAへ転送するように構成されている。
【0019】
ここで、外部へデータを読み出すリード動作は、メモリセルMCに格納されたデータをセンスアンプSAが検出し、この検出されたデータをデータバッファ7およびI/O回路を介してメモリチップの外部へデータを出力する動作である。ただし、リード動作は、センスアンプSAにラッチされたデータを元のメモリセルMCへ書き戻すリストア動作を含む。外部からのデータを書き込むライト動作は、リード動作においてセンスアンプSAがデータを検出後、外部からの書込みデータを、I/O回路およびデータバッファ7を介してセンスアンプSAへ伝達し、センスアンプSAがこの書込みデータをメモリセルMCへ書き込む動作である。
【0020】
リード・ライト制御回路83は、外部からチップイネーブル信号bCE、ライトイネーブル信号bWEおよびリストア信号bRESTORを受け取り、イコライズ信号EQL、センスアンプ活性化信号SAP、BSAN等を発生するように構成されている。
【0021】
チップイネーブル信号bCEは、メモリチップを活性状態にし、メモリへのアクセス可能な状態にする信号である。ライトイネーブル信号bWEは、ライト動作またはリード動作のいずれかを許可する信号である。リストア信号bRESTORは、強誘電体メモリがリード動作にエンターしてからリストア動作の完了までの期間、活性状態を維持する信号である。
【0022】
内部電源回路9は、外部電圧VDDを受け、内部電源電圧Vint、参照電圧VDCを生成するように構成されている。内部電源電圧Vintは、図1に示す各構成に供給される。VDD自身も、アレイ電圧としてビット線BLおおびプレート線PLを駆動させるために利用される。参照電圧VDCは、データ“1”と“0”との中間の電圧であり、データの検出時にデータ“1”またはデータ“0”を検出するために用いられる。内部電源回路9は、必要に応じて昇圧回路あるいは降圧回路を含むものであってよい。
【0023】
本実施形態による強誘電体メモリは、プリチャージ状態(待機状態)が終了し、チップ外部から供給されるチップイネーブル信号bCEが論理ロウとなることにより活性状態になる。強誘電体メモリが活性状態になることによって、ロウ制御回路81、カラム制御回路82およびリード・ライト制御回路83を含む制御回路8がメモリセルアレイ1へのアクセスを許可する。
【0024】
図2は、第1の実施形態による内部電圧生成回路を示すブロック図である。内部電圧生成回路は、図1の内部電源回路内に組み込まれていており、参照電圧VDC(Voltage of Dummy Capacitor)を生成する。内部電圧生成回路は、センスアンプSAがセルアレイ1に格納されたデータを検出するときに参照電位として用いられるVDCを生成する回路である。内部電圧生成回路は、第1のADコンバータADC1と、第2のADコンバータADC2と、加算器ADRと、ドライバDRVとを備えている。
【0025】
第1のADコンバータADC1は、外部電源電圧VDDを第1のデジタル値DG1に変換するように構成されている。より詳細には、第1のADコンバータADC1は、外部電源電圧VDDと低電位源VSSとの間に直列に接続された抵抗R0〜R5と、外部電源電圧VDDを抵抗R0〜R5によって抵抗分割した各電圧を基準電圧Vref0〜Vref4と比較し増幅する演算増幅器AMP0〜AMP4と、演算増幅器AMP0〜AMP4から得た結果を2進数のデジタル値DG1に変換する第1のエンコーダENC1とを備えている。
【0026】
本実施形態では、基準電圧Vref0〜Vref4は同じ電位でよい。また、演算増幅器AMP0〜AMP4は同じ構成でよい。この場合、抵抗R0〜R5によって分割された電圧Vd0〜Vd4によって、演算増幅器AMP0〜AMP4の出力が決定される。電圧Vd0〜Vd4は、Vd0が一番高く、Vd1、Vd2、Vd3、Vd4の順に低くなる。外部電源電圧VDDが低く、電圧Vd0が基準電圧Vref0よりも低いときには、演算増幅器AMP0〜AMP4は、低レベル電位を出力する。外部電源電圧VDDが次第に高くなり、電圧Vd0が基準電圧Vref0を超えたときに、演算増幅器AMP0のみが高レベル電位を出力する。それ以外の演算増幅器AMP1〜AMP4は低レベル電位を出力する。さらに、電圧Vd1が基準電圧Vref1を超えたときに、演算増幅器AMP0およびAMP1が高レベル電位を出力する。同様に、外部電源電圧VDDが上昇すると、演算増幅器AMP2、AMP3、AMP4の順に、低レベル電位から高レベル電位に切り替わる。
【0027】
エンコーダENC1は、演算増幅器AMP0〜AMP4の出力を受けて、その出力を2進数のデジタル値DG1に変換する。例えば、演算増幅器AMP0〜AMP4の総てが低レベル電位を出力している場合、エンコーダENC1は、デジタル値DG1として(00000)を出力する。例えば、演算増幅器AMP0のみが高レベル電位を出力している場合、エンコーダENC1は、デジタル値DG1として(00001)を出力する。さらに、演算増幅器AMP0およびAMP1が高レベル電位を出力している場合、エンコーダENC1は、デジタル値DG1として(00010)を出力する。同様に、演算増幅器AMP2、AMP3、AMP4が高レベル電位に切り替わるごとに、エンコーダENC1は、デジタル値DG1として(00011)、(00100)、(00101)を出力する。
【0028】
第2のADコンバータADC2は、温度特性電圧VBGRTEMPを第2のデジタル値DG2に変換するように構成されている。温度特性電圧VBGRTEMPは、半導体チップの温度によって変化するバンドギャップリファレンス電圧であり、図3に示す回路によって生成される。
【0029】
より詳細には、第2のADコンバータADC2は、温度特性電圧VBGRTEMPと低電位源VSSとの間に直列に接続された抵抗R10〜R15と、温度特性電圧VBGRTEMPを抵抗R0〜R5によって抵抗分割した各電圧を基準電圧Vref10〜Vref14と比較し増幅する演算増幅器AMP10〜AMP14と、演算増幅器AMP10〜AMP14から得た結果を2進数のデジタル値DG1に変換する第2のエンコーダENC2とを備えている。
【0030】
本実施形態では、基準電圧Vref10〜Vref14は同じ電位でよい。また、演算増幅器AMP10〜AMP14は同じ構成でよい。この場合、抵抗R10〜R15によって分割された電圧Vd10〜Vd14によって、演算増幅器AMP10〜AMP14の出力が決定される。電圧Vd10〜Vd14は、Vd10が一番高く、Vd11、Vd12、Vd13、Vd14の順に低くなる。温度特性電圧VBGRTEMPが低く、電圧Vd10が基準電圧Vref10よりも低いときには、演算増幅器AMP10〜AMP14は、低レベル電位を出力する。温度特性電圧VBGRTEMPが次第に高くなり、電圧Vd10が基準電圧Vref10を超えたときに、演算増幅器AMP10のみが高レベル電位を出力する。それ以外の演算増幅器AMP11〜AMP14は低レベル電位を出力する。さらに、電圧Vd11が基準電圧Vref11を超えたときに、演算増幅器AMP10およびAMP11が高レベル電位を出力する。同様に、温度特性電圧VBGRTEMPが上昇すると、演算増幅器AMP12、AMP13、AMP14の順に、低レベル電位から高レベル電位に切り替わる。
【0031】
エンコーダENC2は、演算増幅器AMP10〜AMP14の出力を受けて、その出力を2進数のデジタル値DG2に変換する。例えば、演算増幅器AMP10〜AMP14の総てが低レベル電位を出力している場合、エンコーダENC2は、デジタル値DG2として(00000)を出力する。例えば、演算増幅器AMP10のみが高レベル電位を出力している場合、エンコーダENC2は、デジタル値DG2として(00001)を出力する。さらに、演算増幅器AMP10およびAMP11が高レベル電位を出力している場合、エンコーダENC2は、デジタル値DG2として(00010)を出力する。同様に、演算増幅器AMP12、AMP13、AMP14が高レベル電位に切り替わるごとに、エンコーダENC2は、デジタル値DG2として(00011)、(00100)、(00101)を出力する。
【0032】
加算器ADRは、第1のADコンバータADC1からの第1のデジタル値DG1と、第2のADコンバータADC2からの第2のデジタル値DG2と、参照電圧トリミングアドレスVDCtrmとを受け取り、DG1、DG2およびVDCtrmを加算した第3のデジタル値DG3を出力する。参照電圧トリミングアドレスVDCtrmは、参照電圧VDCの大きさを指定するアドレスである。メモリチップの製造後、実際のデータ“0”を伝達するビット線電位およびデータ“1”を伝達するビット線電位に基づいて、内部電圧生成回路が最適な参照電圧VDCを出力するように参照電圧トリミングアドレスVDCtrmは決定される。例えば、参照電圧トリミングアドレスVDCtrmは、参照電圧VDCが0.5V〜1.5Vの所定電圧に設定されるように、6ビット値(000000)〜(111111)のいずれかを出力する。ただし、参照電圧トリミングアドレスVDCtrmは、外部電源電圧VDDの変化およびメモリチップの温度の変化には対応しておらず、温度および外部電源電圧VDDに依らず一定である。
【0033】
第1のデジタル値DG1が(00000)〜(00101)の6通りの値をとり、第2のデジタル値DG2が(00000)〜(00101)の6通りの値をとり、参照電圧トリミングアドレスVDCtrmが6ビット値(2通り)を出力する。第3のデジタル値DG3は、DG1、DG2、VDCtrmの合成関数演算のデジタル処理で計算される。例えば、合成関数演算は、DG1、DG2、VDCtrmに重み付け係数α、β、γ、δをそれぞれ乗算した値を加算することで実行される。即ち、第3のデジタル値DG3は、αDG1+βDG2+γVDCtrm+δで表わされる。以下、この合成関数演算を重み付け加算とも言う。ここで、重み付け係数α、β、γ、δは、実際のデバイスの特性に適合するように設定される。
【0034】
より詳細には、ドライバDRVは、VDDを電源としてVDCを生成するため、αが0であった場合、VDCはVDDに比例して増加する。重み付け係数αは、VDCのVDD依存性を決定する。VDCのVDD依存性をVDD比例より大きくしたい場合には、α>0とし、VDCのVDD依存性をVDD比例より小さくしたい場合には、α<0とする。即ち、電源電圧VDDの変動に対して、図2に示すドライバDRVの出力電圧VDCの変動率が所定値より大きければα>0、所定値より小さければα<0とする。|α|の値も実際のデバイスの特性に応じて任意に設定すればよい。
【0035】
また、半導体チップの温度の変動に対して、出力電圧VDCの変動率が所定値より大きければβ>0、所定値より小さければβ<0とする。|β|の値も実際のデバイスの特性に応じて任意に設定すればよい。
【0036】
γおよびδは、トリミングの範囲、トリミングの最低値、トリミングの最高値に基づいて決める。通常、γおよびδは、ともに正数である。
【0037】
上記重み付け加算を行う加算器ADRは、単純な加算回路、減算回路および積分回路を組み合わせることによって簡単に実現できる。従って、その詳細な構成についての説明は省略する。
【0038】
ビット線およびプレート線の電位がVDDに依存せず一定である場合、VDDに対して出力電圧VDCを一定にするためには、加算器ADRで加算されるデジタル値をマイナス補正する必要がある。つまり、VDDに対して出力電圧VDCを一定にするためには、重み付け係数αを負値にする。この場合、VDCがVDDによって大きくなった分をデジタル的に減算補償して、VDCを実質的に一定にすることができる。
【0039】
また、図2に示す抵抗R0〜R5およびR11〜R15の値を調節することによって、α=β=1とすることができる。さらに、γ=1、δ=0として、VDCのトリミング範囲が0V(原点)を通るように設定することによって、加算器ADRは、図5に示す単純な加算器で構成することができる。尚、以下の説明は、基本的に、図5に示す加算器を用いた実施形態の説明である。
【0040】
ドライバDRVは、第3のデジタル値DG3を受け取り、該第3のデジタル値DG3に応じた参照電圧VDCを出力する。ドライバVDRは、ドライブ素子DR0〜DR6と、キャパシタC0〜C6と、スイッチSWdcとを含む。ドライブ素子DR0〜DR6は、キャパシタC0〜C6にそれぞれ対応して設けられており、第3のデジタル値DR3の各ビットのバイナリ値に基づいてキャパシタC0〜C6を駆動させる。例えば、第3のデジタル値DG3が(0111010)の場合、ドライブ素子DR1、DR3〜DR5のみがそれぞれに対応するキャパシタC1、C3〜C5を駆動させる。
【0041】
キャパシタC0〜C6は、それぞれ異なる容量を有し、第3のデジタル値DR3の桁が大きくなるのに伴って容量が大きくなるように構成されている。例えば、第3のデジタル値DR3の最下位ビットに対応するキャパシタC0を基準容量Crefとすると、DR3の2桁目のビットに対応するキャパシタC1の容量は2×Crefとなる。DR3の3桁目のビットに対応するキャパシタC2の容量は4×Crefとなる。さらに、DR3の4桁目のビットに対応するキャパシタC3の容量は8×Crefとなる。同様に、DR3のn桁目(1≦n≦7)のビットに対応するキャパシタCn−1の容量は2n−1×Crefとなる。
【0042】
従って、上記例のように第3のデジタル値DG3が(0111010)の場合、ドライバ素子DR1、DR3〜DR5が駆動するキャパシタC1、C3〜C5のトータル容量は、58×Crefとなる。
【0043】
キャパシタC0〜C6の一端は、同一のスイッチSWdcに接続されており、該スイッチSWdcを介して出力端子に接続されている。よって、ドライバ素子によって駆動されるキャパシタの容量の和に比例した電圧が参照電位VDCとして出力される。
【0044】
図3は、温度特性電圧VBGRtempの生成回路(以下、VBGRtemp生成回路という)を示す回路図である。VBGRtemp生成回路の出力部は、図2に示す第2のADコンバータADC2のVBGRtempの入力部に接続される。
【0045】
VBGRtemp生成回路は、外部電源電圧VDDがソースに印加される第1から第3のトランジスタTP1〜TP3と、第1のトランジスタTP1のドレインと低電位源VSSとの間に並列に接続された第1のダイオードD21および第1の抵抗部R21と、第2のトランジスタTP2のドレインに一端が接続された第2の抵抗部R22と、第2の抵抗部R22の他端と低電位源との間に接続され、第1のダイオードD21のn倍(n>1)の面積を有する第2のダイオードD22と、第2のトランジスタTP2のドレインと低電位源VSSとの間に接続された第3の抵抗部R23と、第3のトランジスタTP3のドレインと低電位源VSSとの間に接続された第4の抵抗R24とを備えている。
【0046】
さらに、VBGRtemp生成回路は、第1のトランジスタTP1のドレイン電圧Vd1と第2のトランジスタTP2のドレイン電圧Vd2とを入力し、ドレイン電圧Vd1とVd2との電圧差(Vd2−Vd1)を第1から第3のトランジスタTP1〜TP3のゲートに出力する演算増幅器AMP21とを含む。第3のトランジスタTP3のドレイン電圧が温度特性電圧VBGRtempとして出力される。
【0047】
尚、第2のダイオードD22は、第1のダイオードD21をn個並列に接続した構成であってもよい。
【0048】
図3に示す回路では、抵抗部R21〜R24の抵抗比によって温度特性電圧VBGRtempが決定される。この場合、抵抗部R22のみを設定すれば、温度特性電圧VBGRtempの温度依存度も設定することができる。
【0049】
図4は、第2の抵抗部R22の構成をより詳細に示す回路図である。温度特性電圧VBGRtempは、第1から第4の抵抗部R21〜R24によって温度特性を有する。さらに、第2の抵抗部R22が図4の示すように構成されていることによって、温度特性電圧VBGRtempの温度に対する依存度(依存量)を変更することができる。温度に対する依存度(依存量)とは、メモリチップの温度の変化量に対する温度特性電圧VBGRtempの変化量を示す。従って、温度依存度(温度依存量)が高いことは、メモリチップの温度の変化に対して、温度特性電圧VBGRtempの変化量が大きいことを示す。換言すると、温度特性電圧VBGRtempがメモリチップの温度に対して敏感であると言ってもよい。尚、温度特性電圧VBGRtempの温度依存度が高いことは、図2から分かるように、参照電圧VDCの温度依存度が高いことを意味する。例えば、温度特性電圧VBGRtempの温度依存度は、参照電圧VDCの温度依存度に比例する。
【0050】
第2の抵抗部R22は、第2のトランジスタTP2と第2のダイオードD22との間に直列に接続された抵抗R30〜R34と、各抵抗R30〜R34のそれぞれに対して並列に接続されたスイッチング素子SW30〜SW34とを備えている。スイッチング素子SW30〜SW34は、N型FETとP型FETとを並列に接続して構成されたCMOSスイッチである。抵抗R30〜R34の抵抗比は、R30:R31:R32:R33:R34=1:2:4:8:16である。
【0051】
強誘電体メモリの形成後、温度特性電圧VBGRtempまたは参照電圧VDCを測定し、各チップ、各ウェハあるいは各ロットごとに第2の抵抗部R22の温度依存度の設定を決定する。例えば、或るチップ、或るウェハまたは或るロットにおいてメモリセルの温度依存度が高い場合には、第2の抵抗部R22の温度依存度を高める。図4に示す第2の抵抗部R22では、スイッチング素子SW30〜SW34の設定を変更することによって、第2の抵抗部R22の抵抗値を2通りに変更することができる。温度特性トリミングアドレスR2−0〜R2−4(以下、TMPtrmともいう)は、温度特性電圧VBGRtempまたは参照電圧VDCの測定後、第2の抵抗部R22の抵抗値を適切に設定するために固定される。これにより、各チップ、各ウェハあるいは各ロットごとに温度特性電圧VBGRtempおよび参照電圧VDCの温度依存度を設定することができる。温度特性トリミングアドレスTMPtrmの設定は、ウェハ上に強誘電体メモリを形成した後、ダイシング前の試験工程において行われることが好ましい。
【0052】
図5は、加算器ADRの構成を示す図である。加算器ADRは、7個の全加算回路FA0〜FA6を含む。加算器ADRの処理は次の通りである。全加算回路FA0〜FA6のそれぞれの構成は、既存の全加算回路の構成と同様でよい。
【0053】
まず、7個の全加算回路FA0〜FA6の各第1の入力X0〜X5にそれぞれ参照電圧トリミングアドレスVDCtrmの最下位ビットから最上位ビットの各バイナリ値を入れる。当初、X6には0を入力する。次に、全加算回路FA0〜FA4の各第2の入力Y0〜Y5に第1のデジタル値DG1の最下位ビットから最上位ビットの各バイナリ値を入れる。加算器ADRが第1の入力X0〜X5と第2の入力Y0〜Y5との加算を行う。このとき、加算器ADRは、上記重み付け加算(αDG1+γVDCtrm)を行ってもよい。次に、第1の入力X0〜X6にそれぞれ加算結果の値を入れ直し、加算器ADRはこの加算結果を一時的に記憶する。さらに、第2の入力Y0〜Y5に第2のデジタル値DG2の最下位ビットから最上位ビットの各バイナリ値を入れる。そして、加算器ADRが第1の入力X0〜X6と第2の入力Y0〜Y5との加算を再度行う。このとき、加算器ADRは、上記重み付け加算((1回目の加算結果)+βDG2+δ)を行ってもよい。加算結果S0〜S6が第3のデジタル値DG3としてドライバDRVへ出力される。重み付け加算をした場合、DG3は、αDG1+γVDCtrm+βDG2+δとなる。その結果、本実施形態による内部電圧生成回路は、外部電源電圧VDD(アレイ電圧)およびメモリチップの温度に依存した参照電圧VDCを生成することができる。
【0054】
図6は、メモリチップの温度Tおよび参照電圧VDCの関係を示すグラフである。このグラフによれば、参照電圧VDCは、メモリチップの温度Tにほぼ比例して変化している。尚、このグラフの傾きは、参照電圧VDCの温度依存度を示しており、温度依存度が高いとこのグラフの傾きは大きくなる。外部電源電圧VDDがVDD’(VDD>VDD’)に変化したときには、それに伴い、参照電圧VDCも上昇する。
【0055】
本実施形態による内部電圧生成回路は、メモリチップの温度および外部電源電圧VDD(あるいはアレイ電圧)に依存した参照電圧VDCを生成し、データの誤検出を抑制することができる。また、本実施形態による内部電圧生成回路は、参照電圧VDCの温度依存度(依存量)を任意に設定することができる。
【0056】
(第2の実施形態)
図7は、本発明に係る第2の実施形態に従った内部電圧生成回路を示すブロック図である。第2の実施形態による内部電圧生成回路は、ADコンバータADC2を1つだけ備えている。温度特性電圧VBGRTEMP,VDDは、メモリチップの温度および外部電源電圧VDDの両方に依存して変化する。即ち、デジタル値DG10は、チップ温度だけでなく外部電源電圧VDD(アレイ電圧)をも考慮した値となっている。
【0057】
第2の実施形態の加算器ADR、ドライバDRV、エンコーダENC2、演算増幅器AMP10〜AMP14および抵抗R10〜R15の構成は、第1の実施形態と同様でよい。
【0058】
図8は、温度特性電圧VBGRTEMP,VDDの生成回路(以下、VBGRTEMP,VDD生成回路という)を示す回路図である。VBGRTEMP,VDD生成回路では、演算増幅器AMP21の電源として、ワード線の高レベル電位VPPの2分の1の電圧VPP/2を用いている。また、第1および第2のトランジスタTP1およびTP2のソースにも、電圧VPP/2が印加されている。第3のトランジスタTP3のソースには、外部電源電圧VDDが接続されている。第2の抵抗部R21の構成は、図4に示す構成と同じでよい。VBGRTEMP,VDD生成回路のその他の構成は、図3に示すVBGRTEMP生成回路の構成と同様でよい。
【0059】
VPPは、ワード線WLの高レベル電圧であり、データ読出しおよびデータ書込み時の非選択ワード線に用いられる。この高レベル電圧VPPは、温度に依存しない従来型の電圧VBGRで発生した電圧を、昇圧回路で昇圧して生成される。昇圧回路は、図9に示すように2つのポンプ回路PUMP1およびPUMP2で構成されている。電圧VPP/2は、電圧VBGRを受ける最初の昇圧段PUMP1の出力電圧である。電圧VPPは、VPP/2を受ける2段目の昇圧段PUMP2の出力電圧である。
【0060】
電圧VPPは、チップ温度および外部電源電圧VDDに依存せず、電圧VBGRを基準として生成される電圧である。従って、演算増幅器AMP21は、外部電源電圧VDDに依らず、チップ温度に依存した電圧を出力する。チップ温度が一定のまま、外部電源電圧VDDが大きくなった場合、第3のトランジスタTP3のゲート電圧は変化せず、そのソース電圧が上昇する。その結果、第3のトランジスタTP3に流れる電流が大きくなり、温度特性電圧VBGRTEMP,VDDは、外部電源電圧VDDに依存した電圧となる。
【0061】
一方、外部電源電圧VDDが一定のまま、チップ温度が上昇した場合、第3のトランジスタTP3のゲート電圧は低下する。その結果、第3のトランジスタTP3に流れる電流が大きくなり、温度特性電圧VBGRTEMP,VDDは、チップ温度にも依存した電圧となる。
【0062】
図7に示すエンコーダENC2は、チップ温度および外部電源電圧VDDの両方に依存した温度特性電圧VBGRTEMP,VDDをデジタル値DG10に変換する。加算器ADRは、デジタル値DG10と参照電圧トリミングアドレスVDCtrmとを加算する。その後の動作は、第1の実施形態の動作と同様であるので、その説明を省略する。
【0063】
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第2の実施形態は、外部電源電圧VDD専用のADコンバータADC1を必要としない。従って、第2の実施形態による内部電圧生成回路は、回路規模を小さくすることができる。
【0064】
(第3の実施形態)
図10は、本発明に係る第3の実施形態に従った内部電圧生成回路を示すブロック図である。第3の実施形態による内部電圧生成回路は、第1のADコンバータADC1とVBGRTEPM生成回路との間に設けられた第1の加算器ADR1と、第2のADコンバータADC2とドライバDRVとの間に設けられた第2の加算器ADR2とを備えている。
【0065】
第3の実施形態では、第1の加算器ADR1が、VBGRTEPM生成回路に入力される温度特性トリミングアドレスTMPtrmに外部電源電圧VDDに依存した第1のデジタル値DG31を加算する。よって、温度特性トリミングアドレスTMPtrmが第2のデジタル値DG2としてVBGRTEPM生成回路に入力されるとき、第2のデジタル値DG2は、既に外部電源電圧VDDを考慮に入れた値となっている。
【0066】
第3の実施形態における第1のADコンバータADC1、第2のADコンバータADC2、VBGRTEPM生成回路、第2の加算器ADR2およびドライバDRVの各構成は、それぞれ第1の実施形態の第1のADコンバータADC1、第2のADコンバータADC2、VBGRTEPM生成回路(図3および図4)、加算器ADRおよびドライバDRVの各構成と同様でよい。第1の加算器ADR1の構成は、第1の実施形態の加算器ADRと基本的に同様でよい。ただし、第1の加算器ADR1内の全加算回路の数は、第2のデジタル値DG32の桁数と同じにすればよい。
【0067】
第1のADコンバータADC1から出力される第1のデジタル値DG1は、第1の実施形態の第1のデジタル値DG1と同様に、外部電源電圧VDDに応じて6通りの値を取り得る。温度特性トリミングアドレスTMPtrmは、例えば、4ビット信号である。この場合、第2のデジタル値DG32は、(00000)〜(10101)のいずれかの値を取り得る。尚、第2のデジタル値DG32が(00000)〜(11111)のいずれかの値を取り得るように、温度特性トリミングアドレスTMPtrmおよび第1のADコンバータADC1を構成しても差し支えない。第1から第3のデジタル値DG31〜DG33の取り得る範囲は、仕様の問題であって任意に設定してよい。
【0068】
VBGRTEPM生成回路は、第2のデジタル値DG32を温度特性トリミングアドレスTMPtrmとして受け取る。図4に示すスイッチング素子SW30〜SW34が第2のデジタル値DG32によって制御される。このとき、スイッチング素子SW30〜SW34は温度依存度および外部電源電圧VDDを加味して設定される。
【0069】
第2のADコンバータADC2は、VBGRTEPM生成回路からVBGRTEPM、VDDを受け取り、これを第3のデジタル値DG33に変換する。第2のADコンバータADC2の動作は、第1の実施形態のそれと同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0070】
第2の加算器ADR2は、参照電圧トリミングアドレスVDCtrmと第3のデジタル値DG33とを加算し、加算結果をドライバDRVに出力する。第3の実施形態では、第2の加算器ADR2の加算結果は、(0000000)〜(1000101)となる。その後の動作は、第1の実施形態の動作と同様であるので、その説明を省略する。
【0071】
第3の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
尚、第1から第3の実施形態において、第1および第2のデジタル値DG1、DG2は、6通りの値を出力した。しかし、外部電源電圧VDDの依存度およびチップ温度の依存度をさらに高めるために、第1および第2のデジタル値DG1、DG2が取り得る値を大きくしてもよい。この場合、ADコンバータADC1およびADC2内の演算増幅器AMPi(iは整数)と抵抗Riとのペアを増加させればよい。
【符号の説明】
【0073】
ADC1、ADC2…ADコンバータ
ENC1,ENC2…エンコーダ
AMP0〜AMP14…演算増幅器
R0〜R15…抵抗
ADR…加算器
DRV…ドライバ
VDD…外部電源電圧
VBGRTEMP…温度特性電圧
VDC…参照電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体メモリに格納されたデータを検出するために用いられる参照電圧を生成する内部電圧生成回路であって、
前記半導体メモリに供給される外部電圧を第1のデジタル値に変換する前記第1のADコンバータと、
前記半導体メモリの温度に応じて変化する温度特性電圧を第2のデジタル値に変換する第2のADコンバータと、
前記参照電圧を指定する参照電圧トリミングアドレスと、前記第1のデジタル値と、前記第2のデジタル値とを受け取り、該参照電圧トリミングアドレス、該第1のデジタル値および該第2のデジタル値を重み付け加算した第3のデジタル値を出力する加算器と、
前記第3のデジタル値に応じた前記参照電圧を出力するドライバとを備えた内部電圧生成回路。
【請求項2】
前記加算器は、前記参照電圧トリミングアドレスと前記第1のデジタルとを重み付け加算した結果を一時的に記憶し、
前記加算器は、前記レジスタに記憶された値と前記第2のデジタル値とを重み付け加算して前記第3のデジタル値を出力することを特徴とする請求項1に記載の内部電圧生成回路。
【請求項3】
前記温度特性電圧を生成する温度特性電圧発生回路をさらに備え、
該温度特性電圧発生回路は、
前記外部電圧がソースに印加される第1から第3のトランジスタと、
前記第1のトランジスタのドレインと低電位源との間に並列に接続された第1のダイオードおよび第1の抵抗部と、
前記第2のトランジスタのドレインに一端が接続された第2の抵抗部と、
前記第2の抵抗部の他端と前記低電位源との間に接続され、前記第1のダイオードのn倍(n>1)の面積を有する第2のダイオードと、
前記第2のトランジスタのドレインと前記低電位源との間に接続された第3の抵抗部と、
前記第3のトランジスタのドレインと前記低電位源との間に接続された第4の抵抗部と、
前記第1のトランジスタのドレイン電圧と前記第2のトランジスタのドレイン電圧とを入力し、前記第1のトランジスタのドレイン電圧と前記第2のトランジスタのドレイン電圧との電圧差を前記第1から第3のトランジスタのゲートに出力するオペアンプとを含み、
前記第3のトランジスタのドレイン電圧を前記温度特性電圧として出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内部電圧生成回路。
【請求項4】
半導体メモリに格納されたデータを検出するために用いられる参照電圧を生成する内部電圧生成回路であって、
前記半導体メモリに供給される外部電圧、および、前記半導体メモリの温度に応じて電圧が変化する温度特性電圧をデジタル値に変換するADコンバータと、
前記参照電圧を指定する参照電圧トリミングアドレスおよび前記デジタル値を受け取り、該参照電圧トリミングアドレスと該デジタル値とを重み付け加算した加算結果を出力する加算器と、
前記加算結果に応じた電圧値を有する前記参照電圧を出力するドライバと、
前記温度特性電圧を生成する温度特性電圧発生回路とを備え、
該温度特性電圧発生回路は、
前記外部電圧および前記半導体メモリの温度に依存せず、ワード線の電位を生成するための昇圧回路から得た安定電位がソースに印加される第1および第2のトランジスタと、
前記外部電圧がソースに印加される第3のトランジスタと、
前記第1のトランジスタのドレインと低電位源との間に並列に接続された第1のダイオードおよび第1の抵抗部と、
前記第2のトランジスタのドレインに一端が接続された第2の抵抗部と、
前記第2の抵抗の他端と前記低電位源との間に接続され、前記第1のダイオードのn倍(n>1)の面積を有する第2のダイオードと、
前記第2のトランジスタのドレインと前記低電位源との間に接続された第3の抵抗部と、
前記第3のトランジスタのドレインと前記低電位源との間に接続された第4の抵抗部と、
前記第1のトランジスタのドレイン電圧と前記第2のトランジスタのドレイン電圧とを入力し、前記第1のトランジスタのドレイン電圧と前記第2のトランジスタのドレイン電圧との電圧差を前記第1から第3のトランジスタのゲートに出力するオペアンプとを含み、
前記第3のトランジスタのドレイン電圧を前記温度特性電圧として出力することを特徴とする内部電圧生成回路。
【請求項5】
半導体メモリに格納されたデータを検出するために用いられる参照電圧を生成する内部電圧生成回路であって、
前記半導体メモリに供給される外部電圧を第1のデジタル値に変換する第1のADコンバータと、
温度特性トリミングアドレスおよび前記第1のデジタル値を受け取り、該温度特性トリミングアドレスと該第1のデジタル値とを重み付け加算した加算結果を出力する第1の加算器と、
前記加算結果を受け取り、前記加算結果によって決定される温度特性のもとで前記半導体メモリの温度に応じて変化する温度特性電圧を第2のデジタル値に変換する第2のADコンバータと、
前記参照電圧を指定する参照電圧トリミングアドレスと前記第2のデジタル値とを重み付け加算した第3のデジタル値を出力する第2の加算器と、
前記第3のデジタル値に応じた前記参照電圧を出力するドライバとを備えた内部電圧生成回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−23047(P2011−23047A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164525(P2009−164525)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】